JPH07261317A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像方法

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JPH07261317A
JPH07261317A JP5398794A JP5398794A JPH07261317A JP H07261317 A JPH07261317 A JP H07261317A JP 5398794 A JP5398794 A JP 5398794A JP 5398794 A JP5398794 A JP 5398794A JP H07261317 A JPH07261317 A JP H07261317A
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JP
Japan
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silver halide
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halide photographic
light
photographic light
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JP5398794A
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Keiichi Sugawa
圭一 須川
Toshiyuki Takabayashi
敏行 高林
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 処理時間を短縮したり現像液、定着液の補充
量を低減しても写真性能への悪影響を少なくする。 【構成】 支持体上に予めかぶらされた直接ポジ型ハロ
ゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、30
0〜400nmの範囲に吸収領域を有する化合物を含有し、支
持体側とは反対側に少なくとも2層の非感光性親水性コ
ロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料。上記の写
真感光材料を自動現像機にて処理するにあたり、該感光
材料の先端が該自動現像機に挿入される瞬間から該自動
現像機から排出される瞬間までの要する時間が20〜60秒
であり、該感光材料が現像される時間が15秒以内であ
り、自動現像機のラインスピードが1500mm/分以上であ
り、該感光材料1m2の処理につき現像液の補充量が250m
l以下及び/又は定着液の補充量が300ml以下であるハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は予めかぶらされた直接ポ
ジ型ハロゲン化銀を含有するハロゲン化銀写真感光材料
及びその処理方法に関し、詳しくは、処理時間を短縮し
現像液及び定着液の補充量を低減しても写真性能の劣化
しない直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料及びその処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の黒化度は露
光量の増加に伴って増大し、ある露光量で極大値に達す
るが、更に露光量を増加した場合、黒化度が低下する現
象が見られる。このような現象はソラリゼーションと呼
ばれており、黒化濃度は極大値に達するような適当なカ
ブリを予めハロゲン化銀乳剤に光学的又は化学的に与え
ておいた場合には、露光によりソラリゼーションが起こ
り、直接ポジ画像を得ることができる。このような反転
現象を利用した感光材料は直接ポジ用ハロゲン化銀写真
感光材料として印刷及び医療分野などで用いられてい
る。
【0003】近年、労働時間の短縮・短期化により、作
業の効率化・短縮の必要性から、感光材料の処理時間の
短縮が強く望まれている。又、環境を配慮して現像液、
定着液の廃液の低減の要望も高まっている。
【0004】しかしながら、予めかぶらされた直接ポジ
型ハロゲン化銀を含有する感光材料の処理時間を短縮す
ると、マットピンホール・カブリ・高露光領域での再反
転ネガ像の発生の増加や画像のキレの劣化(軟調化)等
の問題が起きる。このような問題は現像液、定着液の廃
液を低減するために補充量を低減すると顕著になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
よるものであり、処理時間を短縮したり現像液、定着液
の補充量を低減しても写真性能への悪影響が少ない直接
ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上に予めかぶらされた直接ポジ型ハロゲン化銀粒子
を含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、300〜400nmの範
囲に吸収領域を有する化合物を含有するハロゲン化銀写
真感光材料、支持体上に予めかぶらされた直接ポジ型ハ
ロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有し、
該ハロゲン化銀乳剤層の支持体側とは反対側に少なくと
も2層の非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化
銀写真感光材料、支持体上に予めかぶらされた直接ポジ
型ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有
し、該ハロゲン化銀乳剤層の支持体側に非感光性親水性
コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料、上記の
ハロゲン化銀写真感光材料を自動現像機にて処理するに
あたり、該感光材料の先端が該自動現像機に挿入される
瞬間から該自動現像機から排出される瞬間までの要する
時間が20〜60秒であり、該感光材料が現像される時間が
15秒以内であり、自動現像機のラインスピードが1500mm
/分以上であるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法、
及び、上記のハロゲン化銀写真感光材料を自動現像機に
て処理するにあたり、該感光材料1m2の処理につき現像
液の補充量が250ml以下及び/又は定着液の補充量が300
ml以下であるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法、に
より達成される。
【0007】以下本発明について具体的に説明する。
【0008】本発明の1つは、再反転ネガ像の発生及び
キレの劣化(軟調化)を防ぐために、300〜400nmの範囲
に吸収領域を有する化合物、好ましくは紫外線吸収剤
(より好ましくは300〜400nmの範囲に吸収極大を有する
もの)を直接ポジ型ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲ
ン化銀写真感光材料に含有せしめるものである。
【0009】採用できる紫外線吸収剤としては、例え
ば、アリール基で置換されたベンゾトリアゾール系化合
物、4-チアゾリドン系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、桂皮酸エステル系化合物、ブタジエン系化合物、ベ
ンゾオキサゾール系化合物及び紫外線吸収ポリマーを挙
げることができる。
【0010】紫外線吸収剤の具体例としては特開昭62-8
0640号第6〜7頁記載の化合物II−1〜30、同20〜22頁
記載の化合物II−31〜57を挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0011】本発明において紫外線吸収剤は、そのモル
吸光係数により異なるが、通常10-3〜1g/m2の範囲で
使用され、適当な溶媒に溶解して塗布液中に添加しハロ
ゲン化銀乳剤層、表面保護層、中間非感光性層などに含
有せしめる。
【0012】本発明の他の構成としては、直接ポジ型ハ
ロゲン化銀乳剤層の外側に少なくとも2層以上の非感光
性親水性コロイド層を有する。親水性コロイドとしては
ゼラチンまたは合成ポリマー(例えばポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール)などの当業界公知のものを使う
ことができるが、好ましくはゼラチンである。ゼラチン
と上記の合成ポリマーを併用することもできる。ゼラチ
ンを使う場合、2層以上の非感光性親水性コロイド層の
ゼラチン量の合計が0.2g/m2以上、5.0g/m2以下(更
に好ましくは3.5g/m2以下)であることが好ましい。
これらの層には当業界公知の各種の添加剤を含有するこ
とができる。例えば、界面活性剤、増粘剤、水溶性染
料、固体分散染料、マット剤等を各種の方法で添加する
ことができる。
【0013】本発明においては、直接ポジハロゲン化銀
乳剤層の外側に少なくとも2層以上の非感光性親水性コ
ロイド層を有し、300〜400nmの範囲に吸収領域を有する
化合物を含有せしめることが好ましい。
【0014】本発明の更に他の構成としては、支持体と
直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤層の間に少なくとも1層の
非感光性親水性コロイド層を有する。親水性コロイドと
しては上記と同様であり、ゼラチンを使う場合、該非感
光性親水性コロイド層のゼラチン量(2層以上の時は合
計)が0.1g/m2以上、3.0g/m2以下(更に好ましくは
1.5g/m2以下)であることが好ましい。
【0015】本発明においては、支持体と直接ポジ型ハ
ロゲン化銀乳剤層の間に少なくとも1層の非感光性親水
性コロイド層を有し、300〜400nmの範囲に吸収領域を有
する化合物を含有せしめることが好ましい。
【0016】これらの非感光性親水性コロイド層には当
業界公知の各種の添加剤を含有することができる。例え
ば、界面活性剤、増粘剤、水溶性染料、固体分散染料等
を各種の方法で添加することができる。
【0017】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は
露光後種々の方法、例えば通常用いられる方法により現
