JPH07237539A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

Info

Publication number
JPH07237539A
JPH07237539A JP6029298A JP2929894A JPH07237539A JP H07237539 A JPH07237539 A JP H07237539A JP 6029298 A JP6029298 A JP 6029298A JP 2929894 A JP2929894 A JP 2929894A JP H07237539 A JPH07237539 A JP H07237539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel speed
wheel
road
speed
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6029298A
Other languages
English (en)
Inventor
Daijiro Yumoto
大次郎 湯本
Yoshiki Yasuno
芳樹 安野
Akira Higashimata
章 東又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6029298A priority Critical patent/JPH07237539A/ja
Publication of JPH07237539A publication Critical patent/JPH07237539A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】悪路走行時の車輪速度変動に基づく誤判断を抑
制して、良好なアンチスキッド制御を行う。 【構成】車輪速センサ8FL〜8Rからのパルス信号を車
輪速演算器15FL〜15Rで車輪速検出値VwFL〜Vw
R に変換し、これを良路フィルタ18FL〜18R及び悪
路走行時の車輪速変動周波数を除去する悪路フィルタ1
9FL〜19Rに供給する。一方、制動圧制御装置20で
良路フィルタ18FL〜18Rの良路車輪速検出値に基づ
いて路面状態判定を行い、良路走行時には良路フィルタ
18FL〜18Rを悪路走行時には悪路フィルタ19FL〜
19Rのフィルタ出力を選択車輪速検出値として選択
し、この選択車輪速検出値及び車体速度演算回路17か
らの車体速度Vi に基づいてアンチスキッド制御処理を
行ってアクチュエータ6FL〜6Rを制御し、これによっ
てホイールシリンダ2FL〜2RRの制動圧力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の制動時の車輪
ロックを防止するアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアンチスキッド制御装置として
は、例えば、本出願人が先に提案した特開平3─246
158号公報に記載のものが知られている。この従来の
アンチスキッド制御装置は、車両の各車輪の車輪速を車
輪速センサ等により検出し、一方で車両の前後方向対地
速度(車速)を車輪速検出値及び車両前後方向加速度検
出値から算出し、両者の偏差が例えば所定のスリップ率
以下になるように車輪速の目標値を設定する。つまり、
この車輪速の目標値は、当該車輪がロックすることな
く、グリップ力を十分に発揮しながら制動距離を短縮可
能とする値である。一方、例えば前記車輪速検出値を微
分するなどして車輪加減速度を算出し、この車輪加減速
度とスリップ率とに基づいて各車輪に設けられた制動用
シリンダの流体圧を増圧モード、減圧モード及び保持モ
ードの何れかに制御して、車輪がロックしないようにし
ながら、制動距離を短縮することを可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のアンチスキッド制御装置にあっては、車輪速
度の微分値でなる車輪加減速度とスリップ率とに基づい
て制動用シリンダを制御するようにしているので、例え
ばベルジアン・ロードと称されるような悪路や、小さい
うねりが連続する波状路等の悪路では、車輪のバウンド
・リバウンドに伴って車輪速は振幅が大きくなると共
に、その周期が短くなる、所謂脈動を発生し易くなり、
この車輪速の微分値である車輪加減速度も振幅が大きく
なると共に、その周期も短くなるため、アンチスキッド
制御を行う場合に、車輪がロック傾向にあると誤判断す
る場合が頻繁に発生して、制動用シリンダの流体圧が不
必要に減圧され、制動距離が長くなるという未解決の課
題がある。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、悪路走行時の誤判
断を抑制して、良好なアンチスキッド制御を行うことが
できるアンチスキッド制御装置を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1
(a)に示すように、各車輪の車輪速度を検出する車輪
速度検出手段と、車体速度を検出する車体速度検出手段
と、前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値及び車体速
度検出手段の車体速度検出値に基づいて各車輪に配設さ
れた制動用シリンダの流体圧を制御する制御手段とを備
えたアンチスキッド制御装置において、前記車輪速度検
出手段の車輪速度検出値をフィルタ処理して良路に対応
する第1の車輪速度に変換する第1の車輪速度変換手段
と、前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値をフィルタ
処理して悪路に対応する第2の車輪速度に変換する第2
の車輪速度変換手段と、車両の走行路面状態を検出する
路面状態検出手段と、該路面状態検出手段で検出した路
面状態が悪路であるときに前記第2の車輪速度変換手段
の第2の車輪速度を選択し、それ以外であるとき前記第
1の車輪速度変換手段の第1の車輪速度を選択して前記
制御手段に供給する車輪速度選択手段とを備えたことを
特徴としている。
【0006】また、請求項2に係るアンチスキッド制御
装置は、図1(b)に示すように、、各車輪の車輪速度
を検出する車輪速度検出手段と、車体速度を検出する車
体速度検出手段と、前記車輪速度検出手段の車輪速度検
出値及び車体速度検出手段の車体速度検出値に基づいて
各車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御する
制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、
前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値をフィルタ処理
して良路に対応する第1の車輪速度に変換する第1の車
輪速度変換手段と、前記車輪速度検出手段の車輪速度検
出値をフィルタ処理して悪路に対応する第2の車輪速度
に変換する第2の車輪速度変換手段と、車両の走行路面
状態を検出する路面状態検出手段と、前記第1の車輪速
度変換手段の車輪速度に基づいて悪路走行時の車輪速度
変動量を検出する車輪速度変動量検出手段と、該車輪速
度変動量検出手段の変動量検出値に基づいて前記第2の
車輪速度変換手段のフィルタ処理を補正する補正手段
と、前記路面状態検出手段で検出した路面状態が悪路で
あるときに前記第2の車輪速度変換手段の第2の車輪速
度を選択し、それ以外であるとき前記第1の車輪速度変
換手段の第1の車輪速度を選択して前記制御手段に供給
する車輪速度選択手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0007】さらに、請求項3に係るアンチスキッド制
御装置は、前記車輪速度選択手段が、前記第1の車輪速
度及び第2の車輪速度の選択換えを行うときに、両者の
比率を徐々に変更するように構成されていることを特徴
としている。さらにまた、請求項4に係るアンチスキッ
ド制御装置は、前記第2の車輪速度変換手段が、カット
オフ周波数が悪路走行時の車輪速変動周波数より小さい
値に設定されたローパスフィルタで構成されていること
を特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1に係るアンチスキッド制御装置におい
ては、車両が走行状態にあるときに、走行状態検出手段
で良路走行状態が検出されたときには、車輪速の変動が
制動力に略依存しているものと判断して、車輪速度選択
手段で第1の車輪速度変換手段の第1の車輪速度を選択
し、これと車体速度検出手段の車体速度検出値とに基づ
いて制御手段で制動用シリンダを制御することにより、
良路走行状態に応じた最適なアンチスキッド制御機能を
発揮するが、走行状態検出手段で悪路走行状態が検出さ
れたときには、路面凹凸の影響により車輪速の変動が生
じているものと判断して、車輪速度選択手段で第2の車
輪速度変換手段の第2の車輪速度を選択することによ
り、悪路走行時の車輪速度の変動分を第2の車輪速度変
換手段のフィルタ処理によって除去し、正確なアンチス
キッド制御を行う。
【0009】また、請求項2に係るアンチスキッド制御
装置においては、上記請求項1の作用に加えて、車輪速
度変動量検出手段で、悪路走行時の車輪速度変動量を検
出し、この変動量検出値に基づいて第2の車輪速度変換
手段のフィルタ処理を補正することにより、第2の車輪
速度変換手段のフィルタ処理を車輪速変動量に追従させ
て変更し、車両の走行状態を的確に表す車輪速度検出値
を得、これに応じて制動用シリンダを制御することによ
り、良好なアンチスキッド制御を行う。
【0010】さらに、請求項3に係るアンチスキッド制
御装置においては、車輪速度選択手段で車輪速度の選択
換えを行う場合に、第1の車輪速度及び第2の車輪速度
の比率を徐々に変更することにより、制御手段に出力す
る車輪速度を車輪速度の切換え時に不連続状態となるこ
となく連続的に変化させる。さらにまた、請求項4に係
るアンチスキッド制御装置においては、第2の車輪速度
変換手段がローパスフィルタで構成されているため、そ
のカットオフ周波数を悪路走行時の車輪速変動周波数よ
り小さい値に選定するだけで、悪路走行時の車輪速変動
の影響を除去した車輪速度が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は本発明の第1実施例を示すブロック図であ
る。図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後
輪であって、後輪1RL,1RRがエンジンEGからの
回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びディ
ファレンシャルギヤDGを介して伝達され、各車輪1F
L〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイ
ールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、さらに前輪
1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じたパルス信
号PFL,PFRを出力する車輪速センサ3FL,3FRが
取付けられ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数
に応じたパルス信号PR を出力する車輪速センサ3Rが
取付けられている。
【0012】各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FR
には、ブレーキペダル4の踏込みに応じて2系統のマス
タシリンダ圧を発生するマスタシリンダ5からのマスタ
シリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介
して個別に供給されると共に、後輪側ホイールシリンダ
2RL,2RRには、マスタシリンダ5からのマスタシ
リンダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供
給される。
【0013】アクチュエータ6FL〜6Rのそれぞれ
は、図3に示すように、マスタシリンダ5に接続される
油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に
介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に
接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ10及び逆止弁1
