JPH07234682A - 楽音制御装置 - Google Patents

楽音制御装置

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Publication number
JPH07234682A
JPH07234682A JP6053211A JP5321194A JPH07234682A JP H07234682 A JPH07234682 A JP H07234682A JP 6053211 A JP6053211 A JP 6053211A JP 5321194 A JP5321194 A JP 5321194A JP H07234682 A JPH07234682 A JP H07234682A
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JP
Japan
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tone
musical
sound
tone color
key
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Application number
JP6053211A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tomita
尋 富田
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07234682A publication Critical patent/JPH07234682A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音楽的に不調和で耳障りな楽音を形成するこ
となく、新たな演奏効果を達成し得る楽音制御装置を実
現する。 【構成】 ミックススイッチ2bがオン設定されると、
マイクロコンピュータ部3が各発音チャンネル5a,5
bに割り当てられた音色が同一であるか否かを判断し、
各音色が同一である場合には、各発音チャンネル5a,
5bの楽音出力のセンタピッチをそれぞれアップあるい
はダウンさせてデチューンを施す。そして、音源5はこ
のデチューンされた楽音信号を混合して1発音が複数の
音色で形成される楽音を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の音色による楽音
を形成し、これらを混合して同時に発音する楽音制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PCM化された波形データを波形
メモリに記憶しておき、演奏操作に応じて生成される演
奏データに基づいて当該波形メモリから対応する波形デ
ータを読み出し、所望の音色の楽音を生成する楽音制御
装置が知られている。このような装置においては、複数
の発音チャンネルを備えており、これら発音チャンネル
を時分割動作させて各種音色の楽音をポリフォニック発
音するよう構成されている場合が多い。
【0003】例えば、波形メモリを具備する楽音制御装
置では、キーオン/キーオフ、キーコード(音高)およ
びイニシャルタッチ等の演奏データに加えて、キーオン
毎に発音すべき楽音の音色を指定する音色番号をも取込
み、1発音単位で発音すべき楽音の音色を指定するよう
にしている。ここで、音色番号は、波形メモリから読み
出すべき波形データの種類、すなわち、発生楽音の音色
を指定するものであり、さらに、イニシャルタッチ等に
応じて読み出した波形データをエンベロープ制御するこ
とで発生楽音の音色傾向を修飾するようにしている。な
お、波形メモリに複数音域毎にサンプリングした波形デ
ータを記憶するようにしたものでは、音色番号とキーコ
ードとに対応する波形データが読み出され、こうするこ
とでよりきめ細かく発生楽音の音色を修飾することが可
能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述した従来の
楽音制御装置においては、複数の発音チャンネルから各
種音色の楽音を発生し、これを混合して1発音とする
「音色ミックス」と呼ばれる楽音合成を行うことがあ
る。この「音色ミックス」によれば、1発音当り複数の
音色が形成されることから、アンサンブル効果などの演
奏効果を得ることが可能となっている。
【0005】ところで、複数の同一音色を「音色ミック
