JP7248533B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体を含有する油中水型乳化化粧料に関する。
粉体成分を含有するファンデーション、コンシーラー、サンスクリーンなどの化粧料には、油中水型乳化物の剤形がしばしば採用される。油中水型乳化化粧料は、肌上に疎水性被膜を形成するため、ファンデーションやコンシーラー等のベースメイク化粧料として適している。
なかでもコンシーラーは、ベースメイクとして、ファンデーションやフェイスカラーの代わりに使われることがあり、その特性について多くの要望がある。
コンシーラーは、特に肌になじませることが重要である。コンシーラーを肌になじませる際には、隠したい部分をこするのではなく、指の腹で軽く叩くことが重要だといわれている。しかし肌に塗布した際の感触の重さやべたつきといった使用感の悪さ、ムラやヨレ、或いは配合した粉体がシワや毛穴に落ち込んで目立つこと等、化粧仕上がりの不均一性が指摘される。
このような粉体を配合した、油中水型乳化形態のコンシーラー等の好ましい処方について、多数の提案がなされている。
特許文献1には、肌への密着性、化粧膜の柔軟性に優れ、化粧持続性及び粉体分散性が良好な油中水型乳化化粧料として、(a)キャンデリラワックスより分別抽出して得られた樹脂分、(b)疎水化処理粉体、(c)特定のシリコーン系界面活性剤、(d)揮発性シリコーン油を含有するファンデーション、コンシーラー、日焼け止め化粧料、アイカラー等が開示されている。
特許文献2には、塗布中に筋むら(よれ)ができにくく、肌に素早く密着させることができ、しかも、毛穴カバー力に優れ、塗布後の肌が均一で、乾燥感のない肌に仕上がる油中水型乳化化粧料として、(A)シリコーン樹脂球状弾性粉体 0.1~30質量%、(B)脂肪酸の炭素数が18~22のデキストリン脂肪酸エステル 0.1~10質量%、(C)不揮発性のフェニル変性シリコーン 0.1~10質量%、(D)揮発性シリコーン油 0.1~30質量%を含有するファンデーションが開示されている。
特許文献3には、べたつきにくく、化粧膜が均一で、塗布時ならびに経時で毛穴落ちしにくく、メイクアップ時の仕上がりを損なうことのない品質をもったファンデーション等のベースメイク化粧料として、揮発性油剤、シリコーン界面活性剤、疎水性粉体、シリコーン鎖を有する皮膜形成剤、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する油中水型乳化化粧料が記載されている。
特許文献4には、密着感(化粧とまり感)に優れ、耐水性および耐油性のある油中水型乳化化粧料が記載されている。この化粧料は、粉体とシリコーンオイル、シリコーンレジン、シリコーン系界面活性剤、および水溶性高分子を含有し、ファンデーション等に利用可能である。
特許文献5には、(A)HLB値6以下であり、25℃で液状の多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤、(B)水添ポリイソブテンを粉体含有油中水型乳化化粧料の総量を基準として5~20質量%、及び(C)シリコーン系皮膜形成剤を含有する粉体含有油中水型乳化化粧料が開示されている。この化粧料は、ファンデーションやメイクアップベースとして利用可能である。
しかしこれらの工夫をした化粧料であっても、コンシーラーなど特定の部位に厚く塗るような化粧料では、感触の重さやべたつきといった使用感の悪さや、ムラやヨレまた粉体がシワや毛穴に落ち込み目立つなど仕上がりが不均一になってしまう傾向があった。
特許第4919543号公報 特開2017-114831号公報 特開2017-178887号公報 特許第5576100号公報 特許第6147002号公報
本発明者は、粉体を含有する油中水型乳化化粧料の感触の重さやべたつきといった使用感の悪さや、ムラやヨレまた粉体がシワや毛穴に落ち込み目立つなど仕上がりが不均一になってしまう傾向を改善するための様々な試行錯誤を繰り返し行った結果、このような問題を解決するためには、配合する粉体とマルチトールの組み合わせが重要であることを見出した。
すなわち、本発明は、粉体を含有する油中水型乳化化粧料において、仕上がりの均一性や化粧持ちに優れ、さらには感触が軽く、べたつかない使用感をもった油中水型乳化化粧料を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)粉体として次の(A)と(B)を含有し、(C)マルチトールを含有する油中水型乳化化粧料。
(A)微粒子酸化亜鉛
(B)板状硫酸バリウム
(2)(B)板状硫酸バリウムは、酸化チタンとの複合体である(1)に記載の油中水型乳化化粧料。