1の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧
配管に接続されたアキュムレータ12とを備えている。
【0014】そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの
電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車
輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL
Rが入力されると共に、車体に取付けられた前後加速
度を検出する前後加速度センサ13の前後加速度検出値
G が入力されるコントローラCRからの液圧制御信号
EV、AV及びMRによって制御される。
【0015】ここで、前後加速度センサ13は、車両に
加減速度が作用していないときに、零電圧となり、前進
加速度(後退減速度)が作用したときにこれに比例した
正の電圧となり、前進減速度(後退加速度)が作用した
ときにこれに比例して負の電圧となる前後加速度検出値
G を出力する。コントローラCRは、車輪速センサ3
FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜PR が入力さ
れ、これらと各車輪1FL〜1RRの回転半径とから車
輪の周速度(車輪速)VwFL〜VwR を演算する車輪速
演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速演算回路1
5FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwR のうち最も高い
車輪速(セレクトハイ車輪速)VwH を選択するセレク
トハイスイッチ16と、このセレクトハイスイッチ16
で選択されたセレクトハイ車輪速VwH と前後加速度セ
ンサ13の前後加速度検出値XG とが入力され、これら
に基づいて実際の車体速度に対応した車体速度Vi を算
出する車体速度演算回路17と、各車輪速演算回路15
FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwR が夫々個別に入力
される第1の車輪速変換手段としての良路フィルタ18
FL〜18Rと、同様に各車輪速演算回路15FL〜1
5Rの車輪速VwFL〜VwR が夫々個別に入力される第
2の車輪速変換手段としての悪路フィルタ19FL〜1
9Rと、車体速度演算回路17から出力される車体速度
i と良路フィルタ18FL〜18R及び悪路フィルタ
19FL〜19Rで抽出された良路用車輪速Vw1FL
Vw1R及び悪路用車輪速Vw2FL 〜Vw2Rとに基づいて
制動時のアンチスキッド制御を行う制動圧制御装置20
とを備えており、制動圧制御装置20から出力される制
御信号が駆動回路22a〜22cを介してアクチュエー
タ6FL〜6Rに供給される。
【0016】ここで、車体速度演算回路17は、図4に
示すように、セレクトハイスイッチ16で選択されたセ
レクトハイ車輪速VwH を車輪速サンプリング値VS
して保持するサンプルホールド回路17aと、前後加速
度センサ13の前後加速度検出値XG を絶対値回路17
bで絶対値化し、これとオフセット値出力回路17cか
らの例えば0.3Gに対応するオフセット値とを加算回
路17dで加算して前後加速度補正値XGCを出力するセ
ンサ出力補正回路17eと、オペアンプで構成され入力
電圧Eを積分する積分回路17fと、この積分回路17
fの積分出力V e とサンプルホールド回路17aの車輪
速サンプリング値VS とを加算して車体速度Vi を算出
する加算回路17gと、セレクトハイ車輪速VwH が車
体速度V i に対して予め設定した所定の不感帯幅内即ち
i −1km/h<VwH <Vi +1km/hであるか否かを検
出し、Vi −1km/h<VwH <Vi +1km/hであるとき
に出力C1 及びC2 を共に低レベルとし、VwH ≧Vi
+1km/hであるときに、出力C1 を高レベルとし、Vw
H ≦Vi −1km/hであるときに出力C2 を高レベルとす
る不感帯検出回路17hと、この不感帯検出回路17h
でセレクトハイ車輪速VwH が不感帯内となったとき及
びイグニッションスイッチのオン信号IGが入力された
ときに、前記サンプルホールド回路17aでセレクトハ
イ車輪速Vw H を保持させると共に、積分回路17fを
リセットするリセット回路17iと、セレクトハイ車輪
速VwH が不感帯幅内にあるとき及び不感帯幅外となっ
てからオフディレータイマ17jで設定された所定時間
3 の間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路17f
に供給し、VwH >Vi +1km/hとなってから所定時間
3 経過後に非アンチスキッド制御中は+0.4Gに対
応する負の電圧を、アンチスキッド制御中は+10Gに
対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分
回路17fに供給し、さらにVwH <Vi −1km/hとな
ってから所定時間T3 経過後にセンサ出力補正回路17
eの前後加速度補正値XGCを積分入力電圧Eとして積分
回路17fに供給する選択回路17kとを備えている。
【0017】また、各良路フィルタ18FL〜18Rの
夫々は、電気的ノイズ等の高周波入力(50Hz以上)
を除去するために、制御周期間の車輪速度差ΔVw及び
車輪加減速度差ΔVw′即ち車輪速度及び車輪加減速度
の変化率の上限を制限するように、A,Bを任意に設定
する定数としたときに、車輪速度差ΔVw及び車輪加減
速度差ΔVw′の最大値をmax(|ΔVw|)=A,
max(|ΔVw′|)=Bに制限するように構成され
ている。
【0018】さらに、各悪路フィルタ19FL〜19R
の夫々は、例えばディジタルフィルタで構成され、悪路
走行による車輪速度変動が、およそ振幅10km/h、周波
数10〜20Hz程度であることから、これらの変動を
十分除去できるように、例えばカットオフ周波数fC
5Hzのローパスフィルタが適用され、その伝達関数は
Vw/(1+s/2πfC )(sはラプラス演算子、V
wは車輪速度)で表される。
【0019】制動圧制御装置20は、車輪速Vw1FL
Vw1R、Vw2FL 〜Vw2R及び車体速度Vi に基づいて
各車輪1FL〜1RRに設けたホイールシリンダ2FL
〜2RRへの供給圧力を制御するアクチュエータ6FL
〜6Rを制御するものであり、図2に示すように、例え
ばA/D変換機能を有する入力インタフェース回路25
a、出力インタフェース回路25d、演算処理装置25
b及び記憶装置25cを少なくとも有するマイクロコン
ピュータ25で構成され、演算処理装置25bで、良路
フィルタ18FL〜18Rから出力される良路用車輪速
Vw1FL 〜Vw 1Rに基づいて車両が走行している路面状
態が良路であるか悪路であるかを判断し、その判断結果
に基づいて良路フィルタ18FL〜18R及び悪路フィ
ルタ19FL〜19Rの何れかの車輪速を選択し、これ
らに基づいて後述するアンチスキッド制御処理を実行し
て、制動圧シリンダ2FL〜2RRを急増圧モード、保
持モード、緩減圧モード、急減圧モード及び緩増圧モー
ドに適宜制御する。
【0020】ここで、演算処理装置25bによる悪路走
行判定の基本原理を図12を伴って説明する。図12
は、アンチスキッド制御を行った制動中の車体速度、良
路フィルタの車輪速度、車体の負の加速度(減速度)の
夫々の時間推移を示すものである。なお、車輪速度は前
左輪速度、前右輪速度、後輪速度を示すしており、理解
を容易にするために縦軸方向にシフトしてあるが、実際
には少なくとも制動前後の値は同等か略同等である。ま
た、図12中、悪路走行中では、前記ベルジアン・ロー
ドや波状路等の悪路を走行しながらアンチスキッド制御
が行われている。
【0021】アンチスキッド制御では、車体速度と車輪
速度との偏差から得られるスリップ率に応じて車輪速度
の目標値が設定されて、ホイールシリンダ圧が制御され
るから、車輪速度の目標値の範囲内で最大の制動力を発
揮しながら車輪のロックを回避する。ここで、図12に
示すように、悪路走行中の車輪速度には変動周波数f A
=10〜20Hz程度、変動振幅A=15km/h程度
の脈動が発生していることが分かる。そして、このよう
に車輪速度に脈動が発生すると、アンチスキッド制御で
は、その車輪速検出値VwSj w車輪速の目標値の範囲
(Vi 〜0.85Vi )を下回り易く、同時に車輪加減
速度VwSj′も脈動するために、正の加減速度閾値B0
を下回りやすいために、結果的に制動圧モードは減圧モ
ードが多く選択され、制動力が低減して図示されるよう
に車体減速度は全体的に低下して、車体速度は目標車速
に対して大きめとなり、制動距離が長くなるという問題
が生じる。
【0022】このような悪路走行の判定を行う基準とし
ては、車輪速度の変化量(振幅)が大きく、同時に変動
周波数が比較的短いということが挙げられる。そこで、
本実施例では、車輪速の脈動に対して90°位相進みで
脈動する車輪の加減速度に着目し、その脈動する大きな
振幅の車輪加減速度の極大値が所定値を越え、然る後に
脈動する車輪加減速度が所定値を下回る時間を計測し、
この計測時間が所定時間よりも短い場合には加減速度の
脈動の変動周波数が悪路走行と判定できる程度に比較的
短いものとして悪路走行中であると判断する。
【0023】次に、上記実施例の動作を制動圧制御回路
20におけるマイクロコンピュータ25の制御処理を示
す図5及び図6を伴って説明する。図5の制御処理は所
定時間(例えば10msec) 毎のメインプログラムに対す
るタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1
で、車体速度演算回路17から出力される車体速度Vi
と各良路フィルタ18j(j=FL,FR,R)及び悪路フィ
ルタ19jから出力される良路用車輪速Vw1j及び悪路
用車輪速Vw2jとを読込み、次いでステップS2に移行
して、良路フィルタ18jから読込んだ良路用車輪速V
1jと前回の処理時に読込んだ前回値との偏差から単位
時間当たりの変化量即ち車輪加減速度Vw1j′を算出し
てからステップS3に移行する。
【0024】このステップS3では、良路の車輪加減速
度Vw1j′をもとに走行路面が良路であるかベルジアン
・ロードや波状路等の悪路であるかを検出する路面状態
検出処理を実行する。この路面状態検出処理は、図6に
示すように、先ず、ステップS31で、前記ステップS
2で算出された車輪加減速度Vw1j′が、前述した悪路
走行で発生する大きな振幅の車輪加減速度が上回る程度
に予め設定された設定値Vw0 ′より小さいか否かを判
定し、Vw1j′<Vw0 ′であるときにはステップS3
2に移行し、そうでない場合即ちVw1j′≧Vw0 ′で
あるときにはステップS33に移行する。
【0025】ステップS32では、車輪加減速度V
1j′が設定値Vw0 ′より小さい状態が継続する時間
を計数する前記記憶装置25cの所定記憶領域に格納さ
れたカウント値Nが悪路走行時における10〜20Hz
の周波数での車輪加減速度Vw1j′が設定値Vw0 ′よ
り小さい状態が継続する時間に相当するカウント値Nを
越える値に設定された最大値NMAX より小さいか否かを
判定し、N<NMAX である場合にはステップS33に移
行し、N=NMAX である場合にはステップS34に移行
する。
【0026】ステップS33では、前記カウント値Nを
“1”インクリメントした値を新たなカウント値Nとし
て、前記記憶装置25cの所定記憶領域に更新記憶して
から路面状態検出処理を終了して前記図5のステップS
4に移行する。また、ステップS34では、走行路面状
態を表す悪路判定制御フラグFを良路を表す“0”にリ
セットしてから路面状態検出処理を終了して前記図5の
ステップS4に移行する。
【0027】一方、前記ステップS35では、前記カウ
ント値Nが“0”であるか否かを判定し、カウント値N
が“0”である場合にはそのまま路面状態検出処理を終
了してステップS4に移行し、N>0であるときにはス
テップS36に移行する。このステップ36では、カウ
ント値Nが最大値NMAX に達しているか否かを判定し、
N<NMAX であるときには、走行路面が悪路であると判
断してステップS37に移行して、悪路判定制御フラグ
Fを“1”にセットしてからステップS38に移行し、
N=NMAX であるときにはそのままステップS38に移
行する。
【0028】ステップS38では、前記カウンタ値Nを
“0”にクリアし、これを前記記憶装置25cの所定記
憶領域に更新記憶してから路面状態検出処理を終了して
前記図5のステップS4に移行する。ここで、図6の処
