JP7478522B2 - 口唇化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、口唇化粧料に関する。
口紅等の口唇化粧料においては、様々な仕上がりや効果が求められている。
例えば、優れた艶、使用感等を得るため、種々の検討がなされている。特許文献1には、デキストリン脂肪酸エステルと、特定融点のワックス及びペースト油を特定の割合で用いた口唇化粧料が、仕上りの艶を維持しつつ、時間が経過しても、唇の縦じわや唇の荒れの目立ちを抑制し、ケア効果を感じられることが記載されている。
一方、このような艶の高い仕上がりの口紅のほか、マット感のある仕上がりの口紅も好まれている。マット感がある仕上がりの口紅を得るには、例えば、粉体の配合量を増やすことが行われている。
特開2017-95388号公報
しかしながら、粉体の配合量を多くした口紅では、塗布時にムラづきしやすく、経時での乾燥感が強くなったり、隠蔽力が強すぎて、透明感がないなどの課題があった。
本発明者は、油ゲル化剤と、特定融点のペースト油及び液状油を、特定の割合で組合わせて用いることにより、粉体を多く配合しても、塗布時にムラづきせず、薄く塗布することができ、透明感のあるマットな仕上がりが得られるとともに、経時での乾燥感が軽減された口唇化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)油ゲル化剤 4~25質量%、
(B)融点が30℃以上61℃未満のペースト油 15~50質量%、
(C)25℃で液状の油成分 10~40質量%、
(D)成分(A)及び(E)を除く粉体 20~60質量%、
(E)着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上
を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の含有量が、
(B)≧(C)≧(A)である口唇化粧料に関する。
本発明の口唇化粧料は、塗布時にムラづきせず、薄く塗布することができ、透明感のあるマットな仕上がりが得られるとともに、経時での乾燥感が軽減されるものである。
本発明で用いる成分(A)の油ゲル化剤としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、固形のワックス、有機変性粘土鉱物、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、デキストリン脂肪酸エステル、金属石鹸、ショ糖脂肪酸エステル、アミノ酸系ゲル化剤等が挙げられる。これらのうち、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、固形のワックス、有機変性粘土鉱物、デキストリン脂肪酸エステル、アミノ酸系ゲル化剤が好ましい。
更に、口唇化粧料を油性固形とする場合には、塗布性と保形性を両立する観点から、固形のワックス、アミノ酸系ゲル化剤が好ましい。
固形のワックスとしては、融点61℃以上のワックスが挙げられる。融点61℃以上のワックスは、25℃において固体の性状を示す。
本発明において、融点は、医薬部外品原料規格、一般試験法の第1法、第2法、又は第3法のいずれかにより、測定されるものである。いずれの方法を採用するかは、各成分について、医薬部外品原料規格において測定法の記載がある場合には、それに従う。記載がない場合には、融点を考慮して測定法を選択する。具体的には、融点が80℃を大きく超えるような高い場合には第1法、これより融点が低い固体脂には第2法、カタログ等でペースト油と呼ばれるものには第3法を用いるのが一般的であるが、測定できる方法であればいずれの方法であっても良い。
融点61℃以上のワックスとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、合成炭化水素ワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ等の合成ワックスなどが挙げられる。
これらのうち、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、パラフィン、マイクロクリスタリンワックスが好ましく、少なくともマイクロクリスタリンワックスを含むものがより好ましい。
また、これらのワックスは、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、融点65℃以上、140℃以下が好ましく、70℃以上、110℃以下がより好ましい。
有機変性粘土鉱物としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されずに用いることができる。例えば、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム等の層状粘土鉱物を、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理して得られるカチオン変性粘土鉱物が好ましい。
具体的には、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドが好ましく、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドがより好ましい。
また、市販品としては、ベントン38、ベントン38VCG、ベントン27(以上、エレメンティスジャパン社製)等が挙げられる。
有機変性粘土鉱物は、作業性向上の点、油のゲル化に優れる点から、溶媒によって希釈されたプレミックスゲルとして用いることもできる。
具体的には、有機変性粘土鉱物を予め溶媒に分散させたプレミックスゲルを用いることが好ましい。溶媒としては、有機変性粘土鉱物によってゲル化可能であれば制限されないが、油のゲル化の点から、オクチルドデカノール、ミネラルオイル等が好ましい。また、有機変性粘土鉱物を効率良く分散させてゲル化を発現させる点から、炭酸プロピレン、エタノール、水、各種界面活性剤等の極性添加剤を含むことが好ましい。
プレミックスゲル中の有機変性粘土鉱物の含有量は、作業性向上の点、油のゲル化、及びプレミックスゲル自体の油分離を抑制する点から、5~25質量%が好ましく、8~20質量%がより好ましく、10~18質量%がさらに好ましい。
プレミックスゲルとしては、カチオン変性粘土鉱物を10質量%含有するベントンゲルEUGV、ベントンゲルMIOV、18質量%含有するベントンゲルVS-5 PCV、15質量%含有するベントンゲルPTM(以上、エレメンティスジャパン社製)等の市販品を用いることができる。
