JPH072618A - 重合可能な歯科材料、該材料からなる充填剤及びインレー並びに固定セメント - Google Patents
重合可能な歯科材料、該材料からなる充填剤及びインレー並びに固定セメントInfo
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- JPH072618A JPH072618A JP3298730A JP29873091A JPH072618A JP H072618 A JPH072618 A JP H072618A JP 3298730 A JP3298730 A JP 3298730A JP 29873091 A JP29873091 A JP 29873091A JP H072618 A JPH072618 A JP H072618A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Ｘ線不透過性、耐摩耗性、高光沢研磨可能性
及び機械的耐久値により優れた製品を製造することがで
き、前歯及び側歯用充填材料として、インレーを製造す
るために使用可能な材料を提供することであった。 【構成】 該歯科材料は、ビス−［４−（２−ヒドロキ
シ−３−メタクリロイルオキシプロポキシ）−フェニ
ル］−ジ−メチルメタン、トリエチレングリコールジメ
タクリレート及び／又は２，２，４−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネートと２−ヒドロキシエチルメタ
クリレートからなるジウレタンジメタクリレート１０〜
６０重量％、バリウムアルミニウム珪酸ガラス８０〜９
０重量％と０．０４〜０．０６μｍの微粒子状の二酸化
珪素１０〜２０重量％からなる充填剤混合物３７〜８７
重量％、γ−ジケトン０．０２〜２重量％及びアミン
０．１〜１重量％からなる。
及び機械的耐久値により優れた製品を製造することがで
き、前歯及び側歯用充填材料として、インレーを製造す
るために使用可能な材料を提供することであった。 【構成】 該歯科材料は、ビス−［４−（２−ヒドロキ
シ−３−メタクリロイルオキシプロポキシ）−フェニ
ル］−ジ−メチルメタン、トリエチレングリコールジメ
タクリレート及び／又は２，２，４−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネートと２−ヒドロキシエチルメタ
クリレートからなるジウレタンジメタクリレート１０〜
６０重量％、バリウムアルミニウム珪酸ガラス８０〜９
０重量％と０．０４〜０．０６μｍの微粒子状の二酸化
珪素１０〜２０重量％からなる充填剤混合物３７〜８７
重量％、γ−ジケトン０．０２〜２重量％及びアミン
０．１〜１重量％からなる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、モノマーのジメタクリ
レート、バリウムアルミニウム珪酸ガラスと微粒子状の
二酸化珪素からなる無機充填剤混合物及び光重合のため
のγ−ジケトン／アミン系を含有する重合可能な歯科材
料に関する。
レート、バリウムアルミニウム珪酸ガラスと微粒子状の
二酸化珪素からなる無機充填剤混合物及び光重合のため
のγ−ジケトン／アミン系を含有する重合可能な歯科材
料に関する。
【０００２】本発明による歯科材料は、歯牙充填剤、イ
ンレーを製造するための材料及び歯牙用固定セメントで
ある。
ンレーを製造するための材料及び歯牙用固定セメントで
ある。
【０００３】
【従来の技術】重合可能な歯牙充填剤は、数十年来公知
である。該材料の最初のものは、モノマーとポリマーの
メチルメタクリレートの混合物からなり、該混合物は触
媒ないしは触媒と促進剤からなる系を添加することによ
り数分以内に、口腔内の温度条件下で硬化した。
である。該材料の最初のものは、モノマーとポリマーの
メチルメタクリレートの混合物からなり、該混合物は触
媒ないしは触媒と促進剤からなる系を添加することによ
り数分以内に、口腔内の温度条件下で硬化した。
【０００４】該充填剤の機械的特性の改良は、微粒子状
の充填剤、例えば石英又は珪酸アルミニウムを添加する
ことにより、美的効果の改良は、もはや変色を惹起しな
い新規触媒系を開発することにより、及び重合収縮の低
下は、メチルメタクリレートの他に又はその代わりに高
級アルコールのメタクリル酸エステルを使用することに
より達成された。
の充填剤、例えば石英又は珪酸アルミニウムを添加する
ことにより、美的効果の改良は、もはや変色を惹起しな
い新規触媒系を開発することにより、及び重合収縮の低
下は、メチルメタクリレートの他に又はその代わりに高
級アルコールのメタクリル酸エステルを使用することに
より達成された。
