JPH0726105A - オレフィン系熱可塑性エラストマー - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー

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JPH0726105A
JPH0726105A JP5168866A JP16886693A JPH0726105A JP H0726105 A JPH0726105 A JP H0726105A JP 5168866 A JP5168866 A JP 5168866A JP 16886693 A JP16886693 A JP 16886693A JP H0726105 A JPH0726105 A JP H0726105A
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藤 雄 一 伊
Kyoko Kobayashi
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Toru Takehara
原 徹 竹
Akira Uchiyama
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー
は、結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムとを
含有し、部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エラス
トマー(A)およびスチレン等の重合体ブロックと、特
定のイソプレン重合体ブロック等とからなるブロック共
重合体またはその水添物(B)、さらに必要に応じて、
結晶性ポリオレフィン樹脂、オレフィン系ゴム、軟化剤
を特定の割合で含有してなる。 【効果】上記熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイク
ルが容易であり、焼却しても有害なガスを発生しない、
耐傷付き性に優れた成形体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーに関し、さらに詳しくは、耐傷付性に優れた
成形体を提供し得るオレフィン系熱可塑性エラストマー
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、軽量でリサイクルが容易であることから、省エネ
ルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫
ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・
電子部品、建材等に広く使用されている。
【0003】また近年、地球環境保護の観点から、焼却
時に有害なガスを発生する塩化ビニル樹脂に代わって、
有害なガスが発生しないオレフィン系熱可塑性エラスト
マーが使われるようになってきている。
【0004】しかしながら、従来のオレフィン系熱可塑
性エラストマーからなる成形体は、塩化ビニル樹脂から
なる成形体と比較して、耐傷付き性が劣るという欠点が
あり、その改良が強く望まれている。
【0005】そこで、本発明者らは、耐傷付き性に優れ
たオレフィン系熱可塑性エラストマーを得るべく鋭意研
究し、結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムと
を含有してなる、部分的ないし完全に架橋された熱可塑
性エラストマーと、特定のブロック共重合体とを特定の
割合で配合したところ、耐傷付き性に優れた成形体を提
供し得るオレフィン系熱可塑性エラストマーが得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、軽量でリサイク
ルが容易であり、しかも、焼却しても有害なガスを発生
しない、耐傷付き性に優れた成形体を付与し得るオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを提供することを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフ
ィン系ゴムとを含有し、部分的ないし完全に架橋された
熱可塑性エラストマー(A)10〜80重量部、および
[II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
40%以上である重合体または共重合体ブロック(b)
とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(B)20〜90重量部[成分(A)および(B)の合
計量は100重量部である]からなることを特徴として
いる。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン系
熱可塑性エラストマーについて具体的に説明する。
【0009】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、特定の熱可塑性エラストマー(A)と特定の
ブロック共重合体(B)とが特定の割合で存在してな
る。また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラスト
マー中に、上記熱可塑性エラストマー(A)およびブロ
ック共重合体(B)のほかに、必要に応じて結晶性ポリ
オレフィン樹脂、オレフィン系ゴム、軟化剤がそれぞれ
特定の割合で存在していてもよい。
【0010】熱可塑性エラストマー(A) 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結
晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムとから構成
されている。
【0011】上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、
炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重合体また
は共重合体が挙げられる。結晶性ポリオレフィン樹脂の
具体的な例としては、以下のような重合体または共重合
体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0012】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中で
も、プロピレン単独重合体とプロピレンを主成分とした
プロピレン・α- オレフィン共重合体が特に好ましい。
上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂は、単独で、あ
るいは組合わせて用いることができる。
【0013】結晶性ポリオレフィン樹脂は、メルトフロ
ーレート(MFR;ASTM D 1238、230℃、
2.16kg荷重、以下同じ)が好ましくは0.01〜
100g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/
10分の範囲にある。
【0014】また、結晶性ポリオレフィン樹脂は、X線
法により求めた結晶化度が通常5〜100%、好ましく
は20〜80%の範囲にある。本発明においては、結晶
性ポリオレフィン樹脂は、上記の結晶性ポリオレフィン
樹脂およびオレフィン系ゴムの合計量100重量部に対
して、10〜90重量部、好ましくは10〜80重量
部、さらに好ましくは20〜70重量部の割合で用いら
れる。
【0015】結晶性ポリオレフィン樹脂を上記のような
割合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに、耐熱性