デキストリン脂肪酸エステルとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、炭素数8~24の脂肪酸とデキストリンのエステルが好ましく、炭素数14~20の脂肪酸とデキストリンのエステルがより好ましい。また、デキストリンの平均重合度が3~150であるのが好ましい。
具体的には、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸・ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸・2-エチルヘキサン酸デキストリン等が挙げられる。
これらのうち、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸・2-エチルヘキサン酸デキストリンが好ましく、少なくともパルミチン酸デキストリンを含むものがより好ましい。
これらの市販品としては、千葉製粉社製のパルミチン酸デキストリン(レオパール KL2、レオパール KS2、レオパール TL2)、パルミチン酸・2-エチルヘキサン酸デキストリン(レオパール TT2)、ミリスチン酸デキストリン(レオパール MKL2)等が挙げられる。
アミノ酸系ゲル化剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されずに用いることができる。具体的には、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドが好ましい。
これらの市販品としては、味の素社製のジブチルラウロイルグルタミド(GP-1)、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド(EB-21)が挙げられる。
アミノ酸系ゲル化剤は、作業性向上の点、油のゲル化に優れる点から、溶媒によって希釈溶解されたプレミックスゲルとして用いることもできる。
具体的には、アミノ酸系ゲル化剤を予め溶媒に溶解させたプレミックスゲルを用いることが好ましい。溶媒としては、アミノ酸系ゲル化剤によってゲル化可能であれば制限されないが、油のゲル化の点から、オクチルドデカノール、イソステアリン酸等が好ましい。プレミックスゲル中のアミノ酸系ゲル化剤の含有量は、作業性向上の点、油のゲル化、及びプレミックスゲル自体の油分離を抑制する点から、10~45質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましく、20~36質量%がさらに好ましい。
プレミックスゲルとしては、アミノ酸系ゲル化剤を20質量%含有するAJK-OD2046、36質量%含有するAJK-IS3613(以上、高級アルコール社製)等の市販品を用いることができる。
成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、含有量は、全組成中に4質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、25質量%以下であり、22質量%以下が好ましく、19質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に4~25質量%であり、5~22質量%が好ましく、6~19質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、融点が30℃以上61℃未満のペースト油である。
成分(B)のペースト油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、ワセリン(融点57℃)、モクロウ(融点60℃)、合成モクロウ(融点53℃)、ビニルレザーワックス(融点54℃)、水添パーム油(融点47℃)、硬質ラノリン(融点49℃)、還元ラノリン(融点45℃)、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(融点52℃)、オレイン酸フィトステリル(融点33℃)、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル(融点52℃)、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル(融点50℃)、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(融点45℃)、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル(融点37℃)、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル(融点40℃)、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル(融点31℃)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)(融点33℃)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)(融点34℃)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)(融点38℃)、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2(融点39℃)、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル(融点35℃)等が挙げられる。
成分(B)としては、保湿効果を向上させる観点から、ワセリンと、抱水性油剤を含むのが好ましい。
ここで、抱水性油剤とは、自重と等量以上の抱水力を有する油剤をいう。本発明において、抱水力とは、50℃の油剤がどの程度の量の水を抱え込むことができるかを示す指標であり、本発明においては、以下のとおりに評価される。すなわち、50℃に加熱した試料(油性成分)10gを200mLビーカーに秤り取る。ディスパーミキサーにて3000r/minで攪拌しながら、50℃の水を徐々に、水が試料から排液されるまで添加する。試料からの水の排液が始まるまでの水の添加量(質量)を測定する。当該添加量を試料の質量10gで除して商が得られる。当該商を100倍した数値が抱水力(%)である。
かかる抱水性油剤としては、例えば、ダイマー酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル、N-アシルアミノ酸エステル等が挙げられる。
