JP2007137932A - ウィスカー状の金属酸化物及びその複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 化粧料に有用な、微粒子ウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物を提供する。
【解決手段】水溶性高分子の存在下、金属塩とアルカリとを反応させ、金属酸化物乃至は水酸化物と、水溶性高分子の複合体を形成せしめ、しかる後に該複合体以外の精製物を含水アルコールで洗浄し、ついで乾燥させる工程を有する製造方法で金属酸化物乃至は水酸化物の高分子複合体を製造する。前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における、微粒子金属酸化物の形状はウィスカー状(ヒゲ状)となる。前記水溶性高分子はポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩又はポリビニルアルコールであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウィスカー状の金属酸化物、その高分子との複合体とその製造法、該複合体を含有してなる化粧料に関する。
顔料等無機物粒子の殆どは、水系で製造され、本来親水的である。しかしながら、水系反応で造る無機物粒子は、出来た瞬間から粒子成長が始まり、超微粒子として取り出すことが出来ないばかりか、水中では、極性の関係で、粒子同士の凝集が起こり易く再分散性も困難な分散物となる。又その後のハンドリングを容易にするために一度乾燥して粉末状にすると、粒子表面が活性化して、粒子同士が非常に強い凝集力で結びつき、更には極性の強い水への再分散性は一段と難しいものとなる。一方、顔料等無機物粒子を水系で用いる用途は無限に等しくあり、曰く水系塗料、絵具、化粧品、食料品、水系インク等である。近年、これらの用途に用いられる無機物粒子は、使用機器や使用法の高度化および精密化に伴い、一層微細で分散性の良いものが求められるようになった。これらの用途の一例を挙げるならば、例えば、化粧品のサンスクリーン剤のUVカット材として良く用いられる酸化チタンや酸化亜鉛は本来白色粉末で水に分散させると白濁溶液と成り、顔や体に塗布すると白っぽくなってしまうので、超微粒子化して、透明性を上げる方法が盛んに研究されている。また、インクジェット式プリンター用の顔料は微細なほど印刷像を鮮明するので、これまで無機顔料は大き過ぎて用いられなかったが、最近耐候性を上げるために無機顔料が注目されており、微粒子化が盛んに検討されるようになった。しかしながら、上述の例では、無機物粒子を微粒子化して水へ分散させる為には非常に強力な粉砕力が必要であり、また分散化およびその後の再凝集を抑えるために多量の表面活性剤が必要である。(例えば、特許文献1を参照)これであると粒子の細かさにはおのずと限界が生じ、活性剤の種類と量によっては用途に制限が加えられているのが現状であった。即ち、水分散性に優れる微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物が求められていたと言える。
一方、化粧料における顔料たる金属酸化物乃至は水酸化物の光学効果は、その粒径ばかりに影響を受けるのではなく、その形状によっても影響を受けることが知られている。(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照)即ち、金属酸化物において、その形状をコントロールする技術は有用と言える。金属酸化物乃至は水酸化物の形状のコントロールにおいて、微粒子ウィスカー状にコントロールする技術は全く知られていない。
特開2001−207060号公報 特開2005−289932号公報 特開平07−157312号公報 特開2002−146238号公報 特開2005−272466号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、化粧料に有用な、微粒子ウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物を提供することを課題とする。尚、本発明において、「微粒子」とは、金属酸化物乃至は水酸化物における短径が0.5〜0.001μmであり、かかる微粒子には高分子の部分は含まれない。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、水分散性に優れる、微粒子でその形状がコントロールできる金属酸化物を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、水溶性高分子の存在下、金属ハロゲン化物とアルカリとを反応させ、金属酸化物乃至は水酸化物と、水溶性高分子の複合体を形成せしめ、しかる後に該複合体以外の精製物を含水アルコールで洗浄し、ついで乾燥させる工程を経て金属酸化物乃至は水酸化物を製造することにより、その形状を微粒子で、且つ、ウィスカー状にコントロールできることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)水溶性高分子の存在下、金属塩とアルカリとを反応させ、金属酸化物乃至は水酸化物と、水溶性高分子の複合体を形成せしめ、しかる後に該複合体以外の精製物を含水アルコールで洗浄し、ついで乾燥させる工程を有することを特徴とする、微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
(2)前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における、微粒子金属酸化物の形状がウィスカー状(ヒゲ状)であることを特徴とする、(1)に記載の微粒子金属酸化物・高分子複合体の製造方法。
