JP6678005B2 - 油中水型皮膚外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油中水型皮膚外用組成物に関する。特に、化粧もちが良く、粘度安定性および外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物に関する。
いわゆるファンデーション等のメークアップ化粧料は、皮膚上のシミ、そばかす等を隠蔽するため、粉体の配合が必須となり、とくに耐汗性を発揮させるため、疎水化処理粉体が汎用されている。隠蔽力がある疎水化処理粉体としては、疎水化処理酸化チタンが一般的であるが、さらに、耐皮脂性を向上するため皮脂凝固作用がある疎水化処理酸化亜鉛の配合も極めて有効である。
分散剤として両末端シリコーン変性グリセリンを添加することで、粉体として、疎水化処理酸化チタンを配合していても、低粘度領域での安定性に極めて優れた油中水型乳化化粧料を得られることが知られていた(特許文献1)。
しかしながら、後述のように、化粧もちを改善するために、疎水化処理酸化亜鉛を加えると、安定性が悪くなってしまうという問題が生じていた。
特開2007−161650号公報
本発明は前記従来技術に鑑み行われたものであり、その解決すべき課題は、化粧もちが良く、粘度安定性及び外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を提供することにある。
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、(D)両末端シリコーン化ポリグリセリン及び(E)ソルビタン脂肪酸エステル又はポリグリセリル脂肪酸エステルを特定の比率で配合することで、化粧もちが良好なままで、粘度安定性と外観安定性に優れた疎水化処理酸化亜鉛を配合した油中水型皮膚外用組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)平均粒子径が20nm〜100nmである疎水化処理酸化亜鉛1〜50%と
(B)疎水化処理顔料級酸化鉄0.5〜10%と
(C)疎水化処理顔料級酸化チタン1〜50%と
(D)両末端シリコーン化ポリグリセリン0.1%〜10%と
(E)ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステル0.1〜10%を必須の構成とし、前記(D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であることを特徴とする。
前記組成物において、(D)成分と(E)成分の比率である、(D)/(E)が、0.1〜7.5であると、外観安定性の点でより優れている。
前記組成物において、(A)成分の疎水化処理方法がパルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキシシラン処理、シリコーン処理のいずれかであることが好ましい。
前記組成物において、(E)成分がセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルのいずれかであることが好ましい。
本発明によれば、化粧もちが良く、粘度安定性および外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を作成することができる。
(A)疎水化処理酸化亜鉛
本発明に用いる疎水化処理酸化亜鉛は、平均粒子径が20nm〜100nmである。平均粒子径が20nm未満の場合には、きしみなどの発生により使用感触が損なわれる。100nmを超える場合には、十分な化粧もち効果が得られにくい。
平均粒子径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。
疎水化処理酸化亜鉛は、微粒子酸化亜鉛を疎水化処理して得られる。疎水化処理酸化亜鉛は、油中水型皮膚外用組成物の油中に分散して存在することになる。疎水化処理剤の種類としては制限されないが、例えば、脂肪酸、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、トリグリセライド、エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素化合物が挙げられる。
疎水化処理剤としては、具体的には、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸、(アクリル酸アルキル/ジメチルシリコーン)コポリマー、パルミチン酸デキストリン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、モノメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、高分子シリコーン、アルキル変性シリコーン、アクリロイルジメチルタウレートナトリウム/メタクリルアミドラウリル酸コポリマーなどが挙げられる。
特に、高温における粘度安定性も考慮すると、パルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキキシシラン処理、シリコーン処理が好ましい。
疎水化処理の方法は特に限定されず常法に従って表面処理される。例えば、パルミチン酸デキストリン中にて酸化亜鉛を、一定時間、混合攪拌し、これをろ過することによって、パルミチン酸デキストリンで疎水化処理酸化亜鉛を製造することが出来る。
本発明に用いられる疎水化処理酸化亜鉛の配合量は、1〜50%である。より好ましくは3〜20%である。配合量が1%未満では、化粧もちに劣り、50%を超えるとのびが悪くなり、粉っぽい仕上がりになってしまう。
