JPH0725706B2 - ジメチルナフタレンの製造法 - Google Patents

ジメチルナフタレンの製造法

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JPH0725706B2
JPH0725706B2 JP61257019A JP25701986A JPH0725706B2 JP H0725706 B2 JPH0725706 B2 JP H0725706B2 JP 61257019 A JP61257019 A JP 61257019A JP 25701986 A JP25701986 A JP 25701986A JP H0725706 B2 JPH0725706 B2 JP H0725706B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はナフタレン類のメチル化方法に関するものであ
る。更に詳しくはナフタレン及び/又はモノメチルナフ
タレンをメチル化剤によりメチル化してジメチルナフタ
レン類を製造するに当り、2,6−異性体に富んだジメチ
ルナフタレン混合物を製造する方法に関するものであ
る。
B.従来技術 ジメチルナフタレンの主要な用途の一つはこれを酸化し
てナフタレンジカルボン酸の製造の原料であり、この中
でも2,6−異性体は樹脂,フイルム等のポリエステル原
料として、極めて有効な成分であることが知られてい
る。
一般にジアルキルナフタリンは、FCCサイクル油や、コ
ークス炉副生油から分離される他、フリーデル・フラフ
ツ触媒の存在下、ナフタレン又はモノアルキルナフタレ
ンをオレフイン又はアルコールによるアルキレーシヨン
により製造する方法が知られている。この方法は殊にプ
ロピレンをアルキル化剤として用いる方法が代表的であ
る。
しかし、このフリーデル・フラフツ触媒を使用するアル
キル化方法は、触媒を均一系で用いる為に反応終了後、
反応生成物と触媒を分離する必要があり、モノ,ジ,ト
リの置換体が併産し、目的とするジアルキルナフタレン
への選択率は余り高くはなかつた。
一方、固体酸触媒である結晶性アルミノシリケートゼオ
ライトを用いて、芳香族炭化水素をアルキル化する方法
が知られている。例えば、特開昭55−11594号公報に
は、ゼオライトΩを用いて液相でベンゼンをプロピル化
する方法、特開昭56−133224号公報には酸処理したモル
デナイトを用いて、モノアルキルベンゼンをオレフイ
ン,アルコール等でアルキル化する方法、特開昭57−48
925号公報にはカルシウム置換もしくはコバルト置換Y
型ゼオライトを用いて、パラキシレンをメチル化してト
リメチルベンゼンを製造する方法、更には特開昭57−20
3019号公報には新規なTPZ−3ゼオライトを用いて、ト
ルエンを気相でメチル化してキシレン類を製造する方法
等が開示されている。
しかし、結晶性アルミノシリケートゼオライトを用い
て、ナフタレン類をアルキル化しようとする試みは殆ど
なされておらず、過去の技術は、反応条件,目的とする
アルキルナフタレンへの選択率,触媒の寿命等に於い
て、工業的方法として到底、満足するべきものではなか
つた。
本発明者らは下記の如き種々の結晶性アルミノシリケー
トゼオライトを使用し、ナフタリン類のアルキル化を行
つた所、上記の如く満足すべき結果を得られなかつた。
すなわち、フオージヤサイト(Faujasite;U.C.C社商品
名SK−40)を用いて、モノメチルナフタレンのメタノー
ルによるアルキル化を液相にて行つた場合、得られたジ
メチルナフタレン混合物中の50%以上が1,2−置換体で
あつて、有用な2,6−異性体の含有量は少く、かつトリ
メチルナフタレンの如き高次アルキル化物が多量に生成
するという欠点を有した。
またモルデナイト(MORDENITE;NORTON社 商品名ZEORON
E100H)を触媒として気相に於いて使用した場合、過酷
