JPH0678482B2 - 硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物及びその硬化体のシート又はフィルム並びにその用途 - Google Patents

硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物及びその硬化体のシート又はフィルム並びにその用途

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JPH0678482B2
JPH0678482B2 JP63271983A JP27198388A JPH0678482B2 JP H0678482 B2 JPH0678482 B2 JP H0678482B2 JP 63271983 A JP63271983 A JP 63271983A JP 27198388 A JP27198388 A JP 27198388A JP H0678482 B2 JPH0678482 B2 JP H0678482B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物およ
びそれを硬化して得られる硬化ポリフェニレンエーテル
樹脂に関するものであり、さらに詳しくはポリフェニレ
ンエーテルの優れた誘電特性、機械特性を損うことなく
耐熱性と耐薬品性を改善した硬化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂に関するものである。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂をシートまた
はフィルムとしたものは平面アンテナおよび絶縁膜とし
て特に有用である。
〔従来の技術〕
近年、通信用、民生用、産業用等の電子機器の分野にお
ける実装方法の小型化、高密度化への指向は著しいもの
があり、それに伴って材料の面でもより優れた耐熱性、
寸法安定性、電気特性が要求されつつある。例えばプリ
ント配線基板としては、従来からフェノール樹脂やエポ
キシ樹脂などの熱硬化性樹脂を基材とした銅張り積層版
が用いられてきた。これらは各種の性能をバランスよく
有するものの、電気特性、特に高周波領域での誘電特性
が悪いという欠点を持っている。この問題を解決する新
しい材料としてポリフェニレンエーテルが近年注目をあ
び銅張り積層板への応用が試みられている。
ポリフェニレンエーテルは機械的特性と電気的特性に優
れたエンジニアリングプラスチックであり、耐熱性も比
較的高い。しかしながらプリント基板材料として利用し
ようとした場合、極めて高いハンダ耐熱性が要求される
ため、ポリフェニレンエーテル本来の耐熱性では決して
十分とは言えない。即ち、ポリフェニレンエーテルは20
0℃以上の高温に曝されると変形を起こし、機械的強度
の著しい低下や、樹脂表面に回路用として形成された銅
箔の剥離を引き起こす。またポリフェニレンエーテル
は、酸、アルカリ、熱水に対しては強い抵抗性を有する
ものの芳香族炭化水素化合物やハロゲン置換炭化水素化
合物に対する抵抗性が極めて弱く、これらの溶媒に溶解
する。
ポリフェニレンエーテルの耐熱性と耐薬品性を改善する
方法の一つとして、ポリフェニレンエーテルの鎖中に架
橋性の官能基を導入しさらに硬化させて硬化ポリフェニ
レンエーテルとして利用する方法が提案されているが、
今のところ満足すべき解決法は得られていない。
具体例を挙げると、米国特許第3281393号および同34220
62号では、2−アリル−6−メチルフェノールと2,6−
ジメチルフェノールの共重合によってアリル基を含むポ
リフェニレンエーテルを製造し、これを硬化させること
によって硬化ポリフェニレンエーテルを得ている。しか
しながらこのアリル基を含むポリフェニレンエーテル
は、溶融温度が硬化温度よりも高いため熱成形を行うこ
とは不可能である。かかる成形性の改良方法として後者
では、多量の可塑剤の併用が試みられているが、これは
ポリフェニレンエーテルの優れた電気特性(低誘電率、
低誘電正接)を損うだけでなく、硬化後の耐熱性、耐薬
品性の低下にもつながる。またこの硬化ポリフェニレン
エーテルの引張り強度は、実施例7に示されるように28
kg/cm2と極めて低い値であり、実用に耐えうるものとは
言い難い。
一方米国特許第4634742号では、2,6−ジメチルフェノー
ルの重合体を用い、メチル基をビニル基に変換するか、
あるいはフェニル基の3,5位にビニル基を導入するかし
て硬化性のポリフェニレンエーテルとし、これを熱硬化
させている。この場合、ビニル基は屈曲性の炭素鎖やエ
ーテル結合を介せず直接ポリフェニレンエーテルの芳香
環に結合することになるため、硬化後は可撓性に不足
し、極めて脆い材料となって実用に耐えない。
アリル基、ビニル基とならぶ代表的な架橋性官能基とし
てエチニル基が知られているが、ポリフェニレンエーテ
ルにエチニル基、あるいは一般にアルキル基を導入し硬
化させた例はこれまでに開示されていない。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明は以上の事情に鑑みて、ポリフェニレンエーテル
の優れた誘電特性および機械特性を損うことなく、耐熱
性ならびに耐薬品性の著しく改善された新規な硬化ポリ
フェニレンエーテル樹脂を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこの課題を解決するため鋭意検討の結果、
本発明の目的に沿った新規な硬化性ポリフェニレンエー
テル樹脂組成物および硬化ポリフェニレンエーテル樹脂
を発明するに到った。
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の第1は、一般式(I)で表わされる構造の硬化
性ポリフェニレンエーテル100重量部とラジカル開始剤
0.01〜10重量部からなることを特徴とする硬化性ポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物を提供する。
Q′J′−H〕m (I) 式中mは1〜6の整数、J′は一般式(II)で表わされ
る単位を含むポリフェニレンエーテル鎖であり、mが1
のときQ′は水素原子を表わし、mが2以上のときは、
Q′はQおよび/または前記一般式(III)のアルケニ
ル基および/または前記一般式(IV)のアルキニル基で
置換されたQを表わし、Qは一分子中に2〜6個のフェ
ノール性水酸基を持ち、フェノール性水酸基のオルト位
およびパラ位に重合不活性な置換基を有する多官能性フ
ェノール化合物の残基を表わし、各ポリフェニレンエー
テル鎖は同じでも異なってもよい。
アルケニル基(III)の具体的な例としては、アリル
基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、
3−ブテニル基、3−メチル−2−プテニル基、4−ペ
ンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキ
セニル基等が挙げられる。またアルキニル基(IV)の具
体的な例としては、プロパルギル基、2−ブチニル基、
3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル
