JPH0725817A - アルキルビフェニルカルボン酸の製造法 - Google Patents

アルキルビフェニルカルボン酸の製造法

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JPH0725817A
JPH0725817A JP5191799A JP19179993A JPH0725817A JP H0725817 A JPH0725817 A JP H0725817A JP 5191799 A JP5191799 A JP 5191799A JP 19179993 A JP19179993 A JP 19179993A JP H0725817 A JPH0725817 A JP H0725817A
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JP
Japan
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acid
carboxylic acid
alkylbiphenylcarboxylic
manganese
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JP5191799A
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English (en)
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Yasuhito Ogawa
泰仁 小川
Teruaki Yamada
輝明 山田
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Eneos Corp
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Japan Energy Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アセチルアルキルビフェニルの酸化に際し、
アセチル基を選択的に酸化して、アルキルビフェニルカ
ルボン酸を高収率で製造する方法の提供。 【構成】 下記一般式(1)で示されるアセチルアルキ
ルビフェニルを、低級脂肪族モノカルボン酸を含む溶媒
中で、マンガンまたはセリウムの少なくとも一方を含
み、臭素を含まない触媒の存在下に、分子状酸素により
酸化して、下記一般式(2)で示されるアルキルビフェ
ニルカルボン酸を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4'-アルキルビフェニ
ル-4-カルボン酸等に代表されるアルキルビフェニルカ
ルボン酸の製造法に関する。この化合物は液晶化合物中
間体や高機能性ポリマーの中間原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】アルキルビフェニルカルボン酸は、4-
アセチル-4'-アルキルビフェニルをマンガン、コバル
ト、またはニッケル化合物と臭素からなる酸化触媒およ
び炭素数1〜3の脂肪族モノカルボン酸を25%以上含
む溶媒中で酸化して、4,4'-ビフェニルジカルボン酸
を製造する(特開平4-21763号公報)際に、酸化中
間体として副生する物質である。しかし、この方法では
アルキルビフェニルカルボン酸を選択的かつ高収率で得
ることはできない。
【0003】このアルキルビフェニルカルボン酸は、ア
セチルビフェニルカルボン酸、ヒドロキシビフェニルカ
ルボン酸或いはビフェニルジカルボン酸等種々の化合物
の製造原料とすることができ、特に、ポリエステルのモ
ノマーであるヒドロキシビフェニルカルボン酸或いはビ
フェニルジカルボン酸の原料となり得るアルキルビフェ
ニルカルボン酸の効率良い生産方法の確立が要望されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、本発明の目的は、アセチルアルキル
ビフェニルの酸化に際し、アセチル基を選択的に酸化し
て、アルキルビフェニルカルボン酸を高収率で製造する
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するためにアルキルビフェニルカルボン酸の製造
について鋭意検討した結果、目的物を高収率で製造でき
る反応方法を見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は下記一般式化3で示さ
れるアセチルアルキルビフェニルを、低級脂肪族モノカ
ルボン酸を含む溶媒中で、マンガンまたはセリウムの少
なくとも一方を含み、臭素を含まない触媒の存在下に、
分子状酸素により酸化して、下記一般式化4で示される
アルキルビフェニルカルボン酸を製造する方法である。
【化3】
【化4】
【0007】上記式中のRは、メチル基またはエチル基
である。
【0008】上記本発明で用いられるアセチルアルキル
ビフェニルは、モノアルキルビフェニルを塩化アルミニ
ウム等のアシル化触媒の存在下、無水酢酸、塩化アセチ
ル等のアセチル化剤によってアセチル化することによっ
て収率良く得られる。
【0009】本発明は、このアセチルアルキルビフェニ
ルを低級脂肪族モノカルボン酸を含む溶媒中で酸化させ
