JPH0531535B2 - - Google Patents

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JPH0531535B2
JPH0531535B2 JP61056356A JP5635686A JPH0531535B2 JP H0531535 B2 JPH0531535 B2 JP H0531535B2 JP 61056356 A JP61056356 A JP 61056356A JP 5635686 A JP5635686 A JP 5635686A JP H0531535 B2 JPH0531535 B2 JP H0531535B2
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ndca
trimellitic acid
heavy metal
bromine
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Shoichiro Hayashi
Noriharu Matsuda
Atsushi Sasagawa
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Kureha Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
    • C07C51/255Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting
    • C07C51/265Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting having alkyl side chains which are oxidised to carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/31Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation of cyclic compounds with ring-splitting
    • C07C51/313Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation of cyclic compounds with ring-splitting with molecular oxygen

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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、2,6−ジイソプロピルナフタレン
(以下2,6−DIPNの略記する)の酸化により
2,6−ナフタレンジカルボン酸及びトリメリツ
ト酸を併産する方法に関する。
2,6−ナフタレンジカルボン酸は、耐熱性、
機械的特性に優れたフイルムや合成繊維の製造原
料とて有用なポリエチレンナフタレート及びポリ
エステル、ポリアミド等の原料として、また無水
トリメリツト酸はエステル系耐熱性可塑剤やポリ
イミド系樹脂原料、エポキシ樹脂硬化剤、塗料及
び安定剤等の原料として有用である。
従来の技術 従来、トリメリツト酸はプソイドクメンのクロ
ム酸酸化、松脂の硝酸酸化により合成されていた
が、現在ではプソイドクメンの空気酸化により工
業的に製造されている。
また、2,6−ナフタレンジカルボン酸(以
下、2,6−NDCAと略称する)の製造方法と
しては、2,6−ジメチルナフタレンや2,6−
ジイソプロピルナフタレンなどの2,6−ジアル
キルナフタレンを酢酸溶媒の中で、コバルト及
び/又はマンガン及び臭素から成る触媒の存在下
に分子状酵素で酸化する方法が提案されている
(例えば特公昭48−27318、特開昭60−89445、特
開昭60−89446など)。これらの方法は、2,6−
NDCAを高収率で得るために混合触媒中の重金
属に対する臭素の使用量が多いため2,6−ジア
ルキルナフタレンのアルキル基の酸化だけでなく
ナフタレン環の臭素化も起こり2,6−NDCA
と共に多種の臭化ナフタレンジカルボン酸が副生
する。これらの臭化ナフタレンジカルボン酸の物
理的及び化学的性質は2,6−NDCAのそれら
と類似しているため、2,6−NDCAを臭化ナ
フタレンジカルボン酸から分離、精製することは
極めて困難である。従つて、例えば特公昭56−