ス」する場合、例えば、図9に示すように同一音色の楽
音信号A,Bを「音色ミックス」する際には、各発音チ
ャンネルの処理タイミングが一致しないことから、楽音
信号A,B間に遅延Dが生じる。この状態で両信号A,
Bを混合すると、楽音が微妙に位相ずれを起こしてしま
い、音楽的に不調和で耳障りな楽音になるという問題が
ある。一方、こうした位相ずれを補正すれば、音楽的に
不調和な楽音として発音させ得るものの、単一音色の単
調な楽音となり、楽音に「深み」や「響き」あるいは
「うねり」を与える等、新たな演奏効果を得ることがで
きないという弊害が生じてしまう。
【0006】そこで本発明は、上述した事情に鑑みてな
されたもので、1発音当り複数の同一音色を形成する場
合にあっても、音楽的に不調和で耳障りな楽音を形成す
ることなく、新たな演奏効果を達成し得る楽音制御装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明にあっては、1発音を複数の
音色で形成する際に操作される音色混合操作子と、前記
音色混合操作子の操作に応じて各発音チャンネルに割り
当てられた音色が同一であるか否かを判断し、各音色が
同一である場合には前記各発音チャンネルの楽音出力に
デチューンを施すデチューン手段と、前記デチューン手
段の出力を混合し、1発音が複数の音色で形成される楽
音を合成する楽音合成手段とを具備することを特徴とし
ている。また、好ましい実施態様として請求項2に記載
の発明によれば、前記デチューン手段は、前記各発音チ
ャンネルから供給される楽音出力のセンタピッチをそれ
ぞれ変位させることを特徴としている。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
1発音を複数の音色で形成する際に操作される音色混合
操作子と、前記音色混合操作子の操作に応じて各発音チ
ャンネルに割り当てられた音色が同一であるか否かを判
断し、各音色が同一である場合には前記各発音チャンネ
ルの楽音出力に音高変換を施す音高変換手段と、前記音
高変換手段の出力を混合し、1発音が複数の音色で形成
される楽音を合成する楽音合成手段とを具備することを
特徴としている。この実施態様として請求項4に記載の
発明によれば、前記音高変換手段は、前記各発音チャン
ネルの楽音出力のいずれかをオクターブ変換することを
特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、音色混合操作子が操
作されると、デチューン手段が各発音チャンネルに割り
当てられた音色が同一であるか否かを判断し、各音色が
同一である場合には前記各発音チャンネルの楽音出力に
デチューンを施す。そして、楽音合成手段がこのデチュ
ーン手段の出力を混合し、1発音が複数の音色で形成さ
れる楽音を発生する。これにより、音楽的に不調和で耳
障りな楽音を形成することなく「音色ミックス」を達成
でき、しかも、「ホンキートンク」のような新たな演奏
効果を達成し得る。
【0010】また、請求項3記載の発明では、音色混合
操作子が操作されると、音高変換手段が各発音チャンネ
ルに割り当てられた音色が同一であるか否かを判断し、
各音色が同一である場合には前記各発音チャンネルの楽
音出力に音高を施す。そして、楽音合成手段がこの音高
変換手段の出力を混合し、1発音が複数の音色で形成さ
れる楽音を発生する。これにより、音楽的に不調和で耳
障りな楽音を形成することなく「音色ミックス」を達成
でき、しかも重奏効果が得られる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 A.第1実施例の構成 図1は、本発明の第1実施例による楽音制御装置の構成
を示すブロック図である。この図において、1は鍵盤で
あり、各鍵毎の押離鍵操作および押離鍵速度を検出し、
検出した押離鍵操作に対応するキーオン/キーオフ信
号、キーナンバ(キーコード)あるいは押離鍵タッチを
表すベロシティ等の演奏情報を発生する。2は操作パネ
ル上に配設される各種操作スイッチからなる操作子群で
ある。3は装置各部を制御するマイクロコンピュータ部
であり、その動作については後述する。このマイクロコ
ンピュータ部3は、CPU3a,ROM3bおよびRA
M3cを備える。ここで、ROM3bには、CPU3a
にロードされる各種制御プログラムや、これらプログラ
ムで用いられる各種データなどが記憶されている。RA
M3cは、CPU3aのワークエリアとして使用され、