本発明により、粉体含有油中水型乳化化粧料であって、仕上がりの均一性や化粧持ちに優れ、さらには感触が軽くべたつかず使用感にも優れたメイクアップ化粧料が提供される。
本発明の油中水型乳化化粧料は、特にファンデーションなどのベースメイク化粧料や化粧下地、或いはコンシーラーなどの化粧料に適している。
本発明の粉体を含有する油中水型乳化化粧料の構成成分(配合成分)について説明する。
本発明の油中水型乳化化粧料には、粉体として(A)微粒子酸化亜鉛および(B)板状硫酸バリウムを配合する。
(A)微粒子酸化亜鉛
本発明で用いる(A)微粒子酸化亜鉛は、粒子径が0.1μm以下が好ましい。(A)微粒子酸化亜鉛の粒子径としては、0.01~0.1μmが好ましく、0.01~0.08μmがより好ましく、0.02~0.06μmがさらに好ましい。
ここでいう粒子径は、電子顕微鏡による観察によって測定したFeret定方向接線径の数平均粒子径として求めることができる。
本発明で用いる微粒子酸化亜鉛は、粒子の表面処理が行なわれているものであっても良いし、行なわれていないものであっても良い。微粒子酸化亜鉛は、分散性を高めるために、疎水化処理しても良く、その疎水化処理手段としては、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、N-アシルアミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリル樹脂処理、ウレタン樹脂処理等の表面処理が挙げられる。
微粒子酸化亜鉛を疎水化処理した場合、粒子径は、疎水化処理後のものを意味する。
本発明の微粒子酸化亜鉛は市販品を用いても良い。例えば、化粧品原料として市販されている微粒子酸化亜鉛として、テイカ株式会社製のMZ-300、MZ-500,MZ-306X、MZ-506X、堺化学工業株式会社製のFINEX-30、FINEX-50, FINEX-30S-LP2、FINEX-50S-LP2などを例示できる。
成分(A)の微粒子酸化亜鉛は、1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明の油中水型乳化化粧料の成分(A)の含有量は、特に限定されない。微粒子酸化亜鉛は、紫外線防御効果を有していることが知られており、本発明においてもその作用は発揮される。本発明の油中水型乳化化粧料を例えば紫外線防御効果を目的とする化粧下地などにする場合は、(A)微粒子酸化亜鉛が油中水型乳化化粧料あたり、0.1質量%以上であることが好ましく、0.1質量~20質量%がより好ましく、1~20質量%が一層好ましい。
ファンデーションやコンシーラーとする場合は、油中水型乳化化粧料あたり、0.1~20質量%が好ましく、1~10質量%がさらに好ましく、1.5~5質量%が特に好ましい。
(B)板状硫酸バリウム
本発明で用いる(B)板状硫酸バリウムは、通常化粧品で用いられるものであれば、粒径・アスペクト比等は特に限定されない。(B)板状硫酸バリウムは、板状硫酸バリウム単体であっても良いが、他の粉体成分と複合化した複合粉体となったものがさらに好ましい。市販の化粧品原料であれば本発明に使用可能である。
単体としての板状硫酸バリウムの市販品としては、堺化学工業株式会社製の板状硫酸バリウムH、板状硫酸バリウムHM、板状硫酸バリウムHGを例示できる。また、他の粉体と複合化した複合粉体としては、三好化成工業株式会社製のMiyoHAZE BT(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理し、さらにその表面に硫酸バリウムを被覆した複合粉体)、MiyoHAZE BT―SA(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理し、さらにその表面に硫酸バリウムを被覆した複合粉体に、さらにシリコーンで疎水化処理を行った複合粉体)などを例示できる。また板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理した複合粉体(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで被覆処理)として、日本光研工業株式会社製のSILSEEM BT-HLWを例示できる。
成分(B)の板状硫酸バリウムは、1種又は2種以上を用いることができる。
板状硫酸バリウムの粒子径は、好ましくは1~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは7~20μm、一層好ましくは10~20μmである。