基、4−ペンチニル基、3−ヘキシニル基、5−ヘキシ
ニル基等が挙げられる。Qの代表的な例としては、次の
4種の一般式で表わされる化合物群が挙げられる。
〔式中、A1,A2は同一または異なる炭素数1〜4の直鎖
状アルキル基を表わし、Xは脂肪族炭化水素残基および
それらの置換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換
誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基を表
わし、Yは脂肪族炭化水素残基およびそれらの置換誘導
体、芳香族炭化水素残基およびそれらの置換誘導体、ア
ラルキル基およびそれらの置換誘導体を表わし、Zは酸
素、硫黄、スルホニル基、カルボニル基を表わしA2と直
接結合した2つのフェニル基、A2とX,A2とY,A2とZの結
合位置はすべてフェノール性水酸基のオルト位およびパ
ラ位を示し、pは0〜4、qは2〜6の整数を表わ
す。〕 具体例として、 等がある。
一般式(I)のポリフェニレンエーテル樹脂の具体例と
しては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)がアルケニル基および/またはアルキニル基で置換
された樹脂、2,6−ジメチルフェノールをQH)m
(mは2〜6の整数)の存在下で重合して得られた樹脂
がアルケニル基および/またはアルキニル基で置換され
た樹脂を挙げることができる。
一般式(I)のポリフェニレンエーテル樹脂を製造する
方法としては、特に制限されるものではないが、例えば
特願昭62−224146号、同224147号、同269459号、同2694
60号に開示された方法を挙げることができる。すなわ
ち、第1の方法として、一般式 QJ−H〕m 〔式中、mは1〜6の整数、Jは次の一般式で表わされ
る単位からなるポリフェニレンエーテル鎖であり、 mが1のときQは水素原子を表わし、mが2以上のとき
Qは前記一般式(V−a)〜(V−d)の多官能性フェ
ノール化合物の残基を表わす。〕で表わされるポリフェ
ニレンエーテルを有機金属でメタル化する工程、および
一般式 〔式中、lは1〜4の整数を示し、Lは塩素または臭素
またはヨウ素を表わし、R5,R6およびR7は各々独立に水
素原子またはメチル基を表わす。〕で表わされるアルケ
ニルハライドおよび/または一般式 LCH2kC≡C−R8 〔式中、kは1〜4の整数を示し、Lは塩素または臭素
またはヨウ素を表わし、R8は水素原子またはメチル基ま
たはエチル基を表わす。〕で表わされるアルキニルハラ
イドで置換反応する工程より成る方法を挙げることがで
きる。また第2の製造方法として、一般式 Q″J″−H〕m 〔式中、mは1〜6の整数、J″は次の一般式で表わさ
れる単位を含むポリフェニレンエーテル鎖である。
(ここでR9,R10,R11およびR12は各々独立に水素原子、
一般式 CH2kCH=CHR8 (VI) (kは1〜4の整数、R8は水素原子、メチル基またはエ
チル基) で表わされるアルケニル基を表わす。) 各ポリフェニレンエーテル鎖は同一でも異なっていても
よく、R9,R10,R11およびR12の少なくとも一つは水素以
外であり、R1〜R12は同一でも異なっていてもよい。
またmが1のときQ″は水素原子を表わし、mが2以上
のときQ″は前記一般式(V−a)〜(V−d)の多官
能性フェノール化合物の残基Qおよび/または上記アル
ケニル基(VI)で置換されたQを表わす。〕から実質的
に構成されるアルケニル基置換ポリフェニレンエーテル
のアルケニル基の二重結合にハロゲンを付加させる工程
および金属アミドで脱ハロゲン化水素させる工程より成
る方法を挙げることができる。
一般式(I)のポリフェニレンエーテル樹脂を用いて本
発明の硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を製造
しようとする場合、特に限定するものではないが、次式
で定義されるアルケニル基および/またはアルキニル基
の平均置換率が0.1モル%〜100モル%の範囲にあり、か
つ30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数η
SP/Cが0.2〜1.0の範囲にあるものが良好に使用できる 本発明の第1の硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物においては、硬化温度を低くしたり架橋密度の向上を
図る目的でラジカル開始剤を併用する。開始剤の量は、
未硬化樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲、
好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。0.01重量部未
満では耐薬品性の向上が認められない。また10重量部を
越える時は、開始剤が残存したり硬化体が脆くなったり
するので好ましくない。一般式(I)で表わされるポリ
フェニレンエーテル樹脂の場合、開始剤としては、希望
する硬化温度に応じて適当な分解温度を持つ開始剤を選
択すればよい。その代表的な例を挙げると、クメンハイ
ドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,
α′−ビス(t−ベチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オク
タン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイ
ド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイ
ド等の過酸化物があるがこれらに限定されない。また過
酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タンもラジカル開始剤として利用できる。開始剤の配合
は、溶剤への溶解時か熱溶融の直前に行われる。
本発明の第2である硬化ポリフェニレンエーテル樹脂
は、請求項1の組成物の硬化物であって、クロロホルム
非抽出性ポリフェニレンエーテルとクロロホルム抽出性
ポリフェニレンエーテルとからなり、熱分解ガスクロマ
トグラフィーによる分析で(a)2−メチルフェノー
ル、(b)2,6−ジメチルフェノール、(c)2,4−ジメ
チルフェノール、(d)3,5−ジメチルフェノールおよ
び(e)2,4,6−トリメチルフェノールが熱分解生成物
として生成し、且つこれらの面積比が次の不等式を満た
すとともに、 〔式中、A,B,C,DおよびEはそれぞれ熱分解成分a,b,c,d
およびeに起因する熱分解ガスクロマトグラムのピーク
面積を表わす〕 該硬化ポリフェニレンエーテル樹脂をクロロホルムによ
り23℃で12時間処理したときのクロロホルム抽出率から
決定されるクロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテル
量が該樹脂を基準として0.01重量%以上20重量%以下で
あり、該クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテルが
一般式(II) 〔式中、R1,R2,R3およびR4は各々独立に水素原子、一般
式(III) (式中、lは1〜4の整数、R5,R6およびR7は各々独立
