JP4389810B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両挙動制御装置に関する。
通常の舗装路よりも走行抵抗の大きな砂利路や砂地路などでは、制動力を任意に制御し得るアンチロックブレーキ(ABS)機構を用いて、車輪をロックしやすい傾向に制御することで、車輪を砂利路や砂地路に潜り込ませて停止距離を短縮することが期待できる。特許文献1には、砂利路におけるABS制御が開示されている。
特開2000−233736号公報
砂利路や砂地路などの軟らかい未舗装路では整地路に比べて旋回時の回頭性が低下し車両がアンダーステア状態になりやすい。上記の技術によれば、砂利路や砂地路などで車輪をロック傾向に制御することにより停止距離を短縮化することはできるが、旋回制動時に回頭性が低下するという問題を解消することはできない。一方、軟らかい未舗装路での旋回駆動時におけるトラクションコントロール(TRC)においても同様の問題があった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、走行抵抗が大きな路面での旋回制動時や旋回駆動時における車両運動性能を向上させることが可能な車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両挙動制御装置は、車両の各車輪に付加される制動力を調節することにより各車輪のスリップを抑制する制御手段と、車両の走行時の走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段と、車両のステア状態を検出するステア状態検出手段とを備え、走行抵抗検出手段の検出結果に基づいて走行抵抗が大きな路面を走行中であると判定され、かつ、ステア状態検出手段の検出結果に基づいて車両のステア状態がアンダーステア状態であると判定された場合に、制御手段が、旋回外側前輪に対する制御の介入を遅らせるように制御特性を変更することを特徴とする。
本発明に係る車両挙動制御装置によれば、走行抵抗が大きな路面での旋回時に車両がアンダーステア状態になった場合、旋回外側前輪に対する制動制御の介入が遅延され該前輪がロック(スリップ)傾向に制御される。これにより、旋回外側前輪が路面に潜り込み、該前輪の側面に壁ができることにより横力が増大する。その結果、車両の回頭性を向上することができる。
本発明に係る車両挙動制御装置は、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との伝達比を変化させる伝達比可変手段をさらに備え、旋回外側前輪に対する制御の介入を遅らせるように上記制御特性が変更されるときに、伝達比可変手段が、操舵ハンドルの操舵角に対して転舵輪の転舵角が大きくなるように伝達比を変更することが好ましい。
この場合、制動制御と協調して伝達比可変手段が制御される。すなわち、旋回外側前輪に対する制動制御の介入が遅延されるときに、操舵ハンドルの操舵角に対して転舵輪の転舵角が大きくなるように伝達比が変更される。そのため、旋回外側前輪がロック傾向に制御されるとともに転舵輪がより大きく転舵されるので、車両の回頭性をより向上させることができる。
本発明によれば、走行抵抗が大きな路面を走行中であると判定されかつ車両のステア状態がアンダーステア状態であると判定された場合には、旋回外側前輪に対する制動力制御の介入を遅らせる構成としたので、走行抵抗が大きな路面での旋回制動時や旋回駆動時における車両運動性能を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。まず、図1を用いて、実施形態に係る車両挙動制御装置の構成について説明する。図1は、車両挙動制御装置を搭載した車両Vの要部構成図である。
車両Vのブレーキ機構は、各輪のブレーキ油圧をそれぞれ独立して制御し得るものである。車両挙動制御装置は、アンチロックブレーキ(以下「ABS」という)機能やトラクションコントロール(以下「TRC」という)機能などを有しており、ABS制御、TRC制御などを実行して車両Vの挙動を制御する。
ABS制御は、各輪の制動力を調節することによって各輪のロックを抑制し、ブレーキ性能を確保するとともに、ハンドルの操縦性および車両Vの安定性を確保する。TRC制御は、駆動輪の制動力およびエンジン13の出力を調節することによって駆動輪のスリップ率を調節して車両Vの発進加速性および旋回安定性を確保する。
車両Vは、右前輪1FR,左前輪1FL,右後輪1RR,左後輪1RL(以下、四つの車輪1FR,1FL,1RR,1RLをまとめて車輪1ということもある)を備えている。右前輪1FR,左前輪1FLはステアリング装置により転舵される転舵輪である。また、車両Vは四輪駆動車であり、4つの車輪1FR,1FL,1RR,1RLすべてが駆動輪である。各車輪1には、車輪速を検出する車輪速センサ2FR,2FL,2RR,2RL(以下、四つの車輪速センサ2FR,2FL,2RR,2RLをまとめて車輪速センサ2ということもある)がそれぞれ取り付けられている。