本発明に用いられる疎水化処理酸化亜鉛の市販品としては、WSX−MZ−700(テイカ社製)、OTS−7 FZO−50(大東化成工業社製)、MZY−510M3S(テイカ社製)等が挙げられる。
(B)疎水化処理顔料級酸化鉄
本発明に用いる酸化鉄は、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄等の顔料級酸化鉄を疎水化処理したものである。
これら異なる色の酸化鉄を混合することにより、目的とする組成物の色に調整する。
疎水化処理顔料級酸化鉄は、平均粒子径が、100〜500nmであり、平均粒子径が200nm以上が好ましく用いられる。その配合量は、0.5〜10質量%であり、より好ましくは、1〜3質量%である。0.5質量%未満または10質量%を超えると、目的とする組成物の色に調整することが難しくなる。
本発明に用いられる疎水化処理顔料級酸化鉄の市販品としては、黄酸化鉄であるEP1−LL−100P(大東化成工業社製)、OTS−2 LL−100P(大東化成工業社製)、黒酸化鉄であるEP1−BL−100P(大東化成工業社製)、OTS−2 BL−100P(大東化成工業社製)、赤酸化鉄であるEP1−ベンガラNo.216P(大東化成工業社製)、OTS−2 ベンガラNo.216P(大東化成工業社製)等が挙げられる。
(C)疎水化処理顔料級酸化チタン
本発明に用いる酸化チタンは、顔料級酸化チタンを疎水化処理したものである。疎水化処理顔料級酸化チタンは、平均粒子径が、100〜500nmであり、平均粒子径が200nm以上が好ましく用いられる。その配合量は、1〜50質量%であり、より好ましくは、3〜20質量%である。1質量%未満ではシミやそばかすなどに対する十分な隠ぺい効果が得られず、50質量%を超えるとのびが悪くなり、粉っぽい仕上がりになってしまう。
顔料級酸化鉄又は顔料級酸化チタンを疎水化処理する際の疎水化処理剤の種類は制限されないが、例えば、脂肪酸、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、トリグリセライド、エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素化合物が挙げられる。
顔料級酸化鉄又は顔料級チタンに用いる疎水化処理剤としては、具体的には、アルキル変性シリコーン、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸、(アクリル酸アルキル/ジメチルシリコーン)コポリマー、パルミチン酸デキストリン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、モノメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、高分子シリコーン、アクリロイルジメチルタウレートナトリウム/メタクリルアミドラウリル酸コポリマーなどが挙げられる。
特に、酸化鉄には、アルキル変性シリコーン処理が好ましく、酸化チタンには、アルキルトリメトキシシラン処理が好ましい。
本発明に用いられる疎水化処理顔料級酸化チタンの市販品としては、OTS−2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業社製)、EP1 TiO2 CR50(大東化成工業社製)等が挙げられる。
(D)両末端シリコーン化ポリグリセリン
両末端シリコーン化ポリグリセリンの基本構造はBAB型トリブロック共重合体であり、Bは、例えば下記構造式(a)で示される片末端水素残基シリコーンなどを用いることができる。
Aはポリグリセリン残基である。
下記構造式(a)の片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のBAB型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
構造式(a):
式中、R1はそれぞれ、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120の数である。
AとBとの間の結合は本発明にとって本質的な構造ではないが、本発明に例示される両末端シリコーン化ポリグリセリンは、前記構造式(a)の化合物と下記構造式(b)で示す化合物を、白金触媒を用い、エーテル結合により結合させたものである。
構造式(b):
式中、nは1〜11の数である。
BAB型トリブロック共重合体は公知の方法により合成することが出来る。
両末端シリコーン化ポリグリセリンは、両末端にシリコーン鎖からなる分散サイトがあるため、疎水化処理粉体を吸着性の非常に高いポリグリセリン鎖からなる吸着サイトに保持しつつ、分散媒の溶媒中にてポリマーが広がり、極めて顕著な分散安定性効果を発揮すると考えられる。
従って、両末端シリコーン化ポリグリセリンの機能発現には、Bブロックの溶媒中への溶解性とAブロック鎖の粉体表面への高い吸着性が重要である。すなわち、AB両ブロックの親水/親油性のバランス(HLB)が適切な範囲にあることが機能発現に必須となる。HLBは公知の方法により求めることができるが、例えばGriffinの式(HLB値=ポリグリセリン部分子量×20/総分子量)により算出される。本発明においては、両末端シリコーン化ポリグリセリンのHLBが0.2〜3.0であることが好ましい。
また、粉体同士の凝集を防止するBブロック鎖の広がりは、高分子の分子量に依存し、Bブロック鎖は高分子量であるほど凝集防止効果は高い。一方、粉体への吸着はAブロック鎖のファンデルワールス力等の弱い力によると考えられる。しかし、Aブロック鎖としてポリグリセリンを用いることにより、ポリエチレングリコール等に比較し強い吸着力が得られるため、比較的低い分子量で十分な吸着力が得られる。また、AB両ブロックの分子量が高くなりすぎると、油中水型皮膚外用組成物を塗り伸ばしにくくなる場合があり、また伸びの重さを感じる場合がある。以上のことから、分子量についても適切な範囲があり、本発明においては、両末端シリコーン化ポリグリセリンの分子量は2000〜200000が好ましい。
