JP5491742B2 - メークアップ化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、メークアップ化粧料、さらに好適には固形粉末化粧料、特にアイブロー、アイシャドー、アイライナーとして有用な化粧料に関する。
メークアップ化粧料、特にポイントメークアップは目、眉、唇、頬等に塗布し、陰影をつけたり、輪郭を明確にしたり、顔に立体感を与えたりする効果により、メークアップ後の顔を魅力的に見せるために使用される。特にアイライナー、アイシャドー、アイブロー等のアイメークアップ化粧料には目や眉の輪郭を明確にする効果が求められている。この理由から、これらのアイメークアップでは暗色系統の色彩、特に黒色系の色彩が汎用される。また、使用性の面から、形態としては固形粉末化粧料が用されている。固形粉末化粧料に配合される黒色顔料としてはいくつかのものが知られており、その代表的なものとしては黒色酸化鉄とカーボンブラックが挙げられる。黒色酸化鉄とカーボンブラックは、黒色としての色調効果も高く、各分野に於いて汎用されている原料であるが、これらの顔料は粒子どうしの凝集力が高いため、化粧料にこれらの顔料を単純に混合しただけの場合
には、化粧料中での分散性が悪く、最悪の場合には凝集を引き起こし、肌への塗布時の伸び、拡がりが悪化し、使用感がざらつくなどの弊害や、使用中に表面で化粧料が凝集を起こし、以後の使用が困難となる等の問題が生じる場合があった。また、これらの傾向はカーボンブラックの場合に特に著しく、近年では黒色顔料として黒色酸化鉄が汎用されている。その一方で黒色酸化鉄は、着色力そのものが低く、際だった黒色を具現化する為には、40質量%を越える高濃度で含有させることが必要であると言われている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、黒色酸化鉄は磁性体であることから、他の粉体と共分散しにくい、加圧成形すると圧縮して固まり、ブラシなどの化粧小道具を用いても取れてこないという欠点が存した。
これらの課題を解決するため、金属酸化物内部に黒色顔料を包含させたり(例えば、特許文献2を参照)、黒色顔料を板状粉体に被覆した複合顔料を配合したりして(例えば、特許文献3を参照)、固形粉末化粧料の使用性を向上させようとする試みがなされている。しかしながら、いずれも化粧料中での分散性を高め、凝集を防ぐ効果は改善したが、複合粉体であるが故に固形粉末化粧料に黒色顔料自体を高濃度含有せしめることができず、目及び眉の輪郭を際だたせる効果が充分でないという問題が生ずる場合があった。従って、使用性を損ねることなく黒色の色味を乗せることのできるポイントメークアップの開発が望まれていた。
一方、高濃度の黒色酸化鉄と鱗片状ガラスとを含有する化粧料は全く知られていなかったし、この様な構成を採用することにより、黒色酸化鉄を高濃度含有することに起因する使用性の損失も防げることは全く知られていなかった。
特開平10−231233号公報 再公表2005/028568号公報 特開昭62−115071号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、その使用性を損なうことなく、また、共分散性を有しつつ黒色酸化鉄を高濃度に含有する化粧料を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、黒色酸化鉄を、その使用感を損なうことなく、また、共分散性を有しつつ高濃度配合する技術を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、鱗片状ガラスの介在を利用することにより、この様な配合が為しうること見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1>1)黒色酸化鉄45〜80質量%と、2)鱗片状ガラス10〜20質量%とを含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
<2>前記鱗片状ガラスの平均粒径は5〜30μmであることを特徴とする、<1>に記載のメークアップ化粧料。
<3>分岐脂肪酸のエステル及び/又はトリグリセリドを1〜5質量%含有することを特徴とする、<1>又は<2>に記載のメークアップ化粧料。
<4>固形粉末化粧料であることを特徴とする、<1>〜<3>何れかに記載のメークアップ化粧料。
<5>アイブロー、アイシャドー、アイライナーのいずれかであることを特徴とする、<1>〜<4>何れかに記載のメークアップ化粧料。
本発明によれば、その使用感を損なうことなく、また、共分散性を有しつつ黒色酸化鉄を化粧料に含有させることができる。
(1)本発明の化粧料の必須成分である黒色酸化鉄
本発明の化粧料は、黒色酸化鉄を必須成分として含有することを特徴とする。かかる黒色酸化鉄はそのものを使用しても、表面処理を行ったものを使用しても良く、その選択は化粧料の剤形により、決定される。例えば、固形粉末化粧料であれば、その表面をハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付、シリル化処理等シリコーン処理された黒色酸化鉄を用いることが特に好ましい。このような黒色酸化鉄には既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することもできる。好ましい市販品としては、「マピコ合成酸化鉄BL−100」、「マピコ合成酸化鉄BL−500」(いずれもチタン工業株式会社製)等が例示できる。かかる成分は、化粧料に高配合することにより高い演色効果を有する。この様な効果を発揮するためには、かかる成分を化粧料全体に対して、45〜80質量%、より好ましくは50〜75質量%含有させることが好ましい。これは少なすぎると演色効果を奏しない場合が存し、多すぎると表面で化粧料の凝集が生じ、チップ等の化粧用具に、化粧料が取れなくなる等、化粧料としての品質を損なう場合が存する為である。
