JPH0576955B2 - - Google Patents

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JPH0576955B2
JPH0576955B2 JP16868188A JP16868188A JPH0576955B2 JP H0576955 B2 JPH0576955 B2 JP H0576955B2 JP 16868188 A JP16868188 A JP 16868188A JP 16868188 A JP16868188 A JP 16868188A JP H0576955 B2 JPH0576955 B2 JP H0576955B2
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galn
polygalactosamine
acid
culture
same
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Junichi Tamura
Kyoshi Kadowaki
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Higeta Shoyu Co Ltd
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Higeta Shoyu Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、アミノオリゴ糖、更に詳細には新規
なガラクトサミノオリゴ糖、及びその製造方法に
関するものである。 (従来の技術) 近年、微生物、植物あるいは動物の生産する多
糖あるいはそれらのオリゴ糖が種々の生理活性を
有することが知られるようになり、多糖又はそれ
らのオリゴ糖に関心が高まつている。 そして例えばポリグルコサミン(キトサン)に
おいても、キチン、キトサン及びそのオリゴ糖が
抗腫瘍活性といつたすぐれた生理活性を有するこ
とが発見されている。 また、ポリガラクトサミンも上記したポリグル
コサミンと類似の多糖類であることから、ポリガ
ラクトサミンにもすぐれた生理活性が期待され、
ポリガラクトサミンに対する関心が高まつてい
る。 しかしながら、ポリガラクトサミン(α−1,
4−ガラクトサミノガラクタン)の内、微生物起
源のものは非常に少なく、例えば不完全菌由来の
PF−101及びPF−102が知られている程度であり
(特公昭56−12639号、特開昭62−294093号)、本
発明のような少糖類であるガラクトサミノオリゴ
糖は従来全く未知の化合物であつて、新規であ
る。 (発明が解決しようとする問題点) 上記したPF−101、PF−102は、生理活性を有
するアミノ多糖類であるポリグルコサミンとは比
較的類縁の多糖であるにもかかわらず、強力な凝
集活性以外には格別の生理活性が確認されていな
いのが技術の現状である。 (問題点を解決するための手段) 本発明はこのような技術の現状に鑑みてなされ
たものであつて、PF−101又はPF−102をベース
とした新規な生理活性物質を開発する目的でなさ
れたものである。 そこで各方面から広く且つ深く検討した結果、
これら多糖類の分解生成物であるオリゴ等に着目
するに到つた。そして分解方法、分離精製方法に
ついても鋭意研究の結果、各種のオリゴ糖をそれ
ぞれ単離することに成功し、且つそれらをそれぞ
れ同定してすべてが文献未載の新規化合物である
ことを確認し、本発明を完成するに到つたもので
ある。 本発明に係るガラクトサミノオリゴ糖は、いず
れも新規物質であり、単独又は混合して抗腫瘍性
等各種の有益な生理活性が強く期待されるもので
ある。 本発明を実施するに際して、出発原料として、
化学構造が明確化され且つ微生物を起源とする大
量生産安定供給が確保されるという観点から、各
種ポリガラクトサミンの中から特に前記したPF
−102に着目した。 PF−102は、D−ガラクトサミンが主にα−
1,4結合した分子量16万以上の塩基性多糖、α
−1,4−ポリガラクトサミンであつて、次の式
で示される天然多糖類である:
【化】 このPF−102は、和歌山県の腐植層から分離し
た不完全菌I−1菌の培養液中に蓄積される凝集
活性物質の1つであつて、培養液に塩類を添加し
て析出させた酸水溶液溶解性の析出物を更に精製
して得られたものであつて、次の理化学的性質を
有するものである。 (1) 凝集活性;きわめて微量で懸濁微細物を凝集
する。 (2) 凝集活性PH範囲;PH2〜9で安定に凝集活性
を示す。 (3) 凝集活性温度範囲;0〜100℃で凝集活性が
認められる。 (4) 凝集活性イオン強度;炭酸およびFe2(SO43
により凝集活性が阻害されるがそれ以外の各種
イオン及びイオン強度によつて凝集活性に影響
はなく、NaCl、K2SO4で1Mまで全く影響を与
えない。 (5) 元素分析;窒素8.64%、炭素42.80%、水素
6.87% 一般式:(C6H11NO4・xH2O)y (6) 呈色反応;ニンヒドリン反応 + キサントプロテイン反応 − エーリツヒ反応 − モリツシユ反応 − フエノール硫酸法 ± レローゼンテスト − (7) 電気泳動;密度勾配等電点電気泳動により単
一物質として確認され、等電点(pI)は8.5で
ある。 (8) 物質の色;淡黄色 (9) 塩基性、酸性、中性の区別 0.5%w/vで水に懸濁した場合のPHは7.5
(脱イオン水のPH5.8)である。 (10) 溶剤に対する溶解性 ●熱水に難溶 ●冷水に難溶 ●希酸に易溶 ●希アルカリに難溶 ●アルコール類、アセトン、クロロホルム、ベ
ンゼン、n−ペンタンに不溶。 (11) 平均分子量 16万以上 上記したPF−102の酸塩としては、燐酸塩、
塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩などが例
示される。 上記した凝集活性物質PF−102は、例えば本発
明者らが和歌山県の腐植層より分離した不完全菌
I−1菌によつて生産される。不完全菌I−1菌
はペエシロマイセス属(Paecilomyces)に属す
