JPH07233243A - イオン導電性材料 - Google Patents

イオン導電性材料

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JPH07233243A
JPH07233243A JP5313794A JP5313794A JPH07233243A JP H07233243 A JPH07233243 A JP H07233243A JP 5313794 A JP5313794 A JP 5313794A JP 5313794 A JP5313794 A JP 5313794A JP H07233243 A JPH07233243 A JP H07233243A
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JP
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group
component
compound
moles
conductive material
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Application number
JP5313794A
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English (en)
Inventor
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
Ryuzo Mikami
隆三 三上
Takashi Nakamura
隆司 中村
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いイオン導電性を示すイオン導電性材料を
提供する。 【構成】 (A)1分子中に少なくとも2個のカルボキシ
ル基含有炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するポ
リオキシアルキレンおよび(C)周期律表第I族または第
II族の金属原子を含む化合物を反応させてなる高分子共
重合体架橋物からなるイオン導電性材料{ただし、(A)
成分と(B)成分と(C)成分の配合比率は、(A)成分中の
カルボキシル基のモル数/[(B)成分中のエポキシ基の
モル数+(C)成分中の周期律表第I族または第II族の金
属原子のモル数×該金属原子の価数]が(1/10)〜
(10/1)となるような比率である。}。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は室温で高いイオン導電性
を示すイオン導電性材料に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、電池、表示素子(ECD等)等の電子デバイスは、高
性能化、小形化、薄型化が一段と進んでいる。それに伴
いこれらに用いられるイオン導電性材料に対しても高性
能化が求められている。すなわち、固体化、高信頼性、
高柔軟性、高成形加工性、耐湿性等種々の高度な要求が
なされている。従来、このようなイオン導電性材料とし
ては、高分子樹脂マトリックスに周期律表第I族または
第II族金属の塩を溶解し、分散させた固体電解質材料が
知られている。例えば、特開平3−223335号公報
には、高分子鎖に共有結合された(−COO-)nMn+
(Mn+は周期律表第I族または第II族の金属イオンを表
し、nは1または2である。)の化学構造を有するオル
ガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖からな
る高分子共重合体架橋物であって、該金属イオンが該高
分子共重合体架橋物中に分散している正イオン単独伝導
型イオン導電性材料が開示されている。かかる正イオン
単独伝導型イオン導電性材料は、これを電子デバイス等
に適用した場合、内部抵抗の経時低下を防ぐ等の特徴を
有する。該公報ではオルガノポリシロキサン鎖とポリオ
キシアルキレン鎖からなる高分子架橋体の製造方法とし
ては、カルボキシル基含有炭化水素基を有するオルガノ
ポリシロキサン、水酸基を有するポリオキシアルキレン
鎖含有高分子化合物および周期律表第I族または第II族
の金属原子を含むアルカリ化合物からなる混合物を加熱
硬化する方法が挙げられており、またケイ素原子結合水
素原子とカルボキシル基含有炭化水素基を有するオルガ
ノポリシロキサン,脂肪族不飽和炭化水素基を有するポ
リオキシアルキレン,周期律表第I族または第II族の金
属原子を含むアルカリ化合物および白金系触媒からなる
混合物を加熱硬化する方法が挙げられている。前者の方
法は、カルボキシル基と水酸基とのエステル化反応によ
る架橋であるが、この方法は硬化性に劣り、例えば、1
40℃で4日間以上真空加熱脱水しなければ完全にエス
テル化反応が完結しなかった。また、真空加熱するため
