JP7308085B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、リン脂質、疎水化処理粉末を含有する水中油型乳化組成物が、安定性に優れ、みずみずしさなどの使用感や紫外線防御効果に優れることが記載されている。
(A)アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上で表面処理された着色顔料 0.1~30質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)微粒子酸化亜鉛 0.1~30質量%
を含有する水中油型乳化化粧料に関する。
処理される着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物;マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体;カーボンブラックなどが挙げられ、有機顔料としては、レーキ顔料等が挙げられる。
また、処理される着色顔料としては、着色顔料で被覆されたものでもよく、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマスなどが挙げられる。
これらのうち、処理される着色顔料としては、金属酸化物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むことが好ましく、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むことがより好ましく、少なくとも酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラを含むことがよりさらに好ましい。
また、これらの着色顔料の表面処理に用いられるアシル化アミノ酸において、アシル化アミノ酸のアシル基を構成する脂肪酸残基は、炭素数1~23の脂肪酸残基が好ましく、炭素数8~20の脂肪酸残基がより好ましい。アシル化アミノ酸としては、具体的には、ラウロイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリジン等が挙げられ、ステアロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリジンが好ましく、ステアロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸がより好ましく、ラウロイルアスパラギン酸がさらに好ましい。アシル化アミノ酸としては、これらの塩が含まれ、これらの塩としては、Na、Ca、Al、Mg、Zn、Zr、Ti塩が挙げられ、Na、Ca塩が好ましく、Na塩がより好ましい。
アシル化アミノ酸塩としては、塗布後の肌の平滑感を向上させ、きしみ感を低減させる観点から、ステアロイルグルタミン酸2Na、ラウロイルアスパラギン酸Naが好ましく、ラウロイルアスパラギン酸Naがより好ましい。
アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の表面処理に加え、併用するシリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、併用するフッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、併用する脂肪酸処理としては、ステアリン酸処理、ミリスチン酸処理等が挙げられ、併用する有機チタネート処理としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理、イソプロピルトリイソミリスチロイルチタネート処理、メチルトリイソステアロイルチタネート処理、メチルトリイソミリスチロイルチタネート処理、エチルトリイソステアロイルチタネート処理、エチルトリイソミリスチロイルチタネート処理等が挙げられる。
アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の表面処理に加え、併用する表面処理としては、塗布後の肌の平滑感を向上させ、きしみ感を低減させる観点から、シリコーン処理、有機チタネート処理から選ばれる1種又は2種以上の表面処理が好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理、イソプロピルトリイソミリスチロイルチタネート処理から選ばれる1種又は2種以上の表面処理がより好ましく、ジメチルポリシロキサン処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理から選ばれる1種又は2種以上の表面処理がさらに好ましく、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理がよりさらに好ましい。
アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の表面処理の処理量は、着色顔料の種類によって異なるが、塗布後の肌の平滑感を向上させ、きしみ感を低減させる観点から、表面処理した着色顔料100質量%中、0.1~10質量%であるのが好ましく、0.3~5質量%がより好ましい。
また、アミノ酸及びアシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上の表面処理に加え、併用する表面処理の処理量は、着色顔料の種類によって異なるが、塗布後の肌の平滑感を向上させ、きしみ感を低減させる観点から、表面処理した着色顔料100質量%中、0.1~10質量%であるのが好ましく、0.3~5質量%がより好ましい。
アクリルアミドとアクリル酸(塩)との共重合体としては、アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマーが挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 265(SEPPIC社製)等が挙げられる。
アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体として、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが挙げられ、具体的には、SIMULGEL FL、SIMULGEL NS、SEPIPLUS S、SEPINOV EMT 10(以上、SEPPIC社製)等が挙げられ;
アクリル酸(塩)と、アクリル酸アミドと、アクリル酸(塩)と、アクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体として、ポリアクリレート-13が挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 400(SEPPIC社製)等が挙げられ;
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(塩)と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、ラウリルメタクリレートと、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)の共重合体として、ポリアクリレートクロスポリマー6が挙げられ、具体的には、SEPIMAX ZEN(SEPPIC社製)が挙げられる。
なお、本発明において、比表面積とは、単位質量当たりの表面積のことをいい、本発明では、BET法(N2)により得られた比表面積を意味する。
比表面積は、80℃で15時間減圧乾燥させたサンプルについて、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に120℃の雰囲気下で10分間乾燥した後、比表面積測定装置(1点式BET比表面積測定装置 フローソーブIII 2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定する。
本発明において、平均粒子径は、透過電子顕微鏡写真から、粒子の長軸と短軸の相加平均として求められる値である。
成分(C)の微粒子酸化亜鉛は、そのまま用いることができるほか、必要に応じて、通常の方法により、疎水化処理したものを用いることもできる。
疎水化処理としては、シリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸処理、N-アシルアミノ酸処理等が挙げられる。シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、フッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理等が挙げられ、脂肪酸処理としては、ステアリン酸処理、ミリスチン酸処理等が挙げられ、N-アシルアミノ酸処理としては、ラウロイルリジン処理、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa処理、ステアロイルグルタミン酸2Na処理、ラウロイルアスパラギン酸Na処理等が挙げられる。
