JPH0723642B2

JPH0723642B2 - 屋根構造

Info

Publication number: JPH0723642B2
Application number: JP62133915A
Authority: JP
Inventors: 義信杉田
Original assignee: 義信杉田
Priority date: 1987-05-29
Filing date: 1987-05-29
Publication date: 1995-03-15
Anticipated expiration: 2010-03-15
Also published as: JPS63297658A

Description

【発明の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本発明は、屋根構造に関し、特に雨樋の構造を簡易とし
た屋根構造に関する。

＜従来の技術＞従来、屋根葺構造には、金属板葺、波板葺、瓦棒葺等の
ものがある。

このうち、瓦棒葺や波板葺等の突条葺に於いては、瓦棒
や波形等の突条が屋根頂部の棟から軒先に向けて縦方向
（下方向）に多数平行に形成されている。

このため、かかる屋根葺構造の屋根にあっては、降下す
る雨水が突条に沿って縦方向（下方向）に流下した後、
軒先に設けられた軒樋に導入され、軒樋内を流下して該
軒樋に設けられた導出口から排出立管へ導出される。

従って、流下雨水が略Ｌ字状に流下して迂回流になっ
て、流下時間がかかるため、単位時間当たりの排水量が
制約され、大雨時において軒樋が溢水する等の不具合を
生ずるという問題があった。

また、かかる屋根葺構造の屋根にあっては、剛性が十分
でないため暴風雨時の強風時において、風の吸引による
吹上がりにより、野地板がめくり上がり、屋根の破壊や
損傷を生じるという問題点があった。

このため、従来このような吹上がりを防止するため、野
地板上に多数の横棒を配設した横葺屋根が提案された
が、雨水が流下しにくくなるという問題点があった。

一方、屋根から流下する雨水を排水路へ導出するために
軒先に雨樋が設けられている。

すなわち、雨樋には、軒先に設けられた軒樋や谷樋等の
横樋と、該横樋に接続された鮟鱇、呼樋、立樋等の排水
立管とがある。

しかしながら、かかる雨樋用横樋は、略水平に軒先に設
けられているため、落葉や砂等の夾雑物が堆積したり、
雨水と共に屋根から選ばれる夾雑物が流量不足で残留
し、雨水の流れを阻害するばかりでなく、横樋を腐蝕さ
せて孔穿や水漏などの不具合を生ぜしめるという問題点
があった。

このため、排水立管との接続部に設けた導出孔が最下位
になるように横樋を傾斜させて軒先に取付ける方法も採
られたが、軒先との距離が離隔するため、雨水が横樋の
外部へ流下するばかりでなく、外観も見苦しくなり、し
かも受金具も数種類必要となる等製作上の制約があり、
十分な傾斜角を得ることができず、上記問題点を解消し
得ないという欠点があった。

また、横樋は長尺物であるため、剛性不足であり、屋根
上に積もった雪の落下時に生ずる衝撃や暴風雨時の風等
の外力により変形や破損を生じ易いという問題点があっ
た。

＜発明が解決しようとする問題点＞このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、
雨水の斜流下機能と、風による屋根の吹上り防止機能と
を兼ね備え、しかも屋根上に流下通路を形成した構成と
することより、軒樋等の横樋を廃止して、屋根上に降下
する雨水を可及的速やかに立樋等の排水立管に導入せし
め、軒樋等の横樋内を流下する雨水の溢水や横樋の腐蝕
等の不具合を解消し、さらに屋根の剛性を高めることの
できる屋根構造を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞このような目的は、本発明によれば、瓦棒葺、横葺、波
板葺等の突条葺における瓦棒、横棒、波形等の突条が多
数上面に突出形成されると共に、軒先に排水立管などの
雨樋が設けられ、降下する雨水を雨樋を経て排水路等へ
排出する屋根構造において、瓦棒等の突条を適切に配設することにより屋根上に排水
立管を流下雨水を直接導入する流下通路を形成したこと
を特徴とする屋根構造を提供にすることにより達成され
る。

＜作用＞このように本発明によれば、雨水の斜流下機能と風によ
る屋根の吹上がり防止機能とを備え、しかも屋根上に流
下通路を形成した構成とすることより、軒樋等の横樋を
廃止して、屋根上に降下する雨水を可及的速やかに立樋
等の排水立管に導入せしめ、軒樋等の横樋内を流下する
雨水の溢水や横樋の腐蝕等の不具合を解消することがで
きる。

