JPH0725326B2 - 自動車に使用される前後輪操舵系統 - Google Patents

自動車に使用される前後輪操舵系統

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JPH0725326B2
JPH0725326B2 JP6773788A JP6773788A JPH0725326B2 JP H0725326 B2 JPH0725326 B2 JP H0725326B2 JP 6773788 A JP6773788 A JP 6773788A JP 6773788 A JP6773788 A JP 6773788A JP H0725326 B2 JPH0725326 B2 JP H0725326B2
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弘武 中山
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日野自動車工業株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D7/00Steering linkage; Stub axles or their mountings
    • B62D7/06Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
    • B62D7/14Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
    • B62D7/15Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels
    • B62D7/1518Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels comprising a mechanical interconnecting system between the steering control means of the different axles
    • B62D7/1536Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels comprising a mechanical interconnecting system between the steering control means of the different axles provided with hydraulic assistance

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車の前輪および後輪の操舵に使用され
る前後輪操舵系統に関する。
背景技術 近年、自動車では、前輪および後輪を操舵するところの
四輪操舵が行なわれ、操舵性および安定性の向上を図る
傾向にある。
この四輪操舵は、通常、フロント・パワー・ステアリン
グおよびリア・パワー・ステアリングで行なわれ、特
に、コンピュータでそれらパワー・ステアリングが制御
され、前輪および後輪が、車速に応じて同位相および逆
位相に操舵されるので、操舵系統としてかなり複雑にな
り、製作費用が高価になった。
発明の課題 この発明の課題は、操舵系統の複雑化を抑制し、特に、
リア・パワー・ステアリングの入力に使用されるフロン
ト・ステアリングの出力をそのリア・パワー・ステアリ
ングに伝達する操舵位相切換え手段を簡略化し、車速に
応じて前輪および後輪を逆位相および同位相に操舵し、
また、その際に、その車速に応じてその前輪とその後輪
との舵角比を最適に変え、そして、操舵性および安定性
を向上させるところの自動車に使用される前後輪操舵系
統の提供にある。
課題に関する発明の概要・請求する発明の内容 上述の課題に関連して、この発明の自動車に使用される
前後輪操舵系統は、一対の前輪を操舵するフロント・ス
テアリング、および一対の後輪を操舵するリア・パワー
・ステアリングを備え、そして、操舵位相切換え装置
が、入力側複動シリンダおよび出力側複動シリンダを備
え、そして、その入力側複動シリンダのピストン・ロッ
ドをそのフロント・ステアリングの出力側に、その出力
側複動シリンダのピストン・ロッドをそのリア・パワー
・ステアリングのコントロール・バルブの入力側にそれ
ぞれ連結し、方向切換えバルブが、低速走行時、その入
力側複動シリンダの一方のシリンダ室およびその出力側
複動シリンダの他方のシリンダ室の間と、その入力側複
動シリンダの他方のシリンダ室およびその出力側複動シ
リンダの一方のシリンダ室の間とにそれぞれ圧油を流し
てその入力側および出力側複動シリンダを互いに逆位相
に動かし、また、高速走行時、その入力側および出力側
複動シリンダの一方のシリンダ室間と、その入力側およ
び出力側複動シリンダの他方のシリンダ室間とにそれぞ
れ圧油を流してその入力側および出力側複動シリンダを
互いに同位相に動かし、そして、後輪舵角制御装置が、
車速に応じてその前輪とその後輪との舵角比を変えると
ころで構成し、そして、自動車が低速で走行する際に
は、その低速走行に応じてその前輪とその後輪との舵角
比を変えながらその前輪および後輪を互いに逆位相に操
舵し、また、その自動車が高速で走行する際には、その
