JP2002537368A - 芳香族基質のヒドロキシル化方法及び組成物 - Google Patents

芳香族基質のヒドロキシル化方法及び組成物

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Abstract

(57)【要約】 酸素、触媒、プロトン源、及び非気体状還元剤の存在下で芳香族基質を酸化する方法と組成物が開示される。好ましい実施形態では、酸素、バナジル触媒、プロトン源としてのトリフルオロ酢酸、及び還元剤としてのフェロセンの存在下でベンゼンを酸化してフェノールにする。この方法は経済的で、安全であり、工業的規模への拡大が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族基質のヒドロキシル化方法に関する。具体的には、本発明は、
酸素、触媒、プロトン源及び非気体状還元剤の存在下で芳香族基質を酸化するこ
とによってヒドロキシ芳香族化合物を製造する方法に関する。本発明は、当該ヒ
ドロキシル化を実施するための組成物にも関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノールは産業上最も重要な有機化学中間体の一つであり、熱可塑性その他
の樹脂、染料、爆薬、農薬及び医薬の製造に用いられている。特に、建設・家電
・自動車産業で用いられるフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の製造、並びにエ
ポキシ樹脂やポリカーボネート樹脂用のビスフェノールAの製造に特に重要であ
る。
【0003】 産業上の重要性にもかかわらず、従来のフェノール製造法は非選択的、多段階
及び/又は経費のかかる方法である。例えば、ベンゼンをアルキル化するとクメ
ンが得られ、これを酸化するとクメンヒドロペルオキシドを生じる。このヒドロ
ペルオキシドを酸触媒を用いて開裂するとフェノールとアセトンが生成する。ト
ルエンの酸化を利用した別の工業法では高価な出発原料が必要とされる。ラシッ
ヒ・フッカー(Raschig Hooker)法のような古い工業法では多大
なエネルギーを要し、しかも腐食性又は処理の困難な廃棄物を生じる。
【0004】 フェノールの最近の製造法には、Nemethらの米国特許第5233097
号に開示されているようなチタノアルミネートモレキュラーシーブの存在下、又
はVeselyらの米国特許第3453332号に開示されているようなフッ化
水素−二酸化炭素複合体の存在下で、芳香族基質を過酸化水素を用いてヒドロキ
シル化するものがある。また、米国特許第5110995号には、亜酸化窒素と
ゼオライト触媒の存在下でフェノール又はフェノール誘導体をヒドロキシル化す
る方法が開示されている。ベンゼンの部分水添、反応生成物の分離、特定の反応
生成物の酸化、脱水素、その他の工程を要する多段階法が松永らの米国特許第5
180871号に開示されている。Gubelmannらの米国特許第5001
280号、Kharitonovらの米国特許第5110995号及びPano
vらの米国特許第5756861号には、ゼオライト触媒の存在下で亜酸化窒素
でベンゼンを酸化して最高約16%の収率でフェノールを得る方法が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法の幾つかは良好な収率を与えるものの、依然として様々な短所や
不都合がある。特に、亜酸化窒素は高価であり、しかも環境に著しい問題を生じ
る温室効果ガスでもある。このように、ヒドロキシ芳香族化合物の合成に利用で
きる方法は多数存在するものの、簡単、高収率で、環境に優しく、経済的で、し
かも工業的規模拡大の容易な方法に対するニーズが依然として存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の短所及び不都合は、1以上の活性芳香族水素を有する芳香族基質を酸素
、触媒、プロトン源及び非気体状還元剤の存在下で反応させることからなる、本
明細書に記載の芳香族基質のヒドロキシル化法によって軽減される。この方法は
環境に優しく、経済的で、安全であり、しかも工業的規模拡大が容易である。
【0007】 別の実施形態では、本発明は、酸素、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又は