に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れた熱可塑性
エラストマーが得られる。
【0016】上記オレフィン系ゴムとしては、炭素原子
数2〜20のα- オレフィンを主成分とする無定形ラン
ダムな弾性共重合体であって、2種以上のα- オレフィ
ンからなるα- オレフィン共重合体、2種以上のα- オ
レフィンと非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非
共役ジエン共重合体があり、具体的には、以下のような
ゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィン樹脂を構成するα- オレフィンの具
体的な例と同様のα- オレフィンを挙げることができ
る。
【0017】また、上記非共役ジエンとしては、具体的
には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シク
ロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノ
ルボルネンなどが挙げられる。
【0018】このような非共役ジエンが共重合している
上記(2)のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムのヨウ素価は、25以下が好ましい。上記
(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4
(100℃)は、10〜250、特に30〜150が好
ましい。
【0019】上記のオレフィン系ゴムは、熱可塑性エラ
ストマー(A)中において、部分的に架橋された状態、
または完全に架橋された状態で存在している。本発明で
は、オレフィン系ゴムが部分的に架橋された状態にある
ことが好ましい。
【0020】また、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、オレフィン系ゴムとオレフィン系ゴ
ム以外のゴムとを組合わせて用いることもできる。この
ようなオレフィン系ゴム以外のゴムとしては、たとえば
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム
(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)
等のジエン系ゴム、ポリイソブチレンゴムなどが挙げら
れる。
【0021】本発明においては、オレフィン系ゴムは、
上記の結晶性ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴ
ムの合計量100重量部に対して、10〜90重量部、
好ましくは20〜90重量部、さらに好ましくは30〜
80重量部の割合で用いられる。
【0022】また、オレフィン系ゴムとオレフィン系ゴ
ム以外のゴムとを組合わせて用いる場合には、オレフィ
ン系ゴム以外のゴムは、結晶性ポリオレフィン樹脂およ
びオレフィン系ゴムの合計量100重量部に対して、4
0重量部以下、好ましくは5〜20重量部の割合で用い
られる。
【0023】オレフィン系ゴム、またはオレフィン系ゴ
ムおよびオレフィン系ゴム以外のゴムを上記のような割
合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに柔軟性に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。
【0024】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(A)には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定
剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着
色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない
範囲で、配合することができる。
【0025】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(A)は、結晶性ポリプロピレン樹脂と、エチ
レン・α- オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α
- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、
熱可塑性エラストマー(A)中において、これらの成分
が部分架橋された状態で存在し、かつ、結晶性ポリプロ
ピレン樹脂とオレフィン系ゴムとの重量配合比(結晶性
ポリプロピレン樹脂/オレフィン系ゴム)が70/30
〜10/90の範囲内にある。
【0026】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(A)のより具体的な例としては、結晶性ポリ
プロピレン樹脂60〜10重量部と、オレフィン系ゴム
としてエチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム40〜90重量部
[結晶性ポリプロピレン樹脂およびオレフィン系ゴムの
合計量は、100重量部とする]と、オレフィン系ゴム
以外のゴム5〜100重量部および/または鉱物油系軟
化剤5〜100重量部とからなり、オレフィン系ゴムが
部分的に架橋されている熱可塑性エラストマーが挙げら
れる。
【0027】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴ
ムとを含有するブレンド物を、有機過酸化物の存在下で
動的に熱処理することにより得ることができる。
【0028】上記有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、
2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオ
キシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-
4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベ
ンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチ
ルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエ
ート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられ
る。
【0029】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
が好ましく、中でも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0030】本発明においては、有機過酸化物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴムの合計量
100重量%に対して、0.05〜3重量%、好ましく
は0.1〜1重量%の割合で用いられる。
【0031】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,
p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジ
ニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジ
マレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノ
マー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような
多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0032】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴ
ム系との相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可
溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働く
ため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性と
のバランスのとれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0033】本発明においては、上記のような架橋助剤
もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理
物全体に対して、0.1〜2重量%、特に0.3〜1重
量%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多
官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、
得られる熱可塑性エラストマーは、架橋助剤および多官
能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応のモノマ
ーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履
歴による物性の変化が生じることがなく、しかも、流動
性に優れている。
【0034】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な
熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー、
たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、一軸または二
軸押出機などの混練装置を用いて行なわれるが、非開放
型の混練装置中で行なうことが好ましい。また、動的な
熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行なうことが好まし
い。
【0035】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。
混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは、17
0〜240℃であり、混練時間は、1〜20分間、好ま
しくは1〜5分間である。また、混練の際に加えられる
剪断力は、通常、10〜104 sec-1、好ましくは1
2〜104sec-1の範囲内で決定される。
【0036】上記のようにしてオレフィン系ゴムが部分
的に、または完全に架橋された熱可塑性エラストマー
(A)を得ることができる。ここに、「部分的に架橋さ
れた」とは、下記の方法で測定したゲル含量(シクロヘ
キサン不溶解分)がたとえば10%以上、特に20%以
上98%未満である場合をいう。本発明においては、ゲ
ル含量が30%以上であることが好ましい。また、「完
全に架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル含量
(シクロヘキサン不溶解分)が98%以上100%であ
る場合をいう。上記範囲にある熱可塑性エラストマー
(A)を用いると、得られるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、成形時の流動性が良好であり、機械強度お
よび耐熱性に優れた成形体を提供することができる。
【0037】[ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法]熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤
量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁
断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30m
lのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0038】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0039】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0040】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100 本発明においては、熱可塑性エラストマー(A)は、熱
可塑性エラストマー(A)およびブロック共重合体
(B)の合計量100重量部に対して、10〜80重量
部、好ましくは20〜70重量部、さらに好ましくは3
0〜70重量部の割合で用いられる。
【0041】熱可塑性エラストマー(A)を上記のよう
な割合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付き性
に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得
られる。
【0042】ブロック共重合体(B) 本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、スチレ
ンまたはその誘導体の重合体ブロック(a)と、特定の
イソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン
共重合体からなるブロック(b)とからなり、水素添加
されていてもよい。
【0043】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体としては、具体的には、α- メチルスチレン、1-ビニ
ルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチレ
ン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、
4-ドデシルスチレン、2-エチル-4- ベンジルスチレン、
4-(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。ブロ
ック(a)を構成する重合体成分としては、スチレン、
α- メチルスチレンが好ましい。
【0044】上記ブロック(b)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン重合
体部分における1,2結合および3,4結合含有量が4
0%以上、好ましくは45%以上である。
【0045】
【化1】
【0046】本発明において、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合の含有量が40%以
上であるとき、耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る
熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0047】ブロック共重合体(B)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(b)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さ