理が路面状態検出手段に対応している。このようにし
て、走行路面の路面状態が判断されると、図5の処理で
ステップS4に移行して、悪路判定制御フラグFを参照
して悪路走行状態であるか否かを判定し、悪路判定制御
フラグFが“0”にリセットされているときには、良路
走行状態であると判断してステップS5に移行し、良路
フィルタ18jの良路用車輪速Vw1jを選択車輪速Vw
Sjとして記憶装置25cの車輪速記憶領域に更新記憶し
てからステップS7に移行し、悪路判定制御フラグFが
“1”にセットされているときには、悪路走行状態であ
ると判断してステップS6に移行し、悪路フィルタ19
jの悪路用車輪速Vw2jを選択車輪速VwSjとして記憶
装置25cの車輪速記憶領域に更新記憶してからステッ
プS7に移行する。
【0029】ステップS7では、車体速度Vi と選択車
輪速VwSjとをもとに下記(1)式の演算を行ってスリ
ップ率Sj を算出する。 Sj ={(Vi −VwSj)/Vi }×100 …………(1) 次いで、ステップS8に移行して、記憶装置25cの所
定記憶領域に更新記憶されている選択車輪速VwSjと前
回の処理時に更新記憶した選択車輪速VwSjとの偏差か
ら単位時間当たりの変化量即ち車輪加減速度VwSj′を
算出してからステップS9に移行する。
【0030】このステップS9では、アンチスキッド制
御中であるか否かを表す制御判定フラグASがアンチス
キッド制御中を表す“1”にセットされているか否かを
判定し、制御判定フラグASが“1”にセットされてい
るときには、アンチスキッド制御中であると判断して後
述するステップS14に移行し、制御判定フラグASが
“0”にリセットされているときには、ステップS10
に移行して前記ステップS7で算出したスリップ率Sj
が予め設定したスリップ率設定値S1(例えば15%程
度)以上であるか否かを判定し、Sj <S1であるとき
には、アンチスキッド制御を行う必要がないものと判断
して、ステップS11に移行し、ステップS7及びS8
で算出したスリップ率Sj 及び車輪加減速度VwSj′を
もとに図7に示す通常制動時制御マップを参照して、急
増圧モード又は保持モードを選択してからタイマ割込処
理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0031】ここで、通常制動時制御マップは、図7に
示すように、車輪加減速度VwSj′が減速度閾値B1以
上であるときには急増圧モードに、減速度閾値B1未満
であるときには保持モードに夫々設定されるように構成
されている。急増圧モードでは、アクチュエータ6FL
〜6Rに対する制御信号EV及びAVを共に論理値
“0”として、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8
を開状態に、流出弁9を閉状態に夫々制御し、保持モー
ドでは、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8を閉状
態に、流出弁9を閉状態に夫々制御し、ホイールシリン
ダ2FL〜2RRの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0032】一方、ステップS10の判定結果がSj
S1であるときには、ステップS12に移行して、車輪
加減速度VwSjが予め設定した零より大きい加速度閾値
B0以上であるか否かを判定し、VwSj≧B0であると
きには、車輪速が加速状態であるので、アンチスキッド
制御を行う必要がないものと判断して前記ステップS1
1に移行し、VwSj<B0であるときには、スリップ率
j が大きい減速状態であってアンチスキッド制御を行
う必要があるものと判断して制御判定フラグASをアン
チスキッド制御中を表す“1”にセットしてからステッ
プS14に移行する。
【0033】このステップS14では、予め設定したア
ンチスキッド制御終了条件を満足するか否かを判定す
る。このアンチスキッド制御終了条件としては、車両が
停止近傍の速度になったときや、緩増圧モードの選択回
数が所定値以上となったときに設定され、これらの終了
条件を満足したときにはステップS15に移行して、制
御判定フラグASを非アンチスキッド制御中を表す
“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所
定のメインプログラムに復帰し、アンチスキッド制御終
了条件を満足しないときには、ステップS15に移行し
て、前記ステップS7及びS8で算出したスリップ率S
j 及び車輪加減速度VwSj′をもとに図8に示すアンチ
スキッド制御マップを参照してアクチュエータ6FL〜
6Rに対する制御モードを、保持モード、緩増圧モー
ド、緩減圧モード及び急減圧モードの何れかに制御して
からタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラム
に復帰する。
【0034】アンチスキッド制御マップは、図8に示す
ように、スリップ率Sj が予め設定した第1のスリップ
率S1未満である場合には、車輪加減速度VwSj′が予
め設定した零より大きい正の加速度閾値B0以上である
ときに低圧側保持モードを設定し、車輪加減速度V
Sj′が加速度閾値B0と予め設定した加速度閾値B0
より小さい減速度閾値B1との間にあるときに緩増圧モ
ードを設定し、車輪加減速度VwSj′が減速度閾値B1
以下であるときに高圧側保持モードを設定し、一方スリ
ップ率Sj ′が第1の設定値S1以上である場合には、
車輪加減速度VwSj′が加速度閾値B0以上であるとき
にはスリップ率に拘わらず低圧側の保持モードを設定
し、車輪加減速度VwSj′が加速度閾値B0未満である
ときには、スリップ率Sj が第1の設定値S1以上でこ
の第1の設定値S1より大きい第2の設定値S2未満で
あるときには緩減圧モードを設定し、スリップ率Sj
第2の設定値以上であるときに急減圧モードを設定す
る。
【0035】ここで、低圧側及び高圧側保持モードは、
前述した通常制動時制御マップにおける保持モードと同
様に、制御信号EVを論理値“1”、制御信号AVを論
理値“0”に制御して、ホイールシリンダ2iの内圧を
その直前の圧力に保持し、緩増圧モードは、アクチュエ
ータ6FL〜6Rに対する制御信号EVを論理値“0”
及び論理値“1”に所定間隔で繰り返すと共に、制御信
号AVを論理値“0”として、アクチュエータ6FL〜
6Rの流入弁8を所定間隔で開閉し、流出弁9を閉状態
とすることにより、ホイールシリンダ2FL〜2RRの
内圧を徐々にステップ状に増圧する。
【0036】また、緩減圧モードは、緩増圧モードとは
逆に制御信号EVを論理値“0”とすると共に、制御信
号AVを論理値“0”及び論理値“1”を所定間隔で繰
り返して、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8を閉
状態とし、流出弁9を所定間隔で開閉することにより、
ホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧を徐々にステッ
プ状に減圧し、急減圧モードは、制御信号EVを論理値
“0”とすると共に、制御信号AVを論理値“1”とし
て、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8を閉状態と
し、流出弁9を開状態とすることにより、ホイールシリ
ンダ2FL〜2RRの内圧を急速に減少させる。
【0037】ここで、図5の処理において、ステップS
4 〜S6の処理が車輪速度選択手段に対応し、ステップ
S7〜S16の処理が制御手段に対応している。ところ
で、車両がパーキングブレーキを作動させて駐車状態に
あるものとし、コントローラCRに対する電源が遮断さ
れているものとすると、車体速度演算回路17のサンプ
ルホールド回路17aの車輪速サンプリング値VS が零
であって、積分回路17fもリセット状態となってお
り、加算回路17gから出力される車体速度Vi も零と
なっている。
【0038】この駐車状態からキースイッチをオン状態
(例えばイグニッションキーをアクセサリー位置)とす
ると、コントローラCRに電源が投入される。このた
め、車体速度演算回路17のセンサ出力補正回路17e
では、車両が停車中であるので前後加速度センサ13の
加速度検出値XG は零であるが、その絶対値にオフセッ
ト値0.3g分だけ加算した加速度補正値XGCが出力され
ることになる。しかしながら、車輪速センサ3FL〜3
Rからパルス信号PFL〜PR が出力されず、したがって
車輪速演算回路15FL〜15Rから零の車輪速VFL
R が出力されているので、これら車輪速VFL〜VR
車体速度Vi とが一致することから選択回路17kで零
の電圧が積分入力電圧Eとして選択されて、積分回路1
7fの積分出力Ve が零となり、車体速度Vi は零の状
態を維持する。
【0039】このため、制動圧制御回路20では、図5
の処理を所定時間毎のタイマ割込処理として実行する
が、初期状態でアンチスキッド制御フラグASが“0”
にリセットされていると共に、悪路判定制御フラグFが
良路を表す“0”にリセットされており、駐車中を継続
する間は、車輪が停止しているため、良路車輪速検出値
Vw1jが零であり、悪路判定用設定値Vw0 ′より小さ
いので、図6の路面状態検出処理が実行されたときに、
ステップS31からステップS32を経てステップS3
3に移行して、カウント値Nが順次インクリメントさ
れ、このカウント値Nが最大値NMAX に達したときにス
テップS34に移行して、悪路判定制御フラグFを
“0”に再リセットする。
【0040】したがって、駐車状態を継続している間
は、悪路判定制御フラグFが“0”にリセットされてい
るため、ステップS4からステップS5に移行して、良
路フィルタ18jの良路車輪速検出値Vw1jが車輪速検
出値VwSjとして設定される。また、車両が駐車中であ
るので、スリップ率Sj 及び車輪加減速度VwSj′も零
となり、アンチスキッド制御フラグASも“0”にリセ
ットされているため、ステップS9,S10を経てステ
ップS11に移行し、スリップ率Sj 及び車輪加減速度
VwSj′をもとに図7の通常制動時制御マップを参照し
て、制御モードを設定するが、スリップ率Sj 及び車輪
加減速度VwSj′が共に零であることにより、急増圧モ
ードに設定される。この急増圧モードでは、アクチュエ
ータ6FL〜6Rの流入弁8が開状態となるので、マス
ターシリンダ5のシリンダ圧がそのまま各ホイールシリ
ンダ2FL〜2RRに供給される。したがって、ブレー
キペダル4を踏込んでいる場合には、ホイールシリンダ
2FL〜2RRの各シリンダ圧がマスターシリンダ圧に
等しくなり、通常制動状態を維持する。
【0041】この状態から図9に示す時点t0 で、イグ
ニッションスイッチをオン状態とすると、そのオン信号
IGによってサンプルホールド回路17aでセレクトハ
イスイッチ16で選択されたセレクトハイ車輪速VwS
(=0)を車輪速サンプリング値VS として保持すると
共に、積分回路17fがリセットされ、その積分出力V
e が零となるため、加算回路17gから出力される車体
速度Vi も零となり、セレクトハイ車輪速VwS が車体
速度Vi の不感帯幅内となる。このため、選択回路17
jで零の電圧が選択されてこれが積分入力電圧Eとして
積分回路17fに入力されるので、積分回路17fの積
分出力Ve も零に保持される。その結果、加算回路17
gから出力される車体速度Vi は、車輪速サンプリング
値VS と同じ零に維持される。
【0042】その後、車両を発進させて、直進加速状態
とすると、これに応じてセレクトハイ車輪速VwH が図
9(a)で実線図示の如く上昇し、VwH ≧Vi +1km
/hとなる時点t1 で、不感帯検出回路17hの出力C1
が図9(b)に示すように高レベルに転換する。しかし
ながら、オフディレータイマ21fの出力は、時点t 1
から設定時間T3 が経過するまでは高レベルを維持し、
設定時間T3 経過後の時点t2 で低レベルに転換する。
したがって、時点t1 から時点t2 までの間は、車体速
度Vi は依然として前回の車輪速サンプリング値V
S (=0)と同じ一定値に保たれ、時点t2 で選択回路
21iによって図9(h)に示すように+0.4gに対応
する負の電圧が入力電圧Eとして積分回路17fに供給
される。このため、積分回路21fの積分出力Ve が+
0.4gに対応した速度で大きくなり、これと車輪速サン
プリング値VS との加算回路17gによる加算値即ち車
体速度Vi も図9(a)で点線図示の如く上昇する。
【0043】そして、車体速度Vi がセレクトハイ車輪
速VwH と略等しくなる(VwH =Vi +1)時点t3
で、不感帯検出回路17hの出力C1 が低レベルに転換