ダイマー酸エステルとしては、ダイマー酸とアルコールのエステル体などが挙げられ、ダイマージリノール酸のエステル体が好ましく、ダイマージリノール酸とダイマージオールとのエステル体がより好ましい。また、ダイマー酸又はダイマージリノール酸のエステル部分としては、ベヘニル、イソステアリル、ステアリル、セチル、フィトステリルから選ばれる1種又は2種以上の部分を含むことが好ましく、ベヘニル、イソステアリル、ステアリル、セチル、フィトステリルから選ばれる2種以上の部分を含むことがより好ましい。さらに具体的には、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル等が挙げられ、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)が好ましく、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)がより好ましい。
市販品としては、日本精化社製の、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)が「Plandool-S、-H」として、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)が「LUSPLAN PI-DA」として、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルが「LUSPLAN DD-DA」として、ダイマージリノール酸ジリノレイル(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)が「Plandool-G」として、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイルが「LUSPLAN DD-IS」として挙げることができる。
炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステルとしては、パルミチン酸コレステロールエステル、ステアリン酸コレステロールエステル、ベヘン酸コレステロールエステル、イソステアリン酸コレステロールエステル、オレイン酸コレステロールエステル、パルミトオレイン酸コレステロールエステル、ベヘン酸コレステロールエステル、リノール酸コレステロールエステル、リノレン酸コレステロールエステル等が挙げられる。脂肪酸は混合脂肪酸を用いてもよく、例えば、ヒマワリ種子油脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステロールエステル等でもよい。また、炭素数が16~22以外の脂肪酸コレステロールエステルを含んでもよい。好ましくはステアリン酸コレステロールエステル、イソステアリン酸コレステロールエステル、オレイン酸コレステロールエステル、パルミトオレイン酸コレステロールエステル、リノール酸コレステロールエステル、リノレン酸コレステロールエステル、ヒマワリ種子油脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステロールエステルであり、より好ましくはイソステアリン酸コレステロールエステルである。
炭素数16~22のフィトステロールエステルとしては、パルミチン酸フィトステロールエステル、ステアリン酸フィトステロールエステル、ベヘン酸フィトステロールエステル、イソステアリン酸フィトステロールエステル、オレイン酸フィトステロールエステル、パルミトオレイン酸フィトステロールエステル、ベヘン酸フィトステロールエステル、リノール酸フィトステロールエステル、リノレン酸フィトステロールエステル等が挙げられる。脂肪酸は混合脂肪酸を用いてもよく、例えばヒマワリ種子油脂肪酸フィトステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステル等でもよい。また、炭素数が16~22以外の脂肪酸フィトステロールエステルを含んでもよい。好ましくはステアリン酸フィトステロールエステル、イソステアリン酸フィトステロールエステル、オレイン酸フィトステロールエステル、パルミトオレイン酸フィトステロールエステル、リノール酸フィトステロールエステル、リノレン酸フィトステロールエステル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステルであり、より好ましくはマカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステルである。
N-アシルアミノ酸エステルにおけるアシル基の炭素数は、好ましくは10~30であり、より好ましくは12~18である。また、アシル基は、飽和でも、不飽和でも良い。例えば、2-エチルヘキサノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、イソステアロイル基、リノレノイル基等が好ましく、ミリストイル基、ラウロイル基がより好ましく、さらに好ましいものはラウロイル基である。またアシル基は混合脂肪酸を由来としてもよく、ココイル脂肪酸エステル、パーム油脂肪酸エステル、パーム核油脂肪酸エステル、ヒマワリ種子油脂肪酸エステル、マカデミアナッツ油脂肪酸エステルが好ましく、より好ましくはココイル脂肪酸エステル、パーム核油脂肪酸エステルである。
また、N-アシルアミノ酸エステルは、N-アシルアミノ酸のアルキルエステルが好ましい。アルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数は、好ましくは1~30であり、より好ましくは12~18である。また、アルキル基は、分岐でも、直鎖でも、環状構造を有するものでも良い。例えば、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基、オクチルドデシル基、カンペステリル基やシトステリル基等のフィトステリル基、コレステリル、デシルテトラデシル基などが好適に例示できる。
N-アシルアミノ酸エステルにおけるアミノ酸部分としては、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸であり、好ましくは酸性アミノ酸、中性アミノ酸であり、より好ましくは酸性アミノ酸である。より具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、N-メチルアラニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、サルコシン等が好ましく、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、N-メチルアラニン、サルコシンがより好ましく、グルタミン酸がさらに好ましい。
また、N-アシルアミノ酸エステルはモノエステルよりもジエステルであることが好ましい。N-アシルラウロイルグルタミン酸ジエステル、N-アシルアスパラギン酸ジエステルがより好ましく、N-アシルラウロイルグルタミン酸ジエステルがさらに好ましい。ジエステル1分子中に存在するアルキル基は同一であっても異なっていてもよいが、2種以上であることが好ましい。