に水素原子またはメチル基)で表わされるアルケニル
基、または一般式(IV) CH2kC≡C−R8 (IV) (ここで、kは1〜4の整数、R8は水素原子、メチル基
またはエチル基)で表わされるアルキニル基であり、
R1,R2,R3およびR4の少なくとも1つは水素以外であり、
かつR1〜R4は同一でも異なってもよい〕で表わされる単
位を含むことを特徴とする硬化ポリフェニレンエーテル
樹脂を提供する。
本発明の第3は、請求項2の硬化体よりなる硬化ポリフ
ェニレンエーテル樹脂シートまたはフィルム。
本発明の第4は、請求項3の硬化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂シートまたはフィルムからなる絶縁膜。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂がポリフェニ
レンエーテルを実質的な骨格として成り立つということ
については、例えば赤外吸収(以下IRと略称する)スペ
クトル法、固体の高分解能核磁気共鳴(以下NMRと略称
する)スペクトル法、熱分解ガスクロマトグラフィー等
の手法により実証することができる。特に熱分解ガスク
ロマトグラフィーは非常に有効な解析手段であり、ポリ
フェニレンエーテルを用いた類似の硬化体との区別も容
易に行える。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂は、これ以外
にもその構造に起因するいくつかの特徴を有しており、
他の樹脂硬化体との識別をさらに容易にしている。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂の特徴は、熱
分解ガスクロマトグラフィーによる分析で、具体的には
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂を不活性ガス
雰囲気下、500℃で4秒間熱分解することによって、2
−メチルフェノール(a)、2,6−ジメチルフェノール
(b)、2,4−ジメチルフェノール(e)、3,5−ジメチ
ルフェノール(d)、2,4,6−トリメチルフェノール
(e)の5つの特徴的な熱分解生成物が生成することで
ある。これら5つの生成物のうち、(a),(b),
(c),(e)の4つについては、通常一般のポリフェ
ニレンエーテル樹脂およびその組成物についても検出で
きるものであり、Journal of Applied Polymer Science
誌,第22巻,2891頁(1978)等の文献にその生成機構が
詳細に報告されている。これに対し、3,5−ジメチルフ
ェノール(d)は本発明の硬化ポリフェニレンエーテル
樹脂に特有の熱分解生成物であり、しかもその生成量を
他の4つの生成物と比較すると、 という関係が常に成立する。ここでA〜Eはそれぞれ熱
分解成分(a)〜(e)に起因する熱分解ガスクロマト
グラムのピーク比面積を表わす。
3,5−ジメチルフェノールが生成する機構については今
のところ詳らかではないが、例えば一般式(IV)のポリ
フェニレンエーテル樹脂の硬化体を例にとると、以下の
ような説明が可能である。
ポリフェニレンエーテルの熱分解機構として上述の文献
中にフリース型の転位反応が提唱されており、式(VI
I)のように表わされる。この転位反応によりポリフェ
ニレンエーテルの熱分解生成物として得られるフェノー
ル類は必ず2,4,6のいずれかの位置にメチル基を含んで
いる。ところが一般式(IV)のポリフェニレンエーテル
樹脂の場合には、アルケニル基および/またはアルキニ
ル基がポリフェニレンエーテル鎖中に導入されており、
しかもこれらが硬化過程で重合反応を起こし てポリフェニレンエーテル鎖どうしを強固に結びつける
ため、上記のフリース型転位反応が著しく阻害を受ける
ものと解釈される。また特にメチル基上にアルケニル基
および/またはアルキニル基が置換されると、フリース
型転位反応はこれらの官能基によって直接妨害を受ける
ことになる。これらの結果、一湾式(I)のポリフェニ
レンエーテル樹脂の硬化体では、例えば式(VIII)のよ
うな機構で熱分解を起こし、3,5−ジメチルフェノール
を与えるものと思われる。
そして3,5−ジメチルフェノールの生成比は、一般式
(I)のポリフェニレンエーテル樹脂の平均置換率が大
きくなるにつれて大きくなる傾向にあり、また硬化反応
がより進むにつれて大きくなる傾向にある。3,5−ジメ
チルフェノールの生成比が7.0%未満の場合には硬化度
が不十分であり、耐熱性および耐薬品性に劣るため好ま
しくない。一方40%を越える時は、硬化度が高くなるの
で、硬化体が脆くなり好ましくない。
この熱分解ガスクロマトグラフィーに用いられる熱分解
の方法は本発明を実施する上で特に制限されるものでは
なく、加熱フィラメント法、加熱炉法、高周波誘導加熱
法、レーザー加熱法等あらゆる方法が利用できる。特に
高周波誘導加熱法(キュリーポイントパイロライザー)
は、非常に迅速な加熱が可能であり、かつ得られる温度
が正確で再現性があるため本分析に最適である。熱分解
条件は、特に限定するものではないが、例えば一般式
(IV)のポリフェニレンエーテル樹脂から得られる硬化
体の場合、不活性ガス雰囲気下、500℃で4秒間行うの
が最も好ましい。通常のポリフェニレンエーテルはこの
条件ではほとんどもしくはまったく熱分解を起こさな
い。これに対し一般式(IV)のポリフェニレンエーテル
樹脂の硬化体では、アルケニル基および/またはアルキ
ニル基の部分がこの条件で熱分解し、これが引き金とな
ってポリフェニレンエーテル鎖の分解が起こる。従って
アルケニル基および/またはアルキニル基の導入に起因
して生成する3,5−ジメチルフェノールの分析にはこの
条件が最も適する。不活性ガスとしてはヘリウムまたは
窒素がガスクロマトグラフのキャリヤーガスと共通で利
用できる。熱分解させる際の試料の形状としては、再現
性を良くする目的で微粉末化することが好ましい。
ガスクロマトグラフの分離カラムとしては、上述の5つ
の熱分解生成物が完全に分解できればよく、特に限定さ
れるものではないが、メチルシリコーン系の非極性カラ
ムないしはこれと同程度の非極性を有するカラムが最も
良好に使用できる。カラムの形状としては充填カラムで
あってもキャピラリーカラムであっても良く、特に後者
は分離能が優れており良好に使用できる。またカラム温
度についても特に限定する趣旨はないが、室温付近から
毎分10℃ないし20℃ずつ昇温するのが分析時間が短縮で
きて有効である。
本分析でガスクロマトグラフの検出器として利用できる
のは、熱伝導度型検出器(TCD)と水素炎イオン化型検
出器(FID)であり、質量分析装置(MS)と接続して熱
分解GCMSとして利用することも可能である。また定性を
目的としてフーリエ変換型IR(FT−IR)を検出器代りに
用いることもできる。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂は、クロロホ
ルム非抽出性ポリフェニレンエーテルとクロロホルム抽
出性ポリフェニレンエーテルとから成る。クロロホルム
抽出性ポリフェニレンエーテルの量は該樹脂のクロロホ
ルム抽出率から決定され、0.01重量%以上20重量%以
下、より好ましくは0.01重量%以上10重量%以下の範囲
