JP3720096B2 - 絵画等の吊り下げ具 - Google Patents

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JP3720096B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、絵画等の吊り下げ具、特に、吊り下げられた絵画等が落下するのを防ぐ抜け止め構造を有する吊り下げ具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の抜け止め構造を有する吊り下げ具は、図6に示すように、軸部30下端にフック31を形成し、軸部30にフック開口32を開閉する開閉部材33を取付け、開閉部材33を金属線を屈曲してV字形に形成し、開閉部材33の両端部を内側に折り曲げてヒンジを形成し、軸部30の最大径の部分の両側に同一軸上の水平方向の孔を形成し、その孔にヒンジを回転自在に取付け、開閉部材33のV字形の2辺を軸部30の外周面に接触させ、かつ、開閉部材33の先端をフック31の先端部の内側に接触させている。
【0003】
以上の吊り下げ具を使用する場合には、開閉部材33を押し込んでフック開口32を開くと、開閉部材33の三角形状の2辺が軸部30の外周面に押し拡げられる。このため、開閉部材33を押し込むのを止めると、開閉部材33は弾性力により元の状態に復帰してフック開口32を閉じる。
【0004】
このように、開閉部材によりフック開口を閉鎖して吊りひもの抜け止めができるので、地震等が発生しても絵画等が落下するのを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような吊り下げ具は、開閉部材が接触する軸部の外周面が円弧状でなければならず、しかも軸部の最大径の部分の両側に同一軸上の水平方向の孔を形成する必要があった。
【0006】
そこで、この発明の課題は、吊り具の抜け止め構造をより簡素化して製造コストの低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、この発明は、壁面に固定される取付け板の下方にフックを形成した絵画等の吊り下げ具において、上記取付け板にその前面側に突出した支持板を形成し、上記支持板に上記フックの開口を開閉する開閉部材を取り付け、上記支持板の両側に凹所をそれぞれ形成し、上記開閉部材を弾力性のある金属線を屈曲させてV字形に形成し、上記開閉部材の両側辺を上記各凹所に押し当てて当該開閉部材により上記支持板を挟持せしめ、上記開閉部材の両端部を上記支持板の上面に沿って上記取付け板と反対側に屈曲形成し、上記開閉部材の先端を上記フックの先端部内面に接触させるようにした構成を採用したのである。
【0008】
この吊り下げ具に吊りひもを吊り下げる場合には、開閉部材をフック内に押し込んでフックを開口させると、V字形の開閉部材により支持板を挟持し、かつ、開閉部材の両端部が上記支持板の上面に沿って屈曲形成されているので、開閉部材の両端部が支持板の上面に押圧されて弾性変形が生じる。このため、開閉部材を押し込むのを止めると、弾性変形により生じた弾性力により、開閉部材は元の状態に戻りフックの開口を閉じる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の一例を、図1乃至図5に基づいて説明する。
【0010】
この吊り下げ具は、取付け部1、フック5及び開閉部材6より成り、取付け部1とフック5は、図2に示すように、一体に形成されている。
【0011】
取付け部1は、取付け板2、支持板3及び補強板4により構成され、取付け板2の上端の折り曲げ部を介して補強板4が形成され、また補強板4の下端の折り曲げ部を介して支持板3が形成され、取付け部1の側面視が全体として三角形になっている。
【0012】
また、補強板4に、図3に示すように、孔11、12、13が形成され、取付け板2には、孔11、12、13の中心位置よりも低い位置を中心とする孔11a、12a、13aがそれぞれ対向して形成されている。
【0013】
また、支持板3は、取付け板2の前面側に折り返され、その端部中央に支持片7が突出して形成されている。支持片7の両側には、凹所8、8が形成され、その凹所8、8から取付け板2の両側縁にわたりスリット9、9が形成される。
【0014】
上記支持片7の両側には、開閉部材6が取付けられる。開閉部材6は、図3及び図4に示すように、金属線を屈曲させてV字形に形成されており、開閉部材6の両側辺が凹所8、8内に取り付けられ、両端部6a,6aが支持板3の上面に沿って取付け板2と反対側に屈曲して形成される。これにより、開閉部材6の支持板3に対する上下又は水平方向の移動が阻止される。
【0015】
上記開閉部材6を支持片7の両側に取り付けた状態において、開閉部材6が前方下方に突き出して、その先端部が、フック5の先端部内面に接触するように、上記両端部6a,6aの屈曲角度及び開閉部材6の長さを設定しておく。
【0016】
また、フック5の先端部内面には、開閉部材6の先端部と係合する突起10が形成されている。
【0017】
以上の吊り具に額縁を吊り下げる場合には、図5に示すように、額縁21を吊り下げる壁20の所望の箇所に、固定ピン14を孔11、11aと孔12、12aと孔13、13aに沿って壁に対して斜めに打ち込んで吊り具を固定する。
【0018】
次に、額縁21の吊りひも22を開閉部材6に押し当てることにより、開閉部材6がフック5内に押し込まれる(図5の二点鎖線参照)。この場合、開閉部材6は支持板3に対して上下又は水平方向に移動できないので、両端部6a,6aが支持板3に押圧されて弾性変形が生じる。
【0019】
このように、フック5の開口が開かれると、吊りひも22はフック5先端と開閉部材6先端の間を通過でき、吊りひも22をフック5内に引っかけることができる。
【0020】
また、吊りひも22が開閉部材6を通過した後は、開閉部材6を押し込む力が働かないので、開閉部材6は弾性変形により生じた弾性力により元の状態に戻る(図5参照)。
【0021】
従って、額縁21を吊り下げている状態では、図5に示すように、フック5の開口は開閉部材6により閉ざされているので、地震などで大きな振動を受けた場合でも、吊りひも22がフック5から抜け出ることがない。これにより、額縁21の落下を防止することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、V字形の開閉部材の両側辺により支持板を挟持し、かつ、その両端部が支持板の上面に沿って屈曲形成されているので、開閉部材の支持板に対する上下又は水平方向の移動が阻止される。
【0023】
これにより、開閉部材を押し込んだ場合に、開閉部材の両端部が支持板の上面に押圧されて弾性変形が生じ、この弾性力により元の状態に戻るようにしたので、抜け止め構造をより簡素化することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吊り具の一例を示す斜視図
【図2】同上の縦断面図
【図3】同上の正面図
【図4】IV−IV横断面図
【図5】同上の使用状態を示す側面図
【図6】従来例を示す斜視図
【符号の説明】
1 取付け部
2 取付け板
3 支持板
4 補強板
5 フック
6 開閉部材
6a 端部
7 支持片
8 凹所
9 スリット
10 突起
11、11a,12,12a,13,13a 孔
14 固定ピン
20 壁
21 額縁
22 吊りひも
30 軸部
31 フック
32 フック開口
33 開閉部材

Claims (1)

  1. 壁面に固定される取付け板の下方にフックを形成した絵画等の吊り下げ具において、上記取付け板にその前面側に突出した支持板を形成し、上記支持板に上記フックの開口を開閉する開閉部材を取り付け、上記支持板の両側に凹所をそれぞれ形成し、上記開閉部材を弾力性のある金属線を屈曲させてV字形に形成し、上記開閉部材の両側辺を上記各凹所に押し当てて当該開閉部材により上記支持板を挟持せしめ、上記開閉部材の両端部を上記支持板の上面に沿って上記取付け板と反対側に屈曲形成し、上記開閉部材の先端を上記フックの先端部内面に接触させるようにしたことを特徴とする絵画等の吊り下げ具。
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