な反応条件ですらメチル化の活性が低く、かつ活性劣化
が著しく大きい為、工業的方法として全く不適当であ
る。さらに高シリカのペンタシル型ゼオライトであるZS
M−5を用いて、メチルナフタレンのメタノールによる
アルキル化を気相で行つた所、得られたジメチルナフタ
レン混合物中、有用な2,6−置換体の含有量が少くか
つ、軟化率が未だ低く工業的方法としては不満足であつ
た。
C.発明の目的 そこで本発明の目的はナフタレン及び/又はモノメチル
ナフタレンをメチル化し、メチル基を1個又は2個導入
し、ジメチルナフタレンを製造する方法を提供すること
にある。
更に、本発明の目的は、ジメチルナフタレン異性体の中
でも、殊に有用な成分である2,6−異性体に富んだジメ
チルナフタレン混合物を製造する方法を提供することに
ある。
本発明の他の目的は、原料の転化率が高く、目的とする
メチル化物の選択性の高いメチル化文法を提供すること
にある。さらに他の目的は以下の説明から一層明らかと
なるであろう。
D.発明の構成 本発明者らの研究によれば、かかる本発明の目的はナフ
タレン及び/又はモノメチルナフタレンをメチル化剤に
よりメチル化して2,6−異性体に富んだジメチルナフタ
レン混合物を製造する方法において、該メチル化をSiO2
/Al2O3(モル比)が10〜100であり且つリチウム,ナト
リウム及びカリウムから成る群から選ばれた少くとも一
種のアルカリ金属カチオンを含有する結晶性アルミノシ
リケートゼオライトを含有する触媒の存在下に行うこと
を特徴とする方法により達成されることがわかつた。
かかる本発明によれば、前記結晶性アルミノシリケート
ゼオライトを含有する触媒を使用することによつて、ナ
フタレン及び/又はモノメチルナフタレンから、高転化
率且つ、高選択率でジメチルナフタレンが得られるばか
りでなく、得られるジメチルナフタレン混合物は工業的
に有用な2,6−異性体に極めて富んだ混合物であるとい
う優れた利点が得られる。
本発明の方法において触媒の活性成分として使用される
結晶性アルミノシリケートゼオライトは、SiO2/Al2O
3(モル比)が10〜100の結晶性ゼオライトであり、か
つ、リチウム,ナトリウム及びカリウムから成る群から
選ばれる少くとも一種のアルカリ金属カチオンを含有す
るゼオライトである。云わゆるペンタシル型結晶性ゼオ
ライトの代表的なものとしては、ZSM−5ゼオライトと
呼ばれているものであり、その製造法及びそのX線格子
面間隔は例えば米国特許第3,702,886号明細書に詳細に
記述されている。本発明に於いて好ましく用いられるゼ
オライトは、ZSM−5ゼオライト又はこの類似物ゼオラ
イトを変成しものであって、本発明者らが先に見出し、
既に提案した下記2種のゼオライトである。
即ち、前記一種のゼオライトは、SiO2/Al2O3(モル比)
が20〜300の結晶性アルミノシリケートゼオライトZSM−
5を該ゼオライトZSM−5の1g当り、0.1〜1gのアルカリ
金属酸化物を含有する水溶液中で、80〜250℃の間の温
度に加熱する方法によつて得られるものであり、詳細に
は特開昭59−232912号公報に記載されている。
他の一種のゼオライトは、シリカ源,アルミナ源並び
に、ZSM−5ゼオライト及び該方法によつて得られるゼ
オライトから選ばれるゼオライトを、該ゼオライト1g当
り1〜200ミリモルのアルカリ金属水酸化物を含み、か
つ、実質的に有機アミン類を含まない水溶液中にて、結
晶性アルミノシリケートゼオライトが生成するような温
度,圧力及び時間条件下に維持することによつて得られ
るものであり、該製造法、及び該ゼオライトの特徴の詳
細は特開昭60−18813号公報に記載されている。
結晶性アルミノシリケートゼオライトを触媒の活性成分
として使用する場合、その酸性質を増す為に、ゼオライ
トの構成々分であるAlO2 -に由来するカチオンサイトを
プロトン(H+)でおきかえることが通常行われている。
