JPH09104653A - 単環芳香族カルボン酸の精製方法 - Google Patents
単環芳香族カルボン酸の精製方法Info
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- JPH09104653A JPH09104653A JP8189684A JP18968496A JPH09104653A JP H09104653 A JPH09104653 A JP H09104653A JP 8189684 A JP8189684 A JP 8189684A JP 18968496 A JP18968496 A JP 18968496A JP H09104653 A JPH09104653 A JP H09104653A
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- aromatic carboxylic
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 粗製テレフタル酸の精製において、その中の
代表的不純物である4−カルボキシベンズアルデヒドの
−CHOを−COOHに変え、純度の向上と収率の向上
とを一挙に実現する。 【解決手段】 粗製テレフタル酸に、高温の水性反応媒
体中、白金のような貴金属触媒の存在下、分子状酸素
を、粗製物中の不完全酸化段階にある置換基をカルボキ
シル基にまで酸化するに要する酸素量の少なくとも0.
5当量、好ましくは1当量以上20当量までの範囲で作
用させる。 生成した単環芳香族カルボン酸を高温の水
性反応媒体に溶解させたまま触媒と反応生成液とを分離
し、反応生成液をゆっくり冷却して単環芳香族カルボン
酸を晶出させ、これを回収して精製品を得る。
代表的不純物である4−カルボキシベンズアルデヒドの
−CHOを−COOHに変え、純度の向上と収率の向上
とを一挙に実現する。 【解決手段】 粗製テレフタル酸に、高温の水性反応媒
体中、白金のような貴金属触媒の存在下、分子状酸素
を、粗製物中の不完全酸化段階にある置換基をカルボキ
シル基にまで酸化するに要する酸素量の少なくとも0.
5当量、好ましくは1当量以上20当量までの範囲で作
用させる。 生成した単環芳香族カルボン酸を高温の水
性反応媒体に溶解させたまま触媒と反応生成液とを分離
し、反応生成液をゆっくり冷却して単環芳香族カルボン
酸を晶出させ、これを回収して精製品を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキル置換基ま
たは一部酸化されたアルキル置換基を有する単環芳香族
化合物の置換基を酸化することにより得た粗製の単環芳
香族カルボン酸を精製する方法に関する。
たは一部酸化されたアルキル置換基を有する単環芳香族
化合物の置換基を酸化することにより得た粗製の単環芳
香族カルボン酸を精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単環芳香族カルボン酸は重要な化学製品
であって、とくに合成樹脂をはじめとするポリマーの原
料として広く利用されている。 たとえば、単環芳香族
カルボン酸として代表的なテレフタル酸は、ポリエステ
ル樹脂の原料であるし、トリメリット酸やピロメリット
酸は、ポリイミド系樹脂の原料として重要である。
であって、とくに合成樹脂をはじめとするポリマーの原
料として広く利用されている。 たとえば、単環芳香族
カルボン酸として代表的なテレフタル酸は、ポリエステ
ル樹脂の原料であるし、トリメリット酸やピロメリット
酸は、ポリイミド系樹脂の原料として重要である。
【0003】テレフタル酸は、p−アルキルベンゼンの
液相酸化により製造されている(たとえば特開昭60−
184043)。 得られる粗製テレフタル酸中には、
4−カルボキシベンズアルデヒド(以下「4−CBA」
と略記する)をはじめとする不純物が含まれている。
これら不純物は微量であっても、テレフタル酸とグリコ
ール類との重縮合により製造されるポリエステルを着色
したり、重合度を低下させたりして、品質上の障害をも
たらす。
液相酸化により製造されている(たとえば特開昭60−
184043)。 得られる粗製テレフタル酸中には、
4−カルボキシベンズアルデヒド(以下「4−CBA」
と略記する)をはじめとする不純物が含まれている。
これら不純物は微量であっても、テレフタル酸とグリコ
ール類との重縮合により製造されるポリエステルを着色
したり、重合度を低下させたりして、品質上の障害をも
たらす。
【0004】そのため、上記のような不純物を含むテレ
フタル酸の精製は重要な課題であって、その解決策がこ
れまで多数提案されてきた。 そのひとつは、粗製テレ
フタル酸を水または水/酢酸混合溶媒に懸濁させた状態
で、酸化または還元(水素添加)して処理するものであ
る(特公昭41−20820,同43−23447,同
43−23448)。 酸化または還元処理を行なうに
当り、粗製テレフタル酸が水または水/酢酸混合溶媒に
懸濁した状態でなく、溶解した状態で処理を行なう方が
効率が高いとして、多数の提案がある(特公昭42−2
1819,同41−16860,同52−46122,
同53−10051,同56−32319,同56−3
5174,同56−35653,同57−51373,
同57−51374,同57−51818,特開昭56
−79635,同56−103136)。
フタル酸の精製は重要な課題であって、その解決策がこ
れまで多数提案されてきた。 そのひとつは、粗製テレ
フタル酸を水または水/酢酸混合溶媒に懸濁させた状態
で、酸化または還元(水素添加)して処理するものであ
る(特公昭41−20820,同43−23447,同
43−23448)。 酸化または還元処理を行なうに
当り、粗製テレフタル酸が水または水/酢酸混合溶媒に
懸濁した状態でなく、溶解した状態で処理を行なう方が
効率が高いとして、多数の提案がある(特公昭42−2
1819,同41−16860,同52−46122,
同53−10051,同56−32319,同56−3
5174,同56−35653,同57−51373,
同57−51374,同57−51818,特開昭56
−79635,同56−103136)。