また、各車輪1にはブレーキディスク3が取り付けられている。各ブレーキディスク3に対して、ブレーキパッド及びホイールシリンダを内蔵したブレーキキャリパ4が取り付けられている。各ホイールシリンダは、ブレーキ配管5を介して油圧回路6に接続されている。また、各ホイールシリンダは、ブレーキ配管5や油圧回路6を介してマスタシリンダ7にも接続されている。
通常のブレーキ時には、運転者によってブレーキペダル8が操作されるとマスタシリンダ7内の圧力が上昇し、この圧力上昇がブレーキ配管5や油圧回路6を介してホイールシリンダに伝えられてホイールシリンダ内の圧力が上昇する。ホイールシリンダ内の油圧を上昇させると、ブレーキパッドがブレーキディスク3に押圧され、摩擦力によってブレーキディスク3と連結されている各車輪1が制動される。
油圧回路6は、油圧ポンプや電磁バルブ等を有している。車両制動時に制動力を制御して車輪1のロックを抑制するABS制御時には、ブレーキペダル8が操作されて上昇したホイールシリンダ内のブレーキ油圧を電磁バルブを制御して減圧したり維持したりして各車輪1毎の制動力を減らしたり維持したりする。これらの制御によって各車輪1毎の制動力を調節し、車輪1のロックを抑制する。すなわち、ブレーキディスク3、ブレーキパッド、ホイールシリンダ、ブレーキキャリパ4、ブレーキ配管5及び油圧回路6は制御手段として機能する。
また、TRC制御時には、油圧回路6の油圧ポンプによって高圧化したブレーキ油圧を電磁バルブを制御してブレーキキャリパ4内のホイールシリンダに伝えたり遮断したりして各駆動輪1毎の制動力を増やしたり維持したりする。また、電磁バルブを制御して各駆動輪1毎のホイールシリンダ内の圧力を減圧することもできる。これらの制御によって各駆動輪1毎の制動力を調節し、駆動輪1のスリップを抑制する。
なお、本実施形態に用いられているブレーキシステムは、ディスクブレーキシステムであるが、ドラムブレーキシステム等でもよい。油圧回路6は、車両Vの運動状態を制御する車両運動制御コンピュータ(ECU)9に接続されている。油圧回路6の油圧ポンプや電磁バルブ等は車両運動制御ECU9により駆動される。また、車輪速センサ2FR〜2RLも車両運動制御ECU9に接続されている。車両運動制御ECU9は、ABS制御やTRC制御を含むブレーキ制御を司っている。
車両運動制御ECU9には、前後加速度センサ10、横加速度センサ11やヨーレートセンサ16なども接続されている。車両運動制御ECU9は、車輪速センサ2の出力や前後加速度センサ10の出力に基づいて、ABS制御やTRC制御に必要な推定車体速度や各車輪のスリップ率(量)等を算出する。
また、車両運動制御ECU9は、エンジントルクやギヤ段などに基づいて推定車輪加速度を演算するとともに、車輪速センサ2の出力に基づいて実車輪加速度を演算し、推定車輪加速度と実車輪加速度との乖離度から路面の走行抵抗を検出する。すなわち、車両運動制御ECU9は走行抵抗検出手段としても機能する。
車両運動制御ECU9は、エンジン制御コンピュータ(ECU)12とも互いに接続されている。エンジン制御ECU12は、エンジン13を総合的に制御しており、噴射量制御や点火時期制御を司っている。
車両運動制御ECU9及びエンジン制御ECU12は、TRC制御時にはエンジン13の出力(駆動輪の駆動力)を調節してスリップ率の制御を行う。エンジン13の出力調整は、吸入空気量や燃料噴射量を制御して行う。エンジン13のスロットルバルブ21はいわゆる電子制御式スロットルバルブであり、スロットルモータ22によってスロットルバルブの開度を任意に制御し得る。エンジン制御ECU12には、この制御に必要なセンサ及びアクチュエータ類が接続されている。例えば、上述したスロットルモータ22の他、スロットルバルブ開度を検出するスロットルポジションセンサや回転数センサなどもエンジン制御ECU12に接続されている。
車両運動制御ECU9は、ステアリング制御コンピュータ(ECU)17とも互いに接続されている。ステアリング制御ECU17は、伝達比可変機構32を制御して、ステアリング装置の伝達比、すなわち操舵ハンドル33の操舵角と転舵輪1FR,1FLの転舵角との比を変化させる。ここで、本実施形態のステアリング装置について説明する。
ステアリング装置の入力軸30と出力軸31とは伝達比可変機構32を介して連結されており、入力軸30には操舵ハンドル33が連結されている。出力軸31は、ラックアンドピニオン式のギヤ装置34を介してラック軸35に連結されており、ラック軸35の両端には転舵輪1FR,1FLが連結されている。
