JPH0725646B2 - 抗酵母剤 - Google Patents

抗酵母剤

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JPH0725646B2
JPH0725646B2 JP1197926A JP19792689A JPH0725646B2 JP H0725646 B2 JPH0725646 B2 JP H0725646B2 JP 1197926 A JP1197926 A JP 1197926A JP 19792689 A JP19792689 A JP 19792689A JP H0725646 B2 JPH0725646 B2 JP H0725646B2
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勉 横山
順一 田村
要 長谷川
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ヒゲタ醤油株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、酵母類に非常に有効な抗酵母製剤を提供する
ことにある。
本発明は、酵母に対する抗菌スペクトルが広く、その
為、利用分野も食品、化粧品、塗料、皮靴、衣類等非常
に適用範囲の広い抗酵母製剤を提供することにある。
(従来の技術及び問題点) 一般的に、高温多湿の日本の気候は酵母類の生育に適し
ており、例えば、住居の壁、内装材、塗料、皮靴、衣類
等への酵母類の着生、また、化粧品、食品等への汚染な
どが起りやすい。
これに対する抗酵母剤として、内装材、塗料等において
は有機水銀化合物、有機銅化合物等の金属を含む有機化
合物が広く用いられてきた。近年、低毒性の薬剤の要求
により2−(4−thiazolyl)benzimidazoleも使用され
ている。また、食品に安息香酸ナトリウム、ソルビン酸
カリウムそれに最近、蟹殻等の成分であるキトサンも抗
酵母製剤として使用されている。
しかし、従来の抗酵母製剤は、一部の物質を除いて毒性
がありその適用濃度、範囲も限定されているものが多
い。
従って、有効性の高い、より安全な抗酵母製剤の開発が
望まれている。
一方、ポリガラクトサミン(α−1,4ガラクトサミノガ
ラクタン)は微生物の生産する多糖類であり、その安全
性等については、マウスに対する急性経口毒性、急性腹
腔内毒性等の確認の結果全く異常のないことが確認され
ている。
しかしながら、ポリガラクトサミン(α−1,4ガラクト
サミノガラクタン)は自然界では非常に珍しく、不完全
菌由来のPF−101及びPF−102が知られている程度である
(特公昭56−12639号、特開昭62−294093号)。
また、一般に多糖類は低分子化することにより物理化学
的性質が変わり、高分子の状態より取扱いが容易になっ
たり、生理活性が顕著になったりする等のことが知られ
ている。本ポリガラクトサミンに於いても、低分子化す
る方法として酸やアルカリで処理する方法だけでなく酵
素分解による方法、即ちシュードモナス属菌の生産する
ポリガラクトサミン分解酵素についても既に明らかにさ
れている(特開昭63−164884号、特開昭63−164885
号)。
これらの技術を基礎にして、毒性がなく、抗菌スペクト
ルが広く、適用範囲の広い抗真菌剤の開発が切望されて
いる。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、より安全性の高い抗酵母剤を提供する
ことにある。
本発明はα−1,4結合のガラクトサミンを有効成分とす
る抗酵母剤に関するものである。本発明に於ける抗酵母
剤の有効成分であるα−1,4結合のガラクトサミンは、
不完全菌ペエシロマイセスI−1(微工研寄第1180FERM
BP−1180)を培養することにより、PF−101及びPF−10
2として得ることが出来る。また、PF−101、PF−102を
シュードモナスspH881(微工研菌寄第8955)の生産する