本発明において、N-アシルアミノ酸エステルは、一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ミリストイル-N-メチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)等が好適に例示できる。
N-アシルアミノ酸エステルの市販品としては、味の素社、日本精化社より販売されている「エルデュウCL-301」(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))、「エルデュウPS-304」、「エルデュウPS-306」、「Plandool-LG1」、「Plandool-LG3」、「Plandool-LG4」(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))「エルデュウAPS-307」(N-ミリストイル-N-メチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル))等が例示できる。
これらのうち、ダイマー酸エステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルアミノ酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルグルタミン酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、経時での乾燥感を軽減する観点から、全組成中に15質量%以上であり、18質量%以上が好ましく、21質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、44質量%以下が好ましく、38質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の全含有量は、全組成中に15~50質量%であり、18~44質量%が好ましく、21~38質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(C)の油成分は、25℃で液状である。融点が30℃未満のもので、流動性のある油成分である。
かかる油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、コハク酸ジ2-へチルヘキシル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸オクチルドデシル、グリセリン脂肪酸エステル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ2-ヘチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリトリデシル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸プロピレン等のエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール(本発明において、高級アルコールは、炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖のアルコールを意味する。);メチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン、フッ素変性シリコーン等のフッ素油;フェノキシエタノール、トコフェロールなどが挙げられる。
これらのうち、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、炭化水素油、エステル油高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、オクチルドデカノールがより好ましく、水添ポリイソブテン、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、メチルポリシロキサン等のシリコーン油、オクチルドデカノールがさらに好ましい。
成分(C)としては、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、(C1)20℃における粘度が500mPa・s以下の油成分を含むのが好ましく、300mPa・s以下の油成分を含むのがより好ましく、100mPa・s以下の油成分を含むのがさらに好ましい。成分(C1)は、エステル油を含むのが好ましく、成分(C1)は、20℃における粘度が500mPa・s以下のエステル油が好ましい。
成分(C)中の成分(C1)の質量割合、(C1)/(C)は、0.25以上であるのが好ましく、0.35以上がより好ましい。
本発明において、粘度は、B型粘度計、例えば、単一円筒型回転粘度計ビストロンVS-A1(芝浦システム社製)により測定される。
成分(C)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、塗布時にムラなく、薄く塗布できる観点から、含有量は、全組成中に10質量%以上であり、14質量%以上が好ましく、18質量%以上がより好ましく、40質量%以下であり、36質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に10~40質量%であり、14~36質量%が好ましく、18~32質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)、(B)及び(C)の含有量は、(B)≧(C)≧(A)である。これら成分の含有量をこのような関係にすることにより、マットな仕上がりでありながら、乾燥しない膜が形成される。
また、一般に、固形状の口唇化粧料では、ペースト油を多く配合すると、十分に固化しない場合が生じると言われている。しかしながら、本発明においては、成分(B)のペースト油を多く配合していても、成分(D)の粉体の含有量が多いことなどから、固形状とすることも可能であり、固化や保形性の問題が生じやすい状態であったとしても、しっかりと固化しつつ、マットな仕上がりでありながら、経時での乾燥感を軽減させることができる。
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、経時での乾燥感を軽減させる観点から、1以上であり、1.05以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、1~6が好ましく、1.05~5がより好ましく、1.2~4がさらに好ましい。
