JPH07258146A - キノン類、フェノール類およびそのカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents

キノン類、フェノール類およびそのカルボン酸エステル類の製造方法

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JPH07258146A
JPH07258146A JP4869694A JP4869694A JPH07258146A JP H07258146 A JPH07258146 A JP H07258146A JP 4869694 A JP4869694 A JP 4869694A JP 4869694 A JP4869694 A JP 4869694A JP H07258146 A JPH07258146 A JP H07258146A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C46/00Preparation of quinones
    • C07C46/02Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures
    • C07C46/06Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring
    • C07C46/08Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring with molecular oxygen

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】取扱いが容易で安全な分子状酸素を酸化剤とし
て、温和な反応条件で芳香族化合物を酸化して、出発原
料である芳香族化合物に対応して、良好な収率で、キノ
ン類、フェノール類またはそのカルボン酸エステル類を
得ることができる方法の提供。 【構成】ナフタレン誘導体またはベンゼン誘導体と、酸
素分子とを、特定のバナジウム(IV)錯体、およびアル
デヒドの存在下に反応させる工程を有する、キノン類、
フェノール類およびカルボン酸エステル類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キノン類、フェノール
類、およびそのカルボン酸エステル類の製造方法に関
し、特に、染料、医薬、農薬等の合成中間体として有用
な芳香族化合物であるキノン類、フェノール類、および
そのカルボン酸エステル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族化合物を直接酸化して対応
するキノン類やフェノール類を製造するためには、強い
酸化剤を用いるか、あるいは苛酷な反応条件が必要とさ
れている。例えば、ナフタレンから1,4−ナフトキノ
ンを製造する方法として、酢酸、クロム酸等を用いる方
法、300℃以上の気相反応で行う方法等が知られてい
る。また、芳香族化合物を直接酸化して対応するフェノ
ール類を製造する方法として、ルイス酸触媒の共存下、
トリフロロ過酢酸を酸化剤として用いる方法、フッ化水
素共存下に濃過酸化水素水を酸化剤として用いる方法等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香族
化合物を直接酸化して対応するキノン類やフェノール類
を製造する際に、一般に、反応原料である芳香族化合物
よりも、生成物が酸化を受けやすいため、十分な選択率
で酸化生成物を得ることが困難であるとされている。例
えば、前記のトリフロロ過酢酸、濃過酸化水素水等を用
いる方法では、生成したフェノールがさらに酸化され、
タール状の副生物が生じるおそれがある。また、クロム
酸等を用いて酸化を行う方法、300℃以上の気相反応
による方法は、酸化分解される置換基を有する芳香族化
合物には、適用が困難であるという問題がある。
【0004】そこで本発明の目的は、取扱いが容易で安
全な分子状酸素を酸化剤として、温和な反応条件で芳香
族化合物を酸化して、出発原料である芳香族化合物に対
応して、良好な収率で、キノン類、フェノール類または
そのカルボン酸エステル類を得ることができる方法を提
供することにある。また、本発明は、良好な選択率で対
応するフェノール類またはそのカルボン酸エステル類を
得ることができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、第1の実施態様として、一般式(a):
【0006】
【化12】
【0007】〔式中、R1 〜R8 は同一でも異なってい
てもよく、水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル
基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル
オキシ基またはシリルオキシ基であり、置換基を有して
いてもよい〕で表されるナフタレン誘導体を、酸素分子
と、一般式(b):
【0008】
【化13】
【0009】〔式中、R9 〜R11は同一でも異なっても
よく、水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ア
リール基またはハロゲン原子であり、置換基を有してい
てもよく、R9 とR10は相互に結合して環を形成してい
てもよい〕で表されるバナジウム(IV)錯体、および式
