JPH0723455U - 車両用座席構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座席者の好みに応じた着座姿勢において、そ
の着座者の骨盤部及び腰椎部を安定よく支持する。 【構成】 座席フレーム１の両側枠２の間には、後クッ
ションプレート12と、下バックプレート13とを一体に有
して断面略Ｌ字状をなす支持プレート11体が、その屈曲
部付近を支点として回動調整可能に組付けられる。後ク
ッションプレート12の前端部には、前クッションプレー
ト31がその後端部において屈曲可能に連結されるととも
に、下バックプレート13の上端部には、上バックプレー
ト35がその下端部において折曲可能に連結されるととも
に、上バックプレート35の上端部は側枠２に上下可能に
支持されている

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は車両用座席構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車両用座席は、図５に示すようにシートクッション５´と、該シートク ッション５´の後端部にヒンジ機構によって傾動可能に組付けられたシートバッ ク７´とを主体として構成される。 前記シートクッション５´において、そのクッションパッド６´の下面を支持 するＳ字ばね９´が張設されたパネルフレーム10´がクッションフレーム1a´に 対しバーチカル機構によって傾き及び高さ調整可能に支持される。 一方、シートバック７´においては、そのバックパッド８´の背面を支持する Ｓ字ばね18´が張設されたバックフレーム1b´にランバーサボート機構19´が組 付けられるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記した従来の車両用座席構造にあっては、バーチカル機構によっ てシートクッション５´の座面高さを調整したり、あるいは、シートクッション ５´に対しシートバック７´を傾き調整したときに、シートクッション５´の座 面に着座している着座者の骨盤部及び腰椎部に対するシートバック７´の背もた れ面の当りが変化するため、着座者の骨盤部及び腰椎部を安定よく支持できなく なる場合があった。 この考案の目的は、前記した従来の問題点に鑑み、着座者の好みに応じた着座 姿勢において、その着座者の骨盤部及び腰椎部を安定よく支持することができる 車両用座席構造を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、この考案は、座席フレームの左右の両側枠の間に は、シートクッションパッドの後半部下面を支持する後クッションプレートと、 シートバックパッドの下半部背面を支持する下バックプレートとを一体に有して 断面略Ｌ字状をなす支持プレート体が、その屈曲部付近を支点として回動調整可 能に組付けられ、 前記後クッションプレートの前端部には、前記シートクッションパッドの前半 部下面を支持する前クッションプレートがその後端部において折曲可能に連結さ れるとともに、前記前クッションプレートの前端部は前記側枠に前後動可能に支 持され、 前記下バックプレートの上端部には、前記シートバックパッドの上半部背面を 支持する上バックプレートがその下端部において折曲可能に連結されるとともに 、前記上バックプレートの上端部は前記側枠に上下動可能に支持されている。

【０００５】

【作用】

前記したように構成される車両用座席構造において、支持プレートが所定方向 へ回動されることで、その支持プレートの後クッションプレートと前クッション プレートとが上下方向へ折曲される一方、前記支持プレートの下バックプレート と上バックプレートとが前後方向へ折曲されることで、シートクッションの座面 形状及びシートバックの背もたれ面が着座者の好みに応じて変化される。 前記支持プレートが回動調整されたときでも、その支持プレートの後クッショ ンプレートを下バックプレートとがなす角度は常に一定で変化することがない。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１〜図４にしたがって説明する。 図１と図２において、座席フレーム１は、シートクッション５からシートバッ ク７にわたってＬ字状に形成された左右の両側枠２と、これら両側枠２の前端部 の間に架設された前枠３と、両側枠２の上端部の間に架設された上枠４とを主体 として構成されている。 また、シートクッションパッド６及びシートバックパッド８は一連に連続して 一体に形成され、その表面はシートカバー（図示しない）によって被われる。

【０００７】 座席フレーム１の左右の両側枠２の間には、シートクッションパッド６の後半 部下面を支持する後クッションプレート12と、シートバックパッド８の下半部背 面を支持する下バックプレート13とを一体に有して断面略Ｌ字状をなす支持プレ ート体11が、その屈曲部付近において、調整軸14を中心とかつ調整軸14と一体に 回動調整可能に組付けられる。

【０００８】 前記調整軸14は、１ウエイブレーキユニット21の操作軸22の回動操作に基づい て回動されるようになっている。 図３と図４に示す、前記１ウエイブレーキユニット21において、そのケース体 24は、座席フレーム１の片側の側枠２にかしめによって固定されている。

【０００９】 ケース体24の中心部には、同ケース体24の蓋面24a と側枠２の支持片2aとの間 において操作軸22が回転可能に支持されている。 ケース体24の内部において、操作軸22の軸回りには、外周に切欠き状の凹部26 を有する作動子25が操作軸22と一体回転可能に内装されるとともに、前記作動子 25の凹部26内に挿入される連動片28を有する従動子27が操作軸22の軸回りに回転 自在に組付けられている。

【００１０】 さらに、ケース体24の内周面には、該内周面に圧接する開拡方向に弾発された コイルスプリングよりなるブレーキスプリング29が内設されており、そのブレー キスプリング29の両端の折曲げ片29a が前記作動子25の凹部26の両壁面と従動子 27の連動片28との間の隙間内にそれぞれ係合可能に挿入されている。 前記従動子27には、歯車15が一体に形成されており、該歯車15に対し中間歯車 16を介して噛合う歯車17が調整軸14の一端部寄りに形成されている。