るが、この低級脂肪族モノカルボン酸としては、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸等、さらにこれらのハロゲン化物で
あるクロロ酢酸、ブロモ酢酸等を挙げることができる。
また、この溶媒としては、低級脂肪族モノカルボン酸と
モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系
溶媒との混合溶媒も用いることができるが、低級脂肪族
モノカルボン酸が50重量%未満のものではアルキルビ
フェニルカルボン酸の収率が低下してしまうので、低級
脂肪族モノカルボン酸を50重量%以上含む溶媒を用い
るのが好ましい。実用上は酢酸を単独で用いるのが最も
好ましい。この溶媒量は、特には、制限ないが、実用的
には、溶媒量に対するアセチルアルキルビフェニルの量
が、重量比で0.3以下とすることが好ましい。
【0010】本発明の反応には、マンガン、セリウムの
いずれかを触媒として存在させるが、このマンガン、セ
リウム以外に、コバルト、ニッケル、鉄、銅、亜鉛等の
金属を存在させても良い。マンガン単独、或いはセリウ
ムとコバルトの混合物を存在させるとアルキルビフェニ
ルカルボン酸の収率が高くて好ましい。特には、マンガ
ン単独がより好ましい。これらの金属の形態としてはそ
れぞれ金属単体で用いることもできるが、酸化物、水酸
化物、炭酸塩、ハロゲン化物等の無機塩や、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸等の脂肪族の有機酸塩などの化合物が
溶媒に対する溶解性が高いので好ましく、特には、溶媒
として用いる低級脂肪族モノカルボン酸の有機酸塩が特
に好ましい。この触媒は、種類により活性が異なるた
め、その使用量が異なり、一概には決めれないが、一般
的には、溶媒1lに対して、0.01〜0.5モルの範囲
で、適宜選定して用いると良い。
【0011】一方、これに対して、酸化触媒成分として
従来用いられている臭素又は臭素化合物が存在すると副
生物のビフェニルジカルボン酸の生成が増加して目的物
の収率を低下させるので、臭素又は臭素化合物は用いて
はならない。
【0012】酸化剤として用いる分子状酸素は、純酸素
や酸素を含有する各種のガスを使用できるが、工業的に
は空気が最適である。これを溶液と接触させることによ
って酸化を行う。分子状酸素の接触方法及び供給量は反
応に消費される分子状酸素量を上回る供給量が得られる
ならば特に問題はなく、分子状酸素を溶液中に連続的又
は断続的に吹き込むと接触効率が高くなるので好まし
い。また、反応圧力は、特に制限されるものではない
が、反応中は酸素分圧が0.2気圧以上となるようにす
ることが好ましい。
【0013】本発明の反応温度は40〜220℃の範囲
で行うのが好ましく、更には50〜150℃の範囲で行
うのがより好ましい。反応温度が220℃以上になると
副生物のビフェニルジカルボン酸が生成して目的物の収
率が低下するので好ましくない。また、反応時間は、反
応温度等反応条件により、一概に決めることはできない
が、一般的には10分〜12時間の間で適宜選定され
る。
【0014】反応方式は、回分式、連続式及び半回分式
のいずれでもよい。
【0015】このようにして得られる生成物は、未反応
のアセチルアルキルビフェニル、アルキルビフェニルカ
ルボン酸、ビフェニルジカルボン酸及びそれらの酸化中
間体の混合物である。この混合物から、酸析等の公知の
方法によりアルキルビフェニルカルボン酸を単離するこ
とができる。
【0016】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の4'-アルキルビフェニル-
4-カルボン酸の収量は、ガスクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフ質量
分析によって、同定、定量を行って求めた。
【0017】
【発明の効果】上記のような本発明は、アセチル基を選
択的に酸化して、アルキルビフェニルカルボン酸を高収
率で製造できるという格別の効果を奏する。
【0018】
【実施例】
(実施例1)4-アセチル-4'-メチル-ビフェニル2.3
1g(11.0mmol)に対し、酢酸マンガン(II)4水和物
1.347g(5.50mmol)及び酢酸50mlを加え、撹拌
しながら、酸素ガスを1分間に300mlの割合で吹き込
み、常圧下に、90℃で、6時間反応を行った。反応終
了後、室温まで冷却し、反応液を濃縮した後、水を10
0ml加え、析出物を濾過して回収し、120℃で減圧乾
燥したところ、薄黄色の固形物2.33gを得た。この固
形物中には、4'-メチルビフェニル-4-カルボン酸が
2.28g(収率98.0mol%)含まれていた。
【0019】(実施例2)酢酸マンガン(II)4水和物を
1.078g(4.40mmol)使用し、更に酢酸コバルト(I
I)4水和物0.274g(1.10mmol)を加えて、その他
は実施例1と同様の操作を行った結果、薄茶色の固形物
2.35gを得た。この固形物中には、4'-メチルビフェ
ニル-4-カルボン酸が1.89g(収率81.1mol%)含ま
れていた。次に、この固形物を10%の水酸化ナトリウ
ム水溶液及び硫酸水を用いて酸析精製し、純度98.7
%の4'-メチルビフェニル-4-カルボン酸1.81gを得
た。
【0020】(実施例3)酢酸マンガン(II)4水和物の
代わりに酢酸セリウム(III)1水和物を1.475g(4.