【０００５】該新規材料の最初のものは、Rafael L Bow
en により開発され、米国特許第３０６６１１２号明細
書に記載されている。これはモノマー結合剤として主と
してビスフェノールとグリシジルアクリレートないしは
グリシジルメタクリレートを反応させることにより製造
されるジアクリレートないしはジメタクリレートを無機
充填剤として、及び微粒子状の二酸化珪素を有利にはシ
ラン処理された形で含有する。ビス−ＧＭＡ又はボーベ
ンモノマー（Bowen-Monomer）としても知られる、Bowen
により発見されたビス−［４−（２−ヒドロキシ−３−
メタクリロイルオキシプロポキシ）−フェニル］−ジメ
チルメタンは、今日でもなお市販の歯科材料の大抵のも
のに含有されている。
en により開発され、米国特許第３０６６１１２号明細
書に記載されている。これはモノマー結合剤として主と
してビスフェノールとグリシジルアクリレートないしは
グリシジルメタクリレートを反応させることにより製造
されるジアクリレートないしはジメタクリレートを無機
充填剤として、及び微粒子状の二酸化珪素を有利にはシ
ラン処理された形で含有する。ビス−ＧＭＡ又はボーベ
ンモノマー（Bowen-Monomer）としても知られる、Bowen
により発見されたビス−［４−（２−ヒドロキシ−３−
メタクリロイルオキシプロポキシ）−フェニル］−ジメ
チルメタンは、今日でもなお市販の歯科材料の大抵のも
のに含有されている。
【０００６】別のコンパウンドの例として、有機モノマ
ーの他に微粒子状の無機充填剤を含有する歯科材料が、
米国特許第３５３９５３３号明細書に記載されている。
その際、重合可能な接着剤は、ビス−ＧＭＡ、ビスフェ
ノールＡ−ジメタクリレート、希釈モノマー、特にトリ
エチレングリコールジメアクリレート、及び場合により
少量のメタクリル酸からなる混合物であり、該混合物は
無機充填剤、例えば、二酸化珪素、ガラス、酸化アルミ
ニウム又は石英約６５〜７５重量％と一緒に使用され
る。該無機充填剤は粒度約２〜８５μｍを有していてよ
い。プラスチックと充填剤の結合を改良するために、シ
ラン、例えば３−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランで前処理される。
ーの他に微粒子状の無機充填剤を含有する歯科材料が、
米国特許第３５３９５３３号明細書に記載されている。
その際、重合可能な接着剤は、ビス−ＧＭＡ、ビスフェ
ノールＡ−ジメタクリレート、希釈モノマー、特にトリ
エチレングリコールジメアクリレート、及び場合により
少量のメタクリル酸からなる混合物であり、該混合物は
無機充填剤、例えば、二酸化珪素、ガラス、酸化アルミ
ニウム又は石英約６５〜７５重量％と一緒に使用され
る。該無機充填剤は粒度約２〜８５μｍを有していてよ
い。プラスチックと充填剤の結合を改良するために、シ
ラン、例えば３−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランで前処理される。
【０００７】西ドイツ国特許第２４０３２１１号明細書
から、歯牙目的（窩のための充填剤、固定セメント用材
料、封鎖及び保護平板固定コンパウンド、クラウン及び
ブリッジ材料、義歯材料並びに人工歯を製造するための
コンパウンド）のための材料は公知であり、該材料は重
合可能なアクリレートないしはメタクリレートの他に、
無機充填剤として粒度約１０〜４００μｍの微粒子状の
（高度に分散した）二酸化珪素を含有する。
から、歯牙目的（窩のための充填剤、固定セメント用材
料、封鎖及び保護平板固定コンパウンド、クラウン及び
ブリッジ材料、義歯材料並びに人工歯を製造するための
コンパウンド）のための材料は公知であり、該材料は重
合可能なアクリレートないしはメタクリレートの他に、
無機充填剤として粒度約１０〜４００μｍの微粒子状の
（高度に分散した）二酸化珪素を含有する。
【０００８】その際、重合可能なモノマーは、ビス−Ｇ
ＭＡ又はビスフェノールＡの誘導体、又は場合によりモ
ノマーの短鎖状のメタクリレート及び／又はジアクリレ
ートないしはジメタクリレートと共に、ヒドロキシアル
キルメタクリレートとジイソシアネートの反応生成物か
らなる。粒子状の充填剤を含有する材料から製造した歯
牙充填剤などは、高光沢研磨性において優れている。
ＭＡ又はビスフェノールＡの誘導体、又は場合によりモ
ノマーの短鎖状のメタクリレート及び／又はジアクリレ
ートないしはジメタクリレートと共に、ヒドロキシアル
キルメタクリレートとジイソシアネートの反応生成物か
らなる。粒子状の充填剤を含有する材料から製造した歯
牙充填剤などは、高光沢研磨性において優れている。
【０００９】西ドイツ国特許出願第２４０５５７８号明
細書から、高光沢研磨可能な生成物に加工する歯牙材料
