JP2003254232A - 自動車空調用圧縮機及びそれに使用されるピストン - Google Patents

自動車空調用圧縮機及びそれに使用されるピストン

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JP2003254232A JP2002057557A JP2002057557A JP2003254232A JP 2003254232 A JP2003254232 A JP 2003254232A JP 2002057557 A JP2002057557 A JP 2002057557A JP 2002057557 A JP2002057557 A JP 2002057557A JP 2003254232 A JP2003254232 A JP 2003254232A
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compressor
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Takashi Shimizu
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    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑不足による初期故障を未然に防止した自
動車空調用圧縮機を提供すること。 【解決手段】 回転駆動される斜板14と、斜板の軸方
向端面に対向したシューポケット部28a,28bを有
する往復動式のピストン16と、シューポケット部に保
持されかつ斜板の軸方向端面に摺接するシュー15a,
15bとを備えている。シューポケット部の内面に凹み
31を設けるとともにその内面に潤滑剤を付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車空調用圧縮
機及びそれに使用されるピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車空調用圧縮機として、斜板
式圧縮機と呼ばれるもの使用されることがある。斜板式
圧縮機は、自動車のエンジンなどにより回転駆動される
斜板と、その斜板の軸方向両端面にそれぞれ対向した対
のシューポケット部を有する往復動式のピストンと、そ
れらのシューポケット部にそれぞれ保持されかつ斜板の
軸方向両端面にそれぞれ摺接する対のシューとを備えて
いる。一般的なシューポケット部は半球状に加工され、
そこにシューの球面状の凸部が収まっている。斜板が回
転駆動されると、シューは斜板に摺接すると共に、シュ
ーポケット部に対しても摺動する。
【0003】圧縮作用時には、特に斜板の圧縮側に位置
したシューポケット部とシューの凸面との摺動による接
触面は圧縮荷重を受ける。即ち、両者の接触面部は過大
な圧縮荷重が掛かる事になる。このため、両者の摺動部
位の潤滑性確保、摺動抵抗軽減は非常に重要であり、この
事が圧縮機の耐久性能に影響を及ぼす事が判つている。
【0004】一般的な従来技術では、例えば、シューポケ
ット部の径とシューの凸面の径とに生じる球径差を適切
範囲に組み合わせる事で潤滑油を取り込み易くし、さら
にシューポケット部の加工粗さを最適値に設計する事も
併せ、両者の潤滑性を確保している。
【0005】また、特開平9−256948号公報のよ
うに、斜板の吸入側に位置したシューポケット部に貫通
孔を形成し、この貫通孔にドリルを通して、斜板の圧縮
側に位置したシューポケット部の内面に凹みを作ること
も提案されている。これによれば、圧縮機の潤滑が不足
した貧潤滑状態においても、貯油された潤滑油と起動直
後のブローパイガスとによって、シューポケット部とシ
ューの凸面との潤滑性及び摺動性を向上させる事ができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】いずれにしても、自動
車空調用圧縮機の一般的な使用状態においては、耐久上
特に問題は無いと考えられる。それは、ピストンのシュ
ーポケット部とシューの凸面との摺動部位には、潤滑油
が存在することが前提となっているからである。
【0007】しかし、製品使用上の初期段階においては、
次に述べるやの理由により、ピストンのシューポケ
ット部とシュー凸面の摺動部位は過渡的に不安定な摺動
特性に陥り、圧縮機が故障することが懸念される。
【0008】車両を長期放置しておくと、圧縮機、凝縮
器、蒸発器等の各部の温度差によって、圧縮機のクランク
室内に冷媒が凝縮液化して溜まったり、その反対に蒸発
気化したりして、シュー/斜板/ピストン等の摺動部品
に付着しているオイルが洗い流されたりするので、摺動
