JP6715044B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents
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一方、化粧料塗布時の清涼感、肌への密着感、化粧持続性等を向上させるために、小道具に水を含ませて使用することができる固形粉末化粧料も上市されている。水使用するタイプは、通常、界面活性剤が配合されているため、水を含んだ小道具で使用すると、塗擦時に乳化状態となり密着感のある仕上がりとなる。
また、乾いた小道具でも、水を含ませた小道具でもどちらでも使用することができる両用ファンデーションは、季節を問わず好みに合わせて使い分けることができ、現在では固形粉末ファンデーションの主流である。
しかし、特許文献1のフッ素油剤を配合する方法では肌へのつっぱり感は解消されるものの、水を含ませた小道具への化粧料の移り具合は悪く、肌上に形成される化粧膜の均一性が良好ではなかった。特許文献2のシリコーン系油剤を多量に配合する方法及び、特許文献3のシリコーン系ゴム粉体を配合する方法でも肌上への伸び広がりは良くなるものの、付着力が良好ではないため水が揮発した後、粉っぽくなるなど、化粧の持続性という点においても充分満足させることはできなかった。
(a)疎水化処理粉末 5.0〜90.0質量%
(b)炭酸カルシウム、及び/または硫酸カルシウム 5.0〜50.0質量%
(c)イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤 0.01〜5.0質量%
(d)フィトステロール脂肪酸エステル 0.1〜10.0質量%
(e)ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソペンチルジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールから選ばれる1種または2種以上を0.1〜5.0質量%
を含有し、水を用いて使用することを特徴とする固形粉末化粧料である。
さらに上記(d)フィトステロール脂肪酸エステルが、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)であることが好ましい。
本発明に用いられる疎水化処理粉末(a)は、表面がシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理された粉体を使用することができる。上記疎水化処理粉末は数多く市販され、汎用されている。疎水化処理の主目的は、水濡れによる色くすみ抑制、分散性向上、官能特性向上、湿潤性向上、粉塵性防止、表面活性抑制等が挙げられる。上記疎水化処理粉末のうち、特にシリコーン類によって処理された粉末を配合すると、肌への伸びがよく化粧膜が均一になるため好ましい。ジメチコン処理であるとさらに好ましい。
上記疎水化処理粉末(a)としては、上述したもののうち、2種以上を併用して使用するものであってもよい。更に疎水化処理を行っていない粉末を上記疎水化処理粉末と併用して使用するものであってもよい。
評価方法:水を含ませた小道具へのとれ、塗布時の伸び、化粧膜の均一さ(ムラ付きでないか)、つっぱり感がなく保湿感を感じるか、化粧持続性について化粧品評価専門パネル20名に実施例および比較例の化粧料を使用してもらい、各項目で各自が以下の基準に従って5段階評価し、化粧料毎に評点を付し、さらに全パネルの評点の平均点を以下の4段階の判定基準に従って判定した。尚、化粧持続性については、化粧料塗布直後の状態と塗布後5時間(日常生活)の状態を比較した。
評価結果 : 評点
非常に良好: 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
(判定基準)
評点の平均点 : 判定
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満: ○
1.5以上〜3.5未満: △
1.5未満 : ×
表1、2に示した各原料を用いて以下に示す製法に従って固形粉末化粧料を製造した。
A. 油剤成分19〜26を75℃に加熱溶解し、均一に分散する。
B. 粉末成分1〜18をヘンシェルミキサーで均一に分散する。
C. Bをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、Aを添加し、均一分散して化粧料基剤を得る。
D. Cの化粧料基剤を加圧成型しパウダーファンデーションを得た。
*1 タルクJA−46R (浅田製粉社製)
*2 SA−タルクJA−46R (三好化成社製)
*3 セリサイトFSE (三信鉱工社製)
*4 SA−セリサイトFSE (三好化成社製)
*5 FHS−3 セリサイトFSE (大東化成工業社製)
*6 SA−チタンCR−50(80%) (三好化成社製)
*7 CR−50 (石原産業社製)
*8 SI−2チタンMT−500SA (大東化成工業社製)
*9 SIRS−4 ZnO−610 (大東化成工業社製)
*10 TISG-2 (HLB 3) (日本エマルジョン社製)
*11 SI-10RV (HLB 5) (日光ケミカルズ社製)
*12 レオドール TW−O120V (HLB 15) (花王社製)
(1) アシルグルタミン酸塩3.5%処理酸化鉄 0.35
(2) アシルグルタミン酸塩3.5%処理群青 0.05
(3) アシルグルタミン酸塩3.5%処理タルク(*13) 残量
(4) アシルグルタミン酸塩3.5%処理マイカ(*14) 20.00
(5) アシルグルタミン酸塩3.5%処理 酸化チタン(70%)・タルク(30%)混合品
(*15)
2.00
(6) 硫酸カルシウム・二水塩 5.00