(2)本発明の化粧料の必須成分である鱗片状ガラス
本発明の化粧料は、鱗片状ガラスを必須成分として含有することを特徴とする。かかる鱗片状ガラスは、国際公開公報WO2007/119395号に開示されている、二酸化珪素が52質量%以上、アルカリ金属酸化物が5質量%以下の鱗片状体質顔料である。本発明の化粧料に用いる鱗片状ガラスの平均粒径は、コールターカウンターを用いて求めることができるが、5〜30μmが好ましく、10〜25μmがさらに好ましい。又、該鱗片状ガラスの表面はハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付、シリル化処理等シリコーン等で処理されていても良い。このような鱗片状ガラスには既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することもできる。かかる市販品としては、平均粒径が10μmの「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」、平均粒径が25μmの「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」、平均粒径が25μmでシリコーン処理された「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F12」(いずれも日本板硝子株式会社製)等が好ましく例示できる。かかる市販品は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。かかる成分は、前記黒色酸化鉄との共分散性に優れる為、かかる鱗片状ガラスと黒色酸化鉄とを混合して用いた場合、黒色酸化鉄を高濃度で良好な分散状態で化粧料に含有させることを可能ならしめる。この様な効果を発揮するためには、かかる成分を化粧料全体に対して、10〜20質量%、より好ましくは11〜18質量%含有させることが好ましい。前記該鱗片状ガラスの含有量が少なすぎると、固形粉末化粧料の場合、使用中に固形粉末化粧料の表面で化粧料の凝集が生じ、化粧料がチップ等の化粧用具に取れなくなってしまう場合が存し、多すぎるとざらつき等、使用感の低下が生じる場合が存するので好ましくない。他の剤形においても、黒色酸化鉄の共分散性の改善効果が損なわれる場合が存し好ましくない。さらに、かかる成分と前記黒色酸化鉄との質量比は、黒色酸化鉄1質量部に対して鱗片状ガラス0.15〜0.36質量部が適当である。また本発明の化粧料のうち、固形粉末化粧料においては、上記の条件を充足することによって、荷重2ポンドにおけるオルセン硬度計での針入硬度が16〜22、より好ましくは、18〜20に調整することが可能となる。かかる硬度値を有することにより、固形粉末化粧料表面で化粧料が凝集し、チップ等の化粧用具へ取れにくくなることを防ぎ、使用性を高める。なお、黒色酸化鉄を単純に高濃度含有させた固形粉末化粧料における針入硬度は15以下であり、凝集性が高い。
本発明の化粧料においては、かかる成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料で使用される任意成分を含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、赤酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ− 5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH 、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの内、特に好ましい成分としては、分岐脂肪酸のエステル及び/又はトリグリセライドが好適に例示でき、かかる分岐脂肪酸残基としては、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸などが好ましく例示でき、2−エチルヘキサン酸残基、イソノナン酸残基、イソステアリン酸残基が特に好ましい。また、アルコール残基としては、セチルアルコール残基、イソノニルアルコール残基等が好適に例示できる。具体的な成分としては、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸トリグリセリドなどが好適に例示できる。かかる成分は、1〜5質量%含有することが好ましい。これらの必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、本発明の化粧料は製造できる。
以下に、本発明について、さらに詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことはいうまでもない。
<実施例1及び2
表1に示す処方に従って、本発明の固形粉末化粧料を製造した。即ち、処方成分イをヘンシェルミキサーで混合し、しかる後に、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーに仕込み、これを攪拌下、処方成分ロを噴霧してコーティングし、これを、1.5mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填して加圧成形し、本発明の固形粉末化粧料である、アイシャドー1(実施例1)を得た。同様に操作して、アイシャドー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を11質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを10.9質量%としたアイシャドー2(実施例2)、アイシャドー1の「マピコ合成酸化鉄BL−500」を40質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを38.9質量%とした比較例1、アイシャドー1の「マピコ合成酸化鉄BL−500」を82質量%にし、「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を11質量%とした比較例2、アイシャドー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径
