JP2007039362A - 製造用のスラリー及びそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

製造用のスラリー及びそれを含有する皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 隠蔽性粉体の分散状態を改善し、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりを改善する技術を提供する。
【解決手段】 1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンと、皮膚外用剤に含有させる。前記シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンとしては、更にジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマーで被覆されていることが好ましく、前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンは二次元ポリマーであることが好ましく、シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンを予め分散媒中にポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとともに高機械力分散を行い、スラリーに加工した後、皮膚外用剤中へ含有せしめる工程で製造されことが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚外用剤の製造に好適なスラリー及び該スラリーを含有する皮膚外用剤に関する。
粉体、例えば、二酸化チタンや酸化亜鉛などの隠蔽性粉体は、皮膚外用剤の分野に於いては、隠蔽力を利用したベースメークアップ化粧料や紫外線防護化粧料に含有され、皮膚のシミなどの皮膚トラブルのカバーや、紫外線からの皮膚の防御に用いられている。しかしながら、白壁のようなのっぺりとした白さの仕上がりになり、不自然で、人間味の少ない化粧仕上がりになることが少なくない。この一つの原因として、二酸化チタンや酸化亜鉛の二次凝集が壊砕しにくく、通常の使用条件では二次凝集した形で用いられるため、被膜に隠蔽力のある粉体が厚く重層することが考えられる。言い換えれば、これらの隠蔽性粉体の皮膚外用剤中における存在状態を、一次粒子に近い形までに壊砕できれば、のっぺりとした白さを抑制しつつ、紫外線防護効果や皮膚トラブルのカバー効果を奏する可能性が存すると言える。
粉体の分散状態を良好にさせる手段としては、流動性を有する分散媒中に高機械力分散装置を用いて、予め分散させてスラリーを作成しておき、これを製剤系に配合する方法が存する。(例えば、特許文献1を参照)ここで、スラリーとは液体・粉体混合系でスラリ領域に分類される粘動流体特性を示すものを意味する。しかしながら、隠蔽性粉体については、この様なスラリーを経由する製造方法を以てしても、のっぺりとした白さの仕上がりを改善するに至るまでの分散の向上は望めないのが現状であった。
粉体の分散を改善させる方法としては、粉体の表面を予め他の金属酸化物や、シリコーンなどで処理しておく方法も存する。(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)しかしながら、この様な方法であっても、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりを改善するに至るまでの分散の向上は望めないのが現状であった。
一方、ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンについて、このものが界面活性作用を有する物質であり、化粧料用の原料として使用されており、このものと粉体とを含有する化粧料も既に知られている。(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)しかしながら、1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを含有する化粧料も、1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを分散媒中に高機械力分散装置を用いて分散させてなる、皮膚外用剤製造用のスラリーも全く知られておらず、この様な構成の化粧料或いはスラリーに於いて、隠蔽性粉体の分散性が著しく向上し、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりが改善されることは全く知られていなかった。
特開2005−002078号公報 特開2003−003089号公報 特開2002−212032号公報 特開平08−104606号公報 特開2004−169015号公報 特開平10−316536号公報 特開2003−183117号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、隠蔽性粉体の分散状態を改善し、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりを改善する技術を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりを改善する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを含有する皮膚外用剤がその様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)前記シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンが、更にジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマーで被覆されていることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンが二次元ポリマーであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンを予め分散媒中にポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとともに高機械力分散を行い、スラリーに加工した後、皮膚外用剤中へ含有せしめる工程で製造されたことを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)前記スラリー作成における、高機械力分散が、サンドグラインダー、アイガーミル、ダイノミル又はコボールミルによって行われることを特徴とする、(4)に記載の皮膚外用剤。
(6)乳化剤形であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを分散媒中に高機械力分散装置を用いて分散させてなる、皮膚外用剤製造用のスラリー。
(8)前記シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンが、更にジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマーで被覆されていることを特徴とする、(7)に記載の皮膚外用剤製造用のスラリー。
(9)前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンが二次元ポリマーであることを特徴とする、(7)又は(8)に記載の皮膚外用剤製造用のスラリー。
(10)高機械力分散装置が、サンドグラインダー、アイガーミル、ダイノミル又はコボールミルであることを特徴とする、(7)〜(9)何れか1項に記載の皮膚外用剤用のスラリー。
