JP2018095815A - 熱硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、樹脂付金属箔、樹脂フィルム、金属張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、樹脂付金属箔、樹脂フィルム、金属張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】強靱性を有し、誘電特性に優れ、得られる基板において面内の誘電率のバラツキが抑制され、かつ反りの発生を抑制できる熱硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)重量平均分子量1000以上であって、25℃のクロロホルム中で測定して0.03〜0.12dl/gの固有粘度を有し、かつ、分子末端炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、ブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性ビニル基を有するスチレンブタジエンコポリマーと、(C)重量平均分子量10,000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーと、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填材と、(F)難燃剤とを含有し、前記(A)成分:[前記(B)成分+前記(C)成分]の配合比が90:10〜10:90であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、樹脂フィルム、樹脂付金属箔、金属張積層板及びプリント配線板等に関する。
近年、電気機器は信号の大容量化が進展しているため、半導体基板などには、高速通信に必要とされる低誘電率や低誘電正接といった誘電特性が求められる。
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れ、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電特性が優れていることが知られている。このため、ポリフェニレンエーテルは、例えば、高周波用成形材料として用いられることが検討されている。より具体的には、高周波数帯を利用する電子機器に備えられるプリント配線板の基材を構成するための基板材料等として用いられることが検討されている。
このようなPPE樹脂としては末端変性PPE樹脂が使用されている(特許文献1)。この特許文献1記載の技術では、末端変性PPE樹脂とTAIC(トリアリルイソシアヌレート化合物)を組み合わせることで、低誘電性と高耐熱性という特性を両立させている。
また、特許文献2記載の技術では、2官能性ビニル変性PPEと高分子量体(スチレン系熱可塑性エラストマー)を必須成分として含む樹脂組成物によって、タック性のない、低誘電率、低誘電正接で耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物を提供している。
特開2015−86330号公報 特開2006−83364号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物では、その三次元架橋密度が高くなるに伴い樹脂の熱硬化収縮率が高くなり、ガラスクロスを使用しない樹脂付金属箔とすると成型後の片面金属張積層板が大きくカールしてしまうという問題が起こることがわかった。また、三次元高架橋密度による樹脂の伸びが悪くなるため、靱性にも乏しく、エッチングで割れるという問題も生じる。
そして、上記特許文献2記載の樹脂組成物は、樹脂流動性が悪いため成形性に乏しく、硬化物には酸化されやすいビニル基(PPE由来)と不飽和2重結合(架橋材エラストマー由来)を有しているため、高温放置(120℃以上)の場合は誘電正接(Df)の熱劣化性が悪いという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、樹脂組成物の硬化物が有していた優れた誘電特性を維持したまま、強靱性を備えることによって加工性やハンドリング性に優れ、かつ成型後の片面金属張積層板の反りをも抑制できる、熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記熱硬化性樹脂組成物を用いた樹脂付金属箔、樹脂フィルム、前記樹脂付金属箔または樹脂フィルムを用いた金属張積層板、及び前記樹脂付金属箔または樹脂フィルムを用いて製造されたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)重量平均分子量1000以上であって、25℃のクロロホルム中で測定して0.03〜0.12dl/gの固有粘度を有し、かつ、分子末端炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、ブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性ビニル基を有するスチレンブタジエンコポリマーと、(C)重量平均分子量10,000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーと、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填材と、(F)難燃剤とを含有し、前記(A)成分:[前記(B)成分+前記(C)成分]の配合比が90:10〜10:90であることを特徴とする。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(B)スチレンブタジエンコポリマーにおいて、分子中における架橋性ブタジエン含有量が50〜80質量%であり、前記ブタジエン中の1,2−ビニル含有量が30〜70質量%であり、かつ、分子中のスチレン含有量が20〜50質量%であることが好ましい。
さらに、前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物の置換基が、1官能のビニルベンジル基、1官能以上のアクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、上記(C)スチレン系熱可塑性エラストマーが、水添メチルスチレン(エチレン/ブチレン)水添メチルスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体からなる群から選択される1つもしくは2つ以上を有することが好ましい。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物に対する前記(D)硬化促進剤の当量比が0.1〜2であることが好ましい。
さらに、前記(D)硬化促進剤が、有機過酸化物、アゾ化合物及びジハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも一種類を含むことが好ましい。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(F)難燃剤が、リン系難燃剤またはハロゲン系難燃剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、上述の熱硬化性樹脂組成物と溶媒とを含むことを特徴とする。
前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のさらなる他の一態様に係るプリプレグは、上述の樹脂ワニスと繊維質基材を有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る樹脂付金属箔は、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と金属箔とを有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る樹脂フィルムは、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層とフィルム支持基材とを有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る金属張積層板は、上述の樹脂付金属箔または上述の樹脂フィルムを少なくとも一枚と、その上下の両面又は片面に金属箔とを有することを特徴とする。