ポリガラクトサミン分解酵素で加水分解することによ
り、または、酸化水分解することにより得た分解物を限
外濾過膜で分画することにより各々、各画分子量5万以
上、1万以上〜5万未満、1万未満のα−1,4結合のポ
リガラクトサミンとして得ることが出来る。
本発明の抗酵母剤としては、PF−101、PF−102、これら
の分解物及び分画物などα−1,4結合のガラクトサミン
はすべて、単独もしくは混合して使用できるものであ
る。
次に、α−1,4ポリガラクトサミン、PF−101及びPF−10
2の生産菌について説明する。
和歌山県の腐植層より分離した不完全菌I−1菌はペエ
シロマイセス層(Paecilomyces)に属するものと認めら
れ、ペエシロマイセスI−1と命名され、該菌株は微工
研にFERM BP−1180として寄託されている。
次にペエシロマイセスI−1(Paecilomyces I−1)の
菌学的性質を示す。
〔a〕顕微鏡下での観察 本菌は分生胞子柄(conidiophore)を欠き、分生胞子は
栄養菌糸または栄養菌糸束から直接生えている一本一本
独立したフィアライド(phialide)の先端に長い連鎖を
なして派生している。フィアライドは半透明で20〜45μ
の長さを持ち、基部はやや太く(1.0〜1.5μ)先端はや
や先細り(0.5〜1.0μ)で、直線的あるいは先端部がや
や湾曲したものもある。分生胞子は電子顕微鏡により葉
巻タバコ型(あるいは桿菌型)であり、そのサイズは4
〜6×1.0〜1.4μである。
分生胞子は普通25〜35個の連鎖をなしているが、まれに
はもっと長鎖のものも観察される。この分生胞子の連鎖
は非常にもろく、一寸したショックで簡単にくずれる。
〔b〕各培地における生育状態(25℃平面培養) (1)ツアペック寒天培地 コロニーの生育は良く14日目で直径約45mmに達する。白
色のビロード状から羊毛状の菌叢で、中央部に房状に盛
上りがあり、コロニー周辺は円形である。水滴・シワ共
になし。コロニー裏面は培養初期白色、培養後期中央部
が淡黄色を呈する。寒天への色素産生は認められない。
(2)麦芽寒天培地 コロニーの生育は良く、14日目で直径約54mm、コロニー
周辺は円形にならず梅鉢状を呈する。
菌叢の中央部は白色だが、周辺部は淡黄色を呈する。菌
叢の厚さは中程度で、中央部はやや凹状である。水滴・
シワ共に認められず、コロニー裏面は全面淡黄色を呈
す。寒天培地に淡黄色色素の産生あり。
(3)ポテトデキストロース寒天培地 コロニーの生育は非常に良く14日目に直径約60mmに達す
る。白色のビロード状乃至羊毛状の可成り厚い菌叢を形
成し、中央部はやや盛上り、亜中央部は淡い黄色を呈す
るやや薄い菌叢、その周辺部は白色の比較的厚い菌叢と
なる。表面にシワはないが数個のうすい褐色の水滴が認
められる。コロニー裏面に放射状の数本のシワがあり、
同心円状の黄色の濃淡が認められる。寒天への淡黄色色
素の拡散がある。
(4)YpSs寒天培地(組成スターチ1.5%、イーストエ
キス0.4%、K2HPO40.1%、MgSO40.05%、寒天2%) コロニーの生育は良好で14日目に直径約50mmに達する。
白色の全体にふっくらとした羊毛状の厚い菌叢である。
水滴・シワなし。コロニー裏面は特記すべき特徴なし。
色素産生なし。
(5)MY20寒天培地(組成グルコース20%、ポリペプト
ン0.5%、イーストエキス0.3%、モルトエキス0.3%、
寒天2%) コロニーの生育はあまり良くなく14日目で直径約30mmで
ある。気菌糸はあまりたたず細かいシワが多く、周辺部
は淡黄色、中央部は淡褐色を呈する。コロニーの裏面は
淡黄色で、細かいシワがある。色素産生なし。
ペエシロマイセスI−1は通常の糸状菌の液体培養方法
で培養することができる。
ペエシロマイセスI−1の胞子または菌糸を液体培地に
接種し、好気的に培養する。炭素源としてはブドウ糖、
麦芽糖、蔗糖、澱粉、廃糖蜜等を使用することが出来る
が好ましくはブドウ糖を用いるのが良い。窒素源として
は硫酸アンモニウム、硝酸ソーダなどの無機窒素、ペプ