本発明によれば、隠蔽性粉体の分散状態を改善し、隠蔽粉体ののっぺりとした白さの仕上がりを改善する技術を提供することができる。
本発明の皮膚外用剤は、シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンを含有することを特徴とする。ここで、被覆とはシリカ及び/又はアルミナが二酸化チタン粒子の最外部に局在化するのみならず、一部が二酸化チタンと融合乃至はドープされることも許容する。この様な被覆形態に於いて、二酸化チタンと、シリカ及び/又はアルミナの質量比は、9:1〜7:3が好ましい。二酸化チタンが多すぎると分散性が損なわれる場合が存し、二酸化チタンが少なすぎると、紫外線防護効果が損なわれる場合が存するからである。この様な被覆二酸化チタンは、例えば、二酸化チタンを塩化アルミニウムやケイ酸ソーダの水溶液中に浸漬し、しかる後にアルカリ乃至は酸を加えて、水酸化アルミニウムやケイ酸を二酸化チタン上に析出させ、これを300〜1000℃で焼成することにより製造することが出来る。本発明の皮膚外用剤では、この様に調整したものを使用することも出来る。この様な被覆二酸化チタンに更に、シリコーンなどを用いて表面処理を行うことも出来る。表面処理としては、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け処理や、ジメチコン被覆処理、(ジメチコン/メチコン)コポリマー被覆処理、リン脂質被覆処理、金属石鹸被覆処理、アクリル樹脂被覆処理などの通常皮膚外用剤用の粉体で為されている表面処理を施すことが出来る。特に好ましい表面処理は、ジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマー被覆処理である。これは分散後の再凝集を抑制できるからである。適当な表面処理の処理量は粉体全量に対して1〜30質量%である。
又、この様な被覆二酸化チタンには、既に市販されているものも存し、この様な市販品を購入して利用することも出来る。この様な二酸化チタンとしては、石原産業株式会社から販売されている「タイペークTTO−F−1」、「タイペークTTO−F−2」、「タイペークTTO−F−6」、株式会社テイカから販売されている、「微粒子酸化チタンMT−100SA」、「微粒子酸化チタンMT−100SAS」等が好適に例示できる。
<製造例1>
下記示す処方に従って、被覆二酸化チタンに表面処理を行った。即ち、処方成分をニーダー中でよく混練りし、これを150℃で24時間送風乾燥、固定化処理を行い、しかる後に、2mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、表面処理被覆二酸化チタン1を得た。
ジメチコン 15 質量%
(ジメチコン/メチコン)コポリマー 5 質量%
「微粒子酸化チタンMT−100SA」 80 質量%
塩化メチレン 100 質量%
<製造例2>
製造例1と同様の操作で表面処理被覆二酸化チタン2を得た。
ジメチコン 15 質量%
(ジメチコン/メチコン)コポリマー 5 質量%
「微粒子酸化チタンMT−100SAS」80 質量%
塩化メチレン 100 質量%
<製造例3>
製造例1と同様の操作で表面処理被覆二酸化チタン3を得た。
ジメチコン 15 質量%
(ジメチコン/メチコン)コポリマー 5 質量%
「タイペークTTO−F−6」 80 質量%
塩化メチレン 100 質量%
かくして得られた、被覆二酸化チタンは、適切に分散せしめると、極めて良好な分散状態を呈する。適切に分散せしめる方法としては、界面活性剤、分散媒とともに高機械力分散装置を使用し、スラリー(スラリー領域の粘動力特性を示す固流体)に加工しておくことが例示できる。前記界面活性剤としてはポリグリセリン変性メチルポリシロキサンが好適に例示できる。ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンの市販品としては、二次元ポリマーのシリコーンKF−6104、シリコーンKF−6100、三次元構造(クロスポリマー)のシリコーンKSG−710、シリコーンKSG−810、シリコーンKSG−820、シリコーンKSG−830、シリコーンKSG−840等が好適に例示できる。(何れも、信越シリコーン株式会社製)かかる界面活性剤はスラリー全量に対して1〜10質量%の配合が好適である。又、分散媒としてはシリコーンが特に好適であり、特にシクロメチコンや、粘度が1mPs以下のジメチコンなど、揮発性のシリコーンが特に好ましい。分散媒の好ましい含有量はスラリー全量に対して30〜70質量%である。スラリー全量に対する、表面処理されていても良い被覆二酸化チタンの量は20〜50質量%が好適である。これらを分散するために使用する高機械力分散装置としては、媒体ミルが好適に例示でき、例えば、サンドグラインダー、アイガーミル、ダイノミル又はコボールミルが特に好適に例示できる。特に好ましいものとしては、コボールミルが例示できる。勿論、前記界面活性剤は、粉体分散性に優れ、表面処理の二次凝集抑制効果と組み合わせると、スラリーを経なくても、優れた分散性の皮膚外用剤を具現化することが出来る場合も存する。この様な形態の皮膚外用剤も本発明の技術的範囲に属する。尚、この場合における、前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンの好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記形態で、前記表面処理されていても良い被覆粉体を、1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%含有する。この様な量範囲に於いて、白さの目立たない紫外線防護効果を具現化できる。特に、この様な形態で化粧料に含有せしめることにより、紫外線Aに対する保護作用が著しくなる。
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料などの皮膚外用剤で使用される任意成分を、本発明の効果を損なわない範囲に於いて、含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤製造用のスラリーであるスラリー1〜8と比較例となるスラリー9、10を作成した。別途、スラリー1のポリグリセリン変性メチルポリシロキサンをポリエチレングリコール変性メチルポリシロキサンに置換した比較例となるスラリー11も作成した。即ち、処方成分をコボールミルで24時間処理し、各スラリーを得た。
表1に記載の粉体 (40−調整シクロメチコン量)質量%
「シリコーンKF6104」 5質量%
シクロメチコン 55質量%
調整のためのシクロメチコン 表1に記載の質量%
Figure 2007039362
実施例1のスラリーを用いて、本発明の皮膚外用剤である紫外線防護用の化粧料、比較例の化粧料を作成し、評価した。評価項目は紫外線Aに対する防護作用と、専門パネラー(美容師n=1)による、白さ、カバー力、被膜感の評価であった。紫外線Aに対する防護作用(PA)は、日本化粧品工業会によって定められた方法に従って、分光値より、紫外線B部分の透過光率/紫外線AB部分の透過率の式で求めた。この値は大きいほど紫外線Aに対する防護作用が高いことを示す。白さの評価は、タイルのような白さをスコア5とし、素肌の感じをスコア1として、1と5の間を感覚的に5等分しスコア値とした。カバー力は顔に塗布した場合シミなどの肌トラブルがどの程度見えなくなるかを、スコア1:シミが化粧料を塗布しない場合と同様に判る、スコア2:シミが少し見えにくくなる、スコア3:シミがカバーされるが存在が判る、スコア4:シミが殆ど判らない、スコア5:シミが全く判らないの基準でスコア値とした。被膜感は、使用時の異物膜感をスコア1:全く感じない、スコア2:やや感じる、スコア3:確実に感じる、スコア4:異物感が明確、スコア5:異物感で不快の基準で評価しスコア値とした。結果を表2に示す。