さらに、雨水が屋根と軒樋をＬ字状に迂回することな
く、流下通路を流下して排水立管に直接導入されるた
め、大量流下が可能となる。

従って、暴風雨時等の大雨にあっても、雨樋の溢水等の
不具合を解消することができる。

また、残留夾雑物によって発生する雨樋の腐蝕が阻止さ
れる。

さらに、屋根の剛性を高めることのできる屋根構造とす
ることにより、屋根の剛性が向上するため、暴風雨時等
の強風においても、風の吸引による屋根の吹上がりが阻
止され、屋根の破壊や損傷が防止される。

＜実施例＞次に、本発明を添付の図面を参照して特定の実施例につ
いて詳述する。

第１図および第２図は本発明に基づく屋根構造の第１の
実施例を示している。

突条葺屋根である瓦棒葺屋根１は、野地板２上に葺かれ
た平板３と、野地板２の両端側辺に設けられた端部瓦棒
４と、該端部瓦棒４間に斜方向に配設された斜瓦棒５と
を備え、さらに軒先６には、排水立管７が設けられてい
る。

野地板２には、斜直線形の斜瓦棒５が多数平行に設けら
れた斜瓦棒列16が１列形成されると共に、野地板２の両
端側辺に端部瓦棒４が設けられることにより、該斜瓦棒
列16の斜瓦棒５の端末5aと該端部瓦棒４の内側面4aとの
間に上記排水立管７に流下雨水を直接導入する流下通路
９が１カ所形成されている。

端部瓦棒４は、野地板２の両端側辺８に沿って同側辺８
上に縦方向（下方向）に固定されている。

また、斜瓦棒５は、上記排水立管７側の端部瓦棒４との
間に所定間隔をあけて、上記排水立管７側の端部瓦棒４
に対向する反排水立管側の端部瓦棒４の頂部が屋根頂部
の棟10と衝合する箇所から軒先６の縁辺に対して斜下向
き方向に基本となる斜瓦棒５が野地板２上に斜直線形に
固定されている。

さらに、上記基本となる斜瓦棒５の下方の野地板２上に
所定ピッチで多数の斜瓦棒５が斜直線形で平行に固定配
設されることにより、斜瓦棒列16が１列設けられてい
る。

上記端部瓦棒４と斜瓦棒５とは、野地板の下面に固定さ
れた垂木11内に達するように打込まれた釘を介して野地
板２に固定されている。

また、上記平板３は、トタン板等の金属薄板からなり、
上記斜瓦棒５と端部瓦棒４に沿って端部を立上がらせ、
野地板２上に葺かれている。

上記斜瓦棒５と端部瓦棒４は、上面と両側面を覆う金属
薄板からなる包み板12の端部と上記平板３の端部とをか
しめや巻締等の結合手段によって結合することにより、
被覆されている。

さらに、上記排水立管７は、流下通路９より広幅の口径
を有する鮟鱇13と、該鮟鱇13の下端に連結される呼樋14
と、該呼樋14の下端に連結される立樋15とからなり、鮟
鱇13が流下通路９の下端に接続する軒先の位置に設けら
れており、さらに上記立樋15の下端が図示しない排水路
の開口部に開口している。

また、第１図に良く示されているように、鮟鱇13の上端
は、流下通路９から流下する雨水が全て鮟鱇13内に流入
して外部へこぼれないように、前面壁と側面壁とが軒先
の高さよりも高く形成されている。

次に、上記実施例の作用について説明する。

上記屋根構造によれば、軒先の縁辺に対して斜下向き方
向に配設した斜瓦棒５と野地板２の側辺上に設けられた
端部瓦棒４との間に、雨水が流下する流下通路９を形成
し、しかも該流下通路９の下端に接続する軒先の位置に
排水立管７が設けられた屋根構造とすることにより、軒
樋等の横樋を廃止することができるため、雨樋を簡易化
することができ、雨水の流下距離を短縮して雨水の流下
時間を短くすることができるので、雨水の大量流下が可
能となる。