また、本発明のさらなる他の一態様に係るプリント配線板は、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有し、その表面に回路としての導体パターンを有することを特徴とする。
さらに、本発明のさらなる他の一態様に係るプリント配線板は、上述の樹脂付金属箔の表面に回路としての導体パターンを有することを特徴とする。
本発明によれば、その硬化物において、強靱性と優れた誘電特性と耐熱性を有し、さらに、得られる基板(樹脂付金属箔)内における基板の反りが抑制される熱硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた樹脂ワニス、樹脂フィルム、樹脂付金属箔、金属張積層板及びプリント配線板等を提供できる。特に、本発明の樹脂組成物は強靱性を備えるため、当該樹脂組成物の硬化物を用いて加工する際に割れにくいため、ハンドリング性やプロセス加工性等に非常に優れている。
図1は、実施例における反り量測定の評価基準を示す簡略図である。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)重量平均分子量1000以上であって、25℃のクロロホルム中で測定して0.03〜0.12dl/gの固有粘度を有し、かつ、分子末端炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、ブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性ビニル基を有するスチレンブタジエンコポリマーと、(C)数平均分子量10,000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーと、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填材と、(F)難燃剤とを含有し、前記(A)成分:[前記(B)成分+前記(C)成分]の配合比が90:10〜10:90であることを特徴とする。
このような熱硬化性樹脂組成物は、強靱性と、優れた誘電特性及び耐熱性を有し、かつ、得られる成型後の片面金属張積層板反りを抑制することができる。特に、本発明の樹脂組成物は強靱性を備えるため、当該樹脂組成物の硬化物を用いて加工する際に割れにくいためハンドリング性やプロセス加工性等に非常に優れている。
以下、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の各成分について、具体的に説明する。
本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルは、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルであれば、特に限定されない。
炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基としては、特に限定はされないが、例えば、下記式1で示される置換基が挙げられる。
Figure 2018095815
(式中、nは0〜10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R〜Rは独立して水素原子またはアルキル基を示す。)
ここで、上記式1においてn=0の場合は、Zがポリフェニレンエーテルの末端に直接結合しているものを示す。また、Zのアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の単環芳香族基やナフタレン環等の多環芳香族基が挙げられ、芳香族環に結合する水素原子がアルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換された誘導体も含む。
上記式1に示す官能基の好ましい具体例としては、ビニルベンジル基を含む官能基が挙げられ、具体的には例えば、下記式2または式3から選択される少なくとも1つの置換基、等が挙げられる。
Figure 2018095815
Figure 2018095815
好ましくは、1官能のビニルベンジル基が挙げられる。
本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルにおいて末端変性される、炭素−炭素不飽和二重結合を有する他の置換基としては、1官能以上のアクリレート基又はメタクリレート基が挙げられ、例えば下記式4で示される。
Figure 2018095815
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)
本実施形態で用いられる(A)変性ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量は1000以上である。さらには、1000〜7000であることが好ましく、1000〜5000であることがより好ましく、1000〜3000であることがさらに好ましい。なお、ここで、重量均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値等が挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量がこのような範囲内であると、より確実に、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を有し、その硬化物において、高Tg、密着性及び耐熱性にバランスよく優れた樹脂組成物が得られると考えられる。
また、本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルは、変性ポリフェニレンエーテル1分子当たりの、分子末端に有する、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基の平均個数(末端置換基数)が1.5〜3個であることが好ましく、1.7〜2.7個であることがより好ましく、1.8〜2.5個であることがさらに好ましい。この置換基数が少なすぎると、架橋点等が形成されにくくなると考えられ、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端置換基数が多すぎると、反応性が高くなりすぎ、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の保存性が低下したり、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の流動性が低下してしまう等の不具合が発生するおそれがある。
なお、変性ポリフェニレンエーテルの末端置換基数は、変性ポリフェニレンエーテル1モル中に存在する全ての変性ポリフェニレンエーテルの1分子あたりの、置換基数の平均値を表した数値等が挙げられる。この末端置換基数は、例えば、得られた変性ポリフェニレンエーテルに残存する水酸基数を測定して、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分を算出することによって、測定することができる。この変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分が、末端官能基数である。そして、変性ポリフェニレンエーテルに残存する水酸基数の測定方法は、変性ポリフェニレンエーテルの溶液に、水酸基と会合する4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を添加し、その混合溶液のUV吸光度を測定することによって、求めることができる。
また、本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度は、0.03〜0.12dl/gであることが好ましく、0.04〜0.11dl/gである。さらには、0.06〜0.095dl/gであることがさらに好ましい。この固有粘度が低すぎると、分子量が低くなる傾向があり、低誘電率や低誘電正接等の低誘電性が得られにくい傾向がある。また、固有粘度が高すぎると、粘度が高く、充分な流動性が得られず、硬化物の成形性が低下する傾向がある。よって、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び密着性などを実現できる。