【0005】このほか、テレフタル酸の水溶液をパラジ
ウムや亜鉛を触媒として処理する方法(特公昭41−2
9131,同47−3607,同47−44213,同
49−13780,同49−33189)や、テレフタ
ル酸のアルカリ水溶液を酸素で処理する方法(特開昭5
6−113738)もある。
ウムや亜鉛を触媒として処理する方法(特公昭41−2
9131,同47−3607,同47−44213,同
49−13780,同49−33189)や、テレフタ
ル酸のアルカリ水溶液を酸素で処理する方法(特開昭5
6−113738)もある。
【0006】これまでに知られているテレフタル酸の精
製技術は、不純物の含有量が比較的少ない場合は、ある
程度の効果をあげられるが、不純物量が多くなると、必
ずしも満足できるものではない。 また、主たる不純物
である4−CBAの量は低減できても、精製テレフタル
酸の色相が改善されないことも多い。 従来法では不純
物の4−CBAの大部分はテレフタル酸以外のものに変
換され廃棄されるため、テレフタル酸の収率は低いう
え、精製工程から多量の廃棄物が発生する。
製技術は、不純物の含有量が比較的少ない場合は、ある
程度の効果をあげられるが、不純物量が多くなると、必
ずしも満足できるものではない。 また、主たる不純物
である4−CBAの量は低減できても、精製テレフタル
酸の色相が改善されないことも多い。 従来法では不純
物の4−CBAの大部分はテレフタル酸以外のものに変
換され廃棄されるため、テレフタル酸の収率は低いう
え、精製工程から多量の廃棄物が発生する。
【0007】一例を挙げると、前掲特公昭52−462
12に記載の方法は粗製テレフタル酸の高温水溶液を貴
金属触媒の存在下に低濃度の酸素を含有する混合ガスで
処理するもので、4−CBAの濃度が数千ppm に達する
場合でも、これを除去できるという。 しかし、その機
構は、貴金属触媒と少量の酸素によるアルデヒドの脱カ
ルボニル反応であるため、精製の目的は達成できても、
4−CBAの含有量が多くなればそれだけ、廃棄物量も
多くなる。 得られる精製テレフタル酸の色相も、十分
満足なものではない。
12に記載の方法は粗製テレフタル酸の高温水溶液を貴
金属触媒の存在下に低濃度の酸素を含有する混合ガスで
処理するもので、4−CBAの濃度が数千ppm に達する
場合でも、これを除去できるという。 しかし、その機
構は、貴金属触媒と少量の酸素によるアルデヒドの脱カ
ルボニル反応であるため、精製の目的は達成できても、
4−CBAの含有量が多くなればそれだけ、廃棄物量も
多くなる。 得られる精製テレフタル酸の色相も、十分
満足なものではない。
【0008】これらの点を改善した方法として、粗製テ
レフタル酸を高温の水溶液として酸化し、ついで水素で
処理する方法が提案された(特公平7−8823)。 こ
れによれば、4−CBAなどの不純物を比較的多量に含
む粗製テレフタル酸を対象にしても、不純物含有量を低
減でき、かつテレフタル酸の収率は向上する。 精製テ
レフタル酸の色相も良好である。 しかし、この方法は
酸化処理と水素処理の両方を行なわなければならないか
ら、工程が複雑であり、それに伴って製造設備も必要で
あるから、結果として製造コストが高くなる。
レフタル酸を高温の水溶液として酸化し、ついで水素で
処理する方法が提案された(特公平7−8823)。 こ
れによれば、4−CBAなどの不純物を比較的多量に含
む粗製テレフタル酸を対象にしても、不純物含有量を低
減でき、かつテレフタル酸の収率は向上する。 精製テ
レフタル酸の色相も良好である。 しかし、この方法は
酸化処理と水素処理の両方を行なわなければならないか
ら、工程が複雑であり、それに伴って製造設備も必要で
あるから、結果として製造コストが高くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、テレ
フタル酸を代表とする単環芳香族カルボン酸の精製方法
において、上記した従来技術の欠点のない方法、すなわ
ちカルボン酸の収率を向上させることができ、精製カル
ボン酸の色相がよく、かつ工程が簡単で多くの装置を必
要としない精製方法を提供することにある。
フタル酸を代表とする単環芳香族カルボン酸の精製方法
において、上記した従来技術の欠点のない方法、すなわ
ちカルボン酸の収率を向上させることができ、精製カル
ボン酸の色相がよく、かつ工程が簡単で多くの装置を必
要としない精製方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の単環芳香族カル
ボン酸の精製方法は、アルキル置換基または一部酸化さ
れたアルキル置換基を有する単環芳香族化合物の置換基
を酸化することにより得た粗製の単環芳香族カルボン酸
を精製する方法において、粗製の単環芳香族カルボン酸
を、高温の水性反応媒体中で第VIII属貴金属触媒の存在
下に、粗製単環芳香族カルボン酸中の不完全酸化段階に
ある置換基をカルボキシル基まで酸化するに要する酸素
量に対し0.5〜20当量の分子状酸素により酸化し、
生成した単環芳香族カルボン酸を前記高温の水性反応媒
体に溶解させた状態で前記貴金属触媒と固液分離し、つ
いで反応生成液を冷却して単環芳香族カルボン酸を析出
させ、回収することを特徴とする。
ボン酸の精製方法は、アルキル置換基または一部酸化さ
れたアルキル置換基を有する単環芳香族化合物の置換基
を酸化することにより得た粗製の単環芳香族カルボン酸
を精製する方法において、粗製の単環芳香族カルボン酸
を、高温の水性反応媒体中で第VIII属貴金属触媒の存在
下に、粗製単環芳香族カルボン酸中の不完全酸化段階に
ある置換基をカルボキシル基まで酸化するに要する酸素
量に対し0.5〜20当量の分子状酸素により酸化し、
生成した単環芳香族カルボン酸を前記高温の水性反応媒
体に溶解させた状態で前記貴金属触媒と固液分離し、つ
いで反応生成液を冷却して単環芳香族カルボン酸を析出
させ、回収することを特徴とする。
【0011】本発明の精製方法を適用できる粗製の単環
芳香族カルボン酸は、上記したように、アルキル置換基
または一部酸化されたアルキル置換基を有する単環芳香
族化合物の置換基を酸化することにより得たものであ