3858号に詳細に伸べられているように、2,6−
NDCAの製造に当つては粗2,6−NDCAから
の副生した臭化物の除去が最も重要である。臭化
物が十分に除去されていない2,6−NDCAか
ら得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート
等の樹脂は、その軟化点が低く、このことは、
2,6−NDCAを原料として耐熱性及び機械的
特性に優れたフイルム及び繊維等を得る上で致命
的な欠陥となる。又、前述の2,6−NDCAの
製造方法では、臭化ナフタレンジカルボン酸以外
にもアルデヒド類や、構造不明の着色物質が副生
する。これらの副生成物も2,6−NDCAから
分離、除去するのが容易でなく、従つて従来の
2,6−NDCAの製造方法においては、2,6
−NDCAの分離、精製のために、多くの工程が
必要である。
因みに、特公昭56−3858号に記載の2,6−
NDCAの製造方法は、2,6−ジメチルナフタ
レンを臭素、コバルト及びマンガンからなる触媒
の存在下に分子状酸素で酸化して2,6−
NDCAを得るものであるが、臭素をコバルト及
びマンガンに対して多量に使用しているため(臭
素のコバルト及びマンガンに対する原子比が
1.7)、反応混合物より分離した粗2,6−NDCA
には臭素が1000〜2000ppm含まれ、精製後におい
ても、なお10〜400ppm含まれている。
発明が解決しようとする問題点 上述の如く、従来の多量の臭素を使用した2,
6−NDCAの製造方法では、臭化ナフタレンジ
カルボン酸、アルデヒド類や構造不明の着色物質
が多量に副生する。従つて、粗2,6−NDCA
からこれらの副生物を除去して高純度の2,6−
NDCAを製造するために、多段階の繁雑な精製
工程が必要となり、工業的な製造方法としては不
満足であつた。特に2,6−NDCAを原料とし
て得られる樹脂製品に致命的な影響を与える臭化
物を除去することは容易でなく、従来の方法では
満足のいく高純度2,6−NDCAを得ることが
できない。
本発明者等は、高純度の2,6−NDCAを得
る製造方法、とりわけ、臭素含有量が少ない2,
6−NDCAの製造方法について研究を行なつた
結果、2,6−DIPNをコバルト及び/又はマン
ガン及び臭素からなる触媒の存在下に、分子状酸
素により酸化して、2,6−NDCAを製造する
方法において、臭素のコバルト及び/又はマンガ
ンに対する使用量を従来の製造方法におけるより
もはるかに少なくすると、副生物特に臭化ナフタ
レンジカルボン酸等の核臭化物の生成が抑制され
2,6−NDCAが高純度で得られるだけでなく、
トリメリツト酸も容易に高純度で得ることがで
き、更に重金属触媒の回収、再生も容易になるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに
至つた。
発明の構成 本発明の特徴は2,6−DIPNを水分含量が30
重量%以下の低級脂肪族モノカルボン酸溶剤中
で、コバルト及び/又はマンガンの重金属及び該
重金属に対して原子比で0.0001以上0.01未満の臭
素から成る触媒の存在下で分子状酸素により酸化
する工程、酸化反応混合物を冷却し、析出した
2,6−NDCAとトリメリツト酸重合金属塩を
該酸化反応混合物より分離する工程、分離した
2,6−NDCAとトリメリツト酸重金属塩を鉱
酸水溶液に加えてPH3以下としトリメリツト酸重
金属塩を溶解させ、過して鉱酸水溶液に不溶性
の2,6−NDCAを分離する工程、液をPH3
以下に保ちながら濃縮し、次いで冷却後晶析した
トリメリツト酸を別して分離する工程、及びこ
の液に炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ又はこれ
らの混合物を添加して該重金属を炭酸塩及び/又
は塩基性炭酸塩の沈澱として回収する工程よりな
る。
本発明において使用される溶剤は、30重量%以
下、好ましくは、15重量%以下の水を含む低級脂
肪族モノカルボン酸である。水分含量が30重量%
を越える場合には酸化反応の速度が著しく遅くな
るだけでなくトリメリツト酸の重金属塩が溶解す
るので反応終了後にトリメリツト酸重金属塩を不
溶物として分離する際、回収率が悪くなる。更に
トリメリツト酸の純度も低下するので好ましくな
い。低級脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数
が4以下のものであり、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸などを例示し得るが酢酸が最も好まし