入力軸30には、操舵ハンドル33の操舵量を検出する操舵角センサ36が取り付けられている。出力軸31には、出力軸31の回転角を検出する転舵角センサ37が取り付けられている。ここで、出力軸31の回転角はラック軸35のストローク位置に対応し、さらにラック軸35のストローク位置は転舵輪1FR,1FLの転舵角に対応するため、出力軸31の回転角を検出することで、転舵輪1FR,1FLの転舵角を検出している。
伝達比可変機構32は、入力軸30と出力軸31とをギヤ機構を介して連結し、このギヤ機構を、例えばサーボモータで構成されるアクチュエータ38で駆動することにより、操舵ハンドル33の操舵角と転舵輪1FR,1FLの転舵角との間の伝達比を変化させる機構となっている。すなわち、伝達比可変機構32は伝達比可変手段として機能する。アクチュエータ38には、アクチュエータ38の作動角を検出する作動角センサ39を有しており、検出された作動角はステアリング制御ECU17に出力される。
アクチュエータ38の駆動制御はステアリング制御ECU17によって実行される。ステアリング制御ECU17には、操舵角センサ36、転舵角センサ37、作動角センサ39が接続されており、各サンサの検出信号が入力される。また、ステアリング制御ECU17には、車両運動制御ECU9から車両Vのステア状態やABS制御、TRC制御の制御情報などが入力される。ステアリング制御ECU17は、これらの検出信号および制御情報に基づいて目標伝達比を設定するとともに、この目標伝達比に応じた制御信号をアクチュエータ38に出力する。
なお、操舵ハンドル33の操舵角と転舵輪1FR,1FLの転舵角との間の伝達比を変化させる機構は本実施形態に限られない。例えば、操舵ハンドルとラック軸とが機械的に分離されており、検出された操舵ハンドルの操作状態に基づいて電動モータなどを駆動してラック軸を駆動する形式のステアリング装置を用いて、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との伝達比を変化させてもよい。
上述したように、車両運動制御ECU9によりABS制御、TRC制御が行われる。また、車両挙動制御装置によればABS制御、TRC制御とステアリング装置の伝達比可変制御とが協調制御されるが、ここでは、車両挙動制御装置を構成する車両運動制御ECU9とステアリング制御ECU17とでこれらの制御を協調させている。車両運動制御ECU9、エンジン制御ECU12、及びステアリング制御ECU17は、それらの内部に演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、バッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
次に、図2を参照して、車両運動制御ECU9によるABS制御について説明する。図2は、車体速度と車輪速度とホイールシリンダ圧との関係を時間の経過とともに示したグラフである。図2は、走行抵抗が大きな路面における旋回制動時にアンダーステア状態になったときのABS制御の様子を示している。
図2において、車体速度Vcと車輪速度Vwとの差がスリップ量となる。本実施形態では、図2中の細かい点線で示されるように、通常時目標スリップラインが車体速度Vcに対して所定のスリップ量が発生した部分に引かれている。なお、ここにいうスリップラインは、ABS制御時にホイールシリンダ圧の増圧をやめて保持させたり減圧させたりするタイミングを決定するラインである。
これに対して、本実施形態では、走行抵抗大路面走行時にアンダーステア状態になったときには、図2中の太い粗い点線で示されているように、旋回外側前輪の走行抵抗大時目標スリップラインが通常時目標スリップラインよりも下方に(通常時よりも目標スリップ量または目標スリップ率が大きくなるように)引かれている。このとき、車体速度Vcとスリップラインとの差が目標スリップ量となり、この目標スリップ量に対応するスリップ率が目標スリップ率である。また、旋回外側前輪以外の車輪の目標スリップラインは、通常時目標スリップラインと旋回外側前輪の走行抵抗大時目標スリップラインとの間に引かれる。
このため、砂利路や砂地路など、走行抵抗大路面での旋回制動中に車両Vがアンダーステアになった場合のABS制御では、旋回外側前輪をロック側に制御して、旋回外側前輪を路面に潜り込ませることにより回頭性の向上が図られる。なお、右旋回時には左前輪1FLが旋回外側前輪に該当し、左旋回時には右前輪1FRが旋回外側前輪に該当することになる。