各種演算結果やレジスタ/フラグデータ等を一時記憶す
る。
【0012】4は操作パネル上に設けられ、上記マイク
ロコンピュータ部3から供給される各種データを表示す
る表示部である。表示部4は、LCD(液晶表示素子)
から構成される液晶パネル4aとスイッチ設定状態を表
示するLED(発光素子)4bとから構成される。ここ
で、図2を参照して操作パネル上に配設される操作子群
2と表示部4とについて説明する。図2において、2a
は数値入力操作や設定値変更操作に使用されるテンキー
である。このテンキー2aの操作に応じた各種設定値等
が液晶パネル4aに表示される。2bは「音色ミック
ス」処理をオン設定あるいはオフ設定するミックススイ
ッチである。このミックススイッチ2bがオン設定され
た場合に実行される音色ミックス処理については追って
詳述する。ミックススイッチ2bは、操作に応じてオル
タネートにオンオフする操作子であり、オン設定されて
いる状態でLED4bが点灯表示するようになってい
る。なお、操作パネル上には、図2に図示されるスイッ
チ以外に、装置電源をオンオフするパワースイッチや、
音色を選択する音色スイッチ、あるいはピッチベンダ等
の演奏操作子が設けられている。
【0013】次に、再び図1を参照して実施例の構成に
ついて説明を進める。図において、5は周知の波形メモ
リ読み出し方式で構成される音源であり、ポリフォニッ
ク発音するよう複数の同時発音チャンネルを備える。す
なわち、音源5は、少なくともA音色発音チャンネル5
aとB音色発音チャンネル5bと備え、マイクロコンピ
ュータ部3の制御の下に後述する音色ミックス動作す
る。6,7はそれぞれA音色発音チャンネル5aおよび
B音色発音チャンネル5bから出力される楽音信号のピ
ッチ(音高)を制御するピッチ制御部である。8はピッ
チ制御部6,7からそれぞれ出力される楽音信号を混合
して出力するミキサである。9は複数の音色に対応する
波形データを記憶する波形メモリである。この波形メモ
リ9は、音源5から供給される読み出しアドレスに応じ
た波形データを出力する。10はD/A変換回路であ
り、音源5から出力される楽音信号をアナログ信号に変
換して出力する。11はD/A変換回路10の出力信号
に対して各種フィルタリングを施して不要ノイズの除去
した後、これを増幅してスピーカSPに供給するアンプ
である。
【0014】B.第1実施例の動作 次に、上記構成による第1実施例の動作について図3〜
図6を参照して説明する。ここでは、概略としてメイン
ルーチンの動作について説明した後、メインルーチンに
おいてコールされるスイッチ制御処理ルーチンと、鍵盤
処理ルーチンの各動作について順次説明する。そして、
これら処理動作に基づき、音楽的に不調和で耳障りな楽
音を形成することなく、新たな演奏効果をも達成し得る
「音色ミックス処理」について言及する。
【0015】(1)メインルーチンの動作 まず、この実施例による楽音制御装置に電源が投入され
ると、マイクロコンピュータ部3はROM3bから所定
の制御プログラムをロードし、図3に示すメインルーチ
ンを実行してステップSA1に処理を進める。ステップ
SA1に進むと、CPU3aはRAM3cのワークエリ
アに設定される各種レジスタやフラグ類をリセットある
いは初期設定するイニシャライズ処理を行う。こうして
初期化がなされると、CPU3aは、次のステップSA
2に処理を進め、スイッチ制御処理ルーチンを実行す
る。
【0016】スイッチ制御処理ルーチンでは、前述した
ミックススイッチ2bあるいは音色スイッチの操作に応
じた設定状態を表示部4に表示したり、フラグ設定を行
う。次いで、次のステップSA3に進むと、鍵盤処理ル
ーチンが実行され、上記フラグ設定に対応した発音指示
を行う。次いで、この鍵盤処理ルーチンが完了すると、
CPU3aはステップSA4に処理を進め、例えば、ピ
ッチベンダ等の演奏操作子の出力に応じて発音指示され
た楽音の音高を調節するなどのその他の処理を行う。そ
して、この後、CPU3aの処理は再びステップSA2
に戻り、以後、ステップSA2〜SA4を繰り返して押
離鍵操作やスイッチ操作に対応する処理を実行する。
【0017】(2)スイッチ制御処理ルーチンの動作 次に、上記メインルーチンにおいてコールされるスイッ
チ制御処理ルーチンの動作について図4を参照して説明
する。CPU3aの処理がステップSA2に進むと、ス
イッチ制御処理ルーチンが実行され、これにより、図4