すなわち、降雨時に屋根上に降下する雨水は、斜瓦棒５
間の平板３上を該斜瓦棒５に沿って斜下向きに流下し、
そのまま軒先から、または同棒５端末と端部瓦棒４との
間に形成された流下通路９を縦方向（下方向）に流下し
て軒先から、それぞれ排水立管７の鮟鱇13に導入され、
該排水立管７内を流下して排水路等へ排出される。

この際、屋根上の雨水は斜瓦棒５に案内されて斜方向に
流下するため、従来の如く縦方向（下方向）にのみ流下
した後横樋を経て流下する場合に比して、Ｌ字状に迂回
する必要がなくなるため、排水立管７に達するまでの流
下距離が短くなり、同流下時間も短縮されることにな
る。

このため、暴風雨時等の大雨量時にあっても、溢水等の
不具合を生じることなく、雨水を大量流下させることが
可能となる。

また、暴風雨時等の強風時にあっても、野地板２上に斜
瓦棒５が斜方向に固定してあるため、屋根の剛性が向上
し、風の吸引に対する抵抗力が大きく、屋根の吹上がり
が阻止され、屋根の破壊や破損が防止される。

第３図は本発明の第２の実施例を示すものであり、上記
実施例と異なり軒先６の両端に排水立管７がそれぞれ設
けられている。また、野地板２上には、逆Ｖ字形の斜瓦
棒５が多数平行に設けられた斜瓦棒列16が１列形成され
ると共に、野地板２の両端側辺に端部瓦棒４が設けられ
ることにより、該斜瓦棒列16の斜瓦棒５の端末5aと該端
部瓦棒４の内側面4aとの間に上記排水立管７に流下雨水
を直接導入する流下通路９が２カ所形成されている。

すなわち、野地板２上には、中央部が屋根頂部の棟10の
側部中央に接して、両端端末が端部瓦棒４との間に所定
間隔をあけて上記流下通路９を形成するように、基本と
なる斜瓦棒５が、野地板２上に軒先６の縁辺に対して逆
Ｖ字形に固定されている。

さらに、上記基本となる逆Ｖ字形に形成された斜瓦棒５
の下方の野地板２上には、多数の逆Ｖ字形に形成された
斜瓦棒５が所定ピッチで平行に野地板２に固定配設され
ることにより、斜瓦棒列16が１列設けられている。

したがって、屋根上に降下する雨水は、逆Ｖ字形に配設
された斜瓦棒５によって、左右に分水され、同棒５に沿
って斜に流下し、そのまま軒先から、また同棒５の端末
5aと端部瓦棒４の内側面4aとの間に形成された流下通路
９を縦方向（下方向）に流下して軒先から、それぞれの
鮟鱇13へ導入されるため、上記実施例よりさらに流下距
離と流下時間が短縮される利点がある。

第４図は本発明の第３の実施例を示すものであり、軒先
６の両端、および軒先６の両端と中心との間の中央箇所
２カ所計４ケ所に排水立管７がそれぞれ設けられてい
る。また、野地板２上には、逆Ｖ字形の斜瓦棒５が多数
平行に設けられた斜瓦棒列16が３列設けられると共に、
野地板２の両端側辺に端部瓦棒４が設けられることによ
り、上記４カ所の排水立管７に連通する流下通路９が４
カ所形成されている。

すなわち、野地板２上には、中央部が屋根頂部の棟10の
側部に接して、両端端末が端部瓦棒４の側面または斜瓦
棒５の端末との間に所定間隔をあけて上記流下通路９を
形成するように、基本となる斜瓦棒５が、野地板２上の
軒先６の縁辺に対して逆Ｖ字形に３カ所固定配設されて
いる。さらに、上記基本となる逆Ｖ字状に固定された３
つの斜瓦棒５の下方の野地板２上には、軒先の縁辺に対
して逆Ｖ字形となる斜瓦棒を所定ピッチで略平行に多数
形成した斜瓦棒列16が３列平行に野地板２上に固定配設
されている。

したがって、屋根上に降下する雨水は、逆Ｖ字形に配設
された斜瓦棒５によって左右に分水され、同棒５に沿っ
て斜下向きに流下し、そのまま軒先から、または同棒５
の両端端末と端部瓦棒４側面との間または斜瓦棒５の端
末同士との間に形成された流下通路９を縦方向（下方
向）に流下して軒先から、それぞれの鮟鱇13へ導入され
る。

