JPH0726016B2 - 硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

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JPH0726016B2
JPH0726016B2 JP18019289A JP18019289A JPH0726016B2 JP H0726016 B2 JPH0726016 B2 JP H0726016B2 JP 18019289 A JP18019289 A JP 18019289A JP 18019289 A JP18019289 A JP 18019289A JP H0726016 B2 JPH0726016 B2 JP H0726016B2
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照雄 片寄
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組
成物、および該樹脂組成物を硬化して得られる官能化ポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体に関する。
該樹脂組成物硬化体は、難燃性、耐薬品性、誘電特性に
優れ、電気・電子分野における材料として有利に使用で
きるものである。
〔従来の技術〕
近年、通信用、民生用、産業用等の電子機器の分野にお
ける実装方法の小型化、高密度化への指向は著しいもの
があり、それに伴って材料の面でもより優れた耐熱性、
寸法安定性、電気特性、難燃性が要求されつつある。例
えばプリント配線基板としては、従来からフェノール樹
脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を基材とした銅張
り積層板が用いられてきた。これらは各種の性能をバラ
ンスよく有するものの、電気特性、特に高周波領域での
誘電特性が悪いという欠点を持っている。この問題を解
決する新しい材料としてポリフェニレンエーテルが近年
注目をあび銅張り積層板への応用が試みられている。
ポリフェニレンエーテルは機械的特性と電気的特性に優
れたエンジニアリングプラスチックであり、耐熱性も比
較的高い。しかしながらプリント基板材料として利用し
ようとした場合、極めて高いハンダ耐熱性が要求される
ため、ポリフェニレンエーテル本来の耐熱性では決して
十分とは言えない。即ち、ポリフェニレンエーテルは20
0℃以上の高温に曝されると変形を起こし、機械的強度
の著しい低下や、樹脂表面に回路用として形成された銅
箔の剥離を引き起こす。またポリフェニレンエーテル
は、酸、アルカリ、熱水に対しては強い抵抗性を有する
ものの芳香族炭化水素化合物やハロゲン置換炭化水素化
合物に対する抵抗性が極めて弱く、これらの溶媒に溶解
する。
難燃性という観点から見てもポリフェニレンエーテルは
プリント基板材料としての要求に耐えうるだけの十分な
難燃性を持つとは言い難い。
ポリフェニレンエーテルの耐熱性と耐薬品性を改善する
方法の一つとして、ポリフェニレンエーテルの鎖中に架
橋性の官能基を導入しさらに硬化させて硬化ポリフェニ
レンエーテルとして利用する方法が提案されている。
具体例を挙げると、2−アリル−6−メチルフェノール
または2,6−ジアリルフェノールの重合体がJournal of
Polymer Science誌,第49巻,267頁(1961)に開示され
ている。米国特許第3281393号および同3422062号には、
2,6−ジメチルフェノールと2−アリル−6−メチルフ
ェノールまたは2,6−ジアリルフェノールとの共重合体
が開示されている。また米国特許第4634742号には、ビ
ニル基置換ポリフェニレンエーテルが開示されている。
さらには本発明者らは、先にプロパルギル基あるいはア
リル基で置換されたポリフェニレンエーテル、ならびに
三重結合あるいは二重結合を含むポリフェニレンエーテ
ルを発明し、これらが硬化可能であること、そして得ら
れる硬化体は芳香族炭化水素溶媒やハロゲン置換炭化水
素溶媒に不溶であり優れた誘電特性を持つことを見い出
した(特開昭64-69628号、同64-69629号、特開平1-1134
25号、同1-113426号を参照)。しかし以上のいずれの硬
化性ポリフェニレンエーテルも難燃性という点ではまっ
たく改良が行われていなかった。
ポリフェニレンエーテルに耐薬品性と難燃性を同時に付
与した材料として、本発明者らは続いてポリフェニレン
エーテル樹脂とアリルブロマイドあるいはプロパルギル
ブロマイドとの反応生成物からなる官能化ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を発明した(特願平1-52041号、
同1-53703号を参照)。しかしながらこれらの硬化体
は、トリクロロエチレンで煮沸すると不溶ではあるもの
の膨れや反りが生じるため、プリント基板材料として使
用するにはなお耐薬品性の改善が不十分であるという問
題点があった。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明は以上の事情に鑑みて、ポリフェニレンエーテル
の優れた誘電特性を保持し、難燃性であり、かつ耐薬品