疎水化処理としては、塗布後の肌の平滑感を向上させ、べたつき感を低減させる観点から、シリコーン処理が好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ジメチルポリシロキサン処理がさらに好ましい。
25℃で固体状とは、25℃で流動性を有しないことをいう。
成分(D)としては、炭素数12~22の直鎖飽和のアルコール、炭素数14~22のモノ脂肪酸グリセリンエステル、炭素数14~22のモノアルキルグリセリルエーテル、炭素数14~22のモノ脂肪酸ソルビタンエステル;キャンデリラロウ、カルナウバウロウ、ベイベリーロウ等のロウ;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の炭素数12~22の脂肪酸;コレステロール類;ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸コレステリル、ベヘニル酸ベヘニル、トリミリスチン酸グリセリン等のエステル油;ワセリン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油、セラミド類などが挙げられる。
これらの中では、炭素数12~22の直鎖飽和のアルコール、炭化水素油及びセラミド類から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭素数12~22の直鎖飽和のアルコールがより好ましい。
炭素数12~22の直鎖飽和のアルコールとしては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、塗布後の肌の平滑感を向上させる観点から、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコールから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ステアリルアルコールがさらに好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、α-モノアルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、塗布中の伸び、塗布後の肌の平滑感、乳化化粧料の安定性を向上させる観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン性界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。したがって、個々の非イオン性界面活性剤のHLB値が6未満であっても、混合HLBが前記範囲内であれば、本発明における、HLBが6以上20以下の非イオン性界面活性剤である。
HLBxは、非イオン性界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン性界面活性剤Xの重量(g)を示す。
25℃で液状とは、25℃で流動性を有することをいう。また、揮発性とは、35~100℃の引火点を有するものである。
揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。
炭化水素油としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。
ここで、板状とは、形状が狭義の板状の他、薄片状、鱗状等の形状の粉体も含まれる。
かかる板状粉体としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母等の雲母;板状酸化亜鉛、板状酸化チタン、板状酸化セリウム、硫酸バリウム、タルク、板状カオリン、セリサイト、板状シリカ、板状ヒドロキシアパタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、板状セラミックスパウダー、板状アルミナ、板状窒化ホウ素、板状ポリメチルメタクリレートパウダー、板状酸化鉄、アルミニウム、板状ガラス末等が挙げられる。
これらの板状粉体は、そのまま用いることができるほか、成分(C)と同様にして、疎水化処理したものを用いることができる。
また、本発明の水中油型乳化化粧料は、下地化粧料、ファンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料;スキンケア乳液、スキンケアクリーム、BBクリーム、美容液等のスキンケア化粧料などとして適用することができる。なかでも、メイクアップ化粧料が好ましく、化粧下地、リキッドファンデーション、クリームファンデーションがより好ましい。
本発明により得られる水中油型乳化化粧料は、単品のみの使用においても、リキッドファンデーションやパウダーファンデーション・白粉等の粉体化粧料の重ね付けにおいても使用することができる。
表1に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造し、塗布時の伸ばしやすさ、塗布後の肌の平滑感、塗布後の肌のきしみ感のなさ及び塗布後の肌のべたつき感のなさを評価した。結果を表1に併せて示す。
粉体相成分を混合粉砕し、別途60℃で混合した油相成分に添加してディスパーで分散し、25℃まで冷却した。その後、水相成分をホモミキサーで攪拌し、別途調製した粉体相含有の油相成分を添加し、ホモミキサーで撹拌することにより、水中油型乳化化粧料を得た。
(1)塗布中の伸ばしやすさ:
専門評価者5名が、スポンジを用いて各水中油型乳化化粧料を0.01g/15cm2塗布したとき、塗布中の伸ばしやすさについて、下記の5段階で官能評価した。結果は、5名の合計点で示した。
5;伸びが非常に良い。
4;伸びが良い。
3;伸びがやや良い。
2;伸びがあまり良くない。
1;伸びが良くない。
専門評価者5名が、スポンジを用いて各水中油型乳化化粧料を0.01g/15cm2塗布した後、肌の化粧塗膜を指で触り、平滑感について、下記の5段階で官能評価した。結果は、5名の合計点で示した。
なお、平滑感とは、指で塗布膜を触ったときに、指先に化粧塗膜に凹凸、ざらつきを感じないことを示す。
5;平滑感が非常にある。
4;平滑感がある。
3;平滑感がややある。
2;平滑感があまりない。
1;平滑感がない。
専門評価者5名が、スポンジを用いて各油中水型乳化化粧料を0.01g/15cm2塗布した後、肌のきしみ感のなさについて 、下記の5段階で官能評価した。結果は、5名の合計点で示した。
5;きしみ感がない。
4;きしみ感があまりない。
3;きしみ感がややない。
2;きしみ感が少しある。
1;きしみ感がある。
専門評価者5名が、スポンジを用いて各油中水型乳化化粧料を0.01g/15cm2塗布した後、肌のべたつき感のなさについて、下記の5段階で評価した。結果は、5名の合計点で示した。
5;べたつき感がない。
4;べたつき感があまりない。
3;べたつき感がややない。
2;べたつき感が少しある。
1;べたつき感がある。
実施例1~7と同様にして、表2に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造した。
得られた水中油型乳化化粧料は、塗布時の伸ばしやすさ、塗布後の肌の平滑感、塗布後の肌のきしみ感のなさ及び塗布後の肌のべたつき感のなさに優れるものであった。
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)アシル化アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上で表面処理された着色顔料 0.1~18質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)微粒子酸化亜鉛 0.1~30質量%
を含有し、
成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、0.02~2.94である水中油型乳化化粧料。 - さらに、(D)25℃で固体状の油成分を含有する請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(D)の含有量が、0.05~5質量%である請求項2記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.03~50である請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
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