り、このアルキル置換基は、代表的には、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピルなどの炭素数1〜3の低級
アルキル基である。 一部酸化されたアルキル置換基と
しては、アルデヒド基やヒドロキシアルキル基など、カ
ルボキシル基以外の酸素含有炭化水素基が挙げられる。
本発明はとくに、ジカルボン酸およびトリカルボン酸
以上のポリカルボン酸を精製する場合に効果的である。
芳香族カルボン酸は、上記したように、アルキル置換基
または一部酸化されたアルキル置換基を有する単環芳香
族化合物の置換基を酸化することにより得たものであ
り、このアルキル置換基は、代表的には、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピルなどの炭素数1〜3の低級
アルキル基である。 一部酸化されたアルキル置換基と
しては、アルデヒド基やヒドロキシアルキル基など、カ
ルボキシル基以外の酸素含有炭化水素基が挙げられる。
本発明はとくに、ジカルボン酸およびトリカルボン酸
以上のポリカルボン酸を精製する場合に効果的である。
【0012】このような粗製の単環芳香族カルボン酸
は、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、p−
トルイル酸、トリメチルベンゼン、デュレンなどを出発
原料とし、これを気相または液相で酸化して得たもので
あればよい。 好ましいものは、低級脂肪族カルボン酸
を反応媒体とし、コバルト、マンガン、臭素などの触媒
を用いて、分子状酸素により液相酸化して得た単環芳香
族カルボン酸の粗製物である。 このような粗製物の例
としては、特開昭60−184043に記載の製造法に
よる粗製テレフタル酸や、特開平2−184652に記
載の製造法による粗製トリメリット酸などを挙げること
ができる。 特開昭60−184043のテレフタル酸
製造法は、パラキシレンまたはメタキシレンを、コバル
トまたはマンガンの塩(金属原子として0.1〜1重量
%)および臭素化合物(臭素原子として0.3〜10重
量%)を加えた触媒の存在下に、全金属原子に対して1
〜10倍モルの芳香族カルボン酸を含む水溶液中で、分
子状酸素含有ガスを用いて酸化する方法であって、臭素
化合物として臭化カルシウムおよびテトラブロモブタン
を用いることを特徴とする。
は、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、p−
トルイル酸、トリメチルベンゼン、デュレンなどを出発
原料とし、これを気相または液相で酸化して得たもので
あればよい。 好ましいものは、低級脂肪族カルボン酸
を反応媒体とし、コバルト、マンガン、臭素などの触媒
を用いて、分子状酸素により液相酸化して得た単環芳香
族カルボン酸の粗製物である。 このような粗製物の例
としては、特開昭60−184043に記載の製造法に
よる粗製テレフタル酸や、特開平2−184652に記
載の製造法による粗製トリメリット酸などを挙げること
ができる。 特開昭60−184043のテレフタル酸
製造法は、パラキシレンまたはメタキシレンを、コバル
トまたはマンガンの塩(金属原子として0.1〜1重量
%)および臭素化合物(臭素原子として0.3〜10重
量%)を加えた触媒の存在下に、全金属原子に対して1
〜10倍モルの芳香族カルボン酸を含む水溶液中で、分
子状酸素含有ガスを用いて酸化する方法であって、臭素
化合物として臭化カルシウムおよびテトラブロモブタン
を用いることを特徴とする。
【0013】本発明で使用する反応媒体は、前記したよ
うに水性のものであって、水または水を主体とする媒体
である。 後者の例としては、酢酸水溶液がある。 し
かし、一般には蒸留水、イオン交換水などの水を使用す
れば十分である。 反応媒体の使用量は、反応温度にお
いて粗製の単環芳香族カルボン酸を少なくとも部分的
に、好ましくは完全に溶解する量とする。 通常は、粗
製物に対して重量で2〜20倍量を使用する。 とく
に、3〜10倍量が好ましい。 反応媒体の量が少なす
ぎれば、いうまでもなく粗製単環芳香族カルボン酸の溶
解量が小さく、酸化反応による精製が十分に行なわれな
い。 多すぎる場合、反応の進行上は差し支えないが、
大型の反応器を必要とし、単環芳香族カルボン酸の回収
に要するエネルギー消費が増すなど、経済的に不利にな
る。
うに水性のものであって、水または水を主体とする媒体
である。 後者の例としては、酢酸水溶液がある。 し
かし、一般には蒸留水、イオン交換水などの水を使用す
れば十分である。 反応媒体の使用量は、反応温度にお
いて粗製の単環芳香族カルボン酸を少なくとも部分的
に、好ましくは完全に溶解する量とする。 通常は、粗
製物に対して重量で2〜20倍量を使用する。 とく
に、3〜10倍量が好ましい。 反応媒体の量が少なす
ぎれば、いうまでもなく粗製単環芳香族カルボン酸の溶
解量が小さく、酸化反応による精製が十分に行なわれな
い。 多すぎる場合、反応の進行上は差し支えないが、
大型の反応器を必要とし、単環芳香族カルボン酸の回収
に要するエネルギー消費が増すなど、経済的に不利にな
る。
【0014】反応温度は、粗製の単環芳香族カルボン酸
が反応媒体に十分に溶解する温度をえらぶ。 低い温度
では溶解度が低く、多量の溶媒が必要になる。 温度が
高すぎては、芳香環の開裂やカルボキシル基の脱離な
ど、望ましくない分解反応が生じる。 好ましい温度は
200〜330℃であり、とくに好ましい温度は250
〜310℃である。
が反応媒体に十分に溶解する温度をえらぶ。 低い温度
では溶解度が低く、多量の溶媒が必要になる。 温度が
高すぎては、芳香環の開裂やカルボキシル基の脱離な
ど、望ましくない分解反応が生じる。 好ましい温度は
200〜330℃であり、とくに好ましい温度は250
〜310℃である。
【0015】不純物を酸化する酸素は、空気、酸素およ
び不活性ガス(窒素など)との混合ガスなどに含まれる分
子状酸素を使用すればよいが、空気で十分である。 酸
素の供給量は、粗製単環芳香族カルボン酸中に存在する
不純物であって本発明で酸化処理の対象とする不完全酸
化段階にある置換基を基準にして、これをカルボキシル
基まで酸化させるために必要な酸素量を1当量とすると
き、少なくとも0.5当量必要であり、好ましくは1当