ここでいう粒子径は、電子顕微鏡による観察によって測定した長軸径の数平均粒子径、及びレーザー回折法によって測定した粒度分布における体積基準でのメジアン径(D50)として求めることができる。いずれかの測定値が上記範囲に入ればよい。単体としての板状硫酸バリウムは、電子顕微鏡の画像より求めた長軸径の数平均粒子径が好ましくは1~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは7~20μm、一層好ましくは10~20μmである。複合粉体である板状硫酸バリウムは、レーザー回析法により求めた体積基準でのメジアン径(D50)が好ましくは1~30μm、より好ましくは5~25μm、さらに好ましくは10~20μmである。
本発明の油中水型乳化化粧料の板状硫酸バリウムの含有量は特に限定されない。油中水型乳化化粧料あたり、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がさらに好ましく、1.5~5質量%が特に好ましい。
(C)マルチトール
本発明の油中水型乳化化粧料には、(C)マルチトールを配合する。
本発明の油中水型乳化化粧料に配合するマルチトールは、化粧品に通常配合される成分であれば使用可能である。市販品としては、三菱商事フードテック株式会社製のアマルティMR50、アマルティMR100、アマルティシロップなどを例示できる。
本発明の油中水型乳化化粧料には、マルチトールを油中水型乳化化粧料全量あたり0.1~7質量%、好ましくは0.5~6質量%、より好ましくは1~6質量%、特に好ましくは1~5質量%配合すると好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料には、粉体として(A)微粒子酸化亜鉛および(B)板状硫酸バリウムを配合すること、(C)マルチトールを配合することが必須である。一般的に油中水型の乳化化粧料とするために通常配合される成分として油、乳化剤、水が挙げられるが、本発明においても油、乳化剤、水を配合する。
また本発明の油中水型乳化化粧料は、常法により調製できる。すなわち油相に水相を投入して調製する。このとき(A)微粒子酸化亜鉛および(B)板状硫酸バリウム、油、乳化剤は油相に配合し、(C)マルチトールは水とともに水相とする。任意成分は均一に混ざりやすい相に入れればよい。其々の相を均質にしてから油相に水相を投入し、ホモミキサー等の撹拌混合装置により乳化する。
本発明の粉体を含有する油中水型乳化化粧料には、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、任意で油(シリコーン油、植物油、エステル油など)、乳化剤、被膜形成剤、増粘剤、滑沢剤、抗酸化剤、多価アルコール、塩類、(A)・(B)以外の顔料、抗菌剤、防腐剤、色素、香料などを適宜配合することができる。シリコーン油としてはシクロペンタシロキサン(揮発性シリコーン油)、メチルトリメチコン(揮発性シリコーン油)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(不揮発性シリコーン油)など、エステル油としては、ネオペンタン酸イソステアリル(不揮発性エステル油)、トリイソステアリン(不揮発性エステル油)など、乳化剤としてはトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなど、皮膜形成剤としては(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、トリメチルシロキシケイ酸など、増粘剤としては(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーなど、滑沢剤としては(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーなど、抗酸化剤としてはトコフェロールなど、多価アルコールとしては、BG、グリセリン、ペンチレングリコールなど、塩類としては塩化Naなどを例示できる。(A)・(B)以外の顔料としては、タルク、微粒子ではない酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、マイカなどを例示できる。
なお本発明の油中水型乳化化粧料にはシリコーン油を配合すると好ましく、揮発性シリコーン油を配合するとさらに好ましい。メチルトリメチコンを含む揮発性シリコーン油を配合すると一層好ましい。揮発性シリコーン油は、全油量に対し、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上配合する。また、メチルトリメチコンは、揮発性シリコーンの中でも揮発速度が速い成分なので、本発明に配合すると、油(不揮発性油)に由来するべたつき感が低減されるので好ましい。メチルトリメチコンの配合量は、揮発性シリコーン油あたり40質量%以上配合することが好ましい。