に示すステップSB1に進む。ステップSB1では、前
述したミックススイッチ2bが操作されたか否かを判断
する。ここで、当該スイッチ2bが操作されたとする
と、判断結果は「YES」となり、次のステップSB2
に処理を進める。なお、ミックススイッチ2bが操作さ
れない場合には、判断結果が「NO」となり、後述する
ステップSB5に処理を進める。
【0018】ステップSB2では、レジスタMFにセッ
トされるミックスフラグの値を反転する。ミックスフラ
グは、ミックススイッチ2bがオン設定されている場合
に「1」となり、オフ設定されている場合には「0」と
なる。そして、次のステップSB3に進むと、CPU3
aはレジスタMFの値が「1」、すなわち、ミックスス
イッチ2bがオン設定されたか否かを判断する。ここ
で、当該スイッチ2bがオン設定された場合には、判断
結果が「YES」となり、後述するステップSB5へ進
み、一方、オフ設定された時には、判断結果が「NO」
となり、次のステップSB4に進む。ステップSB4で
は、ミックススイッチ2bがオフ設定されたことに対応
して単音色発音するように、レジスタBにセットされる
音色番号を消去する一方、これに応じて液晶パネル4a
に表示されている対応音色名を消去する。
【0019】レジスタBは、B音色発音チャンネル5b
にアサインされた音色番号がセットされるようになって
おり、これを消去することで、A音色発音チャンネル5
aのみによる単音色発音となる訳である。この実施例で
は、ミックススイッチ2bがオフ設定された場合、A音
色を優先的に単音色発音するようにしているが、これに
限らず、複数の発音チャンネルにアサインされた音色の
内、いずれかを選択して単音色発音させる態様としても
良い。
【0020】このようにしてミックススイッチ2bの設
定状況に応じて発音すべき音色の割り当てがなされる
と、CPU3aはステップSB5に処理を進める。ステ
ップSB5では、音色を指定する音色スイッチが操作さ
れたか否かを判断する。ここで、音色スイッチが操作さ
れない時には、判断結果が「NO」となり、このルーチ
ンを終了してメインルーチンへ復帰する。一方、音色ス
イッチが操作された場合には、判断結果が「YES」と
なり、次のステップSB6へ処理を進める。ステップS
B6では、レジスタMFの値が「1」、すなわち、ミッ
クススイッチ2bがオン設定されているか否かを判断す
る。そして、当該スイッチ2bがオン設定され、A音色
とB音色とをミックスして発音させる場合には、判断結
果は「YES」となり、ステップSB7に進む。
【0021】ステップSB7では、音色スイッチ操作に
応じて選択された音色番号をレジスタBにセットし、続
いて、ステップSB8では、このレジスタBにセットさ
れた音色番号に対応する音色名(B音色)を液晶パネル
4aに表示する。なお、この実施例では、A音色発音チ
ャンネル5aに割り当てられるA音色が電源投入と共
に、レジスタAに初期設定され、音色名(A音色)が液
晶パネル4aに表示されるものとする。したがって、ミ
ックススイッチ2bのオン操作に基づきA音色とB音色
とをミックスして発音させる際には、B音色のみが音色
スイッチにより選択指定される。これに対し、ミックス
スイッチ2bがオフ設定され、A音色のみの単音色発音
の際には、上記ステップSB6の判断結果が「NO」と
なり、ステップSB9に処理を進める。ステップSB9
では、レジスタAに選択指定される音色番号をセット
し、続いてステップSB10では、このセットしたA音
色の音色名を液晶パネル4aに表示してこのルーチンを
完了する。
【0022】(3)鍵盤処理ルーチンの動作 次に、上記スイッチ制御処理ルーチンを介して発音モー
ドが決定され、CPU3aの処理がメインルーチンのス
テップSA3に至ると、図5に示す鍵盤処理ルーチンが
実行され、ステップSC1に進む。ステップSC1で
は、鍵盤1においてなされる押離鍵イベントを検出し、
鍵状態を判定する。以下、キーオンイベント発生時の
動作と、キーオフイベント発生時および鍵変化が無い
場合の動作について説明する。
【0023】キーオンイベント発生時の動作 所定の鍵が押鍵され、キーオンイベントが発生すると、
ステップSC1の判断を経てステップSC2に処理を進
める。ステップSC2では、押鍵された鍵のキーコード
を取込み、これをレジスタCに書き込む。次いで、ステ
ップSC3に進むと、レジスタMFに格納されるミック
スフラグ値が「1」、即ち、「音色ミックス」する発音