(3)前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における微粒子金属酸化物が、酸化亜鉛であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
(4)前記水溶性高分子が、ポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩又はポリビニルアルコールであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
(5)水溶性高分子と微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物の複合体であって、前記金属酸化物乃至は水酸化物がウィスカー状の形状で存在していることを特徴とする、微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
(6)前記水溶性高分子がポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩又はポリビニルアルコールであることを特徴とする、(5)に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
(7)前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における微粒子金属酸化物が、酸化亜鉛であることを特徴とする、(5)又は(6)に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
(8)ウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物であって、微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物。
(9)水溶性高分子との複合体を形成し、水溶性高分子上に存在することを特徴とする、(8)に記載の微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物。
(10)酸化亜鉛であることを特徴とする、(8)又は(9)に記載の金属酸化物乃至は水酸化物。
(11)(5)〜(7)何れか1項に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体を含有する皮膚外用剤。
(12)含水剤形であることを特徴とする、(11)に記載の皮膚外用剤。
(13)化粧料であることを特徴とする、(11)又は(12)に記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、化粧料に有用な、微粒子ウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物を提供することができる。
(1)本発明の微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物と水溶性高分子の複合体
本発明の微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物と水溶性高分子の複合体は、金属の水溶性塩、例えば、塩化物などのハロゲン化物や、硝酸塩などを水性担体中、水溶性高分子の存在下、水溶性の塩基で中和し、金属塩の陰イオン残基と水酸イオンとをイオン交換することにより製造される。前記金属酸化物乃至は水酸化物を構成する金属としては、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタニウム、バリウム、マンガン、セリウム、コバルト、カルシウム、カドミウム、ストロンチウム、銅、クロミニウム、ジルコニウム、金、銀等が例示でき、これらの内では、両性金属に属するものが好ましく、亜鉛、アルミニウムなどが好適に例示できる。特に、光学的効果から、亜鉛が特に好ましい。これらの金属塩は唯一種を用いることも出来るし、二種以上を用いて複合金属酸化物乃至は水酸化物の形態にすることも出来る。又、水溶性高分子としては、水に透明な性状で「溶ける」ものであれば特段の限定はされないが、カルボキシル基乃至はその塩の形態の基を有するものであることが好ましく、具体的には、アクリル酸乃至はメタクリル酸を構成のモノマーとするポリマー乃至はコポリマー及び/又はそれらの塩が好ましく例示できる。前記「溶ける」とは一様な分布をすることを意味する。かかる高分子の塩としてはナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好適に例示できる。これ以外の水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸及び/又はその塩、カルボキシメチルセルロース及び/又はその塩などが好適に例示できる。前記金属塩と、水溶性高分子との質量は、金属塩を金属酸化物乃至は水酸化物に換算して、該金属酸化物乃至は水酸化物が60質量%以上になるように、より好ましくは、好ましくは60%〜99%であり、更に好ましくは85%〜99%である様に設定しておくことが好ましい。前記水性担体としては、水を含むことが必須であり、更に、水と可溶な有機溶剤とを混和して用いることが好ましい。一般的に、水系で金属塩を加水分解して水酸化物や酸化物を造る工程で、少量又は多量の有機溶媒を混和させると、金属塩の加水分解物は酸化物になることが知られている。本発明の製造方法において用いられる水可溶性有機溶媒は金属塩の加水分解物を直接酸化物へ導くために用いられ、水と混和する有機溶媒ならばほとんどのものが使用可能である。この様な有機溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロパノールの様なアルコール類、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオールの様なジオール類、アセトンの様なケトン類、テトラヒドロフランの様なフラン類、分子量200以下のエチレングリコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノールのようなエチレングリコールモノエーテル類が上げられる。