JP2004083502A - 口唇化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成分(A)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、成分(B)無水ケイ酸、成分(C)室温でペースト状及び/又は液状の油性成分を含有する口唇化粧料を提供するものである。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は口唇化粧料に関するものであり、塗布時の滑らかさや密着感、べたつきの無さ等の使用感が良好で、経時安定性に優れた口唇化粧料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から口唇化粧料は、固形油、半固形油、液体油の配合量を変えることにより様々な官能を演出する検討がなされてきた。例えば、半固形油や液体油を多量に配合することにより、塗布時の滑らかな使用感を得ていた。特にリキッドルージュ等のペースト状口唇化粧料では一層の滑らかな使用感を得るために、上記方法に加えて、固形油の配合量を極力減らす方法や油ゲル化剤を用いる方法など、様々な剤形化技術が開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固形油を減らしたり、従来の油ゲル化剤を用いたりした口唇化粧料では、経時や温度変化による安定性、特に高温条件下等による発汗・排液等の経時安定性を確保することが困難であった。そこで、高温条件下での安定性を確保するために、高融点の固形油を配合する方法が考えられるが、化粧料の滑らかさ、べたつきの無さ等の使用感を損なう結果となり、経時安定性、使用感の双方に優れた口唇化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、口唇化粧料において(A)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(B)無水ケイ酸、(C)室温でペースト状及び/又は液状の油性成分を含有することによって、塗布時の滑らかさや密着感、べたつきの無さ等の使用感、発汗・排液等の無い経時安定性に優れた口唇化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(B)無水ケイ酸、(C)室温でペースト状及び/又は液状の油性成分を含有する口唇化粧料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、詳述する。
本発明に用いられる成分(A)の(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルは、ベヘン酸及びエイコサン二酸とグリセリンのオリゴマーエステルであり、(C)成分の油性成分をゲル化し、経時及び高温での安定性を向上させるために配合される。成分(A)の配合量は特に限定しないが、成分(C)に対して0.01〜50質量%(以下単に「%」と示す。)が好ましく、ペースト状においては0.1〜20%がより好ましい。この範囲であれば、使用感、経時安定性の点で優れるものが得られる。
【0006】
本発明に用いる成分(B)の無水ケイ酸は、通常化粧品に使用される無水ケイ酸であれば、煙霧状、多孔質、無孔質、球状等、何れのものも使用できるが、特に煙霧状無水ケイ酸が好ましく、使用感や経時安定性を向上させるために配合される。煙霧状無水ケイ酸は、例えば四塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものが挙げられ、市販品としては、AEROSIL 50、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 200V、AEROSIL 200CF、AEROSIL 200FAD、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380(以上、日本アエロジル社製)等が挙げられる。また、前記煙霧状無水ケイ酸を反応性アルキルシランやオルガノシラザン等で処理した疎水性煙霧状無水ケイ酸でもよい。疎水化処理の方法としては、ジメチルジクロルシランによるジメチルシリル化処理、トリメチルクロルシランやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理、オクチルトリクロルシランによるオクチルシリル化処理、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンによるシリコーン処理、金属セッケン化合物によるコーティング処理等が挙げられる。市販品としては、AEROSIL R−972、AEROSIL R974、AEROSIL R976(以上、ジメチルジクロルシラン処理)、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300(以上、ヘキサメチルジシラザン処理)、AEROSIL R805(オクチルシラン処理)、AEROSIL RY200、AEROSIL RY300(以上、ジメチルシロキサン処理)(いずれも日本アエロジル社製)、キャボジルTS530(トリメチルクロルシラン処理)(キャボット社製)等が挙げられる。これらの無水ケイ酸の一次粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。また、これらの無水ケイ酸は必要に応じ、1種又は2種以上を用いることができ、配合量としては成分(C)の油性成分に対して0.01〜30%が好ましく、更に0.5〜20%が使用感、経時安定性の点でより好ましい。
【0007】
本発明に用いる成分(C)の室温でペースト状及び/又は液状の油性成分は、通常化粧料に用いられる油分であれば何れのものでもよく、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられる。この中でも、ポリブテン及び/又は重質流動イソパラフィンが密着感等使用感の面から特に好ましく、市販品としては、パールリーム16、パールリーム18(以上、日本油脂社製)、ポリブテン100R、ポリブテン300R、ポリブテン2000H(以上、出光石油化学社製)等が例示できる。また、これらは必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、配合量は特に限定されないが、5〜99%が好ましく、更に20%〜80%が好ましい。この範囲であれば使用感、経時安定性の点で好ましい。