部の潤滑油が極端に減り、貧潤滑状態になる。
【0009】摺動部品の摺動特性が安定するまでの
間、揺動性が不安定な過渡領域があり、と連鎖した場
合、過大な摺動抵抗や、摺動部品同士のかじりが発生す
る虞がある。
【0010】上記の一番極端な場合を想定し、ピスト
ンのシューポケット部とシュー凸面との間に潤滑油が存
在しない場合を想定し、無潤滑状態での検証を行った。
この状況にて、圧縮機を起動させた場合は、ピストンのシ
ューポケット部でシューの凸面がかじりを発生して、圧
縮機がロックした。この原因は、ピストンのシューポケ
ット部とシューの凸面との間に潤滑油がない状態で圧縮
荷重が掛かるため、摩擦係数が過大となり、シューが揺動
しなくなり、かじりが起きるためと考えられる。
【0011】上記は俗に言われる「初期馴染み」が形成
されるまでの間の問題である。この間の摺動部品同士の
摺動特性は、部品の微小な出来映えの違い(表面粗さの
違い、材料硬度、寸法等)も影響して異なるが、それらの
部品が馴染むまでの間、摺動特性の不安定な状態になる
事が避けられない。
【0012】特に、容量固定型の斜板式圧縮機は斜板が
その傾角を変位不能であるため、特に上死点及び下死点
付近にピストンが位置した場合は、ピストンのシューポ
ケット部にシューの凸面が浅く収納されるに過ぎない。
このため、シューポケット部の球座面とシューの凸面と
が狭い面積で摺動することとなり、圧縮行程時における
圧縮室からの圧縮反力等により、両者間のロック等の不
具合を生じ易い。
【0013】また、単頭のピストンを用いた片側斜板式
圧縮機は、両頭のピストンを用いた両頭斜板式のものに
比して、ピストンはヘッド側とシュー側とでバランスが
悪いことから、シューポケット部の球座面とシューの凸
面とに圧縮反力以外の力が作用し、両者間のロック等の
不具合を生じ易い。
【0014】また、圧縮機を車両に搭載し、輸送、放置等
により、長期間に渡り放置しておくと、圧縮機、凝縮器、蒸
発器等各部の温度差によって、圧縮機のクランク室内に
冷媒が凝縮液化して溜まったり、逆に、圧縮機のクランク
室内の冷媒が蒸発気化したりする。また、この現象が繰
り返されることにより、クランク室内の潤滑油が圧縮機
外に持ち出されて、半球状のスライディングシュー、斜板
等の摺動面が乾いてしまう現象が起こる。更に、ピスト
ンポケット部面も上記同様に乾いてしまう事も判ってい
る。
【0015】圧縮機を車両に搭載後、使用される初期段
階においては摺動部位同士の初期馴染みが形成されてお
らず、更に上記の様なクランク室内の各摺動部品に付着
している潤滑油が無くなつている状況が同時に起こりう
る。この環境下での圧縮機の使用は最も危険であり、圧
縮機起動直後(1〜2秒以下)でかじりにより圧縮機が
ロックに至る可能性がある。
【0016】この様な最悪状況を考慮した場合、特開平
9−256948号公報のように、シューポケット部と
シューの凸面との間に潤滑油を貯油する構造では、閉塞
されているとはいえ、貯油されている潤滑油が長期に渡
る車両放置によって、複数個使用しているピストンのう
ち、何個所かは洗い流されてしまう個所が出来てしま
う。これは、部品同士のクリアランスにより閉塞されな
い個所が出来てしまうからと考えられる。
【0017】また、斜板の吸入側に位置したシューポケ
ット部の潤滑性確保は、圧縮機が起動後、ブローパイガ
スに含まれる潤滑油を斜板中央付近の貫通穴と経由して
導入し、ピストンポケット部とシュー凸面とを潤滑させ
るものであるが、このブローパイガスに含まれる潤滑油
が行き渡る時間は、クランク室内に凝縮された冷媒液が
存在する場合、平均、圧縮機起動後少なくとも数秒以上
かかることが予想され、圧縮機起動直後のかじりに対し
て、効力が小さいと考えられる。
【0018】それ故に本発明の課題は、潤滑不足による
初期故障を未然に防止した自動車空調用圧縮機を提供す
ることにある。
【0019】本発明の他の課題は、上述の自動車空調用
圧縮機に使用されるピストンを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転駆
動される斜板と、前記斜板の軸方向端面に対向したシュ
ーポケット部を有する往復動式のピストンと、前記シュ
ーポケット部に保持されかつ前記斜板の軸方向端面に摺
接するシューとを備えた自動車空調用圧縮機において、
前記シューポケット部の内面に凹みを設けるとともに該
内面に潤滑剤を付着させてあることを特徴とする自動車
空調用圧縮機が得られる。
【0021】前記潤滑剤は固体潤滑剤であってもよい。
【0022】本発明によれば、回転駆動される斜板と、
前記斜板の軸方向端面に対向したシューポケット部を有
する往復動式のピストンと、前記シューポケット部に保