また、走行抵抗大路面での旋回駆動時にアンダーステア状態になったときには、TRC制御の目標スリップ率または目標スリップ量が通常時よりも大きくなるように設定される。これにより、旋回外側前輪がスリップしやすく制御され、旋回外側前輪が路面に潜り込むことにより回頭性の向上が図られる。
次に、図3を参照して、車両挙動制御装置による車両挙動制御について説明する。この車両挙動制御は、ABS制御、TRC制御および伝達比可変制御により実現される。図3は、車両挙動制御装置による車両挙動制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、車両運動制御ECU9およびステアリング制御ECU17によって協調して実行されるものであり、車両運動制御ECU9およびステアリング制御ECU17の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
ステップS100では、ABS制御、TRC制御および伝達比可変制御に関わるセンサ類やアクチュエータ類が有効となっているかどうかが判定される。これらのセンサ類などが有効となっておらず、ステップS100が否定される場合は、ABS制御などの車両挙動制御は行われず図3のフローチャートを抜ける。一方、センサ類などが有効となっており、ステップS100が肯定される場合は、ステップS102に処理が移行する。
ステップS102では、エンジントルクやギヤ段などに基づいて演算された推定車輪加速度と、車輪速センサ2FR〜2RLや前後加速度センサ10の出力から算出された実車輪加速度との乖離度、すなわち走行路面の走行抵抗が所定値以上であるか否かについての判断が行われる。この所定値は、通常の整地路と砂地路や砂利路などとを区別することができる値に設定される。
ここで、推定車輪加速度と実車輪加速度との乖離度が所定値未満の場合、すなわち走行抵抗が大きくない通常の整地路を走行中であると判定された場合には、ステップS104において通常路面に合わせたABS制御またはTRC制御が行われる。また、ステップS106において通常の伝達比可変制御が行われる。その後、本フローから一旦抜ける。
一方、推定車輪加速度と実車輪加速度との乖離度が所定値以上の場合、すなわち走行抵抗の大きい砂地路や砂利路などを走行中であると判定された場合には、ステップS108に処理が移行する。
ステップS108では、車両Vのステア状態がアンダーステア状態であるか否かについての判断が行われる。ここで、アンダーステア状態であるか否かは、例えば、車速および転舵角から算出された目標ヨーレートとヨーレートセンサ16から読み込まれた実ヨーレートとの偏差が所定値より大きいか否かによって判断される。実ヨーレートが目標ヨーレートより小さく、かつ偏差が所定値より大きい場合にはアンダーステア状態と判断される。
車両Vのステア状態がアンダーステア状態ではないと判定されたときには、ステップS110に処理が移行する。一方、車両Vのステア状態がアンダーステア状態であると判定された場合には、ステップS114に処理が移行する。
ステップS110では、ABS制御およびTRC制御の介入を遅らせるように制御特性が変更される。具体的には、ABS制御およびTRC制御の目標スリップ率(または目標スリップ量)が通常時よりも大きな値に設定される。このため、ABS制御では、通常の路面の走行時よりも車輪1がよりロックしやすく制御され、制動距離の短縮が図られる。また、TRC制御では、通常の路面の走行時よりも車輪1がよりスリップしやすく制御され、走破性の向上や失速の抑制が図られる。
続くステップS112では、通常の伝達比可変制御が実行される。その後、本フローから一旦抜ける。
車両Vのステア状態がアンダーステア状態であると判定された場合、ステップS114では、旋回外側前輪に対するABS制御およびTRC制御の介入を遅らせるように制御特性が変更される。具体的には、旋回外側前輪に対するABS制御およびTRC制御の目標スリップ率(または目標スリップ量)が通常時よりも大きな値に設定される。このため、ABS制御では、旋回外側前輪がロックしやすく制御され、回頭性の向上が図られる。また、TRC制御でも旋回外側前輪がスリップ傾向に制御され、回頭性の向上が図られる。
続くステップS116では、操舵ハンドル33の操舵角に対して転舵輪1FR,1FLの転舵角が大きくなるように伝達比可変機構32が制御される。このため、転舵輪1FR,1FLがより大きく転舵され、さらに回頭性の向上が図られる。
本実施形態によれば、例えば砂地路などの走行抵抗が大きな路面での旋回時に車両Vがアンダーステア状態になった場合、旋回外側前輪に対するABS制御、TRC制御の介入を遅らせるように制御特性が変更される。すなわち、ABS制御、TRC制御における目標スリップ率(または目標スリップ量)が通常時よりも大きな値に設定され、旋回外側前輪がロック(スリップ)傾向に制御される。そのため、旋回外側前輪が路面に潜り込み、車輪の横力が増大することにより、車両Vの回頭性を向上することが可能となる。
