JPH0532586A - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents
2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法Info
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- JPH0532586A JPH0532586A JP3187624A JP18762491A JPH0532586A JP H0532586 A JPH0532586 A JP H0532586A JP 3187624 A JP3187624 A JP 3187624A JP 18762491 A JP18762491 A JP 18762491A JP H0532586 A JPH0532586 A JP H0532586A
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- naphthalenedicarboxylic acid
- acid
- crude
- pyridine
- pyridines
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 2,6−ジアルキルナフタレンの酸化反応に
よって得られた、不純物及び着色成分を含む粗2,6−
ナフタレンジカルボン酸を、大量のアルカリや酸を使用
する事なく精製し、高純度で色相の良好な2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を効率的に製造する。 【構成】 2,6−ジアルキルナフタレンの酸化反応に
よって得られた、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を
ピリジン類で晶析し、純度99%以上で色相の良好な
2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る。
よって得られた、不純物及び着色成分を含む粗2,6−
ナフタレンジカルボン酸を、大量のアルカリや酸を使用
する事なく精製し、高純度で色相の良好な2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を効率的に製造する。 【構成】 2,6−ジアルキルナフタレンの酸化反応に
よって得られた、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を
ピリジン類で晶析し、純度99%以上で色相の良好な
2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る。
Description
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸の製造方法に関するものである。2,6−ナフ
タレンジカルボン酸は、ポリエチレンナフタレート(P
EN樹脂)などの高機能性樹脂の原料等として有用な化
合物である。
ルボン酸の製造方法に関するものである。2,6−ナフ
タレンジカルボン酸は、ポリエチレンナフタレート(P
EN樹脂)などの高機能性樹脂の原料等として有用な化
合物である。
【0002】
【従来の技術】2,6−ナフタレンジカルボン酸は、
2,6−ジメチルナフタレンや2,6−ジイソプロピル
ナフタレン等の2,6−ジアルキルナフタレンを、コバ
ルト、マンガン及び臭素の存在下に、分子状酸素によっ
て酸化することによって製造するのが一般的である。こ
の方法で得られる粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
は、トリメリット酸等の不純物や着色物質を含むため
に、精製工程が必要である。
2,6−ジメチルナフタレンや2,6−ジイソプロピル
ナフタレン等の2,6−ジアルキルナフタレンを、コバ
ルト、マンガン及び臭素の存在下に、分子状酸素によっ
て酸化することによって製造するのが一般的である。こ
の方法で得られる粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
は、トリメリット酸等の不純物や着色物質を含むため
に、精製工程が必要である。
【0003】従来、2,6−ナフタレンジカルボン酸の
精製方法としては、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
を、アルカリ水溶液に溶解し、酸化や水素化、吸着によ
る脱色等の処理を行なった後、酸性にする方法が知られ
ている(特開昭48−68554、特公昭52−209
93、特開昭50−105639、160248号公報
等)。
精製方法としては、粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
を、アルカリ水溶液に溶解し、酸化や水素化、吸着によ
る脱色等の処理を行なった後、酸性にする方法が知られ
ている(特開昭48−68554、特公昭52−209
93、特開昭50−105639、160248号公報
等)。
【0004】しかしながら、これらの方法は、いずれも
大量のアルカリ及び酸を使用するため、大量の無機塩及
び排水が発生するという問題があった。一方、粗2,6
−ナフタレンジカルボン酸を、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)及びジメチルスルホキシド(DMSO)から選
ばれた有機溶媒を用い、活性炭処理の後、再結晶させる
方法が開示されている(特開昭62−230747号公
報)。
大量のアルカリ及び酸を使用するため、大量の無機塩及
び排水が発生するという問題があった。一方、粗2,6
−ナフタレンジカルボン酸を、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)及びジメチルスルホキシド(DMSO)から選
ばれた有機溶媒を用い、活性炭処理の後、再結晶させる
方法が開示されている(特開昭62−230747号公
報)。
【0005】しかしながら、本発明者らが上記の方法で