において、メタクリル酸のエステルの他に無機充填剤と
して最大粒度０．０７μｍの珪酸と粒度５μｍ以下であ
るべき微粒子状ガラスとからなる混合物を使用すること
は公知である。ここではメタクリル酸エステルとして、
ビス−ＧＭＡ、２，２−ビス−［ｐ−（２−ヒドロキシ
エトキシ）−フェニル］−プロパンジメタクリレート及
びトリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられ
ている。
細書から、高光沢研磨可能な生成物に加工する歯牙材料
において、メタクリル酸のエステルの他に無機充填剤と
して最大粒度０．０７μｍの珪酸と粒度５μｍ以下であ
るべき微粒子状ガラスとからなる混合物を使用すること
は公知である。ここではメタクリル酸エステルとして、
ビス−ＧＭＡ、２，２−ビス−［ｐ−（２−ヒドロキシ
エトキシ）−フェニル］−プロパンジメタクリレート及
びトリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられ
ている。
【００１０】通常のかつ微粒子状の無機充填剤を含有す
る歯科材料（これについての表記はハイブリットコンパ
ウンドで知られている）は、例えば国際特許第Ｗ０８１
／０２２５４号明細書に記載されている。粒径０．０１
〜０．０４μｍの疎水性二酸化珪素と、例えば粒径２〜
３０μｍのＸ線不透過性バリウム又はストロンチウムを
含有するガラスからなる充填剤混合物を含有する。重合
可能なモノマーとしては、ビス−ＧＭＡ又はエトキシ化
ビスフェノールＡ−ジメタクリレート及びトリエチレン
グリコールジメタクリレートが使用される。該材料は、
歯科充填材料として及び例えば鋳造された金のクラウン
を外装するために使用される。
る歯科材料（これについての表記はハイブリットコンパ
ウンドで知られている）は、例えば国際特許第Ｗ０８１
／０２２５４号明細書に記載されている。粒径０．０１
〜０．０４μｍの疎水性二酸化珪素と、例えば粒径２〜
３０μｍのＸ線不透過性バリウム又はストロンチウムを
含有するガラスからなる充填剤混合物を含有する。重合
可能なモノマーとしては、ビス−ＧＭＡ又はエトキシ化
ビスフェノールＡ−ジメタクリレート及びトリエチレン
グリコールジメタクリレートが使用される。該材料は、
歯科充填材料として及び例えば鋳造された金のクラウン
を外装するために使用される。
【００１１】西ドイツ国特許第３７０８６１８号明細書
及び同第３８２６２３３号明細書は、粒度０．０１〜
０．４μｍの高度に分散した二酸化珪素１０〜９０重量
％を含有するプラスチックからなる耐摩耗性、高光沢研
磨可能なジャケットを有するプラスチック義歯製品に関
する。該ジャケットは、高度な曲げ強さ及び高い曲げ弾
性率を有する平均粒度０．７〜５μｍの二酸化珪素、リ
チイウムアルミニウム珪酸ガラス及び／又はストロンチ
ウムアルミニウム珪酸ガラス、又は平均粒度０．７〜１
０μｍのバリウムアルミニウム珪酸ガラス６０〜１００
重量％と、平均粒度０．０１〜０．４μｍの高度に分散
した二酸化珪素０〜４０重量％からなる無機充填剤混合
物３０〜９０重量％を含有するコアを覆っている。コア
とジャケットのプラスチックは、有利にはビス−ＧＭ
Ａ、エトキシ化ビスフェノールＡ−ジアクリレートない
しは−ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート、２
−ヒドロキシエチルメタクリレートと２，２，４−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネートからなるジウレ
タンジメタクリレート、
及び同第３８２６２３３号明細書は、粒度０．０１〜
０．４μｍの高度に分散した二酸化珪素１０〜９０重量
％を含有するプラスチックからなる耐摩耗性、高光沢研
磨可能なジャケットを有するプラスチック義歯製品に関
する。該ジャケットは、高度な曲げ強さ及び高い曲げ弾
性率を有する平均粒度０．７〜５μｍの二酸化珪素、リ
チイウムアルミニウム珪酸ガラス及び／又はストロンチ
ウムアルミニウム珪酸ガラス、又は平均粒度０．７〜１
０μｍのバリウムアルミニウム珪酸ガラス６０〜１００
重量％と、平均粒度０．０１〜０．４μｍの高度に分散
した二酸化珪素０〜４０重量％からなる無機充填剤混合
物３０〜９０重量％を含有するコアを覆っている。コア
とジャケットのプラスチックは、有利にはビス−ＧＭ
Ａ、エトキシ化ビスフェノールＡ−ジアクリレートない
しは−ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート、２
−ヒドロキシエチルメタクリレートと２，２，４−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネートからなるジウレ
タンジメタクリレート、
【００１２】
【外１】
【００１３】及び／又は
【００１４】
【外２】
【００１５】からなるポリマーである。該義歯製品は、
クラウン、ブリッジ、インレー等の処理に適している。
クラウン、ブリッジ、インレー等の処理に適している。
【００１６】歯牙用固定セメントは、インレー、アンレ
ー、クラウン、ブリッジ、いわゆる粘着ブリッジ又は接
着ブリッジ（Maryland−ブリッジ）、前装介殻を歯質に
接着させるために使用される。固化処理の結果硬化する
セメント、例えば酸化亜鉛−燐酸塩セメントの他に、重
合により硬化するセメントもますます使用されている。
重合可能な固定セメントは、モノマーとして通常ではア
クリル酸ないしはメタクリル酸のエステルを、大抵は微
粒子状の無機充填剤及びその他に重合を開始させる触媒
を含有する。
ー、クラウン、ブリッジ、いわゆる粘着ブリッジ又は接
着ブリッジ（Maryland−ブリッジ）、前装介殻を歯質に
接着させるために使用される。固化処理の結果硬化する
セメント、例えば酸化亜鉛−燐酸塩セメントの他に、重
合により硬化するセメントもますます使用されている。
重合可能な固定セメントは、モノマーとして通常ではア
クリル酸ないしはメタクリル酸のエステルを、大抵は微
粒子状の無機充填剤及びその他に重合を開始させる触媒
を含有する。
【００１７】ヨーッパ特許第００６４８３４号明細書か
ら、結合剤樹脂、希釈モノマー、少なくとも２０重量％
の量の無機充填剤、及び可視光線で照射すると重合を開
始させるための光重合開始剤を含有する、歯に対象物を
接着するための接着材料が公知である。光重合開始剤と
しては、例えば樟脳キノン、ベンジル、ビスマスアセチ
ル、９，１０−フェナントレンキノン及びナフトキノン
から選択されるα−ジケトンと、アミン、特にジアルカ
ノールアミン又はトリアルカノールアミンとの混合物を
使用する。充填剤としては、無機ガラス、例えばバリウ
ムアルミニウム珪酸ガラス及びリチウムアルミニウム珪
酸ガラスが有利である。
ら、結合剤樹脂、希釈モノマー、少なくとも２０重量％
の量の無機充填剤、及び可視光線で照射すると重合を開
始させるための光重合開始剤を含有する、歯に対象物を
接着するための接着材料が公知である。光重合開始剤と
しては、例えば樟脳キノン、ベンジル、ビスマスアセチ
ル、９，１０−フェナントレンキノン及びナフトキノン
から選択されるα−ジケトンと、アミン、特にジアルカ
ノールアミン又はトリアルカノールアミンとの混合物を
使用する。充填剤としては、無機ガラス、例えばバリウ
ムアルミニウム珪酸ガラス及びリチウムアルミニウム珪
酸ガラスが有利である。
【００１８】西ドイツ国特許第３４４１５６４号明細書
によれば、使用される接着材料が、メタクリル酸エステ
ルと粒度０．０４μｍまでのシラン処理された二酸化珪
素からなる無機充填剤の他に、化学的低温重合（自然重
合）のための触媒並びに又光重合のための触媒を含有し
ている場合には、接着ブリッジの金属面を確実に、密着
して隙間なく歯のエナメル質とに接着することができ
る。
によれば、使用される接着材料が、メタクリル酸エステ
ルと粒度０．０４μｍまでのシラン処理された二酸化珪
素からなる無機充填剤の他に、化学的低温重合（自然重
合）のための触媒並びに又光重合のための触媒を含有し
ている場合には、接着ブリッジの金属面を確実に、密着
して隙間なく歯のエナメル質とに接着することができ
る。
【００１９】スイス国、月刊誌 Zahnmed. Vol. 99、4/19
89 から、２段式光重合により硬化され、まず黄色に着
色され、最終硬化で初めて最終的な色を得る、低粘度の
微粒子充填された合成セメントが公知である。該セメン
トは、吸収最大が可視光線の種々の波長にある光重合の
ための高い樟脳キノン割合を有する２つの開始剤系を含
有する。初期硬化は４７０ｎｍより大きい波長の光で行
われ、最終硬化はほぼ４７０ｎｍの波長の光で行われ
る。まず歯の色とは異なるセメントの色及びその初期硬
化後のマジパンに似た稠度により、セメントは良好に加
工され、セメントの過剰分は歯質を傷つけることなし
に、迅速かつ確実に取り除かれる。該セメントは、光の
到達不可能な領域での補修には不適当である。
89 から、２段式光重合により硬化され、まず黄色に着
色され、最終硬化で初めて最終的な色を得る、低粘度の
微粒子充填された合成セメントが公知である。該セメン
トは、吸収最大が可視光線の種々の波長にある光重合の
ための高い樟脳キノン割合を有する２つの開始剤系を含
有する。初期硬化は４７０ｎｍより大きい波長の光で行
われ、最終硬化はほぼ４７０ｎｍの波長の光で行われ
る。まず歯の色とは異なるセメントの色及びその初期硬