し、これに応じてリセット回路17iからリセット信号
R が出力され、これによって積分回路17fがリセッ
トされると共に、サンプルホールド回路17aでそのと
きのセレクトハイ車輪速VwH を保持する。これと同時
に選択回路17jで零の電圧が積分入力電圧Eとして選
択されることにより、積分回路17fの積分出力Ve
零となり、車体速度Vi が時点t3 でのサンプリング車
速VS に保持される。
【0044】その後、車両が加速状態を継続しているの
で、時点t4 で不感帯検出回路17hの出力C1 が高レ
ベルに転換し、タイマ17jの設定時間T3 が経過した
時点t5 で車体速度Vi が+0.4gに対応した加速度の
積分値に応じた速度で増加し、車体速度Vi がセレクト
ハイ車輪速VwH と略等しくなる時点t6 で積分回路1
7fがリセットされると共に、サンプルホールド回路1
7aでそのときのセレクトハイ車輪速VwH を保持す
る。以後、車体速度Vi が時点t6 〜t7 間でセレクト
ハイ車輪速VwH を保持し、時点t7 〜t8 間で+0.4
gに応じた速度で上昇し、時点t8 〜t9 間で時点t8
でのセレクトハイ車輪速VwH を保持し、時点t9 〜t
10間で+0.4gに応じた速度で上昇し、時点t10〜t11
間で時点t 10でのセレクトハイ車輪速VwH を保持し、
時点t11〜t12間で+0.4gに応じた速度で上昇し、時
点t12〜t13間で時点t12でのセレクトハイ車輪速Vw
H を保持し、時点t13〜t14間で+0.4gに応じた速度
で上昇し、加速状態が終了した時点t14以降の定速走行
状態では、時点t14での車輪速サンプリング値VS が車
体速度Vi として保持される。
【0045】この間、図5の制動圧制御処理において
は、制動状態ではないことから、アンチスキッド制御中
ではなく、制御中フラグASが“0”にリセットされ、
且つスリップ率Sj が零であるので、ステップS11に
移行して、通常制動時制御マップを参照することによ
り、各アクチュエータ6FL〜6Rが急増圧モードに設
定されるが、この場合にはブレーキペダル4が踏込まれ
ていないので、各ホイールシリンダ2FL〜2RRのブ
レーキ液圧は零の状態を維持し、非制動状態を継続す
る。
【0046】その後、時点t16でアクセルペダルの踏込
を解除し、これに代えてブレーキペダル4を踏込んで制
動状態とすると、車体速度Vi に対してセレクトハイ車
輪速VwH が低下するので、不感帯検出回路17hの出
力C2 が図9(c)に示すように、高レベルに反転し、
タイマ17jの設定時間T3 が経過した時点t17で、選
択回路17kによって、出力補正回路17dの加算回路
17cから出力される加減速度補正値XGCが入力電圧E
として積分回路17fに供給されるので、その積分出力
e が加減速度補正値XGCに応じて負方向に増加し、こ
れが加算回路17gに供給されるので、車体速度Vi
図9(a)で点線図示の如く徐々に低下する。
【0047】その後、時点t18で車体速度Vi がセレク
トハイ車輪速VwH と略等しくなると、不感帯検出回路
17hの出力C2 が低レベルに反転し、これに応じてリ
セット回路17iからリセット信号SR が出力されて、
積分回路17fがリセットされると共に、サンプルホー
ルド回路17aでそのときのセレクトハイ車輪速Vw H
を保持し、その後タイマ17jの設定時間T3 が経過し
た時点t19で出力補正回路17dの加算回路17cから
出力される前後加速度補正値XGCを積分回路17fで積
分して車体速度Vi が減少し、この車体速度Vi がセレ
クトハイ車輪速VwH と略等しくなる時点t20でそのと
きのセレクトハイ車輪速VwH をサンプルホールド回路
17aで保持する。
【0048】このように制動状態となると、その制動初
期には、アンチスキッド制御が開始されないので、図5
の制動圧制御処理において、通常制動時制御マップによ
る処理が選択され、この通常制動時処理によって、図1
0に示すように、各車輪1FL〜1RRに設けたホイー
ルシリンダ2FL〜2RR対する制動力が個別に制御さ
れる。
【0049】このとき、非駆動輪となる前左輪1FLの
車輪速VwFLが図10(a)で細線図示のように変化
し、且つ駆動輪となる後左輪1RLの車輪速VwRLが図
10(a)で一点鎖線図示のように前輪に対して位相遅
れを有して変化したものとすると、車体速度演算回路1
7では、図10の時点t41からセレクトハイ車輪速Vw
H が低下することにより、前述したように、時点t41
らタイマ17jの設定時間T3 だけ遅れた時点t42で車
体速度Vi が図10(a)で点線図示の如く前後加速度
補正値XGCの積分値に対応した速度で低下する。その
後、時点t43で車体速度Vi がセレクトハイ車輪速Vw
H に略一致すると(VwH ≧Vi −1)、前述したよう
に、積分回路17f及びサンプルホールド回路17aが
リセットされて、車体速度Vi が車輪速サンプリング値
S と等しい一定値に保持される。
【0050】その後、時点t45でタイマ17jの設定時
間T3 が経過すると、再度車体速度Vi が前後加速度補
正値XGCに応じた速度で低下する。そして、セレクトハ
イ車輪速となる後輪車輪速VwRLと略等しくなる時点t
48で、積分回路17f及びサンプリングホールド回路1
7aがリセットされて、車体速度Vi が車輪速サンプリ
ング値VS と等しい一定値に保持され、次いで時点t50
で車体速度Vi が減少を開始し、時点t51〜t52間で時
点t51におけるセレクトハイ車輪速VwH となる前輪2
FLの車輪速VwFLのサンプリング値VS と等しい一定
値に保持される。この時点t51〜t52間ではVi ≧Vw
FL+1となっているので、タイマ17jの設定時間T3
が経過した時点t53では後述するように、制動圧制御装
置20でアンチスキッド制御を実行しており、制御開始
中信号MRが図9(d)に示す如く論理値“1”となっ
ているので、選択回路17kで+10gに対応する負の
電圧に切換えられており、これが積分入力電圧Eとして
積分回路17fに入力されるので、この積分回路17f
の積分出力Ve が+10gに対応した速度で急増加し、
これに伴って車体速度Vi も急増加する。
【0051】その後、時点t53で、車体速度Vi がセレ
クトハイ車輪速VwH となる車輪速VwFLと略等しくな
ると、車体速度Vi が車輪速VwFLの車輪速サンプリン
グ値VS に保持され、この状態がタイマ17jの設定時
間T3 が経過する時点t54迄保持される。そして、時点
54以降は、時点t55迄の間車体速度Vi が減少し、時
点t55〜t57間で時点t56での車輪速VwFLの車輪速サ
ンプリング値VS を保持し、時点t57〜t59間で減少
し、時点t59でそのときの車輪速VwR の車輪速サンプ
リング値VS を保持する。
【0052】このようにして、車体速度演算回路17
で、アンチスキッド制御中の振動を伴う車輪速変動及び
4輪ドリフト状態やスピン状態にもかかわらず、図10
(a)で二点鎖線図示の実際の車体速度VC に略追従し
た車体速度Vi を発生させることができる。特に、セン
サ出力補正回路17dで前後加速度センサ13の加速度
検出値XG の絶対値に所定のオフセット値(0.3g)を
加算して前後加速度補正値XGCを得るようにしているの
で、車体速度Vi とセレクトハイ車輪速VwH とが一致
する瞬間が必ず生じることになり、前後加速度センサ1
3の加速度検出値XG を積分する場合に生じる誤差を抑
制することができ、実際の車体速度VC に正確に対応さ
せたものとなる。
【0053】一方、制動圧制御装置20では、例えば前
左輪2FLについて説明すると、図5の処理において、ス
テップS11の通常制動時制御マップによる処理が実行
されているので、図10(c)に示す如く、時点t41
制動を開始してから車輪加減速度Vw1FL ′が図10
(b)に示す如く減速方向に増加して、減速度閾値B1
を越える時点t44で高圧側の保持モードを設定し、その
後スリップ率SFLが第1の設定スリップ率S1(例えば
15%)を越えた時点即ち車輪速Vw1FL が車体速度V
i の85%以下となった時点t46で図5の処理におい
て、ステップS9〜S12を経てステップS13に移行
して、アンチスキッド制御フラグASを“1”にセット
してからステップS15に移行する。このため、ステッ
プS15で図8のアンチスキッド制御マップを参照した
ときに、スリップ率SFLが第1の設定値S1を越えてお
り、車輪加減速度VwFL′が減速度閾値B1未満である
ので、緩減圧モードが設定される。
【0054】これによって、ホイールシリンダ2FL〜
2RRのシリンダ圧が図10(c)に示すように、徐々
に減圧されるので、車輪速VwFLが回復して車輪加減速
度VwFL′が加速度閾値B0を越える時点t49で低圧側
の保持モードを設定し、さらに車輪加減速度VwFLが加
速度閾値B0未満となる時点t51で緩増圧モードを設定
し、車輪加減速度VwFL′が減速度閾値B1を越える時
点t56で高圧側の保持モードを設定し、スリップ率SFL
が設定スリップ率S1を越える時点t57で減圧モードを
設定し、これらのモードが制動状態を解除するか又は車
速が所定車速以下の極低速状態となるまで繰り返され
て、正確なアンチスキッド効果が発揮される。
【0055】また、良路の定速走行状態から図12に示
すように、例えば駆動輪となる後輪1k(k=RL,R
R)が時点t0 でベルジアン・ロードや波状路等の悪路
に進入し、同じく時点t8 〜t9 の間で悪路から抜け出
し、再度時点t10の近傍で悪路に進入した場合について
説明すると、先ず、時点t0 前では、前述したように車
両が良路を定速直進走行しているので、ステップS2で
算出される良路車輪加減速度Vw1k′は図11(a)に
示すように略零であり、カウント値Nは図11(b)に
示すように最大値NMAX に保持されていると共に、悪路
判定フラグFが“0”にリセットされている。
【0056】この状態で、時点t0 で悪路を走行開始す
ることにより、後輪1jがバウンドすると、車輪速度V
k が図11(a)に示すように増加することになり、
これに応じてステップS2で算出される良路車輪加減速
度Vw1k′が図11(b)に示すように急激に上昇し、
時点t1 で設定値Vw0 ′に達すると、ステップS31
からステップS35に移行し、カウント値Nを図11
(c)に示すように“0”にクリアする。
【0057】そして、脈動する車輪加減速度Vw1k′は
やがてその極大値を越えて減少し始めるが,次の時点t
2 まで前記設定値Vw0 ′を越えており、従ってその
間、ステップS31からステップS35に移行し、この
ステップS35では前記カウント値Nは“0”のままで
あるために、そのまま路面状態検出処理を終了する処理
が繰り返される。この間も悪路判定制御フラグFは
“0”にリセットされたままである。
【0058】次いで前記時点t2 で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
1k′は前記所定値Vw1k′より小さくなるために、図
6の処理において、ステップS31からステップS32
に移行する。この時点で、カウント値Nは未だ“0”で
あるからステップS32からステップS33に移行して
カウント値Nのインクリメントを行ってから路面状態検
出処理を終了する。
【0059】その後、脈動する車輪加減速度Vw1k′は
やがて減少方向からその極小値を越えて増加し始める
が、次の時点t3 までの間、その車輪加減速度Vw1k
が前記設定値Vw0 ′を越えることはなく、そのために
前記図6の演算処理でステップS31からステップS3
2,S33を経て路面状態検出処理を終了することを繰
り返し、その結果,前記演算処理が行われる所定時間Δ
T毎にカウント値Nは図11(b)に示すようにインク
リメントされて増加する。
【0060】次いで、前記時点t3 で,図5の演算処理
のステップS2で算出された増加を続ける車輪加減速度
Vw1k′は設定値Vw0 ′を越えるために、図6の処理
においてステップS35に移行するが、ここではカウン
ト値Nは“0”ではないためにステップS36に移行す
る。ところが、このカウント値Nは未だその最大値N
MAX に達しておらず、そのためにステップS37に移行
する。このステップS37では、前記時点t1 で車輪加
減速度Vw1k′が前記設定値Vw0 ′を越えるような大
きな振幅を示し、しかも前記時点t2 から当該時点t3
までの経過時間T(=N・ΔT)が前記悪路走行で発生
する車輪加減速度の短い周期に相当する経過所定時間T
0 (=NMAX ・ΔT)よりも短いから、車両は悪路を走
行中であると判断し、その結果として悪路判定制御フラ
グFを“1”にセットしてからステップS38に移行