高速走行に応じてその前輪とその後輪との舵角比を変え
ながらその前輪および後輪を互いに同位相に操舵すると
ころである。
具体例の説明 以下、この発明の自動車に使用される前後輪操舵系統の
特定された具体例について、図面を参照して説明する。
第1ないし5図は、トラック90に適用されるところのこ
の発明の自動車に使用される前後輪操舵系統の具体例10
を示している。
その前後輪操舵系統10は、一対の前輪94,95が前車軸
(図示せず)の両端に揺動可能に連結されたところの一
対の前輪軸92,93に回転可能に支持され、一方、一対の
後輪101,102が後車軸(図示せず)の両端に揺動可能に
連結されたところの一対の後輪軸99,100に回転可能に支
持されるそのトラック90に適用され、そして、その一対
の前輪94,95を操舵するフロント・ステアリング11と、
その一対の後輪101,102を操舵するリア・パワー・ステ
アリング12と、操舵位相切換え装置13と、方向切換えバ
ルブ14と、後輪舵角制御装置15とを含んで組み立てられ
る。
そこでは、その操舵位相切換え装置13は、入力側複動シ
リンダ40および出力側複動シリンダ41から組み立てられ
てその入力側複動シリンダ40の入力側ピストン・ロッド
55をそのフロント・ステアリング11の出力側に、その出
力側複動シリンダ41の出力側ピストン・ロッド56をその
リア・パワー・ステアリング12のコントロール・バルブ
28の入力側にそれぞれ連結し、また、その方向切換えバ
ルブ14は、そのトラック90の低速走行時、その入力側複
動シリンダ40の一方のシリンダ室49およびその出力側複
動シリンダ41の他方のシリンダ室52の間と、その入力側
複動シリンダ40の他方のシリンダ室50およびその出力側
複動シリンダ41の一方のシリンダ室51の間とにそれぞれ
圧油を流してその入力側および出力側複動シリンダ40,4
1を互いに逆位相に動かし、そのトラック90の高速走行
時、その入力側および出力側複動シリンダ40,41の一方
のシリンダ室49,51間と、その入力側および出力側複動
シリンダ40,41の他方のシリンダ室50,52間とにそれぞれ
圧油を流してその入力側および出力側複動シリンダ40,4
1を互いに同位相に動かす。勿論、この方向切換えバル
ブ14は、その入力側複動シリンダ40において両シリンダ
室49,50の間に圧油を自由に流してその入力側複動シリ
ンダ40を空動き状態に置き、同時に、その出力側複動シ
リンダ41において両シリンダ室51,52を互いに遮断して
その出力側複動シリンダ41をニュートラル位置にロック
された状態に置く。すなわち、その方向切換えバルブ14
は、そのトラック90の走行速度に応じてその入力側複動
シリンダ40のヘッド側およびロッド側オイル・ポート5
9,60をその出力側複動シリンダ41のヘッド側およびロッ
ド側オイル・ポート61,62に切り換え接続し、また、そ
のトラック90がその後輪101,102を直進状態にロックさ
せ、そして、その前輪94,95のみを操舵して走行する際
には、その入力側複動シリンダ40のヘッド側およびロッ
ド側オイル・ポート59,60を互いに接続されると同時に
その出力側複動シリンダ41のヘッド側およびロッド側オ
イル・ポート61,62を互いに遮断する。さらに、その後
輪舵角制御装置は、そのトラック90の走行速度に応じて
その前輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θR/
θ)を変える。
そのようにして、その前後輪操舵系統10は、そのトラッ
ク90が低速で走行される際には、その低速走行に応じて
その前輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θR/
θ)を最適に変えながらその前輪94,95および後輪10
1,102を互いに逆位相に操舵し、また、そのトラック90
が高速で走行する際には、その高速走行に応じてその前
輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θR)を最
適に変えながらその前輪94,95および後輪101,102を互い
に同位相に操舵し、さらに、その後輪101,102を直進状
態にロックさせ、そして、その前輪94,95のみを操舵し
てそのトラック90を走行可能にする。
さらに具体例に述べると、そのフロント・ステアリング
11は、ステアリング・ホイール20、ステアリング・シャ
フト21、ステアリング・ギア・ボックス22、セクタ・シ
ャフト23、ピットマン・アーム24、ドラック・リンク2
5、およびナックル・アーム26を含んでマニュアル・ス
テアリングに構成される。
また、このフロント・ステアリング11は、その前輪94,9
5がそのトラック90では、シャシ91の前方に配置された
前車軸の両端にナックルおよびキング・ピンを介して揺
動可能に連結された前輪軸92,93に回転可能に支持され
てあるので、そのナックル・アーム26をそのナックルに
連結して、その前輪94,95を操舵可能にしている。勿
論、前輪軸92,93は、タイ・ロッド96および一対のタイ
・ロッド・アーム97,98で互いに連結されてある。
そのリア・パワー・ステアリング12は、ブースタ27、コ
ントロール・バルブ28、オイル・ポンプ29、および、オ