性のより一層改善された新規なポリフェニレンエーテル
樹脂組成物を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述のような課題を解決し、積層材料とし
て好適な材料を得るべく鋭意検討を重ねた結果、本発明
に到った。本発明は次に述べる発明より構成される。
すなわち本発明は、 (a)ポリフェニレンエーテル樹脂および、アリルブロ
マイドおよび/またはプロパルギルブロマイドの反応生
成物からなる官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
であって、臭素および、アリル基および/またはプロパ
ルギル基が共有的にポリフェニレンエーテル樹脂に結合
しており、臭素の含量が2重量%以上30重量%以下であ
り、かつ次式で定義されるアリル基および/またはプロ
パルギル基の含量が0.1モル%以上100モル%以下である
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 ならびに (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
アリルシアヌレート を含有する樹脂組成物であり、(a)と(b)の和を基
準として(a)成分が98〜50重量%、(b)成分が2〜
50重量%である硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹
脂組成物 を提供する。
本発明の上記の組成物は硬化させると、 官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および、トリ
アリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシア
ヌレートからなる樹脂組成物を硬化して得られる樹脂組
成物硬化体であって、臭素の含量が1重量%以上30重量
%以下であり、該硬化体をクロロホルムにより23℃で12
時間処理したときのクロロホルム抽出率が0.01重量%以
上10重量%以下であり、かつ該クロロホルム抽出物中に
次の構造式で表わされる単位(I)および/または(I
I),(III),ならびにトリアリルイソシアヌレートお
よび/またはトリアリルシアヌレートが含まれることを
特徴とする官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬
化体 を提供する。
(式中Rはアリル基および/またはプロパルギル基を表
わす。) 以上の発明について以下に詳しく説明する。
本発明の硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物の(a)成分として用いられる官能化ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物とは、ポリフェニレンエーテル樹脂
および、アリルブロマイドおよび/またはプロパルギル
ブロマイドの反応生成物からなる樹脂組成物である。
ここで用いられるポリフェニレンエーテル樹脂とは、次
の一般式で表わされるものである。
QJ−H〕m (IV) 式中、mは1または2の整数であり、Jは次の一般的で
表わされる単位から実質的に構成されるポリフェニレン
エーテル鎖であり、 Qは、mが1のとき水素原子を表わし、mが2のときは
一分子中に2個のフェノール性水酸基を持ち、フェノー
ル性水酸基のオルト位およびパラ位に重合不活性な置換
基を有する2官能性フェノール化合物の残基を表わす。
Qの代表的な例としては、次の2種の一般式で表わされ
る化合物群が挙げられる。
(式中、A1,A2は同一または異なる炭素数1〜4の直鎖
状アルキル基を表わし、Xは脂肪族炭化水素残基および
それらの置換誘導体、芳香族炭化水素残基およびそれら
の置換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換誘導
体、酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基等を表わ
し、A2と直接結合した2つのフェニル基、A2とXの結合
位置はすべてフェノール性水酸基のオルト位およびパラ
位を示す。) 具体例として、 等が挙げられる。
一般式(IV)のポリフェニレンエーテル樹脂の特に好ま
しい例は、2,6−ジメチルフェノールを単独で酸化重合
して得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)である。また、2,6−ジメチルフェノールと2,
3,6−トリメチルフェノールの共重合から得られるコポ
リマーも好ましい例の一つである。
一般式(IV)のポリフェニレンエーテル樹脂の分子量に
ついては特に制限されず、低分子量体から高分子量体ま
で使用できるが、特に30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液
で測定した粘度数ηSP/Cが0.2〜1.0の範囲にあるものが
良好に使用できる。
一般式(IV)のポリフェニレンエーテル樹脂より(a)
成分の官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を製造