精製を行なったところ、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の回収率を上げた場合には、色相がほとんど改善され
なかった(比較例1、2参照)。更に、それらの有機溶
媒は、沸点が高く溶媒の回収が困難であり、また、毒性
が高いなどの問題があった。
精製を行なったところ、2,6−ナフタレンジカルボン
酸の回収率を上げた場合には、色相がほとんど改善され
なかった(比較例1、2参照)。更に、それらの有機溶
媒は、沸点が高く溶媒の回収が困難であり、また、毒性
が高いなどの問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を、高回収率で工
業的に有利に製造する方法を提供することである。
度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を、高回収率で工
業的に有利に製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、2,6−ジア
ルキルナフタレンを酸化して得られた粗2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を、ピリジン類で晶析を行うことを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法で
ある。
ルキルナフタレンを酸化して得られた粗2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を、ピリジン類で晶析を行うことを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法で
ある。
【0008】
(粗2,6−ナフタレンジカルボン酸)本発明の方法に
用いられる粗2,6−ナフタレンジカルボン酸は、2,
6−ジメチルナフタレン、2,6−ジエチルナフタレン
及び2,6−ジイソプロピルナフタレンなどの2,6−
ジアルキルナフタレンを、脂肪族低級モノカルボン酸溶
媒中で、コバルト化合物、マンガン化合物及び臭素化合
物を含む触媒の存在下、空気等の分子状酸素で酸化する
ことにより得られる。
用いられる粗2,6−ナフタレンジカルボン酸は、2,
6−ジメチルナフタレン、2,6−ジエチルナフタレン
及び2,6−ジイソプロピルナフタレンなどの2,6−
ジアルキルナフタレンを、脂肪族低級モノカルボン酸溶
媒中で、コバルト化合物、マンガン化合物及び臭素化合
物を含む触媒の存在下、空気等の分子状酸素で酸化する
ことにより得られる。
【0009】脂肪族低級モノカルボン酸溶媒としては、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸及
びブロモ酢酸等が挙げられ、このうち酢酸が最も好まし
く、水や芳香族炭化水素などの他の溶媒で希釈されてい
てもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、原料の
2,6−ジアルキルナフタレンに対して好ましくは0.
5〜10重量倍、特に好ましくは1〜6重量倍である。
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸及
びブロモ酢酸等が挙げられ、このうち酢酸が最も好まし
く、水や芳香族炭化水素などの他の溶媒で希釈されてい
てもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、原料の
2,6−ジアルキルナフタレンに対して好ましくは0.
5〜10重量倍、特に好ましくは1〜6重量倍である。
【0010】触媒として用いられるコバルト化合物及び
マンガン化合物としては、例えばコバルト及びマンガン
のギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸な
どの脂肪族カルボン酸塩、ナフテン酸などの脂環式カル
ボン酸塩、安息香酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸塩の他、水
酸化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物などの無機化合
物類を挙げることができる。このうち、酢酸塩及び臭化
物が好ましい。
マンガン化合物としては、例えばコバルト及びマンガン
のギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸な
どの脂肪族カルボン酸塩、ナフテン酸などの脂環式カル
ボン酸塩、安息香酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸塩の他、水
酸化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物などの無機化合
物類を挙げることができる。このうち、酢酸塩及び臭化
物が好ましい。
【0011】コバルト化合物及びマンガン化合物は混合
物として使用されるが、その混合割合は、コバルト:マ
ンガン(原子比)で99:1〜1:99、好ましくは9
7:3〜3:97の範囲である。コバルト及びマンガン
の使用量は、脂肪族カルボン酸溶媒に対し、コバルト及
びマンガン原子の合計量として、0.2〜10重量%、
好ましくは0.4〜5重量%の範囲である。
物として使用されるが、その混合割合は、コバルト:マ
ンガン(原子比)で99:1〜1:99、好ましくは9
7:3〜3:97の範囲である。コバルト及びマンガン
の使用量は、脂肪族カルボン酸溶媒に対し、コバルト及
びマンガン原子の合計量として、0.2〜10重量%、
好ましくは0.4〜5重量%の範囲である。
【0012】触媒成分中に含まれる臭素化合物として
は、例えば分子状臭素、臭化水素、臭化水素酸塩等の無
機臭素化合物、及び臭化メチル、臭化エチル、ブロモホ
ルム、臭化エチレン、ブロモ酢酸などの有機臭素化合物
を例示することができる。臭素化合物の使用量は、その
臭素原子の量が、脂肪族カルボン酸溶媒中に含まれるコ
バルト及びマンガン原子の合計モル数に対し、0.1〜
10モル倍、好ましくは0.2〜5モル倍の範囲であ
る。
は、例えば分子状臭素、臭化水素、臭化水素酸塩等の無
機臭素化合物、及び臭化メチル、臭化エチル、ブロモホ