タンタル前駆体又はこれらの混合物、1種類以上のアニオン性リガンド前駆体、
1種類以上の中性の電子供与性リガンド前駆体、プロトン源及び非気体状還元剤
からなる、1以上の活性芳香族水素を有する芳香族基質をヒドロキシル化するた
めの組成物を包含する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本明細書に記載の方法は、酸素、触媒、プロトン源及び非気体状還元剤の存在
下で芳香族基質を酸化することを含む。一つの好ましい実施形態は、酸素、バナ
ジル触媒、プロトン源としてのトリフルオロ酢酸、及び還元剤としてのフェロセ
ンの存在下でベンゼンを酸化することからなる。
【0009】 本方法の実施に当たり、ある範囲の芳香族基質の1種以上をヒドロキシル化し
得る。好ましくは、芳香族基質はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナ
ントレンなど、又はこれらの置換誘導体である。置換基は同一でも異なっていて
もよい。ヒドロキシ芳香族化合物を生じるようなヒドロキシ置換の可能な活性芳
香族水素が少なくとも1個置換反応に利用できる限り、置換基の数は種々変更し
得る。例えば、ベンゼンは1〜5個の置換基を有していてもよく、置換基は同一
でも異なっていてもよい。
【0010】 適当な置換基には1以上のアリール基、例えばフェニル、ナフチル、アントラ
シル及びフェナントリルがある。アリール置換基はそれ自体各種の官能基で置換
されていてもよいが、かかる官能基がヒドロキシル化を妨害しないことを条件と
する。適当な官能基には、特に限定されないが、下記のアルキル基、カルボン酸
、カルボン酸のアルキルエステル及びアリールエステル、アルデヒド、ヒドロキ
シ、オレフィン、並びにアルキルエーテル及びアリールエーテルがある。各種の
アリール基及び/又は置換アリール基の混合物も置換基として本発明の技術的範
囲に属する。
【0011】 その他の適当な置換基には1種類以上のアルキル基があり、アルキル基は直鎖
、枝分れ鎖又は環式であり、通例1〜26個の炭素を有する。アルキル基の非限
定的な具体例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチルがある。アルキル
置換ベンゼンの例には、特に限定されないが、トルエン、キシレン及びクメンが
ある。これらのアルキル基はそれ自体が各種官能基で置換されていてもよいが、
かかる官能基がヒドロキシル化を妨害しないことを条件とする。適当な官能基に
は、上記アリール基、カルボン酸、カルボン酸のアルキルエステル及びアリール
エステル、アルデヒド、ヒドロキシ、オレフィン、並びにアルキルエーテル及び
アリールエーテルがあるが、これらに限定されない。各種のアルキル基及び/又
は置換アルキル基の混合物も置換基として本発明の技術的範囲に属する。
【0012】 他の適当な置換基には、特に限定されないが、1種類以上の官能基がある。た
だし、かかる官能基がヒドロキシル化を妨害しないことを条件とする。適当な官
能基には、特に限定されないが、カルボン酸、カルボン酸のアルキルエステル及
びアリールエステル、アルデヒド、ヒドロキシ、オレフィン、並びにアルキルエ
ーテル及びアリールエーテルがある。各種の官能基の混合物も置換基として本発
明の技術的範囲に属する。官能基、アリール基、アルキル基及び/又はこれらの
官能化誘導体の組合せからなる置換基の混合物も本発明の技術的範囲に属する。
【0013】 好ましい芳香族基質は、ベンゼン、及びアルキル基、アリール基、アルキルエ
ーテル、アリールエーテル又はこれらの組合せで置換されたベンゼンである。特
に好ましいのはビフェニル、フェニルフェノール、トルエン、クメン、フェノー
ル及びp−クミルフェノールである。
【0014】 分子状酸素は本発明のヒドロキシル化法で酸化剤としてだけでなくヒドロキシ
酸素源としても働く。ヒドロキシル化は好適には酸素と約90体積%以下の1種
類以上の不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウムなど)との混合物の存在下で進
行する。好ましい混合物は約5〜約30体積%の酸素を含む窒素である。好まし
い酸素源は空気又は空気の成分を含む混合物である。酸素分圧は好ましくは約0
.02〜約7.1メガパスカル(MPa)である。反応の全圧の絶対値は約0.
