JPH07228601A - 水溶性β−1,3−グルカン誘導体及びそれを含む抗ウイルス剤 - Google Patents

水溶性β−1,3−グルカン誘導体及びそれを含む抗ウイルス剤

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JPH07228601A
JPH07228601A JP1907794A JP1907794A JPH07228601A JP H07228601 A JPH07228601 A JP H07228601A JP 1907794 A JP1907794 A JP 1907794A JP 1907794 A JP1907794 A JP 1907794A JP H07228601 A JPH07228601 A JP H07228601A
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glycidol
glucan
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water
paramylon
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JP1907794A
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English (en)
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Mikio Kikuchi
幹雄 菊地
Yoshiro Oba
義郎 大庭
Hirotomo Ochi
宏倫 越智
Yoshikazu Kondo
嘉和 近藤
Hiroshi Ishikawa
廣 石川
Hisashi Miyamoto
寿 宮本
Takeshi Kuroda
武志 黒田
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NIKKEN FOOD KK
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
NIKKEN FOOD KK
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、抗ウイルス活性が強く、低毒性で
且つ水溶性の抗ウイルス剤を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明の抗ウイルス剤は、β−1,3−グル
カンの水酸基がグリシドールとの反応により修飾された
水溶性β−1,3−グルカン誘導体を含有するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性β−1,3−グ
ルカン誘導体及びそれを含む抗ウイルス剤に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】本明細書において、β−1,3
−グルカンには、本発明の本質に影響を及ぼさない範囲
において少量のβ−1,6−結合を含んでいる実質的な
β−1,3−グルカンをも含むものとする。
【0003】従来、β−1,3−グルカンは、そのまま
で、或いはアルカリ処理、化学修飾、架橋結合等の処理
を施して、使用されている。斯かるβ−1,3−グルカ
ン及びβ−1,3−グルカン処理物は、抗ウイルス効果
に乏しく、また水に対する溶解性に劣っているという問
題点を有している。また、仮にβ−1,3−グルカンに
化学修飾を施し、動物実験で抗ウイルス効果を示すβ−
1,3−グルカン処理物が得られたとしても、該処理物
は毒性が大きく安全性を欠くという致命的欠点を有して
いた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低毒性で
且つ水溶性のβ−1,3−グルカン誘導体であって、抗
ウイルス活性の強いβ−1,3−グルカン誘導体を開発
すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、β−1,3−
グルカンの水酸基を2,3−ジヒドロキシプロポキシ化
することにより部分的又は完全に修飾した水溶性β−
1,3−グルカン誘導体が低毒性で強い抗ウイルス活性
を有し所望の特性を兼備していることを見い出した。本
発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0005】即ち、本発明は、β−1,3−グルカンの
水酸基がグリシドール(2,3−エポキシ−1−プロパ
ノール)との反応により修飾されたことを特徴とする水
溶性β−1,3−グルカン誘導体及び該水溶性β−1,
3−グルカン誘導体を含有することを特徴とする抗ウイ
ルス剤に係る。
【0006】β−1,3−グルカンは、天然物の抽出、
微生物の培養等の公知の方法により容易に入手でき、ア
ルコール、トルエン等で処理することにより容易に精製
され得るものである。例えばパラミロンの場合、ユーグ
レナを、グルコースを主体とした培地上で培養すること
により、その細胞内に蓄積させることができる。ユーグ
レナ細胞中のパラミロンは、細胞を破砕することにより
簡単に取り出すことができると共に、アルコールやトル
エン処理により精製することができる。カードランの場
合は、ブドウ糖、窒素源、微量のミネラル等を含む培地
中で生産菌(Alcaligenes.faecali
s var.myxogenenes)を培養してカー
ドランを生産し、次いで培地に蓄積したカードランをア
ルカリにて溶解して菌体と分離精製した後、酸で中和し
てカードランを析出させることにより得ることもできる
し〔Process Biochem.,9,21(1
974)、発酵と工場,36,86(1978)〕、或
いは市販品(和光純薬製)を使用することもできる。
【0007】β−1,3−グルカンは、大部分の有機溶
媒には不溶であるが、アルカリ水溶液や一部の有機溶媒