持されかつ前記斜板の軸方向端面に摺接するシューとを
備えた自動車空調用圧縮機において、前記シューポケッ
ト部の内面に凹みを設けるとともに該内面にグリースを
その粘性により付着させてあることを特徴とする自動車
空調用圧縮機が得られる。
【0023】前記凹みの内面は球面状であってもよい。
【0024】前記シューは前記シューポケット部に対向
する凸面を有し、前記凹みは前記凸面にて閉塞されてい
てもよい。
【0025】本発明によれば、斜板式自動車空調用圧縮
機で用いるピストンにおいて、斜板の軸方向両端面にそ
れぞれ摺接する対のシューをそれぞれ保持するための対
のシューポケット部を有し、前記対のシューポケット部
のうちの少なくとも一方の内面に凹みを設けるとともに
該内面に潤滑剤を付着させてあることを特徴とするピス
トンが得られる。
【0026】前記潤滑剤は固体潤滑剤であってもよい。
【0027】前記凹みは鍛造加工或いは切削加工にて形
成されたものであってもよい。
【0028】前記対のシューポケット部は、一方が前記
凹みを有し、他方が前記凹みに対向した貫通孔を有し、
前記凹みはドリル加工にて形成されたものであってもよ
い。
【0029】
【発明の実施の形態】図1−図3を参照して、本発明の
第1の実施の形態に係る自動車空調用圧縮機について説
明する。
【0030】図1の自動車空調用圧縮機は所謂片斜板式
固定容積圧縮機であり、所定端面11に開口したシリン
ダボア12を周辺部に有するシリンダブロック13と、
所定端面11に対向配置された一定の角度を保って回転
する斜板14と、シリンダボア12内に挿入されかつ斜
板14の外周部に対のシュー15a,15bを介して係
合した片頭ピストン16とを備えている。この自動車空
調用圧縮機においては、斜板14はクランク室17に配
置され、シリンダブロック13及びフロントハウジング
18とに回転可能に支持されたシャフト19に固定され
ている。
【0031】シャフト19が自動車のエンジンなどによ
り回転駆動されると、斜板14も回転する。斜板14の
回転運動は、シュー15が斜板14の軸方向両端面に摺
動することを伴ってピストン16の往復運動に変換され
る。したがって、ピストン16がシリンダボア12内で
軸方向で往復動し、吸入室21の流体即ち冷媒ガスをシ
リンダボア12を通して吐出室22に移送する。なお、
吸入室21及び吐出室22を規定するシリンダヘッド2
3とシリンダブロック13との間には、冷媒ガスの流れ
を制御する弁板アセンブリ24が備えられている。
【0032】ピストン16は、シリンダボア12内で摺
動する本体部25と、本体部25と一体に形成されクラ
ンク室17に位置した係合部26とを有している。係合
部26には溝27が形成されている。溝27の側壁に
は、シュー15a,15bをそれぞれ保持した対のシュ
ーポケット部28a,28bが形成されている。シュー
15a,15bの各々は球面形に沿った凸面を有してい
る。シューポケット部28a,28bの各々も、シュー
15a,15bの凸面と同等な球面形に沿った凹面を有
している。そして、シューポケット部28a,28bの
各々の凹面にシュー15a,15bの凸面を摺動可能に
受け入れている。したがって、シュー15a,15bは
シューポケット部28a,28bに対し揺動可能であ
る。
【0033】さらに、図1に加えて図2をも参照して、
シューポケット部28a,28bの形状について説明を
続ける。なお以下の説明では、斜板14からみて本体部
25側即ち圧縮側に位置したシューポケット部28aを
圧縮側シューポケット部と呼び、本体部25とは反対側
即ち吸入側に位置したシューポケット部28bを吸入側
シューポケット部と呼ぶ。
【0034】圧縮側シューポケット部28aの中央に
は、貫通孔33から軸方向に窪んだ半球状の凹み31
が、本体部25の内部空所32に連通することのないよ
うに未貫通に形成されている。凹み31の直径は概ね3
mm以下が望ましい。
【0035】他方、吸入側シューポケット部28bの中
央には、凹み31に対向した位置に軸方向にのびた貫通
孔33が形成されている。貫通孔33の直径は概ね3m
m以下が望ましい。
【0036】凹み31及び貫通孔33は、図3に示した
ように、ピストン16の外部からドリル34を用いたド
リル加工を軸方向に施すことによって簡単に形成され得
る。即ち、ドリル34によって貫通孔33を形成した
後、さらに凹み31を形成する。
【0037】圧縮側シューポケット部28a及び吸入側
シューポケット部28bの各々の内面に、粘度の高い潤
滑剤であるグリースをその粘性により付着させる。グリ
ースは、圧縮側シューポケット部28a及び吸入側シュ
ーポケット部28bのいずれか一方にのみ備えられるこ