である。抽出率が0.01重量%未満の場合は硬化体が脆く
なり好ましくない。抽出率が20重量%を越えるときは耐
薬品性が不十分であり好ましくない。ここで言うクロロ
ホルム抽出率とは、硬化ポリフェニレンエーテル樹脂を
クロロホルム中に23℃で12時間浸漬して得られる値であ
り、次式に従って計算される。
またこのクロロホルム抽出率の測定は、クロロホルムの
代りに重クロロホルムを用いて行ってもよい。クロロホ
ルムに浸漬させる硬化ポリフェニレンエーテル樹脂の形
状としては、クロロホルムの除去しやすさを考慮して、
フィルム状または粉末状が最も好ましい。
クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテルは、次の一
般式(II)で表わされる単位を含んでいる。
ここで、R1,R2,R3およびR4は各々独立に水素原子、一般
式(III) (ここで、lは1〜4の整数、R5,R6およびR7は各々独
立に水素原子またはメチル基)で表わされるアルケニル
基、または一般式(IV) CH2kC≡C−R8 (IV) (ここで、kは1〜4の整数、R8は水素原子、メチル基
またはエチル基)で表わされるアルキニル基であり、
R1,R2,R3およびR4は同一でも異なってもよい。
クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテルの粘度数は
特に限定されないが、30℃,0.5g/dlのクロロホルムまた
は重クロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/Cが0.05〜
1.0の範囲のものである。
クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテル中のアルケ
ニル基の具体的な例としては、アリル基、2−メチル−
2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、
3−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、4−
メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等が挙げ
られる。またアルキニル基の具体的な例としては、プロ
パルギル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ペ
ンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、3
−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。次
式によって定義されるこれらのアルケニル基およびアル
キニル基の平均置換率は0.1モル%以上100モル%以下の
範囲である。
以上述べたクロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテル
は硬化過程において硬化反応に十分寄与できなかった未
硬化樹脂の一部が抽出されたものである。しかし抽出成
分の粘度数と平均置換率の値は、必ずしももとの未硬化
樹脂のそれらの値と一致するわけではない。また、例え
ば一般式(I)で表わされるポリフェニレンエーテル樹
脂を本発明に用いた場合、Q′で表わされる水素または
多官能性フェノール化合物残基については、抽出物中に
確認できてもよく確認できなくても構わない。これらの
抽出成分の構造確認の手段としては、NMRスペクトル
法、IRスペクトル法などが用いられるが、特に1H−NMR
が有効である。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂は、本発明の
硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を利用目的に
応じた形状に賦形し、続いて硬化せしめることによって
得ることができる。賦形の方法は、溶剤に溶解して行な
われるいわゆるキャスティング法か、通常の加熱溶融に
よる方法がとられる。
キャスティング法に用いられる溶剤としては、未硬化樹
脂を完全に溶解させ、かつ常圧における沸点が40℃〜20
0℃の範囲にあるものが最も良好に使用できる。一般式
(I)で表わされるポリフェニレンエーテル樹脂を用い
た硬化性組成物の場合には、クロロホルム、トリクロロ
エチレン、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素化合
物や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化
水素化合物が挙げられ、これらのうちから選んだ単独ま
たは混合溶剤に1〜50重量%の割合で一種または二種以
上の樹脂を溶解させた組成物として用いられる。賦形物
の形状は、特に限定するわけではないが、フィルム状ま
たはシート状が最も好ましい。例えばフィルム状の賦形
では、ステンレス板、ガラス板、あるいはポリイミドフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム
等を支持体として用い、この上に上記の樹脂組成物溶液
を流延または塗布する。この時の厚みは特に限定され
ず、目的とするフィルムの厚みと樹脂組成物溶液の濃度
に応じて設定される。流延ないし塗布された樹脂溶液
は、風乾、熱風乾燥、真空乾燥等の方法で溶剤を除去
し、フィルム状となった後に支持体から剥離せしめる。
剥離後に再び溶剤除去工程を繰り返すことも可能であ
る。また、溶剤は必ずしも完全に除去する必要はなく、
一部を賦形物中に残したまま利用することができる。溶
剤の除去に適した温度は、室温〜200℃ないしは室温〜
支持体の耐熱温度の範囲である。
一方、加熱溶融による賦形方法としては、インジェクシ
ョン成形、トランスファー成形、押出成形、プレス成形
等通常の熱成形の方法が利用できる。熱成形の温度は、
樹脂のガラス転移温度以上硬化開始温度以下の範囲で選
ばれる。一般式(I)で表わされるポリフェニレンエー
テル樹脂の組成物の場合、アルケニル基および/または
アルキニル基の効果により、これらの官能基を持たない
ポリフェニレンエーテルと比較してガラス転移温度が約
140℃〜約210℃と大旨低く、熱成形に有利である。また
かかるアルケニル基および/またはアルキニル基は、約
250℃から380℃の範囲で硬化反応を起こし、この硬化反
応は示差走査熱量計や赤外吸収(以下IRと略称する)ス
ペクトル法により追跡することができる。
キャスティング法による賦形と加熱溶融法による賦形
は、それぞれ単独に行うだけでなく両者を組み合わせて
行うことも可能である。例えば、キャスティング法によ
り得られたフィルムを数枚〜数十枚積層し、熱プレスで
フィルム間を融着せしめてシート状とすることができ
る。
賦形された樹脂組成物を硬化させる方法は任意であり、
熱、光、電子線等による方法を採用することができる
が、正常は加熱する方法がとられる。
硬化に必要な温度は未硬化樹脂組成物の特性に応じて決
定され、特に限定されるものではないが、例えば一般式
(I)のポリフェニレンエーテル樹脂を用いた組成物の
場合には260℃〜350℃が好適である。あるいは開始剤の
分解温度に応じたより低い温度、例えば140℃〜280℃の
範囲が選ばれる。硬化時間についても特に制限はしない