には可溶である。
【0008】本発明で使用されるβ−1,3−グルカン
としては、例えば原生動物ユーグレナが細胞内に生産す
るパラミロン(特開昭64−37297号公報)、アル
カリゲネス属又はアグロバクテリウム属菌が生産するカ
ードラン(特公昭48−32673号公報、特公昭48
−32674号公報)、スエヒロタケの生産するシゾフ
ィラン(特公昭42−12000号公報、特公昭46−
37873号公報)、シイタケの生産するレンチナン
(特公昭49−484号公報、特公昭48−6767号
公報)、茯苓に含まれるパキマン、パキマンの化学修飾
で得られるパキマラン(特公昭47−40303号公
報)、褐藻類の成分であるラミナラン、酵母壁成分であ
るβ−1,3−グルカン、キクラゲ属の生産するβ−
1,3−グルカン(特開昭54−63012号公報)等
を挙げることができる。これらの中でも、生産性の観点
からパラミロン、カードラン、シゾフィラン及びレンチ
ナンが例示でき、その中でカードランが好ましい。
【0009】本発明の水溶性β−1,3−グルカン誘導
体は、例えばβ−1,3−グルカンとグリシドールとの
反応により得られる。該反応は、通常適当な不活性の溶
媒中アルカリの存在下で行なわれる。この場合にβ−
1,3−グルカン濃度は、例えば5〜20%まで反応さ
せることが可能である。アルカリとしては、従来公知の
ものを広く使用でき、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア等が挙げられるが、水酸化ナトリ
ウムが特に望ましい。アルカリの濃度は例えば0.1〜
5N程度が例示できる。溶媒としては出発原料の溶解度
により適宜選択でき、例えば水、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等の極性の高い溶媒を例示できる。本発明では、ア
ルカリ水溶液にβ−1,3−グルカンを溶解し、グリシ
ドールを添加、攪拌して反応を行なうのがよい。グリシ
ドールの添加量としては、重量比でβ−1,3−グルカ
ン量の少なくとも2倍量、通常は2〜32倍量、好まし
くは8〜32倍量である。反応温度は20〜150℃程
度、好ましくは40〜100℃程度であり、反応時間は
1〜48時間である。斯くして本発明の有効成分である
水溶性β−1,3−グルカン誘導体が製造される。
【0010】また上記で製造される水溶性β−1,3−
グルカン誘導体は、β−1,3−グルカンの水酸基がグ
リシドールで修飾されたものであるが、その構成糖グル
コースの6位にある水酸基がグリシドールで修飾された
ものが望ましい。
【0011】尚、6位にある水酸基がグリシドールで修
飾された割合(6位置換率)は、Carbohydra
te Research,224(1992)201−
208に準じた方法により測定される。即ち、グリシド
ールで処理されたβ−1,3−グルカンを2Nの硫酸を
用い、窒素ガス封管中100℃で10時間加熱して加水
分解する。次に炭酸バリウムで中和した後、水溶液を凍
結乾燥し、更に五酸化リン上で減圧乾燥する。乾燥した
試料を一定量秤取り、トリメチルクロロシランをTMS
化し、ガスクロマトグラフ及びマススペクトルにより分
析することにより求められる。
【0012】本発明の水溶性β−1,3−グルカン誘導
体は、後記溶解度試験方法で0.1%w/w以上の水溶
性を示すものが好ましい。
【0013】本発明の抗ウイルス剤中に配合されるべき
水溶性β−1,3−グルカン誘導体の量としては、本発
明の所期の効果が発現され得る量である限り、特に限定
されるものではないが、通常本発明組成物中に0.00
1〜10重量%程度配合するのがよい。
【0014】本発明の抗ウイルス剤は、一般的な医薬製
剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、
増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤
等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医
薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択で
き、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、
懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液
剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
【0015】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来よりよく知られている各種のものを
広く使用することができる。その例としては、例えば乳
糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、
リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾
燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミ
ナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル
硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプ
ン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバタ
ー、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩
基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリ
ン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、
ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タル
ク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコー
ル等の滑沢剤等を使用できる。さらに錠剤は必要に応じ
通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包
錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重
錠、多層錠とすることができる。
【0016】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用できる。その
例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ
脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビ
アゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結
合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用でき
る。
【0017】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用できる。その例として
は、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級ア
ルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半
合成グリセライド等を挙げることができる。
【0018】注射剤として調製される場合、液剤、乳剤
及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ま
しく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤とし
てこの分野において慣用されているものをすべて使用で
き、例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロ
ピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用でき
る。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量
の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含
有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。
【0019】軟膏剤として調製される場合には、この分
野で従来公知の油性基剤を広く使用することができ、具
体的にはラッカセイ油、ゴマ油、ダイズ油、サフラワー
油、アボカド油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ナタネ
油、メンジツ油、ヒマシ油、ツバキ油、ヤシ油、オリー
ブ油、ケシ油、カカオ油、牛油、豚油、羊毛油等の油脂
類、ワセリン、パラフィン、シリコン油、スクワラン等
の鉱物油、イソプロピルミリステート、n−ブチルミリ
ステート、イソプロピルリノレート、アセチリシノレー
ト、ステアリルリシノレート、ジエチルセバケート、ジ
イソプロピルアジペート、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコール、サラシミツロウ、ゲイロウ、木ロウ等の
高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール及びワック
ス類、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の高
級脂肪酸、炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸の
モノ、ジ、トリグリセライド混合物等を例示できる。本
発明では、これら基剤を1種単独で使用してもよいし、
2種以上混合して使用してもよい。
【0020】本発明の組成物には、慣用の添加剤、例え
ば金属石鹸、動物乃至植物抽出液、ビタミン剤、ホルモ
ン剤、アミン酸等の薬効剤、界面活性剤、色素、染料、
顔料、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、酸化防止
剤、金属封鎖剤、pH調整剤等を必要に応じて適宜配合
することができる。
【0021】本発明の組成物は、常法に従い製造され
る。
【0022】本発明のこれら医薬製剤の投与方法は特に
制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の
条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば
錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル
剤の場合には、経口投与される。注射剤の場合には単独
で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静
脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、
皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内
投与される。また外用剤の場合には患部に塗布される。
【0023】本発明のこれら医薬製剤の投与量は、疾患
の種類、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の
程度等により適宜選択されるが、通常有効成分化合物の