その方法は合成後のゼオライトをプロトン供給源である
塩酸,硝酸の如き金属酸水溶液と接触させるか、もしく
は、塩化アンモニウム,アンモニア水の如きアンモニウ
ムカチオン供給源と接触させた後、乾燥,焼成によつて
アンモニアを脱離させて上記カチオンサイトにプロトン
を発生させるという公知の方法に従つて行われる。
カチオンサイトが実質的にプロトンによつて占有されて
いる結晶性アルミノシリケートゼオライトを、アルキル
ベンゼンのアルキレーシヨンの触媒として使用する場
合、そのアルキル化生成物は一般に熱平衡組成に近い異
性体混合物として得られることが知られている。ペンタ
シル型ゼオライトZSM−5を用いてトルエンをメタノー
ルによつてアルキル化しキシレン混合物を得る例が特開
昭49−20124号公報に開示されている。更に、p−異性
体に富んだキシレンを得る為にZSM−5を酸化マグネシ
ウム,リン,ホウ素,ケイ素等で処理することが特開昭
52−120292号公報及び特開昭58−170544号公報等に開示
されている。
上記の如き変成されたゼオライトの細孔(ポア)はベン
ゼン環が拡散するのに充分な大きさであるが、ナフタレ
ン環にとつては不充分であり、その為、変性されたゼオ
ライトはナフタレン及び/又はメチルナフタレンのアル
キル化に不満足な活性を示すのみである。
本発明の方法において触媒の活性成分として使用される
結晶性アルミノシリケートゼオライトのカチオンサイト
は、リチウム,ナトリウム及びカリウムから成る群から
選ばれる少くとも一種のアルカリ金属カチオンによつて
置換された形で含有している。かようなゼオライトを含
む触媒を使用することによつて、ナフタレン及び/又は
モノメチルナフタレンをメチル化し、ジメチルナフタレ
ン混合物を製造する方法に於いて、原料の高転化率及び
ジメチルナフタレンへの高選択性、更には2,6−異性体
に富んだジメチルナフタレン混合物の取得が思い出され
た。
ジメチルナフタレンには10個の異性体があり、キヤタリ
テイツク・ガスオイル中の組成がカーク・オスマー著エ
ンサイクロペデイアオブケミカルテクノロジー13巻,691
頁(1667年発行)に記載されている。それによると、ジ
メチルナフタレン中の2,6−異性体の割合は高高20%に
過ぎない。しかるに、本発明の方法によると、上記2,6
−異性体の割合は通常で30%以上、好適には40%以上に
も達することができる。
本発明の方法の触媒に使用されるゼオライトは、その全
カチオンサイトの少くとも70%、好ましくは少くとも90
%がリチウム,ナトリウム及びカリウムから成る群から
選ばれる少くとも一種の金属カチオンで占められている
ものである。残余のカチオンサイトがプロトンである場
合には多くても30%以下、好ましくは10%以下とするこ
とが本発明にとつては好ましい。
前記範囲よりも前記アルカリ金属カチオンの占有割合が
低く、またプロトンの占有割合が高い場合には、トリメ
チルナフタレン生成量の増加、或いはジメチルナフタレ
ン混合物中の2,6−異性体濃度の低下といつた本発明の
目的に反した結果を生ずる。アルカリ金属としてリチウ
ムがとりわけ好ましい。
本発明の方法においてより好ましい態様は、使用される
全カチオンサイトの少くとも70%、好ましくは少くとも
90%がリチウムカチオンで占められていて、かつ残余の
カチオンサイトが実質的にナトリウム及び/もしくはカ
リウムで占められているものである。この範囲に於いて
2,6−異性体に富んだジメチルナフタレン混合物を高い
選択率でかつナフタレン及び/又はモノメチルナフタレ
ン原料の高い転化率で取得するという本発明の目的を効
果的に達成することができる。
ペンタシル型ゼオライトは通常、合成直後の状態におい
てナトリウム型の結晶として得られる。従つて、本発明
の態様として、カチオンサイトがナトリウムイオンであ
る場合には、当然のことながら合成直後のこの形態にあ
るゼオライトも包含される。
