JPH072544Y2 - 遠隔操作用掛フツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はワイヤを利用して天井に布設されている吊りピ
ースにフツクが自動的に掛けられるようにした遠隔操作
用掛フツク装置に関する。

〔従来の技術〕

従来にあっては、天井に布設されている吊りピースに荷
重をかける手段としてフツクを掛ける場合は、まず足場
又は梯子をかけて所定位置まで昇った後、行なってい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように従来にあっては、フツクを掛ける場合、足場
又は梯子をかけなければならないので、時間がかかり、
工数を多く要していた。また、足場又は梯子をかけずに
短時間でフツクを掛けようとすると、作業に危険が伴な
い好ましくなかった。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたもので、吊
りピースにフツクを掛ける作業を迅速かつ安全に行なえ
るようにした遠隔操作用掛フツク装置を提供するにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る遠隔操作用掛フツク装置は、天井に予め布
設されている吊りピースを嵌入できるよう対向配置され
て先端開口の溝が形成された一対のガイド板からなるガ
イドを設け、一方のガイド板側から前記溝を介し板隙間
を横断して回動可能とされた上端円弧状のフックを設け
るとともにフック開放端部が他方のガイド板の溝開口を
閉止できるように取り付け、前記ガイド側にはガイド板
内部側から前記吊りピースに通されフック開放端部によ
って閉止されるガイド溝を通される引きワイヤを連結
し、前記フックにはフック先端がガイド溝を閉止する方
向に回転付勢するスプリングとこの付勢力に対抗してフ
ックを回転させる取外しワイヤを連結したものである。

（作用） 本考案にあっては、ガイド側に連結されている引きワイ
ヤを引くことにより、フックを備えたガイドが上昇し、
一対のガイド板内部に吊りピースが嵌入される。そし
て、引きワイヤはフック開放端部側から引出され、フッ
クは上端円弧とされているので、吊りピースがフックを
スプリング付勢力に抗して開放するように作動する。そ
の後、吊りピースがフック開放端を乗り越えた後にスプ
リング力によりフックはピースに係合して自動的に掛か
る。一方、フックを取外す場合には、取外しワイヤを引
くことにより、フックが強制的に開放され、この状態で
引きワイヤを弛めることにより、吊りピースからフック
を取外すことができる。したがって、フックを天井側の
吊りピースに対して自由に着脱させることができるので
ある。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を説明す
る。

第１図は本考案に係る遠隔操作用掛フツク装置の一実施
例を示す正面図、第２図は同装置の側面図である。

高所の天井１には正面視形状がＵ字状を呈する（第１図
参照）ごとく形成された吊りピース２の両端が布設固定
されている。該吊りピース２には竿等により引きワイヤ
３が通されており、該引きワイヤ３の一端輪には錘（図
示せず）が取り付けられている。また、引きワイヤ３の
他端側は、ガイド４の下端部近傍に固定された取付金具
５に連結されている。

ガイド４は相対向する２枚の板4a、4bとから成り（第２
図参照）、第１図に示すように、該板4a、4bの幅方向中
央部にはガイド溝4cが設けられた構造となっている。
尚、前記板4a、4bの上端部は外側に向って若干折り曲げ
られている。また、ガイド４の下端側には上下に一対の
ピン６、７を有するブラケツト８が取り付けられてい
る。該ブラケツト８の下側のピン７にはチエーンブロツ
ク等の吊り装置９が固定されていると共に上側のピン６
にはフツク10の下端部が回動自在に枢支された構造とな
っている。