イル・リザーバ30から構成され、それらが供給側油圧配
管33および戻り側油圧配管34で油圧回路に接続されてあ
る。
また、このリア・パワー・ステアリング12は、その後輪
101,102がそのトラック90では、シャシ91の後方に配置
された後車軸の両端にナックルおよびキング・ピンを介
して揺動可能に連結された後輪軸99,100に回転可能に支
持され、そして、その後輪軸99,100がタイ・ロツド103
および一対のタイ・ロッド・アーム104,105で互いに連
結されてあるので、そのブースタ27のシリンダ・ボディ
31が、タイ・ロッド側支点37を移動可能にして、その後
輪舵角制御装置15を介してそのタイ・ロッド103にピボ
ット連結され、そして、シャシ側支点38を固定させてそ
のブースタ27のピストン・ロッド32が、そのシャシ91の
ブラケット39にピボット連結されて、その後輪101,102
を操舵可能にしている。
そのブースタ27は、そのコントロール・バルブ28のバル
ブ・ボディ33を組み込み、そのコントロール・バルブ28
の3個のシリンダ・ポート(図示せず)に切り換え接続
される一対のオイル・ポート(図示せず)を連通させた
シリンダ・ボア(図示せず)を備えたシリンダ・ボディ
31と、そのシリンダ・ボア内に往復摺動可能に嵌め合わ
せられ、そのオイル・ポートに対応して接続された一対
のシリンダ室(図示せず)をそのシリンダ・ボア内に区
画するピストン(図示せず)と、そのピストンに一端を
固定し、そのシリンダ・ボディ31のロッド・カバーにお
いて、他端側を出し入れ可能に伸長させているピストン
・ロッド32とより構成され、そのシリンダ・ボディ31の
ヘッド・カバーをそのタイ・ロッド103にその後輪舵角
制御装置15を介してピボット連結し、そのピストン・ロ
ッド32の他端をそのシャシ91のブラケット39にピボット
連結している。
そのように構成され、そして、そのタイ・ロッド103に
その後輪舵角制御装置15を介してピボット連結されたそ
のブースタ27では、そのピストンの動きが、そのシリン
ダ・ボディ31およびピストン・ロッド32の動きになっ
て、そのタイ・ロッド・アーム104,105を経てその後輪1
01,102に伝達され、そのようにして、そのブースタ27
は、その後輪101,102を操舵する。
そのコントロール・バルブ28は、スプール・バルブに製
作されて、そのブースタ27のシリンダ・ボディ31に組み
付けられ、そのフロント・ステアリング11の操舵を伝達
するその操舵位相切換え装置13でバルブ切換え操作さ
れ、そのオイル・ポンプ29からの圧油を方向制御し、そ
のブースタ27にその圧油を供給し、また、そのブースタ
27からそのオイル・リザーバ30にその圧油を戻す。
このコントロール・バルブ28は、そのブースタ27のシリ
ンダ・ボディ31に組み付けられたバルブ・ボディ33と、
そのバルブ・ボディ33のスプール・ボア(図示せず)に
往復摺動可能に配置されたスプール(図示せず)とを含
み、そのスプールがそのスプール・ボア内に往復摺動さ
れて、そのバルブ・ボディ33に形成されたポンプ・ポー
ト(図示せず)およびタンク・ポート(図示せず)が、
同様にそのバルブ・ボディ33に形成されたその3個のシ
リンダ・ポートに切り換え接続され、そのブースタ27の
一対のシリンダ室に流れる圧油を切り換え、その切換え
動作に伴って、そのシリンダ室からそのオイル・リザー
バ30に戻される圧油を方向制御する。
そのスプールは、そのバルブ・ボディ33の穴(図示せ
ず)に通されて、そのスプール・ボア内に伸長されたス
プール・シャフト34の先端に連結されてある。勿論、そ
のスプール・シャフト34は、その操舵位相切換え装置13
の出力側ピストン・ロッド56に出力側ワイヤ66で連結さ
れてあるので、そのスプールは、そのフロント・ステア
リング11の操舵を伝達するところのその操舵位相切換え
装置13でそのスプール・ボア内に往復摺動される。
そのオイル・ポンプ29は、通常のパワー・ステアリング
に使用されるオイル・ポンプと同様に製作され、その供
給側油圧配管35に配置されてある。
また、このオイル・ポンプ29は、そのトラック90に搭載
されたディーゼル・エンジン(図示せず)で駆動され、
そのオイル・リザーバ30から油を吸い上げ、加圧し、そ
のディーゼル・エンジンの回転数にほぼ比例した圧油の
吐出し量が得られるようにしている。
その操舵位相切換え装置13は、第1および2図から理解
されるように、ヘッド・カバー44を互いに共用されて、
入力側シリンダ・ボディ42および出力側シリンダ・ボデ
ィ43を一体化し、その入力側複動シリンダ40および出力
側複動シリンダ41を互いに対向的に接続した構造に製作
された。勿論、その一体化された入力側および出力側複
動シリンダ40,41はシャシ91にボルト−ナット手段(図
示せず)で固定されている。
その入力側複動シリンダ40は、シリンダ・ボア47を備え
た入力側シリンダ・ボディ42と、そのシリンダ・ボア47
に往復摺動可能に嵌め合わせられ、そのシリンダ・ボア
47内にヘッド側およびロッド側シリンダ室49,50を区画
する入力側ピストン53と、その入力側ピストン53に一端
を固定し、ロッド・カバー45の穴57を通ってその入力側
シリンダ・ボディ42の外側に他端側を出し入れ可能に伸
長している入力側ピストン・ロッド55とより構成され、