したがって、工場や倉庫等の長尺屋根に適用することが
でき、構造を簡易とした屋根とすることができる。

尚、上記実施例はいずれも瓦棒葺の屋根について説明し
たが、本発明はこれらに限られることなく、横棒、波形
等の突条が多数上面に突出形成されている横葺、波板葺
等の突条葺の屋根構造に適用することができる。そし
て、該突条を上記実施例の斜瓦棒５と端部瓦棒４に準じ
て野地板２上に配設固定することにより、上記実施例と
同様の効果を生ぜしめることができる。

＜発明の効果＞このように本発明によれば、雨水の斜流下機能と風によ
る屋根の吹上がり防止機能とを備え、しかも屋根上に流
下通路を形成した構成とすることにより、屋根上に降下
する雨水が、縦方向（下方向）に流下してから軒樋など
の横樋を横向きに流下することなく、斜下向きに流下し
た後流下通路を縦方向（下方向）に流下するため、迂回
することなく排水立管に最短距離（すなわち最短時間）
で導入される。

したがって、軒樋等の横樋が不要となるため、雨樋の構
成が簡単となり、しかも溢水等の雨水流下に伴う不具合
の発生が解消され、雨樋の耐久性が向上する。

また、瓦棒等の突条が斜方向に配設固定されているた
め、屋根の剛性が向上し、風の吸引による屋根の吹上が
りが防止され、屋根の破壊や破損を防止することができ
るため、その効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく屋根構造の第１の実施例を示す
一部断面側面図である。第２図は第１図の一部破断平面図である。第３図は同第２の実施例を示す平面図である。第４図は同第３の実施例を示す平面図である。１…瓦棒葺屋根（突条葺屋根）２…野地板、３…平板４…端部瓦棒（端部突条）、５…斜瓦棒（斜突条）６…軒先、７…排水立管８…野地板の側辺、９…流下通路 10…棟、11…垂木 12…包み板、13…鮟鱇 14…呼樋、15…立樋 16…斜瓦棒列（斜突条列）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】瓦棒葺等の突条葺における瓦棒等の突条が
多数上面に突出形成されると共に、軒先に排水立管など
の雨樋が設けられ、降下する雨水を雨樋を経て排水路等
へ排出する屋根構造において、屋根上に軒先の縁辺に対して斜め方向となる斜瓦棒等の
斜突条を略平行に多数形成した斜瓦棒列等の斜突条列を
設けると共に、屋根の側端辺上に端部瓦棒等の端部突条を設け、該端部
突条と斜突条列との間に排水立管に流下雨水を直接導入
する流下通路を形成した、ことを特徴とする屋根構造。
【請求項２】軒先の縁辺に対して斜め方向となる斜瓦棒
等の斜突条を略平行に多数形成した斜瓦棒列等の斜突条
列を複数列設けることにより、該斜突条列相互の間に流
下通路を形成したことを特徴とする特許請求の範囲第１
項に記載の屋根構造。
【請求項３】突条が瓦棒葺における瓦棒であることを特
徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の屋根
構造。
【請求項４】斜突条列は、斜直線形の斜突条を略平行状
に多数配設したものであることを特徴とする特徴とする
特許請求の範囲第１項〜第３項のいずれかに記載の屋根
構造。
【請求項５】斜突条列は、逆Ｖ字形の斜突条を略平行状
に多数配設したものであることを特徴とする特許請求の
範囲第１項〜第３項のいずれかに記載の屋根構造。
【請求項６】軒先側の斜突条の高さが他の斜突条の高さ
よりも高い高さに形成されていることを特徴とする特許
請求の範囲第１項〜第５項のいずれかに記載の屋根構
造。
【請求項７】排水立管は、流下通路を経て軒先から流下
する雨水を直接導入する鮟鱇を供えていることを特徴と
する特許請求の範囲第１項〜第６項のいずれかに記載の
屋根構造。
【請求項８】鮟鱇は、軒先から流下する雨水を外部へ溢
水することなく導入するように充分な大きさに形成され
ていることを特徴とする特許請求の範囲第７項に記載の
屋根構造。
【請求項９】鮟鱇は、軒先から流下する雨水を外部へ溢
水することなく導入するように入口の反軒先側の壁面の
高さが軒先の高さより高く形成されていることを特徴と
する特許請求の範囲第７項または第８項に記載の屋根構
造。