JPH07232919A - 酸化亜鉛微粒子の製法 - Google Patents

酸化亜鉛微粒子の製法

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JPH07232919A
JPH07232919A JP2398994A JP2398994A JPH07232919A JP H07232919 A JPH07232919 A JP H07232919A JP 2398994 A JP2398994 A JP 2398994A JP 2398994 A JP2398994 A JP 2398994A JP H07232919 A JPH07232919 A JP H07232919A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、粒子径、粒子形状、表面状態等が
制御され、しかも分散・凝集の程度が制御された酸化亜
鉛微粒子の生産性の高い安価な製法である。 【構成】 本発明の酸化亜鉛微粒子の製法は、亜鉛又は
その化合物、カルボキシル基含有化合物及びアルコール
からなる混合物を、加熱することを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム用加硫促進助剤、
各種塗料、印刷インキ、絵の具、ガラス、触媒、医薬
品、顔料、フェライト等の原料又は添加剤として用いら
れ、また電子写真感光体、印刷材料、製版材料、紫外線
遮蔽材料、紫外線吸収材料、ガスセンサー等に利用でき
る酸化亜鉛微粒子の製法に関する。さらに、可視域に於
て透光性が高くかつ紫外線に対する吸収能の高いいわゆ
る透明・紫外線吸収剤として、コーティング剤原料、塗
料・樹脂添加剤等に有用な酸化亜鉛微粒子の製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より酸化亜鉛微粒子いわゆる亜鉛華
は、(1)亜鉛蒸気を気相酸化する方法(フランス法、
アメリカ法)、あるいは(2)水溶液中で亜鉛塩とアル
カリ金属炭酸塩とを反応させ水洗、乾燥を経て炭酸亜鉛
粉末を得た後空気中で熱分解する方法により製造されて
いる。(1)の方法で得られる酸化亜鉛は粒子径がサブ
ミクロンといわれているが製造過程で強固に2次凝集し
ているため、塗料や樹脂に分散させるに当たり、多大な
機械的労力を必要とするばかりか均質な分散状態のもの
が得られない。また(2)の方法は、(1)の方法に比
べて粒子径(1次粒子径)が0.1μm以下と微細なも
のが得られるが、1次粒子同士の凝集力が強く、微細な
粒子径に基づく効果が充分に得られない。ましてやこれ
らの方法によって、1次粒子の粒子径、粒子形状、表面
状態及び分散・凝集状態等のモルフォルジーが、使用目
的にかなったかたちで厳密に制御された酸化亜鉛微粒子
を得ることはできないのが現状である。
【0003】近年、耐候性及び耐熱性に優れかつ可視域
における透明性に優れた紫外線を吸収し得る材料、いわ
ゆる透明・紫外線吸収剤として、実質的に粒子径が0.
1μm以下の酸化亜鉛微粒子の開発が望まれている。該
微粒子の製法としては、(3)亜鉛蒸気を気相酸化する
方法の他に、(4)亜鉛塩のアルカリ水溶液による加水
分解法(特開平4−164813号公報、特開平4−3
57114号公報等)、亜鉛の酸性塩と酢酸アンモニウ
ムの混合溶液及び硫化水素を出発原料とし、オートクレ
ーブ処理を経て得られた硫化亜鉛をさらに酸化処理する
方法(特開平2−311314号公報)等の湿式法が提
案されている。(3)の方法で得られた微粒子は前述の
如く強固に2次凝集した粉末であり、紫外線吸収能の付
与あるいは耐候性改良等の目的で、繊維、板、フィルム
等のプラスチック成形体又は塗料等に配合させても、透
明性の良好なものが得られない。またガラス、プラスチ
ックフィルム等に紫外線吸収能を付与する目的で、該粉
末を適当な溶媒に分散させ必要に応じてバインダー樹脂
を混合させたものをコーティング剤としてこれらの透明
基材に塗布しても、透明性、均質性等に於いて不十分な
膜しか得られないという問題がある。一方、(4)の方
法は製造工程が複雑であるばかりかそのために得られる
超微粒子は高価と成らざるを得ない。このように微粒子
としての機能及び特徴を充分発揮し得、しかも汎用性の
高い酸化亜鉛微粒子の製法は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
た問題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、新規で且つ生産性
の高い酸化亜鉛微粒子の製法を見いだした。すなわち本
発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので
あり、亜鉛又はその化合物、カルボキシル基含有化合物
及びアルコールからなる混合物を加熱することにより、
粒子径、粒子形状、表面状態等が制御され、しかも分散
・凝集の程度が制御された酸化亜鉛微粒子の生産性の高
い製法を提供することを目的とする。さらに本発明の目
的は、透明性等の優れた微粒子としての機能及び特徴を
使用上充分に発揮し得る酸化亜鉛微粒子の工業的製法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る酸化亜鉛微
粒子の製法は、亜鉛又はその化合物、カルボキシル基含
有化合物及びアルコールからなる混合物を加熱すること
を特徴とするものである。また本発明の製法によって製
造される酸化亜鉛微粒子は、粒子径が任意の範囲で制御
され且つ形状や分散状態が自在に制御された酸化亜鉛微
粒子であることを特徴とするものである。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】本発明で言う酸化亜鉛微粒子は、亜鉛原子
と酸素原子を必須成分としZnOとして60重量%以上
含むものであり、六方晶(ウルツ鉱型構造)、立方晶
(食塩型構造)、立方晶面心構造いずれかのX線回折パ
ターンを示すものを意味する。従って、上述した範囲内
であれば、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属等の
亜鉛以外の金属元素が原子又はイオンとして酸化亜鉛結
晶と複合化している微粒子、亜鉛以外の金属元素の酸化
物、水酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、炭酸塩等の無
機化合物が酸化亜鉛結晶中に固溶している微粒子、シラ
ンカップリング剤、アルミカップリング剤等のカップリ
ング剤又はオルガノシロキサン、キレート化合物等の有
機金属化合物が、酸化亜鉛結晶の表面に結合又は表面に
被覆層を形成してなる微粒子、ハロゲン元素、硫酸根、
硝酸根等の無機酸、又は脂肪酸、アルコール、アミン等
の有機化合物が、微粒子内部及び/又は表面に含有され
ている粒子等も包含される。
【0008】本発明の製法で得られる酸化亜鉛微粒子の
大きさは、特に限定されないが、得られる微粒子の1次
粒子の平均粒子径が0.005〜10μm、特に、1次
粒子の平均粒子径が0.005〜0.1μmの範囲に制
御されかつ分散性に優れる酸化亜鉛微粒子が、従来にな
い簡易なプロセスで製造し得る。
【0009】また本発明の製法で得られる酸化亜鉛微粒
子は、酸化亜鉛換算で1〜80重量%の範囲で含有され
る酸化亜鉛微粒子分散体として得られる。該分散体に於
ける酸化亜鉛微粒子の存在状態としては、(a)該微粒
子の1次粒子が、2次凝集することなく高分散した状
態、(b)該微粒子の1次粒子の一部又は全部が、2次
凝集した状態、(c)該微粒子の1次粒子の分散含有し
た異種粒子が、分散した状態等が例示され、これらは全
て本発明でいう酸化亜鉛微粒子分散体に包含される。
【0010】本発明の原料に使用する亜鉛又はその化合
物としては、亜鉛又は亜鉛原子を含有する化合物であれ
ば何等限定されないが、なかでも、金属亜鉛(亜鉛
末)、酸化亜鉛(亜鉛華等)、水酸化亜鉛、塩基性炭酸
亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、
シュウ酸亜鉛 乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛及びナフテン酸亜
鉛が、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の原料を使用す
る従来製法で必須とされた脱塩工程を不要とする点で好
