JPH07259731A - 冷却用圧縮機 - Google Patents
冷却用圧縮機Info
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Abstract
保し、簡単な構造によりクランク室内への潤滑油の循環
を安定的に確保する。 【構成】冷却用圧縮機のシリンダブロック内のシリンダ
内壁面に圧縮流体及び潤滑油が流通する溝を設けたた
め、ブローバイガス量を安定的かつ確実に確保でき、ク
ランク室内への潤滑油の残油特性が向上する。
Description
置等に用いられる冷却装置の圧縮機、特に回転主軸の回
転力をシリンダ内でのピストンの往復摺動力に変換して
冷媒を圧縮する圧縮機の潤滑構造に関する。
への潤滑油の循環は、ミスト状となって冷媒等の圧縮流
体と混合している潤滑油をシリンダ内壁とピストン外周
面との間から漏れる圧縮流体と共にクランク室内にブロ
ーバイさせることで得ている。近年、圧縮機の軽量化等
の要請から冷却用圧縮機のシリンダ材にアルミ合金が使
用されるようになり、ピストンの摺動摩擦による摩耗を
小さくするためピストンとシリンダ間の摺動面のシール
部材にテフロン系のシームレスリングが利用されてい
る。そして、シール性の向上等により前記ブローバイ量
が低下する傾向が生じたためピストンとシリンダの隙間
からクランク室内へ戻されるブローバイガスにミスト状
となって混じっている潤滑油の循環が困難となった。
37に溝加工を施し、この溝37aを通じて圧縮過程の
ガスをクランク室へ戻すことによってブローバイ量を確
保している(例えば、特開昭63−13639号)。一
方、図4に示す構造では、シリンダブロック3にクラン
ク室2と吐出室16とを連通する貫通孔9を穿設し、吐
出室16の高圧ガスをクランク室2へ戻すことによって
潤滑油の循環を行っている。尚、図4に示す従来例は容
量可変式の圧縮機であり、前記貫通孔内に設けられたス
クリーン92及びキャピラリー91とによって吐出室の
高圧ガスを減圧させてクランク室内に流入させることに
より、潤滑油の循環と共に、ブローバイガス量を確保し
斜板の傾斜角度を変化させ吐出容量制御を可能とする容
量可変圧縮機の構造が示されている(例えば、特開平1
−142277号)。
ストンリングに溝加工を施した構造では、リング材とし
て主にテフロン系の合成樹脂が利用されているため、圧
縮流体や潤滑油の影響を受け膨潤したり、長時間の摺動
により摩耗し、耐久性が低下する場合があった。このた
め、該ピストンリングに設けた溝形状が経時変化し、ブ
ローバイガス量に変動をきたすためクランク室内への潤
滑油の循環が安定的に行われないという問題があった。
構造では、シリンダブロックに貫通孔を設けた上、高圧
流体の減圧のためにキャピラリーチューブを嵌入した
り、該流体に混入した異物を除去するためスクリーン或
いはフィルター等を装着しなければ成らず、製造工程が
複雑になるのみならず、コスト高の原因ともなってい
た。
導入されるブローバイガス量を適正に選択することによ
ってクランク室内への潤滑油の循環を安定的かつ確実に
確保し、クランク室内の残油量の維持を図ることのでき
る冷却用圧縮機を提供することにある。
め請求項1記載の発明では、コンプレッサーハウジング
と、該コンプレッサーハウジング内に設けられたシリン
ダブロックと、該シリンダブロックに設けられた複数の
シリンダと、開閉弁を介して該シリンダと連通する吸入
室及び吐出室と、該シリンダと連通するクランク室と、
該クランク室内に延在する回転主軸と、該主軸の回転に
従動して回転する斜板と、該斜板の回転に応じて揺動す
るように斜板の傾斜面上に配設された揺動板と、該揺動
板の揺動によって前記各シリンダ内で往復動し、前記吸
入室に吸入された流体を該シリンダ内に取り込み圧縮し
て吐出室へ吐出するピストンとを有する冷却用圧縮機に
おいて、前記シリンダ内壁面に圧縮流体或いは潤滑油が
流通する溝を設けたことを特徴とする冷却用圧縮機が得