が、1分〜3時間程度、より好ましくは1分〜1時間程
度である。
本発明の硬化ポリフェニレンエーテル樹脂を得るにあっ
ては、未硬化樹脂組成物のみを単独で用いるだけでな
く、その用途に応じて所望の性能を付与する目的で本来
の性質を損わない範囲の量の充填材や添加剤を配合する
ことができる。充填剤は繊維状であっても粉末状であっ
てもよく、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、セ
ラミック繊維、アスベスト繊維、カーボンブラック、シ
リカ、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス
中空球などを挙げることができる。また添加剤として
は、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑
剤、顔料、染料、着色剤などを配合することができる。
さらには架橋性のモノマーや他の熱可塑性および熱硬化
性樹脂を一種または二種以上配合することも可能であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を一層明確にするために実施例を挙げて説
明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するも
のではない。
参考例 1〜9 一般式(I)に示したポリフェニレンエーテル樹脂の代
表的な例として、表1に示すようなアリル基を持った様
々なポリフェニレンエーテルを合成し、賦形と熱硬化を
試みた。合成法はいずれも同様であるが、代表例として
参考例8について説明する。
30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数η
SP/Cが0.90であるポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)(以下PPE−1と略称する。)2.0gをテト
ラヒドロフラン(以下THFと略称する。)100mlに溶解さ
せ、n−ブチルリチウム(1.63モル/、ヘキサン溶
液)10.2mlを加えて窒素雰囲気下、50℃で3時間反応さ
せた。続いてアリルプロマイド2.5gを加え、50℃のまま
さらに1時間攪拌した。放冷後多量のメタノールに注い
でポリマーを析出させた後、濾過、メタノール洗浄を3
回繰り返した。最後に60℃で12時間真空乾燥させ白色粉
末状の生成物を得た。1H−NMRにより求めたアリル基の
置換率は28%であった。また30℃,0.5g/dlのクロロホル
ム溶液で測定した粘度数ηSP/Cは0.91であった。
参考例1〜7では、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンの共存下に2,6−ジメチル
フェノールを酸化重合して得た二官能性ポリフェニレン
エーテル(以下PPE−2と略称する。)を上述のPPE−1
の代りに用い、n−ブチルリチウムとアリルプロマイド
の量を様々に変化させることによりアリル基置換率の異
なるポリフェニレンエーテルを合成した。
参考例9では三官能性ポリフェニレンエーテル(トリス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンと
2,6−ジメチルフェノールから重合したもの。以下PPE−
3と略称する。)を用いた。
以上の方法で合成したポリフェニレンエーテル樹脂を用
い、次に述べる方法で賦形と熱硬化を行った。
まず、粉末状のポリマー0.45gをクロロホルム10mlに溶
かし、底の平らな直径70mmのガラス製ペトリ皿に入れて
23℃で12時間放置した。できあがったフィルム状のポリ
マーをガラスから剥離し、さらに100℃で4時間真空乾
燥させた。フィルムの厚みは約100μmであった。この
フィルムをガラス板上に粘着テープで固定し、280℃の
エアーオーブン中で30分間熱硬化させた。得られた硬化
フィルムについてクロロホルム抽出性ポリフェニレンエ
ーテル量とガラス転移温度(Tg)、線膨張係数(23℃か
らTgまで:α1,Tg以上:α)を求めた。クロロホルム
抽出性ポリフェニレンエーテル量は、フィルムをクロロ
ホルム中に23℃で12時間浸漬し、その時の重量減少から
求めた。Tgとα1は熱機械分析装置(以下TMAと略
称する)を用いて測定した。
また参考例6および7については、粉末状サンプルから
真空プレスで厚さ2mmのシートを成形した。成形はまず2
40℃で1時間行い、さらに280℃に昇温して30分間熱硬
化させた。参考例6,7以外については、厚さ100μmのキ
ャストフィルムを20枚積層し、上と同じ条件で真空プレ
スによる層間接着と熱硬化を行って厚さ2mmのシートと
した。このシートを用いて1MHzで比誘電率(εr)と誘
電正接(tanδ)を測定した。さらに、シートの一部を
ヤスリで削り取って微粉末とし、これを熱分解ガスクロ
マトグラフィーにかけて3,5−ジメチルフェノールの生
成比を求めた。熱分解ガスクロマトグラフィーの測定条
件は次の通りである。(熱分解装置) 日本分析工業 キュリーポイントパイロ ライザー JHP−3S オーブン温度 300℃ 熱分解条件 500℃,4秒 (ガスクロマトグラフ) ヒューレットパッカード 5890A カ ラ ム J&W社 DB−1 0.25mmI.D.×30m カラム温度 50℃より10℃/minで昇温 キャリヤーガス He 検 出 器 FID (保持時間) 2−メチルフェノール (a) 6.9分 2,6−ジメチルフエノール (b) 7.7分 2,4−ジメチルフェノール (c) 8.4分 3,5−ジメチルフェノール (d) 8.7分 2,4,6−トリメチルフェノール(e) 9.3分 ただし、(a)〜(e)の各ピークの同定は、市販の試
薬とMSおよびIRスペクトルを比較することにより行っ
た。
〔式中、A〜Eは各成分のピーク面積を表わす。〕 以上の結果を表1にまとめて示した。また図1に参考例
4のパイログラムを示した。
さらに、硬化体の構造を確認するために次のような解析
を行った。まず微粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射
法)を測定し、いずれの参考例についても硬化体が確か
にポリフェニレンエーテル骨格から成り立っていること
を確認した。一例として、図2に参考例8のスペクトル
とその主要なピークの帰属を示した。次にこの硬化体微
粉末を重クロロホルム(CDCl3)中に23℃で12時間浸漬
し、クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテルを抽出
した。この重クロロホルムをNMRサンプル管に移し1H−N
MRを測定したところ、やはりいずれの参考例についても
ポリフェニレンエーテル鎖とアリル基が確認できた。こ
の抽出成分のスペクトルと硬化前に測定したスペクトル
は化学シフトが完全に一致した。一例として、図3に参
考例8の抽出物のスペクトルとその主要なピークの帰属
を示した。参考例2においてクロロホルムにより抽出さ
れたポリフェニレンエーテルの粘度数は0.15であった。
参考例3においてクロロホルムにより抽出されたポリフ
ェニレンエーテルの粘度数は0.12であった。
比較例 1〜4 PPE−2に参考例8の方法を用いてアリル基を0.05%導
入し比較例1とした。比較例2,3ではPPE−2を、比較例