本発明において、成分(A)に対する成分(C)の質量割合(C)/(A)は、塗布時にムラなく、薄く塗布でき、初期使用時に透明感のある仕上がりを得る観点から、1以上であり、1.4以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。また、成分(A)に対する成分(C)の質量割合(C)/(A)は、1~7が好ましく、1.4~6がより好ましく、1.8~5がさらに好ましい。
成分(D)は、成分(A)及び(E)を除く粉体である。
かかる粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、板状粉体、球状粉体等のいずれでも良い。
板状粉体における板状とは、形状が狭義の板状の他、薄片状等の形状の粉体も含まれる。
かかる板状粉体としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母等の雲母;板状酸化亜鉛、板状酸化チタン、板状酸化セリウム、硫酸バリウム、タルク、板状カオリン、セリサイト、板状シリカ、板状ヒドロキシアパタイト、板状セラミックスパウダー、板状アルミナ、板状窒化ホウ素、板状ポリメチルメタクリレートパウダー、板状酸化鉄、アルミニウム、板状ガラス末等が挙げられる。
これらのうち、初期使用時にマットで、透明感のある仕上がりを得る観点から、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、硫酸バリウムが好ましく、硫酸バリウムがより好ましい。
板状粉体は、塗布時のタッチのやわらかさ、及び塗布時の密着感を高める観点から、平均粒径2~60μmが好ましく、3~40μmがより好ましい。また、アスペクト比7~200のものが好ましく、10~150がより好ましい。
本発明において、平均粒径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA-920)で測定する。厚さは、原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し、相加平均したものを平均厚さとする。
また、アスペクト比は、平均粒子径と粒子の平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(平均粒子径/平均厚さ)で定義される。
成分(D)のうち、球状粉体における球状とは、真球、略球状、回転楕円体を含み、表面に凹凸がある球状粉体等であっても良い。
かかる球状粉体としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、シリカ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等の無機球状粉体;ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース系樹脂等の有機球状粉体などが挙げられる。
球状粉体としては、塗布時にムラなく、薄く、伸び良く塗布できる観点から、有機球状粉体が好ましく、ポリ乳酸樹脂粉体、セルロース末等の球状セルロース系樹脂粉体、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等の球状シリコーン樹脂粉体がより好ましく、球状セルロース系樹脂粉体がさらに好ましい。
また、球状粉体は、塗布時にムラなく、薄く、伸び良く塗布できる観点から、平均粒径1~150μmであるのが好ましく、3~130μmがより好ましく、5~110μmがさらに好ましい。これに加え、塗布時の密着感をより一層向上させる観点から、平均粒径が5~50μmであることが好ましい。
成分(D)の粉体は、そのまま用いることができ、さらに、疎水化処理して用いることができる。疎水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されず、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、4級アンモニウム塩、アミノ酸系化合物、レシチン、アルキルアルコキシシラン、油剤、有機チタネート等の表面処理剤の1種又は2種以上を用い、通常の方法により、乾式処理、湿式処理等を行えばよい。
表面処理剤の具体例としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルコキシシラン、フッ素変性シリコーン等のフッ素系化合物;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状シリコーン、片末端又は両末端トリアルコキシ基変性オルガノポリシロキサン、架橋型シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン等のシリコーン系化合物;ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤等の界面活性剤;プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ラウロイルリシン、リシン及びそれらの誘導体等のアミノ酸系化合物;レシチン、水添レシチン;トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシラン等のアルキルアルコキシシラン;ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等の有機チタネートなどが挙げられる。
疎水化処理する場合、各処理剤の処理量は、油成分中に均一に分散させる点から、粉体100質量%に対して、0.1~20質量%であるのが好ましく、0.5~15質量%がより好ましく、1~12質量%がさらに好ましい。
成分(D)の粉体としては、透明感のある仕上がりを得る観点から、硫酸バリウムを含むのが好ましく、成分(D)中の硫酸バリウムの質量割合、硫酸バリウム/(D)は、0.3以上であるのが好ましく、0.5以上であるのがより好ましく、0.7以上であるのがさらに好ましい。
また、成分(D)としては、初期使用時にマットで、透明感のある仕上がりを得る観点から、平均粒径5~150μmの球状粉体を含むのが好ましい。
成分(D)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、初期使用時にマットで、透明感のある仕上がりを得る観点から、全組成中に20質量%以上であり、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、60質量%以下であり、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に20~60質量%であり、25~55質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(D)の質量割合(D)/(B)は、初期使用時にマットな仕上がりが得られ、経時での乾燥感を軽減させる観点から、1以上であるのが好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましく、3.5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(D)の質量割合(D)/(B)は、1~3.5が好ましく、1.1~3がより好ましく、1.2~2.5がさらに好ましい。
