JP2019116143A - 車両の挙動制御装置 - Google Patents
車両の挙動制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019116143A JP2019116143A JP2017250461A JP2017250461A JP2019116143A JP 2019116143 A JP2019116143 A JP 2019116143A JP 2017250461 A JP2017250461 A JP 2017250461A JP 2017250461 A JP2017250461 A JP 2017250461A JP 2019116143 A JP2019116143 A JP 2019116143A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- yaw moment
- target yaw
- yaw rate
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
Abstract
Description
このように構成された本発明においては、目標ヨーモーメント設定手段は、車両の横加速度に基づき車両の横ジャークを求め、横ジャークに基づき、車両のヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定するので、ドライバのステアリング操作の速さに対応する横ジャークに基づく大きさのヨーモーメントを車両の旋回を抑える方向に付与することができ、ステアリング操作時に素早く車両挙動を安定化させることができる。これにより、ステアリング操作に対する車両挙動の応答性やリニア感を向上できると共に、車両姿勢を安定させて安心感を向上することができる。また、悪路判定の結果に基づき設定された時定数のローパスフィルタが、目標ヨーモーメントの設定に用いられる横加速度の高周波成分又は横ジャークの高周波成分を減衰させるので、砂利道等の悪路走行時には、その悪路レベルに対応する時定数のローパスフィルタにより横加速度や横ジャークの高周波成分を減衰させることで横ジャークの振動を抑制することができ、悪路走行時に目標ヨーモーメントが設定される頻度やその大きさが過剰になることを防止できる。
これにより、様々な路面状態に応じて、制御の介入頻度や介入量等の制御特性を適切な範囲に維持することができ、様々な路面状況の下でも強い制御介入感や違和感をドライバに与えることなく、ステアリング操作に対する車両挙動の応答性やリニア感を向上できると共に、車両姿勢を安定させて安心感を向上することができる。
このように構成された本発明においては、悪路レベルが高いほど、ローパスフィルタによる横加速度や横ジャークの高周波成分の遮断周波数が低くなり、横ジャークの振動を強く抑制することができるので、目標ヨーモーメントが設定される頻度やその大きさを悪路のレベルに応じて適切に調整することができ、様々な路面状態に応じて、制御の介入頻度や介入量等の制御特性を適切な範囲に維持することができる。
このように構成された本発明においては、目標ヨーモーメント設定手段は、ドライバが素早くステアリングの切り戻し操作を行ったことにより横ジャークが増大すると、目標ヨーモーメントをより大きく設定する。したがって、ステアリング操作が速いほど、旋回を抑える方向のヨーモーメントをより強く車両に付与することができ、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
このように構成された本発明においては、目標ヨーモーメント設定手段は、ステアリングホイールの切り戻し操作中である場合に、旋回を抑える方向の目標ヨーモーメントを設定するので、車両の挙動が不安定になる前の状況において、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
PCM14は、上述したセンサの検出信号の他、駆動制御システム4の運転状態を検出する各種センサが出力した検出信号に基づいて、駆動制御システム4の各部(例えば、スロットルバルブ、ターボ過給機、可変バルブ機構、点火装置、燃料噴射弁、EGR装置、インバータ等)に対する制御を行うべく、制御信号を出力する。
これらのPCM14の各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
詳細は後述するが、PCM14は本発明における車両の挙動制御装置に相当し、横加速度取得手段、悪路判定手段及び目標ヨーモーメント設定手段として機能する。
図3は、本発明の実施形態による車両の挙動制御装置が実行する挙動制御処理のフローチャートであり、図4は、本発明の実施形態による車両の挙動制御装置が付加減速度を設定する付加減速度設定処理のフローチャートであり、図5は、操舵速度と付加減速度との関係を示したマップであり、図6は、本発明の実施形態による車両の挙動制御装置が目標ヨーモーメントを設定する目標ヨーモーメント設定処理のフローチャートである。図5に示したマップは予め作成されメモリ等に記憶されている。
挙動制御処理が開始されると、図3に示すように、ステップS1において、PCM14は車両1の各種情報を取得する。具体的には、PCM14は、操舵角センサ8が検出した操舵角、車輪速センサ10が検出した車輪速、ヨーレートセンサ12が検出したヨーレート等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を取得する。
続いて、ステップS3において、PCM14のヨーモーメント設定部22は目標ヨーモーメント設定処理を実行し、車両1に付与すべき目標ヨーモーメントを設定する。