化後のマジパンに似た稠度により、セメントは良好に加
工され、セメントの過剰分は歯質を傷つけることなし
に、迅速かつ確実に取り除かれる。該セメントは、光の
到達不可能な領域での補修には不適当である。
【００２０】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の解決
する課題は、冒頭に記載した形式の光重合可能な歯科材
料であって、該材料から重合により、Ｘ線不透過性、耐
摩耗性、高光沢研磨可能性及び機械的耐久値、特に高い
曲げ強度及び曲げ弾性値により優れた製品を製造するこ
とができる材料を見出すことであった。該歯科材料は、
前歯及び側歯用充填材料として、インレーを製造するた
めに及び固定セメントとして使用可能であるべきであ
る。
する課題は、冒頭に記載した形式の光重合可能な歯科材
料であって、該材料から重合により、Ｘ線不透過性、耐
摩耗性、高光沢研磨可能性及び機械的耐久値、特に高い
曲げ強度及び曲げ弾性値により優れた製品を製造するこ
とができる材料を見出すことであった。該歯科材料は、
前歯及び側歯用充填材料として、インレーを製造するた
めに及び固定セメントとして使用可能であるべきであ
る。
【００２１】
【課題を解決するための手段】上記課題は、実質的に、
ビス−［４−（２−ヒドロキシ−３−メタクリロイルオ
キシプロポキシ）−フェニル］−ジ−メチルメタン、ト
リエチレングリコールジメタクリレート及び／又は２，
２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと
２−ヒドロキシエチルメタクリレートからなるジウレタ
ンジメタクリレート１０〜６０重量％、平均粒度０．５
〜１．５μｍのバリウムアルミニウム珪酸ガラス８０〜
９０重量％と平均粒度０．０４〜０．０６μｍの微粒子
状の二酸化珪素１０〜２０重量％からなる充填剤混合物
３７〜８７重量％、γ−ジケトン０．０２〜２重量％と
アミン０．１〜１重量％の光重合開始剤系からなる歯科
材料により解決される。
ビス−［４−（２−ヒドロキシ−３−メタクリロイルオ
キシプロポキシ）−フェニル］−ジ−メチルメタン、ト
リエチレングリコールジメタクリレート及び／又は２，
２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと
２−ヒドロキシエチルメタクリレートからなるジウレタ
ンジメタクリレート１０〜６０重量％、平均粒度０．５
〜１．５μｍのバリウムアルミニウム珪酸ガラス８０〜
９０重量％と平均粒度０．０４〜０．０６μｍの微粒子
状の二酸化珪素１０〜２０重量％からなる充填剤混合物
３７〜８７重量％、γ−ジケトン０．０２〜２重量％と
アミン０．１〜１重量％の光重合開始剤系からなる歯科
材料により解決される。
【００２２】無機充填剤混合物は、有利には例えば３−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシアンで処
理することによりシラン処理された形で使用する。
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシアンで処
理することによりシラン処理された形で使用する。
【００２３】波長３２０〜５００ｎｍの可視光線で照射
すると、モノマーの重合を開始させる適当なα−ジケト
ン／アミン系は、例えばイギリス国特許第１４０８２６
５号明細書から公知である。α−ジケトンとしては、樟
脳キノンが特に推奨される。該材料が、まず着色されて
いるが、可視光線で照射した後歯色になる固定セメント
を提供する場合には、α−ジケトンとして樟脳キノン
０．０１〜１重量％と９，１０−フェナントレンキノン
０．０１〜１重量％の混合物を使用する。その際、樟脳
キノン０．０２〜０．０５重量％、９，１０−フェナン
トレンキノン０．０２〜０．０５重量％及びアミン０．
３〜０．５重量％が有利である。
すると、モノマーの重合を開始させる適当なα−ジケト
ン／アミン系は、例えばイギリス国特許第１４０８２６
５号明細書から公知である。α−ジケトンとしては、樟
脳キノンが特に推奨される。該材料が、まず着色されて
いるが、可視光線で照射した後歯色になる固定セメント
を提供する場合には、α−ジケトンとして樟脳キノン
０．０１〜１重量％と９，１０−フェナントレンキノン
０．０１〜１重量％の混合物を使用する。その際、樟脳
キノン０．０２〜０．０５重量％、９，１０−フェナン
トレンキノン０．０２〜０．０５重量％及びアミン０．
３〜０．５重量％が有利である。
【００２４】アミンとしては、Ｎ，Ｎ−ビス−（２−ヒ
ドロキシエチル）−ｐ−トルイジン及び４−ジメチルア
ミノ安息香酸のエステル、例えばエチルエステル及びブ
トキシエチルエステルが特に推奨される。
