JPH07248575A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH07248575A
JPH07248575A JP4130994A JP4130994A JPH07248575A JP H07248575 A JPH07248575 A JP H07248575A JP 4130994 A JP4130994 A JP 4130994A JP 4130994 A JP4130994 A JP 4130994A JP H07248575 A JPH07248575 A JP H07248575A
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electron beam
coating layer
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photographic
photographic printing
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Masataka Ito
政孝 伊藤
Masahiro Kamiya
昌博 神谷
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線硬化樹脂からなる被覆層を有する写真
印画紙用支持体において、写真印画紙にした場合に、写
真乳剤層表面に光の干渉による縞模様の発生を防止し、
かつ画像鮮鋭性を向上させ、優れた画質の写真画像が得
られるようにする。 【構成】 紙基体の一方の面に、フィルム形成性合成樹
脂からなる裏面樹脂被覆層が形成され、紙基体の他方の
面に、電子線照射により硬化しうる不飽和有機化合物と
二酸化チタンとを含む塗料組成物の電子線硬化体からな
る表面樹脂被覆層が形成されており、この表面樹脂被覆
層の表面が、JIS B 0601に記載の方法で測定
したとき、その十点平均粗さが0.1〜0.3μmであ
り、かつ、その山頂の平均間隔が0.5〜20μmであ
る粗面形状を有する写真印画紙用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真印画紙用支持体に関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は電
子線照射により硬化しうる不飽和有機化合物(以下、電
子線硬化性不飽和有機化合物という)からなる樹脂被覆
層を形成した従来の写真印画紙用支持体が有する問題、
すなわち前記樹脂被覆層上にサブコート層および写真乳
剤層を設けて印画紙を作製した場合に、印画紙の表面に
おける光の干渉による縞模様の発生を防止した写真印画
紙用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真印画紙用支持体としては、紙
からなる基体の両面にポリオレフィン樹脂を被覆して製
造されたポリオレフィン被覆支持体が広く使用されてき
た。このような支持体は、ポリオレフィン被覆層が疎水
性であるため、バライタ紙に比較して、現像、定着処理
中に処理液が支持体中に浸透しにくく、このため水洗時
間や乾燥時間が大幅に短縮されるという利点を有し、ま
た、紙基体への処理液の浸透がないため、支持体自体の
伸縮が抑制され、優れた寸法安定性を有するなどの長所
を有している。
【0003】このような支持体のポリオレフィン樹脂被
覆層には、隠蔽力あるいは解像力の向上を目的として二
酸化チタンのような無機白色顔料が混合されるが、この
ような顔料は樹脂中への分散性が悪く、また顔料中に含
まれる揮発成分により溶融押し出し工程において発泡し
て被覆層の膜割れを発生させるなど問題がある。このた
め、被覆層中の顔料含有量を、上記隠蔽力、または解像
力の向上のために必要、かつ十分な水準まで高めること
ができないのである。一般的にいえば、二酸化チタンを
用いる場合、これを約20重量%以上の添加量で添加す
ることは実際上困難である。従って、このような写真印
画紙用支持体を用いて得られた写真印画紙は、画像鮮鋭
性において十分満足できるものとはいえなかった。
【0004】近年になって、電子線照射によって硬化し
うる樹脂組成物、いわゆる電子線硬化性樹脂組成物を支
持体に塗布し、これに電子線照射を施して得られた電子
線硬化樹脂層を有する写真印画紙用支持体が提案されて
いる(例えば特公昭60−17104号、特公昭60−
17105号、および特開昭57−49946号な
ど)。このような写真印画紙用支持体は、塗布層を形成
する際に樹脂組成物を高温で加熱溶融する必要がなく、
また顔料含有量を20〜80重量%まで増加させること
ができる。このためこのような支持体を用いて得られる
写真印画紙の画像鮮鋭性は、従来のポリオレフィン樹脂
被覆写真印画紙に比べて格段に向上している。
【0005】特に、特公昭60−17105号に開示さ
れているような金属円筒形回転体や、特公平4−699
32号に開示されているようなシート状フィルムなどの
非常に高平滑かつ高光沢な成型面に、電子線硬化性塗料
組成物を被覆したシート状基材を押し当てた後、これを
電子線照射により硬化して得られた写真用印画紙用支持
体は、成型面の非常に高い平滑表面性が転写付与されて