(c):
【0010】
【化14】
【0011】〔式中、R12は直鎖もしくは分岐状のアル
キル基、アリール基またはアルケニル基であり、置換基
を有してもよい〕で表されるアルデヒドの存在下に反応
させる工程を有する、一般式(d):
【0012】
【化15】
【0013】〔式中、R2 〜R8 は、前記一般式(a)
で定義したとおりである〕で表されるキノン類の製造方
法を提供するものである。
【0014】また、本発明は、第2の実施態様として、
一般式(e):
【0015】
【化16】
【0016】〔式中、R13〜R18は同一でも異なっても
よく、水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ア
リール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ
基またはシリルオキシ基であり、置換基を有していても
よい〕で表されるベンゼン誘導体を、酸素分子と、一般
式(b):
【0017】
【化17】
【0018】〔式中、R9 〜R11は同一でも異なっても
よく、水素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ア
リール基またはハロゲン原子であり、置換基を有してい
てもよく、R9 とR10は相互に結合して環を形成してい
てもよい〕で表されるバナジウム(IV)錯体、および式
(c):
【0019】
【化18】
【0020】〔式中、R12は直鎖もしくは分岐状のアル
キル基、アリール基またはアルケニル基であり、置換基
を有してもよい〕で表されるアルデヒドの存在下に反応
させる工程を有する、一般式(f):
【0021】
【化19】
【0022】〔式中、R14〜R18は、前記一般式(e)
で定義したとおりである〕で表されるフェノール類、ま
たは一般式(g):
【0023】
【化20】
【0024】〔式中、R14〜R18およびR12は、それぞ
れ前記一般式(f)および(c)で定義したとおりであ
る〕で表されるフェノール類のカルボン酸エステル類の
製造方法を提供するものである。
【0025】さらに、前記フェノール類またはそのカル
ボン酸エステル類の製造方法において、前記工程を、一
般式(h):
【0026】
【化21】
【0027】〔式中、R19およびR20は同一でも異なっ
てもよく、直鎖もしくは分岐状のアルキル基またはアリ
ール基であり、相互に結合して環を形成していてもよ
く、置換基を有していてもよい〕で表される化合物群か
ら選ばれる少なくとも1種の含酸素化合物の存在下に行
うと、好ましい。
【0028】以下、本発明のキノン類、フェノール類お
よびそのカルボン酸エステル類の製造方法(以下、「本
発明の方法」という)について詳細に説明する。
【0029】本発明の方法は、前記一般式(a)で表さ
れるナフタレン誘導体、または前記一般式(e)で表さ
れるベンゼン誘導体を出発原料として、対応する前記一
般式(d)で表されるキノン類、または前記一般式
(f)で表されるフェノール類もしくは一般式(g)で
表されるフェノール類のカルボン酸エステル類を製造す
る方法である。
【0030】本発明の出発原料であるナフタレン誘導体
を表す前記一般式(a)において、R1 〜R8 は同一で
も異なっていてもよく、水素原子、直鎖もしくは分岐状
のアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アシルオキシ基またはシリルオキシ基であり、置換
基を有していてもよい。直鎖もしくは分岐状のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。また、アリール基としては、例えば、フェニル基、
p−メトキシフェニル基等が挙げられる。ハロゲン原子
としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ
る。また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基等が挙げられ
る。アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシル
基、ベンゾイルオキシ基、クロトノイルオキシ基等が挙
げられる。さらに、シリルオキシ基としては、例えば、
トリメチルシロキシ基、tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ基等が挙げられる。
【0031】前記一般式(a)で表されるナフタレン誘
導体の具体例として、ナフタレン、2−メチルナフタレ
ン、2,3−ジメチルナフタレン、1−メトキシナフタ
レン、1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)
ナフタレン、5−アセトキシ−1−(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)ナフタレン、5−ベンゾイルオ
キシ−1(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ナ
フタレン等が挙げられる。
【0032】また、もう1種の出発原料であるベンゼン
誘導体を表す前記一般式(e)において、R13〜R18
同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖もしくは
分岐状のアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アル