ルム、臭化エチレン、ブロモ酢酸などの有機臭素化合物
を例示することができる。臭素化合物の使用量は、その
臭素原子の量が、脂肪族カルボン酸溶媒中に含まれるコ
バルト及びマンガン原子の合計モル数に対し、0.1〜
10モル倍、好ましくは0.2〜5モル倍の範囲であ
る。
【0013】反応温度は、通常100〜300℃、圧力
は、気相中の酸素分圧が絶対圧で0.2〜10kg/c
m2 となるような圧力が好ましい。反応終了後、反応液
を室温程度まで冷却し、析出した固体を回収して、粗
2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る。この様にして
得られた粗2,6−ナフタレンジカルボン酸は、そのま
ま本発明の方法に用いても、また、反応溶媒等で洗浄し
てから晶析に供してもよい。
は、気相中の酸素分圧が絶対圧で0.2〜10kg/c
m2 となるような圧力が好ましい。反応終了後、反応液
を室温程度まで冷却し、析出した固体を回収して、粗
2,6−ナフタレンジカルボン酸を得る。この様にして
得られた粗2,6−ナフタレンジカルボン酸は、そのま
ま本発明の方法に用いても、また、反応溶媒等で洗浄し
てから晶析に供してもよい。
【0014】本発明に用いられる粗2,6−ナフタレン
ジカルボン酸は、上記のようにして得られ、その純度は
90%以上、一般には95〜99%であり、通常は微褐
色〜褐色を呈している。場合によっては、純度が99%
以上のもの、例えば、活性炭や、DMSO等で処理した
後の2,6−ナフタレンジカルボン酸の、色相の改良に
用いることもできる。
ジカルボン酸は、上記のようにして得られ、その純度は
90%以上、一般には95〜99%であり、通常は微褐
色〜褐色を呈している。場合によっては、純度が99%
以上のもの、例えば、活性炭や、DMSO等で処理した
後の2,6−ナフタレンジカルボン酸の、色相の改良に
用いることもできる。
【0015】(ピリジン類)本発明の方法で晶析溶媒と
して使用されるピリジン類としては、例えばピリジン、
モノクロロピリジン及びモノブロモピリジンなどのモノ
ハロゲン化ピリジン、ジクロロピリジン及びジブロモピ
リジンなどのジハロゲン化ピリジン、モノヒドロキシピ
リジン、ジヒドロキシピリジン、ヒドロキシニトロピリ
ジン、ヒドロキシハロゲン化ピリジン、アミノニトロピ
リジン、アミノハロゲン化ピリジン、ピコリン、エチル
ピリジン、プロピルピリジン、ルチジン及びコリンなど
のアルキルピリジン類などが挙げられる。
して使用されるピリジン類としては、例えばピリジン、
モノクロロピリジン及びモノブロモピリジンなどのモノ
ハロゲン化ピリジン、ジクロロピリジン及びジブロモピ
リジンなどのジハロゲン化ピリジン、モノヒドロキシピ
リジン、ジヒドロキシピリジン、ヒドロキシニトロピリ
ジン、ヒドロキシハロゲン化ピリジン、アミノニトロピ
リジン、アミノハロゲン化ピリジン、ピコリン、エチル
ピリジン、プロピルピリジン、ルチジン及びコリンなど
のアルキルピリジン類などが挙げられる。
【0016】これらのピリジン類は単独でも、二種類以
上を任意の割合で混合したものでもどちらでも使用する
ことができる。ピリジン類の使用量は、粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸に対し、1〜100重量倍、好まし
くは3〜50重量倍、更に好ましくは5〜30重量倍の
範囲である。ピリジン類の量が上記の範囲未満では、十
分な晶析効果が得られず、また上記の範囲より多く使用
してもその晶析効果に変わりはなく、使用する溶媒量が
増えるためかえって不経済である。
上を任意の割合で混合したものでもどちらでも使用する
ことができる。ピリジン類の使用量は、粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸に対し、1〜100重量倍、好まし
くは3〜50重量倍、更に好ましくは5〜30重量倍の
範囲である。ピリジン類の量が上記の範囲未満では、十
分な晶析効果が得られず、また上記の範囲より多く使用
してもその晶析効果に変わりはなく、使用する溶媒量が
増えるためかえって不経済である。
【0017】(晶析操作)本発明の晶析操作は、次のよ
うな手順で行なわれる。即ち、2,6−ジアルキルナフ
タレンの酸化反応によって得られた粗2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を所定量のピリジン類に溶解し、不溶物
がある場合には濾過によって除去する。この際に、活性
炭等で処理してもよい。
うな手順で行なわれる。即ち、2,6−ジアルキルナフ
タレンの酸化反応によって得られた粗2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を所定量のピリジン類に溶解し、不溶物
がある場合には濾過によって除去する。この際に、活性
炭等で処理してもよい。
【0018】溶解の際の温度は高いほどよいが、通常は
0〜350℃、好ましくは20〜250℃で行なわれ
る。この際の圧力に特に制限はない。次いで、必要があ
れば所定量のピリジン類を蒸留等の操作で回収して、溶
液を濃縮し、2,6−ナフタレンジカルボン酸溶液の濃
度が、溶液中のピリジン類が粗2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸に対して、好ましくは2〜15重量倍、更に好
ましくは3〜10重量倍となるようにする。
0〜350℃、好ましくは20〜250℃で行なわれ
る。この際の圧力に特に制限はない。次いで、必要があ
れば所定量のピリジン類を蒸留等の操作で回収して、溶
液を濃縮し、2,6−ナフタレンジカルボン酸溶液の濃
度が、溶液中のピリジン類が粗2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸に対して、好ましくは2〜15重量倍、更に好
ましくは3〜10重量倍となるようにする。
【0019】その後、−20〜100℃、好ましくは0
〜40℃に冷却し、析出した2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を濾過、乾燥することにより、精製2,6−ナフ
