JP2528254Y2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は気密生を有する化粧用コンパクト容器に関す
る。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 一般に、化粧用コンパクト容器は、扁平な容器本体
と、蓋体とを各後部で開閉自在に枢着させ、閉じた蓋体
が前部で容器本体に係止可能に構成しているものが挙げ
られる。しかし、通常は、容器本体と蓋体とが単に突き
合わされただけ、或いはそれに近いルーズな状態で嵌合
されているため、ハンドバック等に入れて携帯すると、
姿勢と振動によって内部の化粧料が洩れ出て周辺を汚す
ことがある。

又、化粧用コンパクトに収納する化粧品の中には空気
に触れると徐々に劣化するものが多く、その為、気密性
を有する容器が要求されている。

その様な要求に応えるべく、気密コンパクト容器が提
案されている（実開平１−164916号）。この容器は、容
器本体上面と蓋体内面との間に弾性シール材を配設し、
このシール材に環状のヒンジ部を設けるとともに、その
外方に環状のシール用突起を設け、蓋体を閉じた際シー
ル用突起が容器本体の凹所の周囲に押圧される様構成し
てなるものである。

しかしながら、環状のシール用突起を容器本体上面に
押圧して気密性を保持する場合は、シール用突起下端が
蓋の開閉の度に圧縮変形する為、度重なる開閉でシール
用突起下端が変形して容器体上面の密着性が局部的に悪
くなり、その結果、良好な気密性を得られなくなる虞が
ある。

本考案は、上記の点に鑑み、良好な気密性を得ること
ができる化粧用コンパクト容器を提案することを目的と
するものである。

「課題を解決するための手段」 本請求項１考案の化粧用コンパクト容器は、上記課題
を解決するため、化粧品８を収納させた上面開放の化粧
品収納凹部を有する容器本体２と、該本体２後部に後部
を枢着して容器本体２上面を開閉自在に設けた化粧具収
納皿３と、該収納皿３裏面に設けて上記化粧品収納凹部
上面を被覆可能に構成したシール部材４と、上記容器本
体２後部に後部を枢着して上記化粧具収納皿３上面を開
閉自在に設けた蓋体５と、蓋体５を閉じた状態で蓋体５
を容器本体２に係止する係合装置６とを備え、上記シー
ル部材４を、収納皿３裏面に三次元のあらゆる方向に回
動可能な如く吊り下げた被覆板11と、該被覆板11下面に
嵌着固定してその外周縁より環状のシール用突起13を垂
下するとともに、被覆板下部中央に鏡14を係止固定させ
た軟質材よりなる突起形成部材12とから構成し、上記蓋
体５を閉じた際、上記シール用突起13が化粧品収納凹部
周囲に圧接して化粧品収納凹部上面を気密にシールする
如く構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容
器として構成した。

また、本請求項２考案の化粧用コンパクト容器は、上
記シール部材４に代えて、収納皿３裏面に三次元のあら
ゆる方向に回動可能な如く吊り下げた被覆板11の外周縁
より環状のシール用突起13を一体に垂設し、且つ、下面
中央に鏡14を係止固定させた軟質材よりなるシール部材
４を設けてなる請求項１記載の化粧用コンパクト容器と
して構成した。

「作用」 第１図示の状態では、シール部材４のシール用突起13
が化粧品８を収納したドラム９の周壁上面に圧接してお
り、その結果ドラム９上面を気密にシールしている。

使用に際しては、押ボタン21前面を押してフック20の
係合を解除すれば蓋体５が開き、次いで、化粧具収納皿
３を開いて化粧品を使用することができる。

使用後は化粧具収納皿３を閉じた後蓋体５を閉じれば
第１図示の状態となる。この際、シール部材４を、化粧
具収納皿３の底壁裏面に三次元のあらゆる方向に回動可
能な如く吊り下げているため、シール用突起13下面或い
はドラム周壁上面に若干のゆがみがあっても、十分に補
正して良好なシールを行えるものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

図中１は化粧用コンパクト容器を示し、該容器１は、
容器本体２と、化粧具収納皿３と、シール部材４と、蓋
体５と、係合装置６とを主部材として構成している。

上記容器本体２は、上面開放の凹部７を有し、該凹部
７に化粧品８を収納させた化粧品収納凹部としてのドラ
ム９を嵌合している。

化粧具収納皿３は、容器本体２の後部にその後部に枢
着して容器本体２上面を開閉自在に設けてあり、その収
納凹部内に化粧用パフ10を収納載置している。

シール部材４は、収納等３裏面に設けて上記化粧品収
納凹部上面を被覆可能に構成したもので、本実施例では
円板状の被覆板11の下面に、エラストマーなどの軟質材
よりなる突起形成部材12を嵌着して構成している。この
突起形成部材12は、円板状の基部の外周縁より垂設した
周壁下端縁より外向きフランジ状にシール用突起13を延
設している。又、突起形成部材12の基部下面には鏡14を
嵌着している。更に、被覆板12の上面中央より吊り下げ
用突起15を突設しており、この突起15を化粧具収納皿３
の底壁裏面より垂設した嵌合筒16に遊嵌して、シール部
材４が三次元のあらゆる方向に回動可能な如く吊り下げ
ている。この吊り下げ構造は、第１図及び第２図示の実
施例に示すものに限定されず、例えば、第７図に示す如
く被覆板11の上面中央より先端が球状に形成された吊り
下げ用突起15を突設し、該突起15の先端を化粧具収納皿
３下面に設けた嵌合凹部18に回動自在に嵌合して吊り下
げても良い。