られる。
リンダ内壁面に設けられた溝が、ピストン摺動方向にお
ける該内壁面全体に延設された溝であることを特徴とす
る請求項1記載の冷却用圧縮機が得られる。
リンダ内壁面に設けられた溝が、前記ピストンに嵌設し
たピストンリングのピストン摺動方向の幅より長い溝で
あることを特徴とする請求項1記載の冷却用圧縮機が得
られる。
リンダ内壁面に設けられた溝が、前記ピストンに嵌設し
た複数のピストンリングのうち吐出室側リング及びクラ
ンク室側リングの各リングの端部をピストン摺動方向で
結んだ距離より長い溝であることを特徴とする請求項1
記載の冷却用圧縮機が得られる。
は吐出工程にあるシリンダー内の圧縮流体の一部を、シ
リンダー内壁面に設けた溝を通じてクランク室内に安定
的かつ確実に戻すことができる。また、該溝の大きさや
長さ或いは溝の位置を適当に選択することで必要な圧縮
流体の戻し量を確保することができるため、クランク室
内への潤滑油の安定的な循環が確保される。
明する。
ング1は、その一端をフロントエンドプレート12によ
って閉塞され、内部にクランク室2を画成するとともに
シリンダブロック3を備えている。更に、シリンダブロ
ック上には弁板13を介してシリンダヘッド14を取付
け、弁板13との間に吸入室15と吐出室16とを画成
している。回転主軸4は、前述したクランク室2の中央
を貫通しており、フロントエンドプレート12とシリン
ダブロック3に各々ニードルベアリング41及び42を
介して回転可能に枢支されている。
軸4にロータ5がピン51によって固着されている。該
ロータ5にはピン52を有するブラケット53が形成さ
れていて、該ピン52が斜板6から伸びるアーム部61
に形成された長孔62にスライド可能に嵌入されてい
る。
けられ、各ピストンはピストンロッド33を介して揺動
板7の外周端の枢支部71に連結されている。したがっ
て、自動車のエンジン等の外部駆動源から図示しないプ
ーリ並びにクラッチとを介して回転主軸4が回転する
と、回転主軸4とともにロータ5と斜板6が回転する。
しかし、揺動板7は回転阻止機構64によって回転が阻
止されているため揺動運動のみ行う。そして、この揺動
板7の揺動運動によりピストンロッド33を介してピス
トン32がシリンダ31内を滑動し、往復運動を行う。
室15と連通した吸入孔15aからシリンダ31内に流
体を取り込み、吐出孔16aから逆止弁36を作動させ
て吐出室16に圧縮流体を排出する。
の回転主軸4の隣接して設けられた室38内に設置さ
れ、該吐出容量制御機構8内部に配設された弁(図示せ
ず)とベローズ(図示せず)とを有している。該吐出容
量制御機構8の両側面には、クランク室と通路86とを
連通する連通孔(図示せず)が設けられており、該連通
孔は通路86を介して吸入室15に連通している。
ク室内2の圧力が所定値以上では、クランク室2と吸入
室15とを連通させクランク室内圧力を低下させて、最
大圧縮容量で圧縮機を動作させ、所定値以下ではクラン
ク室2と吸入室15との連通を遮断するのでクランク室
2内の圧力の変化に対し斜板の傾斜角度が変化して、圧
縮容量が変化する。
について説明する。
31の内壁面31aには、ピストンの摺動方向に所定の
長さだけ切削された溝34が設けられている。この溝3
4を通して、シリンダ内の圧縮過程にある圧縮流体がク
ランク室側へ戻される。また、一般的にピストン32に
はシール性の向上等の目的でピストンリング37が取り
付けられており、ピストン32の摺動時は、該ピストン
リング37外周面とシリンダ内壁面31aとの接触面の
吐出室方向への移動により流体の圧縮が行われる。この
ため、圧縮過程における流体をクランク室へ戻すには、
ピストン32の摺動方向における前記接触面によって形
成されるシール部を越える長さの溝である必要がある。
ング37を2本取り付けた場合を示し、(b)に示す実
施例は、ピストンリング37を1本だけ取り付けた場合
を示している。(a)の実施例では、両リングをピスト
