JPH0725126Y2 - コンパクトケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、揮発性成分を含有した化粧料を収容する気密
性を有したコンパクトケースに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、揮発性成分を含有した化粧料を収容する気密
性を有したコンパクトケースは、蓋体と器体の間に弾性
を有したパッキンを配置し、蓋体を閉じる事により、化
粧料の周囲にパッキンを密着させ、化粧料を密封する構
成が多く提案されている。

しかし、この種の構成は、蓋体を閉じて化粧料の周囲に
パッキンを密着させると、パッキンの弾性は蓋体を上方
に押し上げる反発力となってしまった。従って、この反
発力に対抗して、蓋体を閉じた状態で保持しておく係止
機構及びこの係止機構を任意で解除する開蓋機構をより
強固にしなければならなかった。

そこで、本出願人は、実開昭62−204503号公報に於い
て、蓋体の下面に化粧料の周囲に密着するパッキンを止
着し、器体に先端が蝶番方向に屈曲したフック片を回動
自在に軸着し、このフック片の先端にローラーを回動自
在に軸着し、蓋体の上面にローラーが乗り越え、且つ係
合可能な係止片及びフック受け溝を刻設した構成を提案
している。この構成の場合、蓋体とフック片の係合をよ
り強固にしても、ローラーが回動する事により、フック
片の係合及び係合解除操作が容易にかつ楽に行えるもの
となっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この構成の場合、蓋体を押し下げる事によりパ
ッキンを圧縮し気密性を得ている点、フック片が蓋体の
先端部分を押し下げている点、及び、蓋体が使用上及び
携帯の都合上薄く小さく構成されている点により、蓋体
の強度がパッキンの反発力に耐えるのには不十分とな
り、パッキンの反発力により蓋体の中程が押し上げら
れ、蓋体がへの字状に屈曲してしまい、必要充分な気密
性が得られなくなってしまう危険性があった。

また、フック片及びローラーは、蓋体の上面に係合して
いるため、フック片及びローラーが蓋体の上面に露出し
てしまい、大変見苦しいものとなっていた。

〔課題を解決する為の手段〕

揮発性成分を含有した化粧料３が充填され、上端がフラ
ンジ部５となった中皿４を収納した器体１と、下面に前
記中皿４のフランジ部５に当接し、内部を密閉するパッ
キン15を止着し、上面がパフ16を載置する受け皿17とな
った中枠12と、下面にパフ16が収納されるパフ収納所18
を刻設し、該パフ収納所18の周囲に前記中枠12の上面に
当接する当接突部19を突設した蓋体10とより成り、器体
１、中枠12、蓋体10の順に配置し、それぞれを開閉自在
に蝶着した構成に於て、蓋体10の先端には、屈曲して器
体１の下面にまで達するフック片20を回動自在に軸着す
る。このフック片20の先端上面には、器体１の上端縁部
付近にまで達する遊動片21を回動自在に軸支する。この
遊動片21の先端には、ローラー22を回動自在に保持させ
る。前記器体１の先端には、前記ローラー22の上端が当
接する係合凹部９を刻設する。そして、蓋体10が閉じた
状態で、この係合凹部９と遊動片21の軸支部間の距離
を、ローラー22の上端と遊動片21の軸支部間の距離より
も僅かに短く構成する。本考案は以上構成のコンパクト
ケースである。

〔作用〕

蓋体10が閉じて、遊動片21のローラー22が器体１の係合
凹部９に係合した状態では、遊動片21の軸支部と係合凹
部９間の距離が、遊動片21の軸支部とローラー22の上端
間の距離より僅かに短く構成されているため、その長さ
の差だけ蓋体10が下方に押し下げられ、蓋体10の当接突
部19が中枠12を押下し、中枠12のパッキン15が中皿４の
フランジ部５に当接密着して中皿４内の化粧料３を密閉
している。

ここで、フック片20を手前に引くと、遊動片21のローラ
ー22が器体１の係合凹部９に係合したままフック片20が
回動する。そして、ある程度フック片20が回動した所
で、ローラー22が係合凹部９より脱出し、蓋体10の押し
下げが解除され、フック片20を保持したまま蓋体10を開
く事が可能となる。

〔実施例〕

揮発性成分を含有した化粧料３は、中皿４に充填されて
いる。この中皿４の上端には、外周方向に突出したフラ
ンジ部５を設けている。

器体１の上面には、化粧料収納所２を刻設している。こ
の化粧料収納所２には中皿４が納置されている。また、
器体１の後端部には、切り欠き部７が刻設されている。
更に器体１の前端部には、前端部より下面にかけて開溝
した凹溝８が刻設されている。この凹溝８の上端には、
係合凹部９が刻設されている。