モードであるか否かを判断する。ここで、ミックスフラ
グ値が「0」、つまり、A音色のみを単音色発音するモ
ードであれば、判断結果は「NO」となり、ステップS
C4に進む。ステップSC4では、レジスタAにセット
されるA音色の音色番号と、レジスタCにセットされる
キーコードとを読み出し、これらを音源5に送出する。
これにより、音源5は、波形メモリ9からA音色の音色
番号に対応する波形データをキーコードに応じた位相で
読み出し、A音色発音チャンネル5aにセットする。そ
して、CPU3aがステップSC5を介して発音開始を
指示すると、音源5はA音色発音チャンネル5aからキ
ーコードに従った音高でA音色の楽音を発生する。
【0024】一方、ミックスフラグ値が「1」、つま
り、A音色とB音色とを混合して同時発音するミックス
モードであると、ステップSC3の判断結果は「YE
S」となり、CPU3aはステップSC6に処理を進め
る。ステップSC6では、レジスタAにセットされるA
音色の音色番号と、レジスタBにセットされるB音色の
音色番号と、レジスタCにセットされるキーコードとを
各々読み出し、これらを音源5に送出する。次いで、ス
テップSC7に進むと、レジスタA,Bから読み出した
両音色番号が同一であるか否かを判断する。ここで、両
音色番号が同一である場合、すなわち、同一音色A,B
を「音色ミックス」する際には、判断結果が「YES」
となり、ステップSC8に処理を進める。ステップSC
8では、ピッチ制御部6(図1参照)に対してA音色発
音チャンネル5aから供給される楽音信号のセンタピッ
チ(例えば、A4音=440Hz)に対して10セント
分ピッチアップさせる制御信号を生成する一方、ピッチ
制御部7(図1参照)に対してB音色発音チャンネル5
bから供給される楽音信号のセンタピッチに対して10
セント分ピッチダウンさせる制御信号を生成する。
【0025】次いで、この後、ステップSC5に進み、
音源5に発音開始を指示すると、音源5では、波形メモ
リ9からA,B音色の各波形データをキーコードに応じ
た位相で読み出してA音色による楽音信号とB音色によ
る楽音信号とを発生し、これらのセンタピッチをピッチ
制御部6,7においてそれぞれ10セントピッチアップ
/ピッチダウンさせた後、ミキサ8で混合して出力す
る。これにより、音源5から出力される楽音は、図6に
示すように、所謂、デチューン効果が付与された楽音信
号となる。
【0026】この結果、複数の同一音色をミックスする
際の位相ずれによって発生する音楽的に不調和で耳障り
な楽音を形成せずに「音色ミックス」することが可能に
なる訳である。しかも、こうした意図的なデチューンを
付与することによって、例えば、故意に調律を狂わせた
「ホンキートンクピアノ」音のように、微妙な音のうね
りと響きとを兼ね備えた新たな演奏効果を得ることが可
能になっている。なお、上述したステップSC7におい
て、レジスタA,Bから読み出した両音色番号が同一で
ない場合には、当該ステップSC7の判断結果は「N
O」となり、ステップSC5を介して音源5から異なる
音色をミックスした楽音信号が出力されることになる。
【0027】キーオフイベント発生時および鍵変化が
無い場合の動作 上述したキーオンイベントに続いて対応鍵が離鍵されて
キーオフイベントが発生すると、CPU3aは前述した
ステップSC1を介してステップSC9に進む。ステッ
プSC9では、レジスタCにキーオフされた鍵のキーコ
ードを書き込む。次いで、ステップSC10に進み、レ
ジスタCにセットされたキーコードに対応する楽音の消
音を音源5に指示する。これにより、音源5はキーオフ
された鍵に対応する楽音を消音する。なお、鍵変化が無
い場合には、このルーチンではなにも処理せずにメイン
ルーチンへ復帰することになる。
【0028】以上のように、この第1実施例にあって
は、同一音色A,Bを「音色ミックス」する場合、A音
色による楽音信号とB音色による楽音信号とのセンタピ
ッチをそれぞれ10セントピッチアップ/ピッチダウン
させて混合して出力するから、デチューン効果が付与さ
れた楽音となる。このため、複数の同一音色をミックス
する際に現れる音楽的に不調和で耳障りな楽音を除去で
き、しかも、微妙な音のうねりと響きとを兼ね備えた新
たな演奏効果を得ることが可能になる。
【0029】C.第2実施例 次に、本発明の第2実施例について図7〜図8を参照し
て説明する。この第2実施例は、上述した第1実施例と
同一の構成であり、鍵盤処理ルーチンの動作のみが相違
