JP7295699B2 - 日焼け止め化粧料 - Google Patents
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近年、マリンスポーツやスキー、ゴルフ等、強い太陽光に長時間さらされる屋外でのレジャーシーンに限らず、日常生活においても紫外線防御が重要と考えられており、日焼け止め化粧料の需要やその使用頻度が高まっている。そのため、日焼け止め化粧料には、紫外線防御能はもちろん、耐水性や使用感の向上も求められている。
このような状況に鑑みて、本発明は、使用感及び耐水性に優れ、高い紫外線防御能を有する化粧料を提供することを課題とする。
[1]以下の成分(A)~(C)を含有する油中水型乳化剤型の日焼け止め化粧料であって
前記成分(A)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(A)+(C)]が0.1~
0.3である日焼け止め化粧料。
(A)微粒子酸化チタン
(B)微粒子酸化亜鉛
(C)球状ナイロン末
[2]前記成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]が0.1~0.3である、[1]に記載の日焼け止め化粧料。
[3]前記成分(A)の含有量が10~15質量%である、[1]又は[2]に記載の日焼け止め化粧料。
[4]前記成分(B)の含有量が10~15質量%である[1]~[3]のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
[5]前記成分(C)の含有量が1.5~5質量%である[1]~[4]のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
これらの成分は、紫外線散乱作用により紫外線防御効果を発揮するものである。
表面処理としては、疎水化処理が好ましく挙げられ、その方法は、特に制限されず、公知の方法による処理でよい。例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。これらのうち、脂肪酸を用いた処理及びシリコーン類を用いた処理が好ましく、脂肪酸を用いた処理がより好ましく、イソステアリン酸処理が分散性の観点から特に好ましい。
また、成分(A)と成分(B)の含有量の質量比(A):(B)は、好ましくは1.0:0.8~1.0:1.3であり、より好ましくは1.0:0.9~1.0:1.2であり、さらに好ましくは1.0:1.0~1.0:1.1である。
成分(C)は、成分(A)及び(B)の凝集を抑制し、均一な分散を維持させる作用を有するため、日焼け止め化粧料の経時における紫外線防御効果を維持させ、また使用時に
おいても紫外線防御効果を持続させることができる。また、かかる維持効果により、紫外線吸収剤を配合せずとも、高い紫外線防御能を有する日焼け止め化粧料となり得る。
また、成分(C)は、化粧料の塗布時に、粉っぽさを感じさせず、さっぱりとし、かつ滑らかな感触を与えるため、化粧料の使用感向上にも寄与する。
さらに、成分(C)を配合することにより、日焼け止め化粧料の耐水性も向上する。
しくは0.16~0.24である。
また、成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]は、好ましくは0.1~0.3であり、より好ましくは0.13~0.27であり、さらに好ましくは0.16~0.24である。
かかる範囲を満たすように各成分を配合することにより、成分(A)及び(B)の凝集抑制効果が十分に得られやすくなり、その結果優れた紫外線防御能が経時でも使用時においても維持されやすくなる。
他の粉体としては、表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ-ル剤類;レ-キ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;などが挙げられる。
通常、粉っぽさを感じさせずに化粧料にさっぱりとした感触を付与しようとする際、化粧料の粘度(デジタルビスメトロンVDA(芝浦システム株式会社)で測定した場合)を3
000~15000cpの範囲に調整することが多い。かかる粘度に調整する場合、粉体の凝集や沈降によるケーキングを避けるため、一般的に総粉体量を少なく、例えば化粧料全体の5質量%以下とする。本発明においては、上記のように比較的多量の粉体を含有しても、凝集しにくいため、良好な紫外線防御能と使用感とを両立することができる。
かかる成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;
ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等の多価アルコール類;
-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4'-
t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;
ェニル-2,2'-ジオール、5'-アデニル酸二ナトリウム、トラネキサム酸セチル、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ハイドロキノン等の美白剤;コラーゲン、ヒアルロン酸等の水溶性高分子;などが挙げられる。
評価結果を併せて表1~2にそれぞれ示す。
各化粧料について、SPFアナライザー(UV-2000S、Labsphere社)を用いてSPF値
を測定した。各値を以下の基準で4段階に当てはめて評価した。
◎:SPF≧50
○:50>SPF≧30
△:30>SPF≧20
×:20>SPF
各化粧料適量を腕に塗布して乾かした後に流水で軽く洗い流したときの耐水性を、熟練
の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:優れている
○:良好
△:あまり良くない
×:不良
各化粧料を50℃で30日間静置して保存した後の、粉体の分散性を熟練の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:全体に均一に分散している
○:ほぼ均一に分散している
△:やや凝集又は沈降がみられる
×:凝集又は沈降が顕著である
御能を有し、また耐水性にも優れる。そのため、産業上非常に有用である。
Claims (5)
- 以下の成分(A)~(C)を含有する油中水型乳化剤型の日焼け止め化粧料であって、
前記成分(A)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(A)+(C)]が0.1~
0.3であり、
前記成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]が0.1~0.3である日焼け止め化粧料(ただし、以下の(i)及び(ii)を除く)。
(A)微粒子酸化チタン
(B)微粒子酸化亜鉛
(C)球状ナイロン末
(i)オクチルメトキシケイ皮酸、揮発性シリコーン、及び水性成分5~25質量%を含有する日焼け止め化粧料
(ii)融点が80℃以上である固形油を0.01~7.5質量%、抱水性油剤を0.01~7.5質量%、シリコーン油を40質量%以上含有する油相、及び水を5質量%以上を含有する日焼け止め化粧料 - 内相比が0.60~0.80である、請求項1に記載の日焼け止め化粧料。
- 前記成分(A)の含有量が10~15質量%である、請求項1又は2に記載の日焼け止め化粧料。
- 前記成分(B)の含有量が10~15質量%である請求項1~3のいずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
- 前記成分(C)の含有量が1.5~5質量%である請求項1~4のいずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
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