また、ステップS4において、ブレーキ制御システム18は、ステップS3において設定された目標ヨーモーメントを車両1に付与するようにアクチュエータ(ポンプ等)を制御する。例えば、ブレーキ制御システム18は、ヨーモーメント指令値とポンプの回転数との関係を規定したマップを予め記憶しており、このマップを参照することにより、ステップS3の目標ヨーモーメント設定処理において設定されたヨーモーメント指令値に対応する回転数でポンプを作動させると共に、各車輪のブレーキ装置16への液圧供給ラインに設けられたバルブユニットを個々に制御し、各車輪の制動力を調整する。
ステップS4の後、PCM14は、挙動制御処理を終了する。
図4に示すように、付加減速度設定処理が開始されると、ステップS11において、付加減速度設定部20は、図3の挙動制御処理のステップS1において取得した操舵角に基づき操舵速度を算出する。
その結果、切り込み操作中且つ操舵速度が閾値S1以上である場合、ステップS13に進み、付加減速度設定部20は、操舵速度に基づき付加減速度を設定する。この付加減速度は、ドライバの意図した車両挙動を正確に実現するために、ステアリング操作に応じて車両1に付加すべき減速度である。
図5における横軸は操舵速度を示し、縦軸は付加減速度を示す。図5に示すように、操舵速度が閾値S1未満である場合、対応する付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値S1未満である場合、PCM14は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するための制御(具体的にはエンジンやモータの出力トルクの低減)を行わない。
一方、操舵速度が閾値S1以上である場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加減速度は、所定の上限値Dmaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Dmaxは、ステアリング操作に応じて車両1に減速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の減速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。
さらに、操舵速度が閾値S1よりも大きい閾値S2以上の場合には、付加減速度は上限値Dmaxに維持される。
ステップS13の後、付加減速度設定部20は付加減速度設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。
図6に示すように、目標ヨーモーメント設定処理が開始されると、ステップS21において、ヨーモーメント設定部22は、図3の挙動制御処理のステップS1において取得した車輪速の変動に基づき車両1が走行している路面の悪路判定を行う。
具体的には、ヨーモーメント設定部22は、車輪速を時間微分することにより車輪加速度を算出し、この車輪加速度が直前の一定時間(例えば500msec)において所定の閾値を超える方向にその閾値を跨いだ回数(閾値未満から閾値より大きい値に変動した回数)を取得する。そして、その回数に応じて悪路レベルを判定する。悪路レベルは、最も低いレベル(例:平滑路面)から最も高いレベル(例:大きい凹凸が連続している路面)まで4段階に分けられ、車輪加速度が閾値を跨いだ回数が多いほど悪路レベルが高くなる。
具体的には、ヨーモーメント設定部22は、車輪速から求めた車速に応じた係数を操舵角に乗ずることにより目標ヨーレートを算出する。また、ヨーモーメント設定部22は、目標ヨーレート及び車速から目標横加速度を算出する。
その結果、切り戻し操作中且つヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1以上である場合、ステップS27に進み、ヨーモーメント設定部22は、ヨーレート差の変化速度Δγ′に基づき、車両1の実ヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定する。具体的には、ヨーモーメント設定部22は、所定の係数Cm1をヨーレート差の変化速度Δγ′に乗ずることにより、目標ヨーモーメントの大きさを算出する。
具体的には、ヨーモーメント設定部22は、所定の係数Cm2を目標横ジャークに乗ずることにより、第2の目標ヨーモーメントの大きさを算出する。
ステップS31の後、ヨーモーメント設定部22は目標ヨーモーメント設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。
図7は、本発明の実施形態による車両の挙動制御装置を搭載した車両1に圧雪路においてほぼ一定車速で旋回走行を行わせたときの、挙動制御に関わる各パラメータの時間変化を示すタイムチャートである。
更に、ステアリングホイール6が中立位置で一時的に保持され、その後、左旋回方向(操舵角が正の方向)にステアリングホイール6の切り込み操作が行われることにより左旋回方向に操舵角が増大し、その後切り戻し操作に応じて操舵角が減少する。
また、チャート(c)は、実ヨーレートと目標ヨーレートとのヨーレート差Δγを示すチャートである。
チャート(b)、(c)に示すように、車速に応じた係数を操舵角に乗ずることにより得られる目標ヨーレートは操舵角から遅れることなく変化するのに対し、実ヨーレートは目標ヨーレートよりもやや遅れて変化している。また、路面のμが低い圧雪路で車両1が旋回走行を行っているので、前輪2のスリップアングルは車両1が高μ路で旋回走行を行う場合と比較して大きくなる。