コキシ基、アシルオキシ基またはシリルオキシ基であ
り、置換基を有していてもよい。直鎖もしくは分岐状の
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が
挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル
基、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。ハロゲン
原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙げら
れる。また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基等が挙げられ、
アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシル基、ベ
ンゾイルオキシ基、クロトノイルオキシ基等が挙げられ
る。さらに、シリルオキシ基としては、例えば、トリメ
チルシロキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ基等が挙げられる。
【0033】この一般式(e)で表されるベンゼン誘導
体の具体例として、ベンゼン、トルエン、p−キシレ
ン、m−キシレン、o−キシレン、tert−ブチルベ
ンゼン、メシチレン、ビフェニル、クロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、アニソール、(tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。
【0034】本発明の方法は、前記一般式(a)または
(e)で表される化合物の中でも、下記式(a−1)〜
(a−5)、(e−1)〜(e−4)で表されるナフタ
レン誘導体またはベンゼン誘導体を出発原料として、対
応する前記一般式(d)で表されるキノン類、一般式
(f)で表されるフェノール類または一般式(g)で表
されるカルボン酸エステル類を製造する場合に特に有効
である。
【0035】
【化22】
【0036】本発明の方法において、出発原料として前
記式(e−1)〜(e−4)で表されるベンゼン誘導体
を使用すると、これに対応して、それぞれ下記式(f−
1)〜(f−4−3)で表されるフェノール類または下
記式(g−1)〜(g−4−3)で表されるフェノール
のカルボン酸エステル類を得ることができる。
【0037】
【化23】
【0038】
【化24】
【0039】本発明の方法において、出発原料として、
前記一般式(e)で表されるベンゼン誘導体を使用し、
これを酸素分子と反応させた場合、通常、反応生成物と
して、前記一般式(f)で表されるフェノール類と前記
一般式(g)で表されるフェノールのカルボン酸エステ
ル類との混合物が得られるが、使用するベンゼン誘導体
の構造によっては、一般式(g)で表されるフェノール
のカルボン酸エステル類のみが反応生成物として得られ
ることがある。例えば、前記一般式(e)において、R
13〜R18のいずれかがメトキシ基等のアルコキシ基であ
るベンゼン誘導体を出発原料として、これを酸素分子と
反応させると、対応する一般式(g)で表されるフェノ
ールのカルボン酸エステル類のみが得られることがあ
る。
【0040】本発明の方法は、前記一般式(a)で表さ
れるナフタレン誘導体または一般式(e)で表されるベ
ンゼン誘導体(以下、「芳香族化合物」と略称する)
と、酸素分子とを反応させる方法である。反応に供され
る酸素分子は、純酸素あるいは酸素を含む混合気体であ
る空気であってもよい。酸素は常圧下に供給してもよい
し、また、空気を用いる場合でも、特に加圧する必要は
ない。例えば、酸素分圧として、0.2〜1気圧でよ
い。また、酸素を加圧して反応に用いてもよい。
【0041】本発明の方法は、ナフタレン誘導体または
ベンゼン誘導体と酸素分子との反応を、触媒として前記
一般式(b)で表されるバナジウム(IV)錯体を用いて
行なう方法である。一般式(b)において、R9 〜R11
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖もしく
は分岐状のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子
であり、置換基を有していてもよい。直鎖もしくは分岐
状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基等が挙げられる。アリール基として
は、例えば、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p
−クロロフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。ハロ
ゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙
げられる。また、R9 とR10は相互に結合して環を形成
していてもよく、例えば、相互に結合してシクロペンタ
ン環、シクロヘキサン環等の環を形成していてもよい。
【0042】本発明の方法において、前記一般式(b)
で表されるバナジウム(IV)錯体は、1種単独でも2種
以上を組み合わせても用いられる。
【0043】この一般式(b)で表されるバナジウム
(IV)錯体の具体例として、下記式(b−1)〜(b−