トン、酵母エキスなどの有機窒素が使用出来る。
培養温度は本凝集活性物質生産菌が凝集活性物質を生産
する範囲内で適宜変更し得るが通常は20〜25℃で培養す
ることが好ましい。培養時間は培養条件によって異なる
が、通常4〜5日程度であり、凝集活性物質が最高に達
する時間を見積って適当な時間に終了すればよい。ここ
で培養瀘液を減圧濃縮、限外濾過等の方法で濃縮して濃
縮液としてエタノール等の有機溶媒を加えて沈澱すれ
ば、特公昭56−12639号公報に記載のPF−101が得られる
のである。
また、PF−101生産菌であるペエロシロマイセスI−1
を培養し、濾過し、得られた培養瀘液または瀘液濃縮液
に各種塩を添加し、沈澱が生じない場合は必要によって
はアルカリを添加してpHを7〜9として、析出させ、析
出物を分離し、水洗し、これを希酸水溶液に溶解し、再
び塩を添加するか、アルカリ等の添加によってpHを7〜
9として、析出させて、特開昭62−294093号公報に記載
のPF−102を得ることができる。
PF−101の理化学的性質は次の通りである。
(1)凝集活性;きわめて微量で懸濁微細物を凝集す
る。
(2)凝集活性pH範囲;2〜9で安定に凝集活性を示す。
(3)凝集活性温度範囲;0〜100℃で凝集活性が認めら
れる。
(4)凝集活性イオン強度;炭酸イオンおよびFe2(S
O4により凝集活性が阻害されるがそれ以外の各種イ
オン及びイオン強度によって凝集活性に影響はなく、Na
Cl、K2SO4で1Mまで全く影響を与えない。
(5)元素分析;窒素5.44%、炭素37.45%、水素6.3
%、リン0.27%。
(6)紫外部吸収スペクトル;第1図に示すとおり。
(7)赤外部吸収スペクトル;第2図に示すとおり。
(8)呈色反応; ニンヒドリン反応 − キサントプロテイン反応 − エーリッヒ反応 − モーリッシュ反応 + フェノール硫酸反応 + レローゼンテスト − (9)酸による加水分解;6N塩酸、110℃、20時間分解に
よりガラクトサミンとアンモニアが得られ、4N塩酸、10
0℃、16時間分解により標品の74%のガラクトサミンと
少量のアンモニアが得られる。
(10)電気泳動;密度勾配等電点電気泳動により単一物
質として確認され、等電点(pI)は8.5である。
(11)物質の色;淡黄白色 (12)塩基性、酸性、中性の区別;等電点8.5でやや塩
基性を呈す。(0.1%水溶液のpHは6.2、脱イオンのpHは
5.8) (13)溶剤に対する溶解性; ・熱水に可溶、溶解後冷却しても析出しない。
・冷水に難溶。
・希酸、希アルカリに難溶。
・アルコール類、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、
酢酸エチル、n−ペンタンに不溶。
PF−102の理化学的性質は次の通りである。
(1)凝集活性;きわめて微量で懸濁微細物を凝集す
る。
(2)凝集活性pH範囲;pH2〜9で安定に凝集活性を示
す。
(3)凝集活性温度範囲;0〜100℃で凝集活性が認めら
れる。
(4)凝集活性イオン強度;炭酸およびFe2(SO4
より凝集活性が阻害されるがそれ以外の各種イオン及び
イオン強度によって凝集活性に影響はなく、NaCl、K2SO
4で1Mまで全く影響を与えない。
(5)元素分析;窒素8.64%、炭素42.80%、水素6.87
% 一般式:(C6H11NO4・xH2O)n (6)紫外部吸収スペクトル;第3図に示すとおり。
(7)赤外部吸収スペクトル;第4図に示すとおり。
(8)呈色反応; ニンヒドリン反応 + キサントプロテイン反応 − エーリッヒ反応 − モーリッシュ反応 − フェノール硫酸法 ± レローゼンテスト − (9)電気泳動;密度勾配等電点電気泳動により単一物
質として確認され、等電点(pI)は8.5である。
(10)物質の色;淡黄色 (11)塩基性、酸性、中性の区別 0.5%w/vで水に懸濁した場合のpHは7.5(脱イオン水のp
H5.8)である。
(12)溶剤に対する溶解性 ・熱水に難溶。
・冷水に難溶。
・希酸に易溶。
・希アルカリに難溶。
