JP5184031B2 - 乳化剤形の粉体含有皮膚外用剤 - Google Patents
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<1>1)粉体と、2)エタノールを6〜10質量%含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤であって、更に、3)グリセリン変性メチルポリシロキサン(ポリグリセリル−3−ポ
リジメチルシロキシエチルジメチコン)、及び4)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性メチルポリシロキサンを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<2>前記2)エタノールを8〜10質量%含有する、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>前記粉体として、表面を疎水化処理されていても良い二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含む粉体組成物と、グリセリン変性メチルポリシロキサンと、ジメチコン乃至はシクロメチコンとを媒体ミルで相互に分散せしめ、スラリーと為し、該スラリーに、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性メチルポリシロキサンを含む油性成分を加えた後、エタノールを皮膚外用剤全量に対して6〜10質量%含有する水性成分を加えて乳化することを特徴とする、油中水乳化剤形の皮膚外用剤の製造方法。
本発明の皮膚外用剤は乳化剤形であって、粉体を含有することを特徴とする。前記粉体としては、例えば、酸化鉄、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの他の金属で、焼結、表面被覆などの複合化されていても良い二酸化チタン、酸化亜鉛、或いは、酸化鉄、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、マイカチタニア、セリサイトチタニア等の体質粉体などが好適に例示できる。これらの内では、紫外線防護効果の著しい酸化亜鉛乃至は二酸化チタンが特に好ましい。前記粉体は、表面を処理された形で含有されることが好ましく、乳化剤形が油中水乳化剤形であれば、前記表面処理は疎水化処理であることが好ましい。前記疎水化処理としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸による被覆処理、N−ステアロイルグルタミン酸アルミニウム、N−ラウロイルグルタミン酸アルミニウム等のN−アシルアミノ酸金属塩による被覆処理、レシチンなどのリン脂質による被覆処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサン等のシリコーン焼付処理、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシランなどのシランカップリング剤処理によるシリル化処理などが存する。かかる処理は粉体100質量部に対して、1〜30質量部、より好ましくは10〜25質量部の処理剤を用いて行うことが好ましい。乳化剤形が油中水乳化剤形である場合、本発明では、かかる粉体表面には疎水化処理を予め行って使用することが好ましい。
微粒子二酸化チタン32質量部をフローコーターに仕込み、これに塩化メチレン100質量部にハイドロジェンメチルポリシロキサン6質量部とジメチコン2質量部とを溶かした液を噴霧しながら送風してコーティングを行った。コーティング終了後更に4時間40℃の温風を送風し、溶剤を揮散させた。この粉体を電気炉に仕込み210℃で一昼夜加熱して焼付を行い、疎水化処理粉体を得た。この疎水化処理粉体を0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、処理粉体1を得た。
製造例1と同様に、87質量部の酸化亜鉛を、100質量部の塩化メチレンに、10質量部のジメチコンと3質量部のハイドロジェンメチルポリシロキサンとを溶かした溶液で処理し、処理粉体2を得た。
本発明の皮膚外用剤は、低級アルコールを必須成分として含有することを特徴とする。前記低級アルコールとしては、例えば、エタノールやイソプロパノールが好適に例示できる。特にエタノールを採用することが好ましい。かかる低級アルコールの好ましい含有量は、3〜20質量%が好ましく、より好ましくは、5〜15質量%であり、更に好ましくは6〜10質量%である。本発明の皮膚外用剤における低級アルコールの効果は、塗布時の皮膚との摩擦係数を低下させる等により使用感を向上させること、塗布後に化粧膜より揮散し、化粧膜の親水性の成分の含有量を低下せしめ、これによって、塗布後に形成される化粧膜の強度を向上させること、及び、製品における防腐力を向上せしめることである。前記の配合量を下回る場合には、前記の効果の何れか或いは全てが発揮されない場合が存し、多すぎると、乳化或いは粉体分散の安定性を損なう場合が存する。