ましい。さらに、金属亜鉛(亜鉛末)、酸化亜鉛(亜鉛
華)、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛及び酢酸亜鉛は、安
価で取扱いが容易な点で特に好ましい。
【0011】本発明の原料に使用するカルボキシル基含
有化合物としては、分子内にカルボキシル基を少なくと
も1個含有する化合物を全て包含するものであり、該化
合物の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イ
ソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸
(飽和モノカルボン酸)、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸
(不飽和モノカルボン酸)、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、スベリン酸、β,β−ジメチルグル
タル酸等の飽和多価カルボン酸、マレイン酸、フマル酸
等の不飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸類、シ
クロヘキサンカルボン酸等の環式飽和カルボン酸類、安
息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸等の芳香族モノカル
ボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロ
メリット酸、トリメリット酸等の不飽和多価カルボン酸
などの芳香族カルボン酸類、無水酢酸、無水マレイン
酸、ピロメリット酸無水物等のカルボン酸無水物、トリ
フルオロ酢酸、モノクロル酢酸、o−クロロ安息香酸、
o−ニトロ安息香酸、アントラニル酸、p−アミノ安息
香酸、アニス酸(p−メトキシ安息香酸)、トルイル
酸、乳酸、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)など
分子中にカルボキシル基以外のヒドロキシ基、アミノ
基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン酸基、シアノ
基、ハロゲン原子等の官能基又は原子団を有する化合
物、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸−メタクリル
酸メチル共重合体等重合体原料として上記不飽和カルボ
ン酸を少なくとも1構成要素とする重合体等が例示され
る。
【0012】また、カルボキシル基含有化合物として
は、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛等の亜鉛カルボン酸塩など
のカルボキシル基含有亜鉛化合物も含まれ、該亜鉛化合
物を使用する場合は、原料として必ずしも前記カルボキ
シル基含有化合物を別途添加する必要はない。
【0013】本発明において原料として用いられるアル
コールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の脂肪族1価アルコール、
アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルア
ルコール等の脂肪族不飽和1価アルコール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノール等の脂環式1価アルコー
ル、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチ
ルフェニルカルビノール等の芳香族1価アルコール、フ
ルフリルアルコール等の複素環式1価アルコール等の1
価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、1,4ーブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカン
ジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のグリコール、ヒドロベンゾイン、
ベンズピナコール、フタリルアルコール等の芳香環を有
する脂肪族グリコール類、シクロペンタン−1,2−ジ
オール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオール等の脂環式グリコール類、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリオキシアルキレングリコール等のグリコール類、及
びエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテー
ト等の上記グリコール類のモノエーテル及びモノエステ
ル、ヒドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール及びこ
れらのモノエーテル及びモノエステル、グリセリン等の
3価アルコール及びこれらのモノエーテル、モノエステ
ル、ジエーテル、ジエステル等のアルコール類等の化合
物を、単独で使用しても良く、又は2種類以上を併用し
てもよい。
【0014】本発明は、前記の亜鉛又はその化合物と、
前記のカルボキシル基含有化合物と、前記のアルコール
とからなる混合物(m)を加熱することを特徴とするも
のである。前記の亜鉛又はその化合物は、前記のカルボ
キシル基含有化合物と前記のアルコールとに混合して得
られた混合物(m)中で加熱することにより、X線回折
学的に結晶性の酸化亜鉛に転換され、同時に酸化亜鉛微
粒子を含む分散体が得られる。そのとき前記亜鉛又はそ
の化合物、前記カルボキシル基含有化合物及び前記アル
コールの3成分のうち1つでも欠けると、酸化亜鉛結晶
の析出反応は起こらず、酸化亜鉛微粒子分散体は得られ
ない。
【0015】また亜鉛又はその化合物が、X線回折学的
に結晶性の酸化亜鉛に転換される過程において、1つ又
は複数の酸化亜鉛前駆体を経る場合がある。例えば亜鉛
又はその化合物に、酸化亜鉛等を使用した場合が挙げら
れる。該酸化亜鉛前駆体としては、酸化亜鉛以外の少な
くとも亜鉛原子を含むイオン又は化合物の状態を意味
し、例えば亜鉛(水和物)イオン(Zn2+)、亜鉛の多
核水酸化物イオン、亜鉛のアセチルアセトン等のβ−ジ
カルボニル化合物又は乳酸、エチレングリコール、エタ
ノールアミン等のようにキレート形成能のある化合物に
より上記イオンの一部又は全部がキレート化された状態
や、(塩基性)酢酸亜鉛、(塩基性)サリチル酸亜鉛、
(塩基性)乳酸亜鉛等の(塩基性)カルボン酸塩等とし
て存在する場合等が挙げられる。該前駆体としてその一
部又は全部が、カルボキシル基含有化合物及び/又はア
ルコールとの錯塩等複合組成物として存在する場合も含
まれる。
【0016】また混合物(m)中の亜鉛又はその化合物
が酸化亜鉛微粒子に変換される過程において、混合物
(m)中に存在せしめたカルボキシル基含有化合物は、
変化しないか、あるいは該化合物の一部又は全部が、混
合物(m)中のアルコールの一部又は全部と、エステル
化反応を起こし、エステル化合物を生成する。
【0017】混合物(m)は、前記の亜鉛又はその化合
物と、前記のカルボキシル基含有化合物と、前記アルコ
ールの3成分を必須成分として混合されて得られるもの
であればよく、必要に応じて、該3成分以外の成分、例
えば水、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン
類、エーテル類、芳香族化合物等の有機溶剤、後述する
添加剤等の成分あるいは亜鉛以外の金属成分、例えば金
属の酢酸塩、硝酸塩、塩化物等の無機塩や金属アルコキ
シド等の有機金属アルコキシド等を含んでいてもよい。
これら水及び有機溶剤は、通常溶媒成分として含有され
る。
【0018】前記の3成分相互の存在状態及び各成分の
混合物(m)中における存在形態は、特に限定されな
い。例えば、亜鉛又はその化合物の存在状態について例
示すれば、アルコール及び/又は前記水及び有機溶剤な
どを溶媒成分として、亜鉛又はその化合物が、そのまま
溶解した状態、前記酸化亜鉛前駆体に変化して溶解した
状態又はコロイド状、乳化状もしくは懸濁状に分散した
状態等である。
【0019】従って、混合物(m)の状態は特に限定さ
れず、例えば、液状であってもあるいはゾル状、乳化物
状、懸濁物状であっても何等問題はない。
