JPH072440A - 油圧エレベータの制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】ポンプ５と油圧シリンダ２との間に第一の逆止
弁８と、それに並列に第二の逆止弁１０を接続し、エレ
ベータ起動時、第二の逆止弁１０が動作したことを検出
するスイッチ１１、あるいは、流量検出器１６を設け、
これらの信号で起動補償完了信号とする。 【効果】簡単な構成で起動補償ができ、装置が安価にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油圧式エレベータの制
御装置に係り、特に、インバータ制御を用いた油圧式エ
レベータの起動補償に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインバータ制御を用いた油圧式エ
レベータの起動補償の例として、例えば、特開平3−106
785 号公報がある。同公報には、油圧シリンダと逆止弁
の間に第一の圧力検出器、逆止弁と油圧ポンプとの間に
第二の圧力検出器を設け、起動時に両方の圧力の偏差が
所定値以下となるように電動機を制御する起動補償の例
が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の装置は、圧力検
出器２個を使用する点で高価となっている。

【０００４】本発明の目的は、インバータ制御油圧式エ
レベータの制御装置において、圧力検出器を用いること
なく、安価な構成で容易に起動補償が行える、油圧式エ
レベータの制御装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の逆止弁と並列に第二の逆止弁を設け、第二の
逆止弁が第一の逆止弁より先に動作(ここでは逆止弁が
開くことを意味する。)するような弁とし、この弁動作
を検出する手段を設けた点にある。また、第二の逆止弁
を流れる油の流量を検出する手段を設けた点に有る。

【０００６】

【作用】インバータ制御を用いた油圧式エレベータで
は、前述したように起動補償が必要であり、エレベータ
起動時に、まず電動機をエレベータ上昇方向に回転させ
て圧力を上げ、ポンプ側の圧力がシリンダ側の圧力より
高くなると第二の逆止弁が第一の逆止弁より先に動作す
る。この時がちょうど圧力がバランスした状態であり、
起動補償が完了したときである。そこで、第二の逆止弁
の動作を検出する手段により弁動作したときを知り、起
動補償を完了することができる。

【０００７】又、起動時に、第二の逆止弁を油が流れた
ことを検出する手段により（これは、油が流れたかどう
かを検出するだけで良い）起動補償が完了したことを知
ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１を用いて説明
する。図１は、本発明の一実施例の系統図であり、乗か
ご１はロープ４を介して駆動し、油圧シリンダ２内の作
動油を給排することによりプランジャ３を駆動し、乗か
ご１を昇降させる。乗かご１には、乗かごの移動に伴
い、パルスを発生する第一のエンコーダＥＮＣ１が取り
付けられてあり、エレベータの位置，速度信号として制
御装置１２に送信される。逆止弁８は常時は逆止弁とし
て働き、下降時、励磁コイル８ａが付勢されることによ
り、切り換えられて、逆方向に同通される電磁切替弁で
有る。油圧ポンプ５は可逆回転可能なポンプで、一方の
ポートは逆止弁８を介してシリンダ２に接続され、他の
ポートは油圧タンク７に接続されてある。油圧ポンプ５
は三相誘導電動機６により駆動される。三相誘導電動機
６はインバータを含む制御装置１２により回転制御し、
電動機６は上昇時、及び、下降時とも、運転制御する。
尚、制御装置１２は、周知のベクトル制御を行うため、
電動機６の回転数を検出する必要があり、電動機６の軸
に直結した第二のロータリエンコーダＥＮＣ２が取り付
けられている。

【０００９】さて、エレベータの呼びが発生し、エレベ
ータの起動指令が発生すると、この時、逆止弁８とシリ
ンダ２との間の圧力Ｐ１と、逆止弁８と油圧ポンプ５と
の間の圧力Ｐ２とは大きく異なっている。通常は、圧力
Ｐ２が大気圧となっている。この状態でエレベータの速
度指令を発生させて速度制御を行うと、前述したような
圧力差により大きな起動ショックが発生する。

【００１０】そこで、エレベータの速度指令発生前に、
逆止弁８とシリンダ２との間の圧力Ｐ１と、逆止弁８と
油圧ポンプ５との間の圧力Ｐ２がほぼ等しくなるように
あらかじめポンプで余圧すると起動ショックは低減され
る。図１において、第一の逆止弁８と並列に第二の逆止
弁１０を設け、第二の逆止弁１０は第一の逆止弁より先
に動作するような構造，調整としておく。すなわち、エ
レベータ起動時に、電動機６をエレベータ上昇運転方向
にあらかじめ回転させ、逆止弁８と油圧ポンプ５との間
の圧力Ｐ２が徐々に上昇し、やがて、第二の逆止弁１０
が動作、すなわち、開き、油がシリンダの方へ少し流れ
る。第二の逆止弁が動作したことを、例えば、弁動作の
動きをマイクロスイッチ１１で検出しても良い。このよ
うに第二の逆止弁は起動補償時の完了信号を検出するの
が目的であるから小型で良く、主弁としての動作は第一
の逆止弁８が行う。

【００１１】本発明によれば、簡単な構成で起動補償が
できる。

【００１２】図２は他の発明で、図１に対しマイクロス
イッチ１１の代わりに、第二の逆止弁１０を通る油の流
量を検出する、流量検出器１６を設けた点にある。この
流量検出器は、油が流れたかどうかを検出するだけで良
く、流量そのものを検出するのではない。前述した起動
補償において、油が第二の逆止弁を通ると、流量検出器
１６により、逆止弁が動作したことを検出し、起動補償
の完了信号とすることができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成により起動
補償が行えるので、装置が安価になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の系統図。

【図２】本発明の他の実施例の系統図。

【符号の説明】

８…第一の逆止弁、１０…第二の逆止弁、１６…流量検
出器、１１…第二の逆止弁動作チェックスイッチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗かごをプランジャを介して昇降させる油
   圧シリンダと、前記乗かごの昇降に際し、油圧タンクか
   ら前記油圧シリンダに油を供給あるいは排出する油圧ポ
   ンプと、前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に設
   けた第一の逆止弁と、前記油圧ポンプを正逆運転する電
   動機と、前記電動機を制御する制御装置を備えた油圧エ
   レベータにおいて、前記第一の逆止弁に並列に第二の逆
   止弁を取付け、前記第二の逆止弁の動作したことを検出
   するスイッチ、又は、流量検出器を備えたことを特徴と
   する油圧エレベータの制御装置。