にポリオキシアルキレンが系外に脱離するため、必ずし
も仕込通りの組成の硬化膜が得られないという欠点もあ
った。後者の方法はケイ素原子結合水素原子と脂肪族不
飽和炭化水素基とのヒドロシリル化反応による架橋であ
るが、硬化後にその硬化触媒である白金系触媒が硬化膜
内に残ってしまうという欠点があった。またケイ素結合
水素原子とカルボキシル基を有するオルガノポリシロキ
サンの合成の困難さから自由なマトリックス設計が難し
いという問題点があった。これらの方法により得られた
ポリシロキサンと他の高分子材料の架橋物からなるイオ
ン導電性材料は、正イオン単独伝導型固体電解質であり
優れたイオン導電性を示す反面、その材料および製造法
上の問題として、熱硬化に要する時間が長い、仕込通り
の組成の硬化物が得られない、プレポリマーの合成が容
易でない、硬化後に系内に触媒が残存するなどの欠点を
有している。したがってこれらを電子デバイスへ適用し
た場合、必ずしも満足すべきものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、特定のプレポリマー
を原料として用いて得られたイオン導電性材料がイオン
導電性に優れることを見出し本発明に至った。即ち、本
発明の目的は上記のような欠点がなく室温で高いイオン
導電性を示すイオン導電性材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】かかる本発明
は、(A)1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基含
有炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するポリオキ
シアルキレンおよび(C)周期律表第I族または第II族の
金属原子を含む化合物を反応させてなる高分子共重合体
架橋物からなるイオン導電性材料{ただし、(A)成分と
(B)成分と(C)成分の配合比率は、(A)成分中のカルボ
キシル基のモル数/[(B)成分中のエポキシ基のモル数
+(C)成分中の周期律表第I族または第II族の金属原子
のモル数×該金属原子の価数]が(1/10)〜(10
/1)となるような比率である。}に関する。
【0005】これについて説明するに、本発明に使用さ
れる(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に
2個以上のカルボキシル基含有炭化水素基を有すること
が必要である。そして、このカルボキシル基含有炭化水
素基が結合したシロキサン単位とそれ以外のシロキサン
単位の比率が0.01〜100の範囲内にあるものが好
ましい。本成分の分子構造は直鎖状、分岐状、環状、網
状、三次元構造の何れでもよいが、高分子共重合体架橋
物の形成の容易さからその半数以上が直鎖状もしくは分
岐状であることが好ましい。また、その分子量は特に限
定されないが、製造の容易さ、高分子共重合体架橋物と
しての適度の硬さを得るためには100〜1,000,0
00の範囲内にあることが好ましい。(A)成分のカルボ
キシル基含有炭化水素基としては、例えば、一般式:H
OOC−R1−(式中、R1はメチレン基,エチレン基,
プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン
基,ヘプチレン基,オクチレン基等の炭素数1〜8のア
ルキレン基またはフェニレン基,ナフチレン基等の炭素
数6〜20のアリーレン基である。)で示される基が挙
げられる。これらの中でもカルボキシアルキル基が好ま
しく、カルボキシプロピル基が特に好ましい。(A)成分
中のカルボキシル基含有炭化水素基以外の有機基として
は、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、
フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基、ベ
ンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例示され
る。また、ケイ素原子に結合した基としては、少量の水
素原子,アルコキシ基が含まれてもよい。経済性および
良好な高分子共重合体架橋物の形成性の観点からはケイ
素原子に結合したオルガノ基の50モルパーセント以上
はメチル基であることが好ましい。かかるオルガノポリ
シロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端がトリメチ
ルシロキシ基で封鎖されたメチルカルボキシプロピルシ
ロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、分子鎖両末端
がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルカルボキシ
プロピルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合