微粒子酸化亜鉛は、紫外線防御効果を有していることが知られており、本発明のA成分である微粒子酸化亜鉛もその作用を発揮する。本発明の構成において、A成分の微粒子酸化亜鉛を1~20質量%配合し、さらに任意で日焼け止め効果を高める他の粉体成分(例えば酸化チタンなど)を1~30質量%配合して、本発明の構成(A+B+C)をとると、使用感が良好な日焼け止め効果のある化粧料(日焼け止め化粧下地など)とすることができる。A成分の微粒子酸化亜鉛と酸化チタンなどの粉体を組み合わせて配合すると、紫外線吸収剤を配合しなくても十分に日焼け止め効果が得られる。紫外線吸収剤は不揮発性油でありべたついた使用感の原因になりやすい油として第一に挙げられる成分である。本発明において、特にべたついた使用感にしたくない場合には、紫外線吸収剤などの不揮発性油の配合量を化粧料全量に対し、2質量%以下にすると好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、コンシーラー等のメイクアップ化粧料や日焼け止め化粧下地、サンスクリーン化粧料等の日焼け防止用化粧料として有用である。特にコンシーラー、ファンデーション、日焼け止め化粧下地として有用である。
次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお本発明の油中水型乳化化粧料は、これらに限定されるものではない。
1.実施例および比較例の化粧料の調製
下記表1に示す組成の油中水型乳化化粧料(コンシーラー)を常法により調製した。得られた油中水型乳化化粧料は、スクイズ容器に充填した。
Figure 0007248533000001
なお、表1に示す配合成分のうち、*印のついた成分は、下記の市販品を用いた。
*1:テイカ(株)製、MZ-303M*
*2:三好化成(株)製、MiyoHAZE BT-SA**
*3:三好化成(株)製、MiyoHAZE BT**
*4:日本光研工業(株)製、SILSEEM BT-HLW**
*5:堺化学工業(株)製、板状硫酸バリウムH***
*6:堺化学工業(株)製、板状硫酸バリウムHM***
*7:堺化学工業(株)製、板状硫酸バリウムHG***
*8:堺化学工業(株)製、XZ-3000F-LP***
*9:テイカ(株)製、MTY-100SAS*
*10:堺化学工業(株)製、超微粒子硫酸バリウムBF-1H***

なお、表1の粒子径はそれぞれ以下の方法にて測定した値を記載した。
*透過型電子顕微鏡の画像よりFeret定方向接線径の数平均径
**レーザー回折法により体積基準でのメジアン径(D50)
***走査型電子顕微鏡の画像より長軸径の数平均径
2.化粧料の評価
(1)官能評価
専門の官能評価員3名が、実施例、比較例の各試験試料(コンシーラー)を、通常使用時の適量と言われる米粒1個分を、前腕内側もしくはクマやくすみの気になる目もとに、スクイズ容器から滴下し、これを塗布して以下5項目について評価した。具体的には、<使用感;密着感、感触の軽さ、べたつきのなさ>と、<仕上がり;均一性、化粧持ち>の5項目について、以下の基準で評価し、3名の合計点により判定を行った。なお、化粧持ちの評価のみ、塗布してから3~4時間後の状態を評価し、それ以外の評価項目は塗布直後に評価した。
<使用感>
・密着感(肌なじみ・指止まりの早さ)
早い 5点
やや早い 4点
どちらとも言えない 3点
やや遅い 2点
遅い 1点
・感触の軽さ
軽い 5点
やや軽い 4点
どちらとも言えない 3点
やや重い 2点
重い 1点
・べたつきのなさ
全くべたつかない 5点
あまりべたつかない 4点
どちらとも言えない 3点
ややべたつく 2点
べたつく 1点
<仕上がり>
・均一性
シワ目立ち・ムラが全くない 5点
シワ目立ち・ムラがあまりない 4点
どちらとも言えない 3点
シワ目立ち・ムラがややある 2点
シワ目立ち・ムラがある 1点
・化粧持ち
化粧崩れが全くない 5点
化粧崩れはあまりない 4点
どちらとも言えない 3点
化粧崩れが目立つ 2点
化粧崩れが目立ち、化粧直しが必要である 1点
<効果判定基準>
各評価項目とも官能評価員3名の合計点(15点満点)を、以下の基準で効果判定した。
14点以上:非常に優れている◎
10~13点:優れている○
7~9点:やや劣る△
6点以下:劣る×
(2)官能評価試験の結果
各項目の評価結果を表1の下段に示した。
