JP2014129261A - 凹凸補正用油中水型化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】隠蔽性と透明性の両方が優れた凹凸補正用油中水型化粧料を提供する。
【解決手段】(a)平均粒径200〜400nmの球状酸化チタンを1.0〜3.0質量%、(b)ジメチコンクロスポリマーを0.2〜1.0質量%、(c)平均粒径10〜50nmのシリカを0.5〜2.0質量%、(d)油分を25〜70質量%、及び(e)水を含むことを特徴とする。(a)球状酸化チタン及び(c)シリカの表面が疎水化処理されていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸補正用油中水型化粧料に関する。より詳しくは、十分な隠蔽力を有しながら、透明性にも優れた凹凸補正用油中水型化粧料に関する。
従来より、毛穴や小じわなど肌の凹凸を目立たなくして、肌を滑らかに見せる凹凸補正効果の高い化粧料に対する要求があり、ファンデーションなどの油中水型化粧料においても凹凸補正効果の高いものが望まれている。
肌の凹凸を目立たなくするため、屈折率が高く、隠蔽力の高い顔料級二酸化チタンや酸化亜鉛が大量に配合されることがあるが、二酸化チタンあるいは酸化亜鉛のような高屈折率粉体を用いると、可視光領域、特に青味の色に強い反射を生じ、肌の外観はいわゆる「白浮き」を生じる。このような白浮きを抑制する試みとして、例えば、平均粒子径の大きい酸化チタンを配合することにより、色差による反射率の差を抑制することなどが提案されている(特許文献1)。
しかし、このような隠蔽力の高い化粧料によれば、肌上の瑕疵は隠蔽されるものの、肌特有の透明感を失い、肌の凹凸をむしろ目立たせてしまうこともある。すなわち、皮膚はある程度の光を進入させ、その内部よりの帰還光により肌の透明感を演出しているが、同時に帰還光の皮膚内での伝播により光の照射位置からある程度離れた位置からの帰還光も生じるため、特に凹凸のある肌に光を照射した場合であっても陰影の発生を抑制し、肌の瑕疵を目立たなくすることができる。ところが、隠蔽力が高く透過率の低い皮膜を形成すると、このような皮膚内光伝播効果を得られず、光の照射角度によって明暗を生じ、その陰影によって却って肌上の凹凸が目立ってしまうことになる。
そこで、近年になって、凹凸隠蔽のみならず透明性をも実現する試みがなされている。例えば、顔料級二酸化チタンと黒酸化鉄とを所定の質量比で配合して彩度を調整して得られるファンデーション(特許文献2)や、平均粒径が0.2〜0.4μmで平均摩擦係数(MIU値)が0.4〜0.6であるルチル型酸化チタン凝集粒子を特定の装置で混合して得られる粉末化粧料(特許文献3)などが提案されている。
しかし、黒酸化鉄は微量であっても肌内部からの帰還光を減少させることが知られており、可能であればその使用を避けることが好ましい。また、特定の混合装置に依らずに製造可能であることが望ましい。
特開2005−225827号公報 特開2008−285429号公報 特開2012−131783号公報
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、透明性を損なう恐れのある黒酸化鉄等や特定の混合装置を必要とすることなく、高い隠蔽性と透明性を有し、優れた凹凸補正効果を発揮する凹凸補正用油中水型化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、特定の粒径及び形状を備えた酸化チタン、ジメチコンクロスポリマー、特定の粒径を備えたシリカ、油分及び水を特定の配合量で混合することにより、隠蔽性と透明性の両方に優れ、高い凹凸補正効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(a)平均粒径200〜400nmの球状酸化チタンを1.0〜3.0質量%、
(b)ジメチコンクロスポリマーを0.2〜1.0質量%、
(c)平均粒径10〜50nmのシリカを0.5〜2.0質量%、
(d)油分を25〜70質量%、及び
(e)水
を含む、凹凸補正用油中水型化粧料を要旨とするものである。
本発明に係る凹凸補正用油中水型化粧料によれば、隠蔽性と透明性の両方に優れているため、毛穴等の肌上の凹凸を隠蔽し目立たなくすると同時に、化粧皮膜をより多くの光が透過することによって高い皮膚内光伝播効果が得られ、凹凸による陰影の発生を抑えることができる。このため、不自然なマット感を生じることなく、肌の凹凸を効果的に補正することができる。
図1は被験試料フィルム(実施例1及び比較例1〜6)に、フィルムの垂直軸から−45°の入射角で照射した場合の反射光又は散乱光の測定結果である。 図2は被験試料フィルム(実施例1〜3及び比較例7〜9)に、フィルムの垂直軸から−45°の入射角で照射した場合の反射光又は散乱光の測定結果である。 図3は被験試料フィルム(実施例1、4〜5及び比較例6、10)に、フィルムの垂直軸から−45°の入射角で照射した場合の反射光又は散乱光の測定結果である。 図4は被験試料フィルム(実施例1、6及び比較例11〜13)に、フィルムの垂直軸から−45°の入射角で照射した場合の反射光又は散乱光の測定結果である。
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料は、(a)球状酸化チタン、(b)ジメチコンクロスポリマー、(c)シリカ、(d)油分、及び(e)水を必須に含むことを特徴とする。以下、本発明について詳述する。
<(a)球状酸化チタン>