する。したがって、以下では、第2実施例による鍵盤処
理ルーチンの動作について説明する。
【0030】上述した第1実施例と同様に、スイッチ制
御処理ルーチン(図4参照)を介して発音モードが決定
され、CPU3aの処理がメインルーチンのステップS
A3に至ると、図7に示す鍵盤処理ルーチンが実行さ
れ、ステップSD1に進む。まず、ステップSD1で
は、鍵盤1においてなされる押離鍵イベントを検出し、
鍵状態を判定する。いま、例えば、所定の鍵が押鍵さ
れ、キーオンイベントが発生したとする。そうすると、
CPU3aはステップSD1の判断を経てステップSD
2に処理を進める。ステップSD2では、キーオンされ
た鍵のキーコードを取込み、これをレジスタCに書き込
む。次いで、ステップSD3に進むと、「音色ミック
ス」する発音モードであるか否かを判断する。ここで、
ミックスフラグ値が「0」、つまり、A音色のみを単音
色発音するモードであれば、判断結果は「NO」とな
り、ステップSD4に進む。ステップSD4では、レジ
スタAにセットされるA音色の音色番号と、レジスタC
にセットされるキーコードとを読み出し、これらを音源
5に送出する。次いで、ステップSD5では、音源5に
発音開始を指示する。この結果、音源5はA音色発音チ
ャンネル5aからキーコードに従った音高でA音色の楽
音のみを発生する。
【0031】一方、A音色とB音色とを混合して同時発
音するミックスモードに設定されている場合、上記ステ
ップSD3の判断結果は「YES」となり、CPU3a
はステップSD6に処理を進める。ステップSD6で
は、レジスタAにセットされるA音色の音色番号と、レ
ジスタBにセットされるB音色の音色番号と、レジスタ
Cにセットされるキーコードとを各々読み出し、これら
を音源5に送出する。次いで、ステップSD7に進む
と、レジスタA,Bから読み出した両音色番号が同一で
あるか否かを判断する。ここで、同一音色A,Bを「音
色ミックス」する際には、判断結果が「YES」とな
り、ステップSD8に処理を進める。ステップSD8で
は、ピッチ制御部7(図1参照)に対してB音色発音チ
ャンネル5bから供給される楽音信号を1オクターブ上
昇させる制御信号を生成する。
【0032】次いで、この後、ステップSD5に進み、
音源5に発音開始を指示すると、音源5では、波形メモ
リ9からA,B音色の各波形データをキーコードに応じ
た位相で読み出してA音色による楽音信号とB音色によ
る楽音信号とを発生し、その内、B音色による楽音信号
をピッチ制御部7において1オクターブ上げたものとA
音色による楽音信号とをミキサ8で混合して出力する。
これにより、音源5から出力される楽音は、図8に示す
ように、キーコードに対応したA音色による楽音信号
と、これを1オクターブシフトアップしたA音色による
楽音信号とを加え合せたものとなる。
【0033】しかして、上記動作によれば、複数の同一
音色をミックスする際に現れる位相ずれを回避し得るた
め、音楽的に不調和で耳障りな楽音を形成することなく
「音色ミックス」することが可能になる。しかも、この
場合、同一音色による楽音を互いに異なる音程で発音す
るから、重奏効果を付与することが可能になる。なお、
上述したステップSD7において、レジスタA,Bから
読み出した両音色番号が同一でない場合には、当該ステ
ップSD7の判断結果は「NO」となり、ステップSD
5を介して音源5から異なる音色をミックスした楽音信
号が出力される。
【0034】ところで、上述したキーオンイベントに続
いて対応鍵が離鍵されてキーオフイベントが発生した時
には、CPU3aはステップSD1を介してステップS
D9に進む。ステップSD9では、レジスタCにキーオ
フされた鍵のキーコードを書き込む。次いで、ステップ
SD10に進み、レジスタCにセットされたキーコード
に対応する楽音の消音を音源5に指示する。これによ
り、音源5はキーオフされた鍵に対応する楽音を消音す
る。なお、鍵変化が無い場合には、前述した第1実施例
と同様、このルーチンではなにも処理せずにメインルー
チンへ復帰する。
【0035】このように第2実施例では、同一音色A,
Bを「音色ミックス」する場合、A音色による楽音信号
と、B音色による楽音信号を1オクターブシフトアップ
したものとを混合して出力するから、重奏効果が付与さ
れた楽音となる。このため、複数の同一音色をミックス
する際に現れる位相ずれに起因する不調和で耳障りな楽