また、その入力側シリンダ・ボディ42には、そのヘッド
側およびロッド側シリンダ室49,50に開口されたヘッド
側およびロッド側オイル・ポート59,60が形成されてあ
る。
一方、その出力側複動シリンダ41は、その入力側複動シ
リンダ40と同じ形状に製作されてあって、シリンダ・ボ
ア48を備えた出力側シリンダ・ボディ43と、そのシリン
ダ・ボア48に往復摺動可能に嵌め合わせられ、そのシリ
ンダ・ボア48内にヘッド側およびロッド側シリンダ室5
1,52を区画する出力側ピストン54と、その出力側ピスト
ン54に一端を固定し、ロッド・カバー46の穴58を通って
その出力側シリンダ・ボディ43の外側に他端側を出し入
れ可能に伸長している出力側ピストン・ロッド45とより
構成され、また、その出力側シリンダ・ボディ43には、
そのヘッド側およびロッド側シリンダ室51,52に開口さ
れたヘッド側およびロッド側オイル・ポート61,62が形
成されてある。
さらに、その入力側および出力側複動シリンダ40,41
は、それらオイル・ポート59,60,61,62が一対の配管63,
64で接続され、その配管63,64に配置されたその方向切
換えバルブ14でそれらオイル・ポート59,60,61,62が切
り換え接続され、また、そのオイル・ポート59,60が互
いに接続されると同時に、そのオイル・ポート61,62が
互いに遮断されてそれらシリンダ室49,50,51,52に流れ
る圧油が方向制御され、そして、その出力側ピストン54
がその入力側ピストン53の動きに同位相または逆位相に
動かされ、さらには、その入力側ピストン53が空動きさ
れ、同時に、その出力側ピストン54が止められるところ
の油圧回路に組み立てられてある。
そのような構造に製作され、そして、そのような油圧回
路に組み立てられたところのその操舵位相切換え装置13
は、入力側ワイヤ65でその入力側ピストン・ロッド55を
そのフロント・ステアリング11のピットマン・アーム24
に連結し、また、出力側ワイヤ66でその出力側ピストン
・ロッド56をそのリア・パワー・ステアリング12のコン
トロール・バルブ28のスプール・シャフト34に連結して
そのフロント・ステアリング11とそのリア・パワー・ス
テアリング12との間に組み込まれ、そして、そのフロン
ト・ステアリング11およびリア・パワー・ステアリング
12を同位相または逆位相に操舵可能にし、また、そのフ
ロント・ステアリング11およびリア・パワー・ステアリ
ング12を互いに独立させてそのフロント・ステアリング
11のみを操舵可能にする。すなわち、この操舵位相切換
え装置13は、そのトラック90の走行速度に応じて、その
リア・パワー・ステアリング12のコントロール・バルブ
28をそのフロント・ステアリング11の操舵に同位相また
は逆位相にバルブ切り換え操作可能にし、また、必要な
場合には、そのフロント・ステアリング11の操舵を伝え
させなくしてそのコントロール・バルブ28のバルブ切り
換え操作を止め可能にする。
特に、その操舵位相切換え装置13では、その入力側ワイ
ヤ65とそのピットマン・アーム24との接続について、そ
の入力側ピストン・ロッド55がそのピットマン・アーム
24で移動されるところの変位は、そのスプール・シャフ
ト34の変位に同じになる位置、換言するならば、その前
輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θF)が1:
1になる位置において、その入力側ワイヤ65は、そのピ
ットマン・アーム24に接続されてある。
その入力側ワイヤ65は、そのシャシ90に固定されたブラ
ケット67,68に後端を支持させ、また、その出力側ワイ
ヤ66は、そのシャシ91に固定されたブラケット69,70,7
1,72に支持させてあって、その入力側ワイヤ65はそのピ
ットマン・アーム24の動きをその入力側ピストン・ロッ
ド55に円滑に伝達可能にしてあり、その出力側ワイヤ66
は、また、その出力側ピストン54の動きをそのコントロ
ール・バルブ28のスプール・シヤフト34に円滑に伝達可
能にしてある。
その方向切換えバルブ14は、第1図に示された中立位置
Aで、一対の入力側シリンダ・ポートが互いに接続さ
れ、同時に、一対の出力側シリンダ・ポートが閉じられ
るところの3位置4方向電磁弁で、その配管63,64に配
置され、そして、バルブ切換え動作が、車速センサ82で
感知された車速に応じて後述の後輪舵角制御装置15のコ
ントロール・ユニット78からソレノイド・コイル73,74
に選択的に流れる電流で行われる。
従って、その方向切換えバルブ14が第1図に示された中
立位置Aを取るならば、その入力側複動シリンダ40は空
動きされ、同時に、その出力側複動シリンダ41は中立位
置に止められ、また、その方向切換えバルブ14が第1図
に示された位置Bを取るならば、その入力側および出力
側複動シリンダ40,41は、互いに同位相で動かされ、さ
らに、その方向切換えバルプ14が第1図に示された位置
Cを取るならば、その入力側および出力側複動シリンダ
40,41は、互いに逆位相で動かされる。
その後輪舵角制御装置15は、そのリア・パワー・ステア
リング12におけるそのブースタ27のタイ・ロッド側支点
37をそのタイ・ロッド103に移動可能にピボット連結す
るガイド・リンク75と、そのブースタ27をそのシャシ側