量が、一日当り体重1kg当り、約0.01〜20mg
程度とするのがよい。また、該医薬製剤は、通常1〜3
回に分けて投与されるのがよい。
【0024】
【発明の効果】本発明の抗ウイルス剤は、優れた抗ウイ
ルス作用を発現し、しかも毒性は極めて低く安全性に優
れたものである。また、本発明の抗ウイルス剤の有効成
分は、水に対する溶解性に優れている。更に、本発明の
抗ウイルス剤は、薬効持続時間も長いという特徴をも有
している。
【0025】また本発明の抗ウイルス剤は、各種のウイ
ルス感染症に優れた効果を発揮し、例えば呼吸器ウイル
ス感染症、発疹性ウイルス感染症、神経系ウイルス感染
症、肝炎ウイルス及びその他消化器系ウイルス感染症、
ウイルス性心筋炎及び心膜炎、ヘルペスウイルス感染
症、レトロウイルス感染症等に有効である。
【0026】更に本発明の水溶性β−1,3−グルカン
誘導体は、上記の抗ウイルス作用の他に、免疫能賦活作
用も有している。
【0027】
【実施例】以下に、参考例、製剤例及び薬理試験例を掲
げる。
【0028】参考例1(パラミロンの製造) 小田培地改良培地を用いて培養したユーグレナ グラシ
リス Z細胞を、遠心分離にかけて細胞を集めた。この
細胞を50%エタノール液で2回洗浄し、次いで水洗し
た後、再度の遠心分離により細胞を集め、6M尿素水溶
液に懸濁し、超音波破砕を行なった。これを遠心分離
し、沈殿物を集めた。この沈殿物は、再度6M尿素水溶
液に懸濁し、1時間攪拌し、これを遠心分離して沈殿物
を集めた。この沈殿物は、トルエン:水(1:4)の混
合液に懸濁し、3時間攪拌し、遠心分離により沈殿物を
集めた。この操作を3回行なうことにより、白色のペー
ストが得られた。このペーストを70℃で3時間乾燥さ
せることにより、白色粉体のパラミロンを得ることがで
きた。
【0029】実施例1(グリシドール処理パラミロンの
製造) 参考例1で得られたパラミロン2.0gを1Nの水酸化
ナトリウム水溶液40mlに溶解させグリシドール1
6.0gを加えた、50℃で3時間撹拌した後、室温ま
で冷却し、10%酢酸でpH7.0にし、セルロースチ
ューブ(Visking Co製,UC36−32−1
00,Lot#206001)で終夜透析を行なった。
内容物を遠心分離し(10000g,30分)、その上
澄をデカントし、更に3日間真空凍結乾燥を行ない、白
色のグリシドール処理パラミロンを2.28g得た。
【0030】〔α〕D 25:−0.93゜(c=0.10
8%)。
【0031】実施例2(グリシドール処理パラミロンの
製造) 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール2.0gを用い、50℃で3時間反応させて白色の
グリシドール処理パラミロン0.325g得た。
【0032】〔α〕D 25:+4.0゜(c=0.025
%)。
【0033】実施例3 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール8.0gを用い、50℃で3時間反応させて白色の
グリシドール処理パラミロン2.126g得た。
【0034】〔α〕D 25:−2.5゜(c=0.12
%)。
【0035】実施例4 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール4.0gを用い、50℃で3時間反応させて白色の
グリシドール処理パラミロン1.686g得た。
【0036】〔α〕D 25:+6.3゜(c=0.032
%)。
【0037】実施例5 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール32.0gを用い、50℃で3時間反応させて白色
のグリシドール処理パラミロン5.398g得た。
【0038】実施例6 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール16.0gを用い、50℃で48時間反応させて白
色のグリシドール処理パラミロン2.990g得た。
【0039】実施例7 実施例1と同様にしてパラミロン2.0g及びグリシド
ール16.0gを用い、100℃で3時間反応させて白
色のグリシドール処理パラミロン2.546g得た。
【0040】実施例8(グリシドール処理カードランの
製造) カードラン0.507gを、1N水酸化ナトリウム水溶
液20mlに溶解させ、グリシドール2mlを加えた。
40℃で3時間超音波処理(38KHz)した後、0.
5N酢酸で中和した。この反応液をセルロースチューブ
(Visking Co.製)で透析を行なった。この
透析終了後、真空凍結乾燥することにより、0.519
g(P2 5 減圧乾燥後秤量)の白色のグリシドール処
理カードランを得た。
【0041】〔α〕D 25:−2.4゜(c=0.50
%) 実施例9 カードラン2.0gを1N水酸化ナトリウム水溶液80
mlに溶解させ、グリシドール16.0gを加え、50
℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却させ、水216m
lを加え、10%酢酸で中和した。この反応液をセルロ
ースチューブ(Viskase sales Corp
製)で1終夜透析を行なった。この透析後、内容物を遠
心分離(10000G,30分)にかけ、上澄みを真空
凍結乾燥することにより、白色のグリシドール処理カー
ドラン3.845gを得た。
【0042】実施例10 実施例9と同様にしてカードラン2.0gとグリシドー
ル24.0gとを反応させてグリシドール処理カードラ
ン3.331gを得た。
【0043】実施例11 実施例9と同様にしてカードラン2.0gとグリシドー
ル32.0gとを反応させてグリシドール処理カードラ
ン3.743gを得た。
【0044】実施例12 実施例9と同様にしてカードラン2.0gとグリシドー
ル48.0gとを反応させてグリシドール処理カードラ
ン4.444gを得た。