4ではPPE−1をそれぞれそのまま用いた。
比較例1,3,4については参考例1〜9と同様に熱処理を
行い、物性を測定した。比較例2については、熱処理を
行わずに物性を測定した。結果を表1にまとめた。
いずれの場合もアリル基の効果が無いかあるいは不十分
なため、参考例と比較してクロロホルム抽出性ポリフェ
ニレンエーテルの量が多く、耐薬品性の改善が十分行わ
れていなかった。比較例2では耐熱性も低かった。また
熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析では(500℃,
4秒)いずれの例も熱分解生成物はほとんど検出できな
かった。
比較例 5 参考例7において、熱処理条件を、320℃、1時間に変
えて熱硬化を行った。得られた硬化体はクロロホルム性
ポリフェニレンエーテル量が0%であったが、非常に脆
く実用に耐えうるものではなかった。
参考例 10〜15 一般式(I)に示したポリフェニレンエーテル樹脂の代
表的な例として、表2に示すような様々なアルケニル基
置換ポリフェニレンエーテルを合成し、賦形と熱硬化を
試みた。合成法はいずれも同様であるが、代表例として
参考例14について説明する。
30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数η
SP/Cが0.59であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)(以下PPE−4と略称する。)2.0gをTHF10
0mlに溶解させ、n−ブチルリチウム(1.63モール/
、ヘキサン溶液)を10.2ml加えて、窒素雰囲気下、室
温で1時間攪拌した。さらに1−クロロ−2−メチル−
2−プロペン1.5gを加え30分間攪拌した後、多量のメタ
ノール中に注いでポリマーを析出させた。濾過、メタノ
ール洗浄を3回繰り返し、60℃で12時間真空乾燥させて
白色粉末状の生成物を得た。1 H−NMRにより求めた2−メチル−2−プロペニル基の
置換率は21%であった。また30℃,0.5g/dlのクロロホル
ム溶液で測定した粘度数ηSP/Cは0.59であった。
参考例12では、PPE−4とn−ブチルリチウムをトルエ
ン/N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(以下
TMEDAと略称する。)中で反応させ、さらに1−クロロ
−2−ブテン(シス/トランス混合物)を加えてポリフ
ェニレンエーテルを合成した。
参考例13ではPPE−4と4−ブロモ−2−メチル−2−
ブテンを用いTHF中で反応を行った。
参考例10,11ではPPE−2と4−ブロモ−1−ブテンを用
い同じくTHF中で反応を行った。
参考例15ではビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホンの共存下に2,6−ジメチルフェノール
を酸化重合して得た二官能性ポリフェニレンエーテル
(以下PPE−5と略称する。)と5−ブロモ−1−ペン
テンを用いトルエン/TMEDA中で反応を行った。
以上述べた方法で合成したポリフェニレンエーテル樹脂
を用い、賦形と熱硬化を行ったところ表2の如き結果を
得た。賦形、熱硬化の方法はすべて参考例1〜9に従っ
た。この際厚さ2mmのシート状硬化体は、すべてフィル
ムから真空プレスで成形して得た。
また微粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射法)を測定
し、すべての参考例についてポリフェニレンエーテル骨
格を確認した。重クロロホルム抽出物の1H−NMRの測定
では硬化前と同じ構造のポリフェニレンエーテルが確認
された。主要なピークの化学シフトは表3の通りであっ
た。
参考例12においてクロロホルムにより抽出されたポリフ
ェニレンエーテルの粘度数は0.20であった。参考例15に
おいてクロロホルムにより抽出されたポリフェニレンエ
ーテルの粘度数は0.07であった。
比較例 6 PPE−2に参考例14と同じ方法で3−ブテニル基を0.05
%導入し、280℃、30分硬化後の物性を測定した。結果
を表2にまとめた。クロロホルム抽出性ポリフェニレン
エーテルの量が多く、耐薬品性の改善は不十分であっ
た。また熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析で
は、熱分解生成物はほとんど検出できなかった。
参考例 16〜23 一般式(I)に示したポリフェニレンエーテル樹脂の代
表的な例として、表4に示すようなプロパルギル基を持
った様々なポリフェニレンエーテルを合成し、賦形と熱
硬化を試みた。
まずその合成方法を参考例16と参考例22を例にとって説
明する。参考例16では、PPE−2 2.0gをトルエン100ml、
TMEDA2.5mlの混合溶液に溶解させ、n−ブチルリチウム
(1.54モル/、ヘキサン溶液)10.8mlを加えて、窒素
雰囲気下、室温で1時間反応させた。続いて−70℃まで
冷却し、プロパルギルプロマイドを2.0g加えて10分間攪
拌した。多量のメタノールに注いでポリマーを析出さ
せ、濾過、メタノール洗浄を3回繰り返した。最後に60
℃で12時間真空乾燥させて白色粉末状の生成物を得た。
1H−NMRで測定したプロパルギル基の置換率は5%、粘
度数ηSP/C(0.5g/dl)、クロロホルム溶液、30℃)は
0.40であった。
一方参考例22では、PPE−1を参考例1〜9と同じ方法
でn−ブチルリチウムとアリルプロマイドを用いてアリ
ル化し、アリル基置換率28%のポリマーとした。このポ
リマー1.8gをジクロロメタン100mlに溶解させ、室温に
て臭素のジクロロメタン溶液(1.0モル/)を5.8ml加
えて30分間攪拌した。多量のメタノールに注いでポリマ
ーを析出させ、濾過、メタノール洗浄を3回繰り返し、
60℃で12時間真空乾燥させた。得られた白色粉末状の生
成物全量をTHF100mlに溶解させ、−70℃に冷却した。こ
こへジシクロヘキシルアミン1.68gとn−ブチルリチウ
ム(1.54モル/)90mlから調製したリチウムジシクロ
ヘキシルアミドのTHF溶液を加え、窒素雰囲気下で5分
間攪拌した。少量のメタノールを加えて反応を停止さ
せ、室温まで昇温した後、多量のメタノール中に注い
だ、洗浄、単離後1H−NMRによりプロパルギル基の置換
率を求めたところ、もとのアリル量の置換率と一致して
いた。30℃,0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度
数は0.91であった。
参考例17〜21ではPPE−2をn−ベチルリチウムとアリ
ルプロマイドを用いてアリル化し、参考例22と同じ方法
を用いてプロパルギル基に変換した。
参考例23でも同様にPPE−3をアリル化し、さらにプロ
パルギル基に変換した。
以上の方法で合成したポリフェニレンエーテル樹脂を用
い、次に述べる方法で賦形と熱硬化を行った。
まず参考例1〜9と同じ方法でキャストフィルム(厚さ
約100μm)を作製し、ガラス板の間にはさんで260℃の
エアーオープン中で30分間熱硬化させた。この硬化フィ
ルムを用いてクロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテ
ル量(23℃、12時間浸漬)とガラス転移温度(Tg)、線