10)で表される化合物が挙げられる。
【0044】
【化25】
【0045】本発明の方法において、このバナジウム
(IV)錯体は、通常、芳香族化合物に対して0.1〜6
0モル%の割合で使用するのが好ましく、特に、高収率
で目的物を得ることができる点で、1〜50モル%の割
合で使用するのが好ましい。
【0046】また、本発明の方法は、前記バナジウム
(IV)錯体とともに、前記一般式(c)で表されるアル
デヒドを使用する方法である。前記一般式(c)におい
て、R 12は直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール
基またはアルケニル基であり、ハロゲン原子、アルコキ
シ基等の置換基を有してもよい。直鎖もしくは分岐状の
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙
げられる。また、アリール基としては、例えば、フェニ
ル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル
基、p−フルオロフェニル基、p−トリメチルフルオロ
フェニル基等が挙げられる。また、アルケニル基として
は、例えば、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル
基、ヘキセニル基等が挙げられる。
【0047】本発明の方法において、前記一般式(c)
で表されるアルデヒドは、1種単独でも2種以上を組み
合わせても用いられる。
【0048】この一般式(c)で表されるアルデヒドの
具体例として、下記式(c−1)〜(c−8)で表され
る化合物が挙げられる。
【0049】
【化26】
【0050】本発明の方法において、このアルデヒド
は、通常、芳香族化合物に対して1〜20当量の割合で
使用するのが好ましく、特に、2〜15当量の割合で使
用するのが好ましい。
【0051】さらに、本発明の方法において、前記芳香
族化合物として、前記一般式(e)で表されるベンゼン
誘導体を使用し、これと酸素分子とを反応させて一般式
(f)で表されるフェノール類または一般式(g)で表
されるフェノールのカルボン酸エステル類を製造すると
きは、反応を、前記バナジウム(IV)錯体およびアルデ
ヒドとともに、前記一般式(h)で表される化合物群か
ら選ばれる少なくとも1種の含酸素化合物の存在下に行
うと、フェノール類またはフェノールのカルボン酸エス
テル類の収率および選択率の向上に有効である。
【0052】前記一般式(h)において、R19およびR
20は同一でも異なってもよく、直鎖もしくは分岐状のア
ルキル基またはアリール基であり、相互に結合して環を
形成していてもよく、置換基を有していてもよい。直鎖
もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。アリー
ル基としては、例えば、フェニル基、p−メトキシフェ
ニル基、p−クロロフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れる。また、R19とR20は相互に結合して環を形成して
いてもよく、例えば、相互に結合してシクロペンタン
環、シクロヘキサン環、シクロペンテン環等の環を形成
していてもよい。さらに、形成された環は、アルキル
基、アリール基等の置換基を有していてもよい。
【0053】この一般式(h)で表される含酸素化合物
の具体例として、下記式(h−1)〜(h−3)で表さ
れる炭酸エステル類が挙げられる。この炭酸エステル類
を使用すると、フェノール類の製造において、収率およ
び選択率が向上する点で、好ましい。
【0054】
【化27】
【0055】本発明の方法において、これらの含酸素化
合物を用いる場合、前記一般式(h)で表される含酸素
化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0056】本発明の方法において、前記一般式(h)
で表される含酸素化合物を使用する場合、通常、芳香族
化合物に対して、0.1〜20当量の割合、好ましくは
0.2〜10当量の割合で使用すると、有効である。
【0057】さらにまた、本発明の方法において、出発
原料である芳香族化合物として、前記一般式(e)で表
されるベンゼン誘導体を使用し、これと酸素分子とを反
応させて一般式(f)で表されるフェノール類または一
般式(g)で表されるフェノールのカルボン酸エステル
類を製造するときは、反応を、前記バナジウム(IV)錯
体およびアルデヒドとともに、二酸化炭素の存在下に行
うと、フェノール類またはフェノールのカルボン酸エス
テル類の収率および選択率の向上に有効である。
【0058】本発明の方法において、二酸化炭素を用い
て反応を行う場合、二酸化炭素は、通常、酸素/二酸化
炭素のモル比が1/0.1〜1/10の割合となるよう
に使用すると有効である。
【0059】また、本発明の方法において、出発原料で
ある芳香族化合物として、前記一般式(e)で表される
ベンゼン誘導体を使用し、これと酸素分子とを反応させ
て一般式(f)で表されるフェノール類または一般式
(g)で表されるフェノールのカルボン酸エステル類を
製造するときは、反応を、前記バナジウム(IV)錯体お
よびアルデヒドとともに、下記一般式(i)で表される
ニトリル化合物の存在下に行うと、フェノール類または
フェノールのカルボン酸エステル類の収率および選択率
の向上に有効である。
【0060】
【化28】