表2に記載のスラリー 20 質量%
ポリエチレングリコール変性シリコーン 2 質量%
シクロメチコン 25 質量%

1,3−ブタンジオール 8 質量%
エタノール 5 質量%
水 40 質量%
(製法)
イ、ロを80℃に加温して、攪拌下イに徐々にロを加え、乳化し、攪拌冷却して、紫外線防護用の化粧料を得た。
Figure 2007039362
スラリーを経由しない形で、化粧料1を製造してみた。即ち、下記の処方に従って、イ、ロを80℃に加温し、イにハをディスパーで分散させ、これに攪拌下ロを徐々に加えて乳化し、攪拌冷却して紫外線防護用の化粧料10を得た。このもののPAは0.48であり、白さのスコアはスコア3、カバー力はスコア3、被膜感はスコア3で従来に比べれば、分散性等が改善していることが判った。

「シリコーンKF−6014」 1 質量%
ポリエチレングリコール変性シリコーン 2 質量%
シクロメチコン 36 質量%

1,3−ブタンジオール 8 質量%
エタノール 5 質量%
水 40 質量%

表面処理被覆二酸化チタン1 8 質量%
本発明は紫外線防護化粧料などの皮膚外用剤に応用できる。

Claims (10)

  1. 1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. 前記シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンが、更にジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマーで被覆されていることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンが二次元ポリマーであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンを予め分散媒中にポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとともに高機械力分散を行い、スラリーに加工した後、皮膚外用剤中へ含有せしめる工程で製造されたことを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記スラリー作成における、高機械力分散が、サンドグラインダー、アイガーミル、ダイノミル又はコボールミルによって行われることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。
  6. 乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. 1)シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンと、2)ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンとを分散媒中に高機械力分散装置を用いて分散させてなる、皮膚外用剤製造用のスラリー。
  8. 前記シリカ及び/又はアルミナで被覆した二酸化チタンが、更にジメチコン及び/又は(ジメチコン/メチコン)コポリマーで被覆されていることを特徴とする、請求項7に記載の皮膚外用剤製造用のスラリー。
  9. 前記ポリグリセリン変性メチルポリシロキサンが二次元ポリマーであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の皮膚外用剤製造用のスラリー。
  10. 高機械力分散装置が、サンドグラインダー、アイガーミル、ダイノミル又はコボールミルであることを特徴とする、請求項7〜9何れか1項に記載の皮膚外用剤用のスラリー。
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