ドロキシエチル）−ｐ−トルイジン及び４−ジメチルア
ミノ安息香酸のエステル、例えばエチルエステル及びブ
トキシエチルエステルが特に推奨される。
【００２５】歯科材料に別の光活性成分として付加的に
ベンゾイル化合物、例えばベンジルアセタールを、有利
には０．０２〜０．１重量％の量で加えるのが好ましい
ことが立証された。
ベンゾイル化合物、例えばベンジルアセタールを、有利
には０．０２〜０．１重量％の量で加えるのが好ましい
ことが立証された。
【００２６】該歯科材料に更になお顔料、酸化防止剤、
ＵＶ安定剤及びその他常用の添加物を添加することがで
きる。
ＵＶ安定剤及びその他常用の添加物を添加することがで
きる。
【００２７】該歯科材料は、光重合開始剤系の他に自然
重合のための触媒も含有する場合には、固定セメントと
して特に推奨される。このようなセメントを用いると、
該セメントの硬化が化学的にも光化学的にも行われるの
で、光重合の不可能な光の到達しない領域においても、
義歯を確実に歯質に接着することができる。
重合のための触媒も含有する場合には、固定セメントと
して特に推奨される。このようなセメントを用いると、
該セメントの硬化が化学的にも光化学的にも行われるの
で、光重合の不可能な光の到達しない領域においても、
義歯を確実に歯質に接着することができる。
【００２８】付加的な自然重合を達成するために、歯科
材料は有利には、アミンと共にレドックス系を形成する
有機過酸化物、例えばジアセチルペルオキシド、ジベン
ゾイルペルキシド又はジ−ｔ−ブチルペルオキシドを含
有する。この種のレドックス系は、アクリレートないし
はメタクリレートをベースとする歯科材料の自然重合の
ための公知の触媒である。
材料は有利には、アミンと共にレドックス系を形成する
有機過酸化物、例えばジアセチルペルオキシド、ジベン
ゾイルペルキシド又はジ−ｔ−ブチルペルオキシドを含
有する。この種のレドックス系は、アクリレートないし
はメタクリレートをベースとする歯科材料の自然重合の
ための公知の触媒である。
【００２９】本発明による歯科材料は、歯牙組織への強
力な接着力及び良好な加工性及び彫塑性により、該歯科
材料から製造された製品は、Ｘ線不透過性、耐摩耗性、
高光沢研磨性及び機械的特性（この場合、高い曲げ強さ
（１２０ＭＰａ）及び高い曲げ弾性率（８０００〜１２
００００ＭＰａ）により特徴的である）において優れて
いる。
力な接着力及び良好な加工性及び彫塑性により、該歯科
材料から製造された製品は、Ｘ線不透過性、耐摩耗性、
高光沢研磨性及び機械的特性（この場合、高い曲げ強さ
（１２０ＭＰａ）及び高い曲げ弾性率（８０００〜１２
００００ＭＰａ）により特徴的である）において優れて
いる。
【００３０】該製品を使用するためには、該歯科材料
は、メタクリル酸エステル、無機充填剤、光重合開始剤
系及び場合により所望の添加物質を含有する場合、貯蔵
可能な１成分材料としてペーストの形で提供するのが推
奨される。
は、メタクリル酸エステル、無機充填剤、光重合開始剤
系及び場合により所望の添加物質を含有する場合、貯蔵
可能な１成分材料としてペーストの形で提供するのが推
奨される。
【００３１】該歯科材料が自然重合により硬化すべき固
定セメントである場合には、該セメントは有利にはペー
スト状の２成分材料として存在し、その際、好ましくは
一方のペーストの組成は１っ成分材料の組成と同じであ
り、かつ他方のペーストはメタクリル酸エステル及び無
機充填剤の他に、自然重合のための触媒、すなわち過酸
化物を含有する。
定セメントである場合には、該セメントは有利にはペー
スト状の２成分材料として存在し、その際、好ましくは
一方のペーストの組成は１っ成分材料の組成と同じであ
り、かつ他方のペーストはメタクリル酸エステル及び無
機充填剤の他に、自然重合のための触媒、すなわち過酸
化物を含有する。
【００３２】本発明による固定セメントは、あらゆる種
類の、セラミック、ガラスセラミック又は合成材料から
製造された義歯及び接着ブリッジを歯質に固定させるの
に適している。
類の、セラミック、ガラスセラミック又は合成材料から
製造された義歯及び接着ブリッジを歯質に固定させるの
に適している。
【００３３】例えば樟脳キノン及び９，１０−フェナン
トレンキノンを含有する固定セメントを用いて、歯窩を
１成分材料から製造したインレーで充填する場合には、
まず固定セメントを窩壁及びインレーに、窩に到達する
まで塗布する。次いでインレーを窩に押しつける。該セ
メントが黄色であることにより歯質から明らかに目に見
えてはみ出し、かつ柔軟な稠度を有する固定セメントの
過剰分を、適当な器具で、歯質を傷つけることなく、窩
とインレーの隙間で互いに固定セメントから離れないよ