【0008】
本発明の口唇化粧料には、本発明の効果を損なわない程度で、必要に応じて、前記必須成分以外の各種成分、例えば、油性成分、粉体成分、界面活性剤、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、水性成分、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
様々な感触を演出したり、経時安定性を確保する目的で用いる油性成分としては、(A)、(C)成分以外で、動物油、植物油、合成油等の起源や性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、ロジン酸ペンタエリスリットエステル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。
【0009】
経時安定性の確保や、着色や感触の改善等を目的として用いる粉体であれば、(B)成分以外で、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0010】
粉体の分散性向上を目的とする界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0011】
経時安定性の確保や感触の改善を目的で用いる水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、モイスチャー効果を付与する目的としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。尚、本発明の口唇化粧料においては実質的に水を含まない方が経時安定性の点において好ましい。
【0012】
本発明の口唇化粧料としては、口紅、リップクリーム、リップグロスなどが挙げられ、剤型は油性型、乳化型等が挙げられ、形態は、クリーム状、ペースト状、液状、固形状(皿状、スティック状)等が挙げられるが、中でも油性型でペースト状が好ましく、使用時の滑らかさや密着感、べたつきの無さ等の使用感、排液の無い経時安定性の点において顕著な効果が得られる。
【0013】
【実施例】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0014】
実施例1〜10及び、比較例1〜3
表1に示す組成のペースト状口紅を調製し、使用時の滑らかさ、密着感、べたつきの無さ、経時安定性(排液の無さ)について下記の方法により評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
注1:ポリブテン100R(出光石油化学社製)
注2:パールリーム18(日本油脂社製)
注3:AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
注4:AEROSIL R−972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(8)を均一に加熱混合した後、成分(9)〜(18)を加え、均一に混合する。
B.Aを容器に充填して製品を得る。
【0017】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
イの使用時の滑らかさ、ロの密着感、ハのべたつきの無さについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。ニの経時安定性(排液の無さ)の評価については、各試料の45℃で2週間保存の状態を観察し、室温保存品と比較して、下記4段階判定基準により判定した。
【0018】
評価項目:
イ.使用時の滑らかさ
ロ.密着感
ハ.べたつきの無さ
ニ.経時安定性(排液の無さ)
【0019】
(使用感評価)
絶対評価:
評点:評価
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
2点を超えて3点以下:やや不良(△)
2点以下 :不良(×)
【0020】
(経時安定性(排液の無さ))
◎:変化なく良好。
○:ほとんど変化はないが、僅かに排液が認められる。
△:排液が認められる。
×:排液が認められ、形状維持が困難である。
【0021】
本発明の実施例1〜10のペースト状の口紅は、いずれも使用感、経時安定性に優れたものであった。一方、経時安定性を向上させるために、固形油として成分(A)の代わりにセレシンワックスやパラフィンワックスを配合した比較例1は、密着感は満足できるものの、べたつきが生じ、経時安定性(排液の無さ)が良好になる程度の固形油の配合量ではなかった。また、経時安定性が良好になるまでセレシンワックスやパラフィンワックスを配合した比較例2は、硬くなりすぎてペースト状口紅を形成することが出来なかった。また、成分(B)を配合していない比較例3では、経時安定性(排液)で満足いくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりにショ糖脂肪酸エステルを配合した比較例4は、べたつきの無さの点で満足のいくものが得られなかった。
【0022】
実施例11:リップグロス(ペースト状)
(成分) (%)
1.(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 0.5
2.ポリエチレンワックス 1.5
3.ロジン酸ペンタエリスリット 0.1
4.ポリブテン(注1) 40
5.リンゴ酸ジイソステアリル 8
6.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 6
7.流動パラフィン 残量
8.無水ケイ酸(注5) 8
9.紫外線吸収剤(注6) 0.1
10.赤色202号 0.01
11.群青 0.02