更に本発明の態様としてカチオンサイトがリチウムもし
くはカリウムイオンである場合には、合成直後のナトリ
ウム型の結晶を公知の方法に従つて所望のカチオンを含
む可溶性塩の水溶液に浸漬し、カチオン交換が充分達成
しうる迄の時間、維持することによつて効果的に行うこ
とができる。
一方、ナトリウム型のゼオライト結晶を所望のカチオン
を含む可溶性塩の水溶液に含浸し、水を留去後、乾燥,
焼成することによつても本発明で使用する触媒を調製す
ることができる。上記の可溶性塩としては、硝酸塩,塩
化物,硫酸塩,酢酸塩,水酸化物等が含まれる。水溶液
との接触は通常0℃〜150℃、好ましくは30〜100℃の範
囲で1時間〜1週間、好ましくは5時間〜24時間の範囲
で行われる。
本発明におけるアルカリ金属カチオンを含有するゼオラ
イトは、そのゼオライト合成時に於いて、所望のカチオ
ン組成を含有する化合物を反応系に添加することによつ
ても得ることができる。即ち、通常、ペンタシル型ゼオ
ライトはアルカリ源として、水酸化ナトリウムを含有す
る系で合成されるが、その一部を所望のカチオンを含む
水酸化物に置きかえるか、もしくは所望のカチオンを含
む可溶性塩を添加することによつても目的のゼオライト
を得ることができる。
本発明の方法で使用されるゼオライトは、それ自体パウ
ダー状で使用することもできるし、また成型物として例
えばペレツト状,タブレツト状として使用することもで
きる。成型物として使用する場合、成型物中のゼオライ
トの含有割合は重量で1〜100%、好ましくは10〜90%
の範囲が有利である。更にゼオライトを成型するには、
一般にゼオライトの結合剤として使用される耐火性無機
酸化物、例えばシリカ,アルミナ,シリカ−アルミナ,
シリカ−マグネシア,カオリンなどが使用されるが、と
りわけアルミナが好ましい。
前記ゼオライトには、白金,パラジウム,ロジウム又は
イリジウムの如き金属を組合せて使用することもでき
る。これらの金属は、上記ゼオライトの結合剤に含まれ
ているものであつても良い。本発明の方法で使用される
ゼオライトを含む触媒が、前記金属を含有する場合に
は、本発明の反応に供する前に、還元雰囲気下(例えば
水素含有ガス雰囲気下)で例えば200〜600℃、好ましく
は250〜550℃の温度で還元することが好ましい。この還
元は触媒を反応器中に充填する前に行つても良く、また
後に行つても良い。
本発明の方法では、前記したカチオンを含有するゼオラ
イト含有触媒を使用し、ナフタレン及び/又はモノメチ
ルナフタレンとメチル化剤を接触させるのである。即
ち、本発明の方法の前記ゼオライト含有触媒を使用する
ことによる特徴の一つは、原料であるナフタレン及び/
又はモノメチルナフタレンから高転化率でジメチルナフ
タレンが得られるばかりでなく、得られるジメチルナフ
タレン混合物は工業的に有用な2,6−異性体に極めて富
んだ化合物が得られることにある。更には、メチル基が
3ケ以上置換されたナフタレン化合物の生成割合が極め
て少ないことも本発明の方法の特徴の一つとして挙げら
れる。
メチル化は気相で行うこともできるし、また液相で行う
こともできるが、気相で行う方が有利である。
メチル化反応に使用されるメチル化剤としては、一般的
に芳香族炭化水素類の核炭素のメチル化に使用されてい
るものであればよく、例えばメタノール,塩化メチル,
臭化メチル,ジメチルエーテルなどが好ましく、就中メ
タノールまたはジメチルエーテルもしくはそれらの混合
物が最も好ましい。かかるメチル化剤は、ナフタレン類
に対して0.01〜2モル倍、好ましくは0.05〜1モル倍の
割合で使用するのが有利であり、特にナフタレン類をメ
チル化剤に対して過剰使用するのが副反応を抑制するた
めに好ましい。
本発明方法においては、前記ゼオライト含有触媒とナフ
タレン類およびメチル化剤の触媒は気相又は液相で重量
時間空間速度(WHSV)を0.1〜100の範囲で行うことがで