るものと認められ、ペエシロマイセスI−1と命
名され、該菌株は微工研にFERM P−3928
(FERM BP−1180)として寄託されている。 次にペエシロマイセスI−1(PaecilomycesI
−1)の菌学的性質を示す。 〔a〕 顕微鏡下での観察 本菌は分生胞子柄(conidiophore)を欠き、分
生胞子は栄養菌糸または栄養菌糸束から直接生え
ている一本一本独立したフイアライド
(phialide)の先端に長い連鎖をなして派生して
いる。フイアライドは半透明で20〜45μの長さを
持ち、基部はやや太く(1.0〜1.5μ)先端はやや
先細り(0.5〜1.0μ)で、直線的あるいは先端部
がやや湾曲したものもある。分生胞子は電子顕微
鏡により葉巻タバコ型(あるいは桿菌型あであ
り、そのサイズは4〜6×1.0〜1.4μである。 分生胞子は普通25〜35個の連鎖をしているが、
まれにはもつと長鎖のものも観察される。この分
生胞子の連鎖は非常にもろく、一寸したシヨツク
で簡単にくずれる。 〔b〕 各培地における生育状態(25℃平面培
養) (1) ツエペツク寒天培地 コロニーの生育は良く14日目で直径役45mm
に達する。白色のビロード状から羊毛状の菌
叢で、中央部に房状に盛上りがあり、コロニ
ー周辺は円形である。水滴・シワ共になし。
コロニー裏面は培養初期白色、培養後期中央
部が淡黄色を呈する。寒天への色素産生は認
められない。 (2) 麦芽寒天培地 コロニーの生育は良く、14日目で直径約54
mm、コロニー周辺は円形にならず梅鉢状を呈
する。 菌叢の中央部は白色だが、周辺部は淡黄色
を呈する。菌叢の厚さは中程度で、中央部は
やや凹状である。水滴・シワ共に認められ
ず、コロニー裏面は全面淡黄色を呈す。寒天
培地に淡黄色色素の産生あり。 (3) ポテトデキストロース寒天培地 コロニーの生育は非常に良く14日目に直径
約60mmに達する。白色のビロード状乃至羊毛
状の可成り厚い菌叢を形成し、中央部はやや
盛上り、亜中央部は淡い黄色を呈するやや薄
い菌叢、その周辺部は白色の比較的厚い菌叢
となる。表面にシワはないが数個のうすい褐
色の水滴が認められる。コロニー裏面に放射
状の数本のシワがあり、同心円状の黄色の濃
淡が認められる。寒天への淡黄色色素の拡散
がある。 (4) YpSs寒天培地(組成スターチ1.5%、イー
ストエキス0.4%、K2HPO40.1%、
MgSO40.05%、寒天2%) コロニーの生育は良好で14日目に直径約50
mmに達する。白色の全体にふつくらとした羊
毛状の厚い菌叢である。水滴・シワなし。コ
ロニー裏面は特記すべき特徴なし。色素産生
なし。 (5) MY20寒天培地(組成グルコース20%、ポ
リペプトン0.5%、イーストエキス0.3%、モ
ルトエキス0.3%、寒天2%) コロニーの生育はあまり良くなく14日目で直径
約30mmである。気菌糸はあまりたたず細かいシワ
が多く、周辺部は淡黄色、中央部は淡褐色を呈す
る。コロニーの裏面は淡黄色で、細かいシワがあ
る。色素産生なし。 以上の形態的特徴及び培養上の性質から本菌は
モノフイアライド(monophialide)の不完全菌
と考えられオニオンとバロン共著の
monophialidic species of Paecilomyces
(Agnes.H.S.Onions and G.L.Barron;1967、
Mycological papers No.107、Common Wealth
Mycological Institute、Kew、England)に記
載されているペエシロマイセス バシリスポラス
(Paecilomyces bacillisporus)の特徴に類似し
ている点が多い。 即ち不安全菌の分類上最も重要な特徴とされる
分生胞子の形態はP.bacillisporusの分生胞子の形
態に極めて似ており、フイアライドの形態なども
良く似ている。しかし、一方各種の培地での培養
上の特徴については多少の差違が認められ、上記
文献の記載のP.bacillisporusは生育速度が本菌に
比較して遅く、菌糸は初期白色、培養後期に桃色
がかる(pinkish)と記述されているが、本菌で
は初期白色、培地によつては後期淡黄色を呈する
点で異なる。しかし前述文献にもP.bacillisporus
の菌株には培養上の特徴や分生胞子の大きさにお
いて変動がある。(Strains of P.bacillisporus
show variation in cultural claracteristics and
in spore size)と記述されていることを考慮す
ると、本菌はPaecilomyces bacillisporusかその
類縁菌と考えられるが決定的根拠がないのでペエ
シロマイセスI−1とした。 不完全菌の分類上の指標としてはあまり重要視
されない性質であるが、次に本菌の生理学的性質
について示す。 〔C〕 生理的性質 (1) 炭素源の利用性 ツアペツク培地を基本培地としてその蔗糖
の代りに各種の炭素源を加えて、生育度をみ
た結果、可溶性澱粉、グリコーゲン、トレハ
ロース、ラフイノース、セロビオース、マル
トーウ、蔗糖、グルコース、フラクトース、
ガラクトース、マンノース、イノシトール、
ソルビトール、グリセリンを非常に良く利用
する。 次にイヌリン、ラクトース、アラビノー
ス、リボース、マニトール、乳酸、コハク産
は可成り良く利用出来た。キシロース、ラム
ノース、クエン酸の利用性は低く、酒石酸、
シユウ酸は全く利用出来ない。 (2) 窒素源の利用性 ツアペツク培地を基本培地としてその窒素
源を色々変えて生育度をみた結果、アンモニ
ア源、アミノ態、硝酸態のいずれの窒素をも
良く利用出来る。 (3) 生育温度 最適生育温度は23〜25℃であり、30℃では
生育がみられるが、35℃では生育出来ない。 (4) 生育PH G.Ye培地(組成グルコース2%、酵母エ
キス0.2%)でPH2〜10の範囲で生育をみた
ところ、いずれのPHでも良く生育した。 ペーシロマイセスI−1は通常の糸状菌の液体
培養方法で培養することができる。 ペーシロマイセスI−1の胞子または菌糸を液