又、上記シール部材の構造も上記第１図の実施例のも
のに限定されず、例えば、第３図〜第５図に示す如き構
造であっても良く、要は、収納皿裏面に三次元のあらゆ
る方向に回動可能な如く吊り下げた被覆板11と、該被覆
板11下面に嵌着固定してその外周縁より環状のシール用
突起13を垂下するとともに、被覆板下部中央に鏡14を係
止固定する軟質材よりなる突起形成部材12とから構成
し、突起13により化粧品を収納した収納凹部上面を気密
にシールすることが可能であれば良い。

また、シール部材14は第６図に示す如く、全体を軟質
材で構成し、鏡14を係止固定させる如く構成したもので
あっても良い。

蓋体５は、容器本体２の後部にその後部を枢着して上
記化粧品収納皿３の外側の容器本体２上面に周壁下面を
当接可能に構成するとともに、化粧具収納皿３上面を開
閉自在に設けており、又頂壁裏面前部より容器本体２の
周壁前面に突設した係合突起19に係合するフック20を垂
設している。

係合装置６は、上記容器本体２の係合突起19と上記蓋
体５のフック20と、容器本体２前部に枢着した押ボタン
21とから構成している。上記フック20は化粧具収納皿３
の周壁前部下端より突設した鍔部22に穿設した透孔23を
介して係合突起19と係合する如く構成しており、又押ボ
タン21前面を後方へ押圧することにより、押ボタン21が
回動してフック20下面を押圧してフックの係合を解除す
る如く構成している。

尚、上記容器本体、化粧具収納皿、蓋体、押ボタン等
は全て合成樹脂にて形成すると良い。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案化粧用コンパクト容器は、シ
ール部材を化粧具収納皿底壁裏面に、三次元のあらゆる
方向に回動可能な如く吊り下げたことによって、シール
用突起或いは該突起を圧接する面に多少の歪みがあって
も、それを補正する如くシール部材が働くため、気密性
を低下することなく良好なシールが行え、内容物の劣化
を極力防止できるものである。又ハンドバック等に入れ
て携帯しても内容物が洩れ出るという不具合を生じるこ
ともない。

また、シール部材を、被覆板と、該被覆板下面に嵌着
固定してその外周縁より環状のシール用突起を垂下する
とともに、被覆板下部中央に鏡を係止固定させた軟質材
よりなる突起形成部材とから構成したので、柔軟な軟質
材で形成された突起形成部材により貼着等の手段を採ら
ずに鏡を係止でき、上記良好なシール性と簡単な鏡の組
み付けを併せて行えるという利点がある。

また、シール部材を軟質材により一体に形成したもの
にあっては、製造をより簡略化することができるととも
に、装着した鏡によりその保形性も確実に維持でき、シ
ール部材全体が軟質材で形成されているにも係わらず、
使用操作中に被覆板が変形する等の不都合を生じること
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧用コンパクト容器の一実施例を示す
縦断面図、第２図は要部拡大縦断面図、第３図〜第６図
は他の実施例の要部縦断面図、第７図は他の実施例の要
部拡大縦断面図である。 ２……容器本体、３……化粧具収納皿、４……シール部
材、５……蓋体、６……係合装置

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧品８を収納させた上面開放の化粧品収
   納凹部を有する容器本体２と、該本体２後部に後部を枢
   着して容器本体２上面を開閉自在に設けた化粧具収納皿
   ３と、該収納皿３裏面に設けて上記化粧品収納凹部上面
   を被覆可能に構成したシール部材４と、上記容器本体２
   後部に後部を枢着して上記化粧具収納皿３上面を開閉自
   在に設けた蓋体５と、蓋体５を閉じた状態で蓋体５を容
   器本体２に係止する係合装置６とを備え、上記シール部
   材４を、収納皿３裏面に三次元のあらゆる方向に回動可
   能な如く吊り下げた被覆板11と、該被覆板11下面に嵌着
   固定してその外周縁より環状のシール用突起13を垂下す
   るとともに、被覆板下部中央に鏡14を係止固定させた軟
   質材よりなる突起形成部材12とから構成し、上記蓋体５
   を閉じた際、上記シール用突起13が化粧品収納凹部周囲
   に圧接して化粧品収納凹部上面を気密にシールする如く
   構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器。
2. 【請求項２】上記シール部材４に代えて、収納皿３裏面
   に三次元のあらゆる方向に回動可能な如く吊り下げた被
   覆板11の外周縁より環状のシール用突起13を一体に垂設
   し、且つ、下面中央に鏡14を係止固定させた軟質材より
   なるシール部材４を設けてなる請求項１記載の化粧用コ
   ンパクト容器。