【0020】混合物(m)を調製するうえでの原料組成
は、特に限定されないが、混合物(m)の原料として使
用する亜鉛又はその化合物の量は、混合物(m)の全量
に対して、ZnO換算で0.1〜95重量%の範囲であ
り且つ、混合物(m)の原料として使用するカルボキシ
ル基含有化合物の量が、混合物(m)の原料として使用
する亜鉛又はその化合物に於けるZn原子に対するモル
比で表して、0.5〜50倍モルの範囲であることが、
経済性、酸化亜鉛微粒子の生成し易さ等の点で好まし
く、通常この範囲で行われる。
【0021】混合物(m)は、上述した範囲に於いて、
各成分が混合されて調製される。その調製法は特に限定
されない。
【0022】特に1次粒子の平均粒子径が0.005〜
10μmの範囲で制御された酸化亜鉛微粒子の分散体を
得るためには、前記亜鉛又はその化合物とカルボキシル
基含有化合物とからなる混合物(n)を、アルコール含
有溶液に加熱下に添加して混合物(m)を調製すること
が、実用的な生産性で得られる点で好ましい。
【0023】このときの調製方法について、以下に述べ
る。
【0024】混合物(n)の添加方法としては、例え
ば、混合物(n)を一挙に添加混合する方法、あるいは
混合物(n)をアルコール含有溶液上又は溶液中に滴下
することにより混合する方法、あるいは混合物(n)を
噴霧する方法等が採用し得る。
【0025】また、混合物(n)の添加混合は、常圧、
加圧又は減圧いずれで行ってもよいが、製造コスト的に
常圧で行うことが好ましい。添加混合を常圧下で行う場
合には、粒子径、形状等に於いて均一性に富み、しかも
分散・凝集状態の制御された酸化亜鉛微粒子分散体を得
たいときには、添加混合中にアルコール含有溶液を60
℃以上の温度、特に60℃以上300℃以下に維持して
おくことが好ましい。添加混合する際のアルコール含有
溶液の温度が60℃未満では、添加混合中又は添加混合
後に混合物(m)の粘度が急激に高まり、ゲル状になる
ことがある。このような場合、攪拌が不能になり均一な
混合が達成されないとか、あるいは次の工程すなわち加
熱を行う際に伝熱が不十分となって温度分布ができる等
の問題を誘発し、結晶性、粒子径、粒子形状等に於いて
均一な酸化亜鉛微粒子が得られ難いばかりか凝集体しか
得られ難い。このような問題は、混合物(m)に於ける
亜鉛濃度とも関連し亜鉛濃度が高い場合ほど起こり易
い。従って、これらの最適温度の下限温度は、系の圧力
に応じて異なり、減圧下あるいは加圧下で行う場合は、
圧力に応じてアルコール性溶媒の温度を適宜選択する必
要がある。凝集した酸化亜鉛微粒子の分散体を得たい場
合はこの限りでない。上述の如く、アルコール含有溶液
を加熱しながら混合物(n)を添加した場合等に、混合
物(m)中のカルボキシル基含有化合物の一部及び/又
はアルコールの一部が蒸発に依って系外に留去されると
きがあるが、このようにして得られたものも混合物
(m)に含まれる。
【0026】混合物(n)を調製するうえでの原料組成
は、特に限定されないが、混合物(n)の原料として使
用する亜鉛又はその化合物の量は、混合物(n)の全量
に対して、ZnO換算で1〜90重量%の範囲でありか
つ、混合物(n)の原料として使用するカルボキシル基
含有化合物の量が亜鉛又はその化合物に於けるZn原子
に対するモル比で表して0.5〜50倍モルの範囲であ
ることが好ましい。
【0027】上記のようにして調製された混合物(n)
をアルコール含有溶液に添加混合することにより、混合
物(m)が得られる。
【0028】混合物(n)を添加混合する際、混合物
(n)については、室温下又は加熱された状態のいずれ
でも構わない。また、添加混合する際、アルコール含有
溶液は均一な混合を得る目的で、攪拌されていることが
特に好ましい。
【0029】またこのときアルコール含有溶液に含有せ
しめるアルコールの含有量は、特に限定されないが、加
熱時の酸化亜鉛微粒子生成反応を短時間で行わせる為に
は、アルコールの、混合物(m)に含有される亜鉛又は
その化合物に由来するZn原子に対するモル比で表して
1〜100倍モルの範囲が好ましい。また、アルコール
のアルコール含有溶液に於ける濃度は、通常、該溶液総
量に対して5〜100重量%の範囲である。
【0030】上述のごとくして得られた混合物(m)
を、加熱することにより、酸化亜鉛微粒子を含む分散体
が収率よく得られるものである。
【0031】該加熱温度は特に限定されず、結晶性の酸
化亜鉛が析出する温度以上で行うことは勿論であるが、
最終的に得ようとする酸化亜鉛微粒子の粒子径、形状、
分散・凝集状態等のモルフォルジーに応じて、一義的に
決まるものではなく、混合物(m)の初期組成及び上記
した種々のパラメータを含めた総合的な観点で、加熱温
度及び加熱時間を選択する必要がある。特に1次粒子の
平均粒子径が0.005〜10μmの範囲で制御された
酸化亜鉛微粒子の分散体を、実用的な生産性で得るため
には、100℃以上、特に100℃以上300℃以下の
加熱温度で行うことが好ましい。
【0032】この場合、例えば、混合物(n)を、10
0℃以上の温度に保持されたアルコール含有溶液に添加
混合することにより混合物(m)を得たときは、そのま
まの温度を維持してもよく、あるいは所定温度に昇温又
は降温した後、加熱処理してもよい。また、混合物
(n)を、100℃未満の温度でアルコールに添加混合
することにより混合物(m)を得たときは、100℃以
上の温度に昇温した後、加熱処理すればよい。混合物
(m)の加熱温度を100℃以上とすることは、酸化亜
鉛微粒子を得るために、過剰又は不要となる成分の蒸発
除去の速度・量を含めた反応系の組成制御を厳密に行い
易く、そのために得られる微粒子の粒子径等の制御を行
い易い利点がある。
【0033】また前記分散体を得るための加熱過程に於
いて、上記成分以外の成分すなわちアルコール、加熱に
より生成する前記エステル化合物又は必要に応じて混合
物中に存在せしめた溶媒成分の一部又は全部を蒸発除去
しても構わない。
【0034】また加熱時間については、特に限定されな
いが、反応を完結させるために、通常0.1時間〜30
時間程度が好ましいものである。
【0035】また、混合物(m)中に、水を存在せしめ
た場合は、加熱する過程に於いて、酸化亜鉛微粒子に変
換される為には、好ましくは分散体に於ける遊離の水濃
度が5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下にな
るまで留去を行うことが好ましい。その理由は、該水濃
度がこの範囲を越えると、前記分散体中に含有されるア
ルコール等他の成分の種類によっては、酸化亜鉛微粒子
の結晶性が低くなり酸化亜鉛としての機能が十分発揮さ
れない場合がある為である。
【0036】また生成した酸化亜鉛微粒子分散体中に於
ける(最終)組成として、前記カルボキシル基含有化合
物の量は、生成した該分散体中に含有される亜鉛原子換
算での総量に対して、0.5倍モル以下とすることが好
ましい。その理由は、0.5倍モルを越える場合には、
酸化亜鉛微粒子の結晶性が低くなり酸化亜鉛としての機
能が十分発揮されない場合がある為である。従って、混
合物(m)中に存在せしめたカルボキシル基含有化合物
量が、生成した該分散体中に含有される亜鉛原子換算で
の総量に対して、0.5倍モルを越える場合には、加熱
する過程で、少なくとも過剰分を留去する必要がある。
勿論上記比率が0.5倍モル以下であっても、加熱する
過程で留去を行っても構わない。
【0037】さらに、最終的に得られる酸化亜鉛微粒子
の1次粒子の粒子径、粒子形状、分散状態若しくは高次
状態及び/又は微粒子表面の極性若しくは組成の制御等
を行う目的で、特定の添加剤を、加熱する過程に於いて
共存させることも可能である。該添加剤の添加時期は特
に限定されず、混合物(m)又は混合物(n)を調製す
る過程又は加熱処理の過程、いずれでもよく、目的及び
添加剤の種類に応じて適宜選択される。例えば酸化亜鉛
の結晶が析出する直前又は直後に添加すると、添加剤効
果が十分発揮され易く好ましい場合が多い。
【0038】特に、1次粒子の粒子径、粒子形状に於い
て均一性に富む酸化亜鉛微粒子を得るためには、分子中
にカルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、ア
ミド結合、イミド基、イミド結合、ウレイド基、ウレイ
レン結合、イソシアナト基、スルホン酸基、硫酸基、リ
ン酸基、金属水酸基、金属アルコキシ基、エポキシ基、