体培地に接種し、好気的に培養する。炭素源とし
てはブドウ糖、麦芽糖、蔗糖、澱粉、廃糖蜜等を
使用することが出来るが好ましくはブドウ糖を用
いるのが良い。窒素源としては硫酸アンモニウ
ム、硝酸ソーダなどの無機窒素、ペプトン、酵母
エキスなどの有機窒素が使用出来る。 培養温度は本凝集活性物質生産菌が凝集活性物
質を生産する範囲内で適宜変更し得るが通常は20
〜25℃で培養することが好ましい。培養時間は培
養条件によつて異なるが、通常4〜5日程度であ
り、凝集活性物質が最高に達する時間を見積つて
適当な時間に終了すればよい。 本発明においては、培養濾液または濾液濃縮液
に各種塩を添加し、沈澱が生じない場合は必要に
よつてはアルカリを添加してPHを7〜9として、
析出させ、析出物を分離し、水洗し、これを希酸
水溶液に溶解し、再び塩を添加するか、アルカリ
等の添加によつてPHを7〜9として、析出させ
て、高度に精製されたPF−102を得ることができ
る。 PF−102の含有液に添加される塩としては、次
の例示の塩を含めて塩の1又は2以上である。 即ち、塩化カリ、塩化ナトリウム、塩化カルシ
ウム、塩化アンモニアなどの塩酸塩、硝酸カリ、
硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、酢酸ソーダなどの
酢酸塩、硫酸2カリ、硫安、硫酸カルシウム、硫
酸銅などの硫酸塩、リン酸2カリ、リン酸1カ
リ、リン酸2ソーダ、リン酸1ソーダなどのリン
酸塩などが例示される。 添加する塩は溶解した状態であれば、どれでも
よいが、好ましいのはPF−102含有液に対し0.5
〜50%、より好ましくは2〜40%程度である。 添加する塩の種類によつてPHが7以上になるの
で、この場合はPHの調整を行なうことなく、PF
−102が析出するので、析出物を分離すればよい。 塩を添加しても析出を生じない場合はカセイソ
ーダ等のアルカリを用いて、PHを7〜9、好まし
くは等電点である。8.5附近にPH調整を行えばよ
い。 PF−102含有液に塩の添加と場合によつてPH7
〜9の調整を行えば、夾雑物の妨害によつて容易
に析出しなかつたPF−102が析出を起し、夾雑物
とは分離して析出する。この析出物は遠心分離又
は濾布による濾過によつて分離できる。 培養液をPH8.5の等電点処理をしてもPF−102
の析出は全く起らなかつたことからみれば、塩の
添加だけでPF−102の石週が完全に起るというこ
とはきわめて意外なことである。 分離した析出物は多量の塩を含んでいるので、
これを水や溶媒で洗滌して脱塩し、酸に溶解す
る。 酸としては酢酸などの有機塩、塩酸などの無機
酸などいずれの酸でもよく、また、濃度としては
0.01〜3モル程度のものがよい。 析出物を酸に溶解した後は、PH7〜9の等電点
附近の処理のみで容易に析出するようになつてい
るので、カセイソーダ等のアルカリを添加し、PH
7〜9、好ましくはPH8.5とPH調整し、析出物を
得る。 更に、精製するためには、この析出物を水等で
洗滌し、再び酸に溶解し、PH7〜9のPH調整を行
い、析出物を得ることができる。 この精製処理は何度でも行なうことができ、精
製が完了した時点で、析出物はほぼ純粋となり、
前記した化学構造を有するα−1,4−ガラクト
サミノガラクタンであるPF−102が得られるので
ある。 このようにして得たポリガラクトサミン(PF
−102)を酸やアルカリ又は酵素で加水分解した
後、単離精製すれば目的とするガラクトサミノオ
リゴ糖を単品であるいは数種類を混合物として得
ることができる。 例えば酸加水分解の場合は、塩酸等常用される
酸液を用いて、通常、加温しながら酸加水分解を
行うのである。しかる後に、減圧濃縮したり、ま
たは、濾液を活性炭で脱色した後アニオン交換樹
脂で処理したりして、塩酸を除去する。このよう
にして得たガラクトサミノオリゴ糖混液をクロマ
トグラフイー等分離精製処理に付して、各フラク
シヨン回収し、各ガラクトサミノオリゴ糖をそれ
ぞれ単離すればよい。 このように、ポリガラクトサミンを酸又はアル
カリによつて加水分解することによりオリゴ糖を
得ることができるのであるが、オリゴマー、特に
重合度の高いものの収率が比較的低い。例えば塩
酸によつてポリガラクトサミンヲ加水分解する
時、ランダムな分解の結果、得られるオリゴ糖の
量はモノ−ガラクトサミン、ジ−ガラクトサミ
ン、トリ−ガラクトサミン、テトラ−ガラクトサ
ミン、ペンタ−ガラクトサミンの順であり、重合
度が大きい程その収量は低下するということにな
る。 そこで、ポリガラクトサミンを分解して、重合
度が比較的大きな種々の重合度のオリゴ糖を得る
には、上記のように化学的方法によつたので収率
等の面から限界があるとの観点に達し、検討の結
果、生物学的方法に着目するに到つた。つまり、
ポリガラクトサミンを分解して重合度の異なる各
種オリゴ糖を高収率で生産することのできるポリ
ガラクトサミン分解酵素の必要性がクローズアツ
プされてきたのである。 そこで本発明者らは、広範な微生物については
ポリガラクトサミン分解菌を検索した結果、シユ
ードモナス属に属する細菌が、新規なポリガラク
トサミン分解酵素を生産することを見出し、この
酵素を利用することにより新規なオリゴ糖を各種
得ることに成功したものである。 この新規なポリガラクトサミン分解酵素の理化
学的性質は次のとおりである: (1) 作用おび基質特異性 ポリガラクトサミン(α−1,4−ガラクト
サミノガラクタン)に作用してオリゴガラクト
サミンを生成する。 その多の多糖類、例えばポリヘキソース、キ
チン、澱粉(α−1,4グルカン)、グルコー
ゲン(α−1,4グルカン)、プルラン(α−
1,4−グルカン)、デキストラン(α−1,
6−グルカン)、ラミナラン(β−1,3−グ
ルカンア、カルボキシルセルロース(β−1,
4−グルカン)、キトサン(β−1,4−グル
コサミノグルカン)、エチレングリコールキチ
ン(β−1,4N−アセチルグルコサミノグル
カン)、 Pseudomonas solanacearumのN−アセチル
ガラクトサミノガラクタン(β−1,3N−ア
セチルガラクトサミノガラクタン)(Y.