支点38のまわりに揺動させるねじ機構76とそのねじ機構
76のねじ棒81を回転される電気モータ77と、その電気モ
ータ77に流れる電流を制御するコントロール・ユニット
78とより組み立てられ、車速に応じて変化させてあると
ころのその前輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θ
R)が第4図に示されるように最適に決定されてあ
る。
そのガイド・リンク75は、スライド溝79を備え、そのス
ライド溝79をそのトラック90の縦方向に伸長させて、そ
のタイ・ロッド103から後方に突き出されてある。そし
て、このガイド・リンク75は、そのブースタ27のタイ・
ロッド側支点37のピン(図示せず)をそのスライド溝79
に嵌め合わせ、そのトラック90の縦方向において、その
ブースタ27のタイ・ロッド側支点37をそのタイ・ロッド
103に移動可能に連結している。
特に、このガイド・リンク75は、第3および5図に示さ
れるように、そのブースタ27のタイ・ロッド側支点37
が、そのスライド溝79内のニュートラル位置から前後方
向にそれぞれ距離Lづつ移動可能にするために、そのス
ライド溝79の長さを2Lに設定してあり、そのブースタ27
のタイ・ロッド側支点37がその溝長さ2Lの範囲で前後方
向の移動距離XをL1,L2,L3,L4,…に変えることによっ
て、その前輪94,95とその後輪101,102との舵角比(θR/
θ)が、車速に応じて変えられるようにしてある。
そのねじ機構76は、そのブースタ27に取り付けられたホ
ルダ80と、そのホルダ80のねじ穴(図示せず)に結合さ
れたねじ棒81とより組み立てられ、そのねじ棒81をその
電気モータ77のモータ・シャフト(図示せず)に連結し
てある。そして、そのねじ機構76では、そのねじ棒81が
そのホルダ80にねじ結合されてあるので、そのねじ棒81
がその電気モータ77で右方および左方向に回転される
と、そのホルダ80はそのねじ棒81上に前後方向に移動さ
れ、そのブースタ27をそのシャシ側支点38のまわりに揺
動させる。
そのコントロール・ユニット78は入力側をその車速セン
サ82に、出力側をその電気モータ77にそれぞれ電気的に
接続し、その車速センサ82からの信号に応じてその電気
モータ77に流れる電流を制御し、その電気モータ77を正
逆回転させる。
また、このコントロール・ユニット78は、その出力側を
前述の方向切換えバルブ14のソレノイド・コイル73,74
にも電気的に接続してある。勿論、そのコントロール・
ユニット78は、そのトラック90のバッテリ(図示せず)
に電気的に接続されてある。
さらに、この前後輪操舵系統10は、その後輪101,102の
ために、そのタイ・ロッド・アーム104,105とそのシャ
シ91との間にステア・ロック・シリンダ83,84を配置
し、その入力側複動シリンダ40が空動きされ、同時に、
その出力側複動シリンダ41が中立位置に止められる際、
所謂、その前輪94,95のみが操舵される際、その後輪軸9
9,100をステア・ロック状態に置き、そして、その後輪1
01,102を直進状態にロック可能にする。その場合、その
トラック90は、操縦性および安定性が向上される。
勿論、そのステア・ロック・シリンダ83,84は、そのト
ラック90のエア・タンク(図示せず)に接続されてあっ
て、圧縮空気の供給、および排出は電磁弁(図示せず)
で行なわれる。
次に、上述のように構成されたその前後輪操舵系統10の
動作について、そのトラック90の走行状態に関連して述
べる。
先ず、そのトラック90が低速で走行されるならば、その
コントロール・ユニット78がその車速センサ82からの信
号に応じて、電流をそのソレノイド・コイル74に流し、
そして同時に、その電気モータ77に流れる電流を制御す
るので、そのソレノイド・コイル74が励磁され、その方
向切換えバルブ14は、第1図に示される位置Cを取り、
圧油がその入力側複動シリンダ40のヘッド側シリンダ室
49とその出力側複動シリンダ41のロッド側シリンダ室52
との間に流れ、その際、圧油が、その入力側複動シリン
ダ40のロッド側シリンダ室50とその出力側複動シリンダ
41のヘッド側シリンダ室51との間に流れ、その操舵位相
切換え装置13では、その入力側および出力側複動シリン
ダ40,41が互いに逆位相で動かされる状態に置かれ、一
方、その電気モータ77が駆動され、そのねじ棒81を回転
させて、そのガイド・リンク75のスライド溝79内におい
て、ニュートラル位置から前方にそのブースタ27のタイ
・ロッド側支点37を摺動させ、その後輪舵角制御装置15
では、車速に応じたところのその前輪94,95とその後輪1
01,102との舵角比(θR)を最適に決定し、そのリ
ア・パワー・ステアリング12がその決定された最適の舵
角比(θR)で、その後輪101,102を操舵可能にす
る状態に置かれる。
そこで、そのステアリング・ホイール20が、左方向に回
転されるならば、そのフロント・ステアリング11では、
そのピットマン・アーム24が、第1図において、後方に
揺動される。
そのように、そのピットマン・アーム24が後方に揺動さ
れると、そのドラック・リンク25がそのピットマン・ア
ーム24によって後方に押され、それに伴って、その前輪
軸92,93に回転可能に支持されているところのその前輪9
