JPH0724003U - 農機の泥受け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 農用トラクタの後部に油圧装置により昇降す
るリフトアーム，トップリンク及びロアリンクを介して
昇降可能に連結したロータリ耕耘装置において、路上走
行中は耕耘作業の泥土を路上に落とすことなく、路面を
汚すこともなく通行出来、一方、耕耘作業中は邪魔にな
らないようにする。 【構成】 農用トラクタの後部に油圧装置により昇降す
るリフトアーム，トップリンク及びロアリンクを介して
昇降可能に連結したロータリ耕耘装置において、リヤカ
バーの下端部から耕耘爪及びロアリンクの下部を一連の
シートで覆うようになし、該シートの前部には前記農用
トラクタの後部に係止する係合部を設け、後部は前記リ
ヤカバーの背面に設けた巻取器に装着するように構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

農用トラクタの後部に連結したロータリ耕耘装置のリヤカバーに装着した農機 の泥受け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

農用トラクタの後部に油圧装置により昇降するリフトアーム，トップリンク及 びロアリンクを介して昇降可能に連結したロータリ耕耘装置において、リヤカバ ーの下端部から耕耘爪及びロアリンクの下部は何物によっても覆われず、露出し たままの状態で移動するものは既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

既に知られているような、農用トラクタの後部に油圧装置により昇降回動する リフトアーム，トップリンク及びロアリンクを介して昇降可能に連結したロータ リ耕耘装置において、リヤカバーの下端部から耕耘爪及びロアリンクの下部は何 物によっても覆われず、露出したままのものは耕耘作業終了後、ラグ（突起）の ある後輪を有する農用トラクタで路上を移動する際、後輪の駆動力およびトラク タの振動により、後輪からの跳ね上げやロータリ耕耘装置のロータリカバーの内 側や耕耘爪等に付着した泥土を路上に落とし、路面を汚すことが多かった。特に 舗装した公道を通行する場合、周辺に迷惑を掛けることも多かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、農用トラクタの後部に油圧装置により昇降するリフトアーム，トッ プリンク及びロアリンクを介して昇降可能に連結したロータリ耕耘装置において 、リヤカバーの下端部から耕耘爪及びロアリンクの下部を一連のシートで覆うよ うになし、該シートの前部には前記農用トラクタの後部に係止する係合部を設け 、後部は前記リヤカバーの背面に設けた巻取器に装着したことによって上述の課 題を解決した。

【０００５】

【作用】

農用トラクタの後部に油圧装置により昇降するリフトアーム，トップリンク及 びロアリンクを介して昇降可能に連結したロータリ耕耘装置において、路上を通 行する際、リヤカバーの背面に設けた巻取器から、シートを引き出し、その前部 を前記農用トラクタの後部に設けられた係合部に係止して、リヤカバーの下端部 から耕耘爪及びロアリンクの下部を一連のシートで覆い、後輪からの跳ね上げや ロータリ耕耘装置のロータリカバーの内側や耕耘爪等に付着した泥土を前記シー トの上面で受け止め、それらの泥土を路上に落とすことなく、路面を汚すことも なく通行することが可能になった。圃場に入る場合には前記係合部からシートを 外し、リヤカバーの背面に設けた巻取器により巻き取って収納し、耕耘爪を露出 させてからリフトアームによってロータリ耕耘装置を降下させ、耕耘作業を行な う。その際、シートはリヤカバーの背面に収納されているので耕耘作業の邪魔に なることはない。耕耘作業が終了してトラクタを移動する場合は、油圧装置によ りリフトアームを回動させ、ロータリ耕耘装置を上昇させて再びリヤカバーの背 面に設けた巻取器から、シートを引き出し、前記と同様にして路上を通行する。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、農用トラクタ１は左右の後輪２ を駆動し、前輪３を操向することにより前後進を行なうが、後部上方に油圧装置 により昇降する左右のリフトアーム４，中央部のトップリンク５および後部下方 の左右に設けられたロアリンクピン６に支持されたロアリンク７によって、後方 のロータリ耕耘装置８を昇降可能に連結している。

【０００７】 ロータリ耕耘装置８は農用トラクタ１からの動力を受け、動力伝導装置を経て 耕耘軸に植接された複数本の耕耘爪９を駆動し、農用トラクタ１が前進しながら 土中で耕耘爪９を回転させ、後方のリヤカバー１０により耕耘された土を均平に することによって耕耘作業を行なう。