らに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0048】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(B)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(B)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。
【0049】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、
好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ましく
は0.01〜10g/10分の範囲にある。メルトフロ
ーレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(B)を用いると、耐傷付き性に優れた成形体を提供し
得る熱可塑性エラストマーが得られる。
【0050】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のブロック形態としては、ブロック(a)−ブロ
ック(b)−ブロック(a)の形態が最も好ましいが、
これに限られるものではない。
【0051】このようなブロック共重合体(B)は、た
とえば、以下のような方法により製造することができ
る。 (1) アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンま
たはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタジ
エン混合物を逐次重合させる方法。 (2) スチレンまたはその誘導体、次いで、イソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3) ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたは
イソプレン・ブタジエン混合物、次いで、スチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。
【0052】上記ブロック共重合体(B)の製造方法の
詳細は、たとえば特開平2−300250号公報、特開
平3−45646号公報に記載されている。また、上記
のような方法により得られたブロック共重合体(B)に
水添処理を行なえば、水素添加されたブロック共重合体
(B)が得られる。水添されるブロックは、イソプレン
重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体
ブロック(b)である。
【0053】本発明においては、ブロック共重合体
(B)は、上記の熱可塑性エラストマー(A)およびブ
ロック共重合体(B)の合計量100重量部に対して、
20〜90重量部、好ましくは30〜80重量部、さら
に好ましくは30〜70重量部の割合で用いられる。
【0054】ブロック共重合体(B)を上記のような割
合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付き性に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラスト
マーには、上記熱可塑性エラストマー(A)およびブロ
ック共重合体(B)のほかに、必要に応じて、結晶性ポ
リオレフィン樹脂を配合することができる。この結晶性
ポリオレフィン樹脂は、上述した熱可塑性エラストマー
(A)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂と同じであ
る。
【0055】本発明においては、結晶性ポリオレフィン
樹脂は、上記熱可塑性エラストマー(A)とブロック共
重合体(B)との合計量100重量部に対して、好まし
くは5〜100重量部、さらには好ましくは5〜70重
量部の割合で用いられる。
【0056】結晶性ポリオレフィン樹脂を上記のような
割合で用いると、二次加工性に優れるとともに、柔軟性
および耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る、一次成
形性に優れた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0057】さらに、本発明に係るオレフィン系熱可塑
性エラストマーには、上記熱可塑性エラストマー(A)
およびブロック共重合体(B)のほかに、必要に応じ
て、オレフィン系ゴムを配合することができる。このオ
レフィン系ゴムは、上述した熱可塑性エラストマー
(A)を構成するオレフィン系ゴムと同じである。
【0058】また、上記のオレフィン系ゴムの代わり
に、オレフィン系ゴム以外のゴム、たとえばスチレン・
ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、
天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系
ゴム、ポリイソブチレンなどを用いることもできる。こ
のようなオレフィン系ゴム以外のゴムは、上記オレフィ
ン系ゴムと併用することができる。
【0059】本発明においては、オレフィン系ゴムは、
上記熱可塑性エラストマー(A)およびブロック共重合
体(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは5
〜100重量部、さらには好ましくは5〜70重量部の
割合で用いられる。
【0060】また、オレフィン系ゴム以外のゴムは、上
記熱可塑性エラストマー(A)およびブロック共重合体
(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは5〜
100重量部、さらには好ましくは5〜70重量部の割
合で用いられる。
【0061】また、オレフィン系ゴム以外のゴムとオレ
フィン系ゴムとを併用する場合に、オレフィン系ゴム以
外のゴムは、上記熱可塑性エラストマー(A)およびブ
ロック共重合体(B)の合計量100重量部に対して、
好ましくは5〜70重量部、さらには好ましくは5〜5
0重量部の割合で用いられる。
【0062】オレフィン系ゴムおよび/またはオレフィ
ン系ゴム以外のゴムを上記のような割合で用いると、柔
軟性および耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る熱可
塑性エラストマーが得られる。本発明に係るオレフィン
系熱可塑性エラストマーには、上記熱可塑性エラストマ
ー(A)およびブロック共重合体(B)のほかに、必要
に応じて、軟化剤を配合することができる。このような
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤が適当で
あり、具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィ
ン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の
石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコ
ールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆
油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバ
ロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹
脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑
剤;その他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブ
タジエンまたはその変性物あるいは水添物、液状チオコ
ールなどが挙げられる。
【0063】本発明においては、軟化剤は、熱可塑性エ
ラストマー(A)およびブロック共重合体(B)の合計
100重量部に対し、3〜100重量部用いられ、好ま
しくは5〜70重量部の割合で用いられる。
【0064】軟化剤を上記のような割合で用いると、成
形時に流動性に優れた熱可塑性エラストマーが得られ
る。この熱可塑性エラストマーからなる成形体は、耐傷
付き性が良好である。
【0065】本発明においては、オレフィン系熱可塑性
エラストマー中に、本発明の目的を損なわない範囲で、
必要に応じて無機充填剤、あるいはフェノール系、サル
ファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、
アミン系安定剤の如き公知の耐熱安定剤、老化防止剤、
耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の
滑剤などの添加剤を添加することができる。
【0066】このような無機充填剤としては、具体的に
は、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリ
ン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベス
ト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊
維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミ
ナなどが挙げられる。
【0067】上記の熱可塑性エラストマー(A)と、ブ
ロック共重合体(B)と、必要に応じて用いられる結晶
性ポリオレフィン樹脂と、オレフィン系ゴムと、軟化剤
との混合方法としては、熱可塑性エラストマー(A)の
製造で上述した動的な熱処理を行なう方法が望ましい。
ただし、この動的な熱処理は、有機過酸化物の不存在下
で行なわれる。
【0068】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフ
ィン系ゴムとを含有し、部分的ないし完全に架橋された
熱可塑性エラストマー(A)、および[II]スチレンま
たはその誘導体の重合体ブロック(a)と、イソプレン
重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体
ブロックであって、イソプレン重合体部分における1,
2結合および3,4結合含有量が40%以上である重合
体または共重合体ブロック(b)とからなる水素添加さ
れていてもよいブロック共重合体(B)20〜90重量
部[成分(A)および(B)の合計量は100重量部で
ある]、さらに必要に応じて、結晶性ポリオレフィン樹
脂、オレフィン系ゴムおよび軟化剤を特定の割合で含有
してなるので、軽量でリサイクルが容易であり、焼却し
ても有害なガスを発生しない、耐傷付き性に優れた成形
体を提供することができる。
【0069】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0070】
【実施例1】結晶性ポリオレフィン樹脂としてポリプロ
ピレン[メルトフローレート(ASTM D 1238−
65T,230℃、2.16kg):13g/10分、
密度:0.91g/cm3 、X線法により求めた結晶化
度:72%]20重量部と、オレフィン系ゴムとしてエ
チレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共
重合体ゴム[エチレン含有量:70モル%、ヨウ素価:
12、ムーニー粘度ML1+4 (100℃):120]8
0重量部とをバンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気
中、180℃で5分間混練した後、得られた混練物をロ
ールに通してシート状にし、シートカッターで裁断して
角ペレットを製造した。
【0071】次いで、この角ペレット100重量部と、
1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベン
ゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼン0.5重量部と
をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、得られた混合
物を、L/D=30、スクリュー径50mmの一軸押出
機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑
性エラストマー[以下、TPE−(1)と略す]のペレ
ットを製造した。得られたTPE−(1)のゲル含量
は、84%であった。
【0072】次いで、このTPE−(1)のペレット7
0重量部とブロック共重合体(B)としてスチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体[スチレン含有
量:20重量%、イソプレン重合体部分における1,2
結合および3,4結合含有量:55%、メルトフローレ
ート(ASTM D 1238,230℃、2.16k
g):2.5g/10分、以下(B−1)と略す]のペ
レット30重量部とを充分に攪拌混合した後、得られた
混合物を、L/D=30、スクリュー径50mmの一軸
押出機を用いて、220℃で押出して熱可塑性エラスト
マーのペレットを製造した。
【0073】さらに、この熱可塑性エラストマーのペレ
ットから射出成形機を用いて角板(120mmx150
mmx3mm)を220℃で成形した。得られた角板の
上に20mm角のフェルト布を置き、さらにその上に2
00g/cm2 の圧力が掛かるように重りを乗せて10
0回角板上を往復させ、その往復操作の前後の光沢度
(JIS K 7105)を測定して、光沢度の変化度を
もって耐傷付き性の評価を行なった。
【0074】結果を第1表に示す。
【0075】
【実施例2】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を20重量部とし、(B−1)の代わりにスチレン重
合体ブロックとイソプレン・ブタジエン共重合体ブロッ
クとスチレン重合体ブロック共重合体の水添処理物[ブ
ロック共重合体(B)、スチレン含有量:20重量%、
イソプレン・ブタジエン共重合体ブロックにおけるブタ
ジエン含有量:12重量%、イソプレン重合体部分にお
ける1,2結合および3,4結合含有量:60%、メル
トフローレート(ASTM D 1238,230℃、
2.16kg):2.1g/10分、以下(B−2)と
略す]80重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行
なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を得た。得
られた角板について、耐傷付き性の評価を実施例1と同
様に行なった。
【0076】結果を第1表に示す。
【0077】
【実施例3】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を50重量部とし、(B−1)の代わりに(B−2)
を50重量部用い、さらに結晶性ポリオレフィン樹脂と
してプロピレン・エチレンランダム共重合体[エチレン
含有量:3モル%、メルトフローレート(ASTM D