(7) (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 5.00
(8) 窒化ホウ素 3.00
(9) パラベン 0.30
(10)ワセリン 0.50
(11)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 1.00
(12)ジメチコン(20cs) 2.00
(13)イソノナン酸イソノニル 1.00
(14)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 3.50
(15)イソステアリン酸ポリグリセリル−2(*16) 1.00
(16)トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(*10) 1.00
(17)1,3−ブチレングリコール 1.00
*13 NAI‐タルクJA‐46R(三好化成社製)
*14 NAI−セリサイトFSE(三好化成社製)
*15 NAI−チタンCR‐50(70%)(三好化成社製)
*16 NIKKOL DGMIS (HLB 5.5)(日光ケミカルズ社製)
(製法)上記実施例1〜4、参考例5及び比較例1〜7と同様の方法で固形白粉を得た。
(1) パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3.0%処理酸化鉄 6.30
(2) ジメチコン2.0%処理赤色226 0.50
(3) アシルグルタミン酸塩3.5%処理タルク(*13) 残量
(4) ジメチコン2.0%処理合成金雲母(*17) 10.00
(5) ジメチコン2.0%処理雲母チタン(*18) 4.00
(6) 硫酸カルシウム・二水塩 30.00
(7) ミリスチン酸亜鉛 2.00
(8) 窒化ホウ素 1.00
(9) (ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー 1.00
(10)シリカ 1.00
(11)リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
(12)水添ポリデセン(*19) 3.00
(13)ジメチコン(20cs) 2.00
(14)イソノナン酸イソノニル 1.00
(15)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2.00
(16)イソステアリン酸ソルビタン(*11) 1.00
(17)ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2(*20) 0.50
*17 SA‐合成マイカ9WB(三好化成社製)
*18 SA‐ティミロンMP‐115(三好化成社製)
*19 ノムコートHP−100(日清オイリオ社製)
*20 DISG−2 (HLB4)(日本エマルジョン社製)
(製法)上記実施例1〜4、参考例5及び比較例1〜7と同様の方法で頬紅を得た。
(1) ジメチコン2.0%処理酸化鉄 8.00
(2) ジメチコン2.0%処理赤色226 0.20
(3) タルク(*21) 残量
(4) アシルグルタミン酸塩3.5%処理マイカ(*14) 10.00
(5) ジメチコン2.0%処理ベンガラ被覆雲母チタン(*22) 20.00
(6) ジメチコン2.0%処理雲母チタン(*23) 8.00
(7) 硫酸カルシウム・半水塩 18.00
(8) 軽質炭酸カルシウム 15.00
(9) シリカ球状粉末 1.00
(10)マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 1.00
(11)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 1.00
(12)リンゴ酸ジイソステアリル 4.00
(13)イソステアリン酸ソルビタン(*11) 0.50
(14)ジプロピレングリコール 1.00
(15)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.00
*21 タルクJA−13R(浅田製粉社製)
*22 SA‐クロイゾネゴールド(三好化成社製)
*23 SA‐ティミロン スーパーグリーン(三好化成社製)
(製法)上記実施例1〜4、参考例5及び比較例1〜7と同様の方法でアイシャドウを得た。
Claims (3)
- 次の成分(a)〜(e)
(a)疎水化処理粉末 5.0〜90.0質量%
(b)炭酸カルシウム、及び/または硫酸カルシウム 5.0〜50.0質量%
(c)イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤
0.01〜5.0質量%
(d)フィトステロール脂肪酸エステル 0.1〜10.0質量%
(e)ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソペンチルジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールから選ばれる1種または2種以上を0.1〜5.0質量%
を含有し、水を用いて使用することを特徴とする固形粉末化粧料。 - (d)フィトステロール脂肪酸エステルが、
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリルから選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の固形粉末化粧料。 - (d)フィトステロール脂肪酸エステルが、
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)である請求項1記載の固形粉末化粧料。
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