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料に用いられる(a)球状酸化チタンは、平均粒径が200nm〜400nmの範囲の球状酸化チタン微粒子粉体である。平均粒径が200nm〜400nmを外れると、隠蔽力が劣る傾向があり、また透明感も不十分となる。本発明において、粒径は透過型電子顕微鏡による観察粒径とすることが好ましく、平均粒径は円相当径で表した値である。
また、球状酸化チタン微粒子の球形の度合いを規定する最長径と最短径の比率(最長径/最短径)は、1.0〜1.3の範囲が好ましい。この比率が1.3を超えると、可視領域での透過率が悪くなり透明感が劣る傾向がある。
このような球状酸化チタンは、例えば、特開2008−56535号公報、特開2010−24189号公報に記載の方法により得ることができる。具体的には、10℃以下の温度で硫酸チタニル溶液をアルカリ中和して得られたオルソチタン酸に10℃以下の温度で塩酸を添加してオルソチタン酸を完全に溶解した後、加熱して加水分解を行う方法や、オルソチタン酸の他に四塩化チタン溶液やメタチタン酸をアルカリで処理したチタン酸のアルカリ塩を塩酸にて加水分解が起こらない温度において溶解した溶液を用いて加水分解する方法などによって得ることができる。
球状酸化チタンには、分散安定性および耐久性向上のため、その表面に疎水化処理を施すことが有用である。疎水化処理の方法としては、特に制限されるものでなく、公知の方法にて処理することができる。例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;前記脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。
本発明に用いられる球状酸化チタンの市販品としては、例えば、「シルキータッチ酸化チタンST−710」(チタン工業株式会社製、平均粒径0.3μm)等が挙げられる。
本発明において(a)球状酸化チタンの配合量は、純分換算にて、化粧料に対して1.0〜3.0質量%である。配合量が1.0質量%未満であると、凹凸補正効果が不十分であり、3.0質量%を超えて配合しても、それに見合った効果の増大を期待できず、却って、透明性が失われる傾向がある。
<(b)ジメチコンクロスポリマー>
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料に用いられる(b)ジメチコンクロスポリマーとしては、表示名称ジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。表示名称ジメチコンクロスポリマーの膨潤物としては、「シリコーンエラストマーブレンド9040」(ジメチコンクロスポリマーとデカメチルシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は12%)、「シリコーンエラストマーブレンド9041」(ジメチコンクロスポリマーとジメチコン5mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は16%)、「シリコーンエラストマーブレンド9045」(ジメチコンクロスポリマーとデカメチルシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は12.5%)(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)等が挙げられる。
本発明において(b)ジメチコンクロスポリマーの配合量(実分)は、化粧料に対して0.2〜1.0質量%である。配合量が0.2質量%未満であると、凹凸補正効果が十分に得られず、使用性も悪くなることがある。また、1.0質量%を超えて配合しても、それに見合った効果の向上は得られず、却って粉っぽさを生じ、使用性が悪くなる場合がある。
<(c)シリカ>
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料に用いられる(c)シリカは、平均粒径が10〜50nmの微粒子無水ケイ酸(微粒子シリカ)である。平均粒径が10nm未満の微小粒子径のものを用いても、コスト増となるだけで、凹凸補正効果を向上させることは困難である。また、平均粒径が50nmを超えると、基剤がゲル構造を作りにくく、流動性が増してしまうため、十分な凹凸補正効果が得られない傾向がある。シリカの市販品としては、例えば、「アエロジル#200」(日本アエロジル社製)が挙げられる。
なお、(c)シリカとして、疎水化処理が施されているものを用いることもできる。疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、例えばオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物等で覆うことにより調製することができる。より具体的には、ジメチルシリル化無水ケイ酸、トリメチルシリル化無水ケイ酸、オクチルシリル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メチルポリシロキサン処理無水ケイ酸等が例示される。疎水化処理が施されたシリカの市販品として、例えば、ジメチルシリル化無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR972)、オクチルシリル化無水ケイ酸(デグッサ社製、アエロジルR805)、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルRY200)等が挙げられる。
本発明において(c)シリカの配合量は、化粧料に対して0.5〜2.0質量%である。(c)シリカの配合量が、化粧料に対して0.5質量%未満であると、凹凸補正効果が十分に発揮されなくなり、2.0質量%を超えると、きしみ等の使用性に悪影響を与える傾向が認められる。