し、前記カウント値Nを“0”にクリアしてから路面状
態検出処理を終了して図5のステップS4に移行する。
そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はやがてその極
大値を越えて減少し始めるが,次の時点t4 まで前記設
定値Vw0 ′を越えており、従ってその間、前記ステッ
プS31からステップS35に移行するが、このステッ
プS35では前記カウント値Nは“0”のままであるた
めに、そのまま路面状態検出処理を終了するという処理
が繰り返され、この間も悪路判定制御フラグFは“1”
にセットされたままである。
【0061】次いで前記時点t4 で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、図
6の処理において、ステップS31からステップS32
に移行し、カウント値Nが未だ“0”であるため、N<
MAX となり、ステップS32からステップS33に移
行してカウント値Nを“1”だけインクリメントしてか
ら路面状態検出処理を終了する。そして、脈動する車輪
加減速度Vwk ′はやがて減少方向からその極小値を越
えて増加し始めるが、次の時点t5 までの間、当該車輪
加減速度Vwk′が前記設定値Vw0 ′を越えることは
なく、そのために前記図6の演算処理でステップS31
からステップS32,S33を経て路面状態検出処理を
終了する処理を繰り返し、その結果、前記演算処理が行
われる所定時間ΔT毎にカウント値Nは“1”づつイン
クリメントされて増加する。この間も前記悪路判定制御
フラグFをリセットするステップS34に移行すること
は一度もないから,当該悪路判定制御フラグFは“1”
にセットされたままである。
【0062】次いで前記時点t5 で、図6の演算処理の
ステップS3で算出された増加を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越え、またインクリメン
トを繰り返されたカウント値Nは“0”ではないために
ステップS31からステップS35を経てステップS3
6に移行する。ところが、このカウント値Nは未だその
最大値NMAX に達しておらず、そのためにステップS3
7に移行して前記と同様にして悪路判定制御フラグFを
“1”にセットし続け、次いでステップS38に移行し
て前記カウント値Nを“0”にリセットしてから路面状
態検出処理を終了する。そして、脈動する車輪加減速度
Vwk ′はやがてその極大値を越えて減少し始めるが、
次の時点t5 まで前記所定値Vw0 ′を越えており、従
ってその間、前記ステップS31からステップS35に
移行するが、このステップS35では前記カウント値N
は“0”のままであるために、そのまま路面状態検出処
理を終了する処理が繰り返される。この間も悪路判定制
御フラグFは“1”にセットされたままである。
【0063】次いで前記時点t6 で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、ス
テップS31からステップS32に移行し、カウント値
Nが未だ“0”であるため、N<NMAX となり、ステッ
プS32からステップS33に移行してカウント値Nを
“1”だけインクリメントしてから路面状態検出処理を
終了する。そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はや
がて減少方向からその極小値を越えて増加し始めるが、
次の時点t7 までの間、その車輪加減速度Vwk ′が前
記所定値Vw0′を越えることはなく、そのために前記
図6の演算処理でステップS31からステップS32,
S33を経て路面状態検出処理を終了する処理を繰り返
し、その結果、前記演算処理が行われる所定時間ΔT毎
にカウント値Nは“1”づつインクリメントされて増加
し続ける。この間も前記悪路判定制御フラグFをリセッ
トするステップS34に移行することは一度もないか
ら、この悪路判定制御フラグFは“1”にセットされた
ままである。
【0064】次いで前記時点t7 で,図5の演算処理の
ステップS2で算出された増加を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越え、またインクリメン
トを繰り返されたカウント値Nは“0”ではないために
ステップS31からステップS35を経てステップS3
6に移行する。ところが、このカウント値Nは未だその
最大値NMAX に達しておらず、そのためにステップS3
7に移行して前記と同様にして悪路走行フラグFを
“1”にセットし続け、次いでステップS38に移行し
て前記カウント値Nを“0”にクリアしてから路面状態
検出処理を終了する。そして、脈動する車輪加減速度V
k ′はやがてその極大値を越えて減少し始めるが,次
の時点t8 まで前記設定値Vw0 ′を越えており、従っ
てその間、前記ステップS31からステップS35に移
行するが、このステップS35では前記カウント値Nは
“0”のままであるために、そのまま路面状態検出処理
を終了する処理が繰り返される。この間も悪路判定制御
フラグFは“1”にセットされたままである。
【0065】次いで前記時点t8 で、図6の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、ス
テップS31からステップS32に移行し、カウント値
Nが未だ“0”であるため、N<NMAX となり、ステッ
プS32からステップS33に移行してカウント値Nを
“1”だけインクリメントしてから路面状態検出処理を
終了する。そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はや
がて減少方向からその極小値を越えて増加し始めるが、
次の時点t9 までの間、当該車輪加減速度Vwk ′が前
記所定値Vw0′を越えることはなく、そのために,少
なくとも後述する時点t9 までの間は前記図6の演算処
理でステップS31からステップS32,S33を経て
路面状態処理を終了する処理を繰り返し、その結果、前
記演算処理が行われる所定時間ΔT毎にカウント値Nは
“1”づつインクリメントされて増加し続ける。この間
も前記悪路判定制御フラグFをリセットするステップS
34に移行することは一度もないから、この悪路判定制
御フラグFは“1”にセットされたままである。
【0066】ところが、前記時点t8 〜t9 間で悪路走
行を終了した車両では、図5の演算処理のステップS2
で算出される車輪加減速度Vwk ′の周期が,当該時点
8以後長くなる。したがって、前記時点t8 から図6
の演算処理が実行される所定時間ΔT毎にインクリメン
トされて増加し続けるカウント値Nは、やがて前記時点
9 でその最大値NMAX に維持される。ここで、図6の
演算処理のステップS31では車輪加減速度Vwk ′が
前記設定値Vw0 ′を越えていないためにステップS3
2に移行し、このステップS32でカウント値Nが最大
値NMAX であるためにステップS34に移行する。この
ステップS34では、前記時点t8 からこの時点t9
での経過時間T(=N・ΔT)が前記悪路走行で発生す
る車輪加減速度の短い周期に相当する経過所定時間T0
(=NMAX ・ΔT)と同じかそれよりも長いから、車両
は悪路走行中ではないと判断し、その結果として悪路判
定制御フラグFを“0”にリセットしてから路面状態検
出処理を終了する。そして、この時点t9 から前記時点
10までの間は、良路を走行するので、車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越えることがなく、しか
もカウント値Nは図11(c)に示すようにその最大値
MAX に維持されるために、図6の演算処理でステップ
S31からステップS32,S34を経て路面状態検出
処理を終了する処理を繰り返し、その間悪路判定制御フ
ラグFは良路走行を表す“0”にリセットされ続ける。
【0067】次いで時点t10近傍では、悪路走行状態に
復帰するため、この時点t10で、図5の演算処理のステ
ップS2で算出された増加を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越えるためにステップS
31からステップS35に移行し、インクリメントを繰
り返されて最大値NMAX に維持されているカウント値N
は“0”ではないためにステップS35からステップS
36,S38に移行し、このステップS38でカウント
値Nを“0”にクリアしてから路面状態検出処理を終了
する。そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はやがて
その極大値を越えて減少し始めるが,次の時点t11まで
前記所定値Vw0 ′を越えており、従ってその間、前記
ステップS31からステップS35に移行するが、この
ステップS35では前記カウント値Nは“0”のままで
あるために、そのまま路面状態検出処理を終了する処理
が繰り返される。この間も前記ステップS37に移行す
ることは一度もないから悪路判定制御フラグFは良路走
行を表す“0”にリセットされたままである。
【0068】次いで前記時点t11で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、ス
テップS31からステップS32に移行し、カウント値
Nが未だ“0”であるため、N<NMAX となり、ステッ
プS32からステップS33に移行してカウント値Nを
“1”だけインクリメントしてから路面状態検出処理を
終了する。その後、脈動する車輪加減速度Vw1k′はや
がて減少方向からその極小値を越えて増加し始めるが、
次の時点t12までの間、その車輪加減速度Vw1k′が前
記設定値Vw0′を越えることはなく、そのために前記
図6の演算処理でステップS31からステップS32,
S33を経て路面状態検出処理を終了することを繰り返
し、その結果,前記演算処理が行われる所定時間ΔT毎
にカウント値Nは図11(b)に示すようにインクリメ
ントされて増加する。
【0069】次いで、前記時点t12で,図5の演算処理
のステップS2で算出された増加を続ける車輪加減速度
Vw1k′は設定値Vw0 ′を越えるために、図6の処理
においてステップS35に移行するが、ここではカウン
ト値Nは“0”ではないためにステップS36に移行す
る。ところが、このカウント値Nは未だその最大値N
MAX に達しておらず、そのためにステップS37に移行
する。このステップS37では、前記時点t10で車輪加
減速度Vw1k′が前記設定値Vw0 ′を越えるような大
きな振幅を示し、しかも前記時点t11から当該時点t12
までの経過時間T(=N・ΔT)が前記悪路走行で発生
する車輪加減速度の短い周期に相当する経過所定時間T
0 (=NMAX ・ΔT)よりも短いから、車両は悪路を走
行中であると判断し、その結果として悪路判定制御フラ
グFを“1”にセットしてからステップS38に移行
し、前記カウント値Nを“0”にクリアしてから路面状
態検出処理を終了して図5のステップS4に移行する。
そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はやがてその極
大値を越えて減少し始めるが,次の時点t13まで前記設
定値Vw0 ′を越えており、従ってその間、前記ステッ
プS31からステップS35に移行するが、このステッ
プS35では前記カウント値Nは“0”のままであるた
めに、そのまま路面状態検出処理を終了するという処理
が繰り返され、この間も悪路判定制御フラグFは“1”
にセットされたままである。
【0070】次いで前記時点t13で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、図
6の処理において、ステップS31からステップS32
に移行し、カウント値Nが未だ“0”であるため、N<
MAX となり、ステップS32からステップS33に移
行してカウント値Nを“1”だけインクリメントしてか
ら路面状態検出処理を終了する。そして、脈動する車輪
加減速度Vwk ′はやがて減少方向からその極小値を越
えて増加し始めるが、次の時点t14までの間、当該車輪
加減速度Vwk′が前記設定値Vw0 ′を越えることは
なく、そのために前記図6の演算処理でステップS31
からステップS32,S33を経て路面状態検出処理を
終了する処理を繰り返し、その結果、前記演算処理が行
われる所定時間ΔT毎にカウント値Nは“1”づつイン
クリメントされて増加する。この間も前記悪路判定制御
フラグFをリセットするステップS34に移行すること
は一度もないから、当該悪路判定制御フラグFは“1”
にセットされたままである。
【0071】次いで前記時点t14で、図6の演算処理の