する方法は、特に限定されるものではないが、例えば特
願平1-52041号、同1-53703号に開示された方法を挙げる
ことができる。すなわち、一般式(IV)のポリフェニレ
ンエーテル樹脂を有機金属でメタル化し、続いてアリル
ブロマイドおよび/またはプロパルギルブロマイドで置
換反応する工程より成る方法を挙げることができる。
このようにして得られる該官能化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物の構造は、該磁気共鳴(以下NMRと略称す
る。)スペクトルの測定により、少なくとも次の3種な
いし4種の構造式で表わされる単位より実質的に構成さ
れていることが判明している。
(式中Rはアリル基および/またはプロパルギル基を表
わす。) また同じくNMRスペクトルの測定によれば、該官能化ポ
リフェニレンエーテル樹脂組成物中に含まれる臭素およ
び、アリル基および/またはプロパルギル基は、共にポ
リフェニレンエーテル樹脂骨格に共有的に結合してお
り、臭素は実質的に上記(III)の構造に由来し、アリ
ル基および/またはプロパルギル基は実質的に上記
(I)および(II)の構造に由来することが判明してい
る。
該官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の構造およ
びその生成機構の詳細については、特願平1-52041号、
同1-53703号明細書を参照されたい。
本発明の(a)成分として用いられる官能化ポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物の臭素の含量は、該樹脂組成物
を基準として2重量%以上30重量%以下の範囲であり、
より好ましくは2重量%以上20重量%以下の範囲であ
る。また次式によって定義されるアリル基および/また
はプロパルギル基の含量は、0.1モル%以上100モル%以
下の範囲、より好ましくは0.5モル%以上50モル%以下
の範囲である。
臭素の含量が2重量%を下まわると難燃性の改善が不十
分であり好ましくない。逆に30重量%を越えると熱安定
性が低下するので好ましくない。またはアリル基および
/またはプロパルギル基の含量が0.1モル%を下まわる
と硬化後の耐薬品性の改善が不十分となるので好ましく
ない。逆に100モル%を越えると硬化後において非常に
脆くなるので好ましくない。
本発明の(a)成分に用いられる官能化ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物の分子量については特に制限され
ず、低分子量体から高分子量体まで使用できるが、特に
30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηSP
/Cが0.2〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる。
本発明の第1である硬化性官能化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物の(b)成分として用いられるトリアリル
イソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレー
トとは、それぞれ次の構造式で表される3官能性モノマ
ーである。
本発明を実施する上においては、トリアリルイソシアヌ
レートおよびトリアリルシアムレートはそれぞれ単独で
用いられるだけでなく、両者を任意の割合で混合して使
用することも可能である。
以上の(a),(b)2つの成分の配合割合は、両者の
和を基準として(a)成分が98〜50重量%、(b)成分
が2〜50重量%、より好ましくは(a)成分が95〜60重
量%、(b)成分が5〜40重量%の範囲が好適である。
(b)成分が2重量%未満では耐薬品性の改善が不十分
であり好ましくない。逆に50重量%を越えると誘電特性
や難燃性が低下し、また硬化後において非常に脆い材料
となるので好ましくない。
(a),(b)2つの成分を配合する方法は特に制限さ
れず、溶液混合による方法や加熱溶融による方法などを
利用することができる。
溶液混合に用いられる溶媒としては、ジクロロメタン、
クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン置換
炭化水素やベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素などのうちから選んだ単独または混合溶媒が挙
げられる。これらの溶媒中に溶かした上記の樹脂組成物
をキャスティング法によりフィルム状に賦形することが
できる。
このようなキャスティング法以外の賦形方法としては通
常の加熱溶融による方法が挙げられ、インジェクション
成形、トランスファー成形、押出成形、プレス成形等の
方法が利用できる。加熱溶融の際の温度は、該樹脂組成
物のガラス転移温度以上硬化開始温度以下の範囲で選ば
れる。
(a)成分として用いられる官能化ポリフェニレンエー
テル樹脂組成物は、分子に導入された臭素および、アリ
ル基および/またはプロパルギル基の効果により、これ
らの官能基を持たないポリフェニレンエーテルと比較し
てガラス転移温度が約140℃〜約210℃と大旨低く、熱成