量以上、とくに好ましくは5当量以上とする。酸素の供
給量が上記の下限未満であると、不純物の酸化反応は進
行せず、脱カルボニル反応が進行する。 一方、酸素量
を過大にすることは反応上はとくに問題とならないが、
反応器の耐圧力を高めなければならないため避けるべき
であって、20当量以内が好ましい。 より好ましくは
15当量以内、とくに好ましいのは10当量以内であ
る。 酸素含有ガス中の酸素ガスの分圧は、0.01〜
6MPaが適当であり、0.5〜2MPa が好ましい。 こ
こでいう不完全酸化段階にある置換基とは、アルデヒ
ド、ヒドロキシアルキル、アルキルなどの置換基であ
る。
び不活性ガス(窒素など)との混合ガスなどに含まれる分
子状酸素を使用すればよいが、空気で十分である。 酸
素の供給量は、粗製単環芳香族カルボン酸中に存在する
不純物であって本発明で酸化処理の対象とする不完全酸
化段階にある置換基を基準にして、これをカルボキシル
基まで酸化させるために必要な酸素量を1当量とすると
き、少なくとも0.5当量必要であり、好ましくは1当
量以上、とくに好ましくは5当量以上とする。酸素の供
給量が上記の下限未満であると、不純物の酸化反応は進
行せず、脱カルボニル反応が進行する。 一方、酸素量
を過大にすることは反応上はとくに問題とならないが、
反応器の耐圧力を高めなければならないため避けるべき
であって、20当量以内が好ましい。 より好ましくは
15当量以内、とくに好ましいのは10当量以内であ
る。 酸素含有ガス中の酸素ガスの分圧は、0.01〜
6MPaが適当であり、0.5〜2MPa が好ましい。 こ
こでいう不完全酸化段階にある置換基とは、アルデヒ
ド、ヒドロキシアルキル、アルキルなどの置換基であ
る。
【0016】反応系全体の圧力は、反応媒体の少なくと
も一部が液体で存在し得る状態にする。 50重量%以
上が液相部に存在することが好ましく、75重量%程度
存在することがとくに好ましい。 圧力は、系の温度、
酸素分圧、ならびに反応媒体の種類および量に影響され
るため一概にいえないが、通常3〜13MPa であり、好
ましい範囲は5〜10MPaである。
も一部が液体で存在し得る状態にする。 50重量%以
上が液相部に存在することが好ましく、75重量%程度
存在することがとくに好ましい。 圧力は、系の温度、
酸素分圧、ならびに反応媒体の種類および量に影響され
るため一概にいえないが、通常3〜13MPa であり、好
ましい範囲は5〜10MPaである。
【0017】酸化触媒として使用する金属触媒は、前記
のように周期律表第VIII族の貴金属すなわちルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムお
よび白金の1種または2種以上である。 この触媒は、
粗製の単環芳香族カルボン酸中に不純物として混入して
いる、不完全酸化段階にある置換基を有する化合物をさ
らに酸化し、これを目的物である単環芳香族カルボン酸
に選択的に変換する。活性が高いのは、白金、パラジウ
ム、ロジウムおよびルテニウムである。 触媒は粉末状
や顆粒状で使用してもよいし、担体に担持させて使用し
てもよい。 担体としては、活性炭、黒鉛、アルミナ、
ゼオライト、シリカなどが使用できるが、とくに活性炭
が好ましい。 貴金属担持量は、全触媒量に対して金属
量にして0.1〜5重量%が適当であり、0.1〜1.0
重量%が好ましく、とくに0.5重量%前後が最適であ
る。 触媒の使用量は、反応温度、粗製単環芳香族カル
ボン酸中の不純物の濃度、反応器内の滞留時間などの条
件によって決定されるが、一般に、酸化触媒中の貴金属
成分1に対し、粗製単環芳香族カルボン酸が、重量で約
200〜約30,000、好ましくは約2,000〜約
20,000となるようにえらんで使用すればよい。
貴金属触媒が少ないと不純物の酸化反応率が低い値に止
まるし、一方で過大な量の触媒の存在は、脱カルボニル
反応を進行させて好ましくない。
のように周期律表第VIII族の貴金属すなわちルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムお
よび白金の1種または2種以上である。 この触媒は、
粗製の単環芳香族カルボン酸中に不純物として混入して
いる、不完全酸化段階にある置換基を有する化合物をさ
らに酸化し、これを目的物である単環芳香族カルボン酸
に選択的に変換する。活性が高いのは、白金、パラジウ
ム、ロジウムおよびルテニウムである。 触媒は粉末状
や顆粒状で使用してもよいし、担体に担持させて使用し
てもよい。 担体としては、活性炭、黒鉛、アルミナ、
ゼオライト、シリカなどが使用できるが、とくに活性炭
が好ましい。 貴金属担持量は、全触媒量に対して金属
量にして0.1〜5重量%が適当であり、0.1〜1.0
重量%が好ましく、とくに0.5重量%前後が最適であ
る。 触媒の使用量は、反応温度、粗製単環芳香族カル
ボン酸中の不純物の濃度、反応器内の滞留時間などの条
件によって決定されるが、一般に、酸化触媒中の貴金属
成分1に対し、粗製単環芳香族カルボン酸が、重量で約
200〜約30,000、好ましくは約2,000〜約
20,000となるようにえらんで使用すればよい。
貴金属触媒が少ないと不純物の酸化反応率が低い値に止
まるし、一方で過大な量の触媒の存在は、脱カルボニル
反応を進行させて好ましくない。
【0018】反応時間は、粗製単環芳香族カルボン酸と
酸化触媒の量比、酸素濃度および反応温度によって異な
る。 実操業のめやすとして反応混合物が酸化触媒と接
触している滞留時間、あるいは供給重量速度(WHS
V)で示せば、約200〜200,000g(反応溶
液)/g(酸化触媒中の貴金属成分)・hr、好ましく
は、1,000〜100,000g/g・hrである。
酸化触媒の量比、酸素濃度および反応温度によって異な
る。 実操業のめやすとして反応混合物が酸化触媒と接
触している滞留時間、あるいは供給重量速度(WHS
V)で示せば、約200〜200,000g(反応溶
液)/g(酸化触媒中の貴金属成分)・hr、好ましく
は、1,000〜100,000g/g・hrである。
【0019】単環芳香族カルボン酸は一般に常温常圧下
では水に難溶ないしほとんど不溶であるが、高温高圧下
