JPH0726195Y2 - センタ−ベアリングサポ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軸受支持機能を有するセンターベアリングサ
ポートの改良に関するものである。

〔従来の技術〕

自動車の駆動系においてプロペラシャフトをシャシ等の
支持部材に支承させる場合、比較的長尺になる該シャフ
トの軸振れ等を想定してセンターベアリングサポートが
用いられる。第３図はこの種サポートの従来例を示し、
つぎのように構成されている。すなわち同図において、
符号（１）は金属製の外環、（２）は内環で、該両環
（１）（２）の間に、径方向に伸縮するベロー（４）を
備えたゴム様弾性材製の弾性リング（３）が焼付固着さ
れている。符号（７）は、弾性リング（３）の内環焼着
部外周面（５）に後付け嵌着されたストッパであり、弾
性リング（３）と同じ材料により断面矩形のリング状に
成形されている。このサポートは、外環（１）を支持部
材に嵌合固定する一方で、内環（２）にベアリングを介
してプロペラシャフトを内挿支持し、弾性リング（３）
に設けたベロー（４）の伸縮により軸振れを円滑に吸収
する。弾性リング（３）に嵌着したストッパ（７）は、
このベロー（４）の収縮動作を一定量以下に抑えるもの
で、ベロー（４）によって吸収しきれない大きな軸振れ
を、外周面（８）を弾性リング（３）の外環焼着部内周
面（６）に押し当て圧縮変形することにより吸収する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来のサポートにおいて、ゴム様弾性材を成形材料
として外環（１）と内環（２）の間に焼着される弾性リ
ング（３）は、軸方向に分割される２枚割り式の成形型
により加硫成形されるものであり、このためストッパ
（７）をどうしても該弾性リング（３）と別体に成形し
て後付けしなければならず、部品数が増え、後付け工程
が必要となり、コスト高になる問題点を有している。す
なわちストッパ（７）を弾性リング（３）に一体成形し
ようとすると、離型時、弾性リング（３）の図上右側に
位置する分割型（図示せず）に対し断面矩形になるスト
ッパ（７）が邪魔になって成形品を離型することができ
なかった。

本考案は以上の点に鑑み、ストッパの形状を変更して該
ストッパを弾性リングと一体に成形し得るようにしたセ
ンターベアリングサポートを提供せんとするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記の目的を達成するために、ゴム様弾性材
をもって製せられ、軸線方向に開口する環状溝を備えて
略Ｕ字形又は略Ｓ字形の断面形状を呈するベローを形成
され、前記外環の内周面及び内環の外周面に焼着される
弾性リングに、前記ベローから前記環状溝内へ傾斜して
伸び、前記外環の内周面又は内環の外周面に対し、間隔
を保って対向するストッパを一体形成されるものであ
る。

〔作用〕

上記の構成を備えた本考案のセンターベアリングサポー
トにおいては、軸線方向に開口する環状溝を形成された
弾性リングのベローから斜め方向に伸びて一体形成され
たストッパが、ゴム状弾性材による弾性リング及びスト
ッパの成形後に２分割された成形型を軸線方向に分離さ
れる際に、成形型の内面によって変形しながら離型され
る。

又、このストッパは、支持対象軸の径方向振れに伴って
対向面に接触した後に、自己の弾性によってベローの弾
性力を助勢し、続いて、外環又は内環の内周面を支えて
ベローの過度の変形を抑止する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

第１図に示すセンターベアリングサポートにおいて、外
環（１）と内環（２）の間に焼着され、ベロー（４）を
備えた弾性リング（３）の内環焼着部外周に、軸心
（０）に対し斜向し、基部から先端へかけて漸次拡径す
る環状リップ状のストッパ（９）が一体形成されてい
る。

このストッパ（９）は、当該弾性リング（３）の成形
時、その離型に伴なって矢示方向に傾倒し、該リング
（３）を分割型からスムーズに離型させる。

また第２図は本考案の第２実施例として弾性リング
（３）のベロー（４）を断面Ｓ字形に形成し、その中央
揺動部（10）の両面に２本のストッパ（11）（12）を一
体成形したものを示し、互いに略対称に成形されたスト
ッパ（11）（12）はそれぞれ軸心（０）に対して斜向し
たリップ状になる。第１図に示したストッパ（９）を含
め、このストッパ（11）（12）は必ずしも環状に成形す
る必要はなく、円周方向に等配状に分散形成してもよ
い。

〔考案の効果〕

本考案のセンターベアリングサポートは以上説明したよ
うに、ゴム様弾性材をもって製せられ、軸線方向に開口
する環状溝を備えて略Ｕ字形又は略Ｓ字形の断面形状を
呈するベローを形成され、外環の内周面及び内環の外周
面に焼着された弾性リングに、前記ベローから前記環状
溝内へ傾斜して伸び、前記外環の内周面又は前記内環の
外周面に対し、間隔を保って対向するストッパを一体形
成されていることにより、成形後に２分割された成形型
を軸線方向に分離される際に、傾斜状のストッパが成形
型によって変形しながら離型されるので、従来の製品に
比べ、部品点数の減少及び製作工程の単純化によって製
作コストが低減し、更に、ベローに一体成形されたスト
ッパが、ベローの弾性力を助成するとともに、過度の変
形を抑止してその寿命を長期化させるので、本考案の実
用的効果はきわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るセンターベアリングサ
ポートの半裁断面図、第２図は他の実施例に係るセンタ
ーベアリングサポートの半裁断面図、第３図は従来例に
係るセンターベアリングサポートの半裁断面図である。 （１）…外環、（２）…内環、（３）……弾性リング （４）…ベロー、（７）（９）（11）（12）…ストッパ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−17216（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−21225（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−14518（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−70354（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−6510（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−81230（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−67945（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】支持部材に嵌合固定される外環（１）、ベ
   アリングを介してプロペラシャフトを内挿支持する内環
   （２）及びゴム様弾性材をもって製せられ、軸線方向に
   開口する環状溝を備えて略Ｕ字形又は略Ｓ字形の断面形
   状を呈するベロー（４）を形成され、前記外環（１）の
   内周面及び前記内環（２）の外周面に焼着された弾性リ
   ング（３）を有するセンターベアリングサポートにおい
   て、前記ベロー（４）から前記環状溝内へ傾斜して伸
   び、前記外環（１）の内周面又は前記内環（２）の外周
   面に対し、間隔を保って対向するストッパ（９又は11,1
   2）を一体形成されていることを特徴とするセンターベ
   アリングサポート。