JPH07258894A - 金めっき材の封孔処理方法 - Google Patents

金めっき材の封孔処理方法

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JPH07258894A
JPH07258894A JP5383494A JP5383494A JPH07258894A JP H07258894 A JPH07258894 A JP H07258894A JP 5383494 A JP5383494 A JP 5383494A JP 5383494 A JP5383494 A JP 5383494A JP H07258894 A JPH07258894 A JP H07258894A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境汚染性がなく、しかも接触抵抗が低く、
高耐食性の金めっき材(接点)を形成する封孔処理方法
の提供。 【構成】 基材金属にニッケルまたはニッケルを含有す
る合金めっき等を下地として具備する金または金合金め
っき材の封孔処理方法において、インヒビターとして特
定のメルカプトベンゾチアゾール誘導体の1種もしくは
2種以上を合計で10〜1000ppm含有する封孔処
理水溶液中で該めっき材を陽極として、直流電解するに
あたり、陽極電流密度を0.05mA/dm2以上、通
電量を0.05×10-3〜50×10-3クーロン/dm
2の範囲で実施することを特徴とする金または金合金め
っき材の封孔処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅合金、鉄、ステンレス
鋼、高ニッケル合金等の金属材料を基材とし、これにニ
ッケルまたはニッケル含有合金めっきを付したものを下
地として具備する金または金合金めっき材の封孔処理方
法及び封孔処理されたコネクタ接触子に関する。特に金
及び金合金めっき厚が薄くても高耐食性、電気的接触性
能の長期安定性を示し、かつ潤滑性に優れる封孔処理
液、封孔処理方法及び封孔処理された接触子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子機器用接続部品としてコネクタは最
も代表的なものであり、多種多様のコネクタが実用化さ
れている。電算機や通信用機器等高度の信頼性が要求さ
れる、いわゆる産業用電子機器に使用されるコネクタ
は、りん青銅、ベリリウム銅等のバネ用銅合金を母材と
し、金めっきをしたものが一般に使用されている。しか
し、金は高価であるため、コネクタ製造コストを下げる
目的で様々な方法が採られている。その代表的な方法が
金めっきの厚みを薄くする方法であるが、金めっき厚を
薄くするとともに、皮膜のピンホールが指数関数的に増
え、耐食性が著しく低下するという問題を抱えている。
この問題を解決する方法のひとつに封孔処理がある。す
なわち、各種の無機性あるいは有機性の薬品で金めっき
表面を処理し、ピンホールを塞ぎ耐食性を向上させよう
とするものである。封孔処理には有機系と水系がある。
有機系は一般にはハロゲン系有機溶剤が溶媒に使用され
ることから環境汚染の問題が生じる。水系はクロメート
法が代表的なものであり、効果があるが接触抵抗が上昇
するという場合があり、また環境汚染の問題がある。さ
らに水系ではパラフィン等の従来の有機系封孔処理液に
添加されていた潤滑成分の溶解度が低いため、水系で処
理しためっきは潤滑性が低く、コネクタの挿抜性を損な
うものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、環境汚染性に
問題がなく、かつ従来と同等もしくはそれ以上の封孔処
理効果を有する封孔処理液及び封孔処理方法が必要とな
っている。本発明はこのような要求を満たすことのでき
る改善された封孔処理液及びそれを用いる封孔処理方法
を提供することを目的とし、あわせてそれによって処理
されたコネクタを提供することを目的としたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者等は鋭意研究を行った結果、以下に示す封孔処理方
法及び封孔処理されたコネクタ接触子を発明するに至っ
た。すなわち、本発明は(1)基材金属にニッケルまた
はニッケルを含有する合金めっきを施した材料を下地と
して具備する金または金合金めっき材の封孔処理方法に
おいて、インヒビターとして下記式(1)で表わされる
メルカプトベンゾチアゾール誘導体を1種もしくは2種
以上を合計で10〜1000ppm含有する封孔処理水