成分(E)は、着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上であり、着色顔料とパール顔料を組合わせて用いることもできる。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料、有機色素及びそのレーキ顔料;β-カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素等が挙げられ、これらの着色顔料の複合体、これらの着色顔料を硫酸バリウムやタルク等の体質顔料で希釈した混合顔料などが挙げられる。
光輝性顔料としては、マイカ、タルク、合成フルオロフロゴパイト、ガラス、シリカ、アルミナ等の板状粉体等の表面を酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、紺青、酸化クロム、酸化スズ、水酸化クロム、金、銀、カルミン、有機顔料等の着色剤で被覆したものなど、及びポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミ蒸着末、ポリエチレンテレフタレート・金蒸着積層末などの、フィルム原反を任意形状に断裁したものなどを用いることができる。
これらの粉体はそのまま用いることができ、さらに、成分(D)と同様に、疎水化処理して用いることができる。
成分(E)は、着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、口唇化粧料として魅力的な色、及び質感を付与する観点から、含有量は、全組成中に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.001~30質量%であるのが好ましく、0.01~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%がさらに好ましい。
本発明の口唇化粧料は、さらに、(F)シリコーンエラストマーを含有することができ、これにより、更に塗布時にムラなく、薄く、伸び良く塗布することができる。
かかるシリコーンエラストマーとしては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等が挙げられる。
これらは、固体状のまま使用しても良く、水、液状油と均一に混合したものを使用しても良い。化粧料中への分散性、作業性を向上させる点から、水又は液状油と混合した分散液として用いるのが好ましく、液状油と混合した分散液として用いるのがより好ましい。
液状油としては、塗布中の上すべりのなさ、塗布後3時間後の保湿感の持続を向上させる点から、25℃における粘度が50mPa・s以下のものが好ましく、30mPa・s以下がより好ましく、10mPa・s以下がさらに好ましい。
ここで、粘度は、B型粘度計(VISCOMETER TVB-10、東機産業社製)、ローターNo.1、60rpm、1分で測定するものである。
また、液状油としては、シリコーン油、炭化水素油、エステル油から選ばれる少なくとも一種が好ましく、シリコーン油、炭化水素油から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、流動パラフィン、軽質イソパラフィンから選ばれる少なくとも一種がさらに好ましく、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる少なくとも一種がよりさらに好ましい。
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、固体状のもとして、トレフィルE-506S(有効分100質量%)(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられ、液状油と混合したものとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン(KF-995)との混合物であるKSG-15(有効分7質量%)、低粘度メチルポリシロキサン(KF-96A-6cs)との混合物であるKSG-16(有効分24質量%)(以上、信越化学工業社製)が挙げられ、水と混合したものとしては、BY29-119(有効分63質量%)、BY29-129(有効分63質量%)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)などの市販品を用いることができる。
(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、液状油と混合したものとして、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(KF-56A)との混合物であるKSG-18A(有効分15質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
また、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、液状油と混合したものとして、流動パラフィンとの混合物であるKSG-41(有効分30質量%)、軽質イソパラフィンとの混合物であるKSG-42(有効分25質量%)、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリルとの混合物であるKSG-43(有効分30質量%)、スクワランとの混合物であるKSG-44(有効分30質量%)(以上、信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーとしては、固体状のもとして、KSP-100、同101、同102、同105(有効分100質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
成分(F)のシリコーンエラストマーは、1種又は2種以上を用いることができ、塗布時にムラなく、薄く、伸び良く塗布する観点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.35質量%以上がさらに好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に0.1~10質量%であるのが好ましく、0.2~5質量%がより好ましく、0.35~3質量%がさらに好ましい。