形に有利である。さらにはトリアリルイソシアヌレート
および/またはトリアリルシアヌレートが可塑剤として
の効果も発揮するため、ガラス転移温度は80〜160℃の
範囲となり、低温においても顕著な流動性が認められ、
熱成形に一層有利となっている。
本発明の硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物を硬化させる方法は任意であり、熱、光、電子線等に
よる方法を採用することができる。
また硬化の際の温度を低くしたり架橋反応を促進する目
的で触媒としてラジカル開始剤を含有させて使用するこ
ともできる。開始剤の好ましい量は、(a)成分と
(b)成分の和100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
であり、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
開始剤が0.1重量%未満では硬化が十分行なわれず、耐
薬品性が不十分となるので好ましくない。逆に10重量%
を越えると、開始剤が残存して誘電特性を低下させたり
脆い材料となるため好ましくない。ラジカル開始剤の代
表的な例を挙げると、ベンゾイルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)
オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイ
ド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイ
ド等の過酸化物があるがこれらに限定されない。また過
酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タンもラジカル開始剤として利用できる。
加熱により硬化を行う場合の温度は、開始剤の有無やそ
の種類によっても異なるが、温度は100℃〜350℃、より
好ましくは150℃〜300℃の範囲で選ばれる。また時間は
1分〜5時間程度、より好ましくは1分〜3時間であ
る。この硬化反応の程度は示差走査熱量計や赤外吸収
(以下IRと略称する)スペクトル法により追跡すること
が可能である。
本発明の硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物は、その用途に応じて所望の性能を付与する目的で本
来の性質を損わない範囲の量の充填材や添加剤を配合し
て用いることができる。充填材は繊維状であっても粉末
状であってもよく、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボ
ン繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、アスベスト繊
維、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、タルク、雲
母、ガラスビーズ、ガラス中空球などを挙げることがで
きる。又添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電
防止剤、可塑性、顔料、染料、着色剤などを配合するこ
とができる。難燃性の一層の向上を図る目的で難燃剤や
難燃助剤を併用することもできる。
また本発明の硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を、前述のハロゲン置換炭化水素や芳香族炭化水
素などのうちから選んだ単独または混合溶媒に溶解さ
せ、基材に含浸させた後乾燥することによってプリプレ
グを得ることができる。含浸は例えば浸漬(ディッピン
グ)や塗布などによって行われる。この際用いられる基
材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマ
ット、サーフェシングマットなどの各種ガラス布;セラ
ミック繊維布、アスベスト布、金属繊維布およびその多
合成もしくは天然の無機繊維布;ポリビニルアルコール
繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリ
アミド繊維などの合成繊維から得られる織布または不織
布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カーボン
繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混織紙な
どの天然セルロース系布などが、それぞれ単独で、ある
いは2種以上併せて用いられる。
このようにして得たプリプレグをそれ単独で、あるいは
銅箔などの金属箔と組み合わせて積層成形し、硬化させ
ることによって積層板を得ることができる。
以上述べてきた本発明の官能化ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物の特徴をまとめると、第1に臭素の導入によ
って得られる難燃性が挙げられる。また特徴の第2は、
キャスティング法による成膜性に優れている点である。
通常のポリフェニレンエーテルでは溶媒成膜性がほとん
ど認められないのに対し、本発明の樹脂組成物では平滑
で表面にべたつきのないフィルムが得られ、取り扱いが