【0061】ニトリル化合物を表す前記一般式(i)に
おいて、R21は直鎖もしくは分岐状のアルキル基であ
り、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2
−メチルプロピル基等が挙げられる。また、このR
21は、置換基を有していてもよい。
【0062】本発明の方法において、ニトリル化合物を
使用する場合、前記一般式(i)で表されるニトリル化
合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いても
よく、通常、前記一般式(e)で表されるベンゼン誘導
体に対して、0.1〜10当量の割合で使用すると有効
である。
【0063】この一般式(i)で表されるニトリル化合
物の具体例として、下記式(i−1)〜(i−3)で表
される化合物が挙げられる。
【0064】
【化29】
【0065】本発明の方法において、芳香族化合物と酸
素分子との反応は、溶媒を用いずに行ってもよいが、バ
ナジウム(IV)錯体を効率的に溶解させることができる
点で、溶媒を用いることが好ましい。用いられる溶媒と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シク
ロペンタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジク
ロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒などが挙げられる。溶媒を使用する場合、その使用量
は、通常、出発原料である芳香族化合物1重量部に対し
て、2〜1000重量部の割合である。
【0066】反応温度は、−40〜80℃の範囲が好ま
しく、特に、実用的な反応速度で反応を進行させること
ができる点で、−30〜50℃の範囲が好ましい。
【0067】さらに、本発明の方法において、過酢酸、
tert−ブチルヒドロペルオキシド等の過酸化物を、
バナジウム(IV)錯体と同程度共存させて、芳香族化合
物と酸素分子との反応を行うと、反応速度が向上し、実
用的な反応速度で反応を進行させることができるため、
有利である。
【0068】本発明の方法で得られるキノン類、フェノ
ール類またはそのカルボン酸エステル類は、蒸留、再結
晶、クロマトグラフィー等の公知の方法によって、反応
混合物から単離することができる。
【0069】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0070】(実施例1〜8)各例において、反応容器
に、前記式(a−1)で表されるナフタレン誘導体1.
0mmol、式(b−1)〜(b−8)で表されるバナ
ジウム錯体(IV)0.30mmol(30mol%)、
クロトンアルデヒド6.0mmol、ジエチルケトン2
0ml、および過酢酸を0.10mmol含む酢酸溶液
を仕込み、純酸素雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反
応させ、1,4−ナフトキノンを得た。得られた1,4
−ナフトキノンの生成量を、ガスクロマトグラフィーに
より求めた。結果を表1に示す。
【0071】
【0072】(実施例9〜15)各例において、反応容
器に、前記式(a−1)で表されるナフタレン誘導体
1.0mmol、式(b−3)で表されるバナジウム
(IV)錯体0.3mmol(30mol%)、表2に示
すアルデヒド6.0mmol、ジエチルケトン20m
l、および過酢酸を0.10mmol含む酢酸溶液を仕
込み、純酸素雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反応さ
せ、1,4−ナフトキノンを得た。得られた1,4−ナ
フトキノンの生成量を、ガスクロマトグラフィーにより
求めた。結果を表2に示す。
【0073】表2
【0074】(実施例16〜21)各例において、反応
容器に、前記式(a−1)で表されるナフタレン誘導体
1.0mmol、式(b−3)で表されるバナジウム
(IV)錯体0.3mmol(30mol%)、クロトン
アルデヒド6.0mmol、表3に示す溶媒20ml、
および過酢酸を0.10mmol含む酢酸溶液を仕込
み、純酸素雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反応さ
せ、1,4−ナフトキノンを得た。得られた1,4−ナ
フトキノンの生成量を、ガスクロマトグラフィーにより
求めた。結果を表3に示す。
【0075】
【0076】(実施例22〜27)各例において、反応
容器に、表4に示すナフタレン誘導体1.0mmol、
式(b−3)で表されるバナジウム(IV)錯体0.3m
mol(30mol%)、クロトンアルデヒド6.0m
mol、メチルイソブチルケトン20ml、および過酢
酸を0.10mmol含む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰
囲気下、0℃で40時間攪拌して反応させ、使用したナ
フタレン誘導体に対応する1,4−キノン類を得た。得
られた1,4−キノン類の生成量を、ガスクロマトグラ
フィーまたはカラムクロマトグラフィーにより求めた。
結果を表4に示す。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例28)反応容器に、ナフタレン
1.0mmol、式(b−3)で表されるバナジウム
(IV)錯体0.3mmol(30mol%)、p−トル