この器体１の切り欠き部７には、蓋体10の端部に垂下し
た蓋蝶番片11及び、中枠12の端部に垂下した中枠蝶番片
13が開閉自在に蝶着して蝶番６を構成している。そし
て、下から器体１、中枠12、蓋体10の順に配置され、そ
れぞれが開閉自在に連結したものとなっている。

中枠12の下面には、鏡14が貼着されている。この鏡14の
周囲には、中枠12を閉じた際中皿４のフランジ部５の上
面に当接して密着し、化粧料３を密閉するパッキン15が
止着されている。また、中枠12の上面は、パフ16が載置
される受け皿17となっている。

蓋体10の下面には、パフ16が収納されるパフ収納所18が
刻設されている。このパフ収納所18の周囲には、蓋体10
を閉じた時、中枠12の上面に当接し、中枠12を押し下げ
る当接突部19が周設されている。

また、蓋体10の先端には、フック片20が回動自在に軸支
されている。このフック片20の先端は、器体１の下面に
まで達しており、先端が蝶番６方向に屈曲して、蓋体10
を閉じた際、器体１の凹溝８内に侵入する様構成されて
いる。また、フック片20の先端の蝶番６がわ側壁には、
遊動片21が回動自在に軸支されている。この遊動片21の
先端には、蓋体10を閉じた際、器体１の凹溝８の係合凹
部９に突入係合するローラー22が回動自在に保持されて
いる。尚、蓋体10を閉じた際、遊動片21の軸支部と器体
１の凹溝８内の係合凹部９間の距離が、遊動片21の軸支
部とローラー22の上端間の距離より僅かに短いものとな
っている。従って、遊動片21は、係合凹部98にローラー
22が係合した時、前述した差によってパッキン15を中皿
４のフランジ部５に密着させ、更にフック片20を僅かに
屈曲させ、反発力を生じさせる。この反発力は、ローラ
ー22と係合凹部９の係合を保持させている。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、蓋体10を介して中枠12を押下する
事によりパッキン15を密着させて気密性を得ているた
め、蓋体10が両端の蝶番６とフック片20に保持され、そ
の間にパッキン15の反発力が発生したとしても、気密性
には何ら影響のないものとなっている。しかも中枠12は
器体１及び蓋体10の内部に収納され、単独のパーツであ
るため、強度の高い金属板で構成でき、中枠12が屈曲し
てしまって気密性を損なってしまう様な事もない。

しかも、係合凹部９と係合する部分にローラー22を配置
したため、器体１とフック片20の係合をより強固にして
も、ローラー22が回動する事により、フック片20の係合
及び係合解除操作が容易にかつ楽に行えるものとなって
いる。更に、器体１の係合凹部９に係合するローラー22
は、フック片20の内がわに遊動片21を介して軸支されて
いるため、蓋体10が閉じている場合、フック片20により
ローラー22が隠れてしまい、外観が見苦しいものとなら
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案実施例の側断面図。第３図
は、要部拡大図。 １〜器体、３〜化粧料、４〜中皿、５〜フランジ部、９
〜凹部、10〜蓋体、12〜中枠、15〜パッキン、16〜パ
フ、17〜受け皿、18〜パフ収納所、19〜当接突部、20〜
フック片、21〜遊動片、22〜ローラー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】揮発性成分を含有し化粧料（３）が充填さ
   れ、上端がフランジ部（５）となった中皿（４）を収納
   した器体（１）と、下面に前記中皿（４）のフランジ部
   （５）に当接し、内部を密閉するパッキン（15）を止着
   し、上面がパフ（16）を載置する受け皿（17）となった
   中枠（12）と、下面にパフ（16）が収納されるパフ収納
   所（18）を刻設し、該パフ収納所（18）の周囲に前記中
   枠（12）の上面に当接する当接突部（19）を突設した蓋
   体（10）とより成り、器体（１）、中枠（12）、蓋体
   （10）の順に配置し、それぞれを開閉自在に蝶着した構
   成に於いて、 蓋体（10）の先端には、屈曲して器体（１）の下面にま
   で達するフック片（20）を回動自在に軸着し、該フック
   片（20）の先端上面には器体（１）の上端縁部付近にま
   で達する遊動片（21）を回動自在に軸支し、該遊動片
   （21）の先端にはローラー（22）を回動自在に保持し、
   器体（１）の先端には上記ローラー（22）の上端が当接
   する係合凹部（９）を刻設し、 前記蓋体（10）が閉じた状態で、該係合凹部（９）と前
   記遊動片（21）上端の軸支部間の距離を、ローラー（2
   2）の上端と遊動片（21）上端の軸支部間の距離よりも
   僅かに短くした事を特徴とするコンパクトケース。