JPH0725125Y2 - 化粧品容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、化粧品容器、やや詳しくは容器本体後部に蓋体
後部を枢着させた容器に係る。

「従来の技術」 この種容器の蓋体を容易に開蓋するための工夫が種々為
されており、例えば、コンパクト容器において、容器本
体前部に前面および上面開口の凹部を形成すると共に、
該凹部に押釦を回動可能に枢着させ、該押釦下部を押込
むことにより押釦上面後部で蓋体を押上げ、容器本体と
蓋体との係合を取外すよう形成することが知られてい
る。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来のコンパクト容器では、容器本体前面に押釦を
位置させているため、押釦を大形化することに自ずと限
界があり、押釦が小さくて押込み操作がやや行い難かっ
た。

本案は、蓋体上面のほぼ全体に押釦を形成することによ
って、上記不都合を解消し、押込み操作を容易かつ迅速
に行えるようにしたものである。

「課題を解決するための手段」 容器本体１後部に蓋体16後部を枢着させた化粧品容器で
あって、上記容器本体１は、底壁３周縁から周壁４を起
立すると共に、該周壁の前部に上面および前面開口の凹
部６を形成した容器体部材２と、上記凹部６前部に前板
部10を離脱不能に嵌合させると共に、該前板部の前面中
央部に第１係合突条11を形成し、かつ前板部の左右両部
から後板部12,12をそれぞれ後方へ突出し、該後板部の
上端に揺動棒13,13の中間部を、ヒンジ部14,14を介して
かつ左右方向に付設した補助部材９とで形成し、更に、
上記蓋体16は、上記周壁４の外面に嵌合させた短周壁18
の後部に上記枢着部分を設け、該短周壁の上端に内向き
フランジ19を付設し、かつ短周壁の前部内面に上記第１
係合突条11下面に係合させた第２係合突条20を有する枠
状部材17と、上記内向きフランジ19のフランジ孔内に上
面板24を上方への抜出しが不能に嵌合させると共に、該
上面板の後部を上記短周壁18の後部内面に連結させた押
下げ部材23とで形成し、上記上面板24の前部左右両部か
ら垂下した押下げ棒26,26の下端面を上記揺動棒13,13一
端上面に当接させると共に、該左右両押下げ棒下端面が
当接しない揺動棒他端の上面部分に上記短周壁18の前部
内面から後方へ突出した小板部21を載置させ、更に、上
記揺動棒13,13を、上面板24前部の押下げにより、上記
揺動棒の他端が小板部21を介して枠状部材17前部を押上
げて上記第1,第２係合突条11,20の係合を取外すことが
可能な、長さに形成した。

「作用」 第１図の状態から、上面板24の前部を押下げると、第３
図の二点鎖点が示すように、揺動棒13,13がヒンジ部14,
14を中心として傾むき、押下げ棒18,18下端面が当接し
ない側の揺動棒端部上面が小板部21を介して枠状部材17
の前部を押上げ、第１、第２両係合突条11,20の係合が
外れ、蓋体16が開蓋する。該状態から、蓋体16を前方へ
倒すと、第１、第２両係合突条11,20が相互に係合し、
蓋体が閉蓋される。

「実施例」 １は容器本体であり、該容器本体は、容器体部材２と補
助部材９とで形成されている。容器体部材２は、底壁３
周縁から周壁４を起立させたものであり、該周壁は、内
外二重の周壁部により形成され、かつ、これ等内外両周
壁部間の間隙下面開口をリング状の底部５により閉塞さ
せている。また、周壁４の前部に上面および前面開口の
凹部６を形成し、該凹部の左右両壁部に溝部7,7を形成
すると共に、凹部の底部左右両部に小透孔8,8を穿設す
る。上記補助部材９は、上記凹部６の前部に前板部10を
嵌合させると共に、該前板部の前面中央部に第１係合突
条11を形成し、かつ、前板部の左右両部から後板部12,1
2を後方へ突出したものであり、該後板部の上端に揺動
棒13,13の中間部を、ヒンジ部14,14を介してかつ左右方
向に付設し、該揺動棒を、後述上面板24前部の押下げに
より、揺動棒の相互に対向する側の端部が後述枠状部材
17の前部を押上げて容器本体と蓋体との係合を取外すこ
とが可能な、長さに形成している。また、上記後板部1
2,12の左右両部から垂設した係合板部15,15を既述小透
孔8,8内に抜出し不能に嵌合させる。