溶液中で、該メッキ材を陽極として直流電解するにあた
り、陽極電流密度0.05mA/dm2以上、通電量
0.05×10-3〜50×10-3クーロン/dm2の範
囲で実施することを特徴とする金または金合金めっき材
の封孔処理方法、(2)上記(1)記載の封孔処理水溶
液に、さらに潤滑剤として下記式(2)で表わされる脂
肪酸石ケン、下記式(3)で表わされるベタイン型両性
界面活性剤、下記式(4)で表わされるアミノカルボン
酸塩、下記式(5)で表わされるイミダゾリン型化合
物、下記式(6−1)〜(6−3)で表わされるアルキ
ルエーテル燐酸エステル(モノエステル、ジエステル、
トリエステルのうちの1種又は2種以上の混合物)、下
記式(7−1)〜(7−3)で表わされるアルキル燐酸
エステル(モノエステル、ジエステル、トリエステルの
うちの1種又は2種以上の混合物)、下記式(8)で表
わされるフッ化炭素系化合物(フッ素系界面活性剤)の
うち1種類もしくは2種類以上を合計で50〜1000
0ppm含有することを特徴とする上記(1)記載の封
孔処理方法、(3)封孔処理水溶液がさらにニッケルま
たは基材金属とキレート化合物を形成することができる
環状窒素化合物の1種もしくは2種以上を、メルカプト
ベンゾチアゾール誘導体と合わせて10〜1000pp
m含有することを特徴とする上記(1)または(2)記
載の封孔処理方法および、(4)上記方法で封孔処理さ
れたコネクタ接触子である。また、本発明の封孔処理方
法は、これを換言すれば、封孔処理されたコネクタ接触
子などの金めっき材の製造方法でもある。
【0005】本発明は被処理材の電極電位を下地めっき
であるニッケルの酸化領域に保持して直流電解すること
により、金めっきのピンホール内部の下地金属であるニ
ッケルを酸化させ、ニッケルとメルカプトベンゾチアゾ
ール誘導体とを反応させ、錯化合物をピンホールに充填
させることにより封孔処理効果を持たせる方法である。
直流電解するにあたって、陽極電流密度を0.05mA
/dm2以上としたのは、それ未満の陽極電流密度では
防錆効果が著しく低くなるためである。また、通電量を
0.05×10-3〜50×10-3クーロン/dm2とし
たのは0.05×10-3クーロン/dm2未満では防錆
処理皮膜が充分に形成されないため、封孔処理効果が小
さくなり、また50×10-3クーロン/dm2を越える
と防錆処理皮膜が厚くなり、接触抵抗が高くなるためで
ある。
【0006】インヒビターの総量を10〜1000pp
mとしたのは、10ppm未満の濃度では封孔処理機能
が低く、また1000ppmを越える濃度では接触抵抗
が上昇するためである。本発明にて使用するインヒビタ
ーは、前記したようにメルカプトベンゾチアゾール誘導
体で、
【0007】
【化7】
【0008】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キル、ハロゲンを表し、R2はアルカリ金属、水素、ア
ルキル、置換アルキル、置換アミノ基を表す)で表わさ
れる。R1,R2で示されるアルキルとしては、例えば炭
素数1〜10、好ましくは1〜3の直鎖状または分枝状
アルキルで、アルキルの置換基としては、カルボキシル
基、そのアルカリ金属塩、フッ化炭素などがある。また
置換アミノ基としては(C492N−などが好まし
い。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リ
チウムが好ましい。式(1)で表わされるメルカプトベ
ンゾチアゾール誘導体としてとくに好ましいものを挙げ
ると、
【0009】
【化8】
【0010】等がある。また本発明はこれら封孔処理液
中に、下記式(2)で表わされる脂肪酸石ケン、下記式
(3)で表わされるベタイン型両性界面活性剤、下記式
(4)で表わされるアミノカルボン酸塩、下記式(5)
で表わされるイミダゾリン型化合物、下記式(6−1)
〜(6−3)で表わされるアルキルエーテル燐酸エステ
ル(モノエステル、ジエステル、トリエステルうちの1
種又は2種以上の混合物)、下記式(7−1)〜(7−
3)で表わされるアルキル燐酸エステル(モノエステ
ル、ジエステル、トリエステルのうちの1種又は2種以
上の混合物)、下記式(8)で表わされるフッ化炭素系
化合物(フッ素系界面活性剤)のうち1種類もしくは2
種類以上を、潤滑成分として添加し、これら潤滑成分で
ある界面活性剤が金めっき表面に吸着し、金めっき材の
潤滑性を向上させる封孔処理方法でもある。 RCOOM (2) (式中、Rはアルキル、アルケン、アルキンを、Mはア