体が挙げられる。かかるオルガノポリシロキサンの合成
方法としては種々の方法が知られているが、その1つの
方法としてはシアノ基を有するオルガノジクロロシラン
とシアノ基を有さないオルガノジクロロシランを共加水
分解して得られる環状物と末端停止剤とを硫酸水溶液中
で攪拌し、シアノ基がカルボキシル基に転化する反応と
開環重合を起こさせる方法が挙げられる[Polymer Comm
unications,26,249(1985)参照]。
【0006】(B)成分のポリオキシアルキレンは、(A)
成分の架橋剤であり、架橋剤としての働きをするために
は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を含有する
ことが必要である。また、高いイオン導電性を発現する
ためには高分子共重合体架橋物中にはオキシアルキレン
単位を有することが必須であり、そのためには(B)成分
の高分子化合物構造中にオキシアルキレン単位を含有す
ることが必要である。(B)成分は上記のような1分子中
に少なくとも2個のエポキシ基を有し、構造中にオキシ
アルキレン単位を含む高分子化合物であるが、より高い
イオン導電性を要求される場合には、この高分子化合物
に一般式:R2−CH2−O−(R3O)r−R4(式中、
2はエポキシ基,R3はアルキレン基,R4はアルキ
ル、アラルキル、アリール基,rは1〜100の整数で
ある。)で示される分子鎖片末端にエポキシ基を有する
ポリオキシアルキレンを含有するものであることが好ま
しい。かかるポリオキシアルキレンは上式中、R3はメ
チレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペ
ンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基等のアルキレ
ン基である。R4はメチル基,エチル基,プロピル基等
の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基,トリル
基,キシリル基等のアリール基、ベンジル基,フェネチ
ル基等のアラルキル基である。rは1〜100の整数で
あり、5〜20の範囲内が好ましい。かかるポリオキシ
アルキレンとしては、分子鎖両末端にエポキシ基を有す
るポリオキシアルキレン、分子鎖片末端にエポキシ基を
有するポリオキシアルキレンがある。かかる化合物は市
販されており容易に入手することが可能であり、例えば
次のような化合物が挙げられる。
【化1】 (式中、nは1〜22の数である。)
【化2】 (式中、nは1〜11の数である。)
【化3】
【化4】
【0007】(C)成分は、周期律表第I族または第II族
に属する金属原子を含む化合物であり、これらの金属原
子としてはリチウム,ナトリウム,カリウム,マグネシ
ウム,カルシウム等が例示される。これらの中でもリチ
ウム金属が好ましい。また、かかる化合物の形態として
は水酸化物,アルコラート,水素化物が好ましく、特に
水酸化物の形態で使用されることが好ましい。
【0008】本発明に使用される高分子共重合体架橋物
は上記のような(A)成分,(B)成分,(C)成分を反応さ
せてなるものであるが、これら(A)成分と(B)成分と
(C)成分の配合比率は、(A)成分中のカルボキシル基の
モル数/[(B)成分中のエポキシ基のモル数+(C)成分
中の周期律表第I族または第II族の金属原子のモル数×
該金属原子の価数]が(1/10)〜(10/1)の範
囲内であり、(1.0/1.2)〜(1.2/1.0)の範
囲内が好ましい。これは(A)〜(C)成分はいずれの配合
比率でも反応が進行し、固体化した高分子共重合体架橋
物が得られるが、これらの比率を外れると本発明のイオ
ン導電性材料中に未反応のカルボキシル基またはエポキ
シ基が残存するか、過剰の正イオンが存在することにな
りこれを電池等に応用した場合には、電極材との反応等
の弊害が起こるので好ましくない。また、上記の比率を
1にすれば、正イオン種は金属イオンのみ、負イオン種
は固定されたカルボキシレートイオンのみとなり、完全
な正イオン単独伝導型イオン導電性材料となる。
【0009】尚、かかる(C)成分の分散量は高分子共重
合体架橋物中のオキシアルキレン基のモル数([R
O])に対する金属イオンのモル数([Mn+])の比率
([Mn+]/[RO])が0.005〜0.25であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.02〜0.1である。
これは[Mn+]/[RO]が0.25を越えると高分子
共重合体架橋物の極性が上がり、セグメントの運動性が
悪くなり、また0.005未満になるとキャリア数の低
下から高いイオン導電性が得難くなるからである。ま
た、高分子共重合体架橋物全体(g)に対するオキシアル
キレン基のモル数([RO])の比率([RO]/Tota