本発明の皮膚外用剤は、乳化剤形であって、グリセリン変性メチルポリシロキサン(ポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)を必須成分として含有する。本発明の皮膚外用剤は、前述の如くに、乳化によって形成される構造を破壊しやすいエタノールを必須成分として含有するが、界面活性剤としてグリセリン変性メチルポリシロキサンを採用することにより、この様なアルコールによる影響を軽減することを特徴とする。この様なグリセリン変性シリコーンは化粧料原料として市販されているものを使用することが出来、かかる市販品としては、例えば、信越化学株式会社製の「シリコーンKF6104」等が好適に例示できる。かかるグリセリン変性メチルポリシロキサンは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかる成分の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.5〜4質量%であり、より好ましくは0.8〜1.5質量%である。かかる成分は、疎水化処理粉体の分散性向上に優れた作用を有するため、予め、疎水化処理粉体をかかる成分とともにジメチコンやシクロメチコンなどの油性担体に分散させ、スラリーの形に加工して、皮膚外用剤の製造に用いることが好ましい。スラリーの作成に際しては、グリセリン変性メチルポリシロキサン1質量部に対し、粉体10〜20質量部、油性担体10〜20質量部を加え、ボールミル、コボルミル、ダイノミルなどの媒体ミルを用いてスラリーに加工することが好適に例示できる。かかるグリセリン変性メチルポリシロキサンは、スラリーとは別に油相に乳化の界面活性剤として添加することも出来る。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、乳化剤形であることを特徴とする。前記乳化剤形としては、脂肪酸石鹸の界面活性剤乳化構造を利用した水中油乳化剤形、或いは、有機変性粘土鉱物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤を利用した油中水乳化剤形が好適に例示できる。特に油中水乳化剤形が、エタノールの影響を粉体分散性に及ぼしにくいので好ましい。油中水乳化剤形にあっては、前記のグリセリン変性メチルポリシロキサンに加えて、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性メチルポリシロキサンを含有することが好ましく、かかるシリコーン系界面活性剤は、乳化の安定性を向上せしめる。この様な効果を奏するためには、当該成分は、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜4質量%含有することが好ましく、0.2〜1質量%含有することが特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは、最外相に油相を配する乳化剤形の総称で、油中水中油剤形などの複合剤形も包含する概念である。
ニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB 6 塩酸塩、ビタミンB 6 トリパルミテート、ビタミンB 6 ジオクタノエート、ビタミンB 2 又はその誘導体、ビタミンB 12 、ビタミンB 15 又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加える。
下記に示す処方に従って、スラリー1を製造した。即ち、処方成分をコボルミルに仕込み、0.1質量倍のジルコニアのボールを加えて、高速回転で1時間分散させ、濾過により分散媒体のジルコニアボールを取り除き、スラリー1を得た。同様に操作して、「シリコーンKF6104」を「シリコーンKF6017」(POE変性メチルポリシロキサン;信越化学株式会社製)に置換した比較スラリー1も作成した。
スラリーの製造1と同様に、下記の処方に従ってスラリー2及び、「シリコーンKF6104」を「シリコーンKF6017」(POE変性メチルポリシロキサン;信越化学株式会社製)に置換した比較スラリー2を作成した。前記の手技に従って、評価も行った。結果を表4に示すが、同様の結果であった。
皮膚外用剤1〜4及び比較例1について、その性状を評価した。評価はスラリーと同様に粘度と、白ぽっさを評価した。又、40℃で1ヶ月、3ヶ月保存したときの性状の変化も観察した。保存安定性は外観の観察で分離や粉体の沈降の有無を観察した。結果を表9に示す。本発明の皮膚外用剤は使用実感に優れており、安定性も高いことが分かった。又、スラリー中にグリセリン変性メチルポリシロキサンを含有せしめることが好ましいことも分かった。
日焼け後1日の人5人に右腕に皮膚外用剤1を、左腕に比較例1を塗布してもらい、塗布時と塗布後の刺激感を答えてもらった。結果は5人とも皮膚外用剤1の方が刺激感を感じないと答えた。これはアルコール添加によるのびの改善によるものであると推察する。
Claims (3)
- 1)粉体と、2)エタノールを6〜10質量%含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤であって、更に、3)グリセリン変性メチルポリシロキサン(ポリグリセリル−3−ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、及び4)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性メチルポリシロキサンを0.1〜4質量%含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
- 前記2)エタノールを8〜10質量%含有する、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 前記粉体として、表面を疎水化処理されていても良い二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
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