アルデヒド( ? )6.0mmol、メチルイソブチ
ルケトン20ml、および過酢酸を0.10mmol含
む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰囲気下、0℃で40時間
攪拌して反応させ、使用したナフタレンに対応する1,
4−キノンを得た。得られた1,4−キノンの生成量
を、ガスクロマトグラフィーにより求めたところ、収率
が34%であった。
【0079】(実施例29)反応容器に、前記式(e−
1)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−9)で表されるバナジウム(IV)錯体(mol%)、
クロトンアルデヒド4.0mmol、メチルエチルケト
ン4ml、および過酢酸0.1mmolを含む酢酸溶液
を仕込み、純酸素雰囲気下、室温で16時間反応させ、
式(f−1)で表されるフェノール類および式(g−
1)で表されるフェノールのカルボン酸エステル類を得
た。得られたフェノール類およびフェノールのカルボン
酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィーによ
り求めたところ、合計の収率で17%であった。
【0080】(実施例30)仕込時に、さらに、前記式
(h−3)で表される含酸素化合物3.0mmolを添
加した以外は、実施例29と同様にして反応を行った。
得られたフェノール類およびフェノールのカルボン酸エ
ステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィーにより求
めたところ、合計の収率で20%であった。
【0081】(実施例31)反応容器に、前記式(e−
2)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−9)で表されるバナジウム(IV)錯体0.1mmol
(10mol%)、クロトンアルデヒド4mmol、メ
チルエチルケトン4ml、および過酢酸0.1mmol
を含む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰囲気下、室温で16
時間反応させ、式(f−2−1)〜(f−2−3)で表
されるフェノール類、および式(g−2−1)〜(g−
2−3)で表されるフェノールのカルボン酸エステル類
を得た。得られたフェノール類およびフェノールのカル
ボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィー
により求めたところ、合計の収率で17%であった。
(転化率:42%、選択率:40%)
【0082】(実施例32)仕込時に、さらに、前記式
(h−3)で表される含酸素化合物3.0mmolを添
加した以外は、実施例31と同様にして反応を行った。
得られたフェノール類およびフェノールのカルボン酸エ
ステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィーにより求
めたところ、合計の収率で21%であった。(転化率:
28%、選択率:75%)
【0083】(実施例33)仕込時に、さらに、前記式
(h−1)で表される含酸素化合物3.0mmolを添
加した以外は、実施例31と同様にして反応を行った。
得られたフェノール類およびフェノールのカルボン酸エ
ステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィーにより求
めたところ、合計の収率で19%であった。(転化率:
34%、選択率:56%)
【0084】(実施例34)反応容器に、前記式(e−
3)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−1)で表されるバナジウム(IV)錯体0.1mmol
(10mol%)、クロトンアルデヒド4mmol、メ
チルエチルケトン4ml、および過酢酸0.1mmol
を含む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰囲気下、室温で16
時間反応させ、式(f−3−1)〜(f−3−3)で表
されるフェノール類、および式(g−3−1)〜(g−
3−3)で表されるフェノールのカルボン酸エステル類
を得た。得られたフェノール類およびフェノールのカル
ボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィー
により求めたところ、合計の収率で16%であった。
(転化率:42%、選択率:38%)
【0085】(実施例35)仕込時に、さらに、前記式
(h−3)で表される含酸素化合物3.0mmolを添
加した以外は、実施例34と同様にして反応を行った。
得られたフェノール類およびフェノールのカルボン酸エ
ステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィーにより求
めたところ、合計の収率で22%であった。(転化率:
36%、選択率:61%)
【0086】(実施例36)反応容器に、前記式(e−
4)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−1)で表されるバナジウム(IV)錯体0.1mmol
(10mol%)、クロトンアルデヒド4mmol、メ
チルエチルケトン4ml、および過酢酸0.1mmol