タレンジカルボン酸が得られる。析出した2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を濾過した後のピリジン類の母液
は、不純物や着色物質を含んでいるが、通常は何ら特別
な処理をすることなく、または、必要により精製して、
繰り返し晶析に用いることができる。
〜40℃に冷却し、析出した2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を濾過、乾燥することにより、精製2,6−ナフ
タレンジカルボン酸が得られる。析出した2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を濾過した後のピリジン類の母液
は、不純物や着色物質を含んでいるが、通常は何ら特別
な処理をすることなく、または、必要により精製して、
繰り返し晶析に用いることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法を用いれば、2,6−ジア
ルキルナフタレンの酸化反応によって得られた、不純物
及び着色成分を含む粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
から、純度99%以上でかつ色相の良好な2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を回収率よく効果的に精製回収する
ことができる。
ルキルナフタレンの酸化反応によって得られた、不純物
及び着色成分を含む粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
から、純度99%以上でかつ色相の良好な2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を回収率よく効果的に精製回収する
ことができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳
細に説明する。なお、2,6−ナフタレンジカルボン酸
の純度は、高速液体クロマトグラフィーによって測定し
た。また、色相は、試料1gを25%メチルアミン水溶
液10mlに溶解し、10mmの石英セルを用いて500
nmの波長の吸光度(以下ODと略記する)を測定した値
によって評価した。
細に説明する。なお、2,6−ナフタレンジカルボン酸
の純度は、高速液体クロマトグラフィーによって測定し
た。また、色相は、試料1gを25%メチルアミン水溶
液10mlに溶解し、10mmの石英セルを用いて500
nmの波長の吸光度(以下ODと略記する)を測定した値
によって評価した。
【0022】(参考例)還流冷却器、ガス導入管、原料
送液ポンプ、背圧調整器及び誘導攪拌機を有する500
mlチタン製オートクレーブに、酢酸200g、酢酸コ
バルト・四水塩9.35g(37.5ミリモル)、酢酸
マンガン・四水塩9.20g(37.5ミリモル)、臭
化アンモニウム7.35g(75.0ミリモル)、及び
ピリジン5.93g(75.0ミリモル)を仕込み、窒
素で反応系内を置換し、背圧調整器で系内の圧力が30
kg/cm2 GPとなるようにした。内温が200℃になる
まで加熱し、空気を4Nl/minで内圧が30kg/cm
2 GPに保たれるように供給した。系内が安定したとこ
ろで2,6−ジイソプロピルナフタレン79.62g
(375ミリモル)を4時間かけて連続供給した。2,
6−ジイソプロピルナフタレンの供給終了後、系内を2
00℃、30kg/cm2 GPに保ったまま1時間空気の供
給を続けた。
送液ポンプ、背圧調整器及び誘導攪拌機を有する500
mlチタン製オートクレーブに、酢酸200g、酢酸コ
バルト・四水塩9.35g(37.5ミリモル)、酢酸
マンガン・四水塩9.20g(37.5ミリモル)、臭
化アンモニウム7.35g(75.0ミリモル)、及び
ピリジン5.93g(75.0ミリモル)を仕込み、窒
素で反応系内を置換し、背圧調整器で系内の圧力が30
kg/cm2 GPとなるようにした。内温が200℃になる
まで加熱し、空気を4Nl/minで内圧が30kg/cm
2 GPに保たれるように供給した。系内が安定したとこ
ろで2,6−ジイソプロピルナフタレン79.62g
(375ミリモル)を4時間かけて連続供給した。2,
6−ジイソプロピルナフタレンの供給終了後、系内を2
00℃、30kg/cm2 GPに保ったまま1時間空気の供
給を続けた。
【0023】反応終了後、オートクレーブを室温まで冷
却し、析出した固形物を濾過し回収し、酢酸40gで洗
浄した。固形物を乾燥したところ淡褐色の固体67.2
gを得た。この粗2,6−ナフタレンジカルボン酸の純
度は97.9%であり、収率は80.6%であった。ま
た、ODは3.44であった。 (実施例1)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸6.00gとピリジ
ン90.0gを仕込み、120℃で30分間加熱溶解し
た。次いで、ピリジン66.0gを常圧蒸留によって回
収した。フラスコ中に残ったピリジンは24.0gで、
これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸に対し4.0
重量倍に相当する。
却し、析出した固形物を濾過し回収し、酢酸40gで洗
浄した。固形物を乾燥したところ淡褐色の固体67.2
gを得た。この粗2,6−ナフタレンジカルボン酸の純
度は97.9%であり、収率は80.6%であった。ま
た、ODは3.44であった。 (実施例1)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸6.00gとピリジ
ン90.0gを仕込み、120℃で30分間加熱溶解し
た。次いで、ピリジン66.0gを常圧蒸留によって回
収した。フラスコ中に残ったピリジンは24.0gで、
これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸に対し4.0
重量倍に相当する。
【0024】フラスコの内容物を室温まで冷却し、析出
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、ピリジ