容易であった。特徴の第3は、貯蔵安定性に優れている
点であり、溶液状またはフィルム状でゲル化することな
く長期間保存可能であった。そして特徴の第4は、通常
のポリフェニレンエーテルよりもガラス転移温度が低く
熱成形が行いやすい点である。
次に本発明の官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
の硬化体について説明する。この官能化ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物硬化体は、本発明の第1として述べ
た硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を加
熱等の方法により硬化することによって得られるもので
ある。
該官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体がポ
リフェニレンエーテルおよび、トリアリルイソシアヌレ
ートおよび/またはトリアリルシアヌレートから成る組
成物を硬化させたものであるということについては、例
えばIRスペクトル法、固体の高分解能NMRスペクトル法
(いわゆるCP−MAS)、熱分解ガスクロマトグラフィー
等の分析手法により実証することができる。硬化体中の
トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリル
シアヌレートの含量は、例えば窒素の元素分析法により
定量することが可能である。
また本発明の硬化体は臭素を含有しており、その含量は
該硬化体を基準として1重量%以上30重量%以下の範囲
であり、より好ましくは1重量%以上20重量%以下の範
囲である。臭素含量が1重量%未満であると難燃性に劣
り好ましくない。逆に30重量%を越えると熱安定性に劣
り好ましくない。この臭素は硬化体を構成するポリフェ
ニレンエーテル骨格に共有的に結合した臭素であり、前
記の構造式(III)の構造に実質的に由来するものであ
る。このことは後述するクロロホルム抽出物の解析によ
り実証できる。
本発明の硬化体に含有せられる臭素を定量する方法とし
ては、例えば蛍光X線法が挙げられる。また該硬化体を
熱、酸等を分解した後、滴定やイオンクロマトグラフ等
の手法を用いて定量することも可能である。
本発明の硬化体のクロロホルム抽出率は、0.01重量%以
上10重量%以下の範囲であり、より好ましくは0.01重量
%以上5重量%以下の範囲である。抽出率が0.01重量%
未満の場合は硬化体が脆くなり好ましくない。逆に10重
量%を越えると耐薬品性の改善が不十分でありやはり好
ましくない。ここで言うクロロホルム抽出率とは、該硬
化体をクロロホルム中に23℃で12時間浸漬して得られる
値であり、該硬化体のクロロホルム浸漬前の重さを基準
として次式に従って計算される。
クロロホルムに浸漬される硬化体の形状としてはクロロ
ホルムの除去しやすさを考慮してフィルム状または粉末
状が好ましい。
クロロホルム抽出率の測定は、クロロホルムの代りに重
クロロホルムを用いて行うこともできるが、この場合抽
出物の重クロロホルム溶液のNMRスペクトルを測定する
ことにより、抽出物の成分およびその構造を知ることが
できる。この抽出物は、本発明の第1として述べた硬化
性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物のうち硬化
過程において硬化反応に十分寄与できなかった成分が抽
出されたものである。従って該抽出物中には、該硬化性
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の(a)成分
に由来する構造として、前述の式(I)および/または
(II)、および(III)で表わされる単位が確認され
る。また(b)成分であるトリアリルイソシアヌレート
および/またはトリアリルシアヌレートも確認される。
抽出物の構造確認の手段としては、前述の通りNMRスペ
クトル法が有効であるが、その中でも特に1H−NMRが有
効である。またIRスペクトル法も利用できる。
以上述べてきた本発明の官能化ポリフェニレンエーテル
樹脂組成物の硬化体の特徴をまとめると、第1の特徴は
硬化によって得られる耐薬品性と耐熱性である。すなわ
ち、トリクロロエチレン中での煮沸によって膨潤や反り
などの外観の変化は生ぜず、260℃のハンダ浴で加熱し
ても外観に変化は認められなかった。第2の特徴は、臭
素の効果による難燃性である。また第3の特徴は、ポリ
フェニレンエーテルの優れた誘電特性(低誘電率、低誘
電正接)が損われていないことである。さらに本発明に
おける硬化反応は、官能化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物中のアリル基やプロパルギル基および、トリアリ
ルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレ
ート中のアリル基の付加反応によって起こるため、ポリ
イミド樹脂のように縮合反応に起因する水、ガス等の副
生物が生成せず、均一でボイドのないフィルム、シー
ト、成形品が得られるという特徴も有する。
本発明の官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化
