JPH0726475Y2 - 簡易エアーハンマー掘削機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エアーハンマーを使用する掘削機に関する。

〔従来の技術〕

エアーハンマー（ダウンザホールハンマー）で杭孔を掘
削する場合、従来は第８図に示すように履帯体の走行手
段を有するベースマシン１の高いマスト２のトップシー
ブから回転駆動部３をワイヤー等で昇降自在に吊り下
げ、この回転駆動部３にエアーハンマー４を連結してい
る。

エアーハンマー４の先端のハンマー部4aを振動させなが
ら、回転駆動部３で該エアーハンマー４を水平方向に回
転させてマスト２に沿って下降させ地中に挿入してい
く。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような大型のベースマシン１を用いた従来の掘削装
置では、ベースマシン１が入ることができない狭い場所
では使用が不可能となり、また装置全体が大掛りなもの
で、ベースマシン１を操作するオペレータを必要とする
など面倒なものである。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、コンパク
トで場所を取らず、取扱いも容易で、しかも回転反力を
強固にとれる簡易エアーハンマー掘削機を提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、水平板下中央に円筒
体を取付けてこの円筒体中央に上下の貫通孔を形成し、
該円筒体の外周に先端をテーパーにして全体を矢羽根状
に形成した反力板体を放射状に縦設してなる回転反力支
持体を地表下にセットし、前記貫通孔上に位置する回転
筒をモーターで駆動する回転駆動装置をこの回転反力支
持体上に設け、外周にケーシングを取付けたエアーハン
マーの、該ケーシング周面に長さ方向に形成した係合部
と前記回転筒に設けた係合部とを係合させながら、この
ケーシング付きのエアーハンマーを回転筒内及び貫通孔
内に挿通させることを要旨とするものである。

〔作用〕

本考案によれば、回転反力支持体を水平板のみを残して
地表下に埋込みを終えた後、エアーハンマーは先端のハ
ンマー部を振動させながら、またモーターにより回転筒
が回転する回転駆動装置で回転しながら地中に建込まれ
削孔する。

その削孔の際、エアーハンマーは回転反力支持体により
ガイドされて正確に建込まれ、回転の際の反力はこの回
転反力支持体より得ることができる。

この回転反力支持体は、反力板体を放射状に縦設してな
るので、この反力板体が抵抗となって、地表下にセット
したときに回転筒に対する反力を確実にとれる。

また、反力板体は先端をテーパーにして全体を矢羽根状
に形成したものなので、地中に打込みやすい。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案の簡易エアーハンマー掘削機の１実施例
を示す一部切欠いた正面図、第２図は同上平面図、第４
図は第１図のＡ線矢視図で、本考案の掘削機は、エアー
ハンマー５とこのエアーハンマー５の回転駆動装置６
と、該回転駆動装置６が立設する回転反力支持体７との
組合せよりなる。

先に回転反力支持体７より説明すると、これは第３図に
示すように、水平板８下中央に円筒体９を取付けてこの
円筒体９内に上下の貫通孔10を確保し、また該円筒体９
の外周に放射状に縦反力板体11を突設した。この反力板
体11は地中に打込みやすいように先端をテーパーとし
て、全体を矢羽根状に形成してある。

また、第４図にも示すように水平板８の上面にはピン結
用のブラケット12を設けた。

回転駆動装置６は、ブラケット12に連結ピン13をもって
下端が結合する支持フレーム14上に、第３図に示すよう
に中央に回転筒15を設け、この回転筒15の回転伝達ギア
を収めたギアケース16を載置し、ギアケース16上に駆動
モーター17を取付けたものである。

そして、回転筒15の上端（下端でも可）に内周に係合凹
部18aを形成したドーナツ形状の回転伝達板18を取付け
た。

エアーハンマー５は、従来と同じく先端にハンマー部5a
を有し、軸の上端にスイベル装置5bを設けたものである
が、その外周をケーシング19で囲み、このケーシング19
の周面に長さ方向に係合凸条19aを形成する。