その後、実ヨーレートも減少し始めるとヨーレート差はほぼ0のまま維持される。続いて左旋回方向に切り込み操作が行われることにより左旋回方向に操舵角が増大するにつれ、実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向にヨーレート差が再び増大する。その後、切り戻し操作が行われることにより操舵角が減少すると、目標ヨーレートが直ちに減少し始めるのに対して実ヨーレートの減少はやや遅れるので、右旋回の場合と同様に、ステアリングホイール6の切り戻し操作に対し、ヨーレート差は実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向に向かって急激に変化する。
チャート(e)、(f)に示すように、操舵角に基づき算出される目標横加速度は、操舵角から遅れることなく変化する。ステアリングホイール6の切り戻し操作による操舵角の減少に応じて目標横加速度が減少するときには、その減少速度に応じて、目標横ジャークが車両1の旋回方向とは逆方向に増大する。
上述したように、路面のμが低い圧雪路で車両1が旋回走行を行った場合、実ヨーレートと目標ヨーレートとのヨーレート差が大きくなりやすく、特に切り戻し操舵を行うときにヨーレート差の変化速度が大きくなる。そのため、チャート(g)に示すように、右旋回中に切り戻し操作を行った場合と、左旋回中に切り戻し操作を行った場合の何れにおいても、ヨーレート差の変化速度Δγ′に基づき設定された目標ヨーモーメントの方が目標横ジャークに基づき設定された第2の目標ヨーモーメントよりも大きくなっている。この場合、ヨーモーメント設定部22は、ヨーレート差の変化速度Δγ′に基づき設定された目標ヨーモーメントをヨーモーメント指令値に設定する。
即ち、ステアリングホイール6の切り戻し操作が開始され、実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向に向かってヨーレート差が急激に変化すると、ヨーモーメント設定部22は、車両1の実ヨーレートとは逆回りの方向且つヨーレート差の変化速度に応じたヨーモーメント指令値をブレーキ制御システム18に出力する。これにより、圧雪路のような低μ路でステアリングホイール6の切り戻し操作を行った場合に、実ヨーレートの応答遅れに起因するヨーレート差の急激な変化に応じて直ちに旋回を抑える方向のヨーモーメントを車両1に付与するので、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
上述のとおり車速はほぼ一定であるが、チャート(a)に示すように悪路レベルは異なっている。図8の例において、車両1は、時刻t0からt1の間は悪路レベルが1から3の間で変化する悪路を走行している一方、時刻t1からt2の間は悪路レベルがほぼ0の良路を走行している。
チャート(c)に示すように、車速に応じた係数を操舵角に乗ずることにより得られる目標ヨーレートは操舵角から遅れることなく変化するのに対し、チャート(d)に示すように、実ヨーレートは目標ヨーレートよりも僅かに遅れて変化している。また、チャート(c)、(d)では明確に表れてはいないが、車輪速センサ10やヨーレートセンサ12は悪路走行時の車体の振動を検出するので、悪路レベルに対応する時定数を設定したローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させない場合、実ヨーレート及び目標ヨーレートは悪路走行時に細かく振動する。その結果、チャート(e)に破線で示すように、実ヨーレートと目標ヨーレートとのヨーレート差Δγも、ローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させる場合と比較して細かく振動することになる。
悪路レベルに対応する時定数を設定したローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させない場合、悪路走行時にヨーレート差Δγが細かく振動することに起因して、破線で示すようにヨーレート差の変化速度Δγ′は悪路走行時に激しく振動する。
一方、ローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させた場合には、悪路走行時の実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波の振動が減衰されるので、実線で示すようにヨーレート差の変化速度Δγ′の振動は悪路走行時と良路走行時とで同程度に保たれている。
ローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させない場合、チャート(f)に破線で示したようにヨーレート差の変化速度Δγ′が悪路走行時に激しく振動することにより容易に閾値Y1以上となってしまい、チャート(g)に破線で示すように、車両1の挙動自体は安定している状況であってもブレーキ制御システム18により車両1にヨーモーメントが過剰に付与される可能性がある。
一方、ローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させた場合には、チャート(f)に実線で示したようにヨーレート差の変化速度Δγ′の振動は悪路走行時においても良路走行時と同程度に保たれるので、悪路走行時でも車両1の挙動自体は安定している状況の下ではヨーレート差の変化速度Δγ′は閾値Y1未満に保たれ、チャート(g)に実線で示すように、車両1にヨーモーメントが過剰に付与されないようになっている。