ともある。圧縮機の作動時に加わる反力を考慮すると、
少なくとも圧縮側シューポケット部28aにはグリース
を備えることが望ましい。
【0038】しかる後に、このピストン16を用いて圧
縮機を組み立てると、凹み31はシュー15aの凸面に
よって閉塞される。したがって、圧縮機の使用初期状態
にて、長期車両が停止状態にありクランク室内潤滑油が
枯渇状態にあっても、グリースは冷媒に洗い流され難く、
凹み31によりグリースの保持性が良好に得られ、圧縮
機起動時及び起動直後にも十分な潤滑効果を持ち、圧縮
機初期故障を未然に防ぐ事に貢献する。グリースが無く
なるまでには、シューポケット面とシュー凸面の初期馴
染みが形成され、その役割は十分果たすことが検証され
た。
【0039】また、貫通孔33を開けてある吸入側シュ
ーポケット部28bは、圧縮荷重があまりかからない部
分であるため、初期馴染みが一旦形成されれば、それ以降
は、圧縮機運転時の所謂ブローパイガスに含まれる潤滑
油が貫通孔33を通じて、吸入側シューポケット部28
bとシュー15bの凸面との間に入り込み易くなるた
め、潤滑的には十分であると考えられ、さらに、通常運転
時の潤滑性が維持できる。
【0040】なお、圧縮側シューポケット部28aに貫
通孔を形成し、吸入側シューポケット部28bに凹みを
形成してもよい。
【0041】次に図1と共に図4及び図5を参照して、
本発明の第2の実施の形態に係る自動車空調用圧縮機に
ついて説明する。同様な部分については同じ参照符号を
付して説明を省略する。
【0042】図4においては、吸入側シューポケット部
28bにも、貫通孔を形成することなく、圧縮側シュー
ポケット部28aの凹み31と同様な形状及び寸法の凹
み35を形成している。凹み31,35は軸方向で互い
に対向する位置に形成されている。したがって、吸入側
シューポケット部28bには貫通孔は形成されない。
【0043】これらの凹み31,35は、図5に示すよ
うにボールエンドミル36による切削加工を適用するこ
とによって簡単に形成できる。なお、凹み31,35は
鍛造加工により形成されてもよい。
【0044】圧縮側シューポケット部28a及び吸入側
シューポケット部28bの各々の内面に、粘度の高い潤
滑剤であるグリースをその粘性により付着させる。グリ
ースは、圧縮側シューポケット部28a及び吸入側シュ
ーポケット部28bのいずれか一方にのみ備えられるこ
ともある。圧縮機の作動時に加わる反力を考慮すると、
少なくとも圧縮側シューポケット部28aにはグリース
を備えることが望ましい。
【0045】しかる後に、このピストン16を用いて圧
縮機を組み立てると、凹み31,35はシュー15a,
15bの凸面によって閉塞される。したがって、圧縮機
の使用初期状態にて、長期車両が停止状態にありクラン
ク室内潤滑油が枯渇状態にあっても、グリースは冷媒に
洗い流され難く、凹み31,35によりグリースの保持
性が良好に得られ、圧縮機起動時及び起動直後の過渡的
な貧潤滑運転に対して潤滑効果を持ち、圧縮機初期故障
を未然に防ぐ事に貢献する。このように、初期馴染みが
形成されるまでの間、潤滑性を保持し、潤滑面での効果
は大きい。
【0046】いずれはグリースが無くなってしまうが、
凹み31,35はグリースが無くなつた後も次の効果が
期待できる。即ち、通常の圧縮機運転時、シューポケッ
ト部とシューの凸面との間に取り込まれた潤滑油は、グ
リースに入れ替わり凹み31,35に貯油される。凹み
31,35は閉塞されている、潤滑油の保持性が良好で
ある。このため、中長期的にはグリースと入れ変わり、貧
潤滑時の潤滑性維持に寄与すると考えられる。
【0047】上述では、片斜板式固定容積圧縮機につい
て説明したが、図6に示すように片斜板式容量制御圧縮
機においても同様に実施できる。
【0048】図6の片斜板式容量制御圧縮機において、
図1と同様な部分については同じ参照符号を付して説明
を省略する。
【0049】回転駆動されるシャフト19にロータ37
が固定されている。斜板14はヒンジ機構38によりロ
ータ37にそれと一緒に回転するように結合されてい
る。こうして斜板14はシャフト19に対する傾角を可
変にされている。
【0050】圧縮機の駆動時には、容量制御弁39の動
作を伴い、周知の原理及び機構にしたがい斜板14の傾
角が変動する。これにしたがって、ピストン16のスト
ロークが変わり、圧縮容量を制御する。
【0051】なお、上述した以外の斜板式圧縮機にも本
発明が適用可能なことは言うまでもない。
【0052】また、上述では潤滑剤として粘度の高いグ
リースを用いた例を説明したが、固体潤滑剤、例えば、
二硫化モリブデン、グラファイト、二硫化タングステ
ン、PTFE、カーボン、錫等を用いることも効果的で