両末端シリコーン化ポリグリセリンとしては、具体的には、下記一般式(c)で表されるものが挙げられる。
一般式(c):
式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキレン基であり、mは10〜120、nは1〜11である。
好ましい両末端シリコーン化ポリグリセリンの例として、下記一般式(d)で表される両末端シリコーン化ポリグリセリンが挙げられる。
一般式(d):
式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120、nは1〜11である。
本発明に用いられる両末端シリコーン化ポリグリセリンの配合量は、0.1〜10%である。より好ましくは0.3〜3%である。配合量が0.1%未満では、外観安定性に劣り、10%を超えるとのびが悪くなり、べたつきも生じてしまう。
本発明に用いられる両末端シリコーン化ポリグリセリンの市販品としては、KF−6109(信越化学工業社製)等が挙げられる。
(E)ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステル
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンと脂肪酸のエステルである。また、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸のエステルである。
これらの脂肪酸エステルは1種または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられる脂肪酸としては、炭素数16〜22の脂肪酸が好ましい。脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
これらの脂肪酸は1種または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、セスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
特に、常温で液体であるセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンを用いることが好ましい。
本発明に用いられるポリグリセリル脂肪酸エステルとしては、例えば、ジステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ステアリン酸グリセリル−4、オレイン酸グリセリル−4、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、トリステアリン酸グリセリル−10、トリオレイン酸グリセリル−10、ペンタステアリン酸グリセリル−10、ペンタオレイン酸グリセリル−10等が挙げられる。
特に、常温で液体であるジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルを用いることが好ましい。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステルの配合量は、0.1〜10%である。より好ましくは0.3〜3%である。配合量が0.1%未満では、粘度安定性に劣り、10%を超えるとのびが悪くなり、べたつきも生じてしまう。
本発明に用いられる(D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であることが必要である。0.1〜7.5が好ましく、0.5〜5がより好ましい。0の場合は、外観が濃くなってしまい、外観安定性に優れない。10以上である場合は、粘度安定性に優れない。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、エステモール182V(日清オイリオグループ社製)、NIKKOL SI−10RV(日光ケミカルズ社製)、コスモール82(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明に用いられるポリグリセリル脂肪酸エステルの市販品としては、WOGEL−18DV(マツモトファインケミカル社製)、サンソフトA−193E−C(太陽化学社製)、コスモール42SV(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明の油中水型皮膚外用組成物は、その他の成分を本発明の効果が損なわれない範囲で配合し、常法により製造することができる。
その他の成分としては、(A)成分以外の微粒子粉体、(B)成分および(C)成分以外の顔料級粉体、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等が挙げられる。
本発明に用いる油中水型皮膚外用組成物は、乳化剤として、さらに、HLB7以下の乳化剤を用いることもできる。HLB7以下の乳化剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーンなどのポリエーテル系のシリコーン;POE(5)、POE(7.5)、POE(10)硬化ひまし油等のポリオキシエチレン硬化ひまし油;ジポリヒドロキシステアリン酸エステル類:ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2、PEG30 ジポリヒドロキシステアレート等の高分子量親油性活性剤;セチルジメチコンコポリオール等が挙げられる。