ウレタン基、ウレタン結合、エステル結合の群から選ば
れる少なくとも1種の原子団を1個または2個以上含む
化合物、および/または亜鉛イオンに多座配位すること
によってキレート化合物を形成するいわゆるキレート剤
(多座配位子)を添加剤として、加熱処理する際に共存
させることが好ましい。
【0039】該添加剤としては、カプリル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の長
鎖の飽和脂肪酸を始めとする前記したカルボキシル基含
有化合物およびこれらのエステル化合物;モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタ
ノールアミン等の1級、2級、3級アミノ基を有するア
ルコール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、n
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等
の4級アンモニウム塩、6−アミノカプロン酸、N,N
−ビス(オクチルアミノエチル)グリシン、p−アミノ
安息香酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ
酸、アミノ(ジ)カルボン酸及びこれらのエステルまた
は無水物、 2−ヒドロキシピリジン、ピリジン−2,
6−ジカルボン酸等のピリジン誘導体、オクタデシルア
ミン、ステアリルアミン等の脂肪族アミン等のアミノ基
含有化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ベンズアミド、オキサミド、オキサミン酸等のア
ミド類;スクシンイミド、フタルイミド等の酸イミド、
イミノ(ジ)酢酸等のイミノ(ジ)カルボン酸、イミノ
エーテル等のイミノ基含有化合物;パラバン酸、アロキ
サン、バルビツル酸、ジアルル酸等のジカルボン酸ウレ
イド、オキサルル酸、マロヌル酸等のウレイド酸、尿酸
等のジウレイド、ウラシル等のβ−アルデヒド酸ウレイ
ド、5−メチルヒダントイン等のα−オキシ酸ウレイド
等のウレイド基含有化合物および誘導体;カルバミン酸
エチル等のウレタン化合物およびこれらのN−ニトロソ
化物、N−クロルアセチル化物等の誘導体;トリレンジ
イソシアナート、ジイソシアニルジフェニルメタン、ヘ
キサメチレンジイソシアナート、イソシアン酸イソブチ
ル、イソシアン酸フェニル等のイソシアナト基含有化合
物;1,2−エポキシシクロヘキセン、1,8−シネオ
ール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族
ジグリシジルエーテル類、グリセロールトリグリシジル
エーテル、ペンタエリスリトールテトラグルシジルエー
テル等のポリグルシジルエーテル類、アジピン酸ジグル
シジルエステル等の脂肪族および芳香族ジグリシジルエ
ステル類等の他、レゾルシンジグルシジルエーテル、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ基を官
能基として有するオリゴマー類などのエポキシ基を含有
する化合物;メチルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、ステアリルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキ
シアセテートチタネート、テトラオクチルビス(ジトリ
デシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート等のチタ
ネート系カップリング剤、エチルアセトアセテ−トアル
ミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップ
リング剤等の各種カップリング剤およびこれらの部分加
水分解物;上記したカップリング剤以外の、例えば、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブ
トキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、トリメチル
エトキシシラン、ヒドロキシエチルトリエトキシシラ
ン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジ
エチルジエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テト
ラメトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリー
n−ブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、
トリエトキシボラン、トリ−n−ブチルボラート、トリ
エトキシガリウム、トリ−n−ブトキシガリウム、ジエ
トキシストロンチウム、ヘキサエトキシタングステン、
ジ−n−ブトキシマンガン、ジイソプロポキシコバル
ト、ジエトキシニッケル、ジ−n−ブトキシニッケル、
トリエトキシランタン、ジエトキシバリウム、トリエト
キシイットリウム、ジエトキシ銅、ジ−n−ブトキシ
銅、ペンタエトキシニオブ、ペンタ−n−ブトキシニオ
ブ、ペンタエトキシタンタル、ペンタ−n−ブトキシタ
ンタル、トリエトキシインジウム、トリ−n−ブトキシ
インジウム、テトラエトキシスズ、テトラ−n−ブトキ
シスズ、トリエトキシ鉄、トリ−n−ブトキシ鉄等の金
属アルコキシド類に代表される金属水酸基および/また
は金属アルコキシ基を含有する有機金属化合物及びこれ
らの誘導体、該誘導体の具体例としてはこれらの有機金
属化合物の単独または混合物を(部分的に)加水分解お
よび/または縮合反応することによって得られる(部
分)加水分解物、オリゴマー、ポリマー等の縮合物;ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホス
フェート、(ポリオキシエチレン)ビス[ビス(2−ク
ロロエチル)ホスフェート]等のリン酸エステル、メチ
ルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェー
ト、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッ
ドホスフェート、ビス−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、ジイソデシルホスフェート等の酸性リン酸エステ
ル、トリメチルホスファイト等の亜リン酸エステル、ジ
メチルジチオリン酸、ジイソプロピルジチオリン酸等の
チオリン酸エステル等の有機リン化合物;分子中に少な
くとも1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4
級アンモニオ基等のアミノ基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、リン酸基、水酸基、エポキシ基等の前記した原
子団を含有するオルガノポリシロキサン類;ラウリル硫
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸(ナトリウ
ム)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カルシウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリエチレングリコールモノラウレート、グ
リセロールモノステアレート等のノニオン性界面活性
剤;ラウリルジメチルアミン、ステアリルトリメチルア
ンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤、ラウリ
ルベタイン、ステアリルアミンアセテート等の両性界面
活性剤等、前記した原子団を有する各種界面活性剤;ア
クリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、アクリルアミ
ド−メタクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル
系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル系ポリマー等
前記した原子団を少なくとも1種含有するポリマー等が
例示される。
【0040】また、亜鉛イオンに多座配位することによ