が80μmである鱗片状ガラスの市販品「メタシャインMC1080RS」(日本板硝子株式会社製)に置換したアイシャドー3(参考例1)、アイシャドー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径が20μmである雲母チタンに置換したアイシャドー4(参考例2)、アイシャドー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」をトリメトキシシリルジメチコン処理タルクに置換した比較例3も作製した。
Figure 0005491742
<実施例5、6>
表2に示す処方に従って、実施例1と同様に、本発明の固形粉末化粧料である、アイシャドー5を得た。同様に操作して、アイシャドー5の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」を11質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを10.9質量%としたアイシャドー6(実施例6)、アイシャドー5の「マピコ合成酸化鉄BL−500」を40質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを38.9質量%とした比較例4、アイシャドー5の「マピコ合成酸化鉄BL−500」を82質量%にし、「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」を11質量%とした比較例5も作製した。
Figure 0005491742
<実施例7及び8
表3に示す処方に従って、実施例1と同様に、本発明の固形粉末化粧料である、アイシャドー7(実施例7)を得た。同様に操作して、アイシャドー7の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を11質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを35.9質量%としたアイシャドー8(実施例8)、アイシャドー7の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径が80μmである鱗片状ガラスの市販品「メタシャインMC1080RS」(日本板硝子製)に置換したアイシャドー9(参考例3)、アイシャドー7の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径が20μmである雲母チタンに置換したアイシャドー10(参考例4)も作製した。
Figure 0005491742
<実施例11、12>
表4に示す処方に従って、実施例1と同様に、本発明の固形粉末化粧料である、アイシャドー11(実施例11)を得た。同様に操作して、アイシャドー11の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」を11質量%にし、トリメトキシシリルジメチコン処理タルクを35.9質量%としたアイシャドー12(実施例12)も作製した。
Figure 0005491742
<試験例1>アイシャドーの連続使用テスト。
実施例1、2、5、6、7、8、11、12、参考例1〜4及び比較例1〜5のアイシャドーの表面をチップにて何度もこすり続け、連続使用におけるアイシャドーのチップへの取れ性を評価した。実施例1、2、5、6、7、8、11、12、参考例1〜4、比較例1及び4においてはアルミ中皿の底がみえるまで問題なく使用できたが、比較例2、3及び5においては表面に凝集体(いわゆるてかり)ができ使用途中でチップの取れ量が著しく低下し、使用不可能となった。
<試験例2> アイシャドーの官能評価
実施例1、2、5、6、7、8、11、12、参考例1〜4、比較例1及び4のアイシャドーを上瞼に塗布した場合の使用感を評価した。すなわち熟練した評価者5名により実施例1、2、5、6、7、8、11、12、参考例1〜4、比較例1及び4のアイシャドーを使用した場合の仕上がりを以下の観点で評価し5名の平均点を評点とした。結果を表5に示す。また、荷重2ポンドでのオルセン針入硬度を併せて表5に示す。
Figure 0005491742
試験例1、2より、本発明のアイシャドーは色味の黒さ及び肌への付き方ともに優れた効果を有し、かつアイシャドー表面での凝集体(いわゆるてかり)の発生により使用性が低下する等の問題も生じず、使用性及びメークアップとしての演色性ともに優れることが確認された。
本発明はメークアップ化粧料、特にアイブロー、アイシャドー、アイライナーに有効に活用できる。

Claims (4)

  1. 1)黒色酸化鉄45〜80質量%と、2)平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス10〜20質量%とを含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
  2. 分岐脂肪酸のエステル及び/又はトリグリセリドを1〜5質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載のメークアップ化粧料。
  3. 固形粉末化粧料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のメークアップ化粧料。
  4. アイブロー、アイシャドー、アイライナーのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
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