を含む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰囲気下、室温で16
時間反応させ、式(f−4−1)〜(f−4−3)で表
されるフェノール類、および式(g−4−1)〜(g−
4−3)で表されるフェノールのカルボン酸エステル類
を得た。得られたフェノール類およびフェノールのカル
ボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィー
により求めたところ、合計の収率で15%であった。
(転化率:19%、選択率:79%)
【0087】(実施例37)反応容器に、前記式(e−
2)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−9)で表されるバナジウム(IV)錯体0.1mmol
(10mol%)、クロトンアルデヒド4mmol、メ
チルエチルケトン4ml、および過酢酸0.1mmol
を含む酢酸溶液を仕込み、酸素と二酸化炭素の混合気体
(O2 /CO 2 :1/1(モル比))の雰囲気下、室温
で16時間反応させ、式(f−2−1)〜(f−2−
3)で表されるフェノール類、および式(g−2−1)
〜(g−2−3)で表されるフェノールのカルボン酸エ
ステル類を得た。得られたフェノール類およびフェノー
ルのカルボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグ
ラフィーにより求めたところ、合計の収率で18%であ
った。(転化率:24%、選択率:75%)
【0088】(実施例38)反応容器に、前記式(e−
2)で表されるベンゼン誘導体1.0mmol、式(b
−9)で表されるバナジウム(IV)錯体0.1mmol
(10mol%)、クロトンアルデヒド4mmol、式
(i−1)で表されるニトリル化合物3.0mmol、
メチルエチルケトン4ml、および過酢酸0.1mmo
lを含む酢酸溶液を仕込み、純酸素雰囲気下、室温で1
6時間反応させ、式(f−2−1)〜(f−2−3)で
表されるフェノール類、および式(g−2−1)〜(g
−2−3)で表されるフェノールのカルボン酸エステル
類を得た。得られたフェノール類およびフェノールのカ
ルボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィ
ーにより求めたところ、合計の収率で19%であった。
(転化率:31%、選択率:61%)
【0089】(実施例39)仕込時に、ニトリル化合物
として式(i−2)で表されるニトリル化合物3.0m
molを用いた以外は、実施例38と同様にして反応を
行った。得られたフェノール類およびフェノールのカル
ボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィー
により求めたところ、合計の収率で20%であった。
(転化率:30%、選択率:67%)
【0090】(実施例40)仕込時に、ニトリル化合物
として式(i−3)で表されるニトリル化合物3.0m
molを用いた以外は、実施例38と同様にして反応を
行った。得られたフェノール類およびフェノールのカル
ボン酸エステル類の生成量を、ガスクロマトグラフィー
により求めたところ、合計の収率で17%であった。
(転化率:38%、選択率:45%)
【0091】(比較例1)反応容器に、前記式(a−
1)で表されるナフタレン誘導体1.0mmol、ビス
(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト)ニッケル
(II)0.30mmol(30mol%)、クロトンア
ルデヒド6.0mmol、ジエチルケトン20ml、お
よび過酢酸を0.10mmol含む酢酸溶液を仕込み、
純酸素雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反応させた
が、使用したナフタレンに対応する1,4−キノンは痕
跡量しか得られなかった。
【0092】(比較例2)反応容器に、前記式(a−
1)で表されるナフタレン誘導体1.0mmol、ビス
(3−メチル−2,4−ペンタンジオナト)コバルト
(II)0.30mmol(30mol%)、クロトンア
ルデヒド6.0mmol、ジエチルケトン20ml、お
よび過酢酸を0.10mmol含む酢酸溶液を仕込み、
純酸素雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反応させた
が、使用したナフタレンに対応する1,4−キノンは痕
跡量しか得られなかった。
【0093】(比較例3)反応容器に、前記式(a−
1)で表されるナフタレン誘導体1.0mmol、式
(c−3)で表されるバナジウム(IV)錯体0.30m
mol(30mol%)、および過酢酸を2.0mmo
l含む酢酸溶液を仕込み、アルゴン雰囲気下、0℃で4
0時間攪拌して反応させたが、使用したナフタレンに対
応する1,4−キノンは痕跡量しか得られなかった。
【0094】(比較例4)反応容器に、前記式(a−
1)で表されるナフタレン誘導体1.0mmol、、お
よび過酢酸を2.0mmol含む酢酸溶液を仕込み、ア
ルゴン雰囲気下、0℃で40時間攪拌して反応させた
が、使用したナフタレンに対応する1,4−キノンは痕
跡量しか得られなかった。
【0095】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸化剤として安
全で安価な酸素分子を用い、芳香族化合物を対応するキ
ノン類、フェノール類またはそのカルボン酸エステル類