また、本実施形態によれば、ABS制御またはTRC制御と協調して伝達比可変制御が実行される。すなわち、旋回外側前輪に対するABS制御、TRC制御の介入が遅延されるときに、操舵ハンドル33の操舵角に対して転舵輪1FR,1FLの転舵角が大きくなるように伝達比可変機構32が制御される。そのため、旋回外側前輪がロック傾向に制御されるとともに転舵輪1FR,1FLがより大きく転舵されるので、車両Vの回頭性がより改善され、車両運動性能を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、エンジントルクやギヤ段などに基づいて演算された推定車輪加速度と、車輪速センサ2や前後加速度センサ10の出力から算出された実車輪加速度との乖離度に基づいて路面の走行抵抗を検出したが、走行抵抗の検出方法は上記実施形態に限られるものではない。例えば、エンジン回転数とギヤ変速比(ギヤ段)から推定される車輪速度と車輪速センサ2によって検出される実際の車輪速度とに基づいて走行抵抗を検出することもできる。また、ステアリング操舵角から推定される車体横加速度と横加速度センサ11によって検出される実際の横加速度とに基づいて走行抵抗を検出してもよい。さらに、マスタシリンダ7の油圧(推定前後加速度)と前後加速度センサ10によって検出される実際の前後加速度とに基づいて走行抵抗を検出することもできる。なお、この方法の場合、坂路勾配による補正を行うことが好ましい。
走行抵抗の検出方法として複数の例を挙げたが、何れか一つの検出方法のみによって走行抵抗を検出しても良いし、二つ以上の検出方法を組み合わせて使用してもよい。また、発進加速時、定常走行時、旋回時や制動時などの走行状態によって走行抵抗の検出方法を選択してもよい。
また、上記実施形態では操舵ハンドル33の操舵角に対して転舵輪1FR,1FLの転舵角が大きくなるように伝達比可変機構32を制御して、転舵輪1FR,1FLの転舵角を増大したが、パワーステアリング装置のアシスト量を増大させることにより、転舵輪1FR,1FLの転舵角を増大させる構成とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、車両挙動制御装置を四輪駆動車に搭載したが、前輪駆動車や後輪駆動車に適用することもできる。
実施形態に係る車両挙動制御装置を搭載した車両の要部構成図である。 走行抵抗大路面走行時にアンダーステア状態になったときのABS動作を説明するための図である。 実施形態に係る車両挙動制御装置による車両挙動制御の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1FR,1FL,1RR,1RL…車輪、2FR,2FL,2RR,2RL…車輪速センサ、3…ブレーキディスク、4…ブレーキキャリパ、5…ブレーキ配管、6…油圧回路、7…マスタシリンダ、8…ブレーキペダル、9…車両運動制御ECU、10…前後加速度センサ、11…横加速度センサ、12…エンジンECU、13…エンジン、16…ヨーレートセンサ、17…ステアリング制御ECU、32…伝達比可変機構、33…操舵ハンドル、36…操舵角センサ、37…転舵角センサ、V…車両。

Claims (2)

  1. 車両の各車輪に付加される制動力を調節することにより前記各車輪のスリップを抑制する制御手段と、
    前記車両の走行時の走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段と、
    前記車両のステア状態を検出するステア状態検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記走行抵抗検出手段の検出結果に基づいて走行抵抗が大きな路面を走行中であると判定され、かつ、前記ステア状態検出手段の検出結果に基づいて前記車両のステア状態がアンダーステア状態であると判定された場合に、旋回外側前輪に対する制御の介入を遅らせるように制御特性を変更することを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との伝達比を変化させる伝達比可変手段をさらに備え、
    前記伝達比可変手段は、旋回外側前輪に対する制御の介入を遅らせるように前記制御特性が変更されるときに、前記操舵ハンドルの操舵角に対して前記転舵輪の転舵角が大きくなるように前記伝達比を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両挙動制御装置。

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