1〜約36MPaであり、好ましくは約1〜約8MPaである。
【0015】 好ましい触媒は、反応条件下で、1以上の活性芳香族水素を有する芳香族化合
物、酸素、プロトン源及び非気体状還元剤のヒドロキシル化に有効な触媒を生成
する前駆体をベースにしたものである。かかる前駆体には、バナジウム錯体又は
ニオブ錯体又はタンタル錯体又はこれらの混合物のような金属錯体を生成する前
駆体、アニオン性一座配位リガンド又は二座配位リガンドを生成する前駆体、中
性の電子供与性リガンドを生成する前駆体、及びバナジウム又はニオブ又はタン
タルとアニオン性リガンド又は中性の電子供与性リガンドのいずれか又は双方と
の組合せからなる前駆体がある。
【0016】 適当な金属前駆体には、特に限定されないが、例えばメタバナジン酸ナトリウ
ムのようなバナジウム、ニオブ又はタンタルの酸化物、例えばVO(アセチルア
セトナト)2及びVO(ピコリナト)2のようなバナジウム、ニオブ又はタンタル
の置換酸化物、並びにタンタルトリスエトキシドやニオブトリスエトキシドのよ
うなアルコラートがある。金属前駆体の混合物も本発明の技術的範囲に属する。
特に、同一又は異なる金属を含有する前駆体の混合物が好適である。
【0017】 適当なアニオン性リガンド前駆体には、特に限定されないが、ハロゲン化物、
カルボン酸及び/又はそのアルカリ金属その他の塩、例えば酢酸ナトリウム、ト
リフルオロ酢酸ナトリウム、β−ジケトン酸ナトリウム、アセチルアセトン酸ナ
トリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム又は
これらの対応酸;ヘテロ芳香族窒素原子に対してα位のカルボン酸及び/又はそ
のアルカリ金属その他の塩、例えば、特に限定されないが、ピコリン酸及び置換
ピコリン酸、ピコリネート及び置換ピコリネート、並びにこれらの対応N−オキ
シドがある。ピコリン酸及びピコリネート又はその対応N−オキシドの適当な置
換基には、特に限定されないが、カルボン酸、カルボン酸塩、ハロゲン、アルキ
ル、ヘテロアリール及びアリールがある。適当なβ−ジケトネートには、本発明
の金属前駆体に対するリガンドとして当技術分野で知られているものがある。β
−ジケトン(これからβ−ジケトネートが誘導される)の具体例には、特に限定
されないが、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、ジ
イソブチリルメタン、2,2−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6
−トリメチルヘプタン−3,5−ジオン、ジピバロイルメタン、トリフルオロア
セチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルトリフルオロア
セトン、ピバロイル−トリフルオロアセトン、ヘプタフルオロジメチルオクタン
ジオン、オクタフルオロ−ヘキサンジオン、デカフルオロヘプタンジオン、4,
4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2−フロイルト
リフルオロアセトン、2−テオニルトリフルオロアセトン、3−クロロ−2,4
−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4
−ペンタンジオン、メチル4−アセチル−5−オキソヘキサノエートがある。複
数のアニオン性リガンド前駆体の混合物も本発明の技術的範囲に属する。アニオ
ン性リガンドの金属錯体、例えばVO(アセチルアセトナト)2及びVO(ピコ
リナト)2も利用できる。
【0018】 適当な中性の電子供与性リガンド前駆体には、特に限定されないが、水;アセ
トニトリル;ヘテロ芳香環の窒素、例えば特に限定されないが、ピリジン、置換
ピリジン、ピコリン酸又は置換ピコリン酸;アルコール;ヒドロキシ芳香族化合
物:フェノール;置換フェノール;エーテル;フラン;テトラヒドロフラン;ホ
スフィン;アミン;アミド;ケトン;エステル;シッフ塩基、又はイミドがある
。複数の中性電子供与性リガンド前駆体の混合物も本発明の技術的範囲に属する
【0019】 上記前駆体は溶液として別々に供給してもよいし、1種類以上のリガンドとの
金属錯体として供給してもよい。例えば、一つの好ましい処方は、メタバナジン
酸ナトリウムとカルボン酸とヘテロ芳香族窒素含有化合物(ピコリン酸、置換ピ
コリン酸、ピリジン、置換ピリジン又はこれらの対応N−オキシドなど)との低
pH(例えば約3未満、好ましくは約2未満)の組合せからなる。別の好ましい
処方はVO(アセチルアセトナト)2とヘテロ芳香族窒素含有化合物との組合せ
からなる。さらに別の組合せは、VO(ピコリナト)2とカルボン酸塩及び/又
はヘテロ芳香族窒素含有化合物(ピリジル化合物など)との組合せからなる。上
記各処方において、触媒は、バナジウム前駆体、ニオブ前駆体又はタンタル前駆
体、カルボン酸前駆体(カルボン酸の形態でも酸塩の形態でもよく、また金属前
駆体としても機能してもよい)、及びヘテロ芳香族窒素含有前駆体化合物、例え
ばピリジル前駆体(ピリジル化合物自体の形態でもよく、また金属前駆体として
も機能してもよい)から溶液中で形成される。