では反応媒体への溶解度が高まるから、溶解させた状態
で濾過・遠心分離などの手段で酸化触媒と反応生成液と
を固液分離することによって、とり出すことができる。
単環芳香族カルボン酸が水性媒体に溶解しやすい高温
高圧の条件とは、温度が200℃以上、圧力が3MPa 以
上であって、この条件下では単環芳香族カルボン酸の水
に対する溶解度が、少なくとも10重量%程度ある。
実用上の限界は、温度330℃、圧力10MPa である。
好適範囲は、温度250〜310℃、圧力7〜10MP
aである。
では水に難溶ないしほとんど不溶であるが、高温高圧下
では反応媒体への溶解度が高まるから、溶解させた状態
で濾過・遠心分離などの手段で酸化触媒と反応生成液と
を固液分離することによって、とり出すことができる。
単環芳香族カルボン酸が水性媒体に溶解しやすい高温
高圧の条件とは、温度が200℃以上、圧力が3MPa 以
上であって、この条件下では単環芳香族カルボン酸の水
に対する溶解度が、少なくとも10重量%程度ある。
実用上の限界は、温度330℃、圧力10MPa である。
好適範囲は、温度250〜310℃、圧力7〜10MP
aである。
【0020】反応は、連続的に行なってもよいしバッチ
操作で行なってもよい。 触媒を固定床としてそこへ反
応液を通過させる連続法を採用すれば、触媒と反応液と
の固液分離の問題がなくなる。 触媒は、還元処理など
の通常の再生処理を行なった後、再使用できる。
操作で行なってもよい。 触媒を固定床としてそこへ反
応液を通過させる連続法を採用すれば、触媒と反応液と
の固液分離の問題がなくなる。 触媒は、還元処理など
の通常の再生処理を行なった後、再使用できる。
【0021】固液分離に続いて、得られた反応液を冷却
し、単環芳香族カルボン酸を晶出させる。 晶出の温度
は、200℃以下30℃程度までの間とする。 好まし
いのは、100〜35℃である。 このとき、冷却速度
は25℃/min以下が好ましく、さらに好ましくは10℃
/min以下とする。 冷却速度が速すぎると、析出する単
環芳香族カルボン酸の粒子が極端に細かくなり、母液と
の分離が困難になる。析出した精製単環芳香族カルボン
酸は、濾過・遠心分離などの手段により回収する。
し、単環芳香族カルボン酸を晶出させる。 晶出の温度
は、200℃以下30℃程度までの間とする。 好まし
いのは、100〜35℃である。 このとき、冷却速度
は25℃/min以下が好ましく、さらに好ましくは10℃
/min以下とする。 冷却速度が速すぎると、析出する単
環芳香族カルボン酸の粒子が極端に細かくなり、母液と
の分離が困難になる。析出した精製単環芳香族カルボン
酸は、濾過・遠心分離などの手段により回収する。
【0022】
【作用】不完全酸化段階にある置換基、代表的にはホル
ミル基−CHOは、高温高圧の水性反応媒体中で、貴金
属触媒の存在下に適量の分子状酸素を作用させると、カ
ルボキシル基に酸化される。 その結果、たとえば粗製
テレフタル酸に含まれる代表的不純物である4−CBA
はテレフタル酸となり、純度の向上と収率の改善とが一
挙に実現する。
ミル基−CHOは、高温高圧の水性反応媒体中で、貴金
属触媒の存在下に適量の分子状酸素を作用させると、カ
ルボキシル基に酸化される。 その結果、たとえば粗製
テレフタル酸に含まれる代表的不純物である4−CBA
はテレフタル酸となり、純度の向上と収率の改善とが一
挙に実現する。
【0023】
【実施例】以下の実施例において、純度の測定は、高速
液体クロマトグラフィ−(HPLC)により、分析カラ
ム:Asahipak ODP−50(Shodex)、溶媒:10mM
−NaH2PO4+5mM−テトラブチルアンモニウムブロ
マイド(pH7.5)水溶液/アセトニトリルを用いて
行なった。 色相は、粉体試料を用意して板状に押しか
ためたものについて、L値(明度)、a値〔赤(+)〜緑
(−)〕、b値〔黄(+)〜青(−)〕を求めた。 L
値は100に近いほど明るい色であり、a値およびb値
は、0に近いほど白色に近いものとなる。
液体クロマトグラフィ−(HPLC)により、分析カラ
ム:Asahipak ODP−50(Shodex)、溶媒:10mM
−NaH2PO4+5mM−テトラブチルアンモニウムブロ
マイド(pH7.5)水溶液/アセトニトリルを用いて
行なった。 色相は、粉体試料を用意して板状に押しか
ためたものについて、L値(明度)、a値〔赤(+)〜緑
(−)〕、b値〔黄(+)〜青(−)〕を求めた。 L
値は100に近いほど明るい色であり、a値およびb値
は、0に近いほど白色に近いものとなる。
【0024】〔実施例1〕特開昭60−184043に
記載の方法に従って、パラキシレンを酸化して、粗製テ
レフタル酸を得た。 得られた粗製テレフタル酸は、純
度99重量%で不純物として4−CBAを10,000
ppm含み、色相は〔L 92,a −4,b8〕である。
記載の方法に従って、パラキシレンを酸化して、粗製テ
レフタル酸を得た。 得られた粗製テレフタル酸は、純
度99重量%で不純物として4−CBAを10,000
ppm含み、色相は〔L 92,a −4,b8〕である。
【0025】図1に示す実験装置を用いて、上記粗製テ
レフタル酸の精製を行なった。 この装置は、図示して
ないヒーターと保温材を設けてあり、温度コントローラ
ーにより温度を正確に制御されている。
レフタル酸の精製を行なった。 この装置は、図示して
ないヒーターと保温材を設けてあり、温度コントローラ
ーにより温度を正確に制御されている。
【0026】まず、上部にコンデンサー(11)および
ガス吹き込み管(12)を有し、撹拌機(13)をそな
えたチタン製反応槽(1)に、上記粗製テレフタル酸1
23g、活性炭担持5%パラジウム触媒2.59gおよ
び水600gを装入した。バルブ(3)を開いてガス吹
き込み管(12)から空気を圧入し、内部の圧力を0.
6MPa とした。 これにより圧入された酸素は、不完全
酸化段階の置換基1当量に対して5.9当量に相当す
る。 撹拌機(13)で撹拌しながら、加熱器(2)で
反応槽を加熱し、昇温させた。 反応槽内の温度が30
0℃、圧力9.0MPaに達した後、30分間反応を続け
た。
ガス吹き込み管(12)を有し、撹拌機(13)をそな
えたチタン製反応槽(1)に、上記粗製テレフタル酸1