Akiyama.、et.al.、Agric.Biol.Chem.、50(3)
747、1986)などには全く作用しない。 (2) 至適PH及び安定PH範囲 クエ酸リン酸ナトリウム緩衝液を用いた場
合、至適PHは4.5〜7.0であり、安定範囲はPHは
4.5〜8.0である。 (3) 酵素活性の測定法 酵素活性は基質にPaecilomycesI−1菌の生
産するPF−101又はPF−102(その主構成糖は
α−1,4ガラクトサミノガラクタン)を用い
た、この0.5%/0.1モル酢酸緩衝液PH6.0溶液
0.5mlに酵素溶液0.5mlを加え、37℃、10分間反
応させ、生じる還元力をSomogyi−Nelson法
で測定した。なお酵素単位は1分間当りに1μ
モルのガラクトサミンに相当する還元力を増加
させる活性を1単位とした。 (4) 作用適温及び温度安定性の範囲 20〜70℃の範囲で測定した結果、この酵素の
至適温度は55℃であり、それ以上で急激に低下
する。 つぎに温度安定性についてみた。PH6.0の条
件で各温度で0〜80分間保つた時の残存活性を
みたところ、50℃、1時間で70%の活性が残存
している。 (5) 金属イオン等の影響 各種金属イオン及び阻害剤1mM(PCMBの
み0.1mM)を含む溶液中に37℃、1時間放置
後、残存酸素活性を測定し、相対値で示した。
(表−1)
【表】
【表】 以上の結果から、このポリガラクトサミン分解
酵素はスズ、鉄、銅、無機水銀及びSDSにより
阻害される。 (6) 酵素の精製法 本酵素の単離、精製は常法に従つて行うこと
ができる。例えば、エタノールによる沈澱物を
セフアデツクスG−50カラムクロマトグラフイ
ー、CM−セフアデツクスC−25カラムクロマ
トグラフイー、フエニル−セフアロース4Bカ
ラムクロマトグラフイーなどの精製手段又はこ
れらの組合せにより精製される。 (7) 分子量 本酵素の分子量はポリアクリルアミドゲルス
ラブ電気泳動法により測定すると、31000と計
算される。 (8) ポリアクリルアミドゲル電気泳動 精製酵素を常法に従つて、7.5%のポリアク
リルアミドゲル(PH8.6)電気泳動にかけたと
ころ、単一のバンドガ認められた。 (9) 等電点 常法によりシユークロース密度勾配の等電点
電気泳動を行つた。その結果、この酵素の等電
点はpI=6.7である。 本酵素は、その作用及び基質特異性において
従来全く知られていない新規酵素である。 上記したポリガラクトサミン分解酵素は、例え
ばシユードモナスsp H881によつて生産される。
シユードモナスsp H881は本発明者らが土壌中よ
り分離した菌株であり、その菌学適性質は下記の
とうりである。 (a) 形態 顕微鏡的観察(肉汁寒天培地30℃、16時間培
養) (1) 細胞の大きさ:0.3〜0.6×1.0〜2.0ミクロ
ンの桿菌 (2) 細胞の多形性:認められない (3) 運動性:極鞭毛を有し、運動性有り (4) 胞子の有無:形成せず (5) グラム染色性:陰性 (6) 抗酸性:陰性 (b) 各種培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養:30℃、24時間でうす黄
茶色のコロニー、表面円滑で光沢を有し半な
いし不透明である。色素の生成はない。 (2) 肉汁寒天斜面培養:よく生育する。 (3) 肉汁液体培養:培養液表面に圧膜状に生
育、液内には中程度に生育。 (4) 肉汁セラチン穿刺培養:表面に生育し、層
状に液化する。 (5) リトマスミルク:アルカリ性、完全に液化
する。 (c) 生理的性質 (1) 硝酸塩の還元:陰性 (2) 脱窒反応:陰性 (3) MRテスト:陽性 (4) VPテスト:陰性 (5) インドールの生成:陰性 (6) 硫化水素の生成:陰性 (7) 澱粉の加水分解:陰性 (8) クエン酸の利用:ユーザー、クリステンセ
ンの両培地で利用する。 (9) 無機窒素の利用:硝酸塩、アンモニアとも
利用する。 (10) 色素の生成:KingA;陰性、KingB;弱
い青蛍光の色素を生成、F agar;弱い青
蛍光の色素を生成、P agar;陰性 (11) ウレアーゼ:陽性 (12) オキシダーゼ:陽性 (13) カタラーゼ:陽性 (14) 生育の範囲:生育PH5〜9、至適温度30〜
40℃ (15) 酵素に対する態度:好気性 (16) O−Fテスト:酸化 (17) カゼインの分解:陽性 (18) DNAの分解:陽性 (19) 耐塩性:2%食塩;陽性、5%食塩;陰性 (20) 糖類から酸及びガスの生成 酸の生成 ガスの生成 (1)L−アラビノース + − (2)D−キシロース + − (3)D−グルコース + − (4)D−マンノース + − (5)D−フラクトース − − (6)D−ガラクトース + − (7)マルトース − − (8)シユークロース + − (9)ラクトース − − (10)トレハロース + − (11)D−ソルビトール − − (12)D−マンニトール − − (13)イノシトール − − (14)グリセリン − − (15)デンプン − − (d) その他の性質 (1) 窒素源欠乏培地で菌体内にポリ−β−ハイ
ドロキシブチル酸エステル(PHB)を蓄積
する。 (2) アルギニン、ベタインを唯一の炭素源とし
て生育し、アルギニンデヒドロラーゼ活性を
持たない。 (3) 脂肪酸(ツイーン80、60、20)を分解す
る。 (4) 40℃で生育する。4℃では生育不能。 上述の新規なポリガラクトサミン分解酵素生産
能を有する本菌の分類学的性質を、「バージエ
ズ・マニユアル・オブ・デターミテイブ・バクテ
リオロジー」第8版(1974年)及び「バージエ
ズ・マニユアル・オブ・システマテイツク・バク
テリオロジー」第1巻(1984年)の分類と対比す
ると、本菌はグロスフアクターを要求せず、
PHBを蓄積し、アルギニン、ベタインを唯一の
炭素源として生育し、アルギニン・デヒドロラー
ゼ陰性、脱窒反応陰性、40℃で生育可能からセク
シヨン2(あるいはRNAグループ2)のP.