像処理することができるが、後述する迅速処理や、いわ
ゆる低補充処理にて本発明の効果を有効に奏する。
【0018】本発明において用いることのできる現像主
薬としては、ジヒドロキシベンゼン類(たとえば2,3-ジ
クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、イソプ
ロピルハイドロキノン、2,5-ジメチルハイドロキノンな
ど)、3-ピラゾリドン類(たとえば1-フェニル-3-ピラ
ゾリドン、1-フェニル-4-メチル-3-ピラゾリドン、1-フ
ェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4-
エチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-5-メチル-3-ピラ
ゾリドンなど)、アミノフェノール類(たとえばo-アミ
ノフェノール、p-アミノフェノール、N-メチル-o-アミ
ノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、2,4-ジ
アミノフェノールなど)、ピロガロール、アスコルビン
酸、1-アリール-3-ピラゾリン類(たとえば1-(p-ヒドロ
キシフェニル)-3-アミノピラゾリン、1-(p-メチルアミ
ノフェニル)-3-アミノピラゾリン、1-(p-アミノフェニ
ル)-3-アミノピラゾリン、1-(p-アミノ-N-メチルフェニ
ル)-3-アミノピラゾリンなど)などを単独もしくは組合
せて使用することができるが、3-ピラゾリドン類とジヒ
ドロキシベンゼン類との組合せ、又はアミノフェノール
類とジヒドロキシベンゼン類との組合せで使用すること
が好ましい。現像主薬は、通常0.01〜1.4モル/lの量
で用いられる。
【0019】本発明において、保恒剤として用いる亜硫
酸塩、メタ重亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ナト
リウムなどがある。亜硫酸塩は0.25モル/l以上が好ま
しい。特に好ましくは、0.4モル/l以上である。
【0020】現像液には、その他必要によりアルカリ剤
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、銀スラッ
ジ防止剤(たとえば特公昭62-4702号、特開平03-51844
号、同04-26838号、同04-362942号、同01-319031号に記
載の化合物など)、pH緩衝剤(たとえば、炭酸塩、リ
ン酸塩、ホウ酸塩、ホウ酸、酢酸、クエン酸、アルカノ
ールアミンなど)、溶解助剤(たとえばポリエチレング
リコール類、それらのエステル、アルカノールアミンな
ど)、増感剤(たとえばポリオキシエチレン類を含む非
イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合物など)、界
面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(たとえば、臭化カリ
ウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン、ニトロベンズイ
ンダゾール、ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリア
ゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾー
ル類など)、キレート化剤(たとえばエチレンジアミン
四酢酸またはそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、
ポリリン酸塩など)、現像促進剤(たとえば米国特許第
2,304,025号、特公昭47-45541号各公報に記載の化合物
など)、硬膜剤(たとえばグルタールアルデヒド又は、
その重亜硫酸塩付加物など)、あるいは消泡剤などを添
加することができる。現像液のpHは9.5〜11.0に調整さ
れることが好ましい。さらに好ましくはpH9.8〜10.7で
ある。
【0021】本発明は現像処理の特殊な形式として、現
像主薬を感光材料中、たとえば乳剤層中に含み、感光材
料をアルカリ水溶液中で処理して現像を行なわせるアク
チベータ処理液を用いてもよい。このような現像処理
は、チオシアン酸塩による銀塩安定化処理と組合せて、
感光材料の迅速処理の方法の一つとして利用されること
が多く、そのような処理液で迅速処理した場合にも本発
明の効果を得ることができる。
【0022】定着液としては一般に用いられる組成のも
のを用いることができる。定着液は一般に定着剤とその
他から成る水溶液であり、pHは通常3.8〜5.8である。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩、チオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸
アンモニウムなどのチオシアン酸塩のほか、可溶性安定
銀錯塩を生成し得る有機硫黄化合物で定着剤として知ら
れているものを用いることができる。