・アルコール類、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、
n−ペンタンに不溶。
(13)平均分子量16万以上 上記PF−101及びPF−102はいずれもα−1,4ポリガラク
トサミンであると同定され、そして本発明においていず
れも抗酵母性が認められ、更にそれらの分解物及び分解
物の分画物にも抗酵母性が認められ、本発明が完成され
たのである。
α−1,4ポリガラクトサミンの分解、即ち低分子化に際
しては、塩酸、硫酸等の酸による加水分解又はポリガラ
クトサミン分解酵素による加水分解が行なわれる。
次に、ポリガラクトサミン分解酵素の1例を説明する。
このポリガラクトサミン分解酵素はシュードモナスsp H
881 FERM P−8955によって生産されるものである。
(1)作用及び基質特異性 本酵素は重合度n=4(テトラ−ガラクトサミン)以上
のオリゴ及びポリガラクトサミン(α−1,4ポリガラク
トサミン)に作用してオリゴガラクトサミンを生成す
る。
その他の多糖類、澱粉(α−1,4グルカン)、グリコー
ゲン(α−1,4グルカン)、プルラン(α−1,4グルカ
ン)、デキストラン(α−1,6グルカン)、ラミナラン
(β−1,3グルカン)、カルボキシルセルロース(β−
1,4グルカン)、キトサン(β−1,4グルコサミノグルカ
ン)、エチレングリコールキチン(β−1,4N−アセチル
グルコサミノグルカン)、Pseudomonas solanacearumの
ポリN−アセチルガラクトサミノガラクタン(ポリβ−
1,3N−アセチルガラクトサミノガラクタン)(Y.Akiyam
a.,et.al.,Agric.Biol.Chem.,50(3)747,1986)など
には全く作用しない。
また、重合度n=3(トリ−ガラクトサミン)以下のα
−1,4ガラクトサミノオリゴ糖にも作用しない。
(2)至適pH及び安定pH範囲 クエン酸リン酸緩衝液を用いた場合、至適pHは4.5〜7.0
である。また、安定pH範囲はpH4.5〜8.0である。この測
定は37℃で1時間放置した酵素の残存活性を相対値で示
した。
(3)酵素活性の測定法 酵素活性は基質にPaecilomyces I−1菌の生産するPF−
101又はPF−102(その主構成糖はα−1,4ガラクトサミ
ノガラクタン)を用いた。この0.5%/0.1モル酢酸緩衝
液pH6.0溶液0.5mlに酵素溶液0.5mlを加え、37℃、10分
間反応させ、生じる還元力をSomogyi−Nelson法で測定
した。なお酵素単位は1分間当りに1μモルのガラクト
ミンに相当する還元力を増加させる活性を1単位とし
た。
(4)作用適温及び温度安定性の範囲 この酵素の至適温度は55℃であり、それ以上で急激に低
下する。50℃、1時間で70%の活性が残存している。
α−1,4ポリガラクトサミンの溶液にポリガラクトサミ
ン分解酵素を添加して35〜40℃程度で酵素分解すること
によってα−1,4ポリガラクトサミンの分解物を得るこ
とができる。
α−1,4ポリガラクトサミンの分解物には抗真菌性が認
められるので、そのまま抗真菌剤として使用することが
できるが、α−1,4ポリガラクトサミンの分解物を限外
濾過膜等によって分画することによって各種の分子量単
位に分かれた分画物を得ることができる。
α−1,4ポリガラクトサミンの分解物は限外濾過膜によ
って、分子量5万以上、分子量1万以上5万未満、分子
量1万未満とそれぞれの分画物を得ることができるが、
いずれの分画物も抗酵母性を有しており、本発明の抗酵
母剤となるものである。
本発明は、α−1,4ポリガラクトサミン、その分解物又
は分解物の分画物を有効成分とする抗酵母剤である。
本発明において、有効成分はそのまま添加剤として、又
は各種液剤、粉剤に製剤化して抗酵母剤として有効に使
用されるものである。
次に本発明の製造例、実施例を示す。
製造例1 α−1,4ポリガラクトサミン(PF−102)の製造 グルコース600g、ポリペプトン60g、CaCl2・2H2O125gを