い。
本発明で用いる触媒のコバルト及びマンガン成
分としては、コバルト又はマンガンの酸化物、水
酸化物、炭素塩、ハロゲン化物等の無機化合物の
他、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、ナフ
テン酸、芳香族カルボン酸等の有機酸塩が挙げら
れ、これらのうち好ましいのは脂肪酸塩、特に酢
酸塩である。
また本発明の触媒の臭素成分としては、酸化反
応溶媒に溶解し、臭素イオンを生成する臭素の単
体、無機化合物及び有機化合物であれば、いずれ
も使用でき、分子状臭素、臭化水素、無機臭化物
等の無機臭素化合物、臭化メチル、臭化エチル等
の臭化アルキル及びプロモ酢酸などの臭素化脂肪
酸が挙げられる。これらのうち臭化水素、臭化ナ
トリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭
化コバルト及び臭化マンガン等が好ましい。
酸化反応に使用する分子状酸素としては、酸素
又は、それを不活性ガスで希釈した混合ガスが使
用できるが工業的には、圧縮空気を用いるとよ
い。酸化反応は、反応系の酸素分圧が高い程速く
進行するが、実用上は、0.1Kg/cm2(絶対圧)以
上、好ましくは0.2〜8Kg/cm2(絶対圧)の酸素
分圧で十分であり、8Kg/cm2(絶対圧)を超える
圧にする工業的利点は少ない。又混合ガスを使用
する場合、その全圧は特に限定されるものではな
いが実用上、7〜30Kg/cm2(絶対圧)で十分であ
る。
酸化反応の温度は140〜210℃、好ましくは160
〜200℃であつて、これより低い温度では反応が
著しく遅くなり、一方、高い温度では、溶剤の燃
焼損失が増大するので得策でない。
本発明においては、コバルト及び/又はマンガ
ンの量は、反応に使用する溶剤100g当り好まし
くは0.005〜0.2モル、更に好ましくは0.01〜0.12
モルである。コバルト及び/又はマンガンが前記
の範囲を超えて多量に使用される場合には、副生
成物の生成量が増大し、一方、前記の範囲より少
量使用される場合には、2,6−NDCA及びト
リメリツト酸の収率が低くなり好ましくない。な
お、コバルト及びマンガンは単独でも両者の混合
物としてでも使用し得るが、混合物の方が高い活
性を示す。混合物として使用する場合のコバルト
とマンガンの混合割合は、他の反応条件、すなわ
ち反応温度、臭素の使用量及び酸素分圧等に依存
するために特に限定されないが、コバルト対マン
ガンの原子比が5:95〜70:30であることが好ま
しい。
臭素の使用量はコバルト及びマンガンの合計量
に対して、原子比で0.0001以上0.01未満好ましく
は0.0005〜0.008である。
前述の特開昭60−89445号においては臭素の量
は、重金属濃度のみでなく、反応温度、原料濃
度、溶媒量等の反応条件にも依存するとしながら
も、重金属に対して原子比で0.01〜2が好ましい
としている。
しかし、本発明者等の研究によれば重金属に対
し原子比で0.01以上の臭素を使用した場合には、
分離除去が困難な臭化ナフタレンジカルボン酸が
かなり混入し、高純度の2,6−NDCA及びト
リメリツト酸を得ることができなかつた。コバル
ト及びマンガンに対し原子比で0.01未満の臭素を
使用した場合であつても、臭素化物の副生は避け
られないが、その生成量は極めて少なく、例えば
特公昭56−3858号に記載の精製法により2,6−
NDCA及びトリメリツト酸中の臭素含量を容易
に1ppm以下にまですることができる。臭素の使
用量を著しく少なくすると、酸化反応の速度が遅
くなり、経済的に不利となるので、コバルト及び
マンガンに対し、原子比で0.0001以上の臭素を使
用することが好ましい。
因みに、上述した如く臭素を極めて微量含む本
発明の酸化触媒をp−キシレンや2,6−ジメチ
ルナフタレンのようにメチル基を有する芳香族炭
化水素の酸化反応に使用した場合には、触媒効果
が低くて実用性がない。これに対し、2,6−
DIPNの酸化反応に使用した場合には、イソプロ
ピル基の3級水素がメチル基の水素に比べて活性
であるため、臭素含量が極めて微量であつても触
媒効果が損われることなく、酸化反応が進行する
と共に前述した如く、臭化ナフタレンジカルボン
酸等の副生成物の生成を抑制することが可能とな
る。
本発明では、反応原料の2,6−DIPNは前記
反応溶剤100重量部あたり20重量部以下になるよ
うに反応系に供給するのが好ましい。2,6−