【0023】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩、たとえば塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、カリ明ばんなどを加えることができる。
【0024】定着液には、所望により、保恒剤(例え
ば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衡剤(例えば、酢
酸)、pH調整剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のある
キレート剤等の化合物を含むことができる。
【0025】現像液は、固定成分の混合物でも、グリコ
ールやアミンを含む有機性水溶液でも、粘度の高い半練
り状態の粘稠液体でもよい。また使用時に希釈して用い
ても良いし、あるいはそのまま用いてもよい。
【0026】本発明の現像処理に際しては、現像温度を
20〜30℃の通常の温度範囲に設定することもできるし、
30〜40℃の高温処理の範囲に設定することもできる。
【0027】本発明によるハロゲン化銀写真感光材料
は、少なくとも現像、定着、水洗を含む自動現像機を用
いて処理されることが好ましい。その際に感光材料の面
積に比例した一定量の現像液を補充しながら処理され
る。その現像補充量は、廃液量を少なくするためには処
理される感光材料1m2当たり250ml以下である事が好ま
しい。特に好ましくは1m2当たり75ml以上180ml以下で
ある。1m2当たり50ml未満の現像液補充量では減感、軟
調化等で満足な写真性能が得られない。
【0028】定着液補充量については、廃液量を少なく
するためには1m2当たり300ml以下であることが好まし
い。より好ましくは100ml以上(更には125ml以上)、250
ml以下(更には230ml以下)である。
【0029】本発明は、自動現像機にて処理する場合、
感光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾燥ゾー
ンから出て来るまでの全処理時間、具体的には処理に必
要な例えば現像、定着、漂白、水洗、安定化処理、乾燥
等の工程の時間をすべて含んだ時間(いわゆるDry to d
ry)が20〜60秒で、現像時間(渡り部分を含む)が15秒
以内であり、更に、自動現像機のラインスピードが1500
mm/分以上といった迅速処理にてその効果を遺憾なく発
揮する。全処理時間が20秒未満だと、現状では減感、軟
調化等で満足な写真性能が得られないが、将来に渡って
はこの限りではない。好ましくは全処理時間(Dry to D
ry)が30〜60秒である。
【0030】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤の調
製法としては、中性法、酸性法或はアンモニア法のいず
れの方法を用いてもよく、混合法としてはシングルジェ
ット法、ダブルジェット法或はpH、pAgなどをコントロ
ールしながら粒子成長をさせるコントロールドダブルジ
ェット法を用いることができる。
【0031】ハロゲン化銀粒子の晶癖としてはどのよう
な結晶形のものでもよく、例えば立方体、八面体、14面
体或は球状などの結晶形でもよい。
【0032】本発明の直接ポジ用乳剤は単分散乳剤が好
ましく、好ましい単分散性は下記式により定義される変
動係数(単分散度)が20以下のものが好ましく、より好ま
しくは15以下のものである。
【0033】 変動係数(σ/r)=粒径標準偏差/平均粒径×100 ここで言う粒径とは、球状の粒子の場合その直径、立方
体や球状以外の粒子の場合はその投影像を同面積の円像
に換算したときの直径を言う。粒径は例えば該粒子を電
子顕微鏡で1万倍から5万倍に拡大して撮影し、そのプ
リント上の粒子直径又は投影時の面積を実測することに
よって得ることができる(測定粒子個数は無差別に1000
個以上あることとする)。
【0034】上記の平均粒径rとは、粒径riを有する粒
子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大になるときの粒径
を意味する(有効数字3桁、最小桁数字は四捨五入す
る)。
【0035】単分散乳剤の調製法としては、例えば特開
昭58-49938号又は同60-122935号などに記載の方法を参
考にすることができる。
【0036】本発明において、ハロゲン化銀の組成とし
ては、塩化銀を70モル%以上含有することが好ましく、
ハロゲン化銀乳剤の銀量としては、2.8g/m2以下であ
ることが好ましく、ハロゲン化銀乳剤のゼラチン量とし
ては、2.5g/m2以下であることが好ましい。
【0037】本発明において、ハロゲン化銀乳剤には、
還元剤や金塩などにより適当なカブリを付与されるが、
これらにチオ硫酸塩及び/又はチオシアン酸塩から選ば
れる化合物を併用することにより更に良好なカブリが付
与される。
【0038】本発明において、ハロゲン化銀乳剤には水
溶性ロジウム塩を用いることが好ましく、例えばハロゲ
ン化ロジウム塩もしくはヘキサハロゲンロジウム錯塩な
どを好ましく挙げることができる。好ましい添加量とし
てはハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-3モルである。