ってキレート化合物を形成するいわゆるキレート剤(多
座配位子)としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エ
チル、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトン類、エチレ
ンジアミン、ジメチルグリオキシム、ベンジルジオキシ
ム、シクロヘキサン1,2−ジオンジオキシム、ジチゾ
ン、オキシン、グリシン、グリコール酸、シュウ酸、カ
テコール、ジピリジル、1,10−フェナントロリン、
α−ヒドロキシプロピオン酸、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、エチレングリコール等が例示され
る。
【0041】前記したごとく、添加剤の種類、添加量に
よって、得られる酸化亜鉛微粒子の1次粒子の大きさ、
形状、1次粒子の分散状態や高次構造、表面極性、表面
組成等が大きく異なる。例えば、該添加剤と酸化亜鉛微
粒子の複合体微粒子や1次粒子の形状および/または高
次構造に於いてユニークな酸化亜鉛微粒子が得られるこ
とがある。後者の具体例として、カルボキシル基、アミ
ド基等の前記した原子団を有するポリマーを添加剤とし
て使用すると酸化亜鉛微粒子が該ポリマー中に分散含有
された複合体微粒子が得られる。この場合、ポリマーの
種類、前記した原子団の含有量、分子量および添加量等
を選択することによって、酸化亜鉛微粒子が表面層に局
在化した複合体微粒子や中空形状の複合体微粒子等ユニ
ークな構造的特徴を有する微粒子を得ることも可能であ
る。また、例えば、メトキシポリ(オキシエチレン)モ
ノグリコール酸等のように親水性主鎖を有する化合物を
添加剤として使用すると1次粒子の大きさ、形状が揃っ
たしかも水等の極性溶媒に対して1次粒子の分散性に優
れる酸化亜鉛微粒子が得られ、一方、アルキルトリアル
コキシシラン、オクタデシルアミン等のように疎水性ま
たは親油性の高い主鎖を有する化合物を添加剤として使
用すると、1次粒子の大きさ、形状が揃ったしかもトル
エン等の低極性溶媒または無極性溶媒に対して1次粒子
の分散性に優れる酸化亜鉛微粒子が得られる。
【0042】上述した添加剤の添加量は、特に限定され
ないが、通常、添加剤の、酸化亜鉛微粒子分散体中に含
まれる酸化亜鉛に対する重量比で表して、0.1%以上
30%以下が好ましい。0.1%未満では添加剤の添加
効果が実質的にみられず、一方30%を越えると酸化亜
鉛が得られない場合がある。
【0043】また、添加剤は、単独もしくは混合して使
用することができ、添加する方法は特に限定されず、添
加剤の種類、添加時期等に応じて適宜選択すればよい。
例えば加熱中に添加する場合、添加剤を直接あるいは、
アルコールをはじめとする任意の溶媒に溶解および/ま
たは希釈したものを添加する方法が例示されるが、後者
の方法が反応系内に添加剤が速やかに拡散し易く、添加
効果が十分発揮され易い点で好ましい。
【0044】次に上述した本発明に於いて、特に1次粒
子の平均粒子径が0.005〜0.1μmの範囲で制御
された酸化亜鉛微粒子を得るための好ましい態様につい
て、前記の製造条件のなかで、特に以下に示す(I)〜
(IV)の条件が挙げられ、好ましくは(I)〜(I
V)のうちの2つ又は3つの条件、さらに好ましくは
(I)〜(IV)を全て満足する条件で行うことであ
る。
【0045】(I)亜鉛又はその化合物としては、前記
亜鉛又はその化合物の内、酸化亜鉛、水酸化亜鉛および
酢酸亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を
主成分とするもの、特に好ましくは、酸化亜鉛および/
または水酸化亜鉛を主成分とするものである。
【0046】この理由としては、酸化亜鉛、水酸化亜
鉛、酢酸亜鉛は、加熱過程に於ける酸化亜鉛微粒子生成
反応を阻害するような不純物を実質的に含まないため
に、0.005〜0.1μmという微細な領域で粒子径
を厳密に制御することが容易である為であり、中でも酸
化亜鉛、水酸化亜鉛は安価に入手できるばかりかカルボ
キシル基含有化合物の種類を任意に選択できることに加
えて、これらの原料を用いることにより上記した粒子径
範囲の微粒子が特に得られ易い為である。
【0047】(II)カルボキシル基含有化合物とし
て、前記カルボキシル基含有化合物が常圧に於ける沸点
が200℃以下の飽和脂肪酸であることである。
【0048】具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、イソ酪酸が好ましい。その理由は、混合物の調製
過程から加熱する過程において反応系内に於けるカルボ
キシル基の含有量を制御し易く、従って1次粒子径を微
細な領域で厳密に制御し易いからである。さらに、該飽
和脂肪酸を、前記カルボキシル基含有化合物総量に占め
る割合で、80モル%以上の範囲で使用することが好ま
しい。
【0049】またカルボキシル基含有化合物の含有量は
特に前記した範囲内であればさらに限定されることはな
いが、混合物(n)に於ける、カルボキシル基含有化合
物の含有量が、酸化亜鉛に於けるZn原子に対するモル
比で表して2.2〜10倍モルの範囲が、2次凝集の抑
制された分散性に優れる微粒子が得られる点で特に好ま
しい。
【0050】(iii)混合物(m)の調製法として
は、前記亜鉛又はその化合物とカルボキシル基含有化合
物とを混合して得られた混合物(n)を、100℃以
上、好ましくは100℃以上300℃以下の温度に維持
されたアルコール含有溶液に連続的又は間欠的に滴下す
ることである。
【0051】この場合、混合物(n)が液状であること
が好ましく、更に亜鉛又はその化合物とカルボキシル基
含有化合物とが相溶あるいはこれらとの相溶性の高い溶
媒に溶解していることが望ましい。そのために使用する
溶媒としては、後述する亜鉛又はその化合物及びカルボ
キシル基含有化合物を室温から100℃程度までの加熱
により容易に溶解することができ、しかもアルコール性
溶媒とも相溶性の高い点で、水、アルコール類、ケトン
類、エステル類が好ましい。ここでいうアルコール類と
は、前記したアルコールを全て包含する。
【0052】(iv)混合物(m)の加熱温度は、10
0℃以上300℃以下で行うことである。
【0053】さらに、1次粒子の平均粒子径が0.00
5〜0.1μmの範囲の酸化亜鉛微粒子に於いて、1次
粒子の粒子径、形状を更に均一に制御する、親水性/疎
水性等の表面状態を制御する、分散・凝集状態を制御す
る等の為の有効な方法について以下に述べる。1次粒子
の平均粒子径が0.005〜0.1μmの範囲の酸化亜
鉛微粒子の好ましい製法においても、前記した添加剤を
前記したと同様にして使用することによって、1次粒子
の形状、1次粒子の分散状態や高次構造、表面極性等の
制御された酸化亜鉛微粒子および該微粒子が分散含有さ
れる複合体微粒子を得ることが出来る。また1次粒子の
粒子径分布が揃っており、実質的に平均粒子径が前記の
範囲であり、しかも種々の溶媒に対する分散性に優れる
酸化亜鉛微粒子を得る場合には、原料として用いる亜鉛
又はその化合物を、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び酢酸亜鉛
からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、
塩基性炭酸亜鉛及び/又は常圧に於ける沸点が加熱温度
よりも高いカルボキシル基含有化合物の亜鉛塩を副成分
として含有したものを使用する方法が好ましく用いられ
る。該副成分の主成分に対する割合は、通常該成分中の
亜鉛の原子比で0.01%以上20%以下である。該割
合が0.01%未満では副成分の併用効果が不十分であ
り、一方20%を超えると酸化亜鉛が得られない場合が
ある。
【0054】1次粒子の形状、粒子径分布の揃った、し
かも1次粒子の分散性に優れる酸化亜鉛微粒子を得る別
法として、加熱処理過程に於いて、炭酸イオンおよび/
またはCO2を共存させる方法も有効である。例えば、
加熱処理過程に於ける酸化亜鉛生成反応に先立ちおよび
/または該反応中に、二酸化炭素ガスを混合物(m)中
に間欠または連続的に供給する、尿素、炭酸(水素)ア
ンモニウム等の如く加熱条件下で二酸化炭素または炭酸
イオンを生成する様な化合物を添加する方法等が例示さ
れる。
【0055】本発明の製法のうち、特に上述した製造条
件に従えば、1次粒子の平均粒子径が0.005〜0.