【0020】 組成物中のアニオン性リガンド前駆体と金属(すなわちバナジウム、ニオブ、
タンタル又はこれらの混合物)との化学量論比、及び組成物中の中性電子供与性
リガンド前駆体と金属との化学量論比は、1以上の活性芳香族水素を有する芳香
族化合物のヒドロキシル化に有効な活性触媒種の金属の空原子価部位を満たすの
に十分なモル量のアニオン性リガンドと中性電子供与性リガンドとが存在する限
り、特に限定されない。また、アニオン性リガンドと中性電子供与性リガンドの
量は、好ましくは、ヒドロキシル化反応自体を妨げず、生成物混合物の単離・精
製又は触媒成分(例えば金属)の回収・再利用を妨げない量である。
【0021】 リガンド前駆体が(プロトン源として加えた)酸種又は反応で生成したヒドロ
キシ芳香族化合物でもある場合、いずれか又は両方のリガンド前駆体と金属前駆
体との化学量論比は、反応のターンオーバー数、つまり金属(又は金属混合物)
1モル当たりの生成物のモル収率と直接関係し得る。反応のターンオーバー数は
生成ヒドロキシ芳香族化合物のモル数を決定する。ターンオーバー数は、反応混
合物に添加され反応進行中に消費されたプロトン源の量に直接比例する。最適効
率のため、ターンオーバー数ができるだけ高いことが望ましい。本発明で好まし
いターンオーバー数は1を上回り、さらに好ましくは約10を上回り、最も好ま
しくは約50を上回る。ターンオーバー数は通例約5〜約50である。
【0022】 本発明の好ましい実施形態では、組成物中のアニオン性リガンド前駆体と金属
との化学量論比及び中性電子供与性リガンド前駆と対金属との化学量論比はいず
れも、約500〜2:1、好ましくは約100〜2:1、さらに好ましくは約5
0〜2:1である。触媒組成物が、例えばアニオン性リガンド前駆体と中性電子
供与性リガンド前駆体のいずれか又は双方との錯体の形態として金属が供給され
る金属前駆体(又は金属前駆体混合物)からなる場合、リガンド前駆体と金属と
の化学量論比は、例えばVO(アセチルアセトナト)2やVO(ピコリナト)2
場合のように本質的に2:1となり得る。また、金属がアニオン性リガンド前駆
体又は中性電子供与性リガンド前駆体のいずれか又は双方との錯体の形態で供給
される場合、錯体を形成していないアニオン性リガンド前駆体又は錯体を形成し
ていない中性電子供与性リガンド前駆体のいずれか又は両方を反応混合物に加え
てもよいと考えられる。
【0023】 理論に束縛されるものではないが、適当な触媒前駆体の組合せは分子状酸素又
は分子状酸素前駆体の存在下で次の一般構造を有する触媒を生じるものと考えら
れる。 MO(O2)(L1)n(L2)m 式中、Mはバナジウム、ニオブ又はタンタルなどの金属であり、nは0〜1の整
数であり、mは1〜3の整数であり、L1はアニオン性一座配位リガンド又は二
座配位リガンドであり、L2は中性電子供与性リガンドである。適当なアニオン
性リガンドには、特に限定されないが、ハロゲン化物又はカルボン酸の共役塩基
、例えばアセテート、トリフルオロアセテート、β−ジケトネート、アセチルア
セトネート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、及びヘテロ芳香族窒
素原子に対してα位のカルボン酸の共役塩基、例えば特に限定されないが、ピコ
リネート、置換ピコリネート及びこれらの対応N−オキシドがある。適当な中性
電子供与性リガンドには、特に限定されないが、水;アセトニトリル;ヘテロ芳
香環の窒素、例えば特に限定されないが、ピリジン、ピリジル、ピコリン酸又は
置換ピコリン酸;アルコール;ヒドロキシ芳香族化合物;フェノール;置換フェ
ノール;エーテル;フラン;テトラヒドロフラン;ホスフィン;アミン;アミド
;ケトン;エステル;シッフ塩基又はイミドがある。
【0024】 触媒は有効量で存在し、その量は出発芳香族基質、所望反応速度、触媒の価格
などを考慮して当業者が経験的に容易に決定できる。一般に、触媒は芳香族基質
の約10モル%以下の量で存在する。
【0025】 プロトン源は1種類以上の無機酸(塩酸など)又は有機酸(トリフルオロ酢酸
など)である。プロトン源は好ましくは反応混合物に少なくとも部分的に可溶性
であり、さらに好ましくは完全に可溶性であり、その対応イオンは反応をさほど
妨害も阻害もしない。プロトン源は反応混合物中に共反応体として存在し、反応
進行中に消費される。反応混合物中のプロトン源と非気体状還元剤との化学量論
比は約10:1以下であり、好ましくは約2:1以下、最も好ましくは約1.2
:1以下である。本発明の特に好ましい実施形態では、プロトン源と非気体状還
元剤との化学量論比は約1.10〜1.01:1である。触媒組成によっては、
プロトン源は共反応体としてだけでなく、アニオン性リガンド前駆体としても機
能し得る。例えば、トリフルオロ酢酸その他の有機酸は共反応体としてもアニオ
ン性リガンド前駆体としても機能し得る。
【0026】 プロトン源又はプロトン源混合物は当技術分野で公知のいかなる方法で添加し
てもよい。大抵は、プロトン源又は混合物は、単独又は他の反応成分もしくは不
活性溶媒と組み合わせた固体又は液体或いは溶液又はスラリーの形態で添加され
る。プロトン源又はその混合物を反応混合物に一度に添加することも、反応過程