又、同様に水溶性イリジウムを用いてもよく、好ましく
はヘキサハロゲンイリジウム錯塩、ヘキサシアノイリジ
ウム錯塩などが挙げられる。好ましい添加量は銀1モル
当たり10-6〜10-3モルである。
【0039】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、安
定剤として例えばベンゾチアゾール類、テトラザインデ
ン類、メルカプト基含有化合物或はカドミウム、コバル
ト、ニッケル、マンガン、亜鉛などの水溶性無機塩類を
含有していてもよい。
【0040】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよ
く、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号
記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂
を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載の高分子凝
集剤である例示G−3、G−8などを用いる脱塩法を挙
げることができる。
【0041】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)No.17,643(1978年12月)、同18,71
6(1979年11月)及び同30,8119(1989年12月)に記載さ
れている各種の化合物を用いることができる。
【0042】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体としては、上記のRDに記載されているも
のが挙げられ、適当な支持体としてはプラスチックフィ
ルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするた
めに下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが
施されてもよい。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、本実施例に用いた化合物の構造は以下のもの
である。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】
【0046】実施例1 処方1(感光性乳剤層)次に示すA液、B液、C液の溶
液を用いて塩臭化銀乳剤を調製した。
【0047】 A液 オセインゼラチン 9.3g ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸 エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 1.0ml 塩化ナトリウム 0.2g 硫酸マグネシウム 1.5g 三塩化ロジウム3水塩 1.7mg B液 硝酸銀 100g 硝酸(0.1N) 10.3ml 蒸留水 132ml C液 オセインゼラチン 5g ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸 エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 0.5ml 臭化カリウム 3.5g 塩化ナトリウム 33.2g 蒸留水 144.8ml D液 オセインゼラチン 2.3g ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸 エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 0.5ml 蒸留水 81ml E液 オセインゼラチン 16.7g 2-メチル-3-クロロフェノール(5%エタノール溶液) 6.7ml 蒸留水 188ml 溶液Aを35℃に保温した後、特開昭57-92523号と同57-9
2524号記載の混合撹拌機を用いて、ダブルジェット法に
てB液及びC液を添加した。
【0048】添加流量は表1に示した様に全添加時間10
4分の間にわたって、徐々に添加流量を増加させEAg値を
170mVに保ちながら添加を行った。
【0049】EAg値を一定に保つため、1モル/lの塩
化ナトリウム水溶液を用いてEAgを制御した。
【0050】
【表1】
【0051】EAg値の測定には、金属銀電極と、ダブル
ジャンクション型飽和Ag/AgCl比較電極を用いた(電極
の構成は、特開昭57-197534号に開示されるダブルジャ
ンクションを使用した)。
【0052】又、B液、C液の添加には、流量可変型の
ローラーチューブ定量ポンプを用いた。
【0053】又、添加中乳剤のサンプリングにより、系
内に新たな粒子の発生が認められないことを電子顕微鏡
により観察し確認している。
【0054】又、添加中、系のpH値は、2.0でB液及び
C液を添加し、添加後、徐々にpHが下がり終了時のpH
は1.85だった。
【0055】B液、C液を添加終了2分後、炭酸ナトリ
ウムでpHを5.8に合わせ、その値後、D液を加えた。
【0056】その後、常法により脱塩水洗を行い、E液
を加えて、55℃・30分間撹拌により分散した後、全量を
400mlに調整した。
【0057】この乳剤のpHを7.0に調整し、銀1モルあ