上記乳化剤のうち、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型メチルポリシロキサン共重合体、アルキル鎖分岐型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、アルキル鎖・シリコーン鎖分岐型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、架橋型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、アルキル基含有架橋型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、分岐型ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル基含有架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル基分岐型ポリグリセリン変性シリコーンから選択されるポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。
これらのうち、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を用いることが好ましい。
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体としては、市販品では、DOW CORNING TORAY TSポリマー 50−D5;東レダウコーニング社製、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン(「KF−6012」;信越化学工業社製)、PEG/PPG−20/20ジメチコン(「SH3749」;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン(「5200 Formulation Aid」;東レ・ダウコーニング社製)、PEG/PPG−19/19ジメチコン(「BY22―008」;東レ・ダウコーニング社製)、等が挙げられる。
ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体としては、市販品では、PEG−3ジメチコン(「KF−6015」;信越化学工業社製)、PEG−9メチルエーテルジメチコン(「KF−6016」;信越化学工業社製)、PEG−10ジメチコン(「KF−6017」;信越化学工業社製)、PEG−11メチルエーテルジメチコン(「KF−6011」;信越化学工業社製)、PEG−9ジメチコン(「KF−6013」;信越化学工業社製)、PEG−12ジメチコン(「SH3771M」、「SH3772M」、「SH3773M」、「SH3775M」等;東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物は、従来外皮に適用されている化粧料、医薬品、および医薬部外品に広く応用することが可能である。例えば、ファンデーション、化粧下地、美容液、乳液、クリーム、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、スプレー、ムース、皮膚科用軟膏等の製品が挙げられる。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。試料の配合量は特に記載のない限り質量%である。なお、本発明で用いた評価方法は次の通りである。
粘度(mPa・s)は、試料を調製した日に、30℃において測定した粘度(mPa・s)と、試料を調製した日から、0℃、室温(25℃)、50℃にて4週間静置保存後に30℃において測定した。
粘度の測定には、BL型回転式粘度計( 芝浦システム株式会社製、単一円筒型回転粘度計、デジタルビスメトロン VDA2)を使用した。測定条件は、ローター#2、回転数12rpmであった。
そして、粘度安定性を、粘度低下率により評価した。粘度低下率は、試料調製日に30℃において測定した粘度、50℃にて4週間静置保存後に、30℃において測定した粘度に基づき、以下の式により算出された。
粘度低下率=4週間経過後に測定した粘度/試料調製日に測定した粘度
粘度低下率に基づき、粘度安定性を以下の基準で評価した。
○:粘度低下率0.6〜1.6未満
△:粘度低下率0.3〜0.6未満、1.6〜2.0未満
×:粘度低下率0.3未満または、2.0以上
外観安定性は、調製した試料を、0℃および50℃で4週間静置し、0℃静置品を基準とし、50℃静置品の外観の変化について、目視観察により評価した。
○:外観が変化しなかった。
△:外観がやや濃くなった。
×:外観が濃くなった。
以下に示す試験例の試料の調製は、油性成分をホモミキサーを用いて混合し(室温または60℃、7000rpm)、さらに粉体を加えて混合し(室温、7000rpm)、分散液を得る。別に水性成分を混合、溶解し、前記分散液に添加してホモミキサーで乳化し(室温、7000rpm)、W/O乳化化粧料を得る。
*1:WSX−MZ−700(テイカ社製)
*2:MT−014V(テイカ社製。平均粒径約0.07μm)
*3:EP1−LL−100P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
EP1−ベンガラNo.216P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
EP1−BL−100P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
*4:OTS−2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
*5:KF−6109(信越化学工業社製)
*6:WOGEL−18DV(マツモトファインケミカル社製)