<(d)油分>
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料に用いられる(d)油分は特に限定されるものではなく、化粧料に通常配合されている油分、例えば、流動パラフィン、イソ流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;オリーブ油,パーム油、ヤシ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油等の油脂;イソステアリルアルコール等の高級アルコール;高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;極性油;シリコーン油等を配合することができる。
これらの油分の中でも、シリコーン油を選択することが好適である。すなわち、本発明の化粧料に配合する油分は、全部又は一部がシリコーン油であることが好適である。また、本発明の化粧料に配合する油分の全部又は一部を揮発性油とすることができる。当該揮発性油としてもシリコーン油を用いることが好適である。
配合可能なシリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、クロロアルキル変性シリコーン、アルキル高級アルコールエステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。これらのシリコーン油のうち、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン又はメチルフェニルポリシロキサンを選択して本発明の組成物中に配合することが、皮膚に対する本発明組成物の安全性、配合した場合の本発明の組成物の透明性、さらには現時点における入手の容易性を考慮すると好ましい。
配合可能な揮発油としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等の低沸点鎖状シリコーン油;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等の低沸点環状シリコーン油、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンのような揮発性炭化水素等を上げることができる。
本発明において(d)油分の配合量は、化粧料に対して25〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%である。(d)油分の配合量が化粧料に対して25質量%未満であると、使用性(のび)が悪く、均一な厚みで塗布することが難しくなり、また、70質量%を超えて配合すると、使用感触が悪化したり凹凸補正効果が十分に発揮されなくなる場合がある。
<(e)水>
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料に用いられる(e)水は、イオン交換水、精製水、自然水等を用いることが可能である。
本発明において(e)水の配合量は、他の成分の配合量(質量%)の残分として配合することができる。
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料には、さらに、通常化粧料に配合し得る添加成分、例えば、界面活性剤、低級アルコール(エタノール等)、保湿剤、冷感剤、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、粉体、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、ビタミン類、血行促進剤、美白剤、皮膚賦活剤、薬効成分、動植物からの抽出物、色素、香料等を、本発明効果を損なわない範囲において任意に添加し得る。ただしこれら例示に限定されるものでない。
なかでも、上記(b)ジメチコンクロスポリマー以外の樹脂粉末を配合すると、使用感触等が向上するため好ましい。樹脂粉末としては、例えば、シリコーン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、アクリル系ゴム、ポリオレフィン系ゴム、ポリエステル系ゴム等が挙げられる。本発明では特に、シリコーン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、およびポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)の中から選ばれる1種または2種以上の樹脂粉末が好ましく用いられる。
シリコーン樹脂粉末としては、例えば(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー〔市販品として、例えば「KSP−100」、「KSP−101」、「KSP−102」、「KSP−105」等(いずれも信越化学工業(株)製)〕、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー〔市販品として、例えば「トレフィルE−506S」、「トレフィルE−508」等(いずれも東レ・ダウコーニング(株)製)、「KM−9729」(信越化学工業(株)製〕等の架橋型シリコーン樹脂粉末や、ポリメチルシルセスキオキサン粉末〔市販品として、例えば「KMP−590」(信越化学工業(株)製)〕、オルガノポリシロキサンエラストマー粉末〔市販品として、例えば「トレフィルE−701」(東レ・ダウコーニグ・シリコーン(株)製)〕、真球状シリコーン樹脂微粒子〔市販品として、例えば、「トスパール120」、「トスパール145A」等(いずれも(株)タナック製)〕などが挙げられる。また(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーの水分散体である「BY29−119」、「BY29−129」(いずれも東レ・ダウコーニング(株)製)等を用いることも可能である。