ン5gでリンス後乾燥したところ、4.00gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。また、ピ
リジン母液30.6gが回収され、この中には2,6−
ナフタレンジカルボン酸1.83gが含まれていた。回
収率は、66.7%で、純度は99.98%、ODは
0.659であった。 (実施例2)200mlフラスコに、実施例1で回収さ
れた2,6−ナフタレンジカルボン酸1.83gを含有
するピリジン母液25.6g、実施例1で蒸留回収した
ピリジン50.2g、参考例で得られた粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸4.17gを仕込み、120℃で3
0分間加熱溶解した。次いで、ピリジン54.2gを常
圧蒸留によって回収した。フラスコ中に残ったピリジン
は23.9gで、これは新たに仕込んだ粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸に対し5.7重量倍に相当する。
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、ピリジ
ン5gでリンス後乾燥したところ、4.00gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。また、ピ
リジン母液30.6gが回収され、この中には2,6−
ナフタレンジカルボン酸1.83gが含まれていた。回
収率は、66.7%で、純度は99.98%、ODは
0.659であった。 (実施例2)200mlフラスコに、実施例1で回収さ
れた2,6−ナフタレンジカルボン酸1.83gを含有
するピリジン母液25.6g、実施例1で蒸留回収した
ピリジン50.2g、参考例で得られた粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸4.17gを仕込み、120℃で3
0分間加熱溶解した。次いで、ピリジン54.2gを常
圧蒸留によって回収した。フラスコ中に残ったピリジン
は23.9gで、これは新たに仕込んだ粗2,6−ナフ
タレンジカルボン酸に対し5.7重量倍に相当する。
【0025】フラスコの内容物を室温まで冷却し、析出
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、ピリジ
ン5gでリンス後乾燥したところ、4.15gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。また、ピ
リジン母液30.8gが回収されこの中には2,6−ナ
フタレンジカルボン酸1.75gが含まれていた。回収
率(新たに仕込んだ2,6−ナフタレンジカルボン酸基
準)は、99.5%で、純度は99.95%、ODは
0.671であった。 (比較例1)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸5.00gとDMS
O27.13g及び活性炭0.38gを仕込み、120
℃で30分間加熱溶解し活性炭を濾過し、DMSO8g
でリンスした。次いで、DMSO28.75gを減圧蒸
留によって回収した。フラスコ中に残ったDMSOは
7.0gで、これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
に対し1.4重量倍に相当する。
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、ピリジ
ン5gでリンス後乾燥したところ、4.15gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。また、ピ
リジン母液30.8gが回収されこの中には2,6−ナ
フタレンジカルボン酸1.75gが含まれていた。回収
率(新たに仕込んだ2,6−ナフタレンジカルボン酸基
準)は、99.5%で、純度は99.95%、ODは
0.671であった。 (比較例1)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸5.00gとDMS
O27.13g及び活性炭0.38gを仕込み、120
℃で30分間加熱溶解し活性炭を濾過し、DMSO8g
でリンスした。次いで、DMSO28.75gを減圧蒸
留によって回収した。フラスコ中に残ったDMSOは
7.0gで、これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸
に対し1.4重量倍に相当する。
【0026】フラスコの内容物を室温まで冷却し、析出
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、DMS
O5gでリンス後乾燥したところ、3.76gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。回収率
は、75.2%で、純度は99.85%、ODは2.8
7であった。 (比較例2)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸3.00gとDMF
74.78g及び活性炭0.45gを仕込み、120℃
で30分間加熱溶解し活性炭を濾過し、DMF13gで
リンスした。次いで、DMF81.6gを減圧蒸留によ
って回収した。フラスコ中に残ったDMFは6.0g
で、これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸に対し
2.0重量倍に相当する。
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、DMS
O5gでリンス後乾燥したところ、3.76gの精製
2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。回収率
は、75.2%で、純度は99.85%、ODは2.8
7であった。 (比較例2)200mlフラスコに、参考例で得られた
粗2,6−ナフタレンジカルボン酸3.00gとDMF
74.78g及び活性炭0.45gを仕込み、120℃
で30分間加熱溶解し活性炭を濾過し、DMF13gで