23g、活性炭担持5%パラジウム触媒2.59gおよ
び水600gを装入した。バルブ(3)を開いてガス吹
き込み管(12)から空気を圧入し、内部の圧力を0.
6MPa とした。 これにより圧入された酸素は、不完全
酸化段階の置換基1当量に対して5.9当量に相当す
る。 撹拌機(13)で撹拌しながら、加熱器(2)で
反応槽を加熱し、昇温させた。 反応槽内の温度が30
0℃、圧力9.0MPaに達した後、30分間反応を続け
た。
【0027】反応終了後、温度を保ったままバルブ
(5)を開き、反応混合物を焼結金属フィルター(4)
を通して触媒と反応生成液とに固液分離し、液を導入管
(62)を通して、コンデンサー(61)を設けてある
冷却槽(6)に移送した。
(5)を開き、反応混合物を焼結金属フィルター(4)
を通して触媒と反応生成液とに固液分離し、液を導入管
(62)を通して、コンデンサー(61)を設けてある
冷却槽(6)に移送した。
【0028】40℃に至るまで、20℃/minの冷却速度
で冷却し、精製テレフタル酸を晶出させた。 冷却槽
(6)の内圧を常圧まで下げた後、バルブ(7)を開い
て精製テレフタル酸を含むスラリーを採取した。
で冷却し、精製テレフタル酸を晶出させた。 冷却槽
(6)の内圧を常圧まで下げた後、バルブ(7)を開い
て精製テレフタル酸を含むスラリーを採取した。
【0029】このスラリーを減圧濾過して固体と母液と
を分離した。 固体を乾燥させてから純度を測定したと
ころ、99.95重量%以上(4−CBA含有量500
ppm以下)であり、色相も〔L 96,a −1.7,b
1.9〕と改善されていた。テレフタル酸の回収率は9
9重量%以上であった。
を分離した。 固体を乾燥させてから純度を測定したと
ころ、99.95重量%以上(4−CBA含有量500
ppm以下)であり、色相も〔L 96,a −1.7,b
1.9〕と改善されていた。テレフタル酸の回収率は9
9重量%以上であった。
【0030】〔実施例2〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様にして製造した粗製テレフタル酸を
精製した。
し、実施例1と同様にして製造した粗製テレフタル酸を
精製した。
【0031】操業条件および結果は、つぎのとおり: (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭担持5%ルテニウム触媒 2.59g 水 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 96,a −1.8,b 1.9〕 テレフタル酸回収率 99重量%以上。
【0032】〔実施例3〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。
【0033】操業条件および結果は、つぎのとおり: (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭担持5%パラジウム触媒 2.59g 水 600g 空気 圧力0.1MPaに至るまで=酸素量 1当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 96,a −1.1,b 2.0〕 テレフタル酸回収率 99重量%以上。
【0034】〔実施例4〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。
【0035】反応触媒として、水/酢酸混合物を使用し
た。 そのほかの操業条件および結果は、つぎのとお
り: (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭担持5%パラジウム触媒 2.59g 50重量%酢酸水溶液 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 96,a −2.1,b 1.8〕 テレフタル酸回収率 99重量%以上。
た。 そのほかの操業条件および結果は、つぎのとお
り: (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭担持5%パラジウム触媒 2.59g 50重量%酢酸水溶液 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 96,a −2.1,b 1.8〕 テレフタル酸回収率 99重量%以上。
【0036】〔実施例5〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様にして製造した粗製テレフタル酸を
精製した。
し、実施例1と同様にして製造した粗製テレフタル酸を
精製した。
【0037】操業条件および結果は、つぎのとおり: (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭担持0.5%パラジウム触媒 2.59g 水 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 96.2,a −1.9,b 0.9〕 テレフタル酸回収率 99重量%以上。
【0038】〔比較例1〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。 操業条件および結果はつぎのとおりであって、
触媒としては活性炭を使用した。
し、実施例1と同様に製造した粗製テレフタル酸を精製
した。 操業条件および結果はつぎのとおりであって、
触媒としては活性炭を使用した。
【0039】 (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 活性炭 2.46g 水 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.1重量%以上 4−CBA含有量 9000ppm以下 色相〔L 92.1,a −3.2,b 8.6〕 貴金属触媒を使用しないときは、精製の効果が得られな
いことが確認された。
いことが確認された。
【0040】〔比較例2〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1で精製したものと同じ粗製テレフタル酸を