水道水17に溶解し、濃NaOH溶液でpH7.0に調整した後3
0容ジャーファーメンターに移した。
この培地溶液に蒸気を注入することにより加圧、加熱滅
菌(121℃、20分間)を行った。冷却後の培地(最終液
量20)に、500ml三角フラスコに150ml同組成の培地
(グルコース3%、ポリペプトン0.3%、CaCl20.5%、p
H7.0)で26℃、4日間振盪培養したペエシロマイセスI
−1、FERM BP−1180(FERMP−3928)を容量比で約10%
無菌的に接種した。接種後27℃、通気量0.5VVM、撹拌数
200RPMの条件で5日間培養した。
培養終了後培養物を濾布濾過することにより培養瀘液17
を得た。この培養瀘液を50℃〜60℃に加熱しながら分
画分子量16万の限外濾過膜(三菱レイヨン・エンジニア
リング社製UF膜チューブラーモジュールFタイプ)を通
過させることにより、低分子画分を除き液量が約3に
なる迄濃縮した。更に、約14000×Gで遠心分離するこ
とにより菌体残渣、熱変性蛋白質を除去した。
遠心分離後に上澄液画分3に食塩約750g(約25%濃
度)を加え撹拌し、溶解後、濃NaOHでpHを7.0〜8.5に調
整した。一夜放置し塩析物を十分析出させた後、サラン
製の布(塩化ビニリデンと塩化ビニールの共重合体)上
に塩析物を回収した。更にこの塩析物の上から大量の微
アルカリ性の水(pH7.0以上)を撒布することにより余
分の食塩及び培養液に同時に混在している中性糖、その
他の夾雑物を洗い流した。
次に、水洗後の塩析物に0.1M塩酸溶液を容量比で約3倍
量加え溶解した。この溶解物に濃NaOH溶液を加えポリガ
ラクトサミンの等電点であるpH8.5に合せた。一夜放置
し十分析出物を析出させた後、上記と同様サラン製の布
上に析出物を回収し、大量の水道水で洗った。この水洗
物をもう1度0.1M塩酸に溶解後、等電点沈澱を行い水洗
を繰返すことにより精製した。
この精製した析出物を121℃、15分間滅菌後、凍結乾燥
することにより、ポリガラクトサミンを主成分とするPF
−102の精製粉末(α−1,4ポリガラクトサミンとしての
純度約99%)を7g得た。
製造例2 α−1,4ポリガラクトサミンの分画方法 精製α−1,4ポリガラクトサミン(PF−102)100gを4規
定塩酸2に分散させ、冷却管付き三角フラスコ中に
て、80℃、4時間塩酸加水分解した。
分解後、この塩酸加水分解溶液を10規定水酸化ナトリウ
ムで中和しpH7とした。この溶液を先ず分画分子量5万
の限外濾過膜で処理(グレースジャパン社製)し、更に
分画分子量1万の限外濾過膜で処理した。この様にし
て、各々分子量5万以上、1〜5万、1万未満のα−1,
4結合のポリガラクトサミンを得た。
各々の画分を凍結乾燥することにより、粉末試料とし
た。
製造例3 ポリガラクトサミン分解酵素の製造 シュードモナスsp H881、FERM P−8955を500ml三角フラ
スコ中で、グルコース0.5%、酵母エキス0.05%、ポリ
ペプトン0.05%の組成を有する種培地100mlに植菌し、3
0℃で20時間培養する。
得られた種培養液を30のジャーファーメンター中で、
ポリガラクトサミン(PF−102)0.25%、グルコース0.2
5%、酵母エキス0.05%、ポリペプトン0.05%の酵素生
産培地18に植菌し、30℃で48時間通気(18/分)撹
拌(200rpm)培養する。
得られた培養液を遠心分離(14,000rpm)して、菌体を
除き、得られた培養瀘液(酵素活性0.0035U/ml、総括性
63U/18)に冷却したエタノールを60%濃度まで加え
て、タンパク質を沈澱させ、この沈澱タンパク質を遠心
して、溶液から分離する。得られたタンパク質を0.1モ
ル酢酸緩衝液(pH5.0)で平衡化したCM−セファデック
スC−25カラム(2.5×60cm)に吸着させ、0〜0.5モル
食塩の濃度勾配を有する同緩衝液を用いて溶出させる。
溶出した酵素活性区分を集め、限外濾過装置(分子量1
万保持)を使って濃縮する。次に、2モル食塩を含む0.