すなわち、該フツク10は吊りピース２に対して直交する
方向に回動できるようにピン６に回動自在に枢支されて
おり、かつフツク10の上端部10aは吊りピース２に係合
し得るよう逆Ｊ字状を呈した形状となっている。また、
ガイド４の板4bの長手方向略中間部およびフツク10の下
端部近傍にはそれぞれ突起11、12が設けられており、こ
れら突起11、12にはスプリング13の両端部が引っ掛け支
持されている。このスプリング13の弾性によって前記フ
ツク10は常時反時計方向、つまり吊りピース２と係合す
る方向に付勢された構造となっている。また、前記フツ
ク10の右側端側に設けられた取付金具14には取外しワイ
ヤ15の一端が連結されており、この取外しワイヤ15を介
してフツク10は付勢方向と反対方向に引っ張られるよう
になっている。

次に、遠隔操作用掛フツク装置の作用につて説明する。
まず、予め天井１に布設されている吊りピース２に竿等
で引きワイヤ３を通し、該引きワイヤ３の一端に錘を取
り付けかつ他端を取付金具５に連結する。このようにセ
ツトした後、該引きワイヤ３を下方に引っ張る。する
と、該引きワイヤ３を介してガイド４、ブラケツト８お
よびフツク10が一体となって上昇し、ガイド４の板4a、
4bが吊りピース２の両側に嵌合配置される一方、フツク
10はその上端面10bが吊りピース２の底部2aに当接して
付勢方向と反対方向、つまり時計方向に押し開かれる。
そして、フツク10の開放端部10cが前記吊りピース2aよ
り若干上方に上昇したときには、該フツク10はスプリン
グ13の底部の弾性力により反時計方向に自動復帰し、吊
りピース２の底部2aに掛けられる。

一方、この状態からフツク10を開き、降す場合は、まず
引きワイヤ３を引いてフツク10を無負荷状態にした後、
取外しワイヤ15を引けば、フツク10が第２図に二点鎖線
10′で示すように反時計方向に開き、吊りピース２から
離脱する。この状態において、引きワイヤ３を緩めれば
フツク10は降下する。

なお上述した実施例においてはフツクを１個設けた構成
となっているが、別にこれに限定されるものではなく、
例えば２個のフツクを組合せ、吊りピースを挾み込むよ
うして使用する構成としてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に掛かる遠隔操作用掛フツク
装置によれば、天井に予め布設されている吊りピースを
嵌入できるよう対向配置されて先端開口の溝が形成され
た一対のガイド板からなるガイドを設け、一方のガイド
板側から前記溝を介し板隙間を横断して回動可能とされ
た上端円弧状のフックを設けるとともにフツク開放端部
が他方のガイド板の溝開口を閉止できるように取り付
け、前記ガイド側にはガイド板内部側から前記吊りピー
スに通されフック開放端部によって閉止されるガイド溝
を通される引きワイヤを連結し、前記フックにはフック
先端がカイド溝を閉止する方向に回転付勢するスプリン
グとこの付勢力に対抗してフックを回転させる取外しワ
イヤを連結した構成としたので、従来のように足場とか
梯子等をかけなくても床面より遠隔操作にて吊りピース
に対するフツクを掛け、外し作業ができ、これによって
従来に比べて作業を迅速かつ安全に行なえるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る遠隔操作用掛フツク装置の一実施
例を示す正面図、第２図は同装置の側面図である。 １…天井、２…吊りピース、３…引きワイヤ、10…フツ
ク、13…スプリング、15…取外しワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天井に予め布設されている吊りピースを嵌
   入できるよう対向配置されて先端開口の溝が形成された
   一対のガイド板からなるガイドを設け、一方のガイド板
   側から前記溝を介し板隙間を横断して回動可能とされた
   上端円弧状のフックを設けるとともにフック開放端部が
   他方のガイド板の溝開口を閉止できるように取り付け、
   前記ガイド側にはガイド板内部側から前記吊りピースに
   通されフック開放端部によって閉止されるガイド溝を通
   される引きワイヤを連結し、前記フックにはフック先端
   がガイド溝を閉止する方向に回転付勢するスプリングと
   この付勢力に対抗してフックを回転させる取外しワイヤ
   を連結したことを特徴とする遠隔操作用掛フック装置。