1238,230℃、2.16kg):15g/10
分、X線法により求めた結晶化度:67%、以下(C−
1)と略す]50重量部を用いた以外は、実施例1と同
様に行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を得
た。得られた角板について、耐傷付き性の評価を実施例
1と同様に行なった。
【0078】結果を第1表に示す。
【0079】
【実施例4】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を50重量部とし、(B−1)の代わりに(B−2)
を50重量部用い、さらに結晶性ポリオレフィン樹脂と
してポリブテン- 1[メルトフローレート(ASTM
D 1238,230℃、2.16kg):11g/1
0分、X線法により求めた結晶化度:53%、以下(C
−2)と略す]50重量部を用いた以外は、実施例1と
同様に行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を
得た。得られた角板について、耐傷付き性の評価を実施
例1と同様に行なった。
【0080】結果を第1表に示す。
【0081】
【実施例5】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を50重量部とし、(B−1)の代わりに(B−2)
を50重量部用い、さらにオレフィン系ゴムとしてエチ
レン・プロピレン共重合体[エチレン含有量:78モル
%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃):14、以下
(D−1))50重量部を用いた以外は、実施例1と同
様に行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を得
た。得られた角板について、耐傷付き性の評価を実施例
1と同様に行なった。
【0082】結果を第1表に示す。
【0083】
【実施例6】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を50重量部とし、(B−1)の代わりに(B−2)
を50重量部用い、さらに(C−1)30重量部および
オレフィン系ゴムとしてエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含有
量:82モル%、ヨウ素価:8、ムーニー粘度ML1+4
(100℃):72、以下(D−2)と略す]20重量
部を用いた以外は、実施例1と同様に行なって熱可塑性
エラストマーを調製し、角板を得た。得られた角板につ
いて、耐傷付き性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0084】結果を第1表に示す。
【0085】
【実施例7】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を50重量部とし、(B−1)の代わりに(B−2)
を50重量部用い、さらに(C−1)30重量部、(D
−1)20重量部および軟化剤として鉱物油系プロセス
オイル[出光興産社製、PW−380、以下(E−1)
と略す]20重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を得た。
得られた角板について、耐傷付き性の評価を実施例1と
同様に行なった。
【0086】結果を第1表に示す。
【0087】
【比較例1】実施例1において、TPE−(1)の配合
量を20重量部とし、(B−1)の代わりにスチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水添処理物
[スチレン含有量:20重量%、メルトフローレート
(ASTM D 1238,230℃、2.16kg):
2.8g/10分]80重量部を用いた以外は、実施例
1と同様に行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角
板を得た。得られた角板について、耐傷付き性の評価を
実施例1と同様に行なった。
【0088】結果を第1表に示す。
【0089】
【比較例2】実施例1において、TPE−(1)および
(B−1)の配合量をそれぞれ20重量部、0重量部と
し、(D−1)80重量部を用いた以外は、実施例1と
同様に行なって熱可塑性エラストマーを調製し、角板を
得た。得られた角板について、耐傷付き性の評価を実施
例1と同様に行なった。
【0090】結果を第1表に示す。
【0091】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内 山 晃 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフ
    ィン系ゴムとを含有し、部分的ないし完全に架橋された
    熱可塑性エラストマー(A)10〜80重量部、および
    [II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、イソプレン重合体部分に
    おける1,2結合および3,4結合含有量が40%以上
    である重合体または共重合体ブロック(b)とからなる
    水素添加されていてもよいブロック共重合体(B)20
    〜90重量部[成分(A)および(B)の合計量は10
    0重量部である]からなることを特徴とするオレフィン
    系熱可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマーおよびブロック
    共重合体(B)の合計量100重量部に対して、結晶性
    ポリオレフィン樹脂が5〜100重量部配合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑
    性エラストマー。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマーおよびブロック
    共重合体(B)の合計量100重量部に対して、オレフ
    ィン系ゴムが5〜100重量部配合されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載のオレフィン系熱可塑
    性エラストマー。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性エラストマーおよびブロック
    共重合体(B)の合計量100重量部に対して、軟化剤
    が3〜100重量部配合されていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146137A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Jsr Corp 熱可塑性エラストマー組成物成形品およびその製造方法
JP2014080488A (ja) * 2012-10-16 2014-05-08 Kuraray Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物および該組成物からなる成形体
WO2017073695A1 (ja) * 2015-10-30 2017-05-04 株式会社クラレ 熱可塑性エラストマー組成物、部材、ウェザーシール、ウェザーシール用コーナー部材
WO2023176810A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物および熱可塑性エラストマー組成物の製造方法

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