ウレタン樹脂粉末としては、例えば「プラスティックパウダーD−400」(東色ピグメント(株)製)等が挙げられる。ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)としては、例えば「ナイロンSP−20」(東レ・ダウコーニグ・シリコーン(株)製)等が挙げられる。
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料は、クリーム状〜ゲル状の剤型とすることができる。
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料は、上記の必須成分、および場合によっては上記の任意添加成分を、化粧料の製造において汎用されているニーダー、ローラー、ミキサー等を駆使して混合、混練等することにより、所望する粘稠なペーストとして製造することができる。
本発明の凹凸補正用油中水型化粧料は、化粧料の分野においてはもちろんのこと、医療分野や特殊メーキャップ分野等において用いることも可能である。化粧料の分野においては、例えば化粧下地的な用途に用いることができる。すなわち、本発明の化粧料をあらかじめ顔上に塗布して皮膚上の凹凸を補正し、その上から通常のメーキャップ化粧料を用いてもよい。あるいは直接メーキャップ化粧料的に用いて、皮膚上の凹凸を補正して、上記の一般的な目的や特別な目的に用いることができる。またコンシーラー等として用いてもよい。医療の分野においては、例えば手術跡や熱傷跡の補正に用いることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。実施例に先立ち、本発明で用いた評価方法を説明する。
(1)毛穴の目立たなさ
女性パネラー10名に被験試料を頬部に塗布してもらい、塗布後の毛穴の目立たなさについてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:毛穴が目立たないと答えたパネラーが8〜10名。
○:毛穴が目立たないと答えたパネラーが5〜7名。
△:毛穴が目立たないと答えたパネラーが2〜4名。
×:毛穴が目立たないと答えたパネラーが1名以下。
(2)毛穴落ちの度合い
女性パネラー10名に被験試料を頬部に塗布してもらい、塗布後の毛穴落ちの度合い(毛穴が点々と白くなることによる毛穴/周囲の色差)についてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:毛穴落ちの度合いが低いと答えたパネラーが8〜10名。
○:毛穴落ちの度合いが低いと答えたパネラーが5〜7名。
△:毛穴落ちの度合いが低いと答えたパネラーが2〜4名。
×:毛穴落ちの度合いが低いと答えたパネラーが1名以下。
(3)さらさら感
女性パネラー10名に被験試料を頬部に塗布してもらい、塗布時のさらさら感についてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:さらさら感があると答えたパネラーが8〜10名。
○:さらさら感があると答えたパネラーが5〜7名。
△:さらさら感があると答えたパネラーが2〜4名。
×:さらさら感があると答えたパネラーが1名以下。
(4)透過率
被験試料を、OHPシート上にドクターブレードにより101μmの膜厚となるように塗工し、乾燥後に、分光光度計U−3500(日立社製)にて分光透過率を測定した。
(5)散乱/正反射比
被験試料を、OHPシート上にドクターブレードにより101μmの膜厚となるように塗工し、乾燥させて、測定対象となるフィルムを作成した。このフィルムを、変角分光測色システムGCMS−3型TM(村上色彩技術研究所製)を用いて、光源を入射角が測定対象となるフィルムの垂直軸から−45°となるように固定し、フィルムからの反射光又は散乱光を測定した。受光角45°となる位置での測定値(正反射光)と、−75°となる位置での測定値(−75°散乱光)から散乱/正反射比を算出した。
下記の表1〜表4に示す処方にて凹凸補正用油中水型化粧料(被験試料)を調製し、上記評価方法に従って各特性を評価した。上記評価項目(1)〜(5)の結果を表1〜4に併せて示す。また、評価項目(5)で実施した種々の受光角における測定結果を図1〜4に示す。
*1:商品名「酸化チタン ST−705SA」(チタン工業株式会社);球状 平均粒径300nm
*2:商品名「MT−014V」(テイカ社);紡錘状 平均粒径 短径35nm 長径90nm
*3:商品名「MICRO TITANIUM DIOXIDE MT−100TV」(テイカ社);針状、平均粒径 短径8nm 長径30nm
表1及び図1から明らかなように、球状酸化チタンを配合しない場合(比較例1)、球状酸化チタンに代えて別の白色顔料を用いた場合(比較例2〜4)、ジメチコンクロスポリマー又はシリカを配合しない場合(比較例5〜6)には、いずれも毛穴の目立ちを抑えることができなかった。
また、表2及び図2から明らかなように、球状酸化チタンの配合量が少なすぎる場合には毛穴の目立ちを抑えることができず(比較例7〜8)、球状酸化チタンの配合量が多すぎる場合には、隠蔽力は高いものの透明性が悪いため、満足な凹凸補正効果を得ることができなかった(比較例9)。
また、表3及び図3から明らかなように、シリカを配合しない場合には毛穴の目立ちを抑えることができず(比較例6)、シリカの配合量が多すぎる場合には、凹凸補正効果には優れるものの、さらさらした使用感触を得ることができなかった(比較例10)。