【0045】実施例13 実施例9と同様にしてカードラン2.0gとグリシドー
ル64.0gとを反応させてグリシドール処理カードラ
ン4.528gを得た。
【0046】実施例14 カードラン1.0gを1N水酸化ナトリウム水溶液40
mlに溶解させ、グリシドール16gを加え、50℃で
3時間攪拌した後室温まで冷却させ、水108mlを加
え、10%酢酸で中和した。この反応液を遠心分離(1
0000G,30分)し、上澄液の半量に4倍量のエタ
ノール(和光純薬製,99.5%)を加え、スパーテル
で攪拌した。この時白色固体を生じた。反応液を遠心分
離(10000G,30分)した。上澄みをデカント
し、エタノールを加え、再びスパーテルで攪拌し、遠心
分離(10000G,30分)した。同じ操作を2回繰
り返し、上澄みをデカントし、残った固体を40℃で減
圧乾燥させ、白色のグリシドール処理カードラン0.6
000gを得た。
【0047】実施例15 カードラン17.5gを1N水酸化ナトリウム水溶液7
00mlに溶解させ、グリシドール280gを内温44
〜47℃で滴下後、50℃で3時間攪拌した。上記と同
じ反応をもう一回並行して行なった。各々の反応液を冷
却後、4リットルの水で希釈し、酢酸で中和した。その
反応液を遠心分離(10000G,30分)し、その上
澄みを2つに分け、各々に12.6リットルのエタノー
ルを加え、メカニカルスターラーで30分攪拌し、終夜
放置した。デカント後、1つにまとめ、8リットルのエ
タノールを加えて20分攪拌し、静置し、デカント後7
リットルのエタノールを加えて再び20分攪拌した。静
置し、デカント後7リットルのエタノールを加えて攪拌
し、静置した。デカント後、内容物を遠心分離(100
00G,30分)し、デカント後エタノールを加え、ス
パーテルで攪拌した。再び遠心、デカント、攪拌までの
操作を2回行ない、上澄液をデカントした後、残りの白
色結晶を40℃で減圧乾燥させ、グリシドール処理カー
ドラン88.79gを得た。
【0048】製剤例1 水溶性パラミロン誘導体 2g 乳糖(日本薬局方品) 50g 結晶セルロース(日本薬局方品) 25g コーンスターチ(日本薬局方品) 25g メチルセルロース(日本薬局方品) 1.5g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1g 水溶性パラミロン誘導体、乳糖、結晶セルロース及びコ
ーンスターチを充分混合し、メチルセルロースの5%水
溶液で顆粒化し、200メッシュの篩に通して注意深く
乾燥し、これを常法により打錠して錠剤1000錠を調
製する。
【0049】製剤例2 水溶性カードラン誘導体 2g 注射用蒸留水 100ml 等張化剤 適量 水溶性カードラン誘導体を注射用蒸留水に溶解し、等張
化剤を加える。適当なフィルターペーパーを用いて滅菌
濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
【0050】製剤例3 水溶性カードラン誘導体 2g 乳糖(日本薬局方品) 50g 結晶セルロース(日本薬局方品) 25g コーンスターチ(日本薬局方品) 25g メチルセルロース(日本薬局方品) 1.5g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1g 水溶性カードラン誘導体、乳糖、結晶セルロース及びコ
ーンスターチを充分混合し、メチルセルロースの5%水
溶液で顆粒化し、200メッシュの篩に通して注意深く
乾燥し、これを常法により打錠して錠剤1000錠を調
製する。
【0051】製剤例4 水溶性レンチナン誘導体 1g 注射用蒸留水 100ml 等張化剤 適量 水溶性レンチナン誘導体を注射用蒸留水に溶解し、等張
化剤を加える。適当なフィルターペーパーを用いて滅菌
濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
【0052】薬理試験例1 4週齢のICR系雄性マウス(生理食塩水群10匹、グ
リシドール処理カードラン投与群8匹)に、上記実施例
8で得られたグリシドール処理カードラン水溶液0.2
mlを、該カードランの投与量がマウスの体重1kg当
り100mgになるように尾静脈より投与し、更に2日
後に該カードランを同一の投与量で投与した。翌日、ワ
クシニアウイルス(WR株)を5000PFU/マウス
になるように尾静脈から感染させた。ウイルス感染から
10日目にマウスの尾部に見られるポックス数を計測
し、抗ウイルス効果を調べた。また、コントロールとし
て生理食塩水0.2ml投与群も同様にして調べた。そ
の結果、生理食塩水投与群のワクシニア感染による病変
部、ポックス数は感染後10日目で平均54.3であっ
た。一方、グリシドール処理カードラン群のワクシニア
感染による病変部、ポックス数は感染後10日目で平均
25.3であった。このことから、上記カードランは、
優れたウイルス増殖抑制効果を発現することが判る。
【0053】薬理試験例2 4週齢のBALB/C系雄性マウスに、上記実施例1〜
4で得られた各グリシドール処理パラミロン水溶液0.
2mlを、該パラミロンの投与量がマウスの体重1kg
当り10mg又は100mgになるように尾静脈より投
与し、更に2日後に該パラミロンを同一の投与量で投与
した。翌日、ワクシニアウイルス(WR株)を尾静脈よ
り0.2ml注射した。ウイルス感染から7日目にマウ
スの尾部に見られるポックス数を計測し、抗ウイルス効
果を調べた。また、コントロールとして生理食塩水0.
2ml投与群も同様にして調べた。その結果を下記表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】薬理試験例3 6週齢のBALB/C系マウスに上記実施例15で得ら
れたグリシドール処理カードラン水溶液を1日おきに尾
静脈より2回投与し、2回投与した翌日にワクシニアウ
イルス(WR株)を1000PFU/マウスになるよう
に尾静脈から感染させた。上記カードラン(G.C.)