12.酸化チタン処理合成金雲母 15
13.ラメ剤(注7) 0.1
注5:AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
注6:ユビナールMC80(BASF社製)
注7:ダイヤホログラム(ダイヤ工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(13)を均一に加熱混合する。
B.Aを容器に充填して製品を得る。
本発明のリップグロスは、塗布時に滑らかで密着感のある使用感が得られ、べたつかず、経時安定性の点においても優れたものだった。
【0023】
実施例12:リップクリーム(ペースト状)
(成分) (%)
1.(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 10
2.ワセリン 20
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20
4.スクワラン 5
5.流動パラフィン 残量
6.重質流動イソパラフィン(注2) 20
7.ジメチルジクロルシラン処理無水ケイ酸(注8) 10
8.1,3−ブチレングリコール 0.5
9.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
10.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(注9) 0.01
11.アロエベラ抽出液 0.1
12.香料 0.05
注8:AEROSIL R−974(日本アエロジル社製)
注9:ペミュレンTR−2(NOVEON社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(12)を均一に加熱混合する。
B.Aを容器に充填して製品を得る。
本発明のリップクリームは、塗布時に滑らかで密着感のある使用感が得られ、べたつかず、経時安定性の点においても優れたものだった。
【0024】
実施例13:口紅(スティック状)
(成分) (%)
1.(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 5
2.ポリエチレンワックス 5
3.キャンデリラワックス 5
4.ロジン酸ペンタエリスリット 2
5.重質流動イソパラフィン(注2) 30
6.ポリブテン(注10) 5
7.流動パラフィン 残量
8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 15
9.ジメチルジクロルシラン処理無水ケイ酸(注4) 0.5
10.赤色202号 0.004
11.黄色4号 0.008
12.リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.1
13.香料 0.05
注10:ポリブテン300R(出光石油化学社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(13)を均一に加熱混合する。
B.Aを充填成型して製品を得る。
本発明のスティック状口紅は、塗布時に滑らかで密着感のある使用感が得られ、べたつかず、経時安定性の点においても優れたものだった。
【0025】
実施例14:口紅(金皿充填タイプ)
(成分) (%)
1.(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 10
2.ポリエチレンワックス 3
3.キャンデリラワックス 3
4.ロジン酸ペンタエリスリット 2
5.重質流動イソパラフィン(注2) 10
6.ポリブテン(注10) 5
7.流動パラフィン 残量
8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 15
9.ジメチルジクロルシラン処理無水ケイ酸(注4) 0.5
10.ベンガラ被覆雲母チタン 15
11.赤色202号 0.004
12.黄色4号 0.008
13.黒色酸化鉄 0.005
14.アロエベラ抽出液 0.1
15.香料 0.05
(製造方法)
A.成分(1)〜(15)を均一に加熱混合する。
B.Aを充填成型して製品を得る。
本発明の金皿充填タイプ口紅は、塗布時に滑らかで密着感のある使用感が得られ、べたつかず、経時安定性の点においても優れたものだった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の口唇化粧料は、塗布時に滑らかで密着感のある使用感が得られ、べたつかず、経時安定性の点において優れたものである。
Claims (7)
- 次の成分(A)〜(C);
(A)(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル
(B)無水ケイ酸
(C)室温でペースト状及び/又は液状の油性成分
を含有することを特徴とする口唇化粧料。 - 成分(B)の無水ケイ酸が煙霧状であり、且つ一次粒径が50nm以下であることを特徴とする請求項1記載の口唇化粧料。
- 成分(A)の配合量が成分(C)に対して0.01〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の口唇化粧料。
- 成分(B)の配合量が成分(C)に対して0.01〜30質量%配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の口唇化粧料。
- 成分(C)の室温でペースト状及び/又は液状の油性成分がポリブテン及び/又は重質流動イソパラフィンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の口唇化粧料。
- 実質的に無水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の口唇化粧料。
- 前記口唇化粧料がペースト状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の口唇化粧料。
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