1μmの範囲で、粒子形状、表面状態、分散・凝集状態
等の制御された、酸化亜鉛濃度が1〜80重量%の範囲
で、アルコール及び/又は前記エステル化合物及び/又
は有機溶媒を溶媒とする酸化亜鉛微粒子の分散体が得ら
れる。
【0056】本発明で得られる酸化亜鉛微粒子の分散体
は、そのまま使用することもできるが、必要に応じて、
酸化亜鉛微粒子粉体、酸化亜鉛微粒子を含有する塗料、
溶媒置換による他の溶媒に酸化亜鉛微粒子が分散した分
散体等に容易に転換する事ができる。
【0057】本発明で得られた酸化亜鉛微粒子の粉体を
得る方法としては、分散体を濾過、遠心分離、溶媒蒸発
など通常行われている方法に付すことによって微粒子を
分離した後、乾燥する又は必要に応じて焼成する方法が
採用し得る。中でも、必要に応じて分散体の濃縮操作を
行った後、真空瞬間蒸発装置を用いる溶媒蒸発法による
粉体化方法は、乾燥過程で起こりがちな微粒子の2次凝
集が抑制される方法であるため分散性に優れる酸化亜鉛
微粒子の粉体化方法として好ましい。
【0058】本発明で得られた酸化亜鉛微粒子を含有す
る分散体とは異なる溶媒に酸化亜鉛微粒子が分散した分
散体を得る方法としては、上述した方法に従って粉体化
した後得られた粉体を水等の置換したい溶媒に混合した
後、ボールミル、サンドミル、超音波ホモジナイザーな
どの機械的エネルギーにより分散させる公知の方法ある
いは分散体を加熱により分散体中の溶媒の一部又は全部
を蒸発・留去しつつ、置換したい溶媒を混合するいわゆ
る加熱溶媒置換法等が採用し得る。分散体を構成する溶
媒成分としては、特に限定されず、アルコール類、脂肪
族及び芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテ
ル類、エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類等の有機系溶剤、水、鉱物
油、植物油、ワックス油、シリコーン油等が例示され、
使用目的に応じて適宜選択すればよい。
【0059】本発明で得られた酸化亜鉛微粒子を含有す
る塗料を得る方法としては、分散体にバインダー溶液を
直接添加混合する方法や上述した方法に従って粉体化し
た後得られた粉体をバインダー溶液に添加混合させる等
の従来公知の方法がすべて採用し得る。バインダー溶液
のバインダー成分としては特に限定されず、例えば(メ
タ)アクリル系、シリコーン系、メラミン系、ウレタン
系、アルキド系、フェノール系、エポキシ系、ポリエス
テル系等の熱可塑性もしくは熱硬化性合成樹脂、エチレ
ンープロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチ
レンーブタジエンゴム、アクリロニトリルーブタジエン
ゴム等の合成ゴムもしくは天然ゴムなどの有機系バイン
ダー;シリカゾル、アルカリ珪酸塩、シリコンアルコキ
シド、リン酸塩等の無機系バインダー等が使用できる。
また、バインダー溶液の溶媒成分としては上記分散体の
溶媒成分を使用し得、目的、バインダーの種類などに応
じて適宜選択される。もちろん、塗料中に、その使用目
的に応じて、顔料等添加剤を混合せしめてもよい。
【0060】例えば、前記塗料を紫外線吸収用途に使用
する目的の場合、本発明の方法に従って1次粒子の平均
粒子径が0.1μm以下好ましくは0.05μm以下の
酸化亜鉛微粒子が分散した塗料を作成した後、該塗料
を、例えば、フィルム、繊維、PC,アクリル等の樹脂
板、ガラスなど紫外線を遮蔽したい基材に塗布・乾燥す
るなどにより、可視光域で実質的に透明でありながら紫
外線を有効に遮蔽する塗膜を形成することができる。
【0061】本発明で得られた酸化亜鉛微粒子が分散含
有された繊維、フィルム、樹脂板等の高分子成型体を得
る方法としては、これらのマトリックス成分を合成する
過程及び/又は合成した後に、上述した方法に従って得
られた酸化亜鉛微粒子の粉体あるいは分散体の形で添加
混合することにより得られる。
【0062】例えば、ポリエステルフィルム中に含有さ
せる場合には、ポリエステルの重合反応の際に、ポリエ
ステルの1原料であるグリコール成分に酸化亜鉛微粒子
が分散した分散体を共存させることにより、該微粒子が
分散含有されたポリエステル重合物を得た後、シート、
フィルム、繊維等に成型する方法、あるいは、予め合成
されたポリエステルペレットに、酸化亜鉛微粒子粉体を
マスターバッチによって分散含有させた後に、所望の形
状に成型する方法などが例示される。
【0063】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0064】得られた酸化亜鉛微粒子分散体について、
含有される微粒子の結晶性、粒子形状、1次粒子径、分
散・凝集状態、微粒子濃度、組成等の物性又は物性値は
以下の方法により分析、評価した。分析、評価に先だっ
て粉末化する必要のある場合は、以下の方法に従って、
粉末化した後、得られた粉末を測定試料とした。
【0065】また、粉体化したものについては、そのま
ますべての分析に供した。
【0066】(粉末試料の作製法)得られた分散体中の
微粒子を遠心分離操作によって分離した後、80℃にて
真空乾燥し、揮発成分を完全に除去して微粒子の粉末を
得、これを粉末試料とした。
【0067】(結晶性)粉末X線回折測定により評価し
た。
【0068】(粒子形状)1万倍の走査型電子顕微鏡又
は透過型電子顕微鏡により判定した。
【0069】(1次粒子径)1万倍の走査型電子顕微鏡
像又は透過型電子顕微鏡像の任意の粒子100個の粒子
径を実測して、下記の式より求めた。走査型電子顕微鏡
像の場合、測定に先だって貴金属合金の蒸着処理を行う
が、蒸着層の厚みの分だけ、得られる粒子径の値は、透
過型電子顕微鏡像のそれに比べて、大きくなるので補正
した後の値で示した。
【0070】
【数1】
【0071】(分散・凝集状態)光学顕微鏡及び遠心沈
降式粒度分布測定装置により評価した。評価基準は、以
下のとおりである。
【0072】 A:1次粒子が分散、 B:一部凝集、 C:凝集 (分散体中の微粒子濃度)分散体の一部を100℃に於
て溶媒等の揮発成分を完全に除去し得るまで真空乾燥す
ることにより乾燥粉末を得、得られた粉末の懸濁体に対
する重量分率を求め、この値を分散体中の微粒子濃度と
した。
【0073】(分散体中の溶媒組成)分散体中の溶媒を
遠心分離操作により分離し、マススペクトル法及びガス
クロマトグラフ法により同定及び定量した。
【0074】(微粒子組成)粉末試料を、元素分析、イ
オンクロマト法、赤外吸収スペクトル、NMR、蛍光X
線分析、原子吸光分析及び重量分析等を総合して求め
た。
【0075】実施例1 攪拌機、滴下口、温度計、還流冷却器を備えた10Lの
ガラス製反応器中で、酢酸1.2kgを、メタノール
2.0kg及びイオン交換水2.0kgの混合溶媒に溶
解した後、酢酸亜鉛2水和物1.08kgを添加混合し
た後、攪拌しながら60℃まで昇温することにより、均
一溶液の亜鉛含有溶液(A1)を得た。
【0076】次に、外部より熱媒加熱し得る、攪拌機、
滴下口、温度計、留出ガス出口を備えた20Lのガラス
製反応器に、ベンジルアルコール12kgを仕込み、内
温を150℃まで加熱昇温し保持した。これに、60℃
に保持された亜鉛含有溶液(A1)6.28kgを、定
量ポンプにより30分かけて滴下した。ボトムの温度は
150℃から138℃まで変化した。滴下終了後、内温
を200℃まで昇温し、該温度で5時間保持することに
より、白色状の分散体(D1)5.80kgを得た。分
散体(D1)は、1次粒子径が40〜90nmであり結
晶性の酸化亜鉛微粒子がかなり2次凝集した状態で、ベ
ンジルアルコールを主溶媒とする溶媒中に分散した分散
体であった。分散体(D1)の組成を分析した結果、酸
化亜鉛微粒子濃度は7.0重量%、溶媒成分として、ベ
ンジルアルコールが61.4重量%、ベンジルアルコー
ルの酢酸エステルが31.6重量%であった。分散体
(D1)及び該分散体に含有される酸化亜鉛微粒子の物
性又は物性値を表2に示す。
【0077】実施例2 実施例1で用いたと同じガラス性反応器中で、市販の酸
化亜鉛粉末0.3kgを、酢酸1.5kgとイオン交換