の投与量はマウス体重1kg当り100mgになるよう
に調整し、コントロールとしては生理食塩液を投与し
た。ウイルス感染から7日目にマウスの尾部に見られる
ポックス数を計測し、ウイルス感染価を測定した。結果
を図1及び図2に示す。
【0056】薬理試験例4(マウスサイトメガロウイル
ス(MCMV)感染症に対する効果)6週齢のBALB
/C系マウス(1群8匹)に上記実施例11で得られた
グリシドール処理カードラン水溶液を1日おきに尾静脈
より2回投与し、2回目を投与した翌日にMCMV(L
ot930203、5.2×106 PFU/0.2m
l)を尾静脈から感染させた。感染後、1日目より上記
カードラン水溶液を1日おきに4回投与し、肝臓内ウイ
ルス量を測定した。上記グリシドール処理カードランの
投与量はマウスの体重1kg当り100mgになるよう
に調整した。またコントロールとして生理食塩水を上記
カードラン水溶液と同様の方法で投与し、肝臓内ウイル
ス量を測定した。結果を図3に示す。
【0057】溶解度試験 12改正日本薬局方の溶解度試験に準じて行なった。即
ち、試験サンプルを100号(150μm)篩を通過す
る細末とした後、水に入れ、20±5℃で5分毎に強く
30秒間かき混ぜた時に、30分以内に溶ける度合を調
べた。
【0058】上記参考例2及び実施例1〜7で得られた
グリシドール処理パラミロン並びに実施例8〜15で得
られたグリシドール処理カードランの溶解度は、いずれ
も0.1%w/w以上であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリシドール処理カードランの投与量とマウス
尾部のポックス数との関係を示すグラフである。
【図2】グリシドール処理カードランの投与量とマウス
尾部のウイルス感染価との関係を示すグラフである。
【図3】MCMV感染マウスにグリシドール処理カード
ランを投与した時の肝臓内ウイルス量を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越智 宏倫 静岡県袋井市春岡723番地の1 日研フー ド株式会社内 (72)発明者 近藤 嘉和 宮城県仙台市青葉区角五郎1−8−9 (72)発明者 石川 廣 滋賀県大津市清風町18−14 (72)発明者 宮本 寿 徳島県板野郡松茂町中喜来字中瀬堤外3− 16 (72)発明者 黒田 武志 徳島県板野郡松茂町笹木野字八上57の1 B305

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−1,3−グルカンの水酸基がグリシ
    ドールとの反応により修飾されたことを特徴とする水溶
    性β−1,3−グルカン誘導体(但し、パラミロンの水
    酸基がグシリドールとの反応により修飾された水溶性パ
    ラミロン誘導体であって、6位置換率が25%である誘
    導体を除く)。
  2. 【請求項2】 β−1,3−グルカンがカードランであ
    る請求項1に記載の水溶性β−1,3−グルカン誘導
    体。
  3. 【請求項3】 β−1,3−グルカンの水酸基がグリシ
    ドールとの反応により修飾された水溶性β−1,3−グ
    ルカン誘導体を含有することを特徴とする抗ウイルス剤
    (但し、パラミロン1に対してグリシドールを3.5〜
    4.5倍重量反応させて水酸基を修飾したパラミロン誘
    導体を含有する抗ウイルス剤は除く)。
  4. 【請求項4】 β−1,3−グルカンがカードランであ
    る請求項4に記載の抗ウイルス剤。
JP1907794A 1994-02-16 1994-02-16 水溶性β−1,3−グルカン誘導体及びそれを含む抗ウイルス剤 Pending JPH07228601A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184592A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Euglena Co Ltd アモルファスパラミロン
CN102838688A (zh) * 2012-09-12 2012-12-26 江南大学 一种可溶性酵母葡聚糖的制备方法
JP2013091716A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Kri Inc パラミロン粒子を含有する複合体
CN114869843A (zh) * 2022-05-23 2022-08-09 天津科技大学 一种高交联裸藻多糖凝胶的制备方法
CN117551216A (zh) * 2023-11-15 2024-02-13 甘肃农垦药物碱厂有限公司 一种酸性罂粟多糖及其制备方法和应用

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