なお、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。この粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
さらに、本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルにおいては、分子量が13000以上の高分子量成分の含有量が5質量%以下であることが望ましい。すなわち、本実施形態の変性ポリフェニレンエーテルは、分子量分布が比較的狭いことが好ましい。特に、本実施形態の変性ポリフェニレンエーテルにおいて、分子量が13000以上の高分子量成分の含有量が少ないことが好ましく、このような高分子量成分を含まないものであってもよく、分子量が13000以上の高分子量成分の含有量範囲の下限値は、0質量%であってもよい。また、変性ポリフェニレンエーテルにおける、分子量が13000以上の高分子量成分の含有量は、0〜5質量%であればよく、0〜3質量%であることがより好ましい。このように、高分子量成分の含有量の少ない、分子量分布の狭い変性ポリフェニレンエーテルであれば、硬化反応に寄与する反応性がより高く、流動性により優れたものが得られる傾向がある。
なお、この高分子量成分の含有量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、分子量分布を測定し、測定された分子量分布に基づいて算出することができる。具体的には、GPCにより得られた分子量分布を示す曲線に基づくピーク面積の割合から算出することができる。
また、本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有しており、例えば、下記式5で表される繰り返し単位を分子中に有していることが好ましい。
Figure 2018095815
上記式5において、mは、1〜50を示す。また、R、R、R及びRは、それぞれ独立している。すなわち、R、R、R及びRは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。この中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
、R、R及びRにおいて、挙げられた各官能基としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる。
アルキル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
アルケニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、及び3−ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基がより好ましい。具体的には、例えば、エチニル基、及びプロパ−2−イン−1−イル基(プロパルギル基)等が挙げられる。
アルキルカルボニル基は、アルキル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
アルケニルカルボニル基は、アルケニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びクロトノイル基等が挙げられる。
アルキニルカルボニル基は、アルキニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、プロピオロイル基等が挙げられる。
また、変性ポリフェニレンエーテルが、式5で表される繰り返し単位を分子中に有している場合、mは、変性ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が上述したような範囲内になるような数値であることが好ましい。具体的には、1〜50であることが好ましい。
本実施形態で用いられる(A)変性ポリフェニレンエーテルの合成方法は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルを合成することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、末端のフェノール性水酸基の水素原子をナトリウムやカリウム等のアルカリ金属原子で置換したポリフェニレンエーテルと、下記式6で示されるような化合物とを反応させる方法等が挙げられる。
Figure 2018095815
式6中、上記式1と同様に、nは0〜10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R〜Rは独立して水素原子またはアルキル基を示す。また、Xは、ハロゲン原子を示し、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。この中でも、塩素原子が好ましい。
また、上記式6で表される化合物は、特に限定されないが、例えば、p−クロロメチルスチレンやm−クロロメチルスチレンが好ましい。
また、上記式6で表される化合物は、上記例示したものを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料であるポリフェニレンエーテルは、最終的に、所定の変性ポリフェニレンエーテルを合成することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。このようなポリフェニレンエーテルは、より具体的には、例えば、式7に示す構造を有するポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
Figure 2018095815
式7中、s,tは、例えば、sとtとの合計値が、1〜30であることが好ましい。また、sが、0〜20であることが好ましく、tが、0〜20であることが好ましい。すなわち、sは、0〜20を示し、tは、0〜20を示し、sとtとの合計は、1〜30を示すことが好ましい。
また、変性ポリフェニレンエーテルの合成方法は、上述した方法が挙げられるが、具体的には、上記のようなポリフェニレンエーテルと、式6で表される化合物とを溶媒に溶解させ、攪拌する。そうすることによって、ポリフェニレンエーテルと、式6で表される化合物とが反応し、本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルが得られる。
また、この反応の際、アルカリ金属水酸化物の存在下で行うことが好ましい。そうすることによって、この反応が好適に進行すると考えられる。
また、アルカリ金属水酸化物は、脱ハロゲン化剤として働きうるものであれば、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、アルカリ金属水酸化物は、通常、水溶液の状態で用いられ、具体的には、水酸化ナトリウム水溶液として用いられる。
また、反応時間や反応温度等の反応条件は、式6で表される化合物等によっても異なり、上記のような反応が好適に進行する条件であれば、特に限定されない。具体的には、反応温度は、室温〜100℃であることが好ましく、30〜130℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.5〜20時間であることが好ましく、0.5〜10時間であることがより好ましい。
また、反応時に用いる溶媒は、ポリフェニレンエーテルと、式6で表される化合物とを溶解させることができ、ポリフェニレンエーテルと、式6で表される化合物との反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、トルエン等が挙げられる。
また、上記の反応は、アルカリ金属水酸化物だけではなく、相間移動触媒も存在した状態で反応させることが好ましい。すなわち、上記の反応は、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させることが好ましい。そうすることによって、上記反応がより好適に進行すると考えられる。
また、相間移動触媒は、特に限定されないが、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、変性ポリフェニレンエーテルとして、上記のようにして得られた変性ポリフェニレンエーテルを含むことが好ましい。