きる。ここでWHSVとは、ゼオライト単位(g)当りの単
位時間(hr)におけるナフタレン類およびメチル化剤の
合計の接触量(g)を表わすものと定義される。好まし
いWHSV値は0.5〜10の範囲、特に1〜5の範囲である。W
HSV値が0.1よりも小さいと本発明で意図するモノメチル
ナフタレン又はジメチルナフタレン含量比の高い生成物
が得られなくなる。一方WHSV値が100を越えると、あま
りに接触時間が短か過ぎてナフタレン類の転化率が低下
するので工業的に不利である。
本発明のメチル化反応は、液相よりも気相で実施する方
が好ましいことは既に述べたが、気相で実施する場合、
反応を水素気流下に行うのが望ましく、そうすることに
より触媒の活性劣化を抑制することができる。水素供給
量は水素/(メチル化剤およびトルエン)比(モル)で
表わして0.1〜20、好ましくは0.5〜10の範囲で行うこと
が好ましい。
また反応は250〜600℃の範囲の温度、好ましくは600〜5
00℃、殊に350〜450℃の範囲で有利に実施される。さら
に圧力は減圧,常圧,加圧のいずれでもよいが通常常圧
乃至加圧、例えば1〜30KG、好ましくは1〜10KGの圧力
で実施される。
本発明のメチル化する原料は、ナフタレン及び/又はモ
ノメチルナフタレン(ナフタレン類)であるが、これは
純粋である必要はなく、これを少くとも30重量%、好ま
しくは50重量%、特に好ましくは80重量%含有する原料
混合物であつてもよい。原料混合物のナフタレン類以外
の成分としては脂肪族炭化水素,脂環族炭化水素,ナフ
タレン類以外の芳香族炭化水素を用いることができる。
本発明の反応は固定床方式或いは流動床方式いずれの形
式によつても実施可能である。また固定化方式で実施す
る場合固定床は1段であつてもよく、2段以上の多段方
式であつてもよい。
本発明の方法を行つて得られた反応混合物からのジメチ
ル置換ナフタレンの回収は、それ自体公知の方法によつ
て行なうことができ、例えば反応混合物を冷却器で充分
冷却し、気−液分離器で濃縮したものとガスとを分離す
る。次いで濃縮したオイル/水を分離しオイルを蒸留塔
へ供給し、未反応ナフタレン類,ジメチル置換ナフタレ
ン及び他の副反応生成物を分離することによりジメチル
置換ナフタレンを容易に回収できる。
以上述べた本発明の方法を後記実施例により説明する。
ベースゼオライトの合成 A.200mlのビーカーに水107mlをとり、濃硫酸(98%)1
2.9gを加え、更に硫酸アルミニウムAl2(SO4・18H2
O8.66gと塩化ナトリウム21.2gを溶解させたものを
(I)液とした。別のビーカーに水ガラス(和光純薬
製:SiO2=36.7wt%,Na2O=16.4wt%,H2O=46.9wt%)85
gをとり水40mlを加え均一溶液(II)液を調製した。次
いで300mlのオートクレーブに、上記(I)液及び(I
I)液を少量ずつ撹拌しながら仕込み、均一なゲルとし
た。このゲルに、更にn−プロピルブロマイド6.4g,ト
リ−n−プロピルアミン7.4g,メチルエチルケトン11.6g
を追加してフタをした後、100℃×50rpmにて24時間、次
いで170℃×90rpmにて60時間反応を行った。しかる後、
内容物を取り出し、過,水洗を行い、これを90℃で16
時間乾燥を行つた。この結晶はSiO2/Al2O3=38.7であ
り、X線回折はNa−ZSM−5のパターンを示した。
B.200mlのビーカーに水111mlをとり、濃硫酸16.8gを加
え、更に硫酸アルミニウム3.5gと塩化ナトリウム19.9g
を溶解させたものを(I)液とした。別のビーカーに水
ガラス85gをとり水40mlを加え均一溶液(II)液を調製
した。次いで300mlのオートクレーブに上記(I)液及
び(II)液を少量ずつ撹拌しながら仕込み、均一なゲル
とした。このゲルに更にn−プロピルブロマイド6.5g,
トリ−n−プロピルアミン7.6g,メチルエチルケトン11.