水1.5kgの混合溶媒に添加混合した後攪拌しながら
80℃まで昇温することにより、均一溶液の亜鉛含有溶
液(A2)を得た。
【0078】次に、外部より熱媒加熱し得る、攪拌機、
滴下口、温度計、留出ガス出口を備えた20Lのガラス
製反応器に、2−ブトキシエタノール12kgを仕込
み、内温を150℃まで加熱昇温し保持した。これに、
80℃に保持された亜鉛含有溶液(A2)3.3kg
を、定量ポンプにより30分かけて滴下した。ボトムの
温度は150℃から128℃まで変化した。滴下終了
後、内温を昇温し、160℃に達した時点で、ラウリン
酸0.015kgを2−ブトキシエタノールに溶解した
溶液0.15kgを添加混合し、さらに170℃に達し
た後、該温度で4時間保持することにより、乳白色状の
分散体(D2)9.9kgを得た。
【0079】分散体(D2)は、1次粒子径が20nm
と均一な大きさであり結晶性の酸化亜鉛微粒子がほぼ単
分散した分散体であった。分散体(D2)及び該分散体
に含有される酸化亜鉛微粒子の物性又は物性値を表2に
示す。
【0080】実施例3 原料の種類、原料の使用量、添加剤等の反応条件を表1
に示す如く変えた以外は実施例2と同様にして、酸化亜
鉛微粒子分散体を得た。得られた分散体より、エバポレ
ーターを用いて減圧下、温度120℃の条件下で、該分
散体中の溶媒の一部を留去させることにより濃縮した
後、2−ブトキシエタノールを用いて濃度調製を行うこ
とにより、酸化亜鉛微粒子を10重量%含有する分散体
(D3)を得た。分散体(D3)及び該分散体に含有さ
れる酸化亜鉛微粒子の物性又は物性値を表2に示す。
【0081】実施例4 原料の種類、原料の使用量、添加剤等反応条件を表1に
示す如く変えた以外は実施例2と同様にして、酸化亜鉛
微粒子分散体を得た。得られた分散体より、エバポレー
ターを用いて減圧下、温度120℃の条件下で、該分散
体中の溶媒の一部を留去させることにより濃縮した後、
2−ブトキシエタノールを用いて濃度調製を行うことに
より、酸化亜鉛微粒子を25重量%含有する分散体(D
4)を得た。分散体(D4)及び該分散体に含有される
酸化亜鉛微粒子の物性又は物性値を表2に示す。
【0082】実施例5 原料の種類、原料の使用量等の反応条件を表1に示す如
く変えた以外は実施例1と同様にして、酸化亜鉛微粒子
分散体(D5)を得た。分散体(D5)及び該分散体に
含有される酸化亜鉛微粒子の物性又は物性値を表2に示
す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】実施例6 実施例2で得られた分散体(D2)を実施例3と同様に
して濃縮することによって酸化亜鉛濃度20重量%の濃
縮分散体(D6)を得、これをメタノールで酸化亜鉛濃
度10重量%に希釈したものを粉体原料スラリー(S
6)として以下の如き真空瞬間蒸発装置を用いた方法に
よって粉体化した。
【0086】内径が8mmで長さが9mのステンレス鋼
製の長管は、これを覆っているジャケットに加圧水蒸気
を通じる事によって200℃に加熱されており、その長
管の一端(原料スラリーの供給口)から粉体原料スラリ
ー(S6)を定量ポンプで10kg/hrの流量で連続
的に送入した。長管の他端は、50Torrの一定の減
圧度に維持されていて、粉体と蒸発した溶媒を分離する
バッグフィルターに連結されており、そこで分離された
酸化亜鉛微粒子の粉体(P6)は、同じ50Torrの
減圧度である粉体捕集室で捕集された。
【0087】得られた粉体(P6)は、トルエン等の芳
香族炭化水素、MEK等のケトン類、酢酸ブチル等のエ
ステル類、メタノール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール類等の有機溶剤に、容易に1次粒子の状態で分
散するものであった。
【0088】実施例7 実施例2に於けるラウリン酸の代わりに、メタクリル酸
メチル(MMA)−アクリル酸(AA)共重合体(MM
A/AA=9/1wt/wt,重量平均分子量7,50
0;以後、MMA−AAポリマーと略記する)0.05
3kgを含有する2−ブトキシエタノール溶液0.5k
gを添加した以外は、実施例2と同様に一連の操作を行
い、平均粒子径1.2μmの球状微粒子を3.4重量%
含む分散体(D7)10.5kgを得た。次に、分散体
(D7)より遠心分離操作によって溶媒を除去した後、
乾燥することによって、球状微粒子粉末(P7)0.3
4kgを得た。球状微粒子粉末(P7)は、酸化亜鉛が
88重量%の割合で含有された酸化亜鉛微粒子とMMA
−AAポリマーの複合体組成であり、しかも粒子径20
nmの酸化亜鉛微粒子が外殻層に局在化して分散してな
る微粒子であることが、透過型電子顕微鏡観察、熱重量
分析およびX線回折測定等により、確認された。また、
球状微粒子粉末(P7)は、分散性に優れ、紫外線を有
効に吸収する微粒子であることが、確認された。従っ
て、球状微粒子粉末(P7)は、各種プラスチックフィ
ルム、樹脂板等の成形体、ガラス等に紫外線遮蔽能を付
与する、コーティング塗料用原料、あるいは添加剤とし
て有用な紫外線遮蔽フィラーである。
【0089】比較例1 実施例1と同様にして亜鉛含有溶液(A1)を調製した
後、実施例1に於けるベンジルアルコールの代わりにオ
ルソキシレンを使用した以外は、同様にして、酸化亜鉛
前駆体含有溶液を加熱されたオルソキシレンに滴下し、
さらに140℃で2時間加熱保持することにより懸濁体
を得た。該懸濁体中に含有される微粒子はX線回折測定
の結果、酸化亜鉛微粒子ではなかった。
【0090】比較例2 実施例2と同様にして亜鉛含有溶液(A2)を調製した
後、実施例2に於ける2−ブトキシエタノールの代わり
にエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート
を使用した以外は、同様にして、酸化亜鉛前駆体含有溶
液を加熱されたエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ルアセテートに滴下し、さらに170℃で2時間加熱保
持することにより懸濁体を得た。該懸濁体中に含有され
る微粒子はX線回折測定の結果、酸化亜鉛微粒子ではな
かった。
【0091】参考例1 実施例2で得られた分散体(D2)を実施例3と同様に
濃縮しさらにトルエンで濃度調製することによって酸化
亜鉛微粒子濃度10重量%の分散体(D2−2)を得
た。分散体(D2−2)を用いて以下の組成よりなる塗
料を調製した。
【0092】 塗料組成: 分散体(D2−2) 100重量部 アロセット5247 200重量部 ((株)日本触媒製、固形分45重量%) トルエン 100重量部 該塗料をバーコーターを用いてガラス板、ポリエステル
フィルム、アクリル板等の各基材に塗布し、乾燥するこ
とにより塗膜を得た。いずれの基材に塗布した場合で
も、得られた塗膜は可視域に於ける光透過性に優れなが
ら紫外線を有効にカットするものであった。ガラス板の
場合について、該塗膜(厚み11μm)の形成されたガ
ラス板の分光透過率を測定した結果を表3に示す。
【0093】参考比較例1 参考例1に於いて、分散体(D2)の代わりに、フラン
ス法で得られた酸化亜鉛微粒子(1次粒子の平均粒子
径:0.04μm)を用いる以外は、参考例1と同様に
して酸化亜鉛濃度10重量%の塗料を作製し、ガラス板
上に塗膜(厚み10μm)を形成した。該塗膜は、参考
例1で得られた塗膜に比べて透明性が低く、しかも紫外
線カット率の低いものであった。該塗膜の形成されたガ
ラス板の分光透過率を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】参考例2 参考例1と同様にして分散体(D2−2)を得た後、分
散体(D2−2)を用いて以下の組成よりなる塗料を調
製した。
【0096】 塗料組成: 分散体(D2−2) 100重量部 シリカゾル 120重量部 (触媒化成工業(株)製、OSCAL1432) イソプロピルアルコール 100重量部 該塗料をバーコーターを用いてガラス板に塗布、乾燥し
さらにすることにより塗膜を得た。得られた塗膜は、可
視光域に於ける透過性に優れながら紫外線を有効に吸収