ケーシング19の外径は回転伝達板18の内径にほぼ合致
し、係合凸条19aは係合凹部18a内に嵌合する形状であ
る。

これら係合部としての係合凸条と係合凹部は、ケーシン
グ19の周面に係合溝を、回転伝達板18の内周にこの係合
溝に嵌まる凸部を形成するように替えてもよい。また、
回転伝達板18は回転筒15と別体のものでなく一体的に形
成したものでもよい。

次に、使用法及び動作について説明する。

先に装置のセットについて述べると、第５図に示すよう
に地表上に回転反力支持体７を置き、該支持体７の円筒
体９の上端に木製のキャップ20を嵌め、このキャップ20
をクレーンで吊り下げたエアーハンマー５で打撃するよ
うにして回転反力支持体７を水平板８のみを残して地表
下に埋込む。

この場合、ケーシング19の外周にアイボルト21を介して
ワイヤー22を取付け、該ワイヤー22により回転反力支持
体７を吊支するようにする。

次いで、第６図に示すようにワイヤー22及びキャップ20
を除き、ケーシング19に回転伝達板18及び回転筒15を嵌
めるようにして回転駆動装置６を取付け、さらにこの回
転駆動装置６を回転反力支持体７の地表上に残る水平板
８上に立設する。

支持フレーム14の下端と水平板８とは、ブラケット12に
連結ピン13を差し込むことで固定する。

以上でセットが完了し、そのままエアーハンマー５を駆
動し、ハンマー部5aを振動させながら、モーター17によ
り回転筒15を回せば、回転伝達板18の係合凹部18aとケ
ーシング19の係合凸条19との噛合せによりエアーハンマ
ー５も回転する。このようにエアーハンマー５は回転し
ながら打撃を行い、回転筒15及び回転反力支持体７の円
筒体９をケーシング19の部分が挿通しながら、エアーハ
ンマー５は自重で下方に掘り進んでいく。

なお、エアーハンマー５は円筒体９でガイドされながら
精度よく建込まれていき、回転駆動装置６で回転する際
の反力は回転反力支持体７が反力板体11でしっかりと地
表下に固定されているのでこの回転反力支持体７より受
けることができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の簡易エアーハンマー掘削機
は、エアーハンマーを回転しながら地中に建込み削孔を
行うのに、高いマストを有する大型のベースマシンを必
要とせず、全体がコンパクトで、狭い場所でも使用で
き、また操作も簡単なものである。

しかも、回転反力支持体は反力板体を有するので回転筒
に対する反力を確実にとれてエアーハンマーは正確に地
中に案内され、またこの回転反力支持体は削孔の際の地
表の崩壊を防ぐ役割もなす。

また、反力板体は先端をテーパーにして全体を矢羽根状
に形成したものなので、地中に打込みやすいものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の簡易エアーハンマー掘削機の１実施例
を一部切欠いた正面図、第２図は同上平面図、第３図は
同上説明図、第４図は第１図のＡ線矢視図、第５図〜第
７図は使用状態の各工程を示す正面図、第８図は従来例
を示す側面図である。 １……ベースマシン、２……マスト ３……回転駆動部、４……エアーハンマー 4a……ハンマー部、５……エアーハンマー 5a……ハンマー部、5b……スイベル装置 ６……回転駆動装置、７……回転反力支持体 ８……水平板、９……円筒体 10……貫通孔、11……反力板体 12……ブラケット、13……連結ピン 14……支持フレーム、15……回転筒 16……ギアケース、17……駆動モーター 18……回転伝達板、18a……係合凹部 19……ケーシング、19a……係合凸条 20……キャップ、21……アイボルト 22……ワイヤー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平板下中央に円筒体を取付けてこの円筒
   体中央に上下の貫通孔を形成し、該円筒体の外周に先端
   をテーパーにして全体を矢羽根状に形成した反力板体を
   放射状に縦設してなる回転反力支持体を地表下にセット
   し、前記貫通孔上に位置する回転筒をモーターで駆動す
   る回転駆動装置をこの回転反力支持体上に設け、外周に
   ケーシングを取付けたエアーハンマーの、該ケーシング
   周面に長さ方向に形成した係合部と前記回転筒に設けた
   係合部とを係合させながら、このケーシング付きのエア
   ーハンマーを回転筒内及び貫通孔内に挿通させることを
   特徴とする簡易エアーハンマー掘削機。