8gを追加してフタをした後、前記A項と同一条件で合成
反応を実施した。得られたゼオライトは乾燥を行つた後
の基準でSiO2/Al2O3=72であり、X線回折はNa−ZSM−
5のパターンを示した。
C.200mlのビーカーに水247mlをとり、水酸化ナトリウム
(和光純薬製)8.48gを加え、更に硫酸アルミニウム2.3
8gを溶解させた。これを300mlのオートクレーブに移
し、30%SiO2のシリカゲル(触媒化成製)52.6gを撹拌
しながら加えゲルを調製した。次いでこのゲルに前記B
項で得たNa−ZSM−5(500℃で16時間焼成)16.4gを添
加した。仕込物を180℃×90rpm、自生圧にて7時間反応
を行つた。しかる後、内容物を取出し、過,水洗を行
い、これを90℃で16時間乾燥を行つた。このゼオライト
はSiO2/Al2O3=42.5であり、X線回折パターンは特開昭
60−16813号に記載の特徴を有していた。
D.200mlの三つ口フラスコに水116mlをとり、これに水酸
化ナトリウム4.08gを溶解させた後、前記B項で得たNa
−ZSM−5(500℃で16時間焼成)20gを懸濁させた。こ
れを50℃にて5時間撹拌した後、残留固型物を過し充
分水洗した。90℃にて16時間乾燥した後の重量は10.8g
であり、SiO2/Al2O3=37.9であつて、X線回折パターン
は特開昭59−232912号に記載の特徴を有していた。
実施例1 前記で得られたNa型ゼオライトの一定重量をとりこれに
ゲル状Bアルミナ(300メツシユ以下:和光純薬製)の
同重量を加え、充分混合して10〜20メツシユの大きさに
成型した(触媒Na−A,Na−B,Na−C,Na−D)。これらの
成型物を電気マツフル炉中、空気雰囲気下450℃,8時間
焼成した後、8gを常圧固定床反応管に充填した。触媒床
を450℃とした後、ナフタレン/βメチルナフタレン=5
/95mol/molの混合物を8g/Hr、及び特徴メタノール試薬
を0.91ml/Hr、更にキヤリヤーガスとして水素を22ml/mi
nの割合で反応管へ同時に供給した。通油後1〜2時間
で得られたプロダクトの組成を表−1に纏めた。尚、表
中の略号は以下の化合物を示す。
NN;分解軽質分,N;ナフタレン,MN;メチルナフタレン,EN;
エチルナフタレン,DMN;ジメチルナフタレン,TMN+;トリ
メチルナフタレン以上の重質分。
表−1の結果は、Naカチオを含有するペンタシル型ゼオ
ライトが、アルキル化活性に優れかつジメチルナフタレ
ン混合物中の2,6−異性体濃度の高いプロダクトを与え
ることを示している。
実施例2 前記のベースゼオライトの合成の項で得られたNa型ゼオ
ライトをLi型に変換した。即ち、500℃の電気炉中で8
時間焼成したNa型ゼオライト1gにつき10%LiNO3水溶液1
0mlを用い、還流下一晩イオン交換を実施した。この操
作を2度繰り返した後充分水洗し、100℃で一晩乾燥、
引続き500℃で8時間焼成した。得られたLi型ゼオライ
トのイオン交換率は原子吸光分析の結果、何れも90%以
上であつた。これらのLi型ゼオライトの一定重量をと
り、これにゲル状γアルミナの同重量を加え充分混合し
て10〜20メツシユの大きさに成型した(触媒Li−A,Li−
B,Li−C,Li−D)。これらの成型した触媒のメチル化反
応特性を、実施例1に記載した方法,条件と全く同一に
して実施した。通油後1〜2時間で得られたプロダクト
の組成を表−2に纏めた。表−2の結果はLiカチオンを
含有するペンタシル型ゼオライトが、アルキル化活性に
優れ、かつ、2,6−異性体濃度の高いジメチルナフタレ
ン混合物を与えることを示している。
比較例3 前記のベースゼオライトの合成の項で得られたNa型ゼオ
ライトをH型に変換した。即ち、500℃の電気炉中で8