たり1mgの塩化金酸と表2に示す量のチオ尿素ジオキサ
イドを加え、65℃で60分熟成し、下記のF液を添加した
後、降温し、42℃まで下げたところで、銀1モルあたり
6mgの塩化金酸を加え、630mlに調整し、カブリ熟成を
終了した。
【0058】 F液 オセインゼラチン 7.3g 蒸留水 184ml この乳剤に、化合物(E),(F),(G)をそれぞれ
銀1モル当たり420mgを加えた3gのサポニン、20gの
アクリル酸ブチルとアセトキシビニルの共重合体ラテッ
クス、2gのS−1を加えた後、クエン酸でpHを5.4に
合わせた。
【0059】 処方2(乳剤保護層−1組成) ゼラチン 0.4g/m2 S-1 12mg/m2 マット剤:平均粒径5.0μmの不安定シリカ 40mg/m2
【0060】
【化3】
【0061】 処方3(乳剤保護層−2組成) ゼラチン 0.8g/m2 化合物(D) 30mg/m2 S−1 4mg/m2 処方4(バッキング層組成) ゼラチン 1.9g/m2 サポニン 133mg/m2 化合物(A) 23mg/m2 化合物(B) 40mg/m2 化合物(C) 140mg/m2 S-1 6mg/m2 コロイドシリカ 100mg/m2 ラテックスポリマー L−1 0.2g/m2 処方5(バッキング保護層組成) ゼラチン 0.7g/m2 化合物(A) 7mg/m2 化合物(B) 14mg/m2 化合物(C) 50mg/m2 マット剤:平均粒径4.0μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム-ジ-(2-エチルヘキシル)-スルホサクシネート 10mg/m2 特開平3-92175号の実施例1記載の導電性層を有する厚
さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体
上の導電性層とは反対側に順に次の層を塗布した。尚、
塗布量は1m2当たり銀量が2.8g、乳剤層のゼラチン量
が1.3gになるように塗布した。なお、保護層には塗布
直前に硬膜剤としてゼラチン1g当たりホルマリンを22
mg添加した。導電性層側には順次処方4のバッキング
層、処方5のバッキング保護層を塗布した。なお塗布直
前にバッキング保護層に硬膜剤としてゼラチン1g当た
りグリオキザールを15mg添加した。
【0062】第1層 処方1の感光性乳剤層 第2層 処方3の乳剤保護層−2 平均粒径 5.0μmの不安定シリカ40mg/m2を「処方−3
乳剤保護層−2」に添加し、さらに 紫外線吸収剤
【0063】
【化4】
【0064】を乳剤保護層−2に添加した試料を試料
2、無添加のものを試料1とし、下記に示すようにチオ
尿素ジオキサイドの添加量により感度を同じに調整し
た。
【0065】 試料No. チオ尿素ジオキサイド添加量 化合物A添加量 1 9.9mg/Ag1モル 0 2 4.3mg/Ag1モル 90mg/m2 下記組成の現像液及び定着液を用いて迅速処理用自動現
像機(GR-26SR コニカ[株]製)にて下記条件で処理し
た。
【0066】 (現像液処方) 亜硫酸ナトリウム 55g/リットル 炭酸カリウム 40g/リットル ハイドロキノン 24g/リットル 4-メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル -3-ヒドラゾリドン(ジメゾンS) 0.9g/リットル 臭化カリウム 5g/リットル 5-メチル-ベンゾトリアゾール 0.13g/リットル ほう酸 2.2g/リットル ジエチレングリコール 40g/リットル 化合物P−1 150mg/リットル 水と水酸化カリウムを加えて1リットル/pH10.4にす
る。
【0067】 (定着液処方) (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%W/V水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6.0g クエン酸ナトリウム・2水塩 2.0g (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%W/Vの水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含量が8.1%W/Vの水溶液) 21g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶かし、1リットルに仕上げて用いた。この定着液の
pHは酢酸で4.8に調整した。
【0068】(現像処理条件) (工程) (温度) (時間) 現像 38℃ 12秒 定着 35℃ 10秒 水洗 常温 10秒 乾燥 50℃ 13秒 合計 45秒 補充液は現像液及び定着液の組成と同一のものを使用
し、現像160ml/m2、定着液190ml/m2の割合で補充しな
がら試料30m2を処理した。
【0069】(カブリ濃度の評価)濃度を測定し、最も
小さい値を採用した。
【0070】(再反転画像の評価)カブリ濃度を最小に
する露光量の10倍の露光量を与えたときのカブリ濃度と
の濃度差を測定した。
【0071】(ガンマ値)現像処理後の黒化濃度2.5を
与えるのに必要な露光量をA、黒化濃度0.1を与えるの