ある。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
潤滑不足による初期故障を未然に防止した自動車空調用
圧縮機及びそれに使用されるピストンを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動車空調用
圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1の自動車空調用圧縮機に使用されたピスト
ンを示し、(a)は要部のみの側面図、(b)は圧縮側
シューポケット部の拡大図、(c)は吸入側シューポケ
ット部の拡大図である。
【図3】図2のピストンの加工方法を示し、(a)は要
部のみの側面図、(b)は圧縮側シューポケット部の拡
大図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る自動車空調用
圧縮機に使用されたピストンを示し、(a)は要部のみ
の側面図、(b)は吸入側シューポケット部の拡大図で
ある。
【図5】図4のピストンの加工方法を示し、(a)は要
部のみの側面図、(b)は吸入側シューポケット部の拡
大図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る自動車空調用
圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
11 所定端面 12 シリンダボア 13 シリンダブロック 14 斜板 15a,15b シュー 16 片頭ピストン 17 クランク室 18 フロントハウジング 19 シャフト 21 吸入室 22 吐出室 23 シリンダヘッド 24 弁板アセンブリ 25 ピストンの本体部 26 ピストンの係合部 27 ピストンの溝 28a,28b シューポケット部 31 凹み 32 内部空所 33 貫通孔 34 ドリル 35 凹み 36 ボールエンドミル 37 ロータ 38 ヒンジ機構 39 容量制御弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される斜板と、前記斜板の軸方
    向端面に対向したシューポケット部を有する往復動式の
    ピストンと、前記シューポケット部に保持されかつ前記
    斜板の軸方向端面に摺接するシューとを備えた自動車空
    調用圧縮機において、前記シューポケット部の内面に凹
    みを設けるとともに該内面に潤滑剤を付着させてあるこ
    とを特徴とする自動車空調用圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤は固体潤滑剤である請求項1
    に記載の自動車空調用圧縮機。
  3. 【請求項3】 回転駆動される斜板と、前記斜板の軸方
    向端面に対向したシューポケット部を有する往復動式の
    ピストンと、前記シューポケット部に保持されかつ前記
    斜板の軸方向端面に摺接するシューとを備えた自動車空
    調用圧縮機において、前記シューポケット部の内面に凹
    みを設けるとともに該内面にグリースをその粘性により
    付着させてあることを特徴とする自動車空調用圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記凹みの内面は球面状である請求項3
    に記載の自動車空調用圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記シューは前記シューポケット部に対
    向する凸面を有し、前記凹みは前記凸面にて閉塞されて
    いる請求項3又は4に記載の自動車空調用圧縮機。
  6. 【請求項6】 斜板式自動車空調用圧縮機で用いるピス
    トンにおいて、斜板の軸方向両端面にそれぞれ摺接する
    対のシューをそれぞれ保持するための対のシューポケッ
    ト部を有し、前記対のシューポケット部のうちの少なく
    とも一方の内面に凹みを設けるとともに該内面に潤滑剤
    を付着させてあることを特徴とするピストン。
  7. 【請求項7】 前記潤滑剤は固体潤滑剤である請求項6
    に記載のピストン。
  8. 【請求項8】 前記凹みは鍛造加工或いは切削加工にて
    形成されたものである請求項6又は7に記載のピスト
    ン。
  9. 【請求項9】 前記対のシューポケット部は、一方が前
    記凹みを有し、他方が前記凹みに対向した貫通孔を有
    し、前記凹みはドリル加工にて形成されたものである請
    求項6又は7に記載のピストン。
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