ステップS3で算出された増加を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越え、またインクリメン
トを繰り返されたカウント値Nは“0”ではないために
ステップS31からステップS35を経てステップS3
6に移行する。ところが、このカウント値Nは未だその
最大値NMAX に達しておらず、そのためにステップS3
7に移行して前記と同様にして悪路判定制御フラグFを
“1”にセットし続け、次いでステップS38に移行し
て前記カウント値Nを“0”にリセットしてから路面状
態検出処理を終了する。そして、脈動する車輪加減速度
Vwk ′はやがてその極大値を越えて減少し始めるが、
次の時点t5 まで前記所定値Vw0 ′を越えており、従
ってその間、前記ステップS31からステップS35に
移行するが、このステップS35では前記カウント値N
は“0”のままであるために、そのまま路面状態検出処
理を終了する処理が繰り返される。この間も悪路判定制
御フラグFは“1”にセットされたままである。
【0072】次いで前記時点t15で、図5の演算処理の
ステップS2で算出された減少を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′より小さくなるために、ス
テップS31からステップS32に移行し、カウント値
Nが未だ“0”であるため、N<NMAX となり、ステッ
プS32からステップS33に移行してカウント値Nを
“1”だけインクリメントしてから路面状態検出処理を
終了する。そして、脈動する車輪加減速度Vwk ′はや
がて減少方向からその極小値を越えて増加し始めるが、
次の時点t7 までの間、その車輪加減速度Vwk ′が前
記所定値Vw0′を越えることはなく、そのために前記
図6の演算処理でステップS31からステップS32,
S33を経て路面状態検出処理を終了する処理を繰り返
し、その結果、前記演算処理が行われる所定時間ΔT毎
にカウント値Nは“1”づつインクリメントされて増加
し続ける。この間も前記悪路判定制御フラグFをリセッ
トするステップS34に移行することは一度もないか
ら、この悪路判定制御フラグFは“1”にセットされた
ままである。
【0073】次いで前記時点t16で,図5の演算処理の
ステップS2で算出された増加を続ける車輪加減速度V
k ′は前記設定値Vw0 ′を越え、またインクリメン
トを繰り返されたカウント値Nは“0”ではないために
ステップS31からステップS35を経てステップS3
6に移行する。ところが、このカウント値Nは未だその
最大値NMAX に達しておらず、そのためにステップS3
7に移行して前記と同様にして悪路走行フラグFを
“1”にセットし続け、次いでステップS38に移行し
て前記カウント値Nを“0”にクリアしてから路面状態
検出処理を終了する。以後、悪路走行状態を継続する
間、上記処理を繰り返して悪路判定制御フラグFを
“1”にセットし続ける。
【0074】以上のように前記図6の演算処理によれ
ば、悪路走行を開始した時点t0 から間もない時点t3
で悪路判定制御フラグFが“1”にセットされ、悪路走
行を終了した時点t8 から間もない時点t9 までこの悪
路判定制御フラグFが“1”にセットされ続けてこの時
点t9 でリセットされ、同様に悪路走行を開始した時点
10近傍から間もない時点t12で悪路判定制御フラグF
が“1”にセットされるため、この悪路判定制御フラグ
Fが“1”にセットされていることで車両の悪路走行を
正確に判断できる。
【0075】このように、図6の路面状態検出処理にお
いて、車両の悪路走行状態を正確に検出することができ
るので、車両が良路を走行している状態では、図6の路
面状態検出処理で悪路判定制御フラグFが“0”にリセ
ットとされるため、図5の路面状態検出処理後のステッ
プS4で良路走行状態であると判断してステップS5に
移行し、良路フィルタ18jの良路車輪速検出値Vw1j
を選択車輪速検出値VwSjとして選択し、この良路車輪
速検出値Vw1jに基づいてアンチスキッド制御処理を行
うことにより、良路走行に応じた最適なアンチスキッド
制御処理を行うことができる。
【0076】一方、良路走行状態から悪路走行状態に移
行すると、図11(d)に示すように、時点t3 及びt
12で図6の路面状態検出処理で悪路判定制御フラグFが
“1”にセットされるため、図5の路面状態検出処理後
のステップS4で悪路走行状態であると判断してステッ
プS6に移行し、悪路フィルタ19jの悪路車輪速検出
値Vw2jを選択車輪速検出値VwSjとして選択する。こ
のため、選択車輪速検出値VwSjは、図11(e)に示
すように、悪路走行時の車輪速変動分を除去したものと
なるため、この選択車輪速検出値VwSjに基づいてアン
チスキッド制御を行うことにより、悪路走行時であって
も、制動距離が長くなることを確実に防止することがで
きる。
【0077】すなわち、車輪速の変動振幅が10km/
h、変動周波数が15Hzの変動を車輪に加えた場合の
アンチスキッド制御時における時間と車体速Vi との関
係をシミュレーションした結果を示す図13で特に明ら
かなように、カットオフ周波数fC が5Hzのローパス
フィルタで構成される悪路フィルタ19jを適用した場
合には、図13で太い実線図示の特性曲線L1 で示すよ
うに、破線図示の特性曲線L2 で示す車輪速の変動がな
い良路でのアンチスキッド制御時と全く同様の制動状態
を得ることができ、細い実線図示の特性曲線L3 で示す
ローパスフィルタを使用しない場合のように制動距離が
不必要に長くなることを確実に防止することができる。
【0078】また、路面状態を良路フィルタ18jの車
輪速検出値に基づいて検出するようにしているので、別
途路面状態検出用センサを設ける必要がなく、全体のコ
ストを低減することができる。なお、上記第1実施例に
おいては、悪路フィルタ19jを構成するローパスフィ
ルタのカットオフ周波数fC を5Hzに選定した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、カ
ットオフ周波数fC を10Hz及び15Hzに選定した
場合でも、図13の特性曲線L4 及びL5 で示すよう
に、カットオフ周波数fC を5Hzに選定した場合に比
較して制動距離が延びるが、ローパスフィルタを使用し
ない場合よりは制動距離を短縮することができ、それな
りの効果を挙げることができる。
【0079】次に、本発明の第2実施例を図14〜図1
6を伴って説明する。この第2実施例は、前述した第1
実施例における悪路フィルタ19FL〜19Rのフィル
タ特性を走行路面状態に応じて変更して、走行路面状態
に応じた最適なフィルタ特性を得るようにしたものであ
る。すなわち、第2実施例では、図14に示すように、
各悪路フィルタ19FL〜19Rは、そのカットオフ周
波数fC がマイクロコンピュータ25からのカットオフ
周波数調整信号SCFL〜SCR に基づいて変更可能に構
成されていると共に、マイクロコンピュータ25の演算
処理装置25cで、図15の処理を実行する。この図1
5の処理は、前述した第1実施例の図5の処理における
ステップS2とステップS3との間に、良路車輪速検出
値Vw1jの変動周波数fA を検出する変動周波数算出処
理を行うステップS21と、算出された変動周波数と車
体速度Vi とをもとに予め記憶装置25dに格納された
図15に示すカットオフ周波数制御マップを参照して各
悪路フィルタ19jのカットオフ周波数fC を決定する
カットオフ周波数決定処理を行うステップS22と、悪
路フィルタ19jのカットオフ周波数fC を決定された
カットオフ周波数fC に調整するカットオフ周波数調整
信号SCj を各悪路フィルタ19jに出力する調整信号
出力処理を行うステップS23とがその順に介挿されて
いることを除いては図5の処理と同様の処理を行い、図
5と対応する処理には同一ステップ番号を付し、その詳
細説明はこれを省略する。
【0080】ここで、ステップS21の変動周波数算出
処理は、例えばステップS1で読込まれる良路車輪速検
出値Vw1jの極小値及び極大値を求め、これら極小値及
び極大値間の経過時間から良路車輪速検出値Vw1jの変
動周波数fA を算出する。また、ステップS22のカッ
トオフ周波数決定処理で参照するカットオフ周波数制御
マップは、図16に示すように、横軸に変動周波数fA
(Hz)をとり、縦軸にカットオフ周波数fC (Hz)
とり、車体速度Vi をパラメータとして設定されてい
る。そして、車体速度Vi が低速である場合には、特性
曲線L11で示すように、変動周波数fA が10Hz以下
であるときに、カットオフ周波数fCが例えば15Hz
に固定され、変動周波数fA が10Hzを越えると周波
数の増加に伴ってカットオフ周波数fC が徐々に線型に
低下し、変動周波数fA が20Hz以上では、カットオ
フ周波数fC が例えば5Hzに固定される。また、車体
速度Vi が中速である場合には、特性曲線L12で示すよ
うに、変動周波数fA が10Hz以下であるときに、カ
ットオフ周波数fC が12.5Hzに固定され、変動周
波数fA が10Hzを越えると周波数の増加に伴ってカ
ットオフ周波数f C が徐々に線型に低下し、変動周波数
A が20Hz以上では、カットオフ周波数fC が例え
ば2.5Hzに固定される。さらに、車体速度Vi が高
速である場合には、特性曲線L13で示すように、変動周
波数fA が10Hz以下であるときに、カットオフ周波
数fC が11Hz近傍に固定され、変動周波数fA が1
0Hzを越えると周波数の増加に伴ってカットオフ周波
数fC が徐々に線型に低下し、変動周波数fA が20H
z以上では、カットオフ周波数fC が例えば1Hz近傍
に固定される。
【0081】この図15の処理において、ステップS2
1の処理が車輪速度変動量検出手段に対応し、ステップ
S22及びS23の処理が補正手段に対応している。こ
の第2実施例によると、今、車両が比較的低速で走行し
ているものとすると、この状態で、図15の処理が実行
されたときには、ステップS21で算出される変動周波
数fA が10Hz以下となる小悪路を走行している場合
には、ステップS22でカットオフ周波数fC が15H
zに決定され、ステップS23で15Hzのカットオフ
周波数fC に応じたカットオフ周波数調整信号SCj
各悪路フィルタ19jに出力されることにより、これら
悪路フィルタ19jのカットオフ周波数fC が15Hz
に設定される。この結果、小悪路のように車輪速度の変
動周波数fA が小さいときには、車輪速度の変動が小さ
く、アンチスキッド制御の誤作動の可能性が低いので比
較的広域周波数成分を通過させることにより、応答性を
確保しながら路面状況に追従した正確なアンチスキッド
制御を行うことができる。
【0082】この状態から、路面状態が大悪路方向とな
るに従って変動周波数fA が高くなり、これにつれて悪
路フィルタ19jのカットオフ周波数fC も低下される
ことになるため、車輪変動が大きい大悪路での車輪速検
出値から狭域周波数成分のみが通過されることにより、
車輪のバウンド・リバウンドによるアンチスキッド制御
時の誤作動を確実に防止することができる。
【0083】このように、第2実施例によれば、実際の
路面状況に応じて悪路フィルタのカットオフ周波数fC
を最適状態に制御することができ、良好なアンチスキッ
ド効果を発揮することができる。なお、上記第2実施例
においては、悪路フィルタ19FL〜19Rのカットオ
フ周波数fC を車体速度Vi 及び変動周波数fA をもと
に決定する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、車体速度Vi 及び変動周波数fAの何れ
か一方に基づいてカットオフ周波数fA を決定するよう
にしてもよく、さらには良路車輪速検出値Vw1jの極小
値と極大値との差値から変動振幅を算出し、これをもと
にカットオフ周波数fA を決定するようにしてもよく、
さらには変動振幅と車体速度Vi 及び変動周波数fA
何れか一方又は双方とをもとにカットオフ周波数fC
決定するようにしてもよい。
【0084】また、上記第2実施例においては、悪路フ
ィルタ19FL〜19Rの夫々がそそれらのカットオフ
周波数fC を変更可能に構成されている場合について説
明したが、これに限らず予め異なるカットオフ周波数に
設定された複数の悪路フィルタを用意し、これらの出力
を演算処理装置25cからの選択指令に基づいて選択す
るマルチプレクサを介して入力インタフェース回路25
aに供給するようにしてもよい。
【0085】さらに、上記第2実施例においては、悪路
フィルタ19FL〜19Rのカットオフ周波数を走行路
面状態に応じて変更する場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、悪路フィルタ19FL〜1