cepacia、P.gladioli、P.marginateの類縁菌と思
われるがP.cepaciaとは硝酸塩の還元陽性、炭素
源の資化性ではD(−)−トレハロース、マルトー
ス、ラクトース、マレイン酸において異なる。P.
gladioliとは、マルトース、ラクトース、マレイ
ン酸、m−ハイドロキシブチル酸エステルの資化
性の結果が異なる。P.marginateとは、m−ハイ
ドロキシブチル酸エステルの結果が異なる。ま
た、P.cepacia、P.marginateは、非蛍光性色素
を生成するが本菌はKingB、F agar及びL−
グルタミン酸、L−アルギニン、L−スレオニ
ン、L−ヒスチジンを唯一の炭素源とした時弱い
蛍光色素(青白蛍光)は生成するが非蛍光体性色
素の生成は種々の培地条件においても認められな
い。これらの結果から、本菌はP.cepacia.P.
gladioli.P.marginateとは異なるspeciesである。 本菌の生理学的諸性質で特徴的なことは、O−
Fテストにおいて単糖のみならずマルトース、シ
ユークロース、ラクトース、セルビオースなどの
二糖類からも酸を生成することである。この性質
はPseudomonas属、低温性のP.fragi、P.
taetrolens(いずれもセクシヨン5)P.lundensis
と似ているが生育温度で違いがある。 以上の結果より本菌はPseudomonasの新菌種
と認められ、本菌をシユードモナスsp H881と命
名し、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所に、微工研菌寄第8955号(FERM P−8955)
として寄託されている。 ポリガラクトサミン分解酵素生産菌の培養培地
としては、、炭素源、窒素源、無機物、その他の
栄養素を程よく含有する培地ならば、合成培地あ
るいは天然培地のいずれでも使用可能である。該
培養培地の好適な例としては、ポリガラクトサミ
ン0.25%、グルコース0.25%、酵母エキス0.05%、
ポリペプトン0.05%、PH7.0の例が挙げられる。
培養温度は20〜40℃、好ましくは30〜38℃の範
囲、培養開始PHは6〜8、好ましくは7付近で35
〜72時間振盪又は深部攪拌培養すれば、培養液中
にポリガラクトサミン分解酵素が得られる。そし
て、ポリガラクトサミン分解酵素は必要に応じて
単離精製される。例えば、培養濾液をエタノール
沈殿法によつて粗酵素を分離し、これを水性媒質
に溶解し、セフアデツクスG−50ゲル濾過、CM
−セフアデツクスC−25イオン交換クロマトグラ
フイー、フエニル−セフアロースCL−4B疎水ク
ロマトグラフイー等の処理により精製されたポリ
ガラクトサミン分解酵素が得られる。 このようにして得た新規ポリガラクトサミン分
解酵素を、ポリガラクトサミンに作用させると、
各種のガラクトサミンオリゴ糖を効果的に得るこ
とができる。この処理は酵素を用いる加水分解の
常法にしたがつて行えばよく、例えば次のような
方法が例示される。 先ず、ポリガラクトサミンを低濃度の酸に溶解
せしめる。酸としては、例えば酢酸、ギ酸等の有
機酸のほか、硫酸を除く無機酸が広く使用でき
る。こうして得られた多糖類溶液のPHを調整した
後、上記により調整したポリガラクトサミン分解
酵素を加えて、37℃前後の適温で酵素分解を行
う。 低分子の分解反応生成物を反応液から取り出
し、これをイオン交換樹脂に吸着せしめた後、適
当な濃度勾配の溶剤で溶出して、各種のガラクト
サミノオリゴ糖画分を得、これを精製して目的と
するオリゴ糖をそれぞれ得るのである。 既述したような酸又はアルカリ加水分解、ある
いは酵素分解を単独でまたはこれらを適宜組合わ
せることによつて、目的とするガラクトサミノオ
リゴ糖を単独で又は混合物として得ることができ
る。即ち、上記によりポリガラクトサミンを加水
分解すれば、極めて効果的に、ガラクトサミノオ
リゴ−2糖〜12糖をそれぞれ得ることができる
し、必要な場合には各オリゴ糖の適宜の混合物も
自由に得ることができるのである。 このようにして得られた少糖類は、HPLC、
TLC糖の標準品として利用できるほか、キチン、
キトサンのオリゴマーと同様な又は異なつた生理
活性が期待され、例えば抗腫瘍活性が時に有望で
あるところから、各種の医薬として又はその原料
ないし中間体としても利用することができる。 抗腫瘍活性は、各オリゴ糖単独で期待されるば
かりでなく、オリゴ糖混合物(例えば3糖、4
糖、5糖の混合物)とした方が更に強力な抗腫瘍
活性が期待できる場合もあり、いずれにせよ、本
発明に係るオリゴ糖は抗腫瘍剤として利用するこ
とが可能である。また、食品添加物、栄養剤、保
健剤、農薬、工業薬品としても利用可能である。 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 ポリガラクトサミンの調製 グルコース600g、ポリペプトン60g、
CaCl2・2H2O125gを水道水17に溶解し、濃
NaOH溶液でPH7.0に調製した後30容ジヤーフ
アーメンターに移した。 この培地溶液に蒸気を注入することにより加
圧、加熱滅菌(121℃、20分間)を行つた。冷却
後の培地(最終液量20)に、500ml三角フラス
コに150ml同組成の培地(グルコース3%、ポリ
ペプトン0.3%、CaCl20.5%、PH7.0)で26℃、4
日間振盪培養したペエシロマイセスI−1
FERM P−3928(FERM BP−1180)を容量比
で約10%無菌的に接種した。接種後27℃、通気量
0.5VVM、攪拌数200RPMの条件で5日間培養し
た。 培養終了後培養を濾布濾過することにより培養
濾液17を得た。この培養濾液を50℃〜60℃に加
熱しながら分画分子量16万の限外濾過膜(三菱レ
イヨン・エンジニアリング社製UF膜チユーブラ
ーモジユールFタイプ)を通過させることによ
り、低分子画分を除き液量が約3になる迄濃縮
した。更に、約14000×Gで遠心分離することに
より菌体残渣、熱変性蛋白質を除去した。 遠心分離後に上澄液画分3に食塩約750g
(約25%濃度)を加え撹拌し、溶解後、濃NaOH
でPHを7.0〜8.5に調整した。一夜放置し塩析物を
十分析出させた後、サラン製の布(塩化ビニリデ
ンと塩化ビニールの共重合体)上に塩析物を回収
した。更にこの塩析物の上から大量の微アルカリ
製の水(PH7.0以上)を撒布することにより余分
の食塩及び培養液に同時に混在している中性糖、
その他の夾雑物を洗い流した。 次に、水洗後の塩析物に0.1M塩酸溶液を容量
比で約3倍量加え溶解した。この溶解物に濃
NaOH溶液を加えポリガラクトサミンの等電点
であるPH8.5に合せた。一夜放置し十分析出物を
析出させた後、蒸気の同様サラン製の布上に析出
物を回収し、大量の水道水で洗つた。この水洗物
をもう1度0.1M塩酸に溶解後、等電点沈澱を行
い水洗を繰返すことにより精製した。 この精製した析出物を121℃、15分間滅菌後、
凍結乾燥することにより、ポリガラクトサミンを
主成分とするPF−102の精製粉末(ポリガラクト
サミンとしての純度約99%)を7g得た。 また、用途により蒸気精製粉末の1部を0.1M
塩酸に溶解し分画分子量30万の限外濾過膜(アミ
コン社製分子篩膜タイプXM300)で分画し、平