この様な水可溶性有機溶媒の混合割合は、概ね水:水可溶性有機溶媒が重量比で1:9〜9:1の範囲である。反応終了後は含水アルコールなどで洗浄し過剰の塩を除去することが好ましい。又、金属酸化物乃至は水酸化物を生成させるための塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましく例示でき、かかる塩基の添加量は、金属塩と等量かやや過剰気味が好ましい。斯くして、水性担体中で、水溶性高分子と、水可溶性金属塩と、塩基とを反応させて得られた金属酸化物乃至は水酸化物と水溶性高分子の複合体は、遠心分離などを行うことにより沈殿する。かかる沈殿は1回乃至は数回、前記の有機溶剤を含む水性担体で洗浄することにより、不要な反応生成物を取り除くことが出来る。この様な処置を行った後に、沈殿を乾燥させることにより、本発明の微粒子の金属酸化物と高分子の複合体を得ることが出来る。乾燥は30〜100℃の加温下で1〜24時間程度送風乾燥することにより為される。斯くして、水溶性高分子とウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物とが絡み合った複合体が得られる。かかる複合体は、水溶性高分子と複合しているため、このものだけでも水性担体に均一に分散する作用に優れる。又、ウィスカー状であることから、外見における、白味が少なく透明性が高い。紫外線防護効果にも優れるので、白味を感じさせない紫外線防護化粧料の原料として好適である。かかる複合体は酸化雰囲気で500〜1000℃で焼成することにより、水溶性高分子を焼滅させることができ、ウィスカー状の金属酸化物とすることが出来る。
(2)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記本発明の金属酸化物乃至は水酸化物と水溶性高分子の複合体を含有することを特徴とする。本発明の化粧料における、前記金属酸化物乃至は水酸化物と水溶性高分子の複合体の好ましい含有量は、総量で、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。かかる量は、皮膚外用剤の剤形、種類により異なるが、前記の範囲において、仕上がりが、不自然な白さを感じさせず、優れた紫外線防護効果を奏する。本発明の皮膚外用剤としては、通常知られている粉体含有皮膚外用剤であれば、特段の限定無く適用でき、例えば、サンケアミルク、サンケアパウダー、サンブロックなどの紫外線防護化粧料、アンダーメークアップ、ファンデーション、コントロールカラー、プレストパウダー等のメークアップ化粧料、特に、サマーメークアップ化粧料などが好適に例示できる。剤形としては二層分散ローション剤形、乳化剤形、粉体剤形或いはオイル剤形など何れの剤形にも応用できる。特に好ましい剤形は、水性担体を含有する、二層分散ローション剤形乃至は乳化剤形である。
本発明の皮膚外用剤においては、前記本発明の複合体以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの成分を常法に従って処理することにより、本発明の皮膚外用剤は製造できる。
以下に、実施例を示して本発明について更に詳細に説明を加える。本発明がこれら実施例にのみ限定を受けない事は言うまでもない。
<製造例1>
メタノール(134g)と水(41g)との混合溶媒中に硝酸亜鉛6水塩(18g)およびアクリル酸(1g)を溶解させ、A液とした。室温、攪拌下A液に3N苛性ソーダ(56g)を、徐々に注入し、全量注入後直ちに加温し、50℃に達したらアゾビスイソブチロニトリル(0.02g)を添加し、そのまま昇温を続け、リフラックス温度で1時間持続させ、冷却した。冷後、50%含水エタノールを用いて、デカンテーション、濾過を3回繰り返し、得られた沈殿物を90℃で4時間乾燥させて、乾燥物(5.0g)を得た。このものは95%がウルツ鉱型酸化亜鉛であった。即ち、この沈殿は、95質量%がウィスカー状の微粒子酸化亜鉛であり、5質量%がポリアクリル酸である微粒子酸化亜鉛とアクリル酸の複合体(複合体1)であった。又、この酸化亜鉛の性状はウィスカー状であった。ウィスカーは短径が0.03μmで長径が0.9μmであった。顕微鏡写真を図1に示す。
<比較製造例1>
メタノール(134g)と水(41g)との混合溶媒中に硝酸亜鉛6水塩(18g)およびアクリル酸(1g)を溶解させ、A液とした。室温、攪拌下A液に3N苛性ソーダ(56g)を、徐々に注入し、全量注入後直ちに加温し、50℃に達したらアゾビスイソブチロニトリル(0.02g)を添加し、そのまま昇温を続け、リフラックス温度で1時間持続させ、冷却した。冷後、水を用いて、デカンテーション、濾過を3回繰り返し、得られた沈殿物を90℃で4時間乾燥させて、乾燥物(5.2g)を得た。このものは95%がウルツ鉱型酸化亜鉛であった。即ち、この沈殿は、95質量%が球状の微粒子酸化亜鉛であり、5質量%がポリアクリル酸である微粒子酸化亜鉛とアクリル酸の複合体(比較複合体1)であった。又、この酸化亜鉛の性状は球状であり、その粒径は0.03μmであった。顕微鏡写真を図2に示す。
実施例1の複合体1を用いて、下記に示す表1の処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、紫外線防護化粧料(二層分散ローション剤形)を作成した。即ち、イの成分を80℃で加熱しながら、攪拌、可溶化し、これにロの成分を分散させ、紫外線防護化粧料1を得た。同様の操作で、紫外線防護化粧料1の複合体1を比較複合体1に置換した比較化粧料1、市販の微粒子酸化亜鉛粉末(平均粒子径=0.03μ カタログ値)95質量%とポリアクリル酸ナトリウム5質量%に置換した比較化粧料2も同様に製造した。