次に、本実施形態において用いられる(B)成分、すなわち、数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、かつブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性ビニル基を有するスチレンブタジエンコポリマーについて説明する。
架橋性ビニル基を有するスチレンブタジエンコポリマーとは、例えば、下記式8に示す構造を有する、1,2−ビニルを有するスチレンブタジエンコポリマーである。
Figure 2018095815
式(8)は本実施形態において使用できるスチレンブタジエンコポリマーの一例であるが、xは1,2−ビニル基、yはスチレン基、zは2,3ビニル基をそれぞれ示している。
このように分子中に架橋性の高い1,2−ビニルを有することにより、2,3ビニル基を多く有する一般的なスチレンブタジエンコポリマーと比べて、本実施形態のスチレンブタジエンコポリマーは反応性を有している。
また、分子量が数平均分子量10000未満と低いため、スチレンブタジエンコポリマー中の1,2−ビニル基が硬化反応に寄与する反応性がより高い。分子量は、数平均分子量10000未満であれば特に限定はないが、製膜性、流動性、相溶性、タック性という観点から、好ましくは、2000以上である。より好ましい数平均分子量は3000〜9000である。
本実施形態において、スチレンブタジエンコポリマーの数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
また、本実施形態のスチレンブタジエンコポリマーにおいて、その分子中のスチレン含有量が20〜50質量%、架橋性1,2−ビニルを有するブタジエン含有量が50〜80質量%であることが好ましい。すなわち、上記式(8)で示すx、y、zの関係はそれぞれ:
y/(x+y+z)=20〜50%
(x+z)/(x+y+z)=50〜80%
となることが好ましい。それにより、上述の(A)成分と(B)成分の相溶性に優れ、樹脂成分の硬化時間を短縮することができる。さらに樹脂組成物に優れた耐熱性を付与することができると考えられる。
本実施形態において、スチレンブタジエンコポリマー中のスチレンおよびブタジエン含有量は、例えば、核磁気共鳴分光法(NMR)によって測定することができる。
さらに、本実施形態のスチレンブタジエンコポリマーにおいて、ブタジエン中の1,2−ビニル含有量が30〜70%であることが好ましい。すなわち、上記式(8)で示すx、とzの関係が:
x/(x+z)=30〜70%
となることが好ましい。それにより、硬化物において、高Tg、密着性及び耐熱性にバランスよく優れた樹脂組成物を得られることができると考えられる。
なお、本実施形態において、スチレンブタジエンコポリマーのブタジエン中の1,2−ビニル基の含有量は、例えば、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって測定することができる。
本実施形態の(B)スチレンブタジエンコポリマーは、例えば、スチレンモノマーと1.3ブタジエンモノマーを共重合することによって合成することができる。あるいは、市販のものを使用することもでき、例えば、CRAYVALLEY社製の「Ricon181」、「Ricon100」や「Ricon184」等がその具体例として挙げられる。
次に、本実施形態において用いられる(C)成分、すなわち、重量平均分子量10000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーについて説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される重量平均分子量が10000以上の高分子量体は、上述の(A)成分である変性ポリフェニレンエーテル化合物の低誘電特性や耐熱性を損なうことなく、フィルム形成能、靱性や耐熱分解性を付与できるようなスチレン系熱可塑性エラストマーであれば特に限定はされない。
具体的には、例えば、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体等のブタジエン系熱可塑性エラストマー;スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレンスチレン共重合体(SIS)、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのスチレン系熱可塑性エラストマーは単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。これらの高分子量体のなかで、スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、特にスチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体が、より高い耐熱性を有しかつ酸化劣化しにくいため、さらに好ましい。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は10000以上であれば特に制限はないが、大きすぎるとポリフェニレンエーテル化合物との混合が困難になることから、10000〜300000程度であることが好ましい。
本実施形態の(A)成分と(B)成分と(C)成分は、その配合比が、(A)成分:[(B)成分+(C)成分]=90:10〜10:90である。このような配合比とすることにより、耐熱性、可とう性、強靭性、低誘電率、低誘電正接にすることができると考えられる。より好ましい配合比は、(A)成分:[(B)成分+(C)成分]=20:80〜80:20であり、そのような範囲であれば、(A)成分と(B)成分の相溶性に優れ、樹脂成分の硬化時間も短縮することができる。さらに好ましい配合比は、30:70〜70:30であり、そのような範囲であれば、上記に加えて、よりフィルム可撓性や製膜性に優れ、かつ、反りの発生もより確実に抑えることができると考えられる。
なお、本実施形態において上述した「配合比」とは、樹脂組成物を調整する際に各成分を配合するときの配合比率や、ワニス状態での成分比率をさす。
次に、(D)硬化促進剤について説明する。本実施形態で使用される硬化促進剤としては、上記熱硬化性化合物の硬化を促進するものであれば、特に限定はない。
好ましくは、熱硬化性化合物である(A)末端変性ポリフェニレンエーテル化合物に対する当量比が0.1〜2となるように、硬化促進剤を用いる。
本実施形態の硬化促進剤の好ましい具体例としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、ジハロゲン化合物などから選択される少なくとも1種が挙げられる。また、硬化促進剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、さらに、(E)無機充填剤を含有する。
本実施形態で使用できる無機充填材としては、特に限定されるものではなく、例えば、球状シリカ、硫酸バリウム、酸化ケイ素粉、破砕シリカ、焼成タルク、チタン酸バリウム、酸化チタン、クレー、アルミナ、マイカ、ベーマイト、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、その他の金属酸化物や金属水和物等が挙げられる。このような無機充填材が樹脂組成物に含有されていると、積層板等の熱膨張を抑制でき、寸法安定性を高めることができるものである。
さらに、シリカを用いることが、積層板の耐熱性や誘電正接(Df)を良化させることができるという利点もあるため好ましい。
樹脂組成物中における(E)成分の含有量は、前記(A)、(B)および(C)成分の合計を100質量部として、前記(E)成分が10〜400質量部の範囲で含有されていることが好ましい。無機充填材が10質量部未満となると、熱膨張率、基板の寸法安定性が悪化するおそれがあり400質量部を超えると、樹脂流動性が悪化の恐れがある。
また、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、さらに難燃剤(F)を含有する。そうすることによって、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の硬化物の難燃性をさらに高めることができる。