9Rのゲインを走行路面状況に応じて調整するようにし
ても、カットオフ周波数を調整する場合と同等の作用効
果を得ることができる。
【0086】次に、本発明の第3実施例を図17につい
て説明する。この第3実施例は、良路フィルタ18FL
〜18R及び悪路フィルタ19FL〜19Rの切換えを
行う際に、両者のフィルタ出力が不連続となることを防
止するようにしたものである。この第3実施例では、マ
イクロコンピュータ25の演算処理装置25cで、図1
7の演算処理が実行される。この演算処理では、前述し
た第1実施例におけるステップS4〜ステップS6で表
されるフィルタ出力選択処理が省略され、これらに換え
てステップS41〜S49のフィルタ出力選択処理が設
けられていることを除いては前述した図5の処理と同様
の処理を実行し、図5の処理との対応部分には同一ステ
ップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0087】このフィルタ出力選択処理は、図17に示
すように、先ず、ステップS41で前述したステップS
4と同様に悪路判定制御フラグFが“1”にセットされ
ているか否かによって悪路であるか否かを判定し、悪路
判定制御フラグFが“1”にセットされているときに
は、ステップS42に移行して、記憶装置25dに予め
形成したソフトウェアタイマのカウント値Tが零である
か否かを判定し、T=0であるときにはステップS43
に移行して、カウント値Tを零に維持してからステップ
S45に移行し、T≠0であるときには、ステップS4
4に移行して、カウント値Tを“1”だけデクリメント
した値を新たなカウント値Tとして記憶装置25dに更
新記憶してからステップS45に移行する。
【0088】ステップS45では、カウント値T及び予
め設定されたカウント値の最大値T MAX をもとに下記
(2)式及び(3)式の演算を行って、良路フィルタ1
8j及び悪路フィルタ19jの選択比率を設定する係数
a及びbを算出する。 a=T/TMAX …………(2) b=1−a …………(3) 次いで、ステップS46に移行して、上記ステップS4
5で算出した係数a及びbをもとに下記(4)式の演算
を行って、選択車輪速検出値VwSjを算出してから前述
したステップS7に移行する。
【0089】 VwSj=a×Vw1j+b×Vw2j …………(4) 一方、ステップS41の判定結果が、悪路判定制御フラ
グFが“0”にリセットされているものであるときに
は、ステップS47に移行して、カウント値Tが予め設
定された最大値TMAX に達しているか否かを判定し、T
=TMAX であるときには、ステップS48に移行して、
カウント値Tを最大値TMAX に維持してから前記ステッ
プS45に移行し、T≠TMAX であるときには、ステッ
プS49に移行して、現在のカウント値Tを“1”だけ
インクリメントした値を新たなカウント値Tとして記憶
装置25dに更新記憶してから前記ステップS45に移
行する。
【0090】なお、カウント値TはコントローラCRに
電源が投入されて、演算処理装置25cで演算処理を開
始した初期状態で最大値TMAX に初期化される。この第
3実施例によると、車両がイグニッションスイッチをオ
ン状態としてエンジンを始動し、その後車両を発進させ
て良路を走行する状態では、前述したように、図6の路
面状態検出処理で悪路判定制御フラグFが“0”にリセ
ットされている状態を継続することから、図17のステ
ップS41からステップS47に移行することになり、
カウント値Tは初期化された最大値TMAX の状態を維持
することにより、ステップS48に移行して、最大値T
MAX の維持を継続する。
【0091】このため、ステップS45では、係数aが
“1”となり、係数bが“0”となることにより、ステ
ップS46で算出される選択車輪速検出値VwSjは、良
路フィルタ18jから出力される良路車輪速検出値Vw
1jのみによって決定され、この良路車輪速検出値Vw1j
をもとにアンチスキッド制御が実行される。ところが、
前述した図11のように、時点t0 で悪路走行状態とな
り、時点t 3 で悪路判定制御フラグFが“1”にセット
されると、図16の処理が実行されたときに、ステップ
S41からステップS42に移行し、いままでカウント
値Tが最大値TMAX に維持されていたので、ステップS
44に移行して、最大値TMA X から“1”だけデクリメ
ントした値が新たなカウント値Tとして更新記憶され
る。このため、ステップS45の処理で、係数aが
“1”より小さい値となり、逆に係数bが零より僅かに
大きな値となることから、ステップS46で算出される
選択車輪速検出値VwSjは全体的には良路車輪速検出値
Vw1jに略等しいが悪路車輪速検出値Vw2jの成分も加
算されることになる。このようにして、悪路の走行を継
続している間、順次カウント値Tが減少することによ
り、係数aが減少し、逆に係数bが増加することによ
り、選択車輪速検出値VwSjに対して悪路車輪速検出値
Vw2jの占める比率が増加して、カウント値Tが零とな
ると、係数aが零となり、係数bが“1”となることに
より、選択車輪速検出値VwSjは全て悪路車輪速検出値
Vw2jで占められることになる。このため、選択車輪速
検出値VwSjは、図11(e)で破線図示のように、時
点t3 からカウント値Tが最大値TMAX から零となるま
での時間ΔT内で連続的に変化することになり、選択車
輪速検出値VwSjが不連続となることによるアンチスキ
ッド制御時の違和感の発生を確実に防止することができ
る。
【0092】一方、悪路走行状態から良路走行状態に復
帰して、図11における時点t9 で悪路判定制御フラグ
Fが“0”にクリアされる場合には、上記と逆にカウン
ト値Tが“0”から順次インクリメントされることによ
り、係数aが“0”から順次“1”まで大きくなり、逆
に係数bが“1”から順次“0”まで小さくなって、選
択車輪速検出値VwSjが図11(e)で破線図示のよう
に悪路車輪速検出値Vw2jから良路車輪速検出値Vw1j
に連続的に切換わることになり、アンチスキッド制御時
に違和感の発生を確実に防止することができる。
【0093】なお、上記第1〜第3実施例においては、
車輪速演算回路15FL〜15Rと制動圧制御装置20
との間に良路フィルタ18FL〜18R及び悪路フィル
タ19FL〜19Rを介挿した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、良路フィルタ18
FL〜18R及び悪路フィルタ19FL〜19Rを省略
し、これらに代えて、制動圧制御装置20の演算処理装
置25cで良路フィルタ18FL〜18R及び悪路フィ
ルタ19FL〜19Rに対応するディジタルフィルタ処
理を行うようにしてもよい。
【0094】また、上記第1〜第3実施例においては、
車体速度演算回路17がセレクトハイ車輪速VwH と前
後加速度検出値XG とに基づいて車体速度Vi を算出す
るようにした場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、セレクトハイ車輪速VwH のみに基づ
いて或いはアンチスキッド制御中はセレクトハイ車輪速
を非アンチスキッド制御中はセレクトロー車輪速に基づ
いて車体速度Vi を算出することもでき、この場合に
は、車体速度演算回路17の構成を簡略化することがで
きる。
【0095】さらに、上記第1〜第3実施例において
は、後輪側の車輪速を共通の車輪速センサで検出するよ
うにした3チャンネルアンチスキッド制御装置について
説明したが、これに限らず後輪側の左右輪についても個
別に車輪速センサを設け、これに応じて左右のホイール
シリンダに対して個別のアクチュエータを設ける所謂4
チャンネルのアンチスキッド制御装置にも本発明を適用
し得ることは言うまでもない。
【0096】さらにまた、上記第1〜第3実施例におい
ては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明
したが、これに限らず前輪駆動車や4輪駆動車にも適用
することができる。また、上記第1〜第3実施例におい
ては、制動圧制御装置20としてマイクロコンピュータ
を適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、比較回路、演算回路、論理回路、関数発
生器等の電子回路を組み合わせて構成することもでき
る。
【0097】さらに、上記第1〜第3実施例において
は、路面状態を良路フィルタ18jの良路車輪速検出値
Vw1jに基づいて検出する場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、車体下面に路面と対向し
て配置した超音波距離計で検出した車体と路面との間の
距離や、バネ上及びバネ下間の相対ストローク変化や荷
重変化等から悪路を検出するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るア
ンチスキッド制御装置によれば、路面状態検出手段で車
両の走行路面状態を検出し、車輪速度選択手段で、悪路
走行時には、悪路の路面状態に応じたフィルタ処理を行
う第2の車輪速度変換手段の第2の車輪速度を選択し、
悪路以外の路面状態であるときには良路に対応する第1
の車輪速度変換手段の第1の車輪速度を選択して、選択
した車輪速を制御手段に供給してアンチスキッド制御を
行うように構成したので、良路走行時では良好なアンチ
スキッド制御効果を発揮することができることは勿論の
こと、悪路走行時の車輪のバウンド・リバウンドによる
車輪速変動の影響を確実に除去して、制動距離を短縮す
ることができるという効果が得られる。
【0099】また、請求項2に係るアンチスキッド制御
装置によれば、上記構成に加えて悪路走行時の車輪速変
動量を検出する車輪速度変動量検出手段と、この車輪速
度変動量検出手段の変動量検出値に基づいて第2の車輪
速度変換手段のフィルタ処理を補正する補正手段とを設
けたことにより、第2の車輪速度変換手段のフィルタ処
理を実際の走行路面状況に応じた最適状態に制御するこ
とができ、アンチスキッド制御処理をより正確に行うこ
とができるという効果が得られる。
【0100】さらに、請求項3に係るアンチスキッド制
御装置によれば、車輪速度選択手段で、第1の車輪速度
及び第2の車輪速度の選択換えを行うときに、両者の比
率を徐々に変更するようにしたので、車輪速度選択手段
から出力される選択車輪速度が不連続となることがな
く、アンチスキッド制御時に違和感を発生させることを
確実に防止することができるという効果が得られる。
【0101】さらにまた、請求項4に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、第2の車輪速度変換手段がローパ
スフィルタで構成されていることにより、そのカットオ
フ周波数を悪路走行時の車輪速度の変動周波数より低く
設定するだけで、車輪速度変動分を確実に除去すること
ができ、正確なアンチスキッド制御を行うことができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の概略構成を
示す基本構成図であり、(a)は請求項1に対応し、
(b)はを請求項2に対応する。
【図2】本発明のアンチスキッド制御装置の第1実施例
を示すブロック図である。
【図3】図2のアンチスキッド制御装置に適用し得るア
クチュエータの一例を示す構成図である。
【図4】図2のアンチスキッド制御装置に適用し得る車
体速度演算回路の一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示す制動圧制御装置で実行されるアンチ
スキッド制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5の路面状態検出処理のサブルーチン処理を
示すフローチャートである。
【図7】図2に示す制動圧制御装置で参照する通常制動
時用制御マップを示す説明図である。
【図8】図2に示す制動圧制御装置で参照するアンチス
キッド制御マップを示す説明図である。
【図9】車体速度演算回路の動作の説明に供するタイム
チャートである。
【図10】良路走行時のアンチスキッド制御動作の説明
に供するタイムチャートである。
【図11】路面状態検出処理における動作の説明に供す
るタイムチャートである。
【図12】悪路走行時の通常アンチスキッド制御下で発
生する車輪速、車体速度、車体減速度を説明するための
タイムチャートである。
【図13】第1実施例の制動状態のシミュレーション結
果を表す特性線図である。
【図14】本発明の第2実施例を示すブロック図であ
る。