で徐々に添加することも本発明の技術的範囲に属する。
【0027】 本発明の方法における還元剤は1種類以上の非気体状還元剤であり、触媒に適
合した当技術分野で公知のものが包含される。本発明に関して適当な非気体状還
元剤は、プロトン源の存在下においてのみ還元剤として機能し、気体以外の物理
的形態で反応混合物に添加できるものである。非気体状還元剤又は非気体状還元
剤混合物は、当技術分野で公知のいかなる方法で添加してもよい。大抵は、非気
体状還元剤又は混合物は、単独又は他の反応成分もしくは不活性溶媒と組み合わ
せた固体又は液体或いは溶液又はスラリーの形態で添加される。非気体状還元剤
又はその混合物を反応混合物に一度に添加することも、反応過程で徐々に添加す
ることも本発明の技術的範囲に属する。適当な還元剤には、特に限定されないが
、フェロセンのようなジシクロペンタジエン−金属錯体、亜鉛、鉄、スズ、銅な
どがある。好ましい還元剤はフェロセン及び亜鉛である。プロトン源と還元剤の
有効量は出発芳香族基質、所望の反応速度などを考慮して当業者が経験的に容易
に決定できる。
【0028】 反応温度は一般に約25〜約200℃、好ましくは約40〜約150℃である
。反応時間は、反応条件によって異なるが、概して数秒〜数時間である。
【0029】 反応はベンゼン、トルエンその他の芳香族基質中で溶剤を添加せずに実施して
もよいし、触媒、芳香族基質、プロトン源、酸素及び/又は非気体状還元剤との
少なくとも若干の混和性又はミクロ均質性を与えるため所望に応じて1種類以上
の不活性溶媒を使用してもよい。反応体の溶解度及び/又は反応性を向上させる
溶媒が特に望ましいが、溶媒が触媒の利用効率をさほど損なわずに芳香族基質、
非気体状還元剤、触媒、プロトン源、及び酸素を少なくとも部分的に可溶化する
のが最適である。溶媒の具体例には、アセトニトリル、フッ素化炭化水素、フレ
オン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素又はこれらの組合せがあるが
、これらに限定されない。
【0030】 ヒドロキシル化は回分法、半連続法又は連続法のいずれかで実施できる。回分
式反応では、触媒とリガンドを芳香族基質又は基質/溶媒混合物に、好ましくは
不活性雰囲気下で溶解し、酸素と1種類以上の不活性ガスからなる気体混合物を
反応容器に導入する。必須ではないが、反応液中への輸送を向上させて反応速度
を高めるため、ガス混合物をスパージするか又は反応液と激しく混合するのが好
ましい。ヒドロキシル化は、触媒の固定床に反応体混合物を通すことによって連
続法で実施することもできる。この場合、触媒と芳香族基質との適当な接触を確
保するため均質な供給原料を使用するのが有利である。本発明の方法で生成する
ヒドロキシ芳香族化合物その他の生成物は従来技術で分離・単離できる。
【0031】
【実施例】
以下の実施例は例示のためのものであり、本発明の技術的範囲を限定するもの
ではない。
【0032】 0.0099グラム(g)(0.0373ミリモル)のVO(アセチルアセト
ナト)2、0.0201g(0.1632ミリモル)のピコリン酸、2.0g(
17.54ミリモル)のトリフルオロ酢酸、及び50ミリリットル(mL)のベ
ンゼンを、ガスライナー付きステンレススチール製ボンベに加えた。ガススパー
ジ攪拌軸と反応器冷却コイルを収容した蓋でボンベを密封した。次に反応器を攪
拌しながら100℃にし、窒素中に酸素ガスを28%含んだ3.45MPaのガ
ス混合物をボンベに導入した。次いで、攪拌を続けながら、20mLベンゼン中
のフェロセン1.2g(10.75ミリモル)の混合物を高圧ポンプでボンベ中
にゆっくりと導入した。フェロセンの添加が完了した後ボンベを室温に冷却し、
反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した。ターンオーバー数(バナジウ
ム1モル当たりの生成物のモル収率)約40でのフェノール収量は0.015g
(0.1593ミリモル)であった。
【0033】 好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の技術思想及び範囲を逸脱
せずに様々な修正及び置換が可能である。従って、以上の説明は単なる例示にす
ぎず、本発明を限定するものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC54A BC54B BC55A BC56A CB70 DA02 4H006 AA02 AB84 AC42 BA12 BA30 BA45 BA46 BA81 BC32 BC37 BE30 FC52 FE13 4H039 CA60 CD10

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素、触媒、1種類以上のプロトン源及び1種類以上の非気
    体状還元剤の存在下で芳香族基質を反応させることを含んでなる、芳香族基質の
    ヒドロキシル化方法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族基質がベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