体が前述のガラスクロス等の基材や金属箔と複合化され
てできた積層板は、上述のような硬化体の特徴の故に、
難燃性低誘電率プリント基板として極めて有用である。
〔実施例〕
以下、本発明を一層明確にするために実施例を挙げて説
明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するも
のではない。
実施例1および2 官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp
/Cが0.55であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル)10.0gをTHF200mlに溶解させ、n−ブチルリ
チウム(1.5モル/l,ヘキサン溶液)11.1mlを加えて窒素
雰囲気下、10℃で20分間反応させた。続いてアリルブロ
マイド1.5mlを加え、25℃に昇温して30分間攪拌した。
最後に水80ml、メタノール80mlの混合溶液を加え、ポリ
マーを析出させた。濾過とメタノール洗浄を3回繰り返
した後、80℃で14時間真空乾燥させ、白色粉末状のポリ
マーを得た。このポリマーの分析値を第1表にまとめ
た。各値は次の方法により求めた。
1.粘度数ηSP/C:30℃,0.5g/dl,クロロホルム溶液 2.臭素含量:蛍光X線法 3.アリル基含量:1H−NMR 硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 上記の方法で得たポリフェニレンエーテル、トリアリル
イソシアヌレート(以下TAICと略称する。)、および開
始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3(日本油脂(株)製パーヘキシン25
B)を第1表に示した組成でトリクロロエチレン中に溶
解させ、キャスティング法により厚さ約100μmのフィ
ルムに成膜した。得られたフィルムの成膜性、保存安定
性、熱機械的分析装置(TMA)で測定したガラス転移温
度を第1表にまとめた。いずれのフィルムも成膜性に優
れており、表面の平滑なべたつきのない物であった。ま
た、室温で3か月間放置してもゲル化は起らず、長期保
存性にも優れていた。
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体 上記の方法で得た樹脂組成物のフィルムを18枚重ね合わ
せ、真空プレスにより室温から200℃まで加熱圧縮し、2
00℃で30分間保持後、冷却して厚さ約1.5mmのシート状
硬化体を得た。いずれの実施例についてもフィルムのガ
ラス転移温度が低く流動性に優れていたため、プレス成
形は容易であった。得られたシート状硬化体の物性を第
2表にまとめた。各物性の測定は次に述べる方法により
行った。
1.クロロホルム抽出率 シート状硬化体の一部をヤスリで削って粉末化し、クロ
ロホルム中に23℃で12時間浸漬して、その前後の重さか
ら次式に従って求めた。
2.燃焼性 長さ127mm,幅12.7mmの試験片を切り出し、UL−94の試験
法に準じて行った。
3.ハンダ耐熱性 10mm角の試験片を260℃のハンダ浴中に120秒間浮かべ、
外観の変化を目視により観察した。
4.耐トリクロロエチレン性 シート状硬化体を約15mm角に切り出し、トリクロロエチ
レン中で5分間煮沸し、取り出してから5分後の重量増
加を次式から求めた。また外観の変化を目視により観察
した。
5.誘電率、誘電正接 1MHzで測定を行った。
いずれの実施例についても難燃性、耐トリクロロエチレ
ン性は良好であり、誘電特性に優れていた。
一方、この硬化体の構造を確認するため以下のような解
析を行った。まず粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射
法)を測定し、いずれの実施例についてもポリフェニレ
ンエーテル骨格の存在を確認した。その主要なピークの
帰属は次の通りであった。
同時に1700cm-1にTAICに起因するカルボニル基の吸収が
確認された。
また、熱分解ガスクロマトグラフィーの測定では(熱分
解条件:590℃,4秒)、TAICと、ポリフェニレンエーテル
特有の熱分解生成物である2−メチルフェノール、2,6
−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノールおよ
び2,4,6−トリメチルフェノールが確認された。なおガ
スクロマトグラフのピークの同定は、市販の試薬を標準
として用い、保持時間、質量スペクトル、およびFT−IR
スペクトルを比較することにより行った。
次に硬化体の粉末を重クロロホルム(CDCl3)中に23℃
で12時間浸漬し、抽出を行った。この重クロロホルム溶
液をNMRサンプル管に移し1H−NMRを測定したところ、前
述の構造式(I)〜(III)に特徴的なピークとTAICの
アリル基のピークが確認された。主要なピークの帰属は
次の通りである。
実施例3および4 官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 実施例1で用いたものと同じポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)20.0gをTHF400mlに溶解させ、