1モル酢酸緩衝液(pH6.0)溶液とし、同緩衝液で平衡化
したセファデックスG−50カラム(5×90cm)クロマト
グラフィーにかける。次いで、活性区分の食塩濃度を4
モルにまで高め、同様な溶液で平衡化したフェニル−セ
ファロースCL−4Bカラム(2.5×20cm)に吸着させ、食
塩の逆濃度勾配を持つ0.1モル酢酸緩衝液で溶出して精
製ポリガラクトサミン分解酵素50mg(収率23.1%、比活
性52μg galN/min/mg protein)を得た。
製造例4 α−1,4ポリガラクトサミンの分画方法 精製ポリガラクトサミン25gを4.8の0.1モル酢酸に溶
解し、次に水酸化ナトリウムでpH6.0に調整し、全液量
を5とした。このポリガラクトサミン溶液を基質と
し、これに製造例3で得た精製ポリガラクトサミン分解
酵素10mgを加え37℃で酸素分解した。この分解後の溶液
を先ず、分画分子量5万の限外濾過膜で処理(グレース
ジャパン社製)し、更に分画分子量1万の限外濾過膜で
処理した。この様にして、各々分子量5万以上、1〜5
万、1万未満のα−1,4結合のポリガラクトサミンを得
た。
更に、各々の画分を凍結乾燥することにより、粉末試料
とした。
ここに得られた分画分子量5万以上のα−1,4結合のポ
リガラクトサミンの理化学的諸性質は次の通りである。
1.元素分析;窒素8.6%、炭素42.8%、水素6.9% 2.比旋光度;▲〔α〕20 D▼=+215〜225 3.融点;160℃以上で褐変、210℃で炭化、230℃で灰化 4.物質の色;淡黄色 5.呈色反応; ニンヒドリン反応 + キサントプロテイン反応 − エーリッヒ反応 − モーリッシュ反応 − フェノール硫酸反応 ± 6.溶剤に対する溶解性; ・水に難溶。
・希酸に可溶。
・メタノール、エタノール、アセトン、クロロホルム、
ヘキサンに難溶 7.紫外部吸収スペクトル;第5図に示される。
8.赤外部吸収スペクトル;第6図に示される。
また、分画分子量1万以上5万未満のα−1,4結合のポ
リガラクトサミンの理化学的諸性質は次の通りである。
1.元素分析;窒素8.7%、炭素45.7%、水素3.2% 2.比旋光度;▲〔α〕20 D▼=+210〜220 3.融点;特定の融点を持たず、160℃で褐変、210℃で炭
化、230℃で灰化 4.物質の色;淡黄色 5.呈色反応; ニンヒドリン反応 + キサントプロテイン反応 − エーリッヒ反応 − モーリッシュ反応 − フェノール硫酸法 ± 6.溶剤に対する溶解性; ・水に可溶。
・メタノールに微溶。
・ジメチルスルホオキシドに微溶。
・エタノール、アセトン、クロロホルム、ヘキサンに難
溶。
7.紫外部吸収スペクトル;第7図に示される。
8.赤外部吸収スペクトル;第8図に示される。また、分
画分子量1万未満のα−1,4結合のポリガラクトサミン
の理化学的性質は次の通りである。
1.元素分析;窒素8.6%、炭素44.3%、水素6.9% 2.比旋光度;▲〔α〕20 D▼=+206.8 3.融点;特定の融点を示さず、160℃以上で炭化をはじ
める。
4.物質の色;淡黄色 5.呈色反応; ニンヒドリン反応 + インドール塩酸反応 + ソモギー−ネルソン反応 + フェノール硫酸反応 − ヨード反応 − 6.溶剤に対する溶解性; ・水に可溶。
・希酸に可溶。
・メタノールに微溶。
・ジメチルスルホオキシドに微溶。
・エタノール、アセトン、クロロホルムには難溶。
7.紫外部吸収スペクトル;第9図に示される。
8.赤外部吸収スペクトル;第10図に示される。
製造例5 製造例2で得た分画分子量1万未満を更に、分別してガ
ラクトサミノオリゴー6糖を得た。ガラクトサミノオリ
ゴー6糖の性質は次の通りである。
1) α1→4結合のみで構成されるガラクトサミンの
6糖 GalN14GalN14GalN14GalN14GalN14GalN(但
し、GalNはα−D−ガラクトピラノシル基を示す。) 2) 色と形状:淡黄色不定形の結末。
3) 味:弱い甘味を有する。
4) 溶解性:薄い酸、塩溶液、水に可溶。ジメチルス
ルホキシドを除く一般的な有機溶媒に難溶。
5) 下記の元素分析値を示す。
C:43.90、H:6.91、N:8.54、O:40.65 予想される分子式:C36H68O25N6 6) 分子量と構造式は下記の通り。
分子量:984.6 7) 呈色反応:インドール塩酸反応、エルソン−モル
ガン反応、ソモギー−ネルソン反応にそれぞれ陽性。
8) 旋光度 ▲〔α〕2 D▼:+190.2 9) 融点:160℃以上で炭化。
10) 第11図に紫外部吸収スペクトルを示す。
11) 第12図に赤外部吸収スペクトルを示す。
実施例1 ポテトデキストロース培地(ポテトデキストロース寒天
培地:栄研化学株式会社)30gを1000mlの精製水に加温