Figure 2007137932
<試験例1>
パネラーの背部を用い、日本化粧品工業会法に則り、紫外線防護化粧料1、比較化粧料1及び比較化粧料2のSPF(紫外線防護指数)及びPA(紫外線A防護ランク)を測定した。結果は、紫外線防護化粧料1がSPF20.3、PA++であり、比較化粧料1がSPF17.5、PA++であり、比較化粧料2がSPF12.4、PA+であった。本発明の複合体の効果が確認された。
<試験例2>
紫外線防護化粧料1、比較化粧料1及び比較化粧料2について、塗布時の白さを評価した。パネラーの前腕内側部を用い、2cm×4cmの部位を3つ作成し、各部位にそれぞれサンプルを30mg塗布し、5分後にコニカミノルタ色彩色差計で無処置部位に対する明度差を計測した。結果は、紫外線防護化粧料1が1.26であり、比較化粧料1が2.03であり、比較化粧料2が3.69であった。これより、本発明の化粧料は、白さを感じさせない外観であることが判る。
エタノール(116g)と水(91g)との混合溶媒中に塩化亜鉛(9g)およびポリアクリル酸(重合度5000)(2g)を溶解させ、A液とした。室温、攪拌下A液に6N苛性ソーダ(31g)を、徐々に注入し、全量注入終了20分後に加温を開始してリフラックス温度で1時間持続させ、冷却した。冷後、50%含水エタノールを用いて、デカンテーション、濾過を3回繰り返し、得られた沈殿物を90℃で4時間乾燥させて、複合体2を乾燥物(5.3g)を得た。このものは85%がウルツ鉱型酸化亜鉛であった。このものの形状は、短径0.02μm、長径1.2μmのウィスカーであった。このものの顕微鏡写真を図3に示す。
実施例2と同様に、複合体2を用いて、表2に従って本発明の皮膚外用剤である、紫外線防護化粧料2を作成した。このもののSPFは21.1であり、PAは++であった。
Figure 2007137932
エタノール(116g)と水(91g)との混合溶媒中に塩化亜鉛(9g)およびポリビニルアルコール(重合度10000)(2g)を溶解させ、A液とした。室温、攪拌下A液に6N苛性ソーダ(31g)を、徐々に注入し、全量注入終了20分後に加温を開始してリフラックス温度で1時間持続させ、冷却した。冷後、50%含水エタノールを用いて、デカンテーション、濾過を3回繰り返し、得られた沈殿物を90℃で4時間乾燥させて、複合体3を乾燥物(5.3g)を得た。このものは85%がウルツ鉱型酸化亜鉛であった。このものの形状は、短径0.05μm、長径0.9μmのウィスカーであった。このものの顕微鏡写真を図4に示す。
本発明は化粧料に応用できる。
実施例1の複合体1を表す図である。(図面代用写真) 実施例1の比較複合体1を表す図である。(図面代用写真) 実施例3の複合体2を表す図である。(図面代用写真) 実施例4の複合体3を表す図である。(図面代用写真)

Claims (13)

  1. 水溶性高分子の存在下、金属塩とアルカリとを反応させ、金属酸化物乃至は水酸化物と、水溶性高分子の複合体を形成せしめ、しかる後に該複合体以外の精製物を含水アルコールで洗浄し、ついで乾燥させる工程を有することを特徴とする、微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
  2. 前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における、微粒子金属酸化物の形状がウィスカー状(ヒゲ状)であることを特徴とする、請求項1に記載の微粒子金属酸化物・高分子複合体の製造方法。
  3. 前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における微粒子金属酸化物が、酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩又はポリビニルアルコールであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体の製造方法。
  5. 水溶性高分子と微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物の複合体であって、前記金属酸化物乃至は水酸化物がウィスカー状の形状で存在していることを特徴とする、微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
  6. 前記水溶性高分子がポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩又はポリビニルアルコールであることを特徴とする、請求項5に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
  7. 前記微粒子金属酸化物・高分子複合体における微粒子金属酸化物が、酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体。
  8. ウィスカー状の金属酸化物乃至は水酸化物であって、微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物。
  9. 水溶性高分子との複合体を形成し、水溶性高分子上に存在することを特徴とする、請求項8に記載の微粒子の金属酸化物乃至は水酸化物。
  10. 酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の金属酸化物乃至は水酸化物。
  11. 請求項5〜7何れか1項に記載の微粒子金属酸化物乃至は水酸化物・高分子複合体を含有する皮膚外用剤。
  12. 含水剤形であることを特徴とする、請求項11に記載の皮膚外用剤。
  13. 化粧料であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の皮膚外用剤。
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