均分子量16〜30万のものと平均分子量30万以上の
ものに分画することもできる。 実施例 2 ガラクトサミノオリゴ等の調製 精製ポリ−ガラクトサミン(PF102)100gを
4規定塩酸、2に分散させ、冷却管付き三角フ
ラスコ中にて、80℃、8時間、塩酸加水分解し
た。 分解後、この塩酸溶液を濾紙濾過して未分解残
渣を除去し、これに活性炭約100gを加えて脱色
した。次に、陰イオン交換樹脂AG3X4A(米国バ
イオーラツド社製)を充填したカラム(8×75
cm)にこの溶液を通過させ、塩酸を除去した。 次いで、得られたガラクトサミノオリゴ糖混液
を活性化してカラムに充填したCM−セフアデツ
クスC−25(2.5×100cm)に吸着させた十分水洗
後、0〜2.5モル食塩による直線的濃度勾配で溶
出させ、その結果、12のピークを分画した(第1
図)。なおこの場合、Δ0D492nmあインドール塩
酸法によるガラクトサミンの測定結果である。 得られた各ピークのガラクトサミノオリゴ糖を
再度活性炭により脱色し、重合度n<4にあつて
は電気透析機、ミクロ アシライザー G−1100
(旭化成社製)で脱塩し、吸引濃縮液後、凍結乾
燥して、また重合度3<nにあつては限外濾過膜
(UH−05 ウルトラフイルター アドバンテツ
クトーヨー社製)にて脱塩し、濃縮し、凍結乾燥
して各画分のガラクトサミノオリゴ糖を得た。こ
の時、得られた各画分の回収量は第1表に示し
た。 また、得られた各ガラクトサミノオリゴ糖の各
旋光度を測定したところそれらの旋光度と重合度
との間に第2図の関係が成り立ち、各画分はガラ
クトサミノオリゴ糖が重合度の小さい順に順次溶
出されていることが分かつた。すなわち、第2図
はガラクトサミノオリゴ糖の分子旋光度との重合
度と関係を表わしたグラフであつて、比旋光度
〔α〕Dと分子量との積が分子旋光度〔M〕oであり、
〔M〕o/nと(n−1)/nとは直線関係が成立
することを示している(nは重合度を表わす。)
【表】
【表】 実施例 3 ポリガラクトサミン分解酵素の調製 シユードモナスsp H881、FERM P−8955を
500ml三角フラスコ中で、グルコース0.5%、酵母
エキス0.05%、ポリペプトン0.05%の組成を有す
る種培地100mlに植菌し、30℃で20時間培養する。 得られた種培養液を30のジヤーフアーメンタ
ー中で、ポリガラクトサミン(PF−102)0.25
%、グルコース0.25%、酵母エキス0.5%、ポリ
ペプトン0.05%の酵素生産培地18に植菌し、30
℃で通気量1VVM、撹拌数200RPMで48時間培
養した。 得られた培養液を遠心分離(14000rpm)して、
菌体を除き、得らてた培養濾液に冷却したエタノ
ールを60%,濃度まで加えて、タンパク質を沈殿
させ、この沈澱タンパク質を遠心して、溶液から
分離する。得られたタンパク質を0.1モル酢酸緩
衝液(PH5.0)で平衡化したCM−セフアデツクス
C−25カラム(2.5×60cm)に吸着させ、0〜0.5
モル食塩の濃度勾配を有する同緩衝液を用いて溶
出させる。 溶出した酵素活性区分を集め、限外濾過装置
(分画分子量1万)を使つて濃縮する。次に、2
モル食塩を含む0.1モル酢酸緩衝液(PH6.0)溶液
とし、同様緩衝液で平衡化したセフアデツクスG
−50カラム(5×90cm)クロマトグラフイーにか
ける。次いで、活性区分の食塩濃度を4モルにま
で高め、同様な溶液で平衡化したフエニル−セフ
アロースCL−4Bカラム(2.5×20cm)に吸着さ
せ、食塩の逆濃度勾配を持つ0.1モル酢酸緩衝液
で溶出して精製ポリガラクトサミン分解酵素50mg
(収率23.1%、比活性52μg galn/min/mg
protein)を得る。 実施例 4 ガラクトサミノオリゴ糖の調製 <酵素分解−CMセフアデツクスC−25クロマト
> 精製ポリガカクトサミン25gを約4.8の0.1モ
ル酢酸に溶解し、次いで水酸化ナトリユウムでPH
6.0に調製して水を加えて全液量を5とした。
このポリガラクトサミン溶液を基質とし、精製ポ
リガラクトサミン分解酵素5mg(約500ユニツト)
(*1ユニツトは1分間にガラクトサミン1μモル
精製する酵素力価)を加え37℃で1時間酵素分解
した。 分解後、100℃、10分間加熱して酵素反応を止
め、不溶物を遠心して除いた。次いで、得られた
溶液のPHを酢酸を用いて5.0に調整し、弱陽イオ
ン交換体CM−セフオアデツクスC−25カラム
(2×40cm)に吸着させた。 このカラムを0.1モル酢酸緩衝液(PH5.0)で洗
浄後、0〜2.5モルの食塩による直線的濃度勾配
で溶出させ、単離させる各画分を集めた。 各画分は電気透析機、マイクロ・アシライザー
G3(旭化成社製)にて脱塩し、凍結乾燥して精製
ガラクトサミノオリゴ糖とした。 この時、得られた各画分の回収量は表−2に示
した。 第2表 (ガラクトサミノオリゴ糖) (g) ガラクトサミン 0.18 ガラクトサミノオリゴ−2糖 0.36 ガラクトサミノオリゴ−3糖 1.80 ガラクトサミノオリゴ−4糖 1.65 ガラクトサミノオリゴ−5糖 1.20 ガラクトサミノオリゴ−6糖 0.84 ガラクトサミノオリゴ−7糖 0.60 ガラクトサミノオリゴ−8糖 0.48 ガラクトサミノオリゴ−9糖 0.39 ガラクトサミノオリゴ−10糖 0.24 ガラクトサミノオリゴ−11糖 0.18 ガラクトサミノオリゴ−12糖 0.12 実施例 5 ガラクトサミノオリゴ糖の調整 <酸素分解−Dowex50W×8クロマト> 精製ポリガラクトサミン25gを約4.8の0.1モ
ル酢酸に溶解し、次に、水酸化ナトリウムでPH
6.0に調整し、全液量を5とした。このポリガ
ラクトサミン溶液を基質とし、これに精製したポ
リガラクトサミン分解酵素10mg(約1000ユニツト
*1ユニツトは1分間にガラクトサミン1μモ
ルを生成する酵素力価)を加え37℃で酵素分解し
た。 分子量3000以下の分解反応生成物はホローフア
イバーHIP−3(アミコン・フアー・イースト・
リミテツド社製、DC−2型ホローフアイバー)
を用いて連続的に反応液から取り出し、直接陽イ
オン交換樹脂ダベツクス50W×8(2.5×50cm)に
吸着させた。 ダベツクス50W×8からのガラクトサミノオリ
ゴ糖の溶出は0〜4モルの塩酸濃度勾配によつて
行つた。次いで、得られる各ガラクトサミノオリ
ゴ糖溶液は陰イオン交換樹脂CDR20(三菱化成
製)で処理し、塩酸を除いた。この四液を凍結乾
燥して精製ガラクトサミノオリゴ糖を得た。得ら
れた各ガラクトサミノオリゴ糖量は第3表に示し
た。 第3表 (ガラクトサミノオリゴ糖) (g) ガラクトサミン 0.8 ガラクトサミノオリゴ−2糖 1.6 ガラクトサミノオリゴ−3糖 7.0 ガラクトサミノオリゴ−4糖 4.0 ガラクトサミノオリゴ−5糖 3.0 ガラクトサミノオリゴ−6糖 1.2 実施例 6 ガラクトサミノオリゴ糖の調整 <塩酸分解−Dowex50W×8クロマト> 精製ポリガラクトサミン25gを濃塩酸(12規
定)250mlに分散し、80℃、4時間、加水分解し
た。次いで、この溶液を減圧濃縮して、塩酸を除
去し、ダベツクス50W×8(2.5×50cm)のカラム
クロマトグラフイー(0〜5モルの塩酸濃度勾配
で溶出)を行いガラクトサミノオリゴ糖を分解精