溶解し、121℃15分間オートクレーブして滅菌した。さ
らに、製造例1で製造したα−1,4ポリガラクトサミン
(PF−102)、製造例2で製造したα−1,4ポリガラクト
サミンの塩酸分解物及び製造例2で調整した塩酸分解物
の分画物で各々の分子量のものについて、それぞれα−
1,4ポリガラクトサミン溶液を調整し、滅菌後各々適当
な濃度になるように滅菌済のポテトデキストロース培地
に添加し、寒天平板培地を作成した。
この各分子量のポリガラクトサミンを含有する平板培地
上に予め前培養した酵母のスラントより白金線で接種
し、27℃、4日間培養した後コロニーの直径を測定し
た。そして抗菌活性は最小増殖阻止濃度(%)あるいは
ポイガラクトサミン無添加の培地に接種した酵母のコロ
ニーの直径を100とした時の各試験区のコロニーの比で
示した。
供試した酵母は Candida mogii IGC 3690、 Pichia membranaefaciens SBY 1919、 Rhodotorula rubra MY 19、 Saccharomyces cerevisiae OUT 7872、 Candida versatilis IFO 1652、 Candida tropicalis CBS 2319、 Cryptococcus kuetzingii CBS 1920、 Kluyveromyces lactis IFO 0648、 Metschnikowia pulcherrima ATCC 22032、 Saccharomyces carlsbergensis OUT 7930、 Zygosaccharomyces rouxii IAM 4011、 Candida etchellsii IFO 1229 である。
第1表は抗菌活性を最小増殖阻止濃度(%)で表した結
果を示したものである。
実施例2 グルコース30g、カザミノ酸4g、酵母エキス2g、KH2PO41
g、MgSO4・7H2O0.5g、CaCl2・2H2O0.1g、NaCl 1g、ポリ
ペプトン5gを精製水に溶解し、pHを6.0に調整した後、
精製水を加えて全量を1とした。分注後121℃、15分
間オートクレーブして滅菌した。ここに、別滅菌した各
α−1,4ポリガラクトサミン溶液をそれぞれ適当な濃度
になるように添加し、液体培地を作成した。
実施例1と同様の酵母を接種し、30℃、200rpmで6日間
培養後、培養液の濁度を測定した。そして抗菌活性は最
小増殖阻止濃度(%)で 実施例3 製造例5で製造したガラクトサミノオリゴー6糖につい
て実施例1及び2と同様に調整済の培地にそれぞれ適当
な濃度になるように添加した。
実施例1及び2と同様の酵母を接種し、抗菌活性は最小
増殖阻止濃度(%)で表した。第4表は寒天平板培地で
の結果を、第5表は液体培地での結果を示すものであ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図はPF−101の紫外部吸収スペクトルを示す図で、
第2図はPF−101の赤外部吸収スペクトルを示す図で、
第3図はPF−102の紫外部吸収スペクトルを示す図で、
第4図はPF−102の赤外部吸収スペクトルを示す図で、
第5図はPF−102の分解物の分子量5万以上の分画物の
紫外部吸収スペクトルを、第6図はその赤外部吸収スペ
クトルを示す図で、第7図はPF−102の分解物の分子量
1万以上5万未満の分画物の紫外部吸収スペクトルを、
第8図はその赤外部吸収スペクトルを示す図で、第9図
はPF−102の分解物の分子量1万未満の分画物の紫外部
吸収スペクトルを、第10図はその赤外吸収スペクトルを
示す図で、第11図はガラクトサミノオリゴー6糖の紫外
部吸収スペクトルを、第12図はその赤外部吸収スペクト
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−1,4ポリガラクトサミン、その分解物
    又は分解物の分画物を有効成分とする抗酵母剤。
  2. 【請求項2】α−1,4ポリガラクトサミンの分解物の分
    画物が分子量5万以上のα−1,4ポリガラクトサミンで
    あることを特徴とする第1項記載の抗酵母剤。
  3. 【請求項3】α−1,4ポリガラクトサミンの分解物の分
    画物が分子量1万以上5万未満のα−1,4ポリガラクト
    サミンであることを特徴とする第1項記載の抗酵母剤。
  4. 【請求項4】α−1,4ポリガラクトサミンの分解物の分
    画物が分子量1万未満のα−1,4ポリガラクトサミンで
    あることを特徴とする第1項記載の抗酵母剤。
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