音を除去できる上、重奏効果も得ることが可能となる。
また、複数の同一音色をミックスさせることで、一意的
にオクターブシフトが設定されることから、従来のオク
ターブシフト態様に比して極めて容易な操作で実現で
き、操作子数の低減をも招致している。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、音色混合
操作子が操作されると、デチューン手段が各発音チャン
ネルに割り当てられた音色が同一であるか否かを判断
し、各音色が同一である場合には前記各発音チャンネル
の楽音出力にデチューンを施す。そして、楽音合成手段
がこのデチューン手段の出力を混合し、1発音が複数の
音色で形成される楽音を発生するので、音楽的に不調和
で耳障りな楽音を形成せずに「音色ミックス」を達成で
き、しかも、この場合、「ホンキートンク」のような新
たな演奏効果を得ることができる。また、請求項3記載
の発明によれば、音色混合操作子が操作されると、音高
変換手段が各発音チャンネルに割り当てられた音色が同
一であるか否かを判断し、各音色が同一である場合には
前記各発音チャンネルの楽音出力に音高を施す。そし
て、楽音合成手段がこの音高変換手段の出力を混合し、
1発音が複数の音色で形成される楽音を発生するから、
音楽的に不調和で耳障りな楽音を形成することなく「音
色ミックス」を達成できる。しかも、この場合、重奏効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による楽音制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】同実施例の操作パネルに配設される操作子群2
および表示部を説明するための図である。
【図3】同実施例におけるメインルーチンの動作を示す
フローチャートである。
【図4】同実施例におけるスイッチ制御処理ルーチンの
動作を示すフローチャートである。
【図5】同実施例における鍵盤処理ルーチンの動作を示
すフローチャートである。
【図6】同実施例における音色ミックス動作を説明する
ための波形図である。
【図7】第2実施例における鍵盤処理ルーチンの動作を
示すフローチャートである。
【図8】第2実施例における音色ミックス動作を説明す
るための波形図である。
【図9】従来例における音色ミックスを説明するための
図である。
【符号の説明】
2 操作子群 2b ミックススイッチ 3 マイクロコンピュータ部 3a CPU 3b ROM 3c RAM 5 音源 5a A音色発音チャンネル 5b B音色発音チャンネル 6,7 ピッチ制御部 8 ミキサ 9 波形メモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1発音を複数の音色で形成する際に操作
    される音色混合操作子と、 前記音色混合操作子の操作に応じて各発音チャンネルに
    割り当てられた音色が同一であるか否かを判断し、各音
    色が同一である場合には前記各発音チャンネルの楽音出
    力にデチューンを施すデチューン手段と、 前記デチューン手段の出力を混合し、1発音が複数の音
    色で形成される楽音を合成する楽音合成手段とを具備す
    ることを特徴とする楽音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記デチューン手段は、前記各発音チャ
    ンネルから供給される楽音出力のセンタピッチをそれぞ
    れ変位させることを特徴とする請求項1記載の楽音制御
    装置。
  3. 【請求項3】 1発音を複数の音色で形成する際に操作
    される音色混合操作子と、 前記音色混合操作子の操作に応じて各発音チャンネルに
    割り当てられた音色が同一であるか否かを判断し、各音
    色が同一である場合には前記各発音チャンネルの楽音出
    力に音高変換を施す音高変換手段と、 前記音高変換手段の出力を混合し、1発音が複数の音色
    で形成される楽音を合成する楽音合成手段とを具備する
    ことを特徴とする楽音制御装置。
  4. 【請求項4】 前記音高変換手段は、前記各発音チャン
    ネルの楽音出力のいずれかをオクターブ変換することを
    特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。
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