4,95は、そのナックル・アーム26、タイ・ロッド96、お
よびタイ・ロッド・アーム97,98を介して左方向に操舵
される。
そのように、そのフロント・ステアリング11が、その前
輪94,95を操舵すると、その入力側ワイヤ65がそのピッ
トマン・アーム24で後方に押され、それに伴って、その
入力側ピストン・ロッド55もまた、後方に押されるの
で、その入力側ピストン・ロッド55に一体的に固定され
たところのその入力側ピストン53は、その入力側シリン
ダ・ボディ42のシリンダ・ボア47内に後方に摺動され
る。
そのように、その入力側ピストン53が後方に摺動される
と、圧油が、そのヘッド側シリンダ室49からその出力側
複動シリンダ41のロッド側シリンダ室52に流れ、その出
力側ピストン54はその出力側シリンダ・ボディ43のシリ
ンダ・ボア48内に前方に摺動され、それに伴って、圧油
が、その出力側複動シリンダ41のヘッド側シリンダ室51
からその入力側複動シリンダ40のロッド側シリンダ室50
に流れ、その操舵位相切換え装置13では、その入力側お
よび出力側複動シリンダ40,41が互いに逆位相に動作さ
れる。
そのように、その出力側ピストン54がそのシリンダ・ボ
ア48内に前方に摺動されるに伴って、その出力側ワイヤ
66は、その出力側ピストン・ロッド56を介してその出力
側ピストン54で前方に引かれ、そのコントロール・バル
ブ28のスプール・シャフト34を操作する。
その結果、そのコントロール・バルブ28では、そのスプ
ール・シャフト34によって、そのスプールがそのバルブ
・ボディ33のバルブ・ボア内に摺動され、そのオイル・
ポンプ29から吐き出された圧油は、その供給側油圧配管
35を経てそのブースタ27の他方のシリンダ室に供給さ
れ、同時に、そのブースタ27の一方のシリンダ室の圧油
は、その戻り側油圧配管36を経てそのオイル・リザーバ
30に戻される。
その結果、そのブースタ27では、そのピストンがその他
方のシリンダ室からその一方のシリンダ室に摺動され、
そして、そのピストン・ロッド32がそのシリンダ・ボデ
ィ31の外側に押し出されるので、そのブースタ27が、全
体的に伸び、その後輪軸99,100に回転可能に支持されて
いるところのその後輪101,102は、そのタイ・ロッド10
3、および一対のタイ・ロッド・アーム104,105を介して
その決定された最適の舵角比(θR)で右方向に操
舵される。
また、そのステアリング・ホイール20が、右方向に回転
されるならば、それに伴って、そのフロント・ステアリ
ング11、操舵位相切換え装置13、およびリア・パワー・
ステアリング12は、前述の場合と逆に動作し、その前輪
94,95を右方向に操舵し、同時に、その決定された最適
の舵角比(θR)でその後輪101,102を左方向に操
舵する。
このようにして、このトラック90の低速走行では、その
後輪101,102がその決定された最適の舵角比(θR/
θ)でその前輪94,95に対して逆位相に操舵されるの
で、旋回の際には、そのトラック90は最小回転半径(最
小旋回半径)を縮小するように操舵され、その結果、こ
のトラック90では、旋回性能が向上され、また、縦列駐
車が非常に容易になる。
次には、そのトラック90が高速で走行されるならば、そ
のコントロール・ユニット78がその車速センサ82からの
信号に応じて、電流をそのソレノイド・コイル73に流
し、そして同時に、その電気モータ77に流れる電流を制
御するので、そのソレノイド・コイル73が励磁され、そ
の方向切換えバルブ14は、第1図に示された位置Bを取
り、圧油がその入力側複動シリンダ40のヘッド側シリン
ダ室49とその出力側複動シリンダ41のヘッド側シリンダ
室51との間に流れ、その際、圧油がその入力側複動シリ
ンダ40のロッド側シリンダ室50とその出力側複動シリン
ダ41のロッド側シリンダ室52との間に流れ、その操舵位
相切換え装置13では、その入力側および出力側複動シリ
ンダ40,41が互いに同位相で動かされる状態に置かれ、
一方、その電気モータ77が駆動され、そのねじ棒81を回
転させて、そのガイド・リンク75のスライド溝79内にお
いて、ニュートラル位置よりも後方にそのブースタ27の
タイ・ロッド側支点37を摺動させ、その後輪舵角制御装
置15では、車速に応じたところのその前輪94,95とその
後輪101,102との舵角比(θR)を最適に決定しそ
のリア・パワー・ステアリング12がその決定された最適
の舵角比(θR)で、その後輪101,102を操舵可能
にする状態に置かれる。
そこで、そのステアリング・ホイール20が、左方向に回
転されるならば、そのフロント・ステアリング11では、
そのピットマン・アーム24が、第1図において、後方に
揺動される。
そのように、そのピットマン・アーム24が後方に揺動さ
れると、そのドラック・リンク25がそのピットマン・ア
ーム24によって後方に押され、それに伴って、その前輪
軸92,93に回転可能に支持されているところのその前輪9
4,95は、そのナックル・アーム26、タイ・ロッド96、お
よびタイ・ロッド・アーム97,98を介して左方向に操舵
される。
そのように、そのフロント・ステアリング11が、その前
輪94,95を操舵すると、その入力側ワイヤ65がそのピッ
トマン・アーム24で後方に押され、それに伴って、その