DIPNが20重量部を超えて反応系に存在すると不
安定な酸化中間体の濃度が増加する一方、分子状
酸素の溶解量が相対的に不足しアルデヒド類、酸
化重合物及び着色物質等の副生成物の生成量が増
加して2,6−NDCA及びトリメツト酸の収率
が低下するので好ましくない。更に、反応系中の
2,6−DIPNの量は、副反応を抑制するために
使用する酸化触媒中のコバルト及びマンガンの合
計量に対してモル比で0.4以下好ましくは0.05〜
0.3であることが好ましい。
上述した条件で2,6−DIPNの酸化反応を行
うと2,6−NDCA及びトリメリツト酸が生成
する。2,6−NDCAは、反応溶媒に対する溶
解度が著しく小さいので、生成後遂次析出し、反
応終了時には生成量の98%程度が遊離の酸として
析出する。一方、トリメリツト酸は反応終了間際
まで反応液中に高濃度で溶解しているが、反応液
中の2,6−DIPNがほとんど消失し、酸化中間
体の6−イソプロピル−2−ナフトエ酸の濃度が
1%以下になるまで反応が進行するとトリメリツ
ト酸はコバルト又はマンガンと1:1の不溶性の
塩を形成し、生成量の97%程度が析出する。
反応終了後、反応液を90℃以下に冷却し、過
して2,6−NDCAとトリメリツト酸重金属塩
の混合物を得るこができる。液は必要に応じ含
水量を調整した後に反応溶媒として使用すること
もできる。
得られた2,6−NDCAとトリメリツト酸重
金属塩の混合物を塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸の水
溶液に加えてPHを3以下好ましくは1〜2に保つ
とトリメリツト酸重金属のみが溶解する。不溶性
2,6−NDCAを別後水洗すると、純度が約
98%、臭素含量100ppm以下の粗2.6−NDCAがほ
ぼ定量的に回収される。
次いで、液をPH3以下、好ましくはPH1〜2
に保ちながら濃縮し、冷却するとトリメリツト酸
が析出するのでこれを過、水洗して、純度が約
98%、臭素含量50ppm以下のトリメリツト酸を回
収することができる。なお、濃縮、晶析の操作
は、数回に分けてトリメリツト酸を析出させるよ
うにするのが過操作が容易で好まししく、又、
重金属を同伴させないためにも好ましい。この場
合PHが3より高くなると重金属が混入し、高純度
のトリメリツト酸を得るのが困難になるのでPHの
調整は重要である。
トリメリツト酸分離後の液には、コバルト及
びマンガンが溶存しており、これらを回収するこ
とが経済上重要である。これら重金属の回収は次
のように行なう。液に炭酸アルカリ、重炭酸ア
ルカリ、或いはこれらの混合物を加えてPHを7以
上好ましくは9〜10にすると、コバルト及びマン
ガンはいずれも水に不溶性の炭酸塩及び/又は塩
基性炭酸塩として沈澱してくるので容易に回収出
来る。この場合、PHの調整には、上述した炭酸塩
及び/又は重炭酸塩を用いることが重要である。
例えば、水酸化アルカリを用いたときは、析出す
る重金属塩の沈澱は極めて微細な沈澱となり、
過が困難であるばかりでなく、これに付着する他
のアルカリ金属塩の水洗除去が難しい。このよう
にアルカリ金属塩を不純物として含む重金属を酸
化反応触媒として再使用すると、アルカリ金属が
系内に蓄積して酸化反応に悪影響を与える。
なお、本発明によると、2,6−NDCAとト
リメリツト酸を生成割合は例えば酸化反応に使用
する触媒の使用量、すなわち、コバルト及び/又
はマンガン及び臭素の使用量を増減させることに
より、トリメリツト酸の収率が60%を越えない範
囲で容易に調節することができる。例えば酢酸溶
剤100gに対し、2,6−DIPNを0.017モル使用
し、180℃で20Kg/cm2の圧縮空気を用いて酸化反
応を行つた場合、重金属触媒の使用量を酢酸溶剤
100gに対し0.1モルとすると、2,6−NDCAの
収率は80〜85%、トリメリツト酸の収率は10〜15
%である。又、重金属触媒の量を酢酸溶剤100g
に対して0.01モルとすると2,6−NDCAの収率
は43〜55%、トリメリツト酸の収率は40〜52%と
なり、重金属触媒の使用量を調節することにより
2,6−NDCA及びトリメリツト酸の生成割合
を、製造目的に合わせてコントロールすることが
出来る。
なお、この場合でも臭素とコバルト及び/又は
マンガンの原子比はすでに述べたように0.0001以
上0.01未満であることが重要である。
発明の効果 上述した如く、本発明の2,6−NDCAとト
リメリツト酸の併産方法は、副生成物の生成が少
なく従つて2,6−NDCAを高純度で得ること