本発明の口唇化粧料は、さらに、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、高分子化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤、消炎剤、冷感剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、染料、水等を含有することができる。
本発明の口唇化粧料は、通常の方法により、製造することができ、固形状、液状の何れにもすることができる。また、口紅、リップクリーム、リップグロス、唇用下地などとすることができる。固形口唇化粧料とするのが好ましく、スティック口紅として好適である。
実施例1~9及び比較例1~4(スティック口紅)
表1に示す組成のスティック口紅を製造した。得られた口紅について、塗布時に薄く塗布できる、塗布時にムラなく塗布できる、マットな仕上がり、透明感のある仕上がり及び塗布2時間後の乾燥感のなさを評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
全量で300gとなる量を、直径130mmの1L容器と、直径30mmのディスパー羽根(回転数は全工程で2500r/min)を用いて配合した。初めに基材原料(成分(D)及び成分(E)を除く原料)を110℃に加熱し、温度を維持したまま5分間均一混合した。次に、成分(D)及び成分(E)を加えて更に2分間均一混合した。脱泡した後、室温まで冷却・固化させた。この口紅バルクから、必要量を切り出し、電子レンジを用いて105℃に加熱溶解し、型に流し込み、冷却固化させ、容器に挿して抜き取り、スティック口紅を得た。
(評価方法)
(1)塗布時に薄く塗布できる:
専門パネラー10人が、各口紅を直接唇に塗布したとき、薄く塗布できるかについて、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;塗布時にとても薄く塗布できる。
4;塗布時に薄く塗布できる。
3;塗布時にやや薄く塗布できる。
2;塗布時にあまり薄く塗布できない。
1;塗布時に薄く塗布できない。
(2)塗布時にムラなく塗布できる:
専門パネラー10人が、各口紅を直接唇に塗布したとき、ムラなく塗布できるかについて、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;塗布時にとてもムラなく塗布できる。
4;塗布時にムラなく塗布できる。
3;塗布時にほぼムラなく塗布できる。
2;塗布時にムラがある。
1;塗布時にかなりムラがある。
(3)マットな仕上がり:
専門パネラー10人が、各口紅を直接唇に塗布したとき、仕上がりのマット感について、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;非常にマット感がある。
4;マット感がある。
3;ややマット感がある。
2;ほとんどマット感がない。
1;マット感がない。
(4)透明感のある仕上がり:
専門パネラー10人が、各口紅を直接唇に塗布したとき、仕上がりの透明感について、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;非常に透明感がある。
4;透明感がある。
3;やや透明感がある。
2;ほとんど透明感がない。
1;透明感がない。
(5)塗布2時間後の乾燥感のなさ:
専門パネラー10人が、各口紅を直接唇に塗布し、塗布2時間後の乾燥感のなさを、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;乾燥感がない。
4;乾燥感がほとんどない。
3;乾燥感がややある。
2;乾燥感がある。
1;乾燥感がかなりある。
Figure 0007478522000001
実施例10(液状口紅)
表2に示す組成の液状口紅を製造した。
得られた液状口紅は、塗布時に薄く、ムラなく塗布することができ、マットで、透明感のある仕上がりが得られ、塗布2時間後においても、乾燥感がないものである。
(製造方法)
全量で300gとなる量を、直径130mmの1L容器と、直径30mmのディスパー羽根(回転数は全工程で2500r/min)を用いて配合した。初めに基材原料(成分(D)及び成分(E)を除く原料)を110℃に加熱し、温度を維持したまま5分間均一混合した。次に、成分(D)及び成分(E)を加えて更に2分間均一混合した。脱泡した後、室温まで冷却・固化させた。この口紅バルクから、必要量を切り出し、電子レンジを用いて105℃に加熱溶解し、透明なディッピング容器に流し込み、冷却固化させ、液状口紅を得た。なお、化粧料塗布具は、塗布部が扁平形状で表面が植毛されたものを用いた。
Figure 0007478522000002

Claims (7)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
    (A)融点61℃以上のワックスを含む油ゲル化剤 4~25質量%、
    (B)融点が30℃以上61℃未満のペースト油 15~50質量%、
    (C)25℃で液状の油成分 10~40質量%、
    (D)成分(A)及び(E)を除く、板状粉体、球状粉体から選ばれる1種以上の粉体であって、板状粉体は、平均粒径2~60μm、アスペクト比10~150であり、球状粉体は、平均粒径1~50μmである、粉体 20~60質量%、
    (E)着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上
    を含有し、成分(A)、(B)及び(C)の含有量が、
    (B)>(C)>(A)である口唇化粧料。
  2. 成分(A)が、融点61℃以上のワックスである請求項1記載の口唇化粧料。
  3. 成分(C)中の(C1)20℃における粘度が500mPa・s以下のエステル油の質量割合、(C1)/(C)が、0.25以上である、請求項1又は2記載の口唇化粧料。
  4. 成分(D)中の硫酸バリウムの質量割合、硫酸バリウム/(D)が、0.3以上である、請求項1~3のいずれか1項記載の口唇化粧料。
  5. さらに、(F)シリコーンエラストマーを含有する請求項1~のいずれか1項記載の口唇化粧料。
  6. 成分(B)に対する成分(D)の質量割合(D)/(B)が、1~3.5である請求項1~のいずれか1項記載の口唇化粧料。
  7. 固形口唇化粧料である請求項1~のいずれか1項記載の口唇化粧料。
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