ンの摺動方向で跨ぐように、また(b)の実施例では、
1本のリングをピストンの摺動方向で跨ぐように、それ
ぞれ溝34が設けられている。さらに、図2の(c)は
ピストンリング37が3本取り付けられた場合の実施例
を示しており、該ピストンリング37のうち、吐出室側
リングの吐出室側端部とクランク室側リングのクランク
室側端部とを、ピストンの摺動方向で結んだ距離より長
い溝34がシリンダ内壁面31aに設けられている。こ
れにより、シリンダ31内の圧縮過程にある所定量の流
体を安定してクランク室側へ戻すことが可能となる。
尚、図中、矢印はブローバイガスの流れ方向を示す。
aの任意の箇所に設けられているが、吐出室側寄りに設
けた場合は圧縮過程にあるより高圧の流体を戻すことが
でき、一方、クランク室側寄りに設けた場合は、より低
圧の圧縮流体を戻すことができる。また、該溝をピスト
ン摺動方向におけるシリンダ内壁面31aの全体に延設
してもよい。この場合は、圧縮工程の開始時から終了時
まで常時圧縮流体をクランク室側に戻すことができる。
さらに、溝の深さ或いは幅を調整することにより、圧縮
流体の戻し量と共に潤滑油の戻し量の調整を行うことも
できる。また、圧縮流体或いはこれに混合した潤滑油な
どの流出入をより円滑に行うため、溝の両側端を傾斜さ
せて切削加工してもよい。
溝を設けた例を示したが、これに限られるものではなく
固定容量式の圧縮機であってもよいことは勿論である。
面31aに切削加工等により溝34を設けただけの簡単
な構造により圧縮流体をクランク室に戻すことができ、
クランク室へ導入されるブローバイガス量を安定的かつ
確実に確保することができるため、クランク室内への潤
滑油の循環を安定的に確保できる。これにより、クラン
ク室内の残油量の維持を図ることが可能となり、クラン
ク室内の駆動機構等の部材の耐久性が向上すると同時
に、冷凍回路内への潤滑油の流出量を減らすことができ
るため熱交換効率の低下を防止することもできる。
を示す斜視図及び断面図
ク、4…回転主軸、5…ロータ、6…斜板、7…揺動
板、8…吐出容量制御機構、15…吸入室、16…吐出
室、31…シリンダ、31a…シリンダ内壁面、32…
ピストン、33…ピストンロッド、34…溝、37…ピ
ストンリング
Claims (4)
- 【請求項1】コンプレッサーハウジングと、該コンプレ
ッサーハウジング内に設けられたシリンダブロックと、
該シリンダブロックに設けられた複数のシリンダと、開
閉弁を介して該シリンダと連通する吸入室及び吐出室
と、該シリンダと連通するクランク室と、該クランク室
内に延在する回転主軸と、該主軸の回転に従動して回転
する斜板と、該斜板の回転に応じて揺動するように斜板
の傾斜面上に配設された揺動板と、該揺動板の揺動によ
って前記各シリンダ内で往復動し、前記吸入室に吸入さ
れた流体を該シリンダ内に取り込み圧縮して吐出室へ吐
出するピストンとを有する冷却用圧縮機において、前記
シリンダ内壁面に圧縮流体或いは潤滑油が流通する溝を
設けたことを特徴とする冷却用圧縮機。 - 【請求項2】前記シリンダ内壁面に設けられた溝が、ピ
ストン摺動方向における該内壁面全体に延設された溝で
あることを特徴とする請求項1記載の冷却用圧縮機。 - 【請求項3】前記シリンダ内壁面に設けられた溝が、前
記ピストンに嵌設したピストンリングのピストン摺動方
向の幅より長い溝であることを特徴とする請求項1記載
の冷却用圧縮機。 - 【請求項4】前記シリンダ内壁面に設けられた溝が、前
記ピストンに嵌設した複数のピストンリングのうち吐出
室側リング及びクランク室側リングの各リング端部をピ
ストン摺動方向で結んだ距離より長い溝であることを特
徴とする請求項1記載の冷却用圧縮機。
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1995
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