チャート(c)に示すように、車速に応じた係数を操舵角に乗ずることにより得られる目標横加速度は操舵角から遅れることなく変化している。また、チャート(c)では明確に表れてはいないが、車輪速センサ10は悪路走行時の車体の振動を検出するので、悪路レベルに対応する時定数を設定したローパスフィルタ24により目標横加速度の高周波成分を減衰させない場合、目標横加速度は悪路走行時に細かく振動する。
ローパスフィルタ24により目標横加速度の高周波成分を減衰させない場合、悪路走行時に目標横加速度が振動することに起因して、破線により示すように目標横ジャークは悪路走行時に激しく振動している。
一方、ローパスフィルタ24により目標横加速度の高周波成分を減衰させた場合には、悪路走行時の目標横加速度の高周波の振動が抑制されるので、実線により示すように目標横ジャークの振動は悪路走行時と良路走行時とで同程度に保たれている。
ローパスフィルタ24により実ヨーレート及び目標ヨーレートの高周波成分を減衰させない場合、チャート(d)に破線で示したように目標横ジャークが悪路走行時に激しく振動することにより、チャート(e)に破線で示すように、車両1の挙動自体は安定している状況であってもブレーキ制御システム18により車両1にヨーモーメントが過剰に付与される可能性がある。
一方、ローパスフィルタ24により目標横加速度の高周波成分を減衰させた場合には、チャート(d)に実線で示したように目標横ジャークの振動は悪路走行時においても良路走行時と同程度に保たれるので、車両の挙動が安定している状況の下では目標横ジャークは小さい値に保たれ、チャート(e)に実線で示すように、車両1にヨーモーメントが過剰に付与されないようになっている。
上述した実施形態においては、ステアリングホイール6に連結されたステアリングコラムの回転角度を操舵角として使用すると説明したが、ステアリングコラムの回転角度に代えて、あるいはステアリングコラムの回転角度と共に、操舵系における各種状態量(アシストトルクを付与するモータの回転角や、ラックアンドピニオンにおけるラックの変位等)を操舵角として用いてもよい。
2 駆動輪(前輪)
4 駆動制御システム
6 ステアリングホイール
8 操舵角センサ
10 車輪速センサ
12 ヨーレートセンサ
14 PCM
16 ブレーキ装置
18 ブレーキ制御システム
20 付加減速度設定部
22 ヨーモーメント設定部
24 ローパスフィルタ
このように構成された本発明においては、目標ヨーモーメント設定手段は、車両の横加速度に基づき車両の横ジャークを求め、横ジャークに基づき、車両のヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定するので、ドライバのステアリング操作の速さに対応する横ジャークに基づく大きさのヨーモーメントを車両の旋回を抑える方向に付与することができ、ステアリング操作時に素早く車両挙動を安定化させることができる。これにより、ステアリング操作に対する車両挙動の応答性やリニア感を向上できると共に、車両姿勢を安定させて安心感を向上することができる。また、悪路判定の結果に基づき設定された時定数のローパスフィルタが、目標ヨーモーメントの設定に用いられる横加速度の高周波成分又は横ジャークの高周波成分を減衰させるので、砂利道等の悪路走行時には、その悪路レベルに対応する時定数のローパスフィルタにより横加速度や横ジャークの高周波成分を減衰させることで横ジャークの振動を抑制することができ、悪路走行時に目標ヨーモーメントが設定される頻度やその大きさが過剰になることを防止できる。
これにより、様々な路面状態に応じて、制御の介入頻度や介入量等の制御特性を適切な範囲に維持することができ、様々な路面状況の下でも強い制御介入感や違和感をドライバに与えることなく、ステアリング操作に対する車両挙動の応答性やリニア感を向上できると共に、車両姿勢を安定させて安心感を向上することができる。
このように構成された本発明においては、目標ヨーモーメント設定手段は、ステアリングホイールの切り戻し操作中である場合に、旋回を抑える方向の目標ヨーモーメントを設定するので、車両の挙動が不安定になる前の状況において、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明の車両の挙動制御装置は、左右の車輪に異なる制動力を付与可能な制動手段を備えた車両の挙動制御装置であって、ドライバにより操作されるステアリングホイールと、ステアリングホイールの操作に対応する操舵角を検出する操舵角検出手段と、車輪速を検出する車輪速検出手段と、車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、車輪速検出手段により検出された車輪速から車輪加速度を設定し、この車輪加速度が所定期間内において所定の閾値を跨いだ回数に基づき、車両が走行している路面の悪路判定を行う悪路判定手段と、操舵角検出手段により検出された操舵角に基づき、ステアリングホイールの切り戻し操作が判定されたとき、車両に付与すべき目標ヨーモーメントを設定する目標ヨーモーメント設定手段であって、横加速度に基づき車両の横ジャークを求め、横ジャークに基づき、車両のヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定する、目標ヨーモーメント設定手段と、目標ヨーモーメントを車両に付与するように制動手段を制御する制御手段と、目標ヨーモーメントの設定に用いられる横加速度の高周波成分又は横ジャークの高周波成分を減衰させるローパスフィルタと、を備え、ローパスフィルタの時定数は、悪路判定手段により悪路判定された場合には悪路判定手段により悪路判定されなかった場合よりも大きく設定される。
Claims (4)