うに取り除く。引続き、固定セメントを、例えば光重合
可能な充填材料を硬化するために公知である照射装置
で、黄色が消滅して、そのことにより固定セメントが完
全に硬化するまで照射する。
トレンキノンを含有する固定セメントを用いて、歯窩を
１成分材料から製造したインレーで充填する場合には、
まず固定セメントを窩壁及びインレーに、窩に到達する
まで塗布する。次いでインレーを窩に押しつける。該セ
メントが黄色であることにより歯質から明らかに目に見
えてはみ出し、かつ柔軟な稠度を有する固定セメントの
過剰分を、適当な器具で、歯質を傷つけることなく、窩
とインレーの隙間で互いに固定セメントから離れないよ
うに取り除く。引続き、固定セメントを、例えば光重合
可能な充填材料を硬化するために公知である照射装置
で、黄色が消滅して、そのことにより固定セメントが完
全に硬化するまで照射する。
【００３４】
【実施例】次に本発明による歯科材料を以下の実施例に
つき詳細に説明する。
つき詳細に説明する。
【００３５】例１ 光重合により硬化する歯牙充填剤材料及びインレー材料 重量％ ビス−ＧＭＡ １４ トリエチレングリコールジメタクリレート ７ バリウムアルミニウム珪酸ガラス1、平均粒度０．７μｍ ６９．７ 二酸化珪素1、平均粒度０．０４〜０．０６μｍ ８ 樟脳キノン ０．４ ベンジルジメチルアセタール2 ０．６ ４−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルエステル ０．３例２ 光重合により硬化するペーストの形の固定セメント 重量％ ビス−ＧＭＡ ３０．００ トリエチレングリコールジメタクリレート １６．５８ バリウムアルミニウム珪酸ガラス1、平均粒度０．７μｍ ４０．８０ 二酸化珪素1、平均粒度０．０４〜０．０６μｍ １０．２０ 樟脳キノン、トリエチレングリコールジメタクリレート中１０％の溶液 １．０２ ベンジルジメチルアセタール2、トリエチレングリコールジメタ クリレート中１０％の溶液 ０．６０ Ｎ，Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシエチル）−ｐ−トルイジン ０．４０ ２−ヒドロキシ−４−ｎ−オクチルオキシベンゾフェノン（ＵＶ安定剤） ０．４０例３ 光重合により硬化するペーストの形の固定セメント 重量％ ビス−ＧＭＡ １３．５１ トリエチレングリコールジメタクリレート ７．２８ バリウムアルミニウム珪酸ガラス1、平均粒度０．７μｍ ６６．００ 二酸化珪素1、平均粒度０．０４〜０．０６μｍ １０．７９ 樟脳キノン、トリエチレングリコールジメタクリレート中１０％の溶液 １．００ ９，１０−フェナントレンキノン ０．０２ ベンジルジメチルアセタール2、トリエチレングリコールジメタ クリレート中１０％の溶液 ０．６０ Ｎ，Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシエチル）−ｐ−トルイジン ０．４０ ２−ヒドロキシ−４−ｎ−オクチルオキシベンゾフェノン（ＵＶ安定剤） ０．４０例４ 光重合及び自然重合により硬化する２種のペースト状の固定セメント ペーストＡ 重量％ ビス−ＧＭＡ １３．５１ トリエチレングリコールジメタクリレート ７．２８ バリウムアルミニウム珪酸ガラス1、平均粒度０．７μｍ ６６．００ 二酸化珪素1、平均粒度０．０４〜０．０６μｍ １０．７９ 樟脳キノン、トリエチレングリコールジメタクリレート中１０％の溶液 １．００ ９，１０−フェナントレンキノン ０．０２ ベンジルジメチルアセタール2、トリエチレングリコールジメタ クリレート中１０％の溶液 ０．６０ Ｎ，Ｎ−ビス−（２−ヒドロキシエチル）−ｐ−トルイジン ０．４０ ２−ヒドロキシ−４−ｎ−オクチルオキシベンゾフェノン（ＵＶ安定剤） ０．４０ ペーストＢ 重量％ ２，２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート１モルと ２−ヒドロキシエチルメタクリレート２モルからなる ジウレタンジメタクリレート １５．３３ トリエチレングリコールジメタクリレート ６．５８ バリウムアルミニウム珪酸ガラス1、平均粒度０．７μｍ ６８．１２ 二酸化珪素1、平均粒度０．０４〜０．０６μｍ ９．５３ ジベンゾイルペルオキシド ０．４４ 使用前にペーストＡ及びＢを１：１の比で互いに混合す
る。
る。
【００３６】 1 ３−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランでシラン処理2 １，２−ジフェニル−２，２−ジメトキシエタノン