精製した。 操業条件および結果は、つぎのとおりであ
って、触媒としては酸化銅を使用した。
し、実施例1で精製したものと同じ粗製テレフタル酸を
精製した。 操業条件および結果は、つぎのとおりであ
って、触媒としては酸化銅を使用した。
【0041】 (装 入 物) 粗製テレフタル酸 123g 酸化銅 2.59g 水 600g 空気 圧力0.6MPaに至るまで=酸素量 5.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 30分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) テレフタル酸純度 99.95重量%以上 4−CBA含有量 500ppm以下 色相〔L 87.9,a −4.9,b 4.2〕 母液を分析したところ、安息香酸が0.9g、また重合
物が2gも生成していた。 そのため、テレフタル酸の
回収率は95重量%と低い値であった。
物が2gも生成していた。 そのため、テレフタル酸の
回収率は95重量%と低い値であった。
【0042】〔実施例6〕実施例1と同じ装置を使用
し、特開平2−196752に記載の方法により製造し
た下記の粗製トリメリット酸を精製した: 純度:99重量% 不純物量 1,2−ジカルボキシ−4−トルエン 10,000ppm 色相:〔L 90,a −4.4,b 13〕。
し、特開平2−196752に記載の方法により製造し
た下記の粗製トリメリット酸を精製した: 純度:99重量% 不純物量 1,2−ジカルボキシ−4−トルエン 10,000ppm 色相:〔L 90,a −4.4,b 13〕。
【0043】晶出した精製トリメリット酸の分離は、減
圧濾過によった。 そのほかの操業条件および結果は、
つぎのとおりである: (装 入 物) 粗製トリメリット酸 117g 活性炭担持5%ルテニウム触媒 2.59g 水 600g 空気 圧力0.8MPaに至るまで=酸素量 4.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 90分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) トリメリット酸純度 99.9重量%以上 1,2−ジカルボキシ−4−トルエン含有量 500ppm以下 色相〔L 94.1,a −2.1,b 2.8〕 トリメリット酸回収率 99重量%以上。
圧濾過によった。 そのほかの操業条件および結果は、
つぎのとおりである: (装 入 物) 粗製トリメリット酸 117g 活性炭担持5%ルテニウム触媒 2.59g 水 600g 空気 圧力0.8MPaに至るまで=酸素量 4.9当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 9.0MPa、 時間 90分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) トリメリット酸純度 99.9重量%以上 1,2−ジカルボキシ−4−トルエン含有量 500ppm以下 色相〔L 94.1,a −2.1,b 2.8〕 トリメリット酸回収率 99重量%以上。
【0044】〔実施例7〕実施例1と同じ装置を使用
し、特開平2−184652に記載の方法により製造し
た下記の粗製ピロメリット酸を精製した: 純度:97重重% 不純物量 1,2−ジカルボキシ−4,5−フタリド 12,000ppm 2,4,5−トリカルボキシトルエン 12,000ppm 色相:〔L 90,a −4,b 15〕。
し、特開平2−184652に記載の方法により製造し
た下記の粗製ピロメリット酸を精製した: 純度:97重重% 不純物量 1,2−ジカルボキシ−4,5−フタリド 12,000ppm 2,4,5−トリカルボキシトルエン 12,000ppm 色相:〔L 90,a −4,b 15〕。
【0045】晶出した粗製ピロメリット酸の分離は、減
圧濾過によった。 そのほかの操業条件および結果は、
つぎのとおりである: (装 入 物) 粗製ピロメリット酸 70.5g 活性炭担持5%ルテニウム触媒 4.31g 水 600g 空気 圧力2.3MPaに至るまで=酸素量 12当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 10MPa、 時間 120分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) ピロメリット酸純度 99.85重量%以上 1,2−ジカルボキシ−4,5−フタリド含有量 500ppm 2,4,5−トリカルボキシトルエン 500ppm 色相〔L 94,a −2.3,b 2.8〕 ピロメリット酸回収率 99重量%以上。
圧濾過によった。 そのほかの操業条件および結果は、
つぎのとおりである: (装 入 物) 粗製ピロメリット酸 70.5g 活性炭担持5%ルテニウム触媒 4.31g 水 600g 空気 圧力2.3MPaに至るまで=酸素量 12当量 (反応条件) 温度 300℃、 圧力 10MPa、 時間 120分間 (晶出条件) 40℃まで20℃/minの冷却速度で冷却 (精 製 品) ピロメリット酸純度 99.85重量%以上 1,2−ジカルボキシ−4,5−フタリド含有量 500ppm 2,4,5−トリカルボキシトルエン 500ppm 色相〔L 94,a −2.3,b 2.8〕 ピロメリット酸回収率 99重量%以上。
【0046】
【発明の効果】本発明に従い、水性反応媒体中で既知の
貴金属触媒を使用して適量の酸素を粗製単環芳香族カル
ボン酸に作用させることにより、不完全酸化段階にある
置換基をカルボキシル基にまで酸化して、不純物を目的
生成物に変えることができる。その結果、単環芳香族カ
ルボン酸の純度のみならず収率も向上する。 本発明に
より精製した単環芳香族カルボン酸は、着色性の成分が
減少しているから、色相が著しく改善される。 従って
この精製品の使用は、それを原料とするポリマーの色相
の改善に役立つ。
貴金属触媒を使用して適量の酸素を粗製単環芳香族カル
ボン酸に作用させることにより、不完全酸化段階にある
置換基をカルボキシル基にまで酸化して、不純物を目的
生成物に変えることができる。その結果、単環芳香族カ