(A)微粒子酸化亜鉛の配合効果の確認
実施例1は、(A)微粒子酸化亜鉛(0.035μm)、(B)板状硫酸バリウム、(C)マルチトールを含む組成の油中水型乳化化粧料である。
実施例1の組成から、(A)微粒子酸化亜鉛に替えて、微粒子ではない板状酸化亜鉛(3μm)を含む組成の比較例1、他の微粒子金属酸化物である微粒子酸化チタン(0.015μm)を含む組成の比較例2、タルクを多く配合した組成の比較例3の油中水型乳化化粧料について、前記5項目を評価した。実施例1、比較例1~3の評価結果より、(A)微粒子酸化亜鉛を含まない比較例1~3では、全ての項目で評価が劣っていた。この結果から(A)微粒子酸化亜鉛の配合は、<使用感>と<仕上がり>に有効であることが明らかとなった。
(B)板状硫酸バリウムの配合効果の確認
ここでは、(1)と(2)に分けて(B)板状硫酸バリウムの配合効果を示す。(1)では(B)板状硫酸バリウムを配合しない組成の化粧料を評価し、(2)では(B)板状硫酸バリウムの種類を変えた組成の化粧料を評価した。
(1)(B)板状硫酸バリウム成分の配合効果の確認
実施例1の組成から、(B)成分に替えて、タルクを多く配合した組成の比較例6、板状ではなく微粒子の硫酸バリウム含む組成とした比較例7の油中水型乳化化粧料について、5項目を評価した。
実施例1と比較例6、7の評価結果から、(B)板状硫酸バリウムを含まない比較例6、比較例7の組成は、全ての項目で評価が劣っていた。この結果から(B)成分の配合は、<使用感>と<仕上がり>に有効であることが明らかとなった。
(2)(B)板状硫酸バリウムの種類(複合化、粒子径、疎水化処理)の違いによる効果の確認
板状硫酸バリウムの種類として、他の粉体との複合化の有無、粒子径に着目して(B)成分を選定した。複合化した(B)成分を配合しているのは実施例1~4であり、実施例1(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理し、さらにその表面に硫酸バリウムを被覆した複合粉体に、さらにシリコーンで疎水化処理を行った複合粉体)、実施例2(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理し、さらにその表面に硫酸バリウムを被覆した複合粉体であって疎水化処理はしていない複合粉体)、実施例3(実施例1と同一の複合粉体)、実施例4(板状硫酸バリウムを二酸化チタンで被覆処理した複合粉体)である。
粒子径については、複合化していない板状硫酸バリウム(単体)を配合した実施例5~7の油中水型乳化組成物を評価した。実施例5~7に配合した板状硫酸バリウム(単体)の粒子径は、実施例5(7μm)、実施例6(10μm)、実施例7(20μm)である。実施例1~4に配合した複合化した板状硫酸バリウムの粒子径は、実施例1~3が10μm、実施例4が20μmである。
これら実施例1~7の油中水型乳化化粧料を、前記の評価方法と同様にして5項目を評価した。
(粒子径)
実施例5~7の評価結果をみると、実施例6及び実施例7の仕上がりの均一性の評価が「◎」評価であるのに対し、実施例5は、「〇」評価となった。仕上がりの均一性の「〇」評価は実使用で大きな問題となるレベルではないが、特に仕上がりを重要視する場合には、(B)成分の板状硫酸バリウムの粒子径としては、10~20μmとすることが特に好ましいと判断した。実施例1~7の評価結果からも(B)成分の板状硫酸バリウムの粒子径としては、10~20μmとすることが特に好ましいと判断した。
(複合化)
また実施例1と実施例4~7の組成の評価結果を対比すると、実施例1は全評価項目が「◎」評価となった。一方、実施例5は全ての評価項目が「○」評価となった。また、実施例6及び実施例7は、仕上がりの均一性の評価のみ「◎」となった。さらに実施例4は、べたつきのなさが「◎」評価となった。このように板状硫酸バリウムの種類(複合化の有無)を変えることで、<使用感>、<仕上がり>の評価結果が若干変化した。実施例において、5項目に×評価や△評価がなされたものはなかったことから、(B)成分の板状硫酸バリウムとしては、板状硫酸バリウム単体、板状硫酸バリウムを二酸化チタンで被覆処理した複合粉体、板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理しさらにその表面に硫酸バリウムを被覆した複合粉体のいずれを用いても好ましいが、板状硫酸バリウムを二酸化チタンで処理し、さらにその表面を硫酸バリウムで被覆した複合粉体を用いると特に好ましい効果が得られることが分かった。
(疎水化処理)