n−ブチルリチウム(1.5モル/lヘキサン溶液)27.8ml
を加えて窒素雰囲気下25℃で5分間反応させた。続いて
アリルブロマイド3.6mlを加え、25℃のままさらに30分
間攪拌した。実施例1と同様に後処理を行い、白色粉末
状のポリマーを得た。このポリマーの分析値を第1表に
まとめた。
硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 上記の方法で得たポリフェニレンエーテル、TAIC、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3、および難燃助剤としてSb2O3(日本精鉱(株)
製PATOX−M)を第1表に示した組成でトリクロロエチ
レン中に溶解、分散させ、キャスティング法により成膜
した。得られたフィルムの厚みは約100μmであった。
いずれのフィルムも成膜性に優れ、表面の平滑なべたつ
きのないものであった。また、室温で3ヶ月間放置して
もゲル化は起こらず、長期保存性にも優れていた。
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体 上記の方法で得たフィルムを用い、実施例1とまったく
同様にしてシート状硬化体を作製し、物性を測定した。
結果を第2表にまとめた。いずれの実施例についても難
燃性、耐トリクロロエチレン性は良好であり、誘電特性
に優れていた。
硬化体の構造解析についても実施例1と同様に行った。
すなわち、FT−IRおよび熱分解ガスクロマトグラフィー
を用いてポリフェニレンエーテル骨格とTAICの存在を確
認した。さらに重クロロホルム抽出物の1H−NMRを測定
し、前述の構造(I)〜(III)とTAICに特徴的なピー
クを確認した。
実施例5および6 官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 実施例1で用いたものと同じポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)8.0gをTHF400mlに溶解させ、n
−ブチルリチウム(1.5モル/l,ヘキサン溶液)88.9mlを
加えて窒素雰囲気下、25℃で20分間反応させた。続いて
アリルブロマイド11.5mlを加え、25℃のままさらに30分
間攪拌した。最後にこの反応混合物をメタノール1.0l中
に注ぎ、ポリマーを析出させた。濾過とメタノール洗浄
を3回繰り返した後、80℃で14時間真空乾燥させ、白色
粉末状のポリマーを得た。このポリマーの分析値を第1
表にまとめた。
硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 上記の方法で得たポリフェニレンエーテル、トリアリル
シアヌレート(以下TACと略称する。)、および開始剤
として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3を第1表に示した組成でトリクロロエ
チレン中に溶解させ、キャスティング法により厚さ約10
0μmのフィルム状に成膜した。このフィルムの成膜
性、長期保存性はいずれも優れたものであった。
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体 上記の方法で得たフィルムを用い、実施例1とまったく
同様にしてシート状硬化体を作製し、物性を測定した。
結果を第2表にまとめた。いずれの実施例についても難
燃性、耐トリクロロエチレン性は良好であり、誘電特性
に優れていた。
硬化体の構造解析についても実施例1と同様に行った。
すなわち、FT−IRおよび熱分解ガスクロマトグラフィー
を用いてポリフェニレンエーテル骨格とTACの存在を確
認した。さらに重クロロホルム抽出物の1H−NMRを測定
し、前述の構造式(I)〜(III)とTACに特徴的なピー
クを確認した。
比較例1 実施例3,4で合成したポリマー100重量部と開始剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3 3重量部をトリクロロエチレン中に溶解させ、
キャスティング法により厚さ約100μmのフィルムに成
膜した。
このフィルムを用いて実施例1と同じ方法でシート状硬
化体を作製し、物性を測定した。ただし硬化条件は260
℃×30分とした。結果を第2表にまとめた。難燃性は良
好であったが、TAIC,TACを用いていないために耐トリク
ロロエチレン性に劣るものであった。
実施例7〜9 官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパンの共存下に2,6−ジメチルフェノールを酸化重
合して得た両末端に水酸基を有するポリフェニレンエー
テル(30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度
数ηsp/Cが0.04のもの)10.0gをTHF200mlに溶解させ、
n−ブチルリチウム(1.5モル/l,ヘキサン溶液)16.7ml
を加えて窒素雰囲気下25℃で5分間反応させた。続いて
プロパルギルブロマイド1.9mlを加え、25℃のままさら