ルカリ金属を表わす)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、R1はアルキル、アルケンを、
2,R3は水素、アルキル、アルケンを、Xは−COO
-,−SO3 -をnは1〜2を表わす)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Rはアルキル、アルケン、nは1
〜2を表わす)
【0015】
【化11】
【0016】(式中、Rはアルキル、アルケンを表わ
す)
【0017】
【化12】
【0018】(式中、Rはアルキル、置換アルキルを表
わし、Mは水素、アルカリ金属をnは酸化エチレンの平
均付加モル数を表わす)
【0019】
【化13】
【0020】(式中、Rはアルキル、置換アルキルを表
わし、Mは水素、アルカリ金属を表わす) RF−X (8) (式中、RFはフッ化炭素、XはI-、COO-、S
3 -、OH、C65を表わす) 前記式(2)で表わされる脂肪酸石けんにおけるRで示
されるアルキル、アルケン又はアルキンとしては、例え
ば炭素数6〜30、好ましくは11〜17の直鎖状また
は分枝状のアルキルまたはアルケンが用いられる。Mと
してはナトリウム、カリウム、リチウムが好ましい。と
くに好ましい脂肪酸石けんの具体例としては、例えばオ
レイン酸カリウムC1733COOK、ステアリン酸ナト
リウムC1735COONa、ステアロール酸ナトリウム
1731COONaなどがある。前記式(3)で表わさ
れるベタイン型両性界面活性剤におけるR1,R2,R3
で示されるアルキル又はアルケンとしては、例えば炭素
数1〜30、好ましくは1〜17の直鎖状又は分枝状の
アルキル又はアルケンが用いられる。とくに好ましいベ
タイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば式
(3)においてR1がC1225、R2,R3がCH3、nが
1のものR1がC1735、R2,R3がCH3、nが2のも
のなどがある。
【0021】前記式(4)で表わされるアミノカルボン
酸塩におけるRで示されるアルキル、アルケンとして
は、例えば炭素数1〜30、好ましくは1〜17の直鎖
状又は分枝状のアルキル、アルケンが用いられる。アミ
ノカルボン酸塩のとくに好ましい具体例としては、例え
ば式(4)においてRがC1225でnが1のもの、Rが
1735でnが2のものなどがある。前記式(5)で表
わされるイミダゾリン型化合物におけるRで示されるア
ルカン、アルケンとしては、例えば炭素数6〜30、好
ましくは11〜17の直鎖状又は分枝状のアルキル又は
アルケンが用いられる。イミダゾリン型化合物のとくに
好ましい具体例としては、例えば式(5)におけるRが
1021、C1225などのものがある。
【0022】前記式(6−1)〜(6−3)で表わされ
るアルキルエーテル燐酸エステルにおけるRで示される
アルキルとしては、例えば炭素数6〜30、好ましくは
8〜18の直鎖状又は分枝状のアルキルが用いられる。
その置換基としては、例えばアルキルフェニル基が好ま
しい。Mがアルカリ金属を示す場合、ナトリウム、カリ
ウム、リチウムが好ましい。アルキルエーテル燐酸エス
テルの特に好ましい具体例としては、例えば式6−2に
おけるRがC817で、MがH,nが1のもの、6−1
におけるRがC1225、MがH、nが4のものなどがあ
る。前記式(7−1)〜(7−3)で表わされるアルキ
ル燐酸エステルにおけるRで示されるアルキルとして
は、例えば炭素数1〜18、好ましくは4〜12の直鎖
状又は分枝状のアルキルが用いられる。その置換基とし
ては例えばアルキルフェニル基などが好ましい。またM
で示されるアルカリ金属はナトリウム、カリウム、リチ
ウムが好ましい。アルキル燐酸エステルの特に好ましい
具体例としては、例えば式7− において、RがC
49、MがHのもの、7−1においてRがC1021、M
がNaのものなどがある。
【0023】さらに前記式(8)で表わされるフッ化炭
素系化合物におけるRFで示されるフッ化炭素として
は、例えば炭素数2〜30、好ましくは8〜18の直鎖
状、または分枝状のパーフルオロアルキルが用いられ
る。フッ化炭素系化合物の特に好ましい具体例として
は、例えばRFがC715、XがCOOHのもの、RF
1225、XがSO3Hのものなどがある。これら潤滑
成分としての界面活性剤の添加量は50〜10000p
pmが好ましい。50ppm未満の濃度では潤滑性の向
上がみられず、また10000ppmを越える濃度では
接触抵抗が増加するためである。また、界面活性剤の添