本実施形態で使用できる難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤などが挙げられる。縮合リン酸エステル、環状リン酸エステル等のリン酸エステル;環状ホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物;及びジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩等のホスフィン酸金属塩等のホスフィン酸塩系難燃剤が挙げられる。また、ハロゲン系難燃剤としては、臭素系難燃剤が挙げられる。難燃剤としては、例示した各難燃剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリフェニレンエーテル樹脂組成物が(F)難燃剤を含む場合、その含有量は、(A)+(B)+(C)の合計100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましい。また、前記難燃剤の含有量としては、前記樹脂組成物における、リン原子の含有量が上記範囲内になるような含有量であることが好ましい。このような含有量であれば、ポリフェニレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の難燃性により優れた樹脂組成物になる。
また、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)〜(F)成分からなるものであってもよいし、これらの必須成分を含んでいれば、本発明の作用効果を阻害しない範囲でその他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分として、例えば、樹脂改質剤、酸化防止剤等が挙げられる。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、その他にも、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂成分をさらに含有することが可能であるが、本実施形態の樹脂組成物における樹脂成分は熱硬化性樹脂のみからなることが好ましい。そのように、熱可塑性の成分が入っていないことにより、耐薬品性、耐熱性、寸法安定性により優れた樹脂組成物が得られると考えられる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、RCC等の樹脂付金属箔を製造する際には、ワニス状に調製し、樹脂ワニスとして用いられることが多い。このような樹脂ワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
まず、変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、スチレンブタジエンコポリマー(B)、スチレン系熱可塑エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、及び相溶型の難燃剤(F)等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、有機溶媒に溶解しない成分、無機充填材(E)及び、必要に応じて非相溶型の難燃剤等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、スチレンブタジエンコポリマー(B)、スチレン系熱可塑エラストマー(C)、硬化促進剤(D)、及び難燃剤(F)等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂ワニスは、フィルム可撓性や製膜性に優れ、取り扱い易いという利点がある。
得られた樹脂ワニスを用いて本実施形態のプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られた樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、LCP(液晶ポリマー)不織布、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
樹脂ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成(含有比)及び樹脂量に調整することも可能である。
樹脂ワニスが含浸された繊維質基材を、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱して溶媒を除去することにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
また、本実施形態の樹脂付金属箔は、上述した樹脂組成物からなる樹脂層と金属箔が積層されている構成を有する。そのような樹脂付金属箔を製造する方法としては、例えば、上記で得られた樹脂ワニスを銅箔などの金属箔の表面に塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
また、本実施形態の樹脂フィルムは、上述した樹脂組成物からなる樹脂層とフィルム支持基材が積層されている構成を有する。そのような樹脂フィルムを製造する方法としては、例えば、上記で得られた樹脂ワニスをPETフィルム等のフィルム支持基材表面に塗布した後、乾燥などによって硬化または半硬化させる方法が挙げられる。
上記金属箔やフィルム支持基材の厚み等は、所望の目的に応じて、適宜設定することができる。例えば、銅箔としては、12〜70μm程度のものを使用できる。樹脂ワニスの金属箔やフィルム支持基材への適用は、塗布等によって行われるが、それは必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて塗布を繰り返し、最終的に希望とする組成(含有比)及び樹脂量に調整することも可能である。
樹脂ワニスを塗布した後、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱して溶媒を除去することにより半硬化状態(Bステージ)の樹脂付金属箔や樹脂フィルムが得られる。本実施形態の樹脂組成物を用いて得られる樹脂付金属箔や樹脂フィルムは、優れた誘電特性や耐熱性に加え、反りが抑制され、ガラスクロスを使用しないことによる基板面内の誘電率のバラツキを抑制し、またハンドリング性も良好な高品質なものである。
本実施形態の金属張積層板は、上述の樹脂付金属箔または上述の樹脂フィルムを少なくとも一枚と、その上下の両面又は片面に金属箔とを有することを特徴とする。
上記のようにして得られたプリプレグ、樹脂付金属箔や樹脂フィルムを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグ、樹脂付金属箔や樹脂フィルムを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みや樹脂組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜220℃、圧力を1.5〜5.0MPa、時間を60〜150分間とすることができる。
そして、本実施形態のプリント配線板は、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有し、その表面に回路としての導体パターンを有することを特徴とする。そのようなプリント配線板の製造方法としては、作製された前記積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができる。本実施形態の樹脂組成物を用いて得られるプリント配線板は、誘電特性に優れ、半導体チップを接合したパッケージの形態にしても、実装しやすい上に品質にばらつきがなく、信号速度やインピーダンスにも優れている。さらに、本実施形態の樹脂組成物の硬化物は強靱性に優れているため、加工時(エッチング、剥離など)に割れ等も生じにくく、成形性やハンドリング性に優れている。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)重量平均分子量1000以上であって、25℃のクロロホルム中で測定して0.03〜0.12dl/gの固有粘度を有し、かつ、分子末端炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、ブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性スチレンブタジエンコポリマーと、(C)重量平均分子量10,000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーと、(D)硬化促進剤と、(E)無機充填材と、(F)難燃剤とを含有し、前記(A)成分:[前記(B)成分+前記(C)成分]の配合比が90:10〜10:90であることを特徴とする。