に必要な露光量をBとしたときの γ(ガンマ)=−(2.5−0.1)/logA−logB である。
【0072】結果を以下に示す。
【0073】 試料No. カブリ濃度 再反転 ガンマ 1 0.046 0.005 6.9 比較例 2 0.031 0.000 8.5 本発明 実施例2 導電性層とは反対側に順に次の層を塗布し、「処方3の
乳剤保護層−2」にはマット剤を添加しない以外は試料
1と同様にして試料3を得た。なお硬膜剤は「第3層
処方2の乳剤保護層−1」に添加した。
【0074】 第1層 処方1の感光性乳剤層 第2層 処方3の乳剤保護層−2 第3層 処方2の乳剤保護層−1 (ピンホールの評価方法)試料の乳剤面を貼り込みベー
スに密着させ、濃度2.0を与えるように露光後、現像処
理して目視評価した。
【0075】ランク5:ライトテーブル上にのせ外光を
遮光して10倍のルーペで観察してもマット剤によるピン
ホールが殆どみられない ランク4:10倍ルーペでは若干のピンホールが認められ
るが、肉眼では殆どみられない ランク3:肉眼でもピンホールの存在がわかるが実用上
問題ない ランク2:肉眼でもピンホールの存在がはっきりわか
り、透過濃度が低下している ランク1:全面にピンホールが発生し、実用に耐えない ランク2以下は実用に耐えない。
【0076】再反転画像の評価は実施例1と同様に行っ
た。
【0077】結果を次に示す。
【0078】 試料No. ピンホール 再反転 1 ランク2 0.005 比較例 3 ランク5 0.002 本発明 実施例3 導電性層とは反対側に順に次の層を塗布する以外は試料
1と同様にして試料4を得た。なお硬膜剤は「第3層
処方3の乳剤保護層−2」に添加した。
【0079】 第1層 処方6の非感光性親水性コロイド層 第2層 処方1の感光性乳剤層 第3層 処方3の乳剤保護層−2 処方6(非感光性親水性コロイド層) ゼラチン 0.4g/m2 サポニン 150mg/m2 ラテックスポリマーL−1 0.1g/m2 ピンホール及び再反転画像を評価した結果を次に示す。
【0080】 試料No. ピンホール 再反転 1 ランク2 0.005 比較例 4 ランク4 0.002 本発明 実施例4 第1層の感光性乳剤層を試料2と同様にした(紫外線吸
収剤〔化3〕は「処方3 乳剤保護層−2」に添加)以
外は試料3と同様の試料5を得た。
【0081】 試料No. ピンホール カブリ濃度 再反転 ガンマ 1 ランク 2 0.046 0.005 6.9 比較例 5 ランク 5 0.030 0.000 8.5 本発明
【0082】
【発明の効果】実施例にて実証したごとく、本発明の感
光材料を用いれば、低補充で迅速処理を行ってもピンホ
ール・カブリ・高露光領域での再反転ネガ像の発生の増
加がないことが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/395 // G03D 3/06 A 3/08 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に予めかぶらされた直接ポジ型
    ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有
    し、300〜400nmの範囲に吸収領域を有する化合物を含有
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に予めかぶらされた直接ポジ型
    ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有
    し、該ハロゲン化銀乳剤層の支持体側とは反対側に少な
    くとも2層の非感光性親水性コロイド層を有することを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に予めかぶらされた直接ポジ型
    ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有
    し、該ハロゲン化銀乳剤層の支持体側に非感光性親水性
    コロイド層を有することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のハロゲン化銀写真感光材
    料を自動現像機にて処理するにあたり、該感光材料の先
    端が該自動現像機に挿入される瞬間から該自動現像機か
    ら排出される瞬間までの要する時間が20〜60秒であり、
    該感光材料が現像される時間が15秒以内であり、自動現
    像機のラインスピードが1500mm/分以上であることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のハロゲン化銀写真感光材
    料を自動現像機にて処理するにあたり、該感光材料1m2
    の処理につき現像液の補充量が250ml以下及び/又は定
    着液の補充量が300ml以下であることを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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