- 左右の車輪に異なる制動力を付与可能な制動手段を備えた車両の挙動制御装置であって、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、
前記車速の変動に基づき車両が走行している路面の悪路判定を行う悪路判定手段と、
前記車両に付与すべき目標ヨーモーメントを設定する目標ヨーモーメント設定手段であって、前記横加速度に基づき前記車両の横ジャークを求め、前記横ジャークに基づき、前記車両のヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを前記目標ヨーモーメントとして設定する、前記目標ヨーモーメント設定手段と、
前記目標ヨーモーメントを前記車両に付与するように前記制動手段を制御する制御手段と、
前記目標ヨーモーメントの設定に用いられる前記横加速度の高周波成分又は前記横ジャークの高周波成分を減衰させるローパスフィルタと、を備え、
前記ローパスフィルタの時定数は前記悪路判定の結果に基づき設定される、
車両の挙動制御装置。 - 前記時定数は、前記悪路判定手段により判定された悪路レベルが高いほど大きい値に設定される、請求項1に記載の車両の挙動制御装置。
- 前記目標ヨーモーメント設定手段は、前記横ジャークが大きいほど、前記目標ヨーモーメントを大きく設定する、請求項1又は2に記載の車両の挙動制御装置。
- 前記目標ヨーモーメント設定手段は、前記操舵角が減少している場合に、前記目標ヨーモーメントを設定する、請求項1から3の何れか1項に記載の車両の挙動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017250461A JP6521495B1 (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 車両の挙動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017250461A JP6521495B1 (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 車両の挙動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6521495B1 JP6521495B1 (ja) | 2019-05-29 |
JP2019116143A true JP2019116143A (ja) | 2019-07-18 |
Family
ID=66655768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017250461A Active JP6521495B1 (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 車両の挙動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6521495B1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110705061B (zh) * | 2019-09-19 | 2022-10-04 | 卡斯柯信号有限公司 | 一种有轨电车信号系统性能仿真方法 |
US20230080456A1 (en) * | 2020-02-11 | 2023-03-16 | Volvo Truck Corporation | Methods for controlling a self-powered dolly vehicle during evasive maneuvering |
CN111951550B (zh) * | 2020-08-06 | 2021-10-29 | 华南理工大学 | 交通安全风险监控方法、装置、存储介质及计算机设备 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05116612A (ja) * | 1991-10-29 | 1993-05-14 | Mazda Motor Corp | 車両のスリツプ制御装置 |
JPH0769198A (ja) * | 1993-09-01 | 1995-03-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アンチロックブレーキ制御装置 |
JPH07237539A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Nissan Motor Co Ltd | アンチスキッド制御装置 |
JPH11101732A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Fuji Heavy Ind Ltd | 路面摩擦係数検出装置 |
JP2015074366A (ja) * | 2013-10-10 | 2015-04-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両の運動制御装置 |
JP2016182959A (ja) * | 2016-06-30 | 2016-10-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両の運動制御装置 |
-
2017
- 2017-12-27 JP JP2017250461A patent/JP6521495B1/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05116612A (ja) * | 1991-10-29 | 1993-05-14 | Mazda Motor Corp | 車両のスリツプ制御装置 |
JPH0769198A (ja) * | 1993-09-01 | 1995-03-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アンチロックブレーキ制御装置 |
JPH07237539A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Nissan Motor Co Ltd | アンチスキッド制御装置 |
JPH11101732A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Fuji Heavy Ind Ltd | 路面摩擦係数検出装置 |
JP2015074366A (ja) * | 2013-10-10 | 2015-04-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両の運動制御装置 |
JP2016182959A (ja) * | 2016-06-30 | 2016-10-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両の運動制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6521495B1 (ja) | 2019-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6607532B2 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP7038971B2 (ja) | 車両の制御方法、車両システム及び車両の制御装置 | |
JP6970384B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6521495B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP6525408B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP6940817B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP4389810B2 (ja) | 車両挙動制御装置 | |
JP6525411B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP6521496B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP6525409B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP6999092B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7185219B2 (ja) | 車両の制御方法、車両システム及び車両の制御装置 | |
JP6512537B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP2019188905A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6525410B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP7069523B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6525407B1 (ja) | 車両の挙動制御装置 | |
JP7026884B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7026886B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6940816B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7029110B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7031107B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7072783B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7026885B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2019188903A (ja) | 車両の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181105 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20181219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190304 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190408 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6521495 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190421 |