    ェナントレン、及び1以上の置換基を有するこれらの誘導体からなる群から選択
    される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記置換基がアリール基、アルキル基、官能基及びこれらの
    組合せからなる群から選択され、該官能基がカルボン酸、カルボン酸アルキルエ
    ステル、カルボン酸アリールエステル、アルデヒド、ヒドロキシ、オレフィン、
    アルキルエーテル又はアリールエーテルである、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記置換基がアリール基、アルキル基、官能基又はこれらの
    組合せからなる群から選択される1以上の残基で置換されており、該官能基がカ
    ルボン酸、カルボン酸アルキルエステル、カルボン酸アリールエステル、アルデ
    ヒド、ヒドロキシ、オレフィン、アルキルエーテル又はアリールエーテルである
    、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記芳香族基質がベンゼン、又は1以上のアルキル基、アリ
    ール基、アルキルエーテル、アリールエーテル、ヒドロキシもしくはこれらの組
    合せで置換されたベンゼンである、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記芳香族基質がベンゼン、ビフェニル、フェニルフェノー
    ル、トルエン、クメン、フェノール又はp−クミルフェノールである、請求項5
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記芳香族基質がベンゼンである、請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記酸素を1種類以上の不活性ガスとの混合物として又は空
    気として供給する、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記触媒が、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタンタ
    ル前駆体又はこれらの混合物、1種類以上のアニオン性リガンド前駆体、及び1
    種類以上の中性の電子供与性リガンド前駆体から溶液中で形成される、請求項1
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約500〜2:1である、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約100〜2:1である、請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約50〜2:1である、請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記アニオン性リガンド前駆体がハロゲン化物、カルボン
    酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、β−ジケトン、
    アセチルアセトン、カルボン酸の共役塩基、アセテート、トリフルオロアセテー
    ト、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、β−ジケトネート、アセチル
    アセトネート、ヘテロ芳香族窒素原子に対してα位のカルボン酸、ピコリン酸、
    置換ピコリン酸、ピコリン酸N−オキシド、置換ピコリン酸N−オキシド、ヘテ
    ロ芳香族窒素原子に対してα位のカルボン酸の共役塩基、ピコリネート、置換ピ
    コリネート、ピコリネートN−オキシド、及び置換ピコリネートN−オキシドか
    らなる群から選択される1種類以上であり、中性リガンド前駆体が水、アセトニ
    トリル、ヘテロ芳香環の窒素、ピリジン、置換ピリジン、ピコリン酸、置換ピコ
    リン酸、アルコール、ヒドロキシ芳香族化合物、フェノール、置換フェノール、
    エーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ホスフィン、アミン、アミド、ケトン
    、エステル、シッフ塩基、及びイミドからなる群から選択される1種類以上であ
    る、請求項9記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記触媒が、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタン
    タル前駆体又はこれらの混合物、1種類以上の有機酸、カルボキシレート前駆体
    、及びピリジル前駆体から溶液中で形成される、請求項9記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記触媒が、ピコリン酸、トリフルオロ酢酸、及びメタバ