加はインヒビターの溶解促進剤としても有効である。さ
らに本発明は上記封孔処理液に、銅などの基材金属又は
ニッケルとキレート化合物を形成することができる環状
窒素化合物の1種もしくは2種以上をインヒビターとし
て添加し、封孔処理効果(防錆効果)をさらに高める方
法でもある。このような環状窒素化合物としては、例え
ば下記式(9)で表わされるベンゾトリアゾール系化合
物、下記式(10)で表わされるインダゾール系化合
物、下記式(11)で表わされるベンズイミダゾール系
化合物、下記式(12)で表わされるインドール系化合
物、下記式(13)で表わされる1,3,5−トリアジ
ンチオール系化合物等が有効である。
【0024】
【化14】
【0025】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、
置換アルキルを表わす)
【0026】
【化15】
【0027】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アシル、ア
ルキル、置換アルキルを表わす)
【0028】
【化16】
【0029】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アシル、ア
ルキル、置換アルキルを表わす)
【0030】
【化17】
【0031】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はカルボキシル基、アルカリ金属、
水素、アルキル、置換アルキルを表わす)
【0032】
【化18】
【0033】(式中、R1は−SH、またはアルキル基
又はアリール基で置換されたアミノ基を表わし、M1
2は水素、アルカリ金属を表わす。) 前記式(9)で表わされるベンゾトリアゾール系化合物
におけるR1またはR2で示されるアルキルとしては例え
ば炭素数1〜10、好ましくは1〜3の直鎖状または分
枝状のアルキルが用いられる。その置換基としては例え
ばカルボキシル基、そのアルカリ金属塩が好ましい。R
2がアルカリ金属を示す場合は、ナトリウム、カリウ
ム、リチウムが好ましい。特に好ましい具体例を挙げる
と例えば
【0034】
【化19】
【0035】などがある。
【0036】前記式(10)で表わされるインダゾール
系化合物におけるR1またはR2で示されるアルキルとし
ては、例えば炭素数1〜10、好ましくは1〜3の直鎖
状または分枝状のアルキルが用いられる。その置換基と
しては、例えばフェニル、カルボキシル基などが好まし
い。R2がアシル基を示す場合、好ましくはアセチル
基、ベンゾイル基である。またR2がアルカリ金属を示
す場合はナトリウム、カリウム、リチウムが好ましい。
インダゾール系化合物の特に好ましい具体例を挙げれ
ば、例えば
【0037】
【化20】
【0038】などがある。
【0039】前記式(11)で表わされるベンズイミダ
ゾール系化合物におけるR1,R2で示されるアルキルと
しては、例えば炭素数1〜10、好ましくは1〜3の直
鎖状または分枝状のアルキルが用いられる。その置換基
としては、カルボキシル基、そのアルカリ金属塩などが
好ましい。R2がアシル基を示す場合、好ましくはアセ
チル基、ベンゾイル基などである。R2がアルカリ金属
を示す場合はナトリウム、カリウム、リチウムが好まし
い。ベンズイミダゾール系化合物の特に好ましい具体例
を挙げれば、例えば
【0040】
【化21】
【0041】などがある。
【0042】前記式(12)で表わされるインドール系
化合物におけるR1,R2で示されるアルキルとしては、
例えば炭素数1〜10、好ましくは1〜3の直鎖状また
は分枝状のアルキルが用いられる。その置換基として
は、カルボキシル基、そのアルカリ金属塩などが好まし
い。R2がアルカリ金属を示す場合は、好ましくはナト
リウム、カリウム、リチウムである。インドール系化合
物の特に好ましい具体例を挙げれば、
【0043】
【化22】
【0044】などがある。前記式(13)で表わされる
1,3,5−トリアジンチオール系化合物におけるR1
で示される置換アミノ基のアルキル置換基は、例えば炭
素数1〜30、好ましくは4〜18の直鎖状または分枝
状のアルキルが用いられる。またアリール置換基は例え
ばフェニルなどが好ましい。M1,M2がアルカリ金属を
示す場合、好ましいのはナトリウム、カリウム、リチウ
ムである。1,3,5−トリアジンチオール系化合物の
特に好ましい具体例を挙げると、
【0045】
【化23】
【0046】などがある。
【0047】これらインヒビターの添加量は、メルカプ
トベンゾチアゾール誘導体と合わせて10〜1000p