する、耐擦傷性に優れる膜であった。
【0097】参考例3 実施例6で得られた粉体(P6)10重量部とポリカー
ボネート樹脂ペレット500重量部を混合し溶融混練り
することにより、酸化亜鉛微粒子が2重量%均一に分散
した溶融物を得、引き続き押し出し成形することによっ
て、厚み2mmのポリカーボネート板ポリカーボネート
板(A)を得た。得られたポリカーボネート板(A)
は、可視域に於ける光透過性に優れながら、しかも紫外
線を有効にカットするものであった。
【0098】参考例4 実施例2で得られた分散体(D2)から分散体(D2)
中に含まれる溶媒を遠心分離操作によって除去した。得
られた若干量の溶媒分を含む酸化亜鉛微粒子を、メタク
リル酸メチル(以後、MMAと略記する)に分散させ、
再度遠心分離した。この操作を数回繰り返した後、酸化
亜鉛微粒子をMMAに分散させることによって、酸化亜
鉛微粒子が20重量%含まれるMMA分散物50重量部
を得た。
【0099】次に該MMA分散物50重量部に重合開始
剤V−65を0.4重量部添加した後、ポバール(クラ
レ社製、PVA205)を5重量%含む水溶液200重
量部に添加混合し5分間かくはんした後、ディスパーサ
ーによって酸化亜鉛微粒子含有MMAを分散質とする懸
濁体を得た。
【0100】該懸濁体を、攪拌機、還流冷却器、温度計
を備えたガラス製容器に仕込み、かくはんしながら、液
温を70℃に昇温し30分保持した後、徐々に昇温しな
がら最終的に95℃以上で3時間保持することによっ
て、MMAの重合反応を行わせ、酸化亜鉛微粒子含有ポ
リメタクリル酸メチル(以後、PMMAと略記する)粒
子の水懸濁体を得た。該懸濁体より、遠心分離、水洗を
数回繰り返した後、60℃で乾燥することにより、酸化
亜鉛微粒子含有PMMA粒子を得た。該粒子は、分析し
た結果、酸化亜鉛を18重量%含み、酸化亜鉛微粒子が
PMMA中に均一に分散した粒子径が10〜70μmの
複合粒子であった。該粒子は、紫外線を有効にカットす
るものであり、例えば化粧品用フィラーとして有用であ
る。
【0101】参考例5 実施例6で得られた粉体(P6)10重量部とポリエス
テル樹脂ペレット100重量部を混合し溶融混練りする
ことにより酸化亜鉛微粒子が5重量%均一に分散したポ
リエステル組成物を得、押し出し成形によってシート状
に成形した後、さらに延伸することによって厚み50μ
mのポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、酸化
亜鉛微粒子が均一に高分散したフィルムであり、紫外線
を有効にカットする実質的に透明なフィルムであった。
【0102】また、同様にして酸化亜鉛微粒子が5重量
%含有されたポリエステル組成物を得た後、溶融紡糸す
ることによって、ポリエステル繊維を得た。該繊維は、
酸化亜鉛微粒子が均一に高分散した繊維であり、紫外線
を有効にカットする繊維であった。
【0103】参考例6 実施例5で得られた分散体(D5)より分散体(D2)
中に含まれる溶媒を遠心分離操作によって除去した。得
られた若干量の溶媒分を含む酸化亜鉛微粒子をイオン交
換水に分散させ、再度遠心分離した。この操作を数回繰
り返した後、酸化亜鉛微粒子をイオン交換水に分散させ
ることによって、酸化亜鉛微粒子が20重量%含まれる
水分散体(D5−2)50重量部を得た。
【0104】該水分散体(D5−2)、アクリルエマル
ション((株)日本触媒製アクリセットR ES−285
E)をバインダー樹脂として混合することにより塗料を
調製し、該塗料にポリエステル繊維を浸せき、乾燥する
ことによって、酸化亜鉛微粒子目付け量0.5g/m2
のポリエステル繊維を得た。該繊維は、耐光性の改善さ
れた繊維であった。
【0105】
【発明の効果】本発明の製法は、使用する原料の種類及
び組成、混合物の調製法、アルコールの種類、加熱条件
及び必要に応じて添加される添加剤の種類及び添加量等
を特定するにより、(1)1次粒子の大きさや形状、1
次粒子の分散・凝集状態及び表面状態等のモルフォルジ
ーを自在に制御でき、(2)極めて簡易なプロセスから
構成され、(3)よって経済性に優れ、(4)多様な用
途に於て要求されるそれぞれの性能に応じて、好ましい
モルフォルジー、製品形態を有する酸化亜鉛微粒子を安
価に製造することができるという効果を奏するものであ
る。
【0106】さらに本発明の製法により製造された1次
粒子径が0.005〜0.1μmの範囲の酸化亜鉛微粒
子は、各種溶媒に対し分散性に優れ極めて微細な領域で
粒子径が制御された透明紫外線吸収剤として、安価に提
供できることが可能になった。また本発明の製法により
製造された酸化亜鉛微粒子を紫外線吸収剤として、それ
自体を用いるか又は化粧品、塗料、フィルム、繊維、透
明樹脂板、ガラス等に含有もしくはこれらに表面処理し
て用いるときには、可視域に於ける光透過性に優れしか
も毒性がなく、耐候性、耐光性、耐熱性及び持続性に優
れた紫外線吸収能を示すという従来になかった効果を奏
するものである。
【0107】また、本発明の製法により製造された酸化
亜鉛微粒子は粒子径、粒子形状、凝集状態、表面状態等
が高度に制御されているため、電子写真製版の感光体と
して含有すれば、該感光体は従来の酸化亜鉛微粒子では
なし得なかった優れた感光体特性を示し、使用する酸化
亜鉛微粒子に後処理を施すことなく、安価なプロセスで
電子写真製版の感光体を提供できるという効果を奏する
ものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛又はその化合物、カルボキシル基含
    有化合物及びアルコールからなる混合物を、加熱するこ
    とを特徴とする酸化亜鉛微粒子の製法。
  2. 【請求項2】 亜鉛又はその化合物とカルボキシル基含
    有化合物とからなる混合物を、加熱されたアルコール含
    有溶液に添加することを特徴とする請求項1に記載の酸
    化亜鉛微粒子の製法。
  3. 【請求項3】 亜鉛又はその化合物とカルボキル基含有
    化合物とからなる混合物を、60℃以上の温度に維持さ
    れたアルコール含有溶液に添加した後、加熱することを
    特徴とする請求項1又は2に記載の酸化亜鉛微粒子の製
    法。
  4. 【請求項4】 得られる酸化亜鉛微粒子の一次粒子の平
    均粒子径が、0.005〜10μmの範囲である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の酸化亜鉛微粒子の製法。
  5. 【請求項5】 亜鉛又はその化合物が、酸化亜鉛、水酸
    化亜鉛及び酢酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも
    1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛微粒子の製法。
  6. 【請求項6】 カルボキシキル基含有化合物が、常圧下
    の沸点が200℃以下の飽和脂肪酸を主成分とするもの
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の酸化亜鉛微粒子の製法。
  7. 【請求項7】 亜鉛又はその化合物、カルボキシル基含
    有化合物及びアルコールからなる混合物に、さらに分子
    中にカルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミド結
    合、イミド基、ウレイド基、ウレイレン結合、イソシア
    ナト基、ウレタン基、ウレタン結合、エステル結合、ス
    ルホン酸基、硫酸基、リン酸基、金属水酸基、金属アル
    コキシ基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なく
    とも1種の原子団を1個又は2個以上含む化合物を共存
    させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の方法。
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