このような構成により、その硬化物において、強靱性を備え、優れた誘電特性と耐熱性を有し、製膜性に優れ、さらに、得られる基板(樹脂付金属箔)内における誘電率のバラツキ並びに基板の反りが抑制される熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。誘電率のバラツキを抑制することにより、得られる電子基板等において差動伝送の信号間の伝送速度差を小さくすることができると考えられる。特に、本発明の樹脂組成物は強靱性を備えるため、当該樹脂組成物の硬化物を用いて加工する際に割れにくく、ハンドリング性やプロセス加工性非常に優れている。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(B)スチレンブタジエンコポリマーにおいて、分子中における架橋性ブタジエン含有量が50〜80質量%であり、前記ブタジエン中の1,2−ビニル含有量が30〜70質量%であり、かつ、分子中のスチレン含有量が20〜50質量%であることが好ましい。
それにより、スチレン含有量と架橋性ブタジエン含有量が上記範囲であれば、上記効果に加えて、さらに耐熱性に優れ、樹脂成分の相溶性が良好になり、硬化時間を短縮できるという利点がある。
また、前記(B)スチレンブタジエンコポリマーにおける、ブタジエン中の1,2−ビニル含有量が30〜70%であることにより、さらに、耐熱性、密着性を向上させることができる。
さらに、前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物の置換基が、1官能のビニルベンジル基、1官能以上のアクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。それにより、上記効果をより確実に得ることができると考えられる。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、上記(C)スチレン系熱可塑性エラストマーが、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される1つもしくは2つ以上を有することが好ましい。それにより、さらに溶剤溶解性や耐熱分解性に優れ、変性ポリフェニレンエーテル化合物との相溶性に優れるようになり、低誘電特性をより確実に得て、密着性も高めることができると考えられる。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物に対する前記(D)硬化促進剤の当量比が0.1〜2であることが好ましい。さらに、前記(D)硬化促進剤が、有機過酸化物、アゾ化合物及びジハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも一種類を含むことが好ましい。それにより、さらに、硬化物の耐熱性及び密着性を向上させることができる。
また、前記熱硬化性樹脂組成物において、前記(F)難燃剤が、リン系難燃剤またはハロゲン系難燃剤から選択される少なくとも1種であることが好ましい。それにより、さらに難燃性の高い樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、上述の熱硬化性樹脂組成物と溶媒とを含むことを特徴とする。
前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のさらなる他の一態様に係るプリプレグは、上述の樹脂ワニスと繊維質基材を有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る樹脂付金属箔は、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と金属箔とを有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る樹脂フィルムは、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層とフィルム支持基材とを有することを特徴とする。
本発明のさらなる他の一態様に係る金属張積層板は、上述の樹脂付金属箔または上述の樹脂フィルムを少なくとも一枚と、その上下の両面又は片面に金属箔とを有することを特徴とする。
また、本発明のさらなる他の一態様に係るプリント配線板は、上述の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有し、その表面に回路としての導体パターンを有することを特徴とする。
さらに、本発明のさらなる他の一態様に係るプリント配線板は、上述の樹脂付金属箔の表面に回路としての導体パターンを有することを特徴とする。
上述のような構成によれば、本発明の樹脂付金属箔の反りが抑制され、ガラスクロスを使用しないことによって基板面内の誘電率のバラツキも抑制されているため、プリント配線板作製にあたって、実装しやすい上に品質にばらつきがなく、信号速度やインピーダンスにも優れた金属張積層板ひいてはプリント配線板を提供することができる。また、基板面内の誘電率のバラツキを抑制することにより、得られる電子基板において差動回路の信号間の遅延時間の差を小さくすることができると考えられる。さらに、本実施形態の樹脂組成物の硬化物は強靱性に優れているため、加工時(エッチングなど)に割れ等も生じにくい。また、基板を高温放置した場合の誘電正接(Df)熱劣化性にも優れている。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
まず、本実施例において、熱硬化性樹脂組成物を調製する際に用いる成分について説明する。
(A成分:ポリフェニレンエーテル)
・PPE−2F(変性PPE−1):2官能ビニルベンジル変性PPE(Mw:1900)
まず、変性ポリフェニレンエーテル(PPE−2F)を合成した。なお、ポリフェニレンエーテル1分子当たりの、分子末端のフェノール性水酸基の平均個数を、末端水酸基数と示す。
ポリフェニレンエーテルと、クロロメチルスチレンとを反応させて変性ポリフェニレンエーテル1(変性PPE―1)を得た。具体的には、まず、温度調節器、攪拌装置、冷却設備、及び滴下ロートを備えた1リットルの3つ口フラスコに、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA90、固有粘度(IV)0.083dl/g、末端水酸基数1.9個、重量分子量Mw1700)200g、p−クロロメチルスチレンとm−クロロメチルスチレンとの質量比が50:50の混合物(東京化成工業株式会社製のクロロメチルスチレン:CMS)30g、相間移動触媒として、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド1.227g、及びトルエン400gを仕込み、攪拌した。そして、ポリフェニレンエーテル、クロロメチルスチレン、及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドが、トルエンに溶解するまで攪拌した。その際、徐々に加熱し、最終的に液温が75℃になるまで加熱した。そして、その溶液に、アルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20g/水20g)を20分間かけて、滴下した。その後、さらに、75℃で4時間攪拌した。次に、10質量%の塩酸でフラスコの内容物を中和した後、多量のメタノールを投入した。そうすることによって、フラスコ内の液体に沈殿物を生じさせた。すなわち、フラスコ内の反応液に含まれる生成物を再沈させた。そして、この沈殿物をろ過によって取り出し、メタノールと水との質量比が80:20の混合液で3回洗浄した後、減圧下、80℃で3時間乾燥させた。