実施例1と実施例2の組成は、(B)成分の板状硫酸バリウム粒子の表面を疎水化処理(シリコーン処理)したかどうかに違いがある。実施例1(シリコーン処理した板状硫酸バリウムの複合粉体)と実施例2(シリコーン処理していない板状硫酸バリウムの複合粉体)をそれぞれ5項目について評価した結果、いずれも全ての評価項目が「◎」であった。(B)成分である板状硫酸バリウム粒子の表面の疎水化処理に関しては、疎水化処理をしたもの、していないもの、いずれも本発明の(B)成分として好ましいことが分かった。
(C)マルチトールの配合効果確認
ここでは、(1)と(2)に分けて(C)マルチトールの配合効果を説明する。(1)では(C)マルチトールを配合したか否かの組成の化粧料を評価し、(2)では(C)マルチトールの配合量を変えた組成の油中水型乳化化粧料を評価した。
(1)(C)マルチトールの配合効果
実施例1の配合組成において、マルチトールに替えて、ソルビトールを含む組成とした比較例4、グリセリンを多く含む組成とした比較例5の油中水型乳化化粧料を調製し、同様にして5つの項目を評価した。実施例1と比較例4、5の評価結果を対比すると、(B)成分のマルチトールを配合しない組成の比較例4、5は、全ての評価項目が劣っていた。
この結果から(C)マルチトールの配合は、<使用感>と<仕上がり>に重要な役割を果たしているものと判断した。
(2)(C)マルチトールの配合量
実施例1はマルチトールを1.5質量%含有する組成、実施例3はマルチトールを5.25質量%含有する組成である、実施例1及び実施例3の評価結果を対比すると、実施例3では感触の軽さの評価が「○」、べたつきのなさの評価が「○」となった。一方実施例1は、全ての項目で「◎」評価であった。マルチトールの量が多くなると、感触の軽さやべたつきで少し劣るという結果であったが、この2項目(べたつきのなさ、感触の軽さ)の「〇」評価は、実使用では問題とならないレベルであった。したがって、(C)マルチトールの配合量は、1~6質量%配合すると好ましいと判断した。そして、特にべたつきのなさを重要視する場合には、(C)成分のマルチトールの配合量としては、1~5質量%とすることが好ましいと判断した。
以下に本発明の処方例を示す。処方の配合単位は質量%である。製法は、常法に従った。
(処方例1 日焼け止め化粧下地)
No.
1 微粒子酸化亜鉛*1 16
2 硫酸バリウム/酸化チタン/硫酸バリウムの複合粉体(シリコーン処理)*2
3 マルチトール 2
4 シクロペンタシロキサン 9.25
5 メチルトリメチコン 8
6 ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.5
7 トリイソステアリン 1
8 ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2
9 トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 0.5
10(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
0.6
11(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー
0.75
12(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロス
ポリマー 0.4
13 酸化チタン 1.5
14 タルク 1
15 マイカ 2.5
16 微粒子酸化チタン*9
17 ペンチレングリコール 0.5
18 グリセリン 2
19 BG 3
20 塩化Na 0.5
21 フェノキシエタノール 0.3
22 精製水 41.7
*1:テイカ(株)製MZ-303M
*2:三好化成(株)製MiyoHAZE BT-SA
*9:テイカ(株)製MTY-100SAS
(評価)
処方例1の日焼け止め化粧下地は、仕上がりの均一性や化粧持ちに優れていた。また感触が軽くべたつきがなかった。さらに仕上がりの均一性に優れているため、この化粧下地の上からさらに塗布したファンデーションの化粧持ちを良好にした。

Claims (2)

  1. 粉体として次の(A)(B)、酸化チタン及びタルクを含有し、(C)マルチトールを含有し、揮発性シリコーン油を全油量に対して80質量%以上含有し、メチルトリメチコンを揮発性シリコーン油に対して40質量%以上含有する油中水型乳化化粧料。
    (A)微粒子酸化亜鉛
    (B)板状硫酸バリウム
  2. (B)板状硫酸バリウムは、酸化チタンとの複合体である請求項1に記載の油中水型乳化粧料。
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