    ナジン酸ナトリウム又はVO(ピコリナト)2又はVO(アセチルアセトナト)2 の1種類以上の組合せから溶液中で形成される、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 溶液中の触媒が式MO(O2)(L1)n(L2)m(式中、Mはバ
    ナジウム、ニオブ又はタンタルであり、nは0〜1の整数であり、mは1〜3の
    整数であり、L1はアニオン性の一座配位リガンド又は二座配位リガンドであり
    、L2は中性の電子供与性リガンドである)を有する、請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記L1がハロゲン化物、カルボン酸の共役塩基、アセテ
    ート、トリフルオロアセテート、β−ジケトネート、アセチルアセトネート、プ
    ロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、ヘテロ芳香族窒素原子に対してα位
    のカルボン酸の共役塩基、ピコリネート、置換ピコリネート、ピコリネートN−
    オキシド、及び置換ピコリネートN−オキシドからなる群から選択される1種類
    以上であり、L2が水、アセトニトリル、ヘテロ芳香環の窒素、ピリジン、置換
    ピリジン、ピコリン酸、置換ピコリン酸、アルコール、ヒドロキシ芳香族化合物
    、フェノール、置換フェノール、エーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ホス
    フィン、アミン、アミド、ケトン、エステル、シッフ塩基、及びイミドからなる
    群から選択される1種類以上である、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記プロトン源が無機酸又は有機酸である、請求項1記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 前記プロトン源がトリフルオロ酢酸である、請求項1記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記還元剤がジシクロペンタジエンの金属錯体、亜鉛、鉄
    、スズ又は銅である、請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記還元剤がフェロセンである、請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 酸素、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタンタル前
    駆体とアニオン性の一座配位リガンド又は二座配位リガンドの前駆体と中性の電
    子供与性リガンド前駆体から形成される有効量の触媒、プロトン源、及び非気体
    状還元剤の存在下で芳香族基質を反応させることを含んでなる、芳香族基質のヒ
    ドロキシル化方法。
  23. 【請求項23】 前記芳香族基質が、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン
    、フェナントレン、又は1以上のアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アル
    キルエーテル、アリールエーテルもしくはこれらの組合せで置換されたこれらの
    誘導体である、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 酸素、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタンタル前
    駆体とアニオン性の一座配位リガンド又は二座配位リガンドの前駆体と中性の電
    子供与性リガンド前駆体から形成される有効量の触媒、プロトン源、及び非気体
    状還元剤の存在下でベンゼンを反応させることを含んでなる、ベンゼンからフェ
    ノールを製造する方法。
  25. 【請求項25】 酸素、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタンタル前
    駆体又はこれらの混合物、1種類以上のアニオン性リガンド前駆体、1種類以上
    の中性の電子供与性リガンド前駆体、1種類以上のプロトン源、及び1種類以上
    の非気体状還元剤を含んでなる、1以上の活性芳香族水素を有する芳香族基質を
    ヒドロキシル化するための組成物。
  26. 【請求項26】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約500〜2:1である、請求項25記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約100〜2:1である、請求項25記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記アニオン性リガンド前駆体とバナジウム又はニオブ又
    はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比、及び中性の電子供与性リガンド
    前駆体とバナジウム又はニオブ又はタンタル又はこれらの混合物との化学量論比