いるため、非常に高平滑かつ高光沢な表面特性が得られ
るという利点をも有している。
【0006】しかしながら、このような電子線硬化性樹
脂からなる被覆層を有する写真印画紙用支持体は、前述
の如く顔料の配合量が高く、かつ非常に良好な表面性を
有するために、却って新たな問題点を有している。すな
わち、電子線硬化性塗料組成物を塗布後、成型面に押し
当てて得られた写真印画紙用支持体の表面樹脂被覆層上
に、写真乳剤層を設けて写真印画紙を作製した場合、写
真乳剤層表面で反射した光と、写真乳剤層内に進入し、
表面樹脂被覆層表面で反射した光との、二つの反射光が
重なり合って写真印画紙の表面で光の干渉を生じ、虹の
ような縞模様(以下、干渉縞と云う)が発生するという
問題点を有することが明かとなり、その改善が望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の電子
線硬化性樹脂被覆層を有する写真印画紙用支持体の有す
る上記問題点を解決し、画像鮮鋭性が高く、かつ干渉縞
を生じない写真印画紙を製造するのに好適な写真印画紙
用支持体を提供しよとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の写真印画紙用支
持体は、紙基体と、前記紙基体の一方の面に形成され、
かつ電子線照射により硬化しうる不飽和有機化合物と白
色顔料とを主成分として含む塗料組成物の電子線硬化体
からなる表面樹脂被覆層と、前記紙基体の他方の面に形
成され、かつフィルム形成性合成樹脂を主成分として含
む裏面樹脂被覆層とを有し、前記表面樹脂被覆層の表面
が、JIS B 0601に記載された方法で測定した
とき、0.1〜0.3μmの十点平均粗さ、および0.
5〜20μmの山頂平均間隔を有する粗面形状を有する
ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明者らは、上記干渉縞の発生を防止する方
法について種々検討した結果、紙基体の一方の面に電子
線硬化性樹脂から形成された表面樹脂被覆層表面に、特
定の十点平均粗さと山頂の平均間隔を有する粗面形状を
付与することにより、上記干渉縞の発生を防止できるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0010】本発明の写真印画紙用支持体の表面樹脂被
覆層に使用される電子線硬化性樹脂組成物は、ベースレ
ジンとして用いられるオリゴマーと、希釈などのために
使用されるモノマーと、各種顔料、色味調整剤および各
種添加剤などとの組み合わせにより構成される。電子線
硬化性オリゴマーは通常高粘度であり、そのためこれを
単官能モノマー、および又は多官能モノマーで希釈して
粘度を調節するのが通常である。しかしながら、電子線
硬化性樹脂組成物はモノマー単独からなるものであって
もよく、オリゴマー単独からなるものであってもよい。
【0011】本発明に用いられる電子線硬化可能な不飽
和有機化合物は、例えば下記化合物から選ぶことができ
る。 (1)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、1〜6価
のアルコール及びポリアルキレングリコールのアクリレ
ート化合物類。 (2)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の、1〜6価のアル
コールにアルキレンオキサイドを付加させたもののアク
リレート化合物類。 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類。 (4)カルボン酸と、ポリオールと、アクリル酸との反
応生成物。 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物。 (6)エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物。 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物。
【0012】具体的に述べるならば、電子線硬化性不飽
和有機化合物として、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
アクリロイルモルホリン、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブ
チルメタクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリ
レート、テトラヒドロフルフリールメタクリレート、カ
プロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボル
ニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベン
ジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシ
ジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチ
レングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリ
コールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コールアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキ
シアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ト
リプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性
トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレン
オキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパ
ンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスルトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、ポリオキシエチレン
エピクロルヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレー
ト、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリ
レート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキ
シ化リン酸アクリレート、エチレンオキサイド変性フタ
ル酸アクリレート、ポリブタジエンアクリレート、およ
びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど
を挙げることができる。
【0013】本発明において、表面樹脂被覆層には、印
画紙としたときの画像鮮鋭性向上を目的として白色顔料
を含有することができる。この目的に用いられる白色顔
料としては、二酸化チタン(アナターゼ型、およびルチ
ル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、および水酸化マグ
ネシウムなどが使用可能であるが、隠蔽性がすぐれてい
るという点において二酸化チタンを用いることが有利で
ある。
【0014】表面樹脂被覆層に配合される顔料の配合割
合は、表面樹脂被覆層の全固形分の20〜80重量%で
あることが好ましい。配合される白色顔料の含有量が2
0重量%未満では、得られる印画紙上の写真画像の鮮鋭
性が十分でないことがあり、また、顔料配合割合が80
重量%を越えて多くなると、得られる表面樹脂被覆層の
柔軟性が低下し、膜割れを生ずることがある。
【0015】白色顔料を上記のような電子線硬化性不飽
和有機化合物中に分散するには、3本ロールミル(スリ
ーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミル)、
カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サンドグライン
ダー、プラネタリーミキサー、および超音波分散機など
を使用することができる。
【0016】本発明において、表面樹脂被覆層を形成す
るには、紙基体上に電子線硬化性樹脂組成物を塗布した
後、この塗布層を成型面(鏡面状周面を有するキャスト
ドラムあるいは高平滑なフィルム)に押し当てるか、あ
るいは成型面上に電子線硬化性樹脂組成物を塗布した
後、この塗布層に紙基体を押し当て、次いで成型面上で
紙基体の背面から電子線を照射して塗布層を硬化して紙
基体と接着した後、成型面から硬化塗布層を剥離するこ
とにより形成することができる。さらに本発明の表面樹
脂被覆層は、特開平5−216163号に開示されてい
るような、多層構造のものであってもよい。
【0017】また、紙基体表面に電子線硬化性樹脂組成
物を塗布する方法としては、例えばバーコート法、エア
ードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコー
ト法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビ
アコート法およびトランスファーコート法等のいずれを
用いてもよい。更にこのために、ファウンテンコーター
あるいはスリットダイコーター方式を用いることもでき
る。
【0018】本発明の写真印画紙用支持体において、表
面樹脂被覆層の塗布量は、硬化後の塗布量が2〜60g
/m2 であることが好ましく、より好ましくは5〜40
g/m2 である。塗布量が2g/m2 未満では、得られ
る支持体の隠蔽力、並びに得られる印画紙の解像力が不
十分になることがあり、またそれが60g/m2 を越え
て多くなると効果が飽和してしまい。樹脂被覆層が厚く
なり過ぎ、このため低出力の電子線照射で十分な硬化が
行われなくなることがある。
【0019】電子線照射に用いられる電子線加速器とし
ては、特にその方式に限定はなく、例えばバンデグラー
フ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、カー
テンビーム方式などの電子線照射装置を使用することが
できるが、この中でも比較的安価で大出力の得られるカ
ーテンビーム方式のものが有利に用いられる。電子線照
射の際の加速電圧は100〜300kVであることが好ま