pmが好ましい。10ppm未満の濃度ではその添加効
果が低く、1000ppmをこえる濃度では接触抵抗が
上昇するためである。封孔処理は線材、板材、条材など
素材の段階でめっき後行う場合は、めっき品をプレス加
工後に本発明の封孔処理液及び封孔処理方法で封孔処理
することも有効である。めっき後封孔処理した金属材料
であっても、その後のプレス加工で付着したプレス油等
を洗浄する工程において、封孔処理の効果が低下するこ
とがある。そこで再度の封孔処理が有効となる。プレス
加工後にめっきと封孔処理を施すこともできる。
【0048】その後のコネクタの加工工程においても、
最終の電子機器組立まで、めっき品の洗浄工程があれば
同様に封孔処理効果は低下するため、適宜本発明により
封孔処理することが有効である。従って、本発明は本発
明封孔処理方法によって処理されたコネクタも包含する
ものである。なお、本発明におけるめっき母材となる金
属材料は、銅、黄銅、りん青銅、チタン銅、ベリリウム
銅等の各種銅合金、鉄、ステンレス鋼、高ニッケル合金
等のコネクタの要求特性に従い適宜選択でき、何等制限
されない。めっき材のめっき方法については、電気メッ
キ、無電解めっき、あるいはCVD、PVD等の乾式め
っき等の公知のものを適用でき、制限されない。さらに
めっき条件は公知の方法が適用できる。金合金めっきと
しては金をベースとする合金めっきであって、用途によ
り適宜選ばれる。コネクタ用途では耐摩耗性を向上する
ために、コバルトを微量含む硬質めっきが広く使用され
ている。下地めっきはニッケル、ニッケルにパラジウム
を80〜90%合金化したもの、あるいはニッケルにコ
バルトを60〜80%合金化したもの等が一般的である
が、ニッケルを含有する合金であれば本発明は有効であ
る。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。バネ用りん青銅(C5210−H)の厚み0.2m
mの冷間圧延材を用い、雄及び雌の連続端子をそれぞれ
プレス成形した。これらをリール・ツウ・リールの連続
電気めっきラインを通して電気めっきを施した。めっき
ラインにおいては脱脂、酸洗後、ワット浴による1μm
のニッケルめっき、あるいはアンモニア系のめっき液に
よる0.5μmのPd80%−Ni20%合金めっきを
行い、その上に金あるいは金−コバルト合金を0.1μ
mの厚みで接点部に部分めっきした。また、連続めっき
ラインでは、金めっき後に封孔処理工程を設け、連続端
子を通入することにより封孔処理を施した。こうして表
面処理をした雄と雌の端子をキャリアー部から切断しリ
ード線を圧着した後、それぞれを嵌合し評価試験に供し
た。
【0050】接触抵抗は直流10mA、開放電圧200
mVで測定した。潤滑性は処理後のコネクタ端子の挿抜
力の測定で評価した。腐食条件は次の条件で行った。 ガス組成:H2S 3ppm SO2 10ppm 温度:40±2℃ 湿度:80±5%RH 時間:240時間 結果を表1〜2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】注1)ただし、表中封孔処理液の略号は以
下のとおりである。 A−1〜3:前記式(1)で表わされるメルカプトベン
ゾチアゾール誘導体 A−1:R1=H,R2=Na A−2:R1=R2=H A−3:R1=CH3,R2=H B−1〜7:潤滑成分としての界面活性剤 B−1:前記式(2)で表わされる脂肪酸石ケン(オレ
イン酸カリウム,R=C1733,M=K) B−2:前記式(3)で表わされるベタイン型両性界面
活性剤(R1=C1225,R2=R3=CH3,n=1) B−3:前記式(4)で表わされるアミノカルボン酸塩
(R=C1225,n=1) B−4:前記式(5)で表わされるイミダゾリン型化合
物(R=C1021) B−5:前記式(6−2)で表わされるアルキルエーテ
ルリン酸エステル(R=C817,M=H,n=1) B−6:前記式(7−2)で表わされるアルキルりん酸
エステル(R=C49,M=H) B−7:前記式(8)で表わされるフッ化炭素系化合物
(RF=C715,X=COOH) C−1〜5:メルカプトベンゾチアゾール誘導体以外の
インヒビター C−1:前記式(9)で表わされるベンゾトリアゾール
系化合物(R1=R2=H) C−2:前記式(10)で表わされるインダゾール系化
合物(R1=R2=H) C−3:前記式(11)で表わされるベンズイミダゾー
ル系化合物(R1=R2=H) C−4:前記式(12)で表わされるインドール系化合