製した。 精製した各ガラクトサミノオリゴ糖は
AG3X4Aで処理して塩酸を除去した後、凍結乾
燥して精製ガラクトサミノオリゴ糖を得た。 結果を第4表に示した。 第4表 (ガラクトサミノオリゴ糖) (g) ガラクトサミン 8.0 ガラクトサミノオリゴ−2糖 6.0 ガラクトサミノオリゴ−3糖 4.0 ガラクトサミノオリゴ−4糖 2.0 ガラクトサミノオリゴ−5糖 1.0 ガラクトサミノオリゴ−6糖 0.8 このようにしてガラクトサミノオリゴ糖が得ら
れたが、これらはいずれも新規物質であり、ガラ
クトサミノオリゴー2糖〜12糖の物性は以下に示
すとおりである。 1 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−2糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの2糖 GalN14GalN(但し、GalNはα−D−ガ
ラクトサミノピラノシル基を示す。) (2) 色および形状:淡黄色不定形の粉末 (3) 味:甘味を有する。 (4) 溶解性:薄い酸(塩酸などの鉱酸あるいは
蟻酸や酢酸などの有機酸など)、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウムなどの塩の水溶液および
水にそれぞれ可溶であり、ジメチルスルホオ
キシドを除く一般的に有機溶媒(メタノー
ル、エタノール、アセトン、クロロホルムな
ど)に難溶性である。 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:42.35、H:7.06、N:8.24、O:
42.35 予想される分子:C12H24O9N2 (6) 分子料と構造式は下記の通り。 分子料:340.2
【式】 (7) 下記の呈色反応を示す。 インドール塩酸反応、エルオン−モルガン
反応、ソモギ−ネルソン反応にそれぞれ陽
性、モルガン−エルソン反応、ローリー・フ
オーリン反応に僅かに陽性、フエノール硫酸
反応、ヨード反応に陰性。 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+127.4 (9) 融点 164℃ (10) 第3図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第4図に赤外部吸収スペクトルを示す。 2 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−3糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの3糖 GalN14GalN14GalN(但し、GalNは
α−D−ガラクトサミノピラノシル基を示
す。) (2) 色と形状:同上 (3) 味:弱い甘味を呈する。 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:43.11、H:6.99、N:8.38、O:
41.52 予想される分子式:C18H35O13N3 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子料:501.3
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+158.3 (9) 融点 特定の融点を有さず。160℃以上で炭化を
始める。 (10) 第5図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第6図に赤外部吸収スペクトルを示す。 3 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−4糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの4糖 GalN14GalN14Galn14GalN(但し、
GalNはα−D−ガラクトピラノシル基を示
す。) (2) 色と形状:同上 (3) 味:僅かな甘味を有する。 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:43.50、H:6.95、N:8.46、O:
41.09 予想される分子式:C24H46O17N4 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:662.4
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+174.1 (9) 融点:同上 (10) 第7図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第8図に赤外部吸収スペクトルを示す。 4 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−5糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの5糖 GalN14GalN14GalN14GalN1
4GalN(但し、GalNはα−D−ガラクトピラ
ノシル基を示す。) (2) 色と形状:同上 (3) 味:弱い甘味を有する。 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:43.74、H:6.93、N:8.51、O:
40.83 予想される分子式:C30H57O21N5 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:823.4
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+183.8 (9) 融点:同上 (10) 第9図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第10図に赤外部吸収スペクトルを示す。 5 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−6糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの6糖 GalN14GalN14GalN14GalN1
4GalN14GalN(但し、GalNはα−D−ガ
ラクトピラノシル基を示す。) (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:43.90、H:6.91、N:8.54、O:
40.65 予想される分子式:C36H68O25N6 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:984.6
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+190.2 (9) 融点:同上 (10) 第11図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第12図に赤外部吸収スペクトルを示す。 6 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−7糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの7糖 GalN14GalN14GalN14GalN1