【０００８】 耕耘作業が終了して農用トラクタ１を移動する場合は、油圧装置の作動させる ことによりリフトアーム４を上昇回動させ、ロータリ耕耘装置８を上昇させてリ ヤカバー１０の背面に設けた巻取器１１から、シート１２を引き出し、その前部 をリンチピン１３で前記農用トラクタ１の後部に設けられたロアリンクピン６に 係止して、リヤカバー１０の下端部から耕耘爪９及びロアリンク７の下部を一連 のシート１２で覆い、後輪２からの泥の跳ね上げやロータリ耕耘装置８のロータ リカバー１４の内側や耕耘爪９等に付着した泥土を前記シート１２の上面で受け 止め、それらの泥土を路上に落とすことなく、路面を汚すこともなく通行する。 この際、勿論耕耘爪９の駆動は中止しているが、リヤカバー１０の下端部から耕 耘爪９及びロアリンク７の下部を一連のシート１２で覆われ、下方には突起物が ないので周辺に対する危険が防止される。

【０００９】 シート１２はキャンバスのような丈夫で折畳可能な材料で構成され、前述のよ うにリヤカバー１０の下端部から耕耘爪９及びロアリンク７の下部を全幅に亙っ て覆っているが、その前方部は図３に示すように左右後輪２に干渉する部分が切 欠かれているため、後輪２から後方に向かって跳ね上げる泥を図５のようにシー ト１２の上面に受け止めることが出来る。

【００１０】 また、図２に示すようにシート１２の後方外面に反射テープ１５を貼付けるこ とにより、路上走行時後方から確認が出来、後方からの事故を防止することも可 能である。

【００１１】 圃場に入って耕耘作業を行なうときには、前記シート１２の前部のリンチピン １３をロアリンクピン６から外し、シート１２をリヤカバー１０の背面に設けら れた巻取器１１に反時計回転方向に巻き取り、リヤカバー１０の背面に収納した 後、耕耘爪９を駆動しながら油圧装置の作動によりリフトアーム４を下降回動さ せて、ロータリ耕耘装置８を接地させて耕耘作業を行なう。シート１２を巻取器 １１に巻き取る際、反時計回転方向に巻き取りを行なっているため、再び展延す る時にも、シート１２は下方に向かって中弛み状態に被覆するので、泥受けに対 しては好都合である。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、農用トラクタの後部に油圧装置により昇降するリフトアーム４，ト ップリンク５及びロアリンク７を介して昇降可能に連結したロータリ耕耘装置８ において、リヤカバー１０の下端部から耕耘爪９及びロアリンク７の下部を一連 のシート１２で覆うようになし、該シート１２の前部には前記農用トラクタの後 部に係止する係合部を設け、後部は前記リヤカバー１０の背面に設けた巻取器１ １に装着したので、後輪２からの泥の跳ね上げやロータリ耕耘装置８のロータリ カバー１４の内側や耕耘爪９等に付着した泥土を前記シート１２の上面で受け止 め、それらの泥土を路上に落とすことなく、路面を汚すこともなく通行すること が出来るようになった。また、圃場に入って耕耘作業を行なうときも、シート１ ２は、リヤカバー１０の背面に収納した状態で作業出来るので耕耘作業の邪魔に ならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートを巻取った時の農用トラクタの平面図で
ある。

【図２】シートを展延した時の農用トラクタの側面図で
ある。

【図３】シートの展開図である。

【図４】シート取付部の斜視図である。

【図５】後輪後部の斜視図である。

【符号の説明】

２ 後輪 ４ リフトアーム ８ ロータリ耕耘装置 ９ 耕耘爪 １１ 巻取器 １２ シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラクタの後部に油圧装置により昇降す
   るリフトアーム４，トップリンク５及びロアリンク７を
   介して昇降可能に連結したロータリ耕耘装置８におい
   て、リヤカバー１０の下端部から耕耘爪９及びロアリン
   ク７の下部を一連のシート１２で覆うようになし、該シ
   ート１２の前部には前記トラクタの後部に係止する係合
   部を設け、後部は前記リヤカバー１０の背面に設けた巻
   取器１１に装着したことを特徴とする農機の泥受け装
   置。