*7:エステモール 182V(日清オイリオグループ社製)
*8:DOW CORNING TORAY TSポリマー 50−D5(東レダウコーニング社製;ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体とデカメチルシクロペンタシロキサンの混合物;表中は実分の配合量である)
疎水化処理微粒子酸化チタンを配合した油中水型皮膚外用組成物(試験例1−1)は、粘度安定性にやや劣り、化粧もちに劣っていた。一方で、試験例1−1の疎水化処理微粒子酸化チタンを、微粒子酸化亜鉛に置換した油中水型皮膚外用組成物(試験例1−2)は、化粧もちの点では優れるが、粘度安定性が悪化した。
そこで、分散剤を、ジイソステアリン酸ジグリセリル、又はセスキイソステアリン酸ソルビタンに置換したところ、粘度安定性は改善したものの、外観安定性が悪化した(試験例1−3、1−4)。
この外観安定性の悪化の機構は、未だ不明の点もあるが、酸化亜鉛の配合により、酸化鉄又は酸化チタンの系の中での凝集状態を悪化させるためだと考えられる。
このことから、本発明者は、疎水化処理酸化亜鉛を配合すると、分散剤の種類により粘度安定性と外観安定性に差が見られたことから、これらを組み合わせることにより、粘度安定性及び外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を調製できないかと検討をした。
次に、酸化亜鉛の疎水化処理の方法を変えることにより、粘度安定性及び外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を調製できないかと検討をした。
これらの試験結果より、酸化亜鉛の疎水化処理方法によらずに、(D)成分および(E)成分が配合されることによって、粘度安定性および外観安定性が、改善することがわかった。特に、粘度安定性を考慮すると、微粒子酸化亜鉛の疎水化処理方法としては、パルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキシシラン処理、シリコーン処理が好ましい。

さらに、本発明者らは、(D)成分と(E)成分の配合比について検討した。
これらの試験結果より、((D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であるときに、粘度安定性を保ちつつ、外観安定性を改善できることが分かる。特に、(D)成分/(E)成分が0.5〜5.0であるときに粘度安定性及び外観安定性に非常に優れた効果を有する油中水型皮膚外用組成物を調製できることがわかった。
さらに、本発明者らは、配合する(E)成分の種類について検討した。
*9:サンソフトA−193E−C(太陽化学社製)
*10:コスモール42SV(日清オイリオグループ社製)
*11:NIKKOL SI−10RV(日光ケミカルズ社製)
*12:コスモール82(日清オイリオグループ社製)
これらの試験結果より、(E)成分は、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステルであれば、粘度安定性および外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を調製することができることが分かった。
本発明をリキッドファンデーションとして用いた場合の処方例は以下の通りである。
*13:KSG−710(信越化学工業社製)
本発明を化粧下地として用いた場合の処方例は以下の通りである。
*14:OTS−7 FZO−50(大東化成工業社製)
*15:EP1 TiO2 CR50(大東化成工業社製)
本発明を日中用乳液として用いた処方例は以下の通りである。
*16:MZY−510M3S(テイカ社製)
*17:OTS−2 LL−100P(大東化成工業社製)
OTS−2 ベンガラNo.216P(大東化成工業社製)
OTS−2 BL−100P(大東化成工業社製)

Claims (5)

  1. (A)平均粒子径が20nm〜100nmである疎水化処理酸化亜鉛1〜50%と
    (B)疎水化処理顔料級酸化鉄0.5〜10%と
    (C)疎水化処理顔料級酸化チタン1〜50%と
    (D)両末端シリコーン化ポリグリセリン0.1%〜10%と
    (E)ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステル0.1〜10%と
    を必須の構成とし、(D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物において、(D)/(E)が、0.1〜7.5であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物において、(A)成分の疎水化処理方法がパルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキシシラン処理、シリコーン処理のいずれかであることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物において、(E)成分がセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルのいずれかであることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物において、さらに、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含むことを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
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