膨張係数(23℃からTgまで:α、Tg以上:α)を求
めた。
参考例16〜19,22,23については、さらにキャストフィル
ムを用いて厚さ2mmのシート状硬化体を作製した(真空
プレス、220℃×1時間+260℃、30分)。参考例20,21
では粉末状サンプルから直接2mm厚のシート状硬化体を
得た(真空プレス、条件はフィルムの場合と同様)。こ
れらのシートを用いて1MHzで比誘電率(εr)と誘電正
接(tanδ)を測定した。また硬化シートをヤスリで削
って微粉末とし、参考例1〜9と同じ条件で熱分解ガス
クロマトグラフィーを測定して3,5−ジメチルフェノー
ルの生成比を求めた。
以上の結果を表4にまとめた。図4には参考例17のパイ
ログラムを示した。
また微粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射法)を測定
し、すべての参考例についてポリフェニレンエーテル骨
格を確認した。一例として、図5に参考例17のスペクト
ルとその主要なピークの帰属を示した。
重クロロホルム抽出物(23℃、12時間)の1H−NMRの測
定では、いずれの参考例についても1.8〜1.9ppmにプロ
パルギル基の末端アセチレンのプロトンが、2.3〜2.4pp
m付近にプロパルギル茎のメチレンのプロトンが、2.6〜
2.7ppm付近にプロパルギル基と結合したポリフェニレン
エーテルのメチレンのプロトンが、さらには1.9〜2.2pp
mと6.4〜6.6ppmにポリフェニレンエーテルのメチル基お
よびフェニル基のプロトンがそれぞれ確認できた。
参考例16においてクロロホルムにより抽出されたポリフ
ェニレンエーテルの粘度数は0.22であった。参考例17に
おいてクロロホルムにより抽出されたポリフェニレンエ
ーテルの粘度数は0.20であった。参考例23においてクロ
ロホルムにより抽出されたポリフェニレンエーテルの粘
度数は0.39であった。
比較例 7 PPE−2に参考例16と同じ方法でプロパルギル基を0.05
%導入し、260℃、30分硬化後の物性を測定した。結果
を表4にまとめた。クロロホルム抽出性ポリフェニレン
エーテルの量が多く、耐薬品性の改善は不十分であっ
た。また熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析で
は、熱分解生成物はほとんど検出できなかった。
比較例 8 参考例21において、熱処理条件を340℃、1時間に変え
て熱硬化を行った。得られた硬化体はクロロホルム抽出
率が0%であったが、非常に脆く実用に耐えうるもので
はなかった。
参考例 24〜30 一般式(I)に示したポリフェニレンエーテル樹脂の代
表的な例として、表5に示すような様々なアルキニル基
置換ポリフェニレンエーテルを合成し、賦形と熱硬化を
試みた。
まずその合成方法について説明する。参考例24では、PP
E−4 2.0gをTHF100mlに溶かし、n−ブチルリチウム
(1.60モル/、ヘキサン溶液)10.4mlを加えて、窒素
雰囲気下、室温で2時間攪拌した。続いて4−ブロモ−
1−ブチン2.2gを加えて30分間攪拌し、多量のメタノー
ルに注いでポリマーを回収した。洗浄、乾燥後1H−NMR
を測定したところ3−ブチニル基の置換率は5%であっ
た。また粘度数ηSP/C(30℃、0.5g/dl、クロロホルム
溶液)は0.59であった。
参考例25,26ではn−ブチルリチウムの量を変え、4−
ブロモ−1−ブチンの代りにそれぞれ4−ブロモ−2−
ブチン、1−ヨード−2−ペンチンを用いて反応を行っ
た。
参考例27では、3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル
−4,4′−ジオールの共存下に2,5−ジメチルフェノール
を酸化重合して得た二官能性ポリフェニレンエーテルと
1−プロモ−3−ベンチンを用い、シクロヘキサン/TME
DA中で反応を行った。
参考例28,29ではPPE−2にn−ブチルリチウムと4−ブ
ロモ−1−ブテンを用いて3−ブテニル基を導入し、こ
れをさらに臭素とリチウムジイソプロピルアミドで3−
ブチニル基に変換した。
参考例30では同様にPPE−5に5−ヘキセニル基を導入
し、これをさらに5−ヘキシニル基にい変換した。
以上述べた方法で合成したポリフェニレンエーテル樹脂
を用い、賦形と熱硬化を行ったところ、表5の如き結果
を得た。賦形と熱硬化の方法はすべて参考例16〜23に従
った。この際厚さ2mmのシート状硬化体は、すべてフィ
ルムから真空プレスに成形して得た。
また微粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射法)を測定
し、すべての参考例についてポリフェニレンエーテル骨
格を確認した。重クロロホルム抽出物の1H−NMRの測定
では硬化前と同じ構造のポリフェニレンエーテルが確認
された。主要なピークの化学シフトは表6の通りであっ
た。
実施例 1〜5,比較例9 参考例8と同じ方法でアリル基を10%導入したポリ2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(30.0℃、0.5g/
dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηSP/Cが0.62の
もの)100重量部と様々なラジカル開始剤3重量部をク
ロロホルムに溶かし、参考例1〜9に示した方法で厚さ
約100μmのフィルムを得た。ただしこの時フィルムの
真空乾燥は80℃で4時間行った。このフィルムをガラス
板にはさんでエアーオーブン中で30分間熱硬化させた。
またフィルムを10枚積層し、真空プレスを用いてオーブ
ンと同じ温度で30分間成形熱硬化を行い厚さ1mmのシー
ト状硬化体を得た。これらのフィルムとシートを用いて
クロロホルム抽出率と3,5−ジメチルフェノールの熱分
解生成比を求めた。方法は参考例1〜9に従った。結果
を表7にまとめた。ラジカル開始剤を併用することによ
りクロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテル量のより
一層の低減化がはかれた。
また微粉末化した硬化体のFT−IR(拡散反射法)を測定
し、すべての実施例および比較例9についてポリフェニ
レンエーテル骨格を確認した。重クロロホルム抽出物か
らはポリフェニレンエーテル鎖とアリル基が1H−NMRに
より確認できた。
比較例9におけるクロロホルムにより抽出されたポリフ
ェニレンエーテルの粘度数は0.19であり、実施例1の粘
度数は0.10であり、実施例2および実施例3の粘度数は
0.09であった。
参考例 31,32 参考例8と同じ方法でアリル基を10%導入したポリ2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(30.0℃、0.5g/
dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηSP/Cが0.62の
もの)1.4gと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3 42mgをクロロホルム40mlに溶か
し、底の平らな直径220mmのガラス製ペトリ皿に入れて
室温で12時間放置した。できあがったフィルムをガラス