【００１１】 また、着座時などにおいて、支持プレート体11を介して調整軸14に外力が作用 し、各歯車17，16，15を経て従動子27が回動されようとすると、その従動子27の 連動片28がブレーキスプリング29の折曲げ片29a に係合して、同スプリング29を 拡開する方向に作用する。そして、ブレーキスプリング29とケース体24の内周面 の間の摩擦力に基づくブレーキ作用によって、前記従動子27の回動が阻止される ことから前記調整軸14及び支持プレート体11の不測の回動が阻止されるようにな っている。 なお、前記１ウエイブレーキユニット21は市販のものを採用してもよい。

【００１２】 図１と図２に示すように、前記後クッションプレート12の前端部には、前記シ ートクッションパッド６の前半部下面を支持する前クッションプレート31がその 後端部において所要数の連続リング32によって折曲可能に連結されている。 また、前クッションプレート31の前端部は前軸33と前後方向の長孔34によって 前記両側枠２の間に前後動可能に支持されてる。

【００１３】 前記下バックプレート13の上端部には、前記シートバックパッド８の上半部背 面を支持する上バックプレート35がその下端部において所要数の連続リング36に よって折曲可能に連結されてる。 また、上バックプレート35の上端部は上軸37と上下方向の長孔38によって前記 両側枠２の間に上下動可能に支持されてる。

【００１４】 この実施例は上述したように構成される。したがって、１ウエイブレーキユニ ット21の操作軸22のノブ22a を回転操作して調整軸14と共に支持プレート体11が 図２の直線に示す基準位置に回動調整された状態において、支持プレート体11の 後クッションプレート12と前クッションプレート31とが略同一面に連続して水平 状をなす一方、同支持プレート体11の下バックプレート13と上バックプレート35 とが略同一面に連続して所定角度だけ傾斜した傾斜面をなす。

【００１５】 前記基準位置から、前記操作軸22によって調整軸14と共に支持プレート体11が 時計方向に回動調整されると、図２の１点鎖線で示すように支持プレート体11の 後クッションプレート12は上向き傾斜状をなしこれに連動して前クッションプレ ート31が前軸33と長孔34に案内されながら後方へ若干移動して下向き傾斜状をな す。これによって、後クッションプレート12と前クッションプレート31とは、そ の連結リンク32の部分が上方へ押上げられた状態で断面略ヘの字状をなす。

【００１６】 一方、前記支持プレート体11の時計方向の回動にともない、その下バックプレ ート13は後方へ傾き、これに連動して上バックプレート35が上軸37と長孔38に案 内されながら若干下降し、後方（反時計方向）へ回動される。これによって下バ ックプレート13と上バックプレート35とは、その連結リンク36の部分において後 方へ引込まれた状態で断面略逆くの字状をなす。

【００１７】 前記基準位置から、前記操作軸22によって調整軸14と共に支持プレート体11が 反時計方向に回動調整されると、図２の２点鎖線で示すように支持プレート体11 の後クッションプレート12は下向き傾斜状をなし、前クッションプレート31が上 向き傾斜状をなす。これによって、後クッションプレート12と前クッションプレ ート31とは、その連結リンク32の部分が下方へ引込まれた状態で断面略逆ヘの字 状をなす。

【００１８】 一方、前記支持プレート体11の反時計方向の回動にともない、その下バックプ レート13は起立され、上バックプレート35が前方（時計方向）へ回動される。こ れによって下バックプレート13と上バックプレート35とは、その連結リンク36の 部分において前方へ押出された状態で断面略くの字状をなす。

【００１９】 前記したように、操作軸22によって調整軸14と共に支持プレート体11を回動調 整することで、シートクッション５の座面形状及びシートバック７の背もたれ面 形状を着座者の好みに応じて変化させることができる。 しかも、支持プレート体11を回動調整したときでも、その後クッションプレー ト12と下バックプレート13がなす角度は常に一定で変化することがないため、着 座者の好みに応じた着座姿勢において、その着座者の骨盤部及び腰椎部を安定よ く支持することができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によれば、支持プレート体を回動調整したときで も、その後クッションプレートと下バックプレートがなす角度は常に一定で変化 することがないため、着座者の好みに応じた着座姿勢において、その着座者の骨 盤部及び腰椎部を安定よく支持することができ、座り心地の向上を図ることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の車両用座席構造を破断し
て示す斜視図である。

【図２】同じく側断面図である。

【図３】同じく１ウエイブレーキユニットを示す側断面
図である。

【図４】同じく図３のIV−IV線断面図である。

【図５】従来の車両用座席構造を破断して示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 座席フレーム ２ 側枠 ５ シートクッション ６ シートクッションパッド ７ シートバック ８ シートバックパッド 11 支持プレート体 12 後クッションプレート 13 下バックプレート 14 調整軸 21 １ウエイブレーキユニット 31 前クッションプレート 35 上バックプレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 座席フレームの左右の両側枠の間には、
   シートクッションパッドの後半部下面を支持する後クッ
   ションプレートと、シートバックパッドの下半部背面を
   支持する下バックプレートとを一体に有して断面略Ｌ字
   状をなす支持プレート体が、その屈曲部付近を支点とし
   て回動調整可能に組付けられ、 前記後クッションプレートの前端部には、前記シートク
   ッションパッドの前半部下面を支持する前クッションプ
   レートがその後端部において折曲可能に連結されるとと
   もに、前記前クッションプレートの前端部は前記側枠に
   前後動可能に支持され、 前記下バックプレートの上端部には、前記シートバック
   パッドの上半部背面を支持する上バックプレートがその
   下端部において折曲可能に連結されるとともに、前記上
   バックプレートの上端部は前記側枠に上下動可能に支持
   されていることを特徴とする車両用座席構造。