ができ、従来の2,6−NDCAの製造方法にお
いて必要であつた多段階の精製工程を必要としな
いだけでなくトリメリツト酸をも高純度で得るこ
とができるので、工業的に有利に2,6−
NDCAとトリメリツト酸とを併産することがで
きる。
次に実施例を示し、本発明の2,6−NDCA
とトリメリツト酸の併産方法を具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。
なお、2,6−NDCA及びトリメリツト酸の
純度分析は高速液体クロマトグラフイー(A)で、臭
素元素分析は螢光X線分析法(B)で行つた。
(A) ウオーターズ社モデル510型HPLC装置 カラム:LiChrosorb(RP−8,5μm,メルク
社)とラジアルパツクカートリツジC−8
(ウオーターズ社)の連結カラム 移動組:PH3の水/アセトニトリル=45/55
(容積比) 流 速:0.6c.c./分 内部標準物質:2−ナフトエ酸 検出波長:260nm (B) 理学電気螢光X線分析装置(3080E2型) X線チューブ:ロジウム,50KV,50mA 検出器:PC検出器 結晶:ゲルマニウム 検出限界:3ppm 試料10gを直径30mmの錠剤に成形後、測定し
た。
実施例 1 還流冷却器、ガス吹込管、温度測定管及び攪拌
機を有するチタンライニングしたステンレス製5
オートクレーブに氷酢酸2070g、酢酸コバルト
四水塩130g、酢酸マンガン四水塩400g及び臭化
アンモニウム1.2gと2,6−ジイソプロピルナ
フタレン75gを入れて、180℃〜190℃で攪拌しな
がら20Kg/cm2の加圧下で圧縮空気を毎時300で
吹き込み5時間反応させた。反応終了後、反応混
合物を80℃に冷却し、析出物を過し、熱酢酸で
十分に洗浄し、乾燥すると粗結晶(A)77g得られ
た。この粗結晶に6%希硫酸を攪拌しながら加え
PH1.5に調整し、次いで80〜90℃で60分間攪拌し
た後熱時過すると、淡黄色の粉末が得られる。
これを水で十分に洗浄後乾燥して64.2gの粉末を
得た。この粉末について、2,6−NDCAの純
度分析及び臭素元素分析を行なつたところ純度は
97.3%、臭素含有量は75ppmであつた。又、トリ
メリツト酸は全く含まれていなかつた。2,6−
NDCAの原料に対する収率は81.8%であつた。
液と洗液を混合して6%希硫酸でPH1.5に調
整し次いで約50gに濃縮した後、25℃に冷却して
析出した淡黄色結晶を別し洗浄して粗結晶を得
た。液と洗液を再びPH1.5に調整した後、同様
に処理すると淡黄色の粗結晶が更に得られた。乾
燥後の粗結晶を総量は7.9gであつた。この粗結
晶についてトリメリツト酸の純度分析及び臭素分
析を行なつたところ純度は98.9%臭素含有量は
45ppmであつた。トリメリツト酸の原料に対する
収率は10.5%であつた。
トリメリツト酸を分離、回収した後の液と洗
液に30℃で攪拌しながら25%炭酸ナトリウム水溶
液を加えてPH9.5に調整すると沈澱を生じたので、
これを過し、乾燥すると10.5gのコバルトとマ
ンガンの塩基性炭酸塩が得られた。原子吸光法で
分析したところ、コバルト及びマンガンの回収率
は粗結晶(A)に含まれているコバルト及びマンガン
に対して、それぞれ98.6%及び99.0%であつた。
回収されたコバルトとマンガンの塩基性炭酸塩を
250gの酢酸に加え80℃〜90℃で4時間攪拌する
と、炭酸ガスを発生しながら完全に溶解した。こ
の酢酸溶液に、上記酸化反応後の液と洗液を加
え2.62Kgに濃縮してから2,6−ジイソプロピル
ナフタレン75gを加えて、上述の酸化反応と同一
条件で反応を行なつたところ酸化反応は正常に進
行し、トリメリツト酸及び2,6−NDCAを同
等の収率で製造することができた。
実施例 2 実施例1で用いたのと同じオートクレーブに氷
酢酸2070g、酢酸コバルト四水塩13g、酢酸マン
ガン四水塩40g、臭化アンモニウム0.12g及び
2,6−DIPN75gを入れて180℃〜190℃で攪拌
しながら20Kg/cm2で圧縮空気を毎時300で吹き
込み、5時間反応させた後、実施例1と同様に処
理したところ、トリメリツト酸のコバルト塩及び
マンガン塩と2,6−NDCAの混合物(B)82.5gを
得た。これを更に実施例1と同様に処理して、
2,6−NDCA39.1g及びトリメリツト酸32.5g
を得た。2,6−NDCA及びトリメリツト酸の
原料に対する収率は、それぞれ50.0%及び43.2%
であつた。又、2,6−NDCAの純度は97.6%、