しい。また電子線吸収線量は、0.1〜6Mradであるこ
とが好ましく、0.5〜5Mradが特に好ましい。
【0020】本発明において、電子線照射時における雰
囲気の酸素濃度は、1000ppm 以下であることが好ま
しく、より好ましくは500ppm 以下である。酸素濃度
が1000ppm を越えて高くなると、電子線硬化性樹脂
組成物の重合反応が酸素の存在により阻害され、硬化が
不十分になることがある。但し、電子線照射によるオゾ
ン発生を抑制する目的で、あるいは電子線が通過する際
に発熱するウィンドウの冷却等の目的で不活性ガスを使
用することには何等支障はない。
【0021】本発明の表面樹脂被覆層は、その表面がJ
IS B 0601に記載された方法で測定したとき、
0.1〜0.3μmの十点平均粗さ、および0.5〜2
0μmの山頂平均間隔を有する粗面形状を有することを
特徴とするものである。この粗面形状において、その十
点平均粗さが0.1μm未満では、写真印画紙にした場
合に干渉縞が発生し、一方、それが0.3μmを越える
と、写真印画紙にした場合に光沢度が低下し、さらに写
真画像の鮮明度が低下する。また、粗面形状の山頂の平
均間隔が0.5μm未満では写真印画紙にした場合に光
沢度が不十分であり、一方、それが20μmを越えると
写真印画紙にした場合に干渉縞が発生しやすくなる。
【0022】なお、本発明において粗面形状の十点平均
粗さおよび山頂の平均間隔は、JIS B 0601に
記載の方法により、万能表面形状測定器(小坂研究所
製)を用いて測定し、任意の10箇所の測定値を平均し
た値をもって十点平均粗さおよび山頂の平均間隔を表し
た。
【0023】本発明において、表面樹脂被覆層表面に粗
面形状を形成するには、粗面加工を施した成型面を用い
て表面樹脂被覆層を形成する際に粗面形状を形成しても
よく、あるいは表面樹脂被覆層を形成した後でエンボス
加工に用いる型付けロールにより表面樹脂被覆層に型付
け処理を施し、粗面形状を形成してもよい。成型面に粗
面加工を施すには、キャストドラムの場合、ドラム表面
の研磨、蒸着法、サンドブラスト法、エッチング法、電
気的穿孔法、メッキ法等の方法で行うことができる。ま
た、フィルムの場合、前述の型付けロールで型付け処理
を行うことができる。
【0024】本発明の裏面樹脂被覆層を形成するのに用
いられるフィルム形成性合成樹脂としては、従来の写真
印画紙用支持体の構造に用いられるポリオレフィン樹
脂、または、前述の電子線硬化性樹脂等を使用すること
ができる。裏面樹脂被覆層を形成するためのポリオレフ
ィン樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類、例え
ばプロピレンなどの単独重合体、前記オレフィンの少な
くとも2種の共重合体、および、これらの各種重合体の
2種以上の混合物などから選ぶことができる。特に好ま
しいポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、およびこ
れらの混合物である。ポリオレフィン樹脂の分子量には
特に制限はないが、通常は20,000〜200,00
0の範囲のものが用いられる。
【0025】ポリオレフィン樹脂には、必要に応じて、
少量の酸化防止剤、および滑剤を添加してもよい。ポリ
オレフィン樹脂を用いて裏面樹脂被覆層を形成するに
は、通常の溶融押し出し塗工を用いることができる。
【0026】また、裏面表面被覆層を形成するための電
子線硬化性不飽和有機化合物としては、前述の表面樹脂
被覆層の形成に用いられる化合物をすべて使用できる。
更に裏面樹脂被覆層の形成方法も、前述の表面樹脂被覆
層の場合と同様に行うことができる。
【0027】裏面樹脂被覆層の重量には特に制限はない
が、一般には10〜40g/m2 の範囲にあることが好
ましい。裏面樹脂被覆層は、現像時における現像液の支
持体への浸透防止や、樹脂被覆層の電子線照射時におけ
る収縮により生じるネジレやカールを防止する目的で設
けられる。
【0028】本発明に用いられる紙基体は、通常50〜
300g/m2 の重量を有し、表面の平滑な原紙が用い
られる。紙基体を形成する天然パルプとしては、一般に
は、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パ
ルプ等を主成分とするものが広く用いられている。また
紙基体には、一般に製紙で用いられるサイズ剤、定着
剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、pH調節剤、顔料、
染料等の添加剤が配合されていてもよい。
【0029】更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、帯電防
止剤等を適宜紙基体表面に塗布したものであってもよ
い。また、紙基体中には印画紙にしたときの長期保存時
に発生するカブリを防止する目的でマグネシウム化合物
を含有させることができる。
【0030】さらにプラスチックフィルムや、いわゆる
合成紙を、シート状基材として使用することになんら差
しつかえはない。例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエ
チレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂を含む熱可塑性
樹脂組成物を溶融押し出し法で形成したフィルムをシー
ト状基材として使用することもできる。また、シート状
基体として使用され、プラスチックフィルムや、いわゆ
る合成紙には、顔料(クレー、タルク、カオリン、炭酸
カルシウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウムな
ど)、分散剤(ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸や各種
の界面活性剤など)、有色顔料などの1種以上が含まれ
ていてもよい。
【0031】
【実施例】本発明の構成及び効果を下記実施例により更
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に
制限されるものではない。
【0032】実施例1〜5、および比較例1〜5 実施例1〜5および比較例1〜5の各々において、坪量
180g/m2 の紙基体の裏面上に、コロナ放電による
表面活性処理を施した後、ポリエチレン樹脂を被覆層が
30g/m2 になるように溶融押し出し被覆を行ない裏
面樹脂被覆層を形成した。次に、紙基体の表面上に、下
記に示す組成の表面樹脂被覆層形成用塗料組成物を、ペ
イントコンディショナーで1時間混合分散した後、ワイ
ヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が20g/m2 にな
るように塗布し、塗布層を形成した。
【0033】表面樹脂被覆層形成用塗料組成物 成 分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 30重量部 (商標:BS−550B、荒川化学工業製) 2官能アクリレートモノマー 20重量部 (商標:M−220、東亜合成製) 二酸化チタン 50重量部 (商標:A−220、石原産業製)
【0034】次に、塗布層を、表面に十点平均粗さ、お
よび山頂の平均間隔(いずれもJIS B 0601に
より測定)が互いに異なる粗面加工を施した10種の金
属フェロ板の一つからなる成型面上に押し当て、酸素濃
度100ppm の雰囲気内で、紙基体の背面からそれを通
して加速電圧:300kv、吸収線量:2Mradの条件で電
子線を照射して塗布層を硬化した。次に成型面から硬化
層を剥離し、表1に示す十点平均粗さと山頂の平均間隔
とを有する表面樹脂被覆層を形成して写真印画紙用支持
体を作製した。
【0035】得られた写真印画紙用支持体の表面樹脂被
覆層表面にコロナ放電処理を施した後、白黒写真乳剤
(商標:アートエマルジョン、富士写真フィルム製)を
乾燥後の塗布量が6g/m2 になるように塗布、乾燥し
写真乳剤層を形成して写真印画紙を作製し、得られた写
真印画紙を干渉縞および写像性の評価テストに供した。
その結果を表1に示す。
【0036】尚、干渉縞および写像性の評価テストは下
記のようにして行った。 干渉縞:写真乳剤層表面の縞模様を3波長型蛍光灯下で
目視し、評価した。評価結果を、全く干渉縞が認められ
ないものを3点、若干認められるものを2点、明確に認
められるものを1点とする3段階で表示した。3点のも
のは実用性があるが、2点および1点のものは実用に耐
えない。
【0037】写像性:JIS K7105の方法に従
い、像鮮明度測定装置(スガ試験機製)を用いて、光学
くし1.0mmにおける像鮮明度を測定し、その測定結果
において、像鮮明度が60%以上の場合を3点、40%
以上で60%未満の場合を2点、40%未満の場合を1
点とする3段階評価法により表示した。3点のものは実
用性があるが、2点および1点のものは実用に耐えな
い。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、電子線硬化樹脂被覆層を有す
る従来の写真印画紙用支持体の有する問題点、すなわ
ち、写真印画紙を作製した場合に、写真乳剤層表面にお
ける干渉縞の発生を大幅に減少させることができ、さら
に画像鮮鋭性が高く、画質の優れた写真印画紙を製造す
ることできる写真印画紙用支持体を提供するものであ
り、実用上極めて有効なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体と、前記紙基体の一方の面に形成
    され、かつ電子線照射により硬化しうる不飽和有機化合
    物と白色顔料とを主成分として含む塗料組成物の電子線
    硬化体からなる表面樹脂被覆層と、前記紙基体の他方の
    面に形成され、かつフィルム形成性合成樹脂を主成分と
    して含む裏面樹脂被覆層とを有し、 前記表面樹脂被覆層の表面が、JIS B 0601に
    記載された方法で測定したとき、0.1〜0.3μmの
    十点平均粗さ、および0.5〜20μmの山頂平均間隔
    を有する粗面形状を有することを特徴とする写真印画紙
    用支持体。
JP4130994A 1994-03-11 1994-03-11 写真印画紙用支持体 Pending JPH07248575A (ja)

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