ルボン酸の純度のみならず収率も向上する。 本発明に
より精製した単環芳香族カルボン酸は、着色性の成分が
減少しているから、色相が著しく改善される。 従って
この精製品の使用は、それを原料とするポリマーの色相
の改善に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に使用した実験装置の構成を
示す、概念的な縦断面図。
示す、概念的な縦断面図。
1 反応槽 11 コンデンサー 12 ガス吹き込み管 13
撹拌機 2 加熱器 4 焼結金属フィルター 6 冷却槽 61 コンデンサー 62 導入管 3,5,7 バルブ
撹拌機 2 加熱器 4 焼結金属フィルター 6 冷却槽 61 コンデンサー 62 導入管 3,5,7 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 63/307 2115−4H C07C 63/307 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 浦里 延明 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内
Claims (3)
- 【請求項1】 アルキル置換基または一部酸化されたア
ルキル置換基を有する単環芳香族化合物の置換基を酸化
することにより得た粗製の単環芳香族カルボン酸を精製
する方法において、粗製の単環芳香族カルボン酸を、高
温の水性反応媒体中で第VIII属貴金属触媒の存在下に、
粗製単環芳香族カルボン酸中の不完全酸化段階にある置
換基をカルボキシル基まで酸化するに要する酸素量に対
し0.5〜20当量の分子状酸素により酸化し、生成し
た単環芳香族カルボン酸を前記高温の水性反応媒体に溶
解させた状態で前記貴金属触媒と固液分離し、ついで反
応生成液を冷却して単環芳香族カルボン酸を析出させ、
回収することを特徴とする単環芳香族カルボン酸の精製
方法。 - 【請求項2】 単環芳香族カルボン酸がジカルボン酸で
ある請求項1の精製方法。 - 【請求項3】 単環芳香族カルボン酸がトリカルボン酸
以上のポリカルボン酸である請求項1の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8189684A JPH09104653A (ja) | 1995-08-07 | 1996-07-18 | 単環芳香族カルボン酸の精製方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20111195 | 1995-08-07 | ||
JP7-201111 | 1995-08-07 | ||
JP8189684A JPH09104653A (ja) | 1995-08-07 | 1996-07-18 | 単環芳香族カルボン酸の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09104653A true JPH09104653A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=26505610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8189684A Pending JPH09104653A (ja) | 1995-08-07 | 1996-07-18 | 単環芳香族カルボン酸の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09104653A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6833472B2 (en) | 2000-07-14 | 2004-12-21 | Eurotecnica Development And Licensing Spa | Process for the purification of aromatic carboxylic acids |
JP2008511653A (ja) * | 2004-09-02 | 2008-04-17 | イーストマン ケミカル カンパニー | 芳香族ジカルボン酸の最適化製造 |
US20150183705A1 (en) * | 2013-12-31 | 2015-07-02 | Bp Corporation North America Inc. | Oxidation Process For Preparing Purified Aromatic Carboxylic Acids |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP8189684A patent/JPH09104653A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6833472B2 (en) | 2000-07-14 | 2004-12-21 | Eurotecnica Development And Licensing Spa | Process for the purification of aromatic carboxylic acids |
JP2008511653A (ja) * | 2004-09-02 | 2008-04-17 | イーストマン ケミカル カンパニー | 芳香族ジカルボン酸の最適化製造 |
US20150183705A1 (en) * | 2013-12-31 | 2015-07-02 | Bp Corporation North America Inc. | Oxidation Process For Preparing Purified Aromatic Carboxylic Acids |
WO2015103350A1 (en) * | 2013-12-31 | 2015-07-09 | Bp Corporation North America Inc. | Oxidation process for preparing purified carboxylic acids |
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