臭素含有量は63ppm、トリメリツト酸の純度は
98.1%、臭素含有量は35ppmであつた。
トリメリツト酸を分離回収した後の液に25%
炭酸ナトリウム水溶液を加えて実施例1と同様に
処理したところ、混合物(B)に含まれていたコバル
ト及びマンガンのそれぞれ98.5%及び99.2%が回
収された。
実施例 3 還流冷却器、ガス吹込管、排出管及び攪拌機を
有するチタンライニングしたステンレス製5オ
ートクレーブに、氷酢酸2.8Kg、酢酸コバルト四
水塩180g、酢酸マンガン四水塩530g、臭化アン
モニウム2gを入れ、170℃〜190℃で攪拌しなが
ら20Kg/cm2で圧縮空気を毎時600で吹き込んだ。
同時に、2,6−DIPN1.67Kg、氷酢酸16.7Kg、
酢酸コバルト四水塩1.06Kg、酢酸マンガン四水塩
3.15Kg及び臭化アンモニウム11.7gからなる溶液
を毎時994gの速度で連続的に供給した。16時間
反応を継続した後、オートクレーブ内の反応液と
オーバーフロー液を90℃に冷却して析出物を別
し、熱酢酸で十分に洗浄後乾燥してトリメリツト
酸のコバルト及びマンガン塩と2,6−NDCA
の混合物(C)1210gを得た。
この混合物に水約3Kgを加え攪拌しながら、10
%希塩酸を加えて、PH1.5に調整した後、70℃〜
80℃で1時間攪拌した後淡黄色の析出物を熱炉過
し、水で十分に洗浄後乾燥して1.03Kgの粗2,6
−NDCAを得た。粗2,6−NDCAの純度は
97.8%、臭素含有量は97ppm、トリメリツト酸の
含有量は0.04%であつた。2,6−NDCAの原料
に対する収率は84.3%であつた。
2,6−NDCA分離後の液と洗液と塩酸で
PH1.5に調整した後、約840gに濃縮し、25℃に冷
却すると淡黄色の結晶が析出した。これを過し
洗浄してトリメリツト酸を得た。液及び洗液を
再び同様に処理するとトリメリツト酸が更に得ら
れた。乾燥後のトリメリツト酸の総収量は134g
であつた。その純度は98.6%、臭素含有量は
44ppmであつた。又、トリメリツト酸の収率は原
料に対して11.4%であつた。
トリメリツト酸を分離、回収した後の液と洗
液に、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムをそ
れぞれ10%含む水溶液を加えてPH9.5とし、以下
実施例1と同様にしてコバルト及びマンガンを回
収した結果、混合物(C)に含まれていたコバルト、
マンガンのうち、コバルトは98.1%、マンガンは
98.8%が回収された。
粗2,6−NDCAを特公昭56−3858号に記載
の実施例4に従つて精製した。即ち、2,6−
NDCA100gを5%NaOH水溶液800gに加熱溶
解した後、粉末活性炭10gを加えて20℃で30分間
攪拌し、過した。液を60℃に保ち攪拌しなが
ら6N希塩酸を加えてPH7.0とした後20℃に冷却し
30分間攪拌すると2,6−NDCAのモノナトリ
ウム塩の結晶が析出した。これを過し水2Kgに
溶解し、90℃で6N希塩酸攪拌しつつ加えてPH2
に調整すると2,6−NDCAが析出した。これ
を熱時過、水洗後乾燥して、精製2,6−
NDCA81.4gを得た。その純度は99.1%であり、
臭素は検出されなかつた。(検出限界:3ppm)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 2,6−ジイソプロピルナフタレンを含水量
    30重量%以下の低級脂肪族モノカルボン酸溶剤中
    でコバルト及び/又はマンガンの重金属と該重金
    属に対し原子比で0.0001以上0.01未満の臭素を含
    む酸化触媒の存在下で分子状酸素により酸化する
    工程、酸化反応混合物を冷却後、2,6−ナフタ
    レンジカルボン酸とトリメリツト酸重金属塩を固
    体として分離する工程、分離した混合物を鉱酸水
    溶液に加えてPH3以下としてトリメリツト酸重金
    属塩を溶解し、不溶性の2,6−ナフタレンジカ
    ルボン酸を別する工程、液のPHを3以下に保
    ちながら濃縮後冷却しトリメリツト酸を晶析・
    別する工程及びこの液に炭酸アルカリ、重炭酸
    アルカリ、又はこれらの混合物を加えて該重金属
    を炭酸塩及び/又は塩基性炭酸塩として回収する
    工程よりなることを特徴とする2,6−ナフタレ
    ンジカルボン酸とトリメリツト酸の併産方法。
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