40mmol)使用し、更に酢酸コバルト(II)4水和物0.2
74g(1.10mmol)を加え、その他は実施例1と同様の
操作を行った結果、薄茶色の固形物2.35gを得た。こ
の固形物中には4'-メチルビフェニル-4-カルボン酸が
1.97g(収率84.7mol%)含まれていた。
【0021】(実施例4)4-アセチル-4'-メチル-ビ
フェニルの代わりに4-アセチル-4'-エチル-ビフェニ
ルを2.48g(11.0mmol)使用し、その他は実施例1
と同様の操作を行った結果、薄茶色の固形物2.53gを
得た。この固形物中には4'-エチルビフェニル-4-カル
ボン酸が2.03g(収率81.4mol%)含まれていた。
【0022】(実施例5)4-アセチル-4'-メチル-ビ
フェニルの代わりに4-アセチル-4'-エチル-ビフェニ
ルを2.48g(11.0mmol)使用し、酢酸マンガン(II)
4水和物の代わりに酢酸セリウム(III)1水和物を0.9
22g(2.75mmol)使用し、更に酢酸コバルト(II)4水
和物0.685g(2.75mmol)を加えて、その他につい
ては実施例1と同様の操作を行った結果、薄茶色の固形
物2.51gを得た。この固形物中には4'-メチルビフェ
ニル-4-カルボン酸が1.68g(収率67.7mol%)含ま
れていた。
【0023】(実施例6)4-アセチル-4'-メチル-ビ
フェニル10.48g(49.9mmol)に対し、酢酸マンガ
ン(II)4水和物2.187g(8.92mmol)及び酢酸30
0mlを加え、撹拌下、28kgf/cm2、130℃で、空気
を毎時160リットルの割合で吹き込み、30分間反応
を行った。反応終了後、室温まで冷却し、反応液を濃縮
した後、水200mlを加え、析出物を濾過して回収し、
120℃で減圧乾燥したところ、黄白色の固形物10.
87gを得た。この固形物中には4'-メチルビフェニル-
4-カルボン酸が7.60g(収率71.8mol%)含まれて
いた。
【0024】(実施例7)4-アセチル-4'-エチル-ビフ
ェニル18.72g(83.4mmol)に対し、酢酸コバルト
(II)4水和物0.276g(1.11mmol)、酢酸マンガン
(II)4水和物1.105g(4.51mmol)、酢酸200ml
及びクロロベンゼン100mlを加え、撹拌下、20kgf/
cm2、150℃にて、空気を毎時160リットルの割合
で吹き込み、20分間反応を行った。反応終了後、実施
例6と同様の操作により反応生成物の回収を行ない、薄
茶色の固形物20.00gを得た。この固形物中には4'-
エチルビフェニル-4-カルボン酸が10.79g(収率5
7.2mol%)含まれていた。
【0025】(比較例1)実施例1の条件に、さらに臭
化ナトリウム0.056g(0.54mmol)を加え、他は全
て同じ操作を行った結果、薄茶色の固形物2.56gを得
たが、この中には、4'-エチルビフェニル-4-カルボン
酸は0.28g(収率12.0mol%)しか含まれていなかっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示されるアセチルアル
    キルビフェニルを、低級脂肪族モノカルボン酸を含む溶
    媒中で、マンガンまたはセリウムの少なくとも一方を含
    み、臭素を含まない触媒の存在下に、分子状酸素により
    酸化して、下記一般式化2で示されるアルキルビフェニ
    ルカルボン酸とすることを特徴とするアルキルビフェニ
    ルカルボン酸の製造法。 【化1】 【化2】 (式中、Rはメチル基またはエチル基を表わす)
JP5191799A 1993-07-07 1993-07-07 アルキルビフェニルカルボン酸の製造法 Pending JPH0725817A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180179141A1 (en) * 2016-12-22 2018-06-28 Exxonmobil Research And Engineering Company Selective aerobic oxidation of dimethylbiphenyls

Cited By (3)

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US20180179141A1 (en) * 2016-12-22 2018-06-28 Exxonmobil Research And Engineering Company Selective aerobic oxidation of dimethylbiphenyls
US10287230B2 (en) * 2016-12-22 2019-05-14 Exxonmobil Research And Engineering Company Selective aerobic oxidation of dimethylbiphenyls
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