【図15】第2実施例の制動圧制御装置のアンチスキッ
ド制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2実施例における制動圧制御装置で参照す
る悪路フィルタのカットオフ周波数算出マップを示す説
明図である。
【図17】第3実施例における制動圧制御装置のアンチ
スキッド制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪 2FL〜2RRはホイールシリンダ 3FL〜3Rは車輪速センサ 4はブレーキペダル 5はマスタシリンダ 6FL〜6Rはアクチュエータ 13は前後加速度センサ 15FL〜15Rは車輪速演算回路 16はセレクトハイスイッチ 17は車体速度演算回路 18FL〜18Rは良路フィルタ 19FL〜19Rは悪路フィルタ 20は制動圧制御装置 CRはコントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検
    出手段と、車体速度を検出する車体速度検出手段と、前
    記車輪速度検出手段の車輪速度検出値及び車体速度検出
    手段の車体速度検出値に基づいて各車輪に配設された制
    動用シリンダの流体圧を制御する制御手段とを備えたア
    ンチスキッド制御装置において、前記車輪速度検出手段
    の車輪速度検出値をフィルタ処理して良路に対応する第
    1の車輪速度に変換する第1の車輪速度変換手段と、前
    記車輪速度検出手段の車輪速度検出値をフィルタ処理し
    て悪路に対応する第2の車輪速度に変換する第2の車輪
    速度変換手段と、車両の走行路面状態を検出する路面状
    態検出手段と、該路面状態検出手段で検出した路面状態
    が悪路であるときに前記第2の車輪速度変換手段の第2
    の車輪速度を選択し、それ以外であるとき前記第1の車
    輪速度変換手段の第1の車輪速度を選択して前記制御手
    段に供給する車輪速度選択手段とを備えたことを特徴と
    するアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検
    出手段と、車体速度を検出する車体速度検出手段と、前
    記車輪速度検出手段の車輪速度検出値及び車体速度検出
    手段の車体速度検出値に基づいて各車輪に配設された制
    動用シリンダの流体圧を制御する制御手段とを備えたア
    ンチスキッド制御装置において、前記車輪速度検出手段
    の車輪速度検出値をフィルタ処理して良路に対応する第
    1の車輪速度に変換する第1の車輪速度変換手段と、前
    記車輪速度検出手段の車輪速度検出値をフィルタ処理し
    て悪路に対応する第2の車輪速度に変換する第2の車輪
    速度変換手段と、車両の走行路面状態を検出する路面状
    態検出手段と、前記第1の車輪速度変換手段の車輪速度
    に基づいて悪路走行時の車輪速度変動量を検出する車輪
    速度変動量検出手段と、該車輪速度変動量検出手段の変
    動量検出値に基づいて前記第2の車輪速度変換手段のフ
    ィルタ処理を補正する補正手段と、前記路面状態検出手
    段で検出した路面状態が悪路であるときに前記第2の車
    輪速度変換手段の第2の車輪速度を選択し、それ以外で
    あるとき前記第1の車輪速度変換手段の第1の車輪速度
    を選択して前記制御手段に供給する車輪速度選択手段と
    を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記車輪速度選択手段は、前記第1の車
    輪速度及び第2の車輪速度の選択換えを行うときに、両
    者の比率を徐々に変更するように構成されている請求項
    1又は2記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の車輪速度変換手段は、カット
    オフ周波数が悪路走行時の車輪速変動周波数より小さい
    値に設定されたローパスフィルタで構成されている請求
    項1乃至3の何れかに記載のアンチスキッド制御装置。
JP6029298A 1994-02-28 1994-02-28 アンチスキッド制御装置 Pending JPH07237539A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6029298A JPH07237539A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アンチスキッド制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6029298A JPH07237539A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アンチスキッド制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07237539A true JPH07237539A (ja) 1995-09-12

Family

ID=12272339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6029298A Pending JPH07237539A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アンチスキッド制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07237539A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233739A (ja) * 1999-02-18 2000-08-29 Unisia Jecs Corp 悪路判定装置およびこの悪路判定装置を用いたブレーキ制御装置
JP2004138549A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyota Motor Corp 路面状態検出装置
JP2007030692A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Advics:Kk 路面状態判定装置
JP2008062727A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Nissan Motor Co Ltd 車両の制動制御装置
JP2008180392A (ja) * 2008-04-14 2008-08-07 Toyota Motor Corp 路面状態検出装置および無段変速機の制御装置
JP2012136045A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Toyota Motor Corp 制動力制御装置
JP2019116143A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 マツダ株式会社 車両の挙動制御装置
CN115285094A (zh) * 2022-08-25 2022-11-04 重庆长安新能源汽车科技有限公司 一种静态驻车的控制方法及系统

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233739A (ja) * 1999-02-18 2000-08-29 Unisia Jecs Corp 悪路判定装置およびこの悪路判定装置を用いたブレーキ制御装置
JP2004138549A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyota Motor Corp 路面状態検出装置
JP2007030692A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Advics:Kk 路面状態判定装置
JP2008062727A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Nissan Motor Co Ltd 車両の制動制御装置
JP2008180392A (ja) * 2008-04-14 2008-08-07 Toyota Motor Corp 路面状態検出装置および無段変速機の制御装置
JP4670891B2 (ja) * 2008-04-14 2011-04-13 トヨタ自動車株式会社 路面状態検出装置および無段変速機の制御装置
JP2012136045A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Toyota Motor Corp 制動力制御装置
JP2019116143A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 マツダ株式会社 車両の挙動制御装置
CN115285094A (zh) * 2022-08-25 2022-11-04 重庆长安新能源汽车科技有限公司 一种静态驻车的控制方法及系统
CN115285094B (zh) * 2022-08-25 2023-06-02 重庆长安新能源汽车科技有限公司 一种静态驻车的控制方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2623829B2 (ja) アンチスキッド制御装置
US5719565A (en) Anti-skid controller having accurate road surface detection capabilities
JP3098958B2 (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JP2000233739A (ja) 悪路判定装置およびこの悪路判定装置を用いたブレーキ制御装置
JPH07237539A (ja) アンチスキッド制御装置
JPH07137624A (ja) アンチスキッド制御装置
JPH0789428A (ja) アンチスキッド制御装置
JP2000318416A (ja) 車両特性検出装置及びこの装置を搭載する車両の制御装置
JP3555200B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3309605B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3620172B2 (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JP2811749B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3309597B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3309599B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2653220B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3301078B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3422104B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH07179169A (ja) 車両制御装置
JP2623915B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2765049B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP3309600B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2000233736A (ja) アンチスキッド制御装置
JP3684716B2 (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JP2661311B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH10315953A (ja) アンチロックブレーキ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060811

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150818

Year of fee payment: 9