に変換することができる。得られるキノン類、フェノー
ル類、またはそのカルボン酸エステル類は、染料、医
薬、農薬等の合成中間体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/157 9279−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 山 田 徹 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(a): 【化1】 〔式中、R1 〜R8 は同一でも異なっていてもよく、水
    素原子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール
    基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基また
    はシリルオキシ基であり、置換基を有していてもよい〕
    で表されるナフタレン誘導体を、酸素分子と、一般式
    (b): 【化2】 〔式中、R9 〜R11は同一でも異なってもよく、水素原
    子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール基また
    はハロゲン原子であり、置換基を有していてもよく、R
    9 とR10は相互に結合して環を形成していてもよい〕で
    表されるバナジウム(IV)錯体、および式(c): 【化3】 〔式中、R12は直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリ
    ール基またはアルケニル基であり、置換基を有してもよ
    い〕で表されるアルデヒドの存在下に反応させる工程を
    有する、一般式(d): 【化4】 〔式中、R2 〜R8 は、前記一般式(a)で定義したと
    おりである〕で表されるキノン類の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(e): 【化5】 〔式中、R13〜R18は同一でも異なってもよく、水素原
    子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール基、ハ
    ロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基またはシリ
    ルオキシ基であり、置換基を有していてもよい〕で表さ
    れるベンゼン誘導体を、酸素分子と、一般式(b): 【化6】 〔式中、R9 〜R11は同一でも異なってもよく、水素原
    子、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリール基また
    はハロゲン原子であり、置換基を有していてもよく、R
    9 とR10は相互に結合して環を形成していてもよい〕で
    表されるバナジウム(IV)錯体、および式(c): 【化7】 〔式中、R12は直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アリ
    ール基またはアルケニル基であり、置換基を有してもよ
    い〕で表されるアルデヒドの存在下に反応させる工程を
    有する、一般式(f): 【化8】 〔式中、R14〜R18は、前記一般式(e)で定義したと
    おりである〕で表されるフェノール類、または一般式
    (g): 【化9】 〔式中、R14〜R18およびR12は、それぞれ前記一般式
    (e)および(c)で定義したとおりである〕で表され
    るフェノール類のカルボン酸エステル類の製造方法。
  3. 【請求項3】前記工程を、一般式(h): 【化10】 〔式中、R19およびR20は同一でも異なってもよく、直
    鎖もしくは分岐状のアルキル基またはアリール基であ
    り、相互に結合して環を形成していてもよく、置換基を
    有していてもよい〕で表される化合物群から選ばれる少
    なくとも1種の含酸素化合物の存在下に行う請求項2に
    記載のフェノール類またはフェノール類のカルボン酸エ
    ステル類の製造方法。
  4. 【請求項4】前記工程を、二酸化炭素の共存下に行う請
    求項2に記載のフェノール類またはフェノール類のカル
    ボン酸エステル類の製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程を、一般式(i): 【化11】 〔式中、R21は、直鎖もしくは分岐状のアルキル基であ
    り、置換基を有していてもよい〕で表されるニトリル化
    合物の存在下に行う請求項2に記載のフェノール類また
    はフェノール類のカルボン酸エステル類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002537364A (ja) * 1999-02-26 2002-11-05 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 芳香族基質のヒドロキシル化方法及び組成物
CN112645809A (zh) * 2020-12-23 2021-04-13 上海交通大学 一种基于甲萘醌结构的新型冠状病毒3cl蛋白酶抑制剂

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