l(g))は0.0005〜0.01であることが好まし
く、より好ましくは0.001〜0.01である。これは
[RO]/Total(g)が大きすぎると使用温度の範囲内
にガラス転移点が存在するために、その温度からイオン
導電性が急激に変動してしまい、また小さすぎると金属
イオンが溶け込めなくなるばかりでなく、イオンの移動
の場も減少してしまうからである。また、この架橋反応
は無溶媒の条件で行うことができる。(C)成分のオキシ
アルキレン鎖への溶解は攪拌等の操作でも可能だが、溶
解時間短縮のためには加熱、超音波照射等の操作あるい
はごく少量の水の添加が効果的である。また、溶解工程
において溶剤の使用が許容できる場合には、有機溶剤中
で(A)成分〜(C)成分を混合し、溶解させ、しかる後に
有機溶剤を蒸発させてもよい。かかる有機溶剤は特に限
定されないが、例えば、テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,アセトニトリル,ジメチホルムアミド,ジメチルス
ルホキシドが挙げられる。
【0010】本発明のイオン導電性材料は上記のような
(A)成分〜(C)成分を反応させてなる高分子架橋物であ
るが、この反応は(A)成分中のカルボキシル基と(B)成
分中のエポキシ基との反応であり、通常は、50℃〜1
50℃の加熱条件下で行われる。その反応手段としては
カルボキシル基とエポキシ基との反応に用いられる従来
公知の反応手段を用いることができる。また、この反応
を促進するためにカルボキシル基とエポキシ基とを反応
させるために使用されている従来公知の触媒を使用する
ことができる。かかる触媒としては、N,N−ジメチル
ベンジルアミン,トリブチルアミン,トリス(ジメチル
アミノ)メチルフェノール等の三級アミン、トリエチル
ベンジルアンモニウムクロライド,テトラメチルアンモ
ニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、2−メチル
−4エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等の
イミダゾール化合物が挙げられる。これらの触媒を使用
した場合には比較的低い温度で短時間で高分子架橋物を
得ることができる。これらの中でもN,N−ジメチルベ
ンジルアミンおよび2−メチルイミダゾールを触媒とし
て使用した場合には、硬化後の高分子架橋物から残存す
る触媒を加熱真空下に除去し易いので好ましい。
【0011】以上のような本発明のイオン導電性材料
は、上記のような(A)成分〜(C)成分を反応させてなる
高分子共重合体架橋物であるが、このものは高分子鎖に
共有結合された(−COO-)nMn+(Mn+は周期律表
第I族または第II族の金属イオンを表し、nは1または
2である。)の化学構造を有するオルガノポリシロキサ
ン鎖とポリオキシアルキレン鎖を主骨格とする高分子共
重合体架橋物であり、正イオン単独伝導型イオン導電性
材料となり得る。
【0012】
【実施例】以下、実施例にて本発明をより詳細に説明す
る。尚、イオン導電率の測定は次の方法により行った。
イオン導電性材料をフィルム状に成型し測定用試料とし
た。この試料の厚さをマイクロメーターで測定した後、
試料の両面に直径1cmの円形プレート状の白金電極を密
着し、この全体を任意の温度に設定できる減圧容器内に
設置し、10-5Torr以下の高真空まで減圧して試料の状
態が十分に平衡に達した後、インピーダンスアナライザ
ー(横河ヒューレットパッカード社製,4192A)に
より5Hz〜13MHzの交流電圧を印加し、複素インピー
ダンス法により導電率を測定した。
【0013】
【実施例1】下記に示される化合物(1)0.633g、
化合物(2)0.352gに、水酸化リチウム20.6mg、
N,N−ジメチルベンジルアミン9.3mgおよび水0.2
3gを加えて攪拌混合して、さらに超音波を照射して十
分に溶解させた。この溶液をアスピレーターを用い十分
に脱気した後、3cm四方のテフロン製の皿に流し込み、
窒素雰囲気下で100℃で1時間加熱したところ、厚さ
0.5mmの透明なフィルムが得られた。このフィルムの
赤外吸収スペクトルを調べたところ、遊離カルボン酸に
由来するピークが認められないこと、エステル生成によ
るカルボニル基の伸縮振動ピークが1740cm-1にみら
れること、カルボキシレートイオンによる非対称伸縮振
動ピークが1600cm-1にみられることから、反応が完
全に進行していることがわかった。70℃で2日間減圧
乾燥させた後、フィルムのイオン導電率を測定したとこ
ろ、25℃で6.8×10-8S・cm-1の値が得られた。 化合物(1):
【化5】 化合物(2):
【化6】
【0014】
【実施例2】実施例1において使用した化合物(1)0.
552g、化合物(2)0.256gおよび下記に示され
る化合物(3)0.176gに、水酸化リチウム18.0m
g、N,N−ジメチルベンジルアミン8.1mgおよび水0.