得られた固体を、H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した。NMRを測定した結果、5〜7ppmにエテニルベンジルに由来するピークが確認された。これにより、得られた固体が、分子末端に、式(1)で表される基を有する変性ポリフェニレンエーテルであることが確認できた。具体的には、エテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。
また、変性ポリフェニレンエーテルの分子量分布を、GPCを用いて、測定した。そして、その得られた分子量分布から、重量平均分子量(Mw)を算出した結果、Mwは、1900であった。
また、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能数を、以下のようにして測定した。
まず、変性ポリフェニレンエーテルを正確に秤量した。その際の重量を、X(mg)とする。そして、この秤量した変性ポリフェニレンエーテルを、25mLの塩化メチレンに溶解させ、その溶液に、10質量%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)のエタノール溶液(TEAH:エタノール(体積比)=15:85)を100μL添加した後、UV分光光度計(株式会社島津製作所製のUV−1600)を用いて、318nmの吸光度(Abs)を測定した。そして、その測定結果から、下記式を用いて、変性ポリフェニレンエーテルの末端水酸基数を算出した。
残存OH量(μmol/g)=[(25×Abs)/(ε×OPL×X)]×106
ここで、εは、吸光係数を示し、4700L/mol・cmである。また、OPLは、セル光路長であり、1cmである。
そして、その算出された変性ポリフェニレンエーテルの残存OH量(末端水酸基数)は、ほぼゼロであることから、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基が、ほぼ変性されていることがわかった。このことから、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数からの減少分は、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数であることがわかった。すなわち、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数が、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能基数であることがわかった。つまり、末端官能数が、1.8個であった。
・m−PPE:単官能ビニルベンジル変性PPE(変性PPE−2)(Mw:2800)
用いたポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティ
ブプラスチックス社製のSA120、固有粘度(IV)0.125dl/g、末端水酸基
数1個、重量平均分子量Mw2400)であった。次に、ポリフェニレンエーテルと、クロロメチルスチレンとの反応は、前記ポリフェニレンエーテル(SA120)を200g、CMSを15g、相間移動触媒(テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド)を0.92g用い、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20g/水20g)の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム10g/水10g)を用いたこと以外、変性PPE−1の合成と同様の方法で合成した。そして、得られた固体を、1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した。NMRを測定した結果、5〜7ppmにエテニルベンジル基に由来するピークが確認された。これにより、得られた固体が、前記置換基としてビニルベンジル基を分子中に有する変性ポリフェニレンエーテルであることが確認できた。具体的には、エテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。また、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能数を、上記と同様の方法で測定した。その結果、末端官能数が、1個であった。また、変性ポリフェニレンエーテルの、25℃の塩化メチレン中で固有粘度(IV)を、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度(IV)は、0.125dl/gであった。また、変性ポリフェニレンエーテルのMwを、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、Mwは、2800であった。
・SA−9000:2官能メタクリレート変性PPE(Mw:1700 SABIC社製)
・SA90:2官能未変性PPE(Mw:1700 SABIC社製)
・BMI2300:4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン (Mn:440、大和化成社製)
(B成分:スチレンブタジエンコポリマー)
・スチレンブタジエン共重合体(「Ricon181(製品名)」、CRAY VALLEY社製、スチレン:28質量%、ブタジエン:72質量%;ブタジエン中の1,2−ビニル:30%;数平均分子量3200)
・スチレンブタジエン共重合体(「Ricon184(製品名)」、CRAY VALLEY社製、スチレン:28質量%、ブタジエン:72質量%;ブタジエン中の1,2−ビニル:30%;数平均分子量8600)
・スチレンブタジエン共重合体(「Ricon100(製品名)」、CRAY VALLEY社製、スチレン:25質量%、ブタジエン:75質量%;ブタジエン中の1,2−ビニル:70%;数平均分子量4500)
・スチレンイソプレンスチレン共重合体(「ハイブラー5125」、株式会社クラレ社製、スチレン:20質量%、イソプレン:80質量%;数平均分子量11000)
・2官能メタクリレートオリゴマー:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(「BPE−1300N」、Mn=1700 新中村化学工業株式会社製)
なお、スチレンブタジエンコポリマーの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、スチレンブタジエン含有量は、NMRによって、また、ブタジエン中の1,2−ビニル基含有量は赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって、それぞれ測定した。
(C:スチレン系熱可塑エラストマー)
・水添スチレンブタジエン共重合体(SEBS)(「セプトンV9827」、クラレ社製、Mw:94000)
・水添スチレンイソプレンスチレン共重合体(SEPS)(「ハイブラー7125」、クラレ社製、Mw:120000)
・水添スチレンブタジエン共重合体(SEBS)(「セプトン8007」、クラレ社製、
Mw:83000)
・水添ポリブタジエンエラストマー(「BI3000」、日本曹達株式社製、Mw:3300)
(D:硬化促進剤)
・過酸化物:「パーブチルP」(日本油脂株式会社製)
(E:無機充填材)
・球状シリカ「SC2300−SVJ」(株式会社アドマテックス製)
(F:難燃剤)
・臭素系難燃剤(「SAYTEX8010」、ルベマール株式会社製)
<実施例1〜9、比較例1〜9>
[調製方法]
(樹脂ワニス)
まず、(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体とトルエンとを混合させて、その混合液を80℃になるまで加熱することによって、(A)をトルエンに溶解させて、(A)の65質量%トルエン溶液を得た。その後、得られた(A)のトルエン溶液に、表1または表2に記載の割合になるように、(B)スチレンブタジエンコポリマー、(C)スチレン系エラストマー及び(D)硬化促進剤を添加した後、30分間攪拌することによって、完全に溶解させた。そして、さらに、(E)無機充填材、(F)難燃剤を添加して、ビーズミルで分散させることによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られた。
(樹脂付銅箔)
上記ワニスを用いて樹脂付銅箔(RCC)を作成し、後の評価に用いた。