リンスした。次いで、DMF81.6gを減圧蒸留によ
って回収した。フラスコ中に残ったDMFは6.0g
で、これは粗2,6−ナフタレンジカルボン酸に対し
2.0重量倍に相当する。
【0027】フラスコの内容物を室温まで冷却し、析出
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、DMF
5gでリンス後乾燥したところ、2.55gの精製2,
6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。回収率は、8
5.0%で、純度は98.54%、ODは1.62であ
った。
した2,6−ナフタレンジカルボン酸を濾過し、DMF
5gでリンス後乾燥したところ、2.55gの精製2,
6−ナフタレンジカルボン酸が得られた。回収率は、8
5.0%で、純度は98.54%、ODは1.62であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 2,6−ジアルキルナフタレンを酸化し
て得られた粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を、ピリ
ジン類で晶析を行うことを特徴とする2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3187624A JPH0532586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3187624A JPH0532586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532586A true JPH0532586A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16209368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3187624A Pending JPH0532586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0532586A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0787712A1 (en) | 1996-02-05 | 1997-08-06 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for the production of high-purity naphthalenedicarboxylic acid |
US8765765B2 (en) | 2007-05-18 | 2014-07-01 | Richter Gedeon Nyrt. | Metabolites of (thio) carbamoyl-cyclohexane derivatives |
US11274087B2 (en) | 2016-07-08 | 2022-03-15 | Richter Gedeon Nyrt. | Industrial process for the preparation of cariprazine |
USRE49110E1 (en) | 2008-07-16 | 2022-06-21 | Richter Gedeon Nyrt. | Pharmaceutical formulations containing dopamine receptor ligands |
US11547707B2 (en) | 2019-04-10 | 2023-01-10 | Richter Gedeon Nyrt. | Carbamoyl cyclohexane derivatives for treating autism spectrum disorder |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP3187624A patent/JPH0532586A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0787712A1 (en) | 1996-02-05 | 1997-08-06 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process for the production of high-purity naphthalenedicarboxylic acid |
US8765765B2 (en) | 2007-05-18 | 2014-07-01 | Richter Gedeon Nyrt. | Metabolites of (thio) carbamoyl-cyclohexane derivatives |
USRE49110E1 (en) | 2008-07-16 | 2022-06-21 | Richter Gedeon Nyrt. | Pharmaceutical formulations containing dopamine receptor ligands |
USRE49302E1 (en) | 2008-07-16 | 2022-11-15 | Richter Gedeon Nyrt. | Pharmaceutical formulations containing dopamine receptor ligands |
US11274087B2 (en) | 2016-07-08 | 2022-03-15 | Richter Gedeon Nyrt. | Industrial process for the preparation of cariprazine |
US11547707B2 (en) | 2019-04-10 | 2023-01-10 | Richter Gedeon Nyrt. | Carbamoyl cyclohexane derivatives for treating autism spectrum disorder |
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