時間焼成した。Na型ゼオライト1gにつき10%NH4NO3水溶
液10mlを用い、還流下一晩イオン交換を実施した。この
操作を2度繰返した後、充分水洗し、100℃で一晩乾
燥、引続き500℃で16時間焼成することによつてH型ゼ
オライトを得た。残存ナトリウムを分析した結果、いず
れもイオン交換率は95%以上であつた。これらのH型ゼ
オライトの一定重量をとり、これにゲル状γアルミナの
同重量を加え充分混合して10〜20メツシユの大きさに成
型した(H−A,H−B,H−C,H−D)。これらの成型した
触媒のメチル化反応特性を実施例1に記載した方法,条
件と全く同一にして実施した。通油後1〜2時間で得ら
れたプロダクトの組成を表−3に纏めた。表−3の結果
は、実質的にH+カチオンのみを含有するペンタシル型ゼ
オライトでは、ジメチルナフタレン混合物中の2,6−異
性体濃度は平衡組成に近いものであることを示してい
る。
実施例4 前記のベースゼオライトの合成中、C項で得られたNa型
ゼオライトを用い、イオン交換率の異なるNa−Li型ゼオ
ライトを調製した。
イ) 前記C項で合成したNa型ゼオライト6gをとり、0.
41gのLiNO3を60mlの水に溶解した水溶液に浸漬し還流下
一晩放置した。これを実施例2と同様に水洗,乾燥,焼
成を実施した。得られたゼオライトのLiイオン交換率は
30%であつた。
ロ) 4.1gのLiNO3を用いたことを除いて、上記イ)と
同様の操作を実施した。得られたゼオライトのLiイオン
交換率は72%であつた。
上記2種のNa−Li型ゼオライトの一定重量をとり、これ
にゲル状γアルミナの同重量を加え、充分混合して10〜
20メツシユの大きさに成型した(触媒Na−Li−1,Na−Li
−2)。これらの成型した触媒のメチル化反応試験を、
原料組成を変えた以外は実施例1に記載した方法,条件
と全く同一にして実施した。フイード組成及び通油後1
〜2時間で得られたプロダクトの組成を表−4に記載し
た。
上表の結果はLi含有量の高いゼオライトが反応率及びジ
メチルナフタレン収量に優れ、かつ、2,6−異性体濃度
の高いジメチルナフタレン混合物を取得できることを示
すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−172937(JP,A) 特開 昭60−69043(JP,A) 特開 昭61−4531(JP,A) 特開 昭62−29536(JP,A) 特開 昭63−8344(JP,A) 特開 昭63−14739(JP,A) 特開 昭61−267530(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナフタレン及び/又はモノメチルナフタレ
    ンをメチル化剤によりメチル化して2,6−異性体に富ん
    だジメチルナフタレン混合物を製造する方法において、
    該メチル化をSiO2/Al2O3(モル比)が10〜100であり且
    つリチウム,ナトリウム及びカリウムから成る群から選
    ばれた少くとも一種のアルカリ金属カチオンを含有する
    結晶性アルミノシリケートゼオライトを含有する触媒の
    存在下に行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】該金属カチオンがリチウムである第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】該メチル化を250〜600℃の範囲の温度で行
    なう第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】該メチル化を気相で行なう第1項記載の方
    法。
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