に30分間攪拌した。実施例1と同様に後処理を行い、白
色粉末状のポリマーを得た。このポリマーの分析値を第
1表にまとめた。
硬化性官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 第1表に示した組成で実施例1と同様に成膜を行った。
成膜性、保存安定性共に良好であった。
官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物硬化体 上記で成膜したフィルムを用い、実施例1とまったく同
様にしてシート状硬化体を作製し、物性を測定した。第
2表に示したようにいずれの実施例についても難燃性、
耐トリクロロエチレン性は良好であり、誘電特性に優れ
ていた。
硬化体の構造解析についても実施例1と同様に行った。
すなわち、FT−IRおよび熱分解ガスクロマトグラフィー
を用いてポリフェニレンエーテル骨格と、TAICまたはTA
Cの存在を確認した。さらに重クロロホルム抽出物の1H
−NMRを測定し、前述の構造式(I)〜(III)と、TAIC
またはTACに特徴的なピークを確認した。(I)〜(II
I)のピークの帰属は次の通りである。
比較例2 実施例7〜9で合成したポリマー100重量部と開始剤と
して2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3 3重量部をトリクロロエチレン中に溶解さ
せ、キャスティング法により厚さ約100μmのフィルム
に成膜した。
このフィルムを用いて実施例1と同じ方法でシート状硬
化体を作製し、物性を測定した。ただし硬化条件は260
℃×30分とした。結果を第2表にまとめた。難燃性は良
好であったが、TAIC,TACを用いていないために耐トリク
ロロエチレン性に劣るものであった。
〔発明の効果〕 本発明の第1である硬化性官能化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物の特徴は、第1に臭素の導入によって得ら
れる難燃性である。また特徴の第2は、キャスティング
法による成膜性に優れている点である。通常のポリフェ
ニレンエーテルでは溶媒成膜性がほとんど認められない
のに対し、本発明の樹脂組成物では平滑で表面にべたつ
きのないフィルムが得られ、取り扱いが容易であった。
特徴の第3は、貯蔵安定性に優れている点であり、溶液
状またはフィルム状でゲル化することなく長期間保存可
能であった。そして特徴の第4は、通常のポリフェニレ
ンエーテルよりもガラス転移温度が低く熱成形が行いや
すい点である。
本発明の第2である官能化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物硬化体の特徴は、第1に硬化によって得られる耐
薬品性と耐熱性である。すなわち、トリクロロエチレン
中での煮沸によって膨潤や反りなどの外観の変化は生ぜ
ず、260℃のハンダ浴で加熱しても外観の変化は認めら
れなかった。第2の特徴は、臭素の効果による難燃性で
ある。また第3の特徴は、ポリフェニレンエーテルの優
れた誘電特性(低誘電率,低誘電正接)が損われていな
いことである。さらに本発明における硬化反応は、官能
化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中のアリル基やプ
ロパルギル基および、トリアリルイソシアヌレートおよ
び/またはトリアリルシアヌレート中のアリル基の付加
反応によって起こるため、ポリイミド樹脂のように縮合
反応に起因する水、ガス等の副生成物が生成せず、均一
でボイドのない硬化体となるという特徴も有する。
以上述べてきた本発明の特徴はいずれも、本発明が難燃
性低誘電率プリント基板材料として有利に使用できるこ
とを示している。すなわち、片面または両面銅張積層
板、多層基板用プリプレグ、フレキシブル基板、射出成
形による三次元プリント基板等の材料として有用であ
る。これら以外の用途としては、半導体封止材料、衛星
放送用アンテナ基材、VLSI用絶縁膜、電子レンジ用材
料、耐熱性接着剤等が挙げられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂およ
    び、アリルブロマイドおよび/またはプロパルギルブロ
    マイドの反応生成物からなる官能化ポリフェニレンエー
    テル樹脂組成物であって、臭素および、アリル基および
    /またはプロパルギル基が共有的にポリフェニレンエー
    テル樹脂に結合しており、臭素の含量が2重量%以上30
    重量%以下であり、かつ次式で定義されるアリル基およ
    び/またはプロパルギル基の含量が0.1モル%以上100モ
    ル%以下である官能化ポリフェニレンエーテル樹脂組成
    ならびに (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
    アリルシアヌレートを含有する樹脂組成物であり、
    (a)と(b)の和を基準として(a)成分が98〜50重
    量%、(b)成分が2〜50重量%である硬化性官能化ポ
    リフェニレンエーテル樹脂組成物。
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