入力側ピストン・ロッド55もまた、後方に押されるの
で、その入力側ピストン・ロッド55に一体的に固定され
たところのその入力側ピストン53は、その入力側シリン
ダ・ボディ42のシリンダ・ボア47内に後方に摺動され
る。
そのように、その入力側ピストン53が後方に摺動される
と、圧油が、そのヘッド側シリンダ室49からその出力側
複動シリンダ41のヘッド側シリンダ室51に流れ、その出
力側ピストン54はその出力側シリンダ・ボディ43のシリ
ンダ・ボア47内に後方に摺動され、それに伴って、圧油
が、その出力側複動シリンダ41のロッド側シリンダ室52
からその入力側複動シリンダ40のロッド側シリンダ室50
に流れ、この操舵位相切換え装置13では、その入力側お
よび出力側複動シリンダ40,41が互いに同位相に動作さ
れる。
そのように、その出力側ピストン54がそのシリンダ・ボ
ア48内に後方に摺動されるに伴って、その出力側ワイヤ
66は、その出力側ピストン・ロッド56を介してその出力
側ピストン54で後方に押され、そのコントロール・バル
ブ28のスプール・シャフト34を操作する。
その結果、そのコントロール・バルブ28では、そのスプ
ール・シャフト34によって、そのスプールがそのバルブ
・ボディ33のバルブ・ボア内に摺動され、そのオイル・
ポンプ29から吐き出された圧油は、その供給側油圧配管
35を経てそのブースタ27の一方のシリンダ室に供給さ
れ、同時に、そのブースタ27の他方のシリンダ室の圧油
は、その戻り側油圧配管36を経てそのオイル・リザーバ
30に戻される。
その結果、そのブースタ27では、そのピストンがその一
方のシリンダ室からその他方のシリンダ室に摺動され、
そして、そのピストン・ロッド32がそのシリンダ・ボデ
ィ31の内側に引っ込められるので、そのブースタ27が、
全体的に縮み、その後輪軸99,100に回転可能に支持され
ているところのその後輪101,102は、そのタイ・ロッド1
03、および一対のタイ・ロッド・アーム104,105を介し
てその決定された最適の舵角比(θR)で左方向に
操舵される。
また、そのステアリング・ホイール20が右方向に回転さ
れるならば、それに伴って、そのフロント・ステアリン
グ11、操舵位相切換え装置13、およびリア・パワー・ス
テアリング12は、前述の場合と逆に動作し、その決定さ
れた最適の舵角比(θR)でその前輪94,95および
後輪101,102を右方向に操舵する。
そのようにして、このトラック90の高速走行では、その
前輪94,95および後輪101,102がその決定された最適の舵
角比(θR)で同位相に操舵されるので、旋回の際
には、そのトラック90は、アンダ・ステア傾向になさ
れ、走行安定性が向上される。
さらに、その前輪94,95および後輪101,102の操舵を互い
に独立させ、その前輪94,95のみを操舵する場合につい
て述べる。
この場合には、先ず、そのソレノイド・コイル73,74に
流れる電流を切り、その方向切換えバルブ14には、第1
図に示された位置Aを取らせ、その入力側複動シリンダ
40においては、圧油が、そのヘッド側シリンダ室49とそ
のロッド側シリンダ室50との間に自由に流れ、その入力
側複動シリンダ40は、空動き状態に置き、同時に、その
出力側複動シリンダ41においては、圧油がそのヘッド側
シリンダ室51とそのロッド側シリンダ室52との間に流さ
れず、その出力側複動シリンダ41はニュートラル位置に
ロックされた状態に置く。
一方、その後輪舵角制御装置15では、その電気モータ77
に流れる電流を制御し、その電気モータ77を駆動してね
じ棒81を回転し、そのガイド・リンク75のスライド溝79
内において、ニュートラル位置にそのブースタ27のタイ
・ロッド側支点37を摺動させて、そのブースタ27のタイ
・ロッド側支点37をそのスライド溝79のニュートラル位
置にセットする。
そのように、そのリア・パワー・ステアリング12および
操舵位相切換え装置13をセットしたならば、その電磁弁
で圧縮空気をそのステア・ロック・シリンダ83,84から
大気中に排出させ、そのステア・ロック・シリンダ83,8
4を動作させ、その後輪軸99,100をステア・ロック状態
に置いて、その後輪101,102を直進状態にロックする。
そこで、そのステアリング・ホイール20が左右方向に回
転されるならば、前述のようにして、そのフロント・ス
テアリング11は、その前輪94,95を左右方向に操舵す
る。
そして、そのフロント・ステアリング11の操舵は、その
操舵位相切換え装置13で遮断され、そのリア・パワー・
ステアリング12に伝達されず、結局、そのトラック90は
そのフロント・ステアリング11のみで操舵される。
上述の前後輪操舵系統10では、そのフロント・ステアリ
ング11が、マニュアル・ステアリングに構成されたもの
として説明されたが、このフロント・ステアリング11
は、パワー・ステアリングに構成することも可能であ
る。
先に図面を参照して説明されたところのこと発明の特定
された具体例から明らかであるように、この発明の属す
る技術の分野における通常の知識を有する者にとって、
この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本
質(substance)に由来し、そして、それらを内在させ
ると客観的に認められる別の態様に容易に具体化され