リメトキシシランでシラン処理2 １，２−ジフェニル−２，２−ジメトキシエタノン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デトレフ ハイントル ドイツ連邦共和国 ヴァインバッハ ３ アム ミュールベルク ５ (72)発明者 ヨッヘン ペーター コーラー ドイツ連邦共和国 バート ナウハイム ヴィルヘルム−ヨスト−リング ４ (72)発明者 ヨアヒム フリッツェ ドイツ連邦共和国 フリードリッヒスドル フ ３ ガルテンシュトラーセ 21
Claims (9)
- 【請求項１】 モノマーのジメタクリレート、バリウム
アルミニウム珪酸ガラスと微粒子状の二酸化珪素からな
る無機充填剤混合物及び光重合のためのγ−ジケトン／
アミン系を含有する重合可能な歯科材料において、該材
料は実質的に、ビス−［４−（２−ヒドロキシ−３−メ
タクリロイルオキシプロポキシ）−フェニル］−ジメチ
ルメタン、トリエチレングリコールジメタクリレート及
び／又は２，２，４−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネートと２−ヒドロキシエチルメタクリレートから
なるジウレタンジメタクリレート１０〜６０重量％、平
均粒度０．５〜１．５μｍのバリウムアルミニウム珪酸
ガラス８０〜９０重量％と平均粒度０．０４〜０．０６
μｍの微粒子状の二酸化珪素１０〜２０重量％からなる
充填剤混合物３７〜８７重量％、γ−ジケトン０．０２
〜２重量％及びアミン０．１〜１重量％からなることを
特徴とする重合可能な歯科材料。 - 【請求項２】 無機充填剤混合物がシラン処理されてい
る請求項１記載の歯科材料。 - 【請求項３】 付加的にベンゾイル化合物を０．０２〜
０．１重量％含有する請求項１又は２記載の歯科材料。 - 【請求項４】 γ−ジケトンとして樟脳キノンを含有す
る請求項１から３までのいづれか１項記載の歯科材料。 - 【請求項５】 γ−ジケトンとして樟脳キノン０．０１
〜１重量％と９，１０−フェナントレンキノン０．０１
〜１重量％からなる混合物を含有する請求項１から３ま
でのいづれか１項記載の歯科材料。 - 【請求項６】 樟脳キノン０．０２〜０．０５重量％、
９，１０−フェナントレンキノン０．０２〜０．０５重
量％を含有する請求項５記載の歯科材料。 - 【請求項７】 付加的に有機過酸化物０．２〜０．５重
量％を含有する請求項６記載の歯科材料。 - 【請求項８】 請求項１から４までのいずれか１項記載
の歯科材料からなる充填剤及びインレー。 - 【請求項９】 請求項１から７項記載のいずれか１項記
載の歯科材料からなる固定セメント。
Applications Claiming Priority (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| DE4036675 | 1990-11-17 | ||
| DE4110612.1 | 1991-04-02 | ||
| DE4036675.8 | 1991-04-02 | ||
| DE4110612A DE4110612C2 (de) | 1990-11-17 | 1991-04-02 | Polymerisierbares Dentalmaterial |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH072618A true JPH072618A (ja) | 1995-01-06 |
| JPH0818947B2 JPH0818947B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=25898582
Family Applications (1)
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| JP3298730A Expired - Lifetime JPH0818947B2 (ja) | 1990-11-17 | 1991-11-14 | 重合可能な歯科材料、該材料からなる充填剤及びインレー並びに固定セメント |
Country Status (6)
| Country | Link |
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| US (1) | US5228907A (ja) |
| EP (1) | EP0486775B1 (ja) |
| JP (1) | JPH0818947B2 (ja) |
| AT (1) | ATE114241T1 (ja) |
| DE (1) | DE59103582D1 (ja) |
| DK (1) | DK0486775T3 (ja) |
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