18gを加えて攪拌混合して、さらに超音波を照射して
十分に溶解させた。この溶液をアスピレーターを用い十
分に脱気した後、3cm四方のテフロン製の皿に流し込
み、窒素雰囲気下で100℃で1時間加熱したところ、
厚さ0.5mmの透明なフィルムが得られた。さらに、こ
れを70℃で2日間減圧乾燥させた後、フィルムのイオ
ン導電率を測定したところ、25℃で1.7×10-7S・c
m-1の値が得られた。 化合物(3):
【化7】
【0015】
【比較例1】下記に示される化合物(4)0.384g、
化合物(5)0.450gおよび化合物(6)0.167g
に、水酸化リチウム12.2mgおよび水0.16gを加え
て攪拌混合して、さらに超音波を照射して十分に溶解さ
せた。この溶液をアスピレーターを用い十分に脱気した
後、3cm四方のテフロン製の皿に流し込み、ホットプレ
ート上で120℃で2時間加熱した後、真空乾燥器にて
140℃で4日間真空乾燥したところ、厚さ0.3mmの
透明なフィルムが得られた。このフィルムのイオン導電
率を測定したところ、25℃で2.0×10-7S・cm-1
値が得られた。 化合物(4):
【化8】 化合物(5):
【化9】 化合物(6): HO(CH2CH2O)12CH3
【0016】
【比較例2】下記に示される化合物(7)10gを500
mlのトルエン/n−ブチルアルコール(1/1)混合溶
媒に溶解させ、これに86.67mgの水酸化リチウムを
加え、十分に攪拌し、化合物(7)中のカルボキシル基を
完全にリチウムカルボキシレート化させた。しかる後に
溶媒を完全に取り除いた。得られた油状物0.749g
に下記に示される化合物(8)0.170gおよび化合物
(9)0.081gを加えて攪拌混合して、さらに超音波
を照射して十分に溶解させた。この混合物にヒドロシリ
ル化反応触媒として2重量%塩化白金酸6水和物(H2
PtCl6・6H2O)イソプロピルアルコール溶液を2.
47μl加えた後、3cm四方のテフロン製の皿に流し込
み、70℃に調整されたオーブン内で2時間加熱したと
ころ、厚さ0.3mmの透明なフィルムが得られた。さら
に、これを70℃で2日間減圧乾燥させた後、イオン導
電率を測定したところ、25℃で1.8×10-7S・cm-1
の値が得られた。 化合物(7):
【化10】 化合物(8): CH2=CH−CH2O(CH2CH2O)12CH2−CH
=CH2 化合物(9): CH2=CH−CH2O(CH2CH2O)12CH3
【0017】
【発明の効果】本発明のイオン導電性材料は、(A)1分
子中に少なくとも2個のカルボキシル基含有炭化水素基
を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少な
くとも2個のエポキシ基を有するポリオキシアルキレン
および(C)周期律表第I族または第II族の金属原子を含
む化合物を反応させてなる高分子共重合体架橋物からな
るので、室温で高いイオン導電性を示すという特徴を有
する。そして、このものは組成の操作によっては正イオ
ン単独伝導型イオン導電性材料となり得、これを電子デ
バイス等へ適用した際には液漏れ、等の弊害がない、内
部抵抗の経時低下を防ぐ等の特徴を有する。さらに、こ
のものは短時間の加熱で硬化膜が得られるという特徴を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/02 LQE 83/06 LRY (72)発明者 中村 隆司 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に少なくとも2個のカルボ
    キシル基含有炭化水素基を有するオルガノポリシロキサ
    ン、(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有す
    るポリオキシアルキレンおよび(C)周期律表第I族また
    は第II族の金属原子を含む化合物を反応させてなる高分
    子共重合体架橋物からなるイオン導電性材料{ただし、
    (A)成分と(B)成分と(C)成分の配合比率は、(A)成分
    中のカルボキシル基のモル数/[(B)成分中のエポキシ
    基のモル数+(C)成分中の周期律表第I族または第II族
    の金属原子のモル数×該金属原子の価数]が(1/1
    0)〜(10/1)となるような比率である。}。
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