上記容器本体１の後部には、蓋体16の後部を枢着させる
が、該蓋体は、枠状部材17と押上げ部材23とで形成され
ている。枠状部材17は、上記容器体部材周壁４の上部外
面に短周壁18を嵌合させると共に、該短周壁の後部に形
成した枢着部を容器本体１の後部に枢着させ、更に、短
周壁18の上端に内向きフランジ19を付設したものであ
り、短周壁18の前部内面に形成した第２係合突条20を既
述第１係合突条11の下面に係合させている。また、短周
壁18の前部内面から小板部21を後方へ突出し、該小板部
を、既述揺動棒相互に対向する側の端部とヒンジ部14,1
4間の揺動棒部分上面に載置させている。更に、該小板
部上方の短周壁内面部分に逆Ｔ字状の小突部22を形成す
る。上記押下げ部材23は、既述内向きフランジ19のフラ
ンジ孔内に上面板24を嵌合させると共に、該上面板前部
に形成した板部25左右両部から押下げ棒26,26を垂下
し、該押下げ棒の下端面を既述揺動棒13,13の相互に対
向しない側の端部上面に当接させ、かつ、板部25前部中
央部に形成した切欠き27内に既述小突部22の上部を挿通
させている。また、板部25の上面が既述内向きフランジ
19の前部下面に係合し、上面板24がフランジ孔内から上
方へ抜け出すのを防止するよう形成している。更に、上
面板24の後部から連結板28を垂設し、該連結板を既述短
周壁18の後部内面に連結させている。

尚、29は、蓋体を開蓋方向へ付勢するトーションスプリ
ングである。

「考案の効果」 本案は、上記構成とするものであり、枠状部材の内向き
フランジ19のフランジ孔内に、第１、第２係合突条11、
20を外すための上面板24を嵌合させ、蓋体上面のほぼ全
体を上面板24で形成したから、既述従来容器の押釦に比
べて上面板24が遥かに大きく、よって、該上面板の押下
げ操作を容易かつ迅速的に行うことができ、また、上面
板24前部の押下げにより、揺動棒13,13が傾いて枠状部
材17前部を押上げかつ第１、第２係合突条11,20の係合
を取外すよう形成したから、容器をテーブル等に載置し
た状態では、片手による押下げ操作により蓋体を開蓋す
ることができ、使用上極めて便利であり、更に、後板部
12、12の上端に揺動棒13,13の中間部をヒンジ部14,14を
介して付設し、かつ、押下げ棒26,26の下端面を揺動棒1
3,13一端上面に当接させ、上面板24前部の押下げによ
り、揺動棒13,13の他端が枠状部材17前部を押上げて第
１、第２係合突条11,20の係合を取外すよう形成したか
ら、枠状部材17前部の押上げ時に、揺動棒13,13がてこ
として作用することとなり、上面板24の押下げに要する
力が軽減され、開蓋時の操作性が良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案容器の縦断面図、第２図は、容器要部の
分解斜視図、第３図は、容器要部の拡大縦断面図、第４
図は、使用状態を示す容器要部の拡大縦断面図である。 ２……容器体部材、９……補助部材 17……枠状部材、23……押下げ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体１後部に蓋体16後部を枢着させた
   化粧品容器であって、上記容器本体１は、底壁３周縁か
   ら周壁４を起立すると共に、該周壁の前部に上面および
   前面開口の凹部６を形成した容器体部材２と、上記凹部
   ６前部に前板部10を離脱不能に嵌合させると共に、該前
   板部の前面中央部に第１係合突条11を形成し、かつ前板
   部の左右両部から後板部12,12をそれぞれ後方へ突出
   し、該後板部の上端に揺動棒13,13の中間部を、ヒンジ
   部14,14を介してかつ左右方向に付設した補助部材９と
   で形成し、更に、上記蓋体16は、上記周壁４の外面に嵌
   合させた短周壁18の後部に上記枢着部分を設け、該短周
   壁の上端に内向きフランジ19を付設し、かつ短周壁の前
   部内面に上記第１係合突条11下面に係合させた第２係合
   突条20を有する枠状部材17と、上記内向きフランジ19の
   フランジ孔内に上面板24を上方への抜出しが不能に嵌合
   させると共に、該上面板の後部を上記短周壁18の後部内
   面に連結させた押下げ部材23とで形成し、上記上面板24
   の前部左右両部から垂下した押下げ棒26,26の下端面を
   上記揺動棒13,13一端上面に当接させると共に、該左右
   両押下げ棒下端面が当接しない揺動棒他端の上面部分に
   上記短周壁18の前部内面から後方へ突出した小板部21を
   載置させ、更に、上記揺動棒13,13を、上面板24前部の
   押下げにより、上記揺動棒の他端が小板部21を介して枠
   状部材17前部を押上げて上記第1,第２係合突条11,20の
   係合を取外すことが可能な、長さに形成したことを特徴
   とする化粧品容器。