る。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し
(be commensurate with)、そして、その発明の成立
に必須である。
発明の便益 上述から理解されるように、この発明の自動車に使用さ
れる前後輪操舵系統は、一対の前輪を操舵するフロント
・ステアリング、および一対の後輪を操舵するリア・パ
ワー・ステアリングが備えられ、操舵位相切換え装置
が、入力側複動シリンダおよび出力側複動シリンダを備
え、そして、その入力側複動シリンダのピストン・ロッ
ドをそのフロント・ステアリングの出力側に、その出力
側複動シリンダのピストン・ロッドをそのリア・パワー
・ステアリングのコントロール・バルブの入力側にそれ
ぞれ連結し、方向切換えバルブが、低速走行時、その入
力側複動シリンダの一方のシリンダ室およびその出力側
複動シリンダの他方のシリンダ室の間と、その入力側複
動シリンダの他方のシリンダ室およびその出力側複動シ
リンダの一方のシリンダ室の間とにそれぞれ圧油を流し
てその入力側および出力側複動シリンダを互いに逆位相
に動かし、また、高速走行時、その入力側および出力側
複動シリンダの一方のシリンダ室間と、その入力側およ
び出力側複動シリンダの他方のシリンダ室間とのそれぞ
れ圧油を流してその入力側および出力側複動シリンダを
互いに同位相に動かし、そして、後輪舵角制御装置が、
車速に応じてその前輪とその後輪との舵角比を変えると
ころで構成されるので、この発明の自動車に使用される
前後輪操舵系統では、その方向切換えバルブをバルブ切
り換えし、その操舵位相切換え装置において、その入力
側複動シリンダおよび出力側複動シリンダ間に流れる油
を方向制御し、同時に、その後輪舵角制御装置が、車速
に応じで、その前輪とその後輪との舵角比を変えて、最
適の舵角比を決定し、その決定された最適の舵角比で、
リア・パワー・ステアリングがその後輪を操舵し、自動
車が低速で走行する際には、その前輪および後輪が、そ
の決定された最適の舵角比で、しかも、互いに逆位相で
操舵可能になり、旋回時には、その自動車の最小回転半
径が最適に縮小され、それに伴って、自動車の旋回性能
が向上され、そして、縦列駐車が非常に容易になり、ま
た、その自動車が高速で走行する際には、その前輪およ
び後輪がその決定された最適の舵角比で、しかも、互い
に同位相で操舵可能になり、旋回時には、その自動車が
最適なアンダ・ステア傾向になり、それらの操舵が可能
になることによって、操舵性および安定性が向上され、
それに加えて、操舵系統としての複雑化が抑制され、そ
れに伴って、製作が廉価に可能になり、その結果、自動
車にとって非常に有用で実用的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トラックに適用され、前輪のみの操舵状態に
あるところのこの発明の自動車に使用される前後輪操舵
系統の概説図、第2図は、第1図に示すその前後輪操舵
系統に使用された操舵位相切換え装置の縦断面図、第3
図は第1図に示すその前後輪操舵系統に使用されたとこ
ろのリア・パワー・ステアリングのブースタと後輪舵角
制御装置のガイド・リンクとの平面図、第4図は、その
後輪舵角制御装置で決定される前輪と後輪との最適の舵
角比(θR)を示す舵角比特性図、および、第5図
は、そのガイド・リンクのスライド溝内に移動されたそ
のブースタのタイ・ロッド側支点の位置に関連したその
前輪とその後輪との舵角の関係を示す図である、 11……フロント・ステアリング、12……リア・パワー・
ステアリング、13……操舵位相切換え装置、14……方向
切換えバルブ、15……後輪舵角制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の前輪を操舵するフロント・ステアリ
    ング、および一対の後輪を操舵するリア・パワー・ステ
    アリングを備えるものにおいて、 操舵位相切換え装置が、入力側複動シリンダおよび出力
    側複動シリンダを備え、そして、その入力側複動シリン
    ダのピストン・ロッドをそのフロント・ステアリングの
    出力側に、その出力側複動シリンダのピストン・ロッド
    をそのリア・パワー・ステアリングのコントロール・バ
    ルブの入力側にそれぞれ連結し、 方向切換えバルブが、低速走行時、その入力側複動シリ
    ンダの一方のシリンダ室およびその出力側複動シリンダ
    の他方のシリンダ室の間と、その入力側複動シリンダの
    他方のシリンダ室およびその出力側複動シリンダの一方
    のシリンダ室の間とにそれぞれ圧油を流してその入力側
    および出力側複動シリンダを互いに逆位相に動かし、ま
    た、高速走行時、その入力側および出力側複動シリンダ
    の一方のシリンダ室間と、その入力側および出力側複動
    シリンダの他方のシリンダ室間とにそれぞれ圧油を流し
    てその入力側および出力側複動シリンダを互いに同位相
    に動かし、そして、 後輪舵角制御装置が、車速に応じてその前輪とその後輪
    との舵角比を変える ところに特徴がある自動車に使用される前後輪操舵系
    統。
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