4GalN14GalN14GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.02、H:6.90、N:8.56、O:
40.52 予想される分子式:C42H79O29N7 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1145.7
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+194.9 (9) 融点:同上 (10) 第13図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第14図に赤外部吸収スペクトルを示す。 7 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−8糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの8糖 GalN1(―→4GalN16―→4GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.10、H:6.89、N:8.58、O:
40.43 予想される分子式:C48H90O33N8 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1306.8
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+198.5 (9) 融点:同上 (10) 第15図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第16図に赤外部吸収スペクトルを示す。 8 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−9糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの9糖 GalN1(―→4GalN17―→4GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.17、H:6.88、N:8.59、O:
36.06 予想される分子式:C54H101O37N9 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1467.9
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+201.2 (9) 融点:同上 (10) 第17図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第18図に赤外部吸収スペクトルを示す。 9 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−10糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの10糖 GalN1(―→4GalN18―→4GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.23、H:6.88、N:8.60、O:
40.23 予想される分子式:C60H112O41N10 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1629.0
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+203.4 (9) 融点:同上 (10) 第19図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第20図に赤外部吸収スペクトルを示す。 10 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−11糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの11糖 GalN1(―→4GalN19―→4GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.27、H:6.88、N:8.61、O:
40.25 予想される分子式:C66H123O45N11 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1790.1
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+205.2 (9) 融点:同上 (10) 第21図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第22図に赤外部吸収スペクトルを示す。 11 物質の名称:ガラクトサミノオリゴ−12糖 (1) α−1→4結合のみで構成されるガラクト
サミンの12糖 GalN1(―→4GalN110―→4GalN (2) 色と形状:同上 (3) 味:同上 (4) 溶解性:同上 (5) 下記の元素分析値を示す。 C:44.31、H:6.87、N:8.62、O:
40.21 予想される分子式:C72H134O49N12 (6) 分子量と構造式は下記の通り。 分子量:1951.2
【化】 (7) 呈色反応:同上 (8) 旋光度 〔α〕20 D:+206.8 (9) 融点:同上 (10) 第23図に紫外部吸収スペクトルを示す。 (11) 第24図に赤外部吸収スペクトルを示す。 (発明の効果) 本発明に係るガラクトサミノオリゴ糖は、いず
れも文献未載の新規化合物であつて、医薬、農
薬、食品添加物、工業薬品及びそれらの中間体と
して有用な化合物である。 本発明に係る新規化合の具体的用途としては、
例えば凝集剤、抗腫瘍剤等が大いに期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1において分画されたガラク
トサミノオリゴ糖のCM−セフアデイクスC−25
カラムクロマトグラフイーのパターンを図示した
ものであり、第2図は、ガラクトサミノオリゴ糖
の分子旋光度と重合度との関係を図示した図面で
ある。第3,5,7,9,11,13,15,1
7,19,21,23図は、ガラクトサミノオリ
ゴ−2糖〜12糖の紫外部吸収スペクトルをそれぞ
れ示した図面である。第4,6,8,10,1
2,14,16,18,20,22,24図は、
ガラクトサミノオリゴ−2糖〜12糖の赤外部吸収
スペクトルをそれぞれ示した図面である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の式で示されるガラクトサミノオリゴ
    糖: 【化】 (但し、式中nは0〜10を表わす)。 2 α−1,4−ポリガラクトサミンを分解する
    ことを特徴とする下記の式で示されるガラクトサ
    ミノオリゴ糖の製造方法: 【化】 (但し、式中nは0〜10を表わす)。
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