から剥離し、さらに80℃で4時間乾燥させた。フィルム
の厚みは約100μmであった。このフィルムを、幅1cmに
切り出して引張り破断強度を求めた。これを参考例31と
する。
さらにアリル基を18%導入したポリ2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル(ηSP/C=0.47)について同様に
熱硬化前の引張り破断強度を求めた(参考例32)。以上
の結果を表7に示した。実施例1と参考例31、実施例5
と参考例32を比較すると、硬化後も良好な引張り破断強
度が得られていることがわかる。
〔発明の効果〕 本発明の硬化性樹脂組成物の特徴は、誘電特性、耐熱
性、耐薬品性、および機械的特性のすべてに優れた硬化
ポリフェニレンエーテル樹脂を容易に得られることであ
る。
本発明の樹脂硬化体の特徴は、第1に、その優れた耐熱
性と耐薬品性にある。置換基の導入量とその硬化度に応
じて、約220℃〜300℃以上のガラス転移温度を示し、一
般に広く使用されるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)と比べると約10℃〜100℃の改善が認め
られる。このガラス転移温度は、平均置換率がわずか5
%程度でも約260℃に達し、改善効果が大きい。また同
時に、ガラス転移温度以上での線膨張係数も著しく改善
され、寸法安定性が向上する。これらの特性は、本発明
の樹脂硬化体が十分なハング耐熱性を持ち、エレクトロ
ニクス材料として利用できることを示している。さらに
は、ポリフェニレンエーテルの良溶媒である芳香族炭化
水素やハロゲン化炭化水素に対して不溶であるので、実
際の製品としての応用に際しても有利に使用される。
本発明の樹脂硬化体の特徴の第2は、ポリフェニレンエ
ーテルの特徴である優れた誘電率、誘電正接がほとんど
損われていないことである。すなわち、低誘電率、低誘
電正接材料として際めて有望であり、種々のエレクトロ
ニクス材料として有利に使用される。
特徴の第3は、可塑剤を用いていないので物性の低下が
なく、機械的性質が優れていることである。本発明の硬
化体の一例では、引張り破断強度は700〜800kg/cm2であ
り、米国特許第3422062号の参考例7に開示されている
組成物の引張り破断強度28kg/cm2よりも極めて優れてい
ることがわかる。
又、本発明の硬化体は可撓性にも優れているので、シー
トまたはフィルム状としたときの信頼性が高い。
特徴の第4は、本樹脂硬化体がアルケニル基および/ま
たはアルキニル基の付加型反応によって得られるもので
あるため、ポリイミド樹脂の様に縮合反応に起因する
水、ガス等の副生物が生成せず、均一でボイドのないフ
ィルムシート、成形品となることである。
その具体的な用途を挙げると、低誘電率プリント基板
(片面板、両面板、多層板、フレキシブル基板、射出成
形により三次元プリント基板等)、衛生放送様アンテナ
基材、VLSI用絶縁膜、電子レンジ用材料、耐熱性接着剤
等が挙げられる。特にシート又はフィルムとしたときの
信頼性の高さから、衛生放送用アンテナ、絶縁膜として
有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は参考例8のパイログラムである。図2は同じく参
考例8のIRスペクトル(拡散反射法)である。図3は参
考例8の重クロロホルム抽出物の1H−NMRのスベクトル
である。 また図4は参考例17のパイログラムである。図5は同じ
く参考例17のIRスペクトル(拡散反射法)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−224146(JP,A) 特開 昭62−224147(JP,A) 特開 昭62−269459(JP,A) 特開 昭62−269460(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表わされる構造の硬化性ポ
    リフェニレンエーテル100重量部と、 Q′J′−H〕m (I) 〔式中mは1〜6の整数、J′は一般式(II)で表わさ
    れる単位を含むポリフェニレンエーテル鎖であり、mが
    1のときQ′は水素原子を表わし、mが2以上のとき
    は、Q′はQおよび/または一般式(III)のアルケニ
    ル基および/または一般式(IV)のアルキニル基で置換
    されたQを表わし、Qは一分子中に2〜6個のフェノー
    ル性水酸基を持ち、フェノール性水酸基のオルト位およ
    びパラ位に重合不活性な置換基を有する多官能性フェノ
    ール化合物の残基を表わし、各ポリフェニレンエーテル
    鎖は同じでも異なってもよい。〕 〔式中、R1,R2,R3およびR4は各々独立に水素原子、一般
    式(III) (式中、lは1〜4の整数、R5,R6およびR7は各々独立
    に水素原子またはメチル基)で表わされるアルケニル
    基、または一般式(IV) CH2kC≡C−R8 (IV) (ここで、kは1〜4の整数、R8は水素原子、メチル基
    またはエチル基)で表わされるアルキニル基であり、
    R1,R2,R3およびR4の少なくとも1つは水素以外であり、
    かつR1〜R4は同一でも異なってもよい〕 ラジカル開始剤0.01〜10重量部からなることを特徴とす
    る硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物の硬化体で、クロロ
    ホルム非抽出性ポリフェニレンエーテルとクロロホルム
    抽出性ポリフェニレンエーテルとからなる硬化ポリフェ
    ニレンエーテル樹脂であって、熱分解ガラスクロマトク
    ラフィーによる分析で(a)2−メチルフェノール、
    (b)2,6−ジメチルフェノール、(c)2,4−ジメチル
    フェノール、(d)3,5−ジメチルフェノールおよび
    (e)2,4,6−トリメチルフェノールが熱分解生成物と
    して生成し、且つこれらの面積比が次の不等式を満たす
    とともに、 〔式中、A,B,C,DおよびEはそれぞれ熱分解成分a,b,c,d
    およびeに起因する熱分解ガスクロマトグラムのピーク
    面積を表わす〕 該硬化ポリフェニレンエーテル樹脂をクロロホルムによ
    り23℃で12時間処理したときのクロロホルム抽出率から
    決定されるクロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテル
    量が該樹脂を基準として0.01重量%以上20重量%以下で
    あり、該クロロホルム抽出性ポリフェニレンエーテルが
    一般式(II)で表わされる単位を含むことを特徴とする
    硬化ポリフェニレンエーテル樹脂。
  3. 【請求項3】請求項2記載の硬化体よりなる硬化ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂シートまたはフィルム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の硬化ポリフェニレンエーテ
    ル樹脂シートまたはフィルムからなる絶縁膜。
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