物(R1=R2=H) C−5:前記式(13)で表わされる1,3,5−トリ
アジンチオール系化合物〔R1=N(C49),M1
H,M2=Na〕 注2)試験の判定基準は次のとおりである。
【0055】初期接触抵抗、腐食試験後の接触抵抗
(n=5の平均値) ○:10mΩ以下 △:10〜20mΩ ×:20mΩ以上 腐食試験後の外観 ○:腐食生成物なし △:腐食生成物点在 ×:腐食点が全面に認められる 潤滑性(挿抜力) ○:コンタクト1ピンあたりの挿入力290g以下 抜
去力220g以下 △:コンタクト1ピンあたりの挿入力290〜300g
抜去力220〜230g ×:コンタクト1ピンあたりの挿入力300g以上 抜
去力230g以上
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により封孔処
理された金めっき材は、封孔処理直後の接触抵抗が低
く、過酷な腐食環境においても接触性能の長期安定性
(高耐食性、低接触抵抗値)を示すという利点を有す
る。また、脂肪酸石ケン等の界面活性剤を添加した処理
液で封孔処理された金めっき材は、これらの利点に加え
て、さらに潤滑性が高いという特徴を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材金属にニッケルまたはニッケルを含
    有する合金めっき等を下地として具備する金または金合
    金めっき材の封孔処理方法において、インヒビターとし
    て下記式(1)で表わされるメルカプトベンゾチアゾー
    ル誘導体の1種もしくは2種以上を合計で10〜100
    0ppm含有する封孔処理水溶液中で該めっき材を陽極
    として直流電解するにあたり、陽極電流密度を0.05
    mA/dm2以上、通電量を0.05×10-3〜50×
    10-3クーロン/dm2の範囲で実施することを特徴と
    する金または金合金めっき材の封孔処理方法。 【化1】 (式中、R1は水素、アルキル、置換アルキル、ハロゲ
    ンを表し、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、置換
    アルキル、置換アミノ基を表す)
  2. 【請求項2】 封孔処理水溶液が、さらに潤滑剤として
    下記式(2)で表わされる脂肪酸石ケン、下記式(3)
    で表わされるベタイン型両性界面活性剤、下記式(4)
    で表わされるアミノカルボン酸塩、下記式(5)で表わ
    されるイミダゾリン型化合物、下記式(6−1)〜(6
    −3)で表わされるアルキルエーテルりん酸エステル
    (モノエステル、ジエステル、トリエステルのうちの1
    種又は2種以上の混合物)、下記式(7−1)〜(7−
    3)で表わされるアルキルりん酸エステル(モノエステ
    ル、ジエステル、トリエステルのうちの1種又は2種以
    上の混合物)、下記式(8)で表わされるフッ化炭素系
    化合物(フッ素系界面活性剤)のうち1種類もしくは2
    種類以上を合計で50〜10000ppm含有すること
    を特徴とする請求項1記載の封孔処理方法。 RCOOM (2) (式中、Rはアルキル、アルケン、アルキンをMはアル
    カリ金属を表わす) 【化2】 (式中、R1はアルキル、アルケンを、R2,R3は水
    素、アルキル、アルケンを、Xは−COO-、−SO3 -
    を、nは1〜2を表す) 【化3】 (式中、Rはアルキル、アルケン、nは1〜2を表わ
    す) 【化4】 (式中、Rはアルキル、アルケンを表わす) 【化5】 (式中、Rはアルキル、置換アルキルを表わし、Mは水
    素、アルカリ金属をnは酸化エチレンの付加モル数を表
    わす) 【化6】 (式中、Rはアルキル、置換アルキルを表わし、Mは水
    素、アルカリ金属を表わす) RF−X (8) (式中、RFはフッ化炭素、XはI-、COO-、S
    3 -、OH、C65等を表わす)
  3. 【請求項3】 封孔処理水溶液がさらにニッケルまたは
    基材金属とのキレート形成性環状窒素化合物の1種もし
    くは2種以上を、メルカプトベンゾチアゾール誘導体と
    合わせて10〜1000ppm含有することを特徴とす
    る請求項1、または2記載の封孔処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の方法で封孔
    処理されたコネクタ接触子。
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