さらに、表4及び図4から明らかなように、ジメチコンクロスポリマーの配合量が少なすぎる場合には毛穴の目立ちを抑えることができず(比較例11〜12)、ジメチコンクロスポリマーの配合量が多すぎる場合には、毛穴の目立ちを抑えることができないことに加えて、使用感触も劣っていた(比較例13)。
これに対し、球状酸化チタン、ジメチコンクロスポリマー、シリカ、油分及び水を本発明に規定する量で配合した場合には、表1〜4及び図1〜4に示すとおり、全ての評価項目において優れた結果が得られた(実施例1〜6)。特に、透過率と散乱/正反射比とのバランスに優れているため、不自然なマット感を生じることなく、肌の凹凸を効果的に補正できることが確認された。
処方例
以下に、本発明の凹凸補正用油中水型化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。尚、配合量は全て製品全量に対する質量%で表す。
処方例1.乳化ファンデーション
(成分名) 配合量(%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 30
(2)ジメチコン 2.5
(3)フルオロ変性シリコーンレジン*4 2.5
(4)PEG/PPG−19/19ジメチコン 5
(5)ポリシリコーン−22*5
(6)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 9.2
(7)ジメチコンクロスポリマー 0.4
(8)球状疎水化酸化チタン 1
(9)ジメチルシリル化シリカ 1
(10)イオン交換水 残余
(11)エタノール 3
(12)トコフェロール 0.3
*4:商品名「XS66−B8636」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)
*5:商品名「KSP−441」(信越化学工業社)
処方例2.乳化ファンデーション
(成分名) 配合量(%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 22.7
(2)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 5.5
(3)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1
(4)ジメチコン 2.5
(5)オクチルメトキシシンナメート 1
(6)ポリエーテル変性シリコーン 2
(7)ジメチコンクロスポリマー 0.6
(8)ビスブチルジメチコンポリグリセリル−3 1.5
(9)セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
(10)フルオロ変性シリコーンレジン*4 2.5
(11)ジステアルジモニウムヘクトライト 1
(12)シリコーン処理中粒子酸化チタン 7
(13)疎水化処理酸化鉄 2.8
(14)シリコーン処理顔料級酸化チタン 9
(15)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.3
(16)PMMA球状粉末 1.5
(17)ポリシリコーン−22*5
(18)球状疎水化酸化チタン 2
(19)ジメチルシリル化シリカ 1.5
(20)ジプロピレングリコール 5
(21)イオン交換水 残余
(22)エタノール 3
(23)フェノキシエタノール 0.3
(24)EDTA−3NA.2HO 0.1
(25)L−グルタミン酸Na 1
処方例3.乳化ファンデーション
(成分名) 配合量(%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 23
(2)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 5.5
(3)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1
(4)ジメチコン 2.5
(5)オクチルメトキシシンナメート 1
(6)ポリエーテル変性シリコーン 2
(7)ジメチコンクロスポリマー 0.6
(8)ビスブチルジメチコンポリグリセリル−3 1.5
(9)セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
(10)フルオロ変性シリコーンレジン*4 2.5
(11)ジステアルジモニウムヘクトライト 1
(12)シリコーン処理中粒子酸化チタン 7
(13)球状疎水化酸化チタン 1
(14)シリコーン処理顔料級酸化チタン 7
(15)疎水化処理酸化鉄 3
(16)ジメチルシリル化シリカ 1
(17)ポリシリコーン−22*5
(18)ジプロピレングリコール 5
(19)イオン交換水 残余
(20)エタノール 3
(21)フェノキシエタノール 0.3
(22)EDTA−3NA.2H2O 0.1
(23)L−グルタミン酸Na 1

Claims (3)

  1. (a)平均粒径200〜400nmの球状酸化チタンを1.0〜3.0質量%、
    (b)ジメチコンクロスポリマーを0.2〜1.0質量%、
    (c)平均粒径10〜50nmのシリカを0.5〜2.0質量%、
    (d)油分を25〜70質量%、及び
    (e)水
    を含む凹凸補正用油中水型化粧料。
  2. (a)球状酸化チタンが表面を疎水化処理した球状酸化チタンである、請求項1記載の凹凸補正用油中水型化粧料。
  3. (c)シリカが表面を疎水化処理したシリカである、請求項1又は2記載の凹凸補正用油中水型化粧料。
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