    が各々約50〜2:1である、請求項25記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記アニオン性リガンド前駆体がハロゲン化物、カルボン
    酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、β−ジケトン、
    アセチルアセトン、カルボン酸の共役塩基、アセテート、トリフルオロアセテー
    ト、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、β−ジケトネート、アセチル
    アセトネート、ヘテロ芳香族窒素原子に対してα位のカルボン酸、ピコリン酸、
    置換ピコリン酸、ピコリン酸N−オキシド、置換ピコリン酸N−オキシド、ヘテ
    ロ芳香族窒素原子に対してα位のカルボン酸の共役塩基、ピコリネート、置換ピ
    コリネート、ピコリネートN−オキシド及び置換ピコリネートN−オキシドから
    なる群から選択される1種類以上であり、中性リガンド前駆体が水、アセトニト
    リル、ヘテロ芳香環の窒素、ピリジン、置換ピリジン、ピコリン酸、置換ピコリ
    ン酸、アルコール、ヒドロキシ芳香族化合物、フェノール、置換フェノール、エ
    ーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ホスフィン、アミン、アミド、ケトン、
    エステル、シッフ塩基及びイミドからなる群から選択される1種類以上である、
    請求項25記載の組成物。
  30. 【請求項30】 前記触媒が、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタン
    タル前駆体又はこれらの混合物、1種類以上の有機酸、カルボキシレート前駆体
    、及びピリジル前駆体から溶液中で形成される、請求項25記載の組成物。
  31. 【請求項31】 前記触媒が、ピコリン酸、トリフルオロ酢酸、及びメタバ
    ナジン酸ナトリウム、VO(ピコリナト)2又はVO(アセチルアセトナト)2
    1種類以上の組合せから溶液中で形成される、請求項30記載の組成物。
  32. 【請求項32】 溶液中の触媒が式MO(O2)(L1)n(L2)m(式中、Mはバ
    ナジウム、ニオブ又はタンタルであり、nは0〜1の整数であり、mは1〜3の
    整数であり、L1はアニオン性の一座配位リガンド又は二座配位リガンドであり
    、L2は中性の電子供与性リガンドである)を有する、請求項25記載の組成物
  33. 【請求項33】 前記L1がハロゲン化物、カルボン酸の共役塩基、アセテ
    ート、トリフルオロアセテート、β−ジケトネート、アセチルアセトネート、プ
    ロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、ヘテロ芳香族窒素原子に対してα位
    のカルボン酸の共役塩基、ピコリネート、置換ピコリネート、ピコリネートN−
    オキシド、及び置換ピコリネートN−オキシドからなる群から選択される1種類
    以上であり、L2が水、アセトニトリル、ヘテロ芳香環の窒素、ピリジン、置換
    ピリジン、ピコリン酸、置換ピコリン酸、アルコール、ヒドロキシ芳香族化合物
    、フェノール、置換フェノール、エーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ホス
    フィン、アミン、アミド、ケトン、エステル、シッフ塩基、及びイミドからなる
    群から選択される1種類以上である、請求項32記載の組成物。
  34. 【請求項34】 前記プロトン源が無機酸又は有機酸である、請求項25記
    載の組成物。
  35. 【請求項35】 前記プロトン源がトリフルオロ酢酸である、請求項25記
    載の組成物。
  36. 【請求項36】 前記還元剤がジシクロペンタジエンの金属錯体、亜鉛、鉄
    、スズ又は銅である、請求項25記載の組成物。
  37. 【請求項37】 前記還元剤がフェロセンである、請求項25記載の組成物
  38. 【請求項38】 前記芳香族基質が、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン
    、フェナントレン、又は1以上のアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アル
    キルエーテル、アリールエーテルもしくはこれらの組合せで置換されたこれらの
    誘導体である、請求項25記載の組成物。
  39. 【請求項39】 酸素、バナジウム前駆体又はニオブ前駆体又はタンタル前
    駆体又はこれらの混合物、1種類以上のアニオン性リガンド前駆体、1種類以上
    の中性の電子供与性リガンド前駆体、1種類以上のプロトン源、及び1種類以上
    の非気体状還元剤とを含んでなる、ベンゼンからフェノールを製造するための組
    成物。
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