RCCには、厚さ18μmの銅箔(古河電工株式会社製「FV−WS」)を用いた。そして、上記の樹脂ワニスを銅箔表面に硬化後の厚みが100μmとなるように塗布し、これを半硬化状態となるまで130℃で2分間加熱乾燥することによってRCCを得た。
(金属張積層板)
上記のRCCを2枚貼り合わせて、真空条件下、温度200℃、圧力40kg/cmの条件で120分加熱・加圧して両面に銅箔が接着された、厚み100μmの銅張積層板(CCL)(評価基板)を得た。
<評価試験>
上記のように調製された各樹脂ワニス及び評価積層板を、以下に示す方法により評価を行った。
[反り量(カール、片面板)]
上記で得られたCCL(評価基板)において、片面の銅箔を完全にエッチングして、片面に銅箔ついている状態のCCLを用いた。反り評価基板サイズは250mm×250mmである。その後、100℃で30分乾燥させた後反り量を以下の基準で評価した。
反り評価基準:
図1に示しように、支持台(テーブル)1から評価基板2までの最大距離(H)を反り量として、以下の基準で評価した。なお、図中の評価基板2において、上面が銅箔、下面が樹脂となっている。
評価基準:
◎:H≦5mm
○:5mm<H≦10mm
△:10mm<H≦20mm
×:H>20mm
[ハンドリング性]
CCLの端部2cmをエッチングし、亀裂が入るかどうかを確認した(エッチング水圧0.2MPa)。割れ評価基準は以下の通りである。
◎:亀裂なし
○0.1〜1cmの亀裂あり
△:1〜2cmの亀裂あり
×:2cm以上の亀裂や、完全に樹脂が欠落する
[成形性]
上記でRCCを貼り合わせる際、以下の基準で顕微鏡観察により成形性を評価した。
成形性評価基準:
◎:RCC貼りあわせ断面にボイドなし、成型ムラ、樹脂分離なし
○:RCC貼りあわせ断面にボイドなし、成型ムラまたは樹脂分離どちらがあり
△:RCC貼りあわせ断面にボイドあり、成型ムラ&樹脂分離があり
×:RCC貼りあわせ断面にボイドあり、成型ムラ&樹脂分離あり
[誘電特性(比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df))]
10GHzにおけるそれぞれの評価基板(上記で得られた銅張積層板)の比誘電率及び誘電正接を、空洞共振器摂動法で測定した。具体的には、ネットワーク・アナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のN5230A)を用い、10GHzにおける評価基板の比誘電率及び誘電正接を測定した。
[Df熱劣化性]
評価基板を、130℃で1000時間放置。その後、上記と同様の方法で、評価基板の誘電正接を測定した。前記加熱前後の誘電正接の変化率を、誘電正接の耐熱劣化率(%)として、算出した。そして、以下の基準で評価を行った。
熱劣化評価基準:
◎:Dfの増加率が0〜5%以内
○:Dfの増加率が6〜50%以内
△:Dfの増加率が51〜100%以内
×:Dfの増加率が101%以上
以上の試験結果を表1及び表2に示す。
Figure 2018095815
Figure 2018095815
(考察)
以上のことから、本発明により、優れた誘電特性と耐熱性を有し、さらにDf熱劣化の抑制効果、加工性やハンドリング性に優れ、得られる基板材料の反りを抑えることのできる樹脂組成物を提供できることができることが示された。
それに対し、(A)成分として未変性PPEを用いた比較例1では、所望の低誘電特性(Df)が得られず、ハンドリング性に劣っていた。また、PPE以外の主剤を用いた比較例2ではカールが発生し、エッチングプロセスも劣る結果となった。
一方、分子量が大きすぎる(B)成分(ハイブラー5125)を使用した比較例3では、片面CCLの反りが悪化し、成形性も悪くなり、さらにDf熱劣化も生じた。(B)成分として2官能のメタクリレートオリゴマーを用いた場合(比較例4)は片面CCLの反りが悪化し、誘電正接Dfも一桁大きくなり、基板としての低誘電特性がかなり劣っているため、高周波用途には不向きであった。
また、分子量の低いエラストマーを用いた比較例5ではハンドリング性が悪くなり、成型後のCCL断面を観察したところ、樹脂分離、成型ムラが見られた。
また、本発明の配合比を満たさない比較例6〜9においても、カール、ハンドリング性、成形性、耐熱劣化性の少なくともいずれかにおいて劣る結果となった。
1 支持台(テーブル)
2 評価基板(CCL)

Claims (15)

  1. (A)重量平均分子量1000以上であって、25℃のクロロホルム中で測定して0.03〜0.12dl/gの固有粘度を有し、かつ、分子末端炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、
    (B)数平均分子量10000未満であって、分子中のスチレン含有量が50質量%以下、ブタジエン含有量が50質量%以上である架橋性スチレンブタジエンコポリマーと、
    (C)重量平均分子量10,000以上のスチレン系熱可塑性エラストマーと、
    (D)硬化促進剤と、
    (E)無機充填材と、
    (F)難燃剤とを含有し、
    前記(A)成分:[前記(B)成分+前記(C)成分]の配合比が90:10〜10:90であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(B)スチレンブタジエンコポリマーにおいて、分子中における架橋性ビニル基を有するブタジエン含有量が50〜80質量%であり、前記ブタジエン中の1,2−ビニル含有量が30〜70質量%であり、かつ、分子中のスチレン含有量が20〜50質量%である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物の置換基が、1官能のビニルベンジル基、1官能以上のアクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 上記(C)スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレンブタジエンスチレン共重合体、水添スチレンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレンスチレン共重合体、水添スチレンイソプレンスチレン共重合体、及び水添スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレン共重合体等からなる群から選択される1つもしくは2つ以上を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物に対する前記(D)硬化促進剤の当量比が0.1〜2である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(D)硬化促進剤が、有機過酸化物、アゾ化合物及びジハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも一種類を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(F)難燃剤が、リン系難燃剤またはハロゲン系難燃剤から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物と溶媒とを含む、樹脂ワニス。
  9. 前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の樹脂ワニス。
  10. 請求項8または9に記載の樹脂ワニスと繊維質基材を有するプリプレグ。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と金属箔とを有する、樹脂付金属箔。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層とフィルム支持基材とを有する、樹脂フィルム。
  13. 請求項11記載の樹脂付金属箔または請求項12記載の樹脂フィルムを少なくとも一枚と、その上下の両面又は片面に金属箔とを有する、金属張積層板。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有し、その表面に回路としての導体パターンを有する、プリント配線板。
  